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焼きたて!!ジャぱん#65

「原点だって進化するの巻」

桃屋の人に完敗し大勝負を落としたパンタジアの所持パネルはたった1枚に.さらにここまで連敗しつつも追い上げてきたサンピエールが第7戦に送り込んできたのはパンダ姿の無口な巨漢.その正体は以前サンピエールで店長を勤めていた模糊山.和馬に敗北したことでまともなパン道に戻った模糊山は,自身で作り出したスーパーベーキングパウダーの威力を試すためだけにあえて和馬の前に立つ.サンピエールの策略によって課題は蒸しパンとなるが,和馬はベーキングパウダーを使わない蒸しパンを作ることを決めた.

ついに見えてきたアニメならではの全ての決着.快調に1年半の道の最後を走る「ジャぱん」.ある意味作品的には極まったモナコカップ編を越えてもなお走らねばならなかった彼らですが.原作未完結のこのシリーズでも上手なアレンジできちんとクライマックスらしい盛り上がりを演出してくれるんだから立派なものではないかと.焼きたて9編は敵のリベンジ(&返り討ち)も1つのテーマで,今回と次回はそのテーマの頂点.思えばサンピエールとの抗争の歴史は彼との戦いから始まったのです.

前半.まさに最強の飛び道具を投入してきたサンピエールに敗北した上に絶体絶命となった和馬たち.いくらなんでも太っ腹で洒落のわかる素晴らしい桃屋には勝てないさ(苦笑).しかし窮地に陥ったのは敗北そのものよりも裏側で行われたパネル操作の影響が大きい.サンピエールの霧崎と焼きたて9プロデューサーは当然のように繋がっており,課題と条件を自由自在に操作していたわけです.…本来はスポンサーのパンタジアの方が小細工をしやすいんだけど,裏工作を怠ったのが裏目に出たご様子.金に限りがあるのは理解できますが,ことスタッフの囲い込みだけは絶対に金を惜しんじゃだめですよ.
たった1敗でパネル1枚にされてしまったパンタジアには,この先1敗も許されない.そんな深刻な場面でサンピエールが凄い人材ネットワークによって探し出したのが今回の刺客…パンダの着ぐるみの変態(笑).あの霧崎が認めた菓子パンのスペシャリストが和馬を叩きのめすために投入され,しかもテーマはそんなパンダに有利な蒸しパン.温泉で有名な下呂で人を癒すパンを作るのが今回の課題です.
で,割とあっさり判明する筋骨粒々としたパンダの中の人.菓子パンのプロで異様に無口なら…と和馬の名推理炸裂.知っている人で体がでかくて菓子パンが得意な模糊山のおっちゃん! このシリーズは原作を大幅に端折っているので,彼は少ない機会に再登場できてラッキーでしたね.
そして模糊山と言えば水乃.ロリな魅力を売りにできる素晴らしい人材であったわけですが,月乃対雪乃の抗争の激化の狭間で置いてきぼりを食らったところが気の毒.水乃自身は未だに雪乃の仲間ではないものの,今回は模糊山の願いを叶えるためにあえて彼の対戦を許しセコンドについたご様子.模糊山は自分が作り出したSBP(スーパーベーキングパウダー)の威力を試すために恥をさらす覚悟でここに出てきたのです.…やってることは求道者諏訪原と似たような感じですが,彼の場合は特定の材料に思い入れを持って挑んでくるところが違います.
ベーキングパウダーは重曹・クエン酸・酒石酸を混合したもの.数種の化学物質の究極配合を試してみたいと職人のわがままをぶつけてくる模糊山の気持ちを.和馬はあっさり歓迎します.これまでの戦いから向上心を持つ職人がどうしても自分と戦いたくなることはよく知っている.だから戦いを嫌がったり疑問を口にしたりすることもない.勝負に理解のある,いい主人公になりましたよね.ちなみに一流職人がパンダを着ているのは処理してない中身が大変なことになっているから.見るからに実は毛深そうだったから,あのぴっちりした着ぐるみの中には圧縮された毛が渦巻いているのかもしれません…(苦笑).
蒸しパンという一番得意な題材で挑む模糊山を下すのはたとえ和馬でも難しい.特に前回ノリ勝負で露呈した通り,和馬のパン以外の材料への工夫は超一流と比べればどうしても劣る.てなわけで既に劣勢のパンタジアに耳寄りなお知らせ.今回は蒸しパンに集中してもらうため,中の具材は番組で準備された共通のものを使うべし!ということで配給されたのが特産の恵那栗を使った100%栗の栗きんとん.素材選び段階でリアクション役を担っている河内の脳裏に浮かぶその味は,季節外れの南海のイメージ.特に麗しい月乃さんの水着姿が無駄に輝きありありと(笑)! 産地は山中なのにハマグリを思い浮かべてやまない恵那栗.見事な地域の特産品です.…これはうまそう.一回食ってみたいなぁ.
恵那栗という具材が同じでパン勝負だけやるんなら和馬は勝てる.なぜなら彼は天才だから…なんて読みは普通に考えればあまりに浅い.蒸しパンを作る場合は通常はベーキングパウダーと蒸し方しか工夫する余地がなく,模糊山の持ち込むSBPはきっと世界最強.だからいくら天才でもスタート地点が違いすぎて追いつけないはず…なんだけど,実際は甘い読みこそが大正解.パンの工夫にかけては和馬の右に出る奴はいない.ベーキングパウダーで勝てないならベーキングパウダーを使わなきゃいいというのが寝てたり燃え尽きたりする(笑)和馬の結論.普通ならパンは蒸せないけれど,全てのパンが蒸すことに向いていないわけじゃない.和馬が作ろうとするのは中華蒸しパン.イーストを使ったパンでありながらも,蒸しても縮まない優れもの!

後半.一応今回は霧崎の指示でプロデューサーの山川が和馬たちに妨害をせっせと仕掛けてきてるんですが,まったくうまく行ってないので無視してもいいかなと思います(笑).電車の走行を妨害するなんて,犯人がバレたら大変なことになりそうだよなぁ….さて,和馬が作りたい中華蒸しパンは,ベーキングパウダーなしでイーストのみを使うパン.しかもこのパンには事前に黒やんの許可が取れないと実施できない特殊な方法が投入されます.
ただし,この肝心の製法については冠には教えるけど河内には教えてくれないいけずな和馬.大事なお客さんだからネタバレしないように…って,もう和馬の頭の中ではチームメイトじゃないんだ(苦笑).これまでの戦いによって己の力量とライバル達の競争心と力量をつくづくよく知った我らが主役は,河内の存在に対し大変に明快で残酷な結論を導いたようです.本人に何の悪意もなさそうなところが逆にキツいよ.
今回のパンタジアの宿は温泉にこだわった破棄荘.下呂だから破棄荘.…ダジャレはともかく温泉はなかなか立派なもの.どうしてこんなときに月乃も水乃もいないのか! ついでに言えば傍の竹薮には和馬たちを陥れるためにわざわざ熊なんか持ってきた不純なバカプロデューサーまでスタンバイ.いらないところばかりこだわってどうするんだ作り手よ(苦笑).新株予約権のために熊を連れてきたプロデューサーは和馬たちにけしかけようとするも見事失敗.むしろ笹が温泉に大量に落ちることで中華蒸しパンの弱点であるイースト臭をなんとかする工夫を和馬が思いついちゃって完璧逆効果.哀れなのはプロデューサー.失敗した者に対する霧崎の厳しさはモナコカップ編でも披露されたとおりなので,熊からは逃げられても霧崎からは逃げられないよなぁ.きっと….

そして翌日は決戦日.和馬認定の「お客さん」こと河内は応援団長としてふさわしい阪神応援コスチュームで観客席で目立ちまくり,ステージの上で真面目にやっている冠を呆れさせます.お客さん扱いに怒って職人として発奮するべき場面で本気でお客さんをやっちゃうバカに対して「…だめですね,あの人は」と呆れると「俺は最初から諦めとったよ」ととんでもないことを笑顔で言う和馬.これまでの数々の経験で彼の頭の中には河内=客という無情な等式が見事成立してしまったご様子で,期待もしないから落胆もしない.自業自得とは言え,和馬は正直で河内は哀れ….
冷静で残酷な和馬に挑むのは燃えるリベンジのパンダ.一流職人として全力を出し切りたい彼を引率してきた水乃だって,パンダのパンを楽しみにしています.ただし自分の姉である月乃に恨みなんかないし,雪乃の味方をするつもりじゃないともじもじと伝えようとする彼女は実に愛らしく,姉の月乃さんもそんな妹の心づかいがとってもうれしい.愛人の子として姉妹扱いしてもらえなかった彼女にも,立派な可愛い妹さんができたようで何よりです.あとは雪乃さえなんとかなれば….
しかし姉妹の絆と勝負は別の話.ベテラン職人ならではの究極の蒸しパンを投入してくるパンダの凄さを暗示するのは複数回のアルプスの爆発.通常は1回きりの蒸しパンの爆発が3度も来るってんだから恐ろしい.生地をこねてる段階での爆発はただの行き過ぎた妄想かイメージ映像だと思うんですが(笑)模糊山はどんな蒸しパンを作り上げるのか? そしてそれを倒すべく開発された和馬の中華蒸しパンの仕上がりは如何に? こんな危険物を両方喰わされる黒やんの身などを微妙に案じつつ,次回,1時間スペシャルの後半に続きます.

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