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焼きたて!!ジャぱん#56

「どうしてわざわざ危ないほうにばかり行くのか?の巻」

パンタジア対サンピエールの最終決戦,「焼き立て9」の初戦に茶わん蒸しパンで見事勝利した和馬たち.サンピエールが送り込んだ次の刺客は焼きそばパンのときに修行させてもらった恩師・中華と殺人拳の達人,劉さんだ.対戦の舞台は黒豚で有名な大口,さらに課題は中華まんとサンピエール側が明らかに有利.けれどこの戦いで本当に大変なのは和馬たちではなく司会兼審査員の黒柳.彼はひょんなことから感電してしまい,味を感じることができなくなってしまっていた.

原作側の大暴れっぷりにアニメ制作側は相当頭を悩ませているに違いない「ジャぱん」.モナコカップの決勝の時点で相当の挑戦ぶりだったわけですが,この地方取材編ではかなり積極的に第3者を巻き込んでいるため版権的に大変難しいネタ連発.ついでにタイアップのこともあるからここはオリジナルの腕の見せ所!というわけで,かつての登場人物を無理やり起用してつないできました.でも,いくら面白くするためとはいえあんなものを食わされる黒やんがすごくかわいそうです(苦笑).

前半.前回初戦を見事に勝利で飾った和馬たち.とはいえ本作ではパンのうんちくとか勝負の結果とかシリアスなストーリーとかは全てどうでもよく,大切なのは面白いリアクションだけであることは皆様ご存じの通り.そういう意味では現在堂々の主役を務める黒やんを襲うアクシデント.冒頭から大サービスのあとうっかりドライヤーで感電してしまう黒やん.…シャワーシーンがサービスってことは,彼はヒロインなんでしょうね.
とりあえず1勝した和馬たちの次の相手は,あの懐かしい劉さん.焼きそばパンを作ったときに,和馬と河内がお世話になった恩人です.相変わらず麺職人と暗殺者の両面でご活躍中らしい劉さん.とりあえずギャラさえ良ければなんだっていいんだね.そんな彼が選んだ対戦場所は九州の大口.しかも課題は「中華まん」.麺だけでなく中国料理ならなんでもござれの劉さんは,この課題に限っては最強の敵に違いない!
そんな強敵の恩人に勝たねばならない和馬たちは早速現地を視察.この地で有名なのは黒豚で,特に中華の点心には最適な素材…サンピエール側には素材・料理人・課題の3つが既に見事に揃ってる.こんな都合のいい話,絶対偶然じゃありえない(苦笑).
さて,この地で作る料理人だけでなく,食ってリアクションせねばならない主役もまた同じ牧場に視察に来ていました.毎度ながら配慮の足りない河内はさくっと失言するわけですが,今日の黒柳は意外とローテンション.いつもなら物凄い勢いで否定してカス呼ばわりしてくれるはずなのに….でも,普段から黒やんのハードなツッコミを期待して安心してボケるのは人間として間違ってるぞ河内.
とってもおいしい大口の黒豚.早速試食したパンタジアの3人はあまりのとろけるうまさに3匹の豚に.いつも過剰なリアクションばかりを目にしているので,この直球な美味さの表現が逆に新鮮です.で,パンタジア側は実にあっさりこれをメイン素材として採用することを決定.豚ならば,マグロのように季節で供給不足になることは考えにくいってのもあるんでしょうね.
特に料理しなくても素人リアクションで豚になるくらいの豚肉,これをプロの黒やんが食べたならどんな天変地異が起きるか!…と期待されるところなんですが,なんとノーリアクション! 主役の魔法少女がいきなり変身できなくなってるクラスの異常事態に動揺する和馬たちと,慢心を諌める言葉を適当に吐いてそそくさと立ち去る黒やん.確かに慢心は命取り.いくら大丈夫だと思っても,濡れた手でドライヤーなんか絶対触っちゃいけません(苦笑).
自分の身に起きた異変に気がついた黒やんは絶叫しつつ町を走り,料理屋で勝手に料理を喰い,民家で勝手に料理を喰い,なぜかちゃんこまで勝手に喰い,最後にはブタの餌まで喰う.あの動揺っぷりを見るときっと代金は支払っていないであろう連続食い逃げ犯は,電撃によってまったく味を感じない体になってしまったのでしたとさ.正直,黒やんから鋭敏な味覚とリアクションを取ってしまったら本作では河内より役に立たないので,かなり切実な存在の危機です.
けれどこんなときだってうまいパンさえ食えばなんとかなる.それも本作のお約束.大変なことになった黒柳を救うため,最高に美味い和風ジャぱんまんを作ると和馬は約束してくれます.時空を揺るがし人の生死を左右するほどの和馬のパンなら,ちょいとお留守になった味覚を連れ戻す程度なら簡単のはず.

後半.相変わらず経費節減に励むパンタジア側の宿は「打芽荘」.ぼろぼろ民宿の中で新作について考える3人ですが,今回は相手も黒豚を使って普通の中華まんよりも確実に美味いものを作ってくるだろうから,勝つにはさらに特別な工夫が必要です.他に大口名産の金山ねぎや,ちょっと足を伸ばして最高級の薩摩ぶしなども調達.この段階でちゃんと酒も購入してありますね.地元の名品を揃えまくって具材に関しては勝つための工夫はほぼ完了.けれどこれは腐ってもパンアニメ.和馬は生地のほうをなんとかしなければなりません.
蒸すことを前提とする中華まんの生地を,ねっとりではなくパンのようにもちっとさせたい和馬.けれど中華まんの生地は中力粉で,もちっとしたパンは強力粉.粉の種類からして違うのでそれをもちっとさせるのはかなりの工夫が必要なのに,和馬にはその方法が見つからない.「ないんかい!」と自分のことを棚に上げてツッコむ河内がなんか腹立つなぁ…(苦笑).
対戦までにはあと半日もないけれど,このままでは勝敗はともかく黒やんが潰れてしまうので更なる具材を探しに行こうとする冠に引きずられるやる気のない河内.疲れで腰が痛くて動けない…と怠けることこそ今回の河内の最大の仕事になっていますから,冠も心置きなく出番を削ってやってください(笑).和馬は腰を鍛えればいいということに気づいて,ここに和馬のジャぱんまんのレシピが完成します!

そしていきなり2回戦開始.さすがはタイアップ話だけのことはあり,売り出すタイミングが重要なのです.ちなみに黒やんの鋭敏な味覚とリアクションは未だに戻ることなく,腰痛いで一仕事した河内は対戦前から観客席に放逐されました(苦笑).食材買って新作のヒントになっただけでお役御免って,パン職人の仕事じゃないぞ.
劉さんの見事な暗殺拳による調理.こんなド迫力で家庭的料理を作られても困るのが普通で,歓声を上げている観客はどこかおかしいと思います.和馬たちは集めた材料を使って最高の具材を作った上に,和馬が気にしていた記事の工夫も腰を鍛えることでクリアするはずなんだけど,河内はバカだから具体的にはわかんない! …調理の役にも解説の役にも立たない凄いカスっぷりがどうしようもなく情けない.でも,河内の真の役目は「なんやて!?」だからまあいいか.ちなみに和馬は生地を手延べ麺のように扱って腰を鍛えたのでありました.
双方ともにあっと言う間にパン完成.そのまま試食して勝敗まで決まってしまうだなんて,本作としては異例のハイテンポ.サンピエール側は満漢全席まん.中華の達人ならではの技量がよく生かされた一品.けれど肝心の審査員が今回は壊れていますので,特別審査員としてマイスター霧崎…のペットの孔雀のくーさんが呼ばれました!さすがにそれは敷居が高すぎるので,黒やんはせめて人間をブッキングしてください(苦笑).実に豪快な特別審査員が出した評価は全開で満点.確かに鳥が鳥を出すわけにはいかないし.
しかし,恐らくは相当おいしいであろう満漢全席まんであっても黒やんの味覚は戻らない.リアクションに値する水準が途方もなく引き上げられたってことだから,むしろ余計なリアクションが出なくていいような気もするんだけど,双方がなんとなくうまいものを作ってきたときに比較評価ができないからダメか.かくなる上は司会者兼審査員を引退するしかないとまで思い詰める黒やん.たった1試合で引退って,たぶんテレビの歴史に残りますよ!
しかし歴史と引き換えに黒やんに引退されてしまっては,今後の目処が立ちません.本作のヒロインを救うべく和馬が繰り出した四角い和風ジャぱんまん.最高級の材料と腰がどうとやらで作られたパンさえ食えば,黒やんの問題程度は全て解決!
食った直後に襲う落雷.天変地異はリアクションの基本技! 感電して切れた黒やんのリアクション回路が,パンの威力によって復旧.もちもちした生地のうまさに力士にぱふぱふされる幸せそうな黒やん.ぱふぱふ・わふわふ・和風和風で和風ジャぱんまん!と折角復旧しても相変わらずダメすぎるリアクション.しかし問題は駄洒落ではなく,ぱふぱふが他社の名作由来であること.余程元に戻れたのがうれしかったのか,著作権的に微妙な方向に爆走だ!
本当は女性にぱふぱふされたかった,と河内に文句をつけつつ手を伸ばす黒やん.麦藁帽子に赤いシャツ,そして伸びる手はやっぱりゴムゴムだよなぁ…(苦笑).前回のアレにわざわざ引き続いてやるなんてサンライズは余程集英社が好きでたまらないようですが,それを小学館原作のアニメでアピールしていいのか? 一応フォローするとすれば,黒やんが演じているのは手伸びマンなので,海賊なんかじゃないはずです.
黒柳の味覚を復活させるほどに素晴らしい和馬のじゃパン.ダシの旨みも見事な薩摩ぶし,発祥地の貫禄を見せつける芋焼酎,手延べされたことによってもちもちとなった特製生地.この旨さを黒やんは大絶賛して,割とあっさりパンタジア2勝目!
ちなみに黒やんの評価を分けたのは使用した地元素材の数.和馬たちがちゃんと複数集めてきたのに対し,劉さんは1種類しか使わなかったので負けましたとさ.それに,「焼きたて9」がパンの勝負である限り,生地に対し特段の工夫のないただの中華まんには勝ち目がなかった気もします.
ただし劉さんの中華まんは中華まんとしては最高級のものだから,と普段なら口にしない敗北者側のパンまで食いたがる,異様なテンションの黒やん.これは雷でリアクション回路が復旧したときに復旧しすぎたのか,あるいは錯乱したときに豚のエサなんか食ったのがまずかったのかは定かではありません.
本作の本来の面白さはバカなことを冷静に,覚めた目線でやるところであって,今回みたいに勢いだけで持っていくのはちょっと違うんじゃないか? ただし,直後のCMのタイミングは最高だったよ!とか讃えつつ,次回に続きます.

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