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焼きたて!!ジャぱん#52

「大麻ジャぱんで素敵なトリップ!の巻」

決勝第3戦.シャドウのベーグルは5万人の母を作り出したが,和馬のジャぱんはそれを越える脅威の幻覚を作り出す.大麻ジャぱんを口にしたピエロが飛ばされたのは1982年,自分自身が未だ生まれぬモナコ王室.身に着けた世界レベルの技術でピエロ兼召使として王室に入り込んだピエロは,太りすぎた王妃にダイエットを勧めたり,パーティを采配したりと大活躍.ついには王妃に生まれてくる王子の教育係になってほしいとまで言われてしまう.しかし大麻ジャぱんの効果が消え始めたピエロの前で,出産までまだ日があるはずの王妃が倒れてしまった!

パンに関するまともなウンチクと不真面目極まりないリアクションによってここまで紡がれてきた「ジャぱん」.双方とも映像や音声では視聴者に伝えられない味を理解させるための道具に過ぎないはずなんだけど,本作の場合は特にリアクションこそが主役.パンの凄さに比べたら,職人の背景とかドラマとかはむしろどうでもいいわけで.
今回はモナコカップ編でリアクションをメイン担当してきたピエロが演じる,天国送りを遥かに超えたリアクション.公正な判定によって日本チームを支えてくれた彼に捧げる素敵なハッピーエンドはまさに圧巻.必見です!

前半.決勝第3戦.前回シャドウのパンで銀河に飛び,著作権問題を回避しそこねながらも(笑)5万人の母に再会したピエロ.その凄いリアクションが出た後で試食されるのが和馬の大麻ジャぱん.和馬がピエロを天国に飛ばすことだけを考えて作り出した素敵なドーナツによって,ピエロの意識は宙どころか,時を越えていきます!

和馬のドーナツを試食したピエロの周辺の光景は一転.いきなり死んだはずの父親の座っている玉座に登場してしまい,さすがにうろたえる世界レベル.自分のことをまったく知らない父親に,母である王妃も健在でしかも妊娠中,そして王宮は妙にぴかぴかで….なんと今は西暦1982年.和馬の心づくしの大麻ジャぱんはピエロを天国ではなく,過去へと送り込んでしまったことが判明!
時代を越えることによって健在の父母に再会できたのは間違いないものの,王宮に入り込んだ不審者として扱われることも間違いなしのこの状況を,父母に逢うために必死で身に着けてきた技術でうまいことごまかしていくピエロ.本当は目立って父母に見つけてもらうための技術が,実際は父母から必死で隠れるために使われる.そんな用途の反転振りが面白い.
分身したピエロだけしかいない大サーカスでごまかしつつも,なんで自分が23年前に来てしまったのかがよくわからないピエロ.しかし「おおあさ」ではなく「たいま」と読めばこれもやっぱりリアクション.…大麻とタイムがかかってたんですね(笑).このダジャレが本来はリアクションのオチになるはずなんだけど,タイムトラベルが未だに終わらないところは,今回のリアクションの衝撃の強さを示しているようです.
世界レベルの技術はあっという間に父母を魅了し,王妃の召使兼ピエロとして暮らすことになったピエロ.ラリルレロのおじさんとして庭を掃除し,未来から持ってきた小粋なピエロジョークで王宮に馴染んでおります.両親の傍で暮らせる素敵な日々.しかしピエロの心を曇らせるのは,妊娠している母親が栄養の取りすぎで肉達磨になってしまったこと.目は開かないし指輪もできないし凄い勢いでパンを食べるっていうかむしろ飲む勢いだし.美しかった王妃の姿はそこにはない.このあたりの呆れたピエロの声の演技っぷりが実に面白い.
けれど妊婦にとって必要以上の肥満は避けるべきこと.妊娠中毒症や難産の原因になるのに…さすが世界レベルらしく家庭の医学にも詳しかったピエロは,これが母が自分を産んだ直後に死んだ原因ではないかと思い至ります.すぐさまダイエットに入ってもらわなければ母が死ぬ! ピエロは母のマンガ肉を取り上げます.
「王妃様,王子様はもうお腹一杯って言ってるさ」.未だ母の中にいる王子…自分自身の言葉として,世界レベルの聴力のふりして王妃様にダイエットを勧めるピエロ.ここで王妃は不思議なほどにあっさりと,ピエロの言葉を受け入れてくれます.「Yes!」とピエロが喜びを影で爆発させるほど,これは大きなターニングポイント.このまま行けば,王妃は死なずに済む…んだけど,いいのかな? ちなみに王妃がピエロのことをよく聞くのは,本当に息子に言われているような気分になるから.これは真実なので何か感じるものがあるんでしょうね.
そしてさらに数週間.随分と長いリアクションもついにクライマックスに突入.王室に仕える者としてすっかりなじみ,母も痩せ,今日はパーティを大成功させたピエロ.自分のことを名乗れないのは残念だけれど,健在の父母と一緒に素晴らしい時間を過ごせた喜びはどれほどのものか.しかしこれは和馬の大麻ジャぱんが作り出したうたかたの夢…のはず.自分の手が透け始めたことに気づいたピエロは,ここから去らねばならない時が来たことに気づきます.
そんなときに,自分に対し礼を言いに来たのが王妃.今日のパーティの成功からピエロの世界レベルの美点を並べ上げ,ついには生まれてくる息子にもあなたのような立派な人間になってもらいたいとまさに手放しの大絶賛! 父母なく育ち,化粧が面倒だからと顔をメイク状態に整形し,美味いパンを食えば人類を超越した能力を発揮し,さらにパンの美味さを表現するためだけに法を犯した市井のピエロにとっては,まさに破格の誉め言葉です.
何もかもが世界レベルのピエロに,生まれてくる王子の教育係になってほしいと頼む王妃.しかしこれほど見込まれても,求められても,今のピエロには王妃…母親からの申し出を受けることはできません.程なく大麻ジャぱんの効果は消え,現実に引き戻されることが確定しているピエロ.しかしそんな事情を知らない母は,この子が生まれてくるまでは行かないで,と願ってその場を立ち去ったはずが….
パーティの夜.誰もが酔いつぶれて眠っている王宮の中で倒れた王妃! 破水した彼女の容態は深刻.一刻も早く病院に運ばなければ,王妃も生まれてくる王子も…母も自分もこのまま死んでしまう! ピエロはその腕に母を抱えて,病院に向かい走り出す!

後半.…忘れがちなことだと思いますが,ここまでの展開はリアクションです(笑).リアクション世界の中では破水した王妃を抱えて夜を突っ走るピエロ.そして現実ではパンを食ったまま足をばたばたさせている珍妙なピエロ.もうてっきりピエロは天国に行ったもんだとばかり思い込んでいる和馬は,天国で走り回っているんじゃないかとほのぼのしているわけですが(苦笑)途中からなぜ自分が,ピエロを天国に送ったのかがわからなくなってきます…

母を抱えて病院に向かって必死で走るピエロ.しかしパンの効果は次第に薄れ,ついには肺が消えてきて呼吸ができない.それでも母だけは助けたいと,深夜の町を必死で進もうとするピエロだけれど,病院まではあと少しというところでついには足までも消えてしまった.確かに和馬の狙いとはちょっとずれた形で両親には逢えたけど,最後の別れが力及ばず母の命を失うシーンだなんてあんまりだ.けれどパンの効果は無情で,王妃からもらった指輪を残してピエロは現実へと戻されていく.「母さん…ごメんね…」

さて現実! 和馬たちが見たピエロのリアクションは,パンを食って固まってばたばたして最後にはおろろんと大泣きという不思議なもの.正気に戻ったピエロが素晴らしいけれどあまりにも切ない結末に和馬に恨み言の一つでもぶつけようとしたそのときに,横から聞こえる厳しい母の声! 情けない,ピエロ・ボルネーゼの足元にも及ばないと凛と言われてしまっては,ピエロも視聴者もびっくりです.その上自分を助けるためについ最近死んだはずの父・モナコ王までご健勝! …そして明らかになる,真のリアクションの効果!
なんと王妃はあのあと王子ともども命をつなぎ,2人を救って消えたピエロは伝説扱いに.その後伝説のピエロが在籍したケダムサーカスに王子は預けられ,今に至る.今のピエロはモナコの王子ではあるけれどピエロ・ボルネーゼではなく,父母は健在でしかも息子には厳しい.リアクションの中で披露されてきたピエロの物語の根幹が大麻ジャパンのおかげで書き換わって…ピエロが泣くようなことは,何もなかったことに!
審査結果はもちろん和馬の勝利! 喰った奴の歴史を書き換えてしまうとんでもない大麻ジャぱん.文字通り「歴史を変えるパン」を作り上げた和馬が属する日本チームが優勝し,南東京支店の連中が仕掛けた大きな賭けは見事に成功! 自分のパンは宇宙まで飛ばしたとシャドウは怒るけれど,その宇宙に飛ばす原因すらも消し去った和馬のパンはその上を行ったわけですからね.…今となっては,その凄さを完璧に理解しているのはピエロ一人きりだけど.
猛るシャドウに対し,シャドウを介して自分が作ったパンの敗因を説明してみせるのが霧崎オーナー.和馬のパンが霧崎のパンを越えたのは,手作り感の差.大麻ジャぱんは素材としては珍しいものに留まる素材を使っていたわけですが,そこにかけられた手間が普通ではなかった.大麻きなこと一緒に使われていた鍋ふち黒糖をはじめとして,和馬は全ての素材を自分の手で作り出していました,
手間のかかる作業も金で解決するのではなく,逃げずに手作りすることで実現し,さらに作業工程にも十分な手間をかけたことで実現してしまったのが,あのタイムトラベル.食べる人間を思って,苦労するほど,手間をかけるほど,おいしさが増す…これぞ,和馬がどれほどピエロのことを思ってくれたのかが明らかになった素晴らしい成果.当の和馬はなんで自分が必死だったのかをすっかり忘れてしまっていますが(苦笑),ピエロにとってこれが最良の結末なら,終わりよければ全て良し!

モナコカップはこのようにして幕を閉じるものの,パンタジアと和馬の物語はまだまだ終わっていません.これまで様々な形で妨害してくれたサンピエールの霧崎オーナーは大人物ぶって和馬に握手を求めますが,彼の人非人ぶりを知っている和馬はその手を拒否.幼い子どもを捨て,自分たちを大会中に殺すような指示を出してきた悪魔ですからね.しかし負けを認める大人物ぶりは何も知らない人々には大人気.霧崎はこの先も当然のように立ちはだかってくるのでしょうが,せめて今くらいは,その強敵を撃退した喜びを感じよう!
表彰式ではMVPとして和馬にピエロンリングが贈呈されてます.ピエロにとっては思い出深い指輪ですが,ただのパン馬鹿である和馬にとっては明らかにブタに真珠なので月乃さんのところに回るご様子.…誤解されるな(笑).世界の猛者と闘って,南海の小島やら巨大洞窟やらで命を賭け,そして決勝ではSFの領域へと達したモナコカップ編終了! リアクションの頂点を極めた本シリーズでしたが,次のシリーズでは日本に戻り,今度は今までにも増して著作権的にいろいろアレなリアクションが待っているはずなんだけど…大丈夫か? 次回に続きます!

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