金色のガッシュベル#132
「鬼の怒りは恐ろしいの巻」
リーヤとアリシエという新たなる仲間の導きによって,ファウード体内への潜入を開始したガッシュたちは,巨大な体内を2日間走り回ってこれを魔界に返すための装置を探さねばならない.封印を解けばすぐにも動き出すというファウードの体内では,外敵を退ける仕組みも動き出していた.
たどり着いたファウードの胃で待っていたのは,巨大な番人のウンコティンティン.ガッシュたちは彼にファウードの中を探索するにふさわしい者であるかを様々な質問によって試されるのだが,その内容は拍子抜けするほどにひねりがない.
細菌のように口から侵入して全身を侵す予定の「ガッシュ」.やってることはミクロの決死圏でも侵入側は小さくなってない…というのがこの作品のスケールの大きさ.元々大人の魔物は相当でかくなるという設定はあるんだけど,さすがにファウードレベルにでかい魔物はそうはいないんじゃないか.予定ではファウードを魔界に戻さなきゃならないんだけど,戻された方でも処理できるんだろうか?
今回は原作由来の危険球をアニメ制作側でどう処理したかが明らかに.結果,名前はOKだけど羞恥プレイはダメ.…プレイやっちゃうと名前のやばさが際立ってしまうから,残念だけど仕方ない(笑).…ってことは,今回以降もかなりのアレンジが加えられる可能性があるのか.
アリシエからの究極の選択を第3の答えでクリアしたガッシュとその仲間たちは,リィエンと世界の両方を助けるための体内探索を開始.ガッシュ本人にとってもあの決断は相当大きなもので,今後特にシリアスな場面での彼の存在感はより一層増すわけですが,今回みたいなギャグの場合はボケか傍観者かツッコミの道具という役割はあんまし変わりません.主役の癖にツッコミの道具ってのが泣かせますが,実際そうだからなぁ….
反撃の機会をひたすら待ってファウード内で雌伏してきたアリシエは,ファウードの正体だけでなくこの中にいる魔物たちやファウード内のルートのことまで調査済.とはいえどこかでコントロールルームに続くはずの巨大な体内経路まではさすがに把握できてはいない模様.ガッシュたちはウイルスよろしく,巨大なファウードの口腔から未知の内部へと侵入することになるわけです.寝息程度でもアリシエ以外全員転がるほどにでかいファウード.既にホットスタンバイのこれは,どんな風にコントロールされるんだろう.
まずは侵入に先立っては体内の内部概略図をチェック.清麿はメモを取りサンビームは写真撮影.大ざっぱなルートを確認するだけならファインダーの液晶程度で十分だし,役割としてルート全体を詳細に把握しておかねばならない場合は全体を把握できるメモの方がやりやすいんじゃないかな.決して財力の問題ではなく(笑).巨大でも人の内部構造とあまり変わらないなら,目指すコントロールルームは恐らく脳.そこに侵入するには脊髄から神経を辿るのがやはり王道.…他の道としては血管経由も考えられなくはないんだけど,水中での呼吸がネックだな.
ついに踏み込んだ赤い未知の領域.原作と違って背景に実際に色がついているのが奇妙な迫力になっている.実写だったらかなり嫌な映像になりそうだけど,アニメだから嫌悪感を感じる一歩手前.とはいえ登場人物たちにとって気持ちの悪い空間であることは疑いないですが….口から潜入して食道を通り,胃にあたる部屋へ.下には煮えたぎる溶岩のごとき胃液がお待ちかねする危険なステージを守るのは,ファウード体内の守護者・ウンコティンティンでありました! …名前で笑わせようとするのはずるいので(笑)清麿は名前をナチュラルに無視.ボケだから仕方ないけどそこを気にしてしまうサンビームは修行が足りない(笑).こうして敵の大型ボケと作品中稀代のツッコミの激しい舌戦がはじまります.
アリシエの実に堂に入った大嘘によってウンコティンティンの質問に答えねばならなくなった一同.アリシエは大変頼りがいがあるんですが,急に仲間になった奴がそんな様子を見せるたびに清麿がやや不審そうな顔をしています.このあたりが爆発するのは次回なのでお楽しみに.今回の主役はあくまでバカとツッコミ.ファウードを作った主人は知恵者だったということで,その使いなら質問に答えなさいという守護者はこの場の神なのでガッシュたちには拒否権なし.一人でも間違ったら全員胃液で溶けるというルールはなかなか過激ですが,やってることはともかくとして一応天才という設定の清麿がいるから大丈夫なわけです.
まずは1問目.「あなたたちのいるここはどこ?」…言われるまでもなくファウードの中なんだけど,深読みしすぎると胃とかニュージーランドとかついつい浮かんでしまうからしり込みしてしまうまともな3人を差し置いて,そういう考えのまったくないフォルゴレさんの回答「ファウードです!」 …大人の癖に,その回答のあまりのひねりのなさに清麿たちは詰め寄るもののなぜかこれで正解.見事にスカされます.
とはいえこんな単純な質問に単純に回答してしまうバカには独自のお仕置きが.命の紐の一番下につかまったフォルゴレのズボンは,真下の胃液から沸きあがる蒸気でどんどん溶けていく! ズボンが溶けるほど濃いなら呼吸するのすら命がけのような気もするんだけど(笑)特に身体に異常はないまま,しかし下半身が尻丸出しのセクシー状況になっていくフォルゴレ.でも,そんなサービスは誰も求めてないぞ(苦笑)!
門番の問いは思った以上に緩く,「上は大水,下は大火事,これはなに?」などの清麿の頭が勿体ないほどの低レベル.でも,キャンチョメは真剣に悩んでいるから,最初の関門としてはこの難易度で十分ってこと? 魔界って…大丈夫か(笑)? ちなみに答えは大火災現場を襲った津波みたいに無理にひねることもなく普通に「お風呂」.次の質問の「うさぎとサル,どっちでもないお前は何だ?」回答「モモン」も途方もなく投げっぱなしであり,さすがにツッコミの血がたぎったらしい清麿が軽く探りを入れてます(苦笑).
審判者はすなわちこの場の神であり,ツッコミのもっともな疑問も神なのであっさりスルー.「好きな食べ物は?」「ブリなのだ」も質問としてはひどいなぁ.「天丼とカツ丼(ロース)カロリーが高いのは」あたりは割とクイズらしくていいんだけど(答えはカツ丼)魔界にもカツ丼があるという事実の方に心惹かれる今日この頃.
クイズだかインタビューだかわからん質問で命の紐にはガッシュをはじめほとんどの面子がぶら下がったものの,未だに残っているのは真打の清麿.運命の一戦は「829735×961527は!」からスタート! 回答できない質問を出して助かりそうだった仲間たちを目の前で溶かすって風の悪趣味なことを狙っていたんだろうけれど,今回ばかりは相手が悪い.一時期はびっくりするほどに,そして未だに時々ものすごく頭が悪いものの(苦笑)清麿には「天才」という属性がついているので「797812605345だ!」と12桁の電卓並みの能力を発揮.2千円くらい?
清麿の回答に青ざめて自分では正解を把握していない様子から,たとえ図体がでかかろうとこれは確実にボケだと踏んだ清麿は持ち前のツッコミ魂で「これが正解かも計算できんのか!」とさらに押したから当然のようにボケは敗北.いくら負け惜しみを言ったって負けは負け.殴り合いならともかくとして,作品中最強レベルの説得能力を誇る男に舌で挑んじゃいけません.
けれど問題はまだ続く.ガッシュチームで回答できずに残っているのは…ウマゴン! いくら頑張ってもメルメルしか言えない相手に大人気ない門番が出してきた問題ときたらフェルマーの最終定理という,17世紀から20世紀まで数々の数学者を悩ませた超難問.ウマゴンには100%無理であり,天才であっても証明に8年かかる難問だから…とここで清麿が本領発揮.ボケに引きずられっぱなしのこの空気を,数々の魔物をビビらせてきた悪鬼が一気にぶっ飛ばす!
そんな難問,6桁の単純な掛算すら解けなかったお前だって解けないだろと鬼の形相で迫る怖い清麿.…ルール的には別に相手が正解を出す必要はないはずなのに,なんせ鬼が怖いから(笑)あっという間に清麿のペースに飲まれてしまうだなんて敵ながら情けない.鬼は鬼で勝手に盛り上がってるもんだから「さあ答えてみろ答えてみろってんだあこのウンコ野郎!」といつもの冷静な態度は微塵もなし.正義の見方側とは思えないほど柄悪い…(苦笑).
一度空気を掴んでしまえば,どれだけバカが「第2問!」とかぼけたって鬼ことツッコミは許さない.見ている側が思わず苦笑いしてしまうほどにぶちぎれたガラの悪い恫喝の末,ついに「ティンティンチャーンス!」が荒ぶる鬼の怒りを宥めるべく与えられます.…清磨,会話の成立するボケには無茶苦茶強いなぁ(苦笑).
原作ではここから恵ファン待望の羞恥プレイだったけどアニメではさすがにスルー.子どもへの影響とか海外展開とか考えると仕方はないし,そもそも今回は「ウンコティンティン」を通しただけでも相当な偉業だからみんな許してあげようよ(苦笑).
大人げないボケである巨大な門番が清磨に出したチャンス問題は,「私に向かって心の底から謝りなさい」…全然悪くない上にプライドもそれなりに高そうな清麿に謝れだなんて大人気なさすぎて涙が出そうですが,それでも命を繋ぎ,この先に進むためには頭を下げるしかない,というのが紐にぶらさがった一同の意見の一致するところ.もしいつもの割と冷静な清磨になら,きっと素直に謝ったんじゃないかとは思うけれど…さっき沸騰したばかりの彼が,そう簡単に冷静に戻れるわけもない(苦笑).
「ごめんなさい…というのは簡単だ.しかし俺ぁなぜ貴様に謝らにゃならんのだ!」…ツッコミにとってボケにコケにされるのは何よりも辛い.ゆえに損得度外視で清磨大爆発! 魔物すら退ける鬼神の迫力が画面から溢れ出す! このあたりの無駄な大迫力は恵の代役を引き受けることになった者なりの気合か,あるいはアイドルの恥ずかしい言葉を聞き損ねた少年と製作者と視聴者の底深い怒りか(笑).謝るのはフェルマーの定理を解いたときだけだと自分よりはるかにでかい魔物に登って迫って泣かせるその気合! 結果,なぜか出題者が謝ることになった上にチャンスまで得られたわけですが,それでも満足せずに「わかりゃいいんだよ!」と吐き捨てる清麿…そうか.そんなに聞きたかったのか(笑).
ウマゴンに出し直された問題は,「注射の道具にもなり,泳ぐための道具にもなり,逃げるときのいけにえにもなる.人間は絵を書くときの道具にする,ほとんど全ての動物が持っているこれはなに?」…意外と律儀だった自称神が出しなおした問題は確かにウマゴンでも回答が可能.答えは「尻尾」なので話せなくても自分の尻尾で回答できたのでありました.
胃を過ぎてしばらく行けば今度は小腸.食べ物をもっと細かくして吸収するところなので,背後からはガッシュたちを細かく砕くためのでっかいドリル登場! 知能の次は運動能力を試される,ファウード体内の旅はまだはじまったばかり.…待ち受ける小腸トラップだけでなく,リオウ側の魔物の動向も気がかり.そして今回,ギャグ回なのに何度かきちんと描かれていたある不安も顕在化していく,次回に続きます.
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