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練馬大根ブラザーズ#1

「確かに大人向けではあるけれど本当にそれでいいのかの巻」

練馬の片隅の大根畑に野望を抱く者たちがいた.この畑にドームを立てコンサートをやるという途方もない夢に取り憑かれつつも大根をつくっているヒデキ.高級になってドンペリが飲みたいけれどどこにもそんな金がないマコ.そんな2人の間でゆらゆらしている何を考えているのかわからないホストのイチロー.そしてイチローを懐柔して居着いた大根を食う練馬の野良パンダ.練馬大根ブラザーズはそんな調子っぱずれのメンバーによって構成されるバンドだ.
ホストクラブでイチローが股間の感触と引換に拾ってきたオーディション情報.練馬大根ブラザーズは意気揚々と出発するも,オーディション料に10万も取られるわ集まっている連中がイケメンだけど人外だわといきなり暗雲垂れ込める.

最強の飛び道具,浦沢御大がアフロのナベシンと手を組んでつくっちゃった奇作がついに放映開始! 両者とも大好きな自分は大喜びでレビューにかかりたいと思います.笑いの核となるセンスが大変にシニカルな子どもである浦沢御大と,深夜だろうとなんだろうと極度の天真爛漫ぶりを全力で貫いて来たナベシンの悪乗りぶりがテレビ局にどんな迷惑をかけるのかこそが最大の見所で,キャラとか世界観とかは割とどうでもいいあたりが前衛です.ぜひ最後まで逃げ切ってください(笑).
今回はもちろん初回なんですが,いきなりやることが濃すぎます.勢いでさくさくと珍奇話を転がす熟練の技,画のせいでエロく見えないのをいいことにド直球で描かれる背徳描写,そしてふんだんに盛り込まれる特に意味のない歌! このテンションだと絶対途中で力つきる気がするのですが,そんなことを気にしては傑作は生まれないものですし,そもそも本作が傑作を目指す必然性がありません.

前半.練馬の空に輝くネオン.その下にはきらびやかなドームと満員の観衆! 歓声の中登場するおなじみ3人は!…という白昼夢.現実は大根畑の真中で妄想を叫ぶ農家の青年・ヒデキであり,畑の傍のボロい手作りステージは生活の臭いで一杯.このステージの上で日常生活を営んでいる御様子で,ミュージカルをやる舞台というよりは,いい大人が子どもの秘密基地に住んでいるよう.
そんなステージの上で御就寝中の優男・イチローの襟首をひっ掴んでぶんぶんと,ここにドームを立てて練馬大根ブラザーズのコンサートをやるのだと絶叫するヒデキ.夢は言うだけならタダのはずなんですが大根に食害が発生しちゃっているのでマイナスに.しかもその害獣は小柄なパンダ.本来は上野の動物が練馬区に植わった青首大根をなぜか食っている.これは驚くべきだとヒデキは主張するものの,イチローのリアクションは緩すぎて驚けば驚くほどどうでもいい雰囲気が漂ってしまう悲しみ.
とりあえずパンダ捕まえて売っちゃおう金にしちゃおうとヒデキは歌い,イチローもなんとなく巻き込まれて一緒にパンダを追いかける.確かに畑の害獣ではありますが,殺虫剤は効かないと思うし第一可哀想じゃないですか.それとパンダ売るとたぶん法にひっかかるだろうから売り方には気をつけろ(笑).
男2人とパンダのじゃれ合いに混じるのが紅一点のかわい子ちゃん.ピンクの髪に黒いスーツ,黄色いシャツの下から覗くへそ,そして超ミニのタイトスカートの下から惜しげもなくのびるお御足.猫なで声でおねだりする紅一点のマコがご登場! そのままリードヴォーカルの座を奪い,高級になりたいのでドンペリ飲みたいと歌って踊ります.ドンぺリは大変にお高いお酒.昔体にワインが流れていた女優がいましたが,体に高級なドンペリが流れればきっとその身も高級な金粉ショーとなるに違いない.どさくさに紛れて凄い画です.
とはいえこんなところでパンダに大根を食われているような連中にドンペリ買える金があるわけない.ステージ茶の間で練馬の大根をいただいてごまかそうとするヒデ兄ちゃんプラス一人と一匹に対して怒ったマコは「岡山にいぬ!」とシャウト. 犬ではなく去ぬ.シャンパン買ってくれないから田舎に帰るってんだから,なかなかのわがままさんであります.
そのまま岡山望郷の歌を熱唱するマコ.私に優しい岡山の名物はキビ団子.知名度財力人口などでメジャーな県に挟まれたマイナーさに定評のある県に帰る気もないくせに哀れに歌うマコにほだされてしまうバカはヒデキくらいのものでしょう.ただしその代償としてのヒデキとの結婚についてはもちろん御免蒙りたい.日本の法すら把握していないバカなどお話にならないのです(笑).
ようやくメインの3+1が揃ったところで,話はパンダに戻ります.大根背負ってエスケープを図るパンダ.それを売ってキャッシュに換えたいヒデキと丸焼きにして食いたいマコが追いかけて,どこだかわからん壁の前やら畑の中やらどたばたどたばた.そんな騒動を見事に収めてしまったのがイチロー.揃いの帽子をかぶせたら,その優しさにパンダ一瞬でダウン.どこか頼りない冬の太陽の如きホストぶり.
イチローの蠱惑はさらに深みへ.ふわふわな大根の害獣をいたく気に入ったイチローは,商売柄の怪しい目線で2人の敵から見事パンダを守ります.男だろうと女だろうと即座に倒す目線…ということになっているものでヒデ兄ちゃんたちの動きを止めたあと,そういえばお店で,と話を逸しはじめたイチロー.ここから先がまた,どうにも激しく深夜帯です(笑).
江古田の店,Blue Heavenでゆるゆるバイトしていたイチローのお客は芸能プロの社長.ああまた無駄に声が豪華….チロリン呼ばわりするこの社長,明日オーディションがあるという情報と引き換えにイチローの股間をむんずとつかむ.あーと緩い声を上げるイチローに,そのまま他人の股間を揉む社長.インサートされる手書きの花は趣旨からすればたぶん菊? あー,あーあー,とたぶんあえいでいるイチローと,いいじゃないかとひたすら揉みしだく社長.文章だと部分的にエロく見えてしまいますが,映像は監督と声優のせいで全然エロでなく,初回からどこに行く気なんでしょうかこのアニメ.
そんなイチローの勤労ぶりには理解を示しながらも,股間は触られたって減るもんではないとチャンスの方に食いついていくひどいヒデキ.たとえその身を売ってでも,デビューして大金掴んでドームを立ててコンサートしたいのが練馬大根スピリッツ.そのためだったら腰くらい全力でぶん回すさああぶん回すさ! てなわけで一同ことカモは,大手ならぬ玉手プロのオーディションに出かけます.
それほど背の高くないマンション・アパートの間に時々ちょっと高層の新しいピルが立っているいかにも練馬な町並みの中,場違いに毒々しく聳え立つのが玉手プロ.確かに大手プロならは練馬に本部は置かない(笑).オーディションを受けたい練馬大根ブラザーズの前に聳え立つ壁が,オーディション料の10万円! そんな金振ったって出ない3人が困りそうなところにすかさず登場するのが金融機関ダンサーズ.借りちゃいなマネーと歌って踊り,勢いで10万を借りさせます.最近は借金は計画的にしろと表現しないとCMが打てなくなったので,インターネットの上だけで踊っていたりしますよね.
さて,借りた10万払って控え室に入ったならば,そこにうずまくのはライバルというよりは魑魅魍魎の有象無象たち.こんな人間の姿すらしていないぬんよりぐんにょる連中相手ならさすがの練馬大根ブラザーズでも勝ち残れそうな予感もしますが,そもそもそんな人外にオーディションを受けさせるあたりが鉄板で詐欺.街で可愛いからモデルにならないかと誘われたときには,そいつがさっきまでどんな女の子に声をかけていたかを思い出してください.もちろん自分の顔でもいいですが.

後半.控え室に渦巻くのは無駄に自信満々の有象無象のイケメンども.人の姿すら保てていない日本語も話せない異星の客どもは次々にオーディションに向かって落ちていく.パチンコ玉が台に飲まれていくかのように次々次々次々に! 実際1グループ10万なのでこの例えはそんなに間違ってはいない.結局残るは練馬大根ブラザーズのみ.オバカな3人+パンダは気合を入れて,歌って踊って自己紹介! ロックンロールもリズム&ブルースも演歌もなんでもこなすからお金が欲しい現金な歌.人の姿をしているだけで,他の連中よりは多少マシなのではないかと思います.
審査員はここでチロリンのみを待ちわびていた例の社長.社内でオーディションで他のメンバー2人+1匹の目があるのに欲望のままにはじまってしまうエロスの世界第2章.見られると余計興奮するタイプですか? どうして股間をもまれると両手を上に上げるのですかイチロー.嫌はいいと同じというおっさん理論の激しいグラインドに昇天寸前のイチローを救ったのが一応仲間の2人.
女とブサイクが嫌いな社長はマコとヒデキは守備範囲外であるわけですが,そこでヒデ兄貴が自慢の股間を押し売りしちゃう.「どうぞ,俺の練馬大根をおさわりください!」 …一瞬にして受攻逆転.己の股間にあっけらかんと社長の手を押し付ける凄い嫌がらせを敢行するヒデキ兄貴.いやってことはいいってことだとろくに風呂も入っていない自慢のバディを無理やり体感させた上にズボンの中までご案内したら,さすがにこの狼藉ぶりにシャチョさん切れました(笑).しかしやたら汗ばむ兄貴と社長の手は真空状態でも作り出したのかなぜか外れず,ついには気持ちの悪さに失神.3人と1匹はイケメン警備員たちに追い出されてしまいます.このあたり,ヒデ役の松崎氏,大変に楽しそう.
…たぶん普通の1話完結作品の時間配分だとここまでが前半で終わってないと話が落ちないはずなんですが,本作は異常なのでここから猛スピードでまとめにかかります.話を破綻させたのはヒデキで間違いないですが,それ以前からお前ら騙されてましたよ?というのを教えてくれるのが気の利くパンダ.マコのパンツが見たい兄貴の奮闘と挫折などありながらも勝手にビルの裏の換気口からするりと侵入.その先に響いていたのは耽美で権力でお金たっぷりな社長とはべる美少年の愛され愛するよい関係のハーモニー.要するにオーディションはもちろん詐欺だと絶唱するソロ.ここでようやく,練馬大根ブラザーズは騙されていたことに気づいたわけです.鈍いにも程がありますね!
夕方,畑のステージにすごすご帰ってきた騙された者たち.今回の損害はイチロー2回分のおさわり代にマコのブスっ子呼ばわり分の精神的ダメージに10万の借金.ヒデキが触らせた分は向こうに損害が行っているので計上しません(笑).しかもこれはオーディションだから,あの大量の異星の客どもも騙されてる.そんなことがこの練馬で許されるのか? 否! というわけでお仕置きを決行することになる影の練馬大根プラザーズ.どうやら以前から私情たっぷり公憤ちょっぴりで不法行為を行っていたらしい彼らは,社会の悪を倒すため,そして主に自分たちのために金をふんだくるために出動.…たぶん普通のアニメだと後半が半分過ぎでこんなことやってたら絶対次回に続くんですけども,本作は異常なので完結します.
やっつけてやろうと決意だけはしたものの,ビルには警備員もいるしなーどうしようとうなだれつつ進む3人.しかしそれを救うのがまたもパンダ.裏路地にあるレンタルショップ・九龍へと見事ご案内.ブタが吸って吐く仕組みが今回はレンタルショップになっているわけですね.お金以外はなんでも貸すというその店主は…ああもう予測されてはいたけども監督か(笑).思いっきりおいしいところで出てんなぁ! 歌って踊ってレンタルプリーズは,この先毎回聞けるんだろうか.で,パンダの世話をしてくれる3人に店主が貸し出してくれたのはバズーカ砲(弾無制限).もう時間ないからそのくらいの火力がないと終わらないよね(苦笑)!
圧倒的な火力を手にした練馬大根ブラザーズは玉手プロを撃滅! もちろん練馬の警備員ではあんな火力に抵抗する術もない.歌いながら悪を倒す3人+1匹は,正義っぽいギャングとしてバズーカで建物ごとぶっ壊して金盗んでとんずら.うわ,一瞬で悪が滅びた(笑)! でもこんな狼藉も,他でもない練馬の平和のためだから仕方がない.

さてオチなんですが,金を抱えて出てきた3人を迎えたのがオーディションで一緒だった異星の客たち.皆様練馬大根ブラザーズと同じく詐欺の被害者であったためにお人よしの3人は仕方なくお金を返還.さっきまで袋に一杯入っていた10万円の束はあっという間にからっぽに…って3人の,もっと正確に言うならばヒデキの借金がありません.どこに行ったのかと言えば見事パンダが屋台の焼肉屋でドンペリなどに使い込んで消えました.さすがはパンダ,餌代は高くつくようです.次回予告の背景では異星の被害者たちにシャチョさんが後をひいひい言わされていましたがそれは自業自得と言えるでしょう.…初回でこの調子だとまた偉く長いレビューを毎度お見舞いすることになりそうな気がして恐ろしいですが,そんな予感もそのままに,次回に続きます!

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