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焼きたて!!ジャぱん#59

「忍者は曲がって当たり前の巻」

パンタジアとサンピエールの雌雄を決する「焼きたて9」.ここまでの3戦はパンタジアの勝利で繋いでいるが第4戦の相手は忍者だ.舞台は秋田の大曲.審査員の黒柳は曲がったパンを希望する.
早速秋田入りした和馬たちは,冠の案内で大曲の近くの太田町に向かった.この町の特産は見事曲がった曲がりネギ.しかし対戦相手の忍者たちも同じネギに目をつけていた.どこかで見たような幻覚で曲がりネギの凄さを河内に教えてくれる忍者の正体はモナコカップでは仲間であった諏訪原.かつてのチームメイトが今,敵として和馬たちの前に現れたのだった.

「焼きたて9」は早くも中盤.正月明けの1時間スペシャルに強いキャラと無駄に濃いパロディをぶつける「ジャぱん」.あいつらが忍者の仮装で出てくるところは原作どおりなんですが,前半のはっちゃけ具合は明らかにおかしい.そういやちょっと前には「ドラゴンボール」リスペクトな回もありましたね.他の大手会社リスペクトで遊んでいるのか,それともジャンプ原作作品がどうしてもやりたいですという必死のアピールなのかはよくわかりませんが,どちらにしても,それをここでやっていいのかどうかについて大きな疑問が残ります(笑).

前半.全9回戦の「焼きたて9」の成績はパンタジア側の4勝と圧倒的に有利.若手世界一となった和馬の能力が半端でないため,サンピエールが送り込む刺客ではどうしても力が足りません.技術と才能と愛を兼ね揃えた最強職人である和馬を倒す可能性を持つ料理人は滅多にいるはずがなく,ゆえに慢性的な人材不足に陥っているはずのサンピエールが採用しちゃった刺客が今回の相手.別に同じ社内での私闘を禁じられているわけじゃないからここでやらなくてもいい気がするんだけど,そういうことはまるっきり頭の中になさそうなタイプだよなぁ,あの侍は(苦笑).
4回戦の対戦相手は2人の忍者.アイドル→暗殺拳→アイドル→忍者というサンピエールの色モノ連携ぶりを目にしてしまうと,相手の正気を疑いたくなる気持ちは実によくわかる.ただしこの2人,良く見ればどこかで見たような….対戦場所は秋田県の大曲.川が曲がりくねっていることからその名がついた大曲のために,パンで曲がった良さをアピールすることを期待する黒やん.要するに曲がれば曲がるほど黒やんのリアクションはでかくなるわけです.
対戦の地に新幹線で早速向かったパンタジア一行.しかし大曲自体には今回の対戦に使えそうな曲がった特産物はなし.しかし曲がったものを使わねば間違いなく勝てないから,冠の幅広すぎる知識で近くの太田町に向かいます.こんな特産を知っているのは秀才・冠を擁したパンタジア側だけ…という河内の考えは甘すぎる.敵のコスプレ忍者たちもここに来てました! どんなにおかしな格好でも,敵は一流の職人です.
相手が一流だからこそ,その正体が気になって仕方ない小さすぎる男河内.本物の職人ならば他人の素顔なんかどうでもいいらしく,確かに相手が宇宙人でも和馬レベルならば何の動揺もなしにパンを焼くと思います.ここで人にはそれぞれ事情があると冠が語っているの次々回に繋がりそうなんですがまあいいや.けれど河内の無駄な好奇心とツッコミ心は説得程度では止まらない.ついにはマスクはぎの変質者と化したバカを迎え撃つのは,曲がりネギを手にした男忍者! 大曲手裏剣ネギ風車を放ち,河内の脳内を異世界…たぶん集英社か水曜日へと送り込みます.
闇夜の下で戦う忍者2人.オレンジの服に額当て,忍者にしては悪目立ちするものすごく良く見たことがある忍者姿の河内.語尾は当然「だってばよ」.相手の忍者は今回の最適食材である曲がりネギを使い.その素材の特性をバカに説明しながら戦ってくれる親切ぶり.折角の覆面を外し火遁焼きネギの術を繰り出す忍者.炎の中にはちゃんとネギが混じっておりますな.
とても柔らかくておいしい曲がりネギを知らない河内は間違いなくダメ忍者であるわけですが,それでも背負った(つもりの)仲間のためにも,「真っ直ぐ自分の言葉は曲げない,それが俺のパン道だってばよ!」…きっと怒られてもいいからこれやりたかったんだろうなぁ(苦笑).しかしこのネギの場合は曲がっていることに価値があるので,河内ことバカ忍者にその素晴らしさを伝える忍者.本来は河内がやらなきゃならないネギ分身を披露した上に,そのまま曲がりネギ連弾まで叩き込みます.
連弾を喰らって上半身が地中に埋まった河内に対し,謎の忍者は説明で最後の追い討ち.曲がりネギの育て方を親切に教えてくれた上に河内の足を引っ張り上げて,「怪我はないかい,ビビリ君」.…作ってる奴の嫌な笑顔が見えるぞ(笑).この某番組リスペクト部分は,本家の流れるような曲線の動きをサンライズ流の直線アクションで表現しているところが面白いんですが,正直作画よりも誉めたいのはやはり音楽! ちゃんと本家を聞いて研究した上で作ってくれたんだろうなぁ.偉い(苦笑)!
舞台は河内の脳内から現実に帰還.結局曲がりネギを生で食わされて,「曲がってるってスバラシィー」と感動したのもつかの間,河内は即座にツッコミに復帰.いくらうまいネギでも生では長時間のリアクションは期待できないようです.火遁の際にマスクを自分から外した間抜けな忍者の正体はもちろん諏訪原.ここまでの忍術合戦は河内が忍者の正体を見たいところから始まっているので,結果的には河内の勝利で終了.モナコカップでの心強い仲間が変態忍者になって戻ってきたら,さすがに誰でもびっくりするとは思います.

後半.自爆で正体をバラしてしまった諏訪原.どうやら和馬たちを動揺させたくないという無駄な心遣いであったようですが,ここまでバレちゃうといくらフォローしてももうなんともなりません.覆水盆に帰らず後の祭りであるわけだから,諏訪原概とか双子の弟とか言えば言うだけ惨めになるだけですよ諏訪原(苦笑).そして,バレバレの大嘘にわざと乗ってあげる優しい和馬と冠.ここで3人がかりでツッコむのは気の毒な人イジメ以外の何者でもない.だからこそ,あえて乗って諏訪原たちを離脱させてやったわけです.
折角のボケを見逃してしまったことが大変に不満なツッコミの河内は,わざわざ見逃した冠の真意を尋ねます.今更諏訪原を問い詰めて裏切った理由を聞いたところで,もうどうしようもないというのが冠の判断.サンピエール側に諏訪原がいるという事実だけで,和馬とどうしても戦いたいという諏訪原の思考は自明なわけです.強いものと闘って己を高めたいという諏訪原の欲は並ではなかったから,今回はその欲に耐え切れずこれまでの全てを捨てる覚悟で戦いを挑んできたのだと,あの鈍いパン馬鹿の和馬ですら納得しています.
例えば新人戦のとき,和馬には河内が自分を倒そうとする気持ちがわかりませんでした.主に家族を喜ばせ,自分の能力を高めるためだけにパンを作っていた天才は,パンタジアに入って数々の戦いを経験し,自分にぶつかって倒れていった多くの者たちを目にすることによってようやく闘争心がどんなものかを理解できるようになったわけです.今は勝ちたい気持ちがわかると和馬は言うけれど,どんなに頑張っても勝てない悔しさや悲しみや怒りは未だに理解できないだろうから,その裏返しとしての諏訪原の凄まじい闘志を完全には理解できていないんじゃないかな.…それでも,覚悟を決めて向かって来る漢には全力でぶち当たるのがバトルの嗜み.こちらだって手加減無用,全力で潰しにいく所存です.
本当に諏訪原は和馬や冠が考えているとおりのわかりやすい男.モナコカップ終了後,同じ会社だからと闘うことを遠慮するような常識人になりかけていた諏訪原の目を覚まさせたのが剣の師匠.不意打ちしてまで勝とうとする求道者魂を,命と引き換えに伝授します! …諏訪原ももうちょっと早く師匠の教えを察していれば,享年124歳なんてことにはならなかっただろうに(苦笑).
死んでも勝つなら死以外のどんな手段だって選びたい放題のはずだけど,その無限の選択肢は常識の過多や日常への耽溺であっという間に狭まってしまう.そこに首までハマればどんな戦士も何もせず老いぼれて死んでいくしかなく,それは求道者にとっては最悪の道.人はいつか死ぬからこそ,道を究めるならば日々死ぬ覚悟で生きねばならない.状況が状況なので大変面白い映像になっちゃってますが,本質は重くて深い教えです.
こうしてかつての仲間と戦うことを選んだ諏訪原.ただし相手は生死とか時間とか操ってしまう化けモノ・東和馬であり,そんな相手では諏訪原程度の実力では正直勝てそうにない.で,その実力不足分を命で補うというのが侍魂.負けたらほんとに切腹!という諏訪原の熱い覚悟を聞いてしまったモニカさんはさすがに動揺.日本男子とはそういうものという大幅に誤った日本人観を植えつけられちゃってるよ….もちろんモニカさんも,愛する人を死なせないために全力で諏訪原に協力します!
さて,今回の冠セレクトのパンタジア宿泊所は三半規管に来そうな曲がりっぷりの曲狩荘.わざとパースが狂っているので背景が大変だ(笑).曲がった宿で和馬たちが計画するのは明日の対戦用のパンの構成.もちろん曲がりネギは使うとして,どうやってパンの中に入れるかについては「生で入れる」と和馬即決.茹でたりするとネギ本来の旨みが生きないため,韓国チヂミのように生地の中に最初からの練りこみたい.
普通ネギを生地に生のままで入れてしまうと,うまくこねられず膨らまない失敗作が出来てしまう可能性が高い.けれど柔らかい曲がりネギなら普通のネギよりも生地をよくこねられるだろうし,さらに比内地鶏の卵黄を使ったブランシールでパンを膨らませれば生ネギ入りでも行けるはず!というのが和馬の考え.ここまでの計画は冠が納得するほどに完璧.…ただしこれではまだ何かが足りないと,天然の求道者である和馬は真面目に考えています.

頂点を極めようとする者はさすがに思考も似るようで,同じ頃,まったく同じ材料で諏訪原も同じ調理法にたどり着いていました.しかもこっちには世界一の菓子職人であるモニカさんがついているのでブランシールの出来は間違いなく超一流.さらに和馬の凄さを間近で目にしてきた諏訪原が繰り出すのは,古今の技術を盗んだ諏訪原ならではの新作パン,大曲ルパンならぬネジ曲がりルぱん! …このように忍者なのに侍の底力を見せようとする諏訪原ですが,主に命の危機にさらされるのは黒やんの方なのでお楽しみに(笑).次回,1時間スペシャルの後半に続きます.

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