第13回しりとり竜王戦・本戦
この記事は第13回竜王戦,準決勝以降の記事です.予選の様子は前の記事か以下のリンクでどうぞ.
R'sM: 第13回しりとり竜王戦・予選
勝ち残ったのは板尾(130R),井上(次長課長),大竹・三村(さまぁ~ず).隠し球もコンビで同じブロック配属も意表をついた展開でしたが,そのコンビが有野に競り勝って決勝に進んでしまったことが一番の異常事態です.世界というものは思った以上に広くて,かなり高い山かと思われたものも実際は高原に過ぎないのかも.ただし,本当に高い山はどれほど視野を広げてもやはり高くそびえていて,さらに笑えても点のつけにくい回答というのも存在しました(笑).
準決勝第1試合は板尾対三村.常に最強である板尾永世竜王にゲストが真正面から挑みます.ツッコミでは芸能界有数のキレを誇る三村が基本的には相手なしに一人ボケ続けねばならないこの戦場をどのように走るのかが見所.しりとりは相手はいるけれど掛け合いができることは稀.相手の回答は妨害のために放たれることがほとんどなのです.
準決勝第1試合の競技は「しりとりセンスマッチ」.テーマに合った言葉でしりとり.
テーマは「男くさい言葉」.「初夢はマグロ」からスタート.
主導権の取りあいはスロー再生の結果板尾先行.「ロシアンルーレットをやったら,すぐ行く」と生き残る気満々のマフィアを演じる.それに対する三村の回答は「9時に寝る」…男というよりは小学生なのですが,板尾は「留守にする,地球を」と本領発揮でかっこいい! やっぱりこういう大げさなテーマは似合うなぁ.それに比べると小学生三村は「オブラートはいらない」と男臭い方向に行けない(苦笑).確かに苦くてもむせないのは偉いけど….ここまで圧倒的に有利だった板尾,「いいともは見ない」と三村のいる三枚目の線に踏み込んでいく.その時間はワイドスクランブルを見るべきだ.踏み込まれた三村は「椅子なんかもう,全部返せ!」とそれは会議室ですか(笑)? 中年の男らしさに収斂していく場で見事な答えを出すのがやはり板尾.「聖跡桜ヶ丘に,家を,買う」…内容的にはむしろOLの夢っぽいんだけどその素晴らしい演技ぶりが最高! この一撃に叶う者はなく三村は「裏しか見ない」と横道にずれた.そして板尾は「井の頭公園は見ない!」なんで?
回答が進めば進むほど,男臭いというテーマに対する解釈に観客が首を捻る見事な打ち合いとなりました(笑).ラストの板尾永世竜王の回答なんて普通はありえないんだけど,流れの中で笑いの風を掴んでいるからこそ異様な面白みを感じるわけです.テーマを咀嚼できないながらもそれなりの回答を出し続けた三村も素晴らしいファイトでした.
結果,板尾9点,三村5点で板尾が決勝に進出! 回答回数以上に,序盤からテーマの適切な解釈で点を重ね,相手の作り上げた領域に踏み込んだ上に変化してみせた余裕こそがこの点差ではないかと思います.
準決勝第2試合は大竹対井上.ぎりぎりで勝ちを拾った井上といかにもエロ方面に強そうな大竹が激突.テーマもテーマなので一体どんな回答が来るのか,放送事故にはならないかと大変に心配(苦笑).とはいえ前の戦いでもぞくっと来る方向に回答を出してきた大竹のことは,初心者扱いするわけにはいきません.
準決勝第2試合の競技も「しりとりセンスマッチ」.テーマに合った言葉でしりとり.
テーマは「セクシーな言葉」.「ヒロミゴーですけど」からスタート.
テーマにキャラがベストマッチな大竹は「豆腐でどうするつもりなの?」と初っ端から演技で持っていく! 井上はそれをパクって「野原でどうするつもりなの?」といやらしい位置に打ち合いに行く.しかし大竹一切ひるまず,「野菊でちくちくするつもりなの?」とマイペースに外でのプレイを続行.井上はそのプレイになおも食らいつき「のびてるけどどうなっちゃうの?」…まあ,立つんだろうなぁ(苦笑).嫌なハイテンポの打ち合いはここで小休止し,大竹は「ノック…する,犬」とより深くてヤバい方向へ.どこをどうやってノックする? 大竹のきわどい責めを受ける井上は「ヌードルに指を入れる」とセクシーというよりはエロチックだけど正道でいやらしい.テーマゆえにノリにノリまくった大竹は「ルールルルルルー,ペロッ」とついに観客を置き去りに.エキノコックスになっても知らないぞ.真面目にテーマを追求する井上は「ロッカーがぬるぬるする」とエロが行き過ぎてむしろホラーに.でもテーマはセクシーなんだけどなぁ…(苦笑).大竹の「留守の間にエロス」はあまりにもそのまんま.そして井上は「水曜日の妻たち」とAVみたいな方向に.
まず,セクシーとエロはかなり違うと強く主張しておきたい(苦笑).井上は終始真面目に頑張っていたんですが,あまりにも大竹の勢いが強すぎてテーマの他の可能性を追求できなかったのが痛かった.場を支配するためには自分なりの強固な世界を作り出すことが重要で,大竹のエロ世界は強固だったなぁ….
結果,大竹4点,井上1点でやはり大竹の勝利! なんせ全体が大変にエロだったので正直審査員も点を入れずらい部分もあったはずですが(苦笑),笑い声が大きかったのは明らかに大竹だったのでこの結果にも納得です.
決勝は板尾対大竹.奇しくもさまぁ~ずとの連戦となった板尾永世竜王の運命やいかに…って,彼に限って不測の事態が起きるはずもないと感じてしまうほど永世竜王は強すぎる.ただし相手もエロスに関しては前の戦いが示す通りにプロであり,テーマが合えばかなり面白いものが見られるはず…と思ったらテーマを曲げる荒業炸裂!
決勝はしりとりイマジネーション.テーマは「好きな人に使ってほしくない言葉」.
内村の「あ,ちょっと,触らないで」からスタート.
例文のコミュニケーション拒否の切なさに心震わされつつもはじまる頂上決戦! 大竹がスローで確認した上で先行し,「出っ張ってんの何なのこれ」と無理やり自分のフィールドにお題を持って行った! たった1つの回答でエロへの道を見事に作り上げた大竹恐るべし.対する板尾は「れれれのれ」と難しい「れ」をナンセンスで逃げ,そのナンセンスを大竹は「レッツぎょー」と追いかける.板尾は「4番バッターが良かった」とどうしようもなく悲しい悔恨.中堅芸人ではダメですか.スーパーヒーローじゃなきゃダメですか….大竹は「タニシ食べないの?」と異様に軽い一言.板尾は「野グソしたことは謝る」と妙に男らしく謝ってみたり.そして疑惑の回答が大竹の「ルールルルルルポッ!」負けてしまうので語尾は断じて「ポン」ではありません.板尾は悩んだ末に「ぽっくり,あらそっくり」と意味もなく韻を踏んでみました.対する大竹は「リラックスウェワックス!」って響きだけで意味すら消えた.そして板尾,さっき大竹が敷いたレールにさらっと乗って「スワッピングターイム!」…深夜帯をいいことにやらかしたー(苦笑)! 敵の踏み込みに大竹は「無理やり挿入ターイム!」と反撃してこれは観客もさすがに引く(苦笑).なんでしょうかこのエロス祭りは.最後は板尾が「むかーしむかーし,あるところに,おじいさんとおじいさんがいました」とホモネタの混沌で終了.
さすがは決勝.答えるたびにテーマから遠くなる回答がどうにも愉快でたまりません.特にナンセンスに爆走する大竹の周囲に近づいてみたり,急に離れてエロ道を歩んでみたりする永世竜王の緩急のつけっぷりが素晴らしかった.
結果は板尾14点,大竹5点で第13回竜王は板尾永世竜王! …やはり圧倒的に強い! 審査員的には直球のエロネタに恥ずかしげもなく高評価をつけることはさすがにためらわれたようで点はふるいませんでしたが,でも,そのルール無用の暴れぶりが妙に面白かったです(笑).永世竜王も凄いけれど芸能界もまだまだ広い.広い世界の兵を,ぜひこれからもこの戦場に引き込んでいただきたいと思います.
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