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金色のガッシュベル#138

「道は分かれて見えない先への巻」

魔物たちの最大呪文の連打によって封印が解かれ,ついに復活した巨大なる魔物ファウード.一歩歩けば山を越え巨大な鯨も一飲みにするこの魔物を,リオウはコントロールルームである脳から自由自在に操っている.呪いが消え,囚われていたティオたちや無理に従わされていたウォンレイたちはガッシュ側へと戻ってきたが,ファウードは命令に従ってガッシュたちに襲いかかる.しかしこれに対して何の準備もないわけはない.まずは5分.ガッシュたちは清麿の言葉を信じて生き延びるために逃げ回る.

正面から闘えば絶対に勝てない相手を目覚めさせてしまった「ガッシュ」.あまりに巨大なファウードはこれまではバトルの舞台であり状況そのものだったけれど,目覚めて動き出すことで1つのキャラクターとしての個性をも得ることになります.原作では大変にでかい図体の割に不思議と行動が子どもっぽく,その異様なミスマッチがどうにも魅力的であったわけですが,アニメではその可愛らしい部分よりも大きさと野蛮さが強く押し出されるようです.正統派の冒険ものとしてはこの先体内を滅茶苦茶にしていく予定の相手に感情移入させるのはまずいという判断なのかもしれませんが(苦笑)あの無邪気っぷりをアニメでも見たかった気はしますね.

前回ラスト,やっときた主役たちの渾身のバオウを最後の鍵としてスタンバイからついに目覚めたファウード.これまでは謎の結界に包まれて外からは見えなかったものの,地図に載っちゃうくらいに巨大な魔物がついに動き出します! 下手な特撮怪獣よりでかく,よくいるアニメのラスボスのように宇宙で待っていることもないこの巨体は現実感溢れる脅威.ニュージーランドも大変です.鯨を一呑みにするような相手だから,ただ歩いただけで地震とか土砂災害とか津波とか絶対起きるもんなぁ.羊とか魚とか見えないけど足元で逃げ惑っているに違いない.
さて,このでっかい化け物を己の持ち駒としているのがリオウ.既に頭に入って額の石を光らせながら,ファウードを自在に操っております.しかも外にいる連中には己の幻像しか見せないってんだから実に用心深い.確かに今まで自由意思で仲間となっていた連中はファウードの横取り目当てなのが見え見えで,もう絶対襲われるって場にわざわざ生身を晒すバカもそうはいないんだろうけれど.
案の定リオウに反旗を翻したロデュウとキース,けれど幻覚に術が効くわけもなく,逆に巨大な主砲で威嚇射撃なんかされちゃたまったもんじゃない.凶悪な災害レベルの威力に小さな敵味方たちはシリアスも忘れてただただびっくりするしかありません.地震や火山噴火や津波に類した能力を自在に操れるとなれば,王を巡る闘いが大変有利になるのは間違いなし.千年前の魔物の1人が持っていた石板化の能力もかなり厄介に思えましたが,ファウードの存在はこの闘いそのものをぶっ壊しかねません.これは明らかに反則だと思うのですが,罰則はないのかな?
ファウードに集まった魔物とパートナーどもにその素晴らしい力を示した上で,手下になるなら助けてやるし力も分ける,とまたも勧誘してくるリオウ.それに応えて誰よりも早く従ったのがザルチムで,他のリオウの協力者たちも次々とリオウの元へ.元々ファウードの凄い力の傍にいなければ勝ち残れないと判断している連中のはずなので,最後に闇討ちして王になるにしてもひたすら補佐して魔界で取り立ててもらうにしても,こちらの道を選ばねばならないようです.結果的にはチェリッシュ組やロデュウ組,キース組も皆再度リオウに従うことになります.
さて,ファウードの復活によって呪いからは解放されたものの,当然リオウの仲間にはなれないのでやっぱり命が危ないガッシュたち主役側の皆様.もちろん清麿はファウードを魔界に帰す機能を見つけて実行してきてはいるのですが,その機能が機能するには最低でも90分が必要.ファウードをあの短時間でハッキングしただけでも奇跡に近いんだから,仲間の皆さんは文句を言わず逃げ回ってください(笑).もちろん清麿だって何の手も打たずに逃げろと言ってるわけじゃありません.彼なりの「90分を生き延びるための罠」ってものが一応仕掛けてはあるのです.
これから90分を生き延びるために,まず5分全力で生き延びろ!というのが清麿の指令.とはいえさっきバオウを撃ったばっかりの清麿には体の力が残っていない…割には妙に元気そうなのが気になるんだけど(笑)ともかく一応体はろくに動かせません.通常の術の力とバオウを放つための力は別系統のようなので,通常の術を使った累積でバオウは使えるようになっていたし,ここまでの休憩で通常の心の力もある程度回復していたってことなのかな.そんなわけで体が動かない割には術の使える清麿は,気遣ってくれる周囲を構うなと恫喝.ガッシュへのラウザルクで回避しています.
結局仲間にならなかったガッシュたちをファウードの指ビームを使って消去しようとするリオウ.けれどここで清麿が仕掛けた罠発動.指ビームは空へと逸れ,そういえばさっきの手法も海にずれていたことが今になって発覚.これぞ清麿がぎりぎりまで粘ってファウードの照準システムをクラックしていた成果! 完全な無力化は無理としても,大量殺戮兵器の照準を空や海に逸らすことができれば被害は小さくなりますからね.
ここまでの凄い働きが明らかになることで,改めてリオウに厄介だと認定された清麿.確かにガッシュ側の実質のリーダーは彼なので,まず清麿を潰そうとするのは実に正しい.迫るファウードの拳に対し,ザグルゼム2発+ザケルガで対抗しようとする動けない清麿…元気なんだか弱ってるんだかわからない(苦笑).しかしその術だけでなく,仲間全員で最強術を連携させても2人の命を救うのがやっと.さすがはファウード,魔物たちの術はほぼ効かないと言い切ってもいいのかもしれません.

拳の直撃からは逃れたものの,吹っ飛ばされて胸から海へと落下していく清麿とガッシュ.そしてそれを追うように落下してくる,ティオたちとキャンチョメたち.助けるななんてふざけるな,いなくなると困ると空中で激しいクレームです(笑)! ここまで仲間とか世界とか自分以外のもののために力を尽くしてきた2人なんだから,その2人をここで見捨てたら仲間の名が廃るってもの.さらにアースやウォンレイの場合はでっかい借りができてしまったので,今後事態が収拾されるまではどんなことがあってもガッシュたちを裏切ることはできないでしょう.…ガッシュが選んだ第3の道は,全てを生かすための大変に険しい道.全ての中にはもちろんガッシュたちの命も含まれます.こんな険しい道に皆を誘導することになった者として,自分の思想を仲間から主張してもらえるのは,なんてうれしいことなんだろう.
やっぱり主役はチームワークが命.清麿も気を取り直し,この状況から全員で助かるための指示を出します.キャンチョメのポルクで巨大なパラシュートをつくって減速,カルディオに洋上を凍らせてもらって足場を確保し,さらにモモンの術で全員の落下速度をさらに減速して無事着地.誰一人死なせずにファウードから世界を救おうとする,小さいけれど強い力がここに集結! さらにティオのサイフォジオで清麿の体を回復させて,全力で生き抜く残り2分!
ビームやミサイルは逸らせてもファウード自身の体は逸らせない.海上の氷目がけて打たれたファウードの拳を,各々強化しながら回避した上,それぞれに腕や足を上って巨人の体に張りついていく.…確かに攻撃されにくそうだけど,真っ先にティンコを目指すファルゴレは恥ずかしげがないなぁ(苦笑).体中を跳ね回る小さな虫はなかなか潰せないもの.リオウの命令を受けてファウードは一同を殴ろうとするも.本気で逃げている一同はかすめるけれど当たらない.特に有能な足として機能しているのが分身キャンチョメ.普段の弱虫ぶりが微塵もないキャンチョメの大活躍は,つきあいの長い味方は特に違和感を覚えるようです(苦笑).画面せましと繰り広げられる迫力の逃避行は,久々にキッズ向けらしいなぁ.
互いに助け合いながらも間一髪で避けていく一同.その中心にいる清麿が何かの考えて超短期戦をわざと指示していることにようやくリオウは気づくものの,調べ始めたときはもう遅い! 清麿が最後に仕掛けていた罠がここで炸裂するんですが…この先の展開に敵味方とついでに原作を読んでいる視聴者までもがびっくりすることになります.
清磨の指示が示していた5分後の罠は,これまでファウードを移動させてきた瞬間移動機能.どうやら帰還装置よりはずっとハッキングしやすかったらしいこの機能によって,ファウードとそこに捕まるガッシュたちは現在地からすぐ傍の洋上に転移させられます.事前にファウード上部に移動していたガッシュたちはすぐさまファウードより退避!
魔物であるリオウは知らなかったようですが,ここはどんなでかい奴であってもはまる海中の巨大な落とし穴.ファウードの何倍もの深さを持つ地球有数の亀裂,ケルマディック海溝! さすがにここに沈んでしまえば,ファウードだって簡単には出られない.その間に魔界への転送送地が機能して誰も殺さぬうちに巨人は帰還する! …そんな罠の成功にガッシュたち全員で勝利の叫びを上げたなら,ファウードが…泳ぎやがりました(笑)! あの大質量が,泳いでる!
よく考えてみればファウード自身がいくら巨大でもその内部にはかなり広い空間があって,しかもそこには人間や魔物が呼吸できる空気が満ちていました.鉄でできた巨大な船が沈まぬように,ファウードときたら泳ぐのに必要な浮力を持ち合わせていたわけです.…まあ,清磨の精一杯の計算がいきなり覆されるのはこれまで何度もあったことなので特に驚きもしないんですけども(笑)ここまで話が大きくなったところでやらかすなんて,本人はさすがにショックだろうなぁ(苦笑).
リオウまでビビらせながらも不発となった清磨の罠.しかもリオウは清麿の小細工を警戒して内部までチェックしちゃったから洒落にならない! 恐らくはザルチムの魔物探知能力でガッシュたちの出自は明白になっていたから,最初のターゲットを日本に決定.しかも清麿が必死で仕掛けた帰還装置へのエネルギーまでカットしちゃった! …この展開にはキャラ以上に原作を知っていた視聴者がびっくり.これは,ここから相当話数のオリジナルを挟むってことだよな?
原作同様,ここまで己の能力で忠実に積み上げてきたものをいきなりひっくり帰されて呆然の清麿.とはいえ目の前の脅威をそのまま放置してしまえば大切な故郷は壊滅する! 世界の危機を目前にすれば「内部に入り,ファウードを直接止める!」と言うしかないじゃないですが.全員の力で,もう一度!

さあはじまったオリジナル展開! 順調に進みすぎてもうすぐ原作に追いつくところだったわけですが,この先のどこかで大幅なオリジナルを入れてしばし繋ぐことが確定です.この先に待っているに違いないのは原作読者も知らない未知の世界.やっぱり他の臓器の魔物と闘ってみたりテッドが早めに参戦したりリオウ側の連中の深い掘り下げがあったりするのか? 一応,この手のお約束だと遠隔操作は直接手動で解除できるのが常なんだけど…何はともあれ原作者が復調してシリーズにケリをつけるまで製作側は引き伸ばせ! 次回に続きます!

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