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練馬大根ブラザーズ#4

「悪が悪呼ぶ悪の混沌の巻」

練馬大根ブラザーズは今日も今日とて大根飯.3度も悪を倒したというのにむしろ借金ばかりがかさんでいる素晴らしいギャングぶり.そこに訪れたのが練馬警察のカラクリ刑事・ユキカ.練馬区で起きた3件の謎の兇悪事件の犯人として浮かび上がったヒデキたちを現行犯で捕らえるべく,ホストクラブでイチローに偽情報を流し警察の地下の金庫に彼らをおびき寄せようとするのだった.

権力もスポンサーも見ている人間の平均年齢も全部無視して,あまりにもマイペースすぎるバカ話をとっても楽しげに展開している「練馬大根」.手間がかかりまくって洒落にならないミュージカルという拷問に自分から飛び込んでひいひい言いながら快感をむさぼるバカでマゾの姿が脳裏に浮かんできますんで,作り手はそのままマゾの道を極めればいいと思います.そんなマニアのプレイに巻き込まれた普通の性癖のスタッフは大変お気の毒ですが,そこはぜひ自らマゾとなってやりすごして頂きたいところです.

前半.過去3回に渡って犯罪者を襲撃してきた練馬大根ブラザーズですが,ちいっともその財政状況は回復しないどころか過疎地域の財政のように一方的に悪化するばかり.特にヒデキは毎回キャッシュを借りてしまって家計は真っ赤に燃えているはず.いくらドームをおっタてようと思ってもいい物食わなきゃタつ物もタたない.マコさんが肉キボンヌでも誰が奢ってくれるわけもなく出てくる大根喰うばかり.イチローのなよなよとした普段の歌声は至極不安定なんですが,英語の部分は声優が地声張っていてうまいなぁ.
叫んだだけ無駄なカロリーを消費してしまうジリ貧な練馬大根畑の真ん中に飛び込んでくるのが,間違いなくお巡りさんに止められるレベルの改造自転車.無駄にセクシーでド派手な御登場をぶちかました割に,ステージ上の3人にツッコンでもらえるのを待っているという構ってちゃんなお姉さん.3人が無視を続けたのでパトライトを鳴らしてアピールしやっと構ってもらえることになった眼鏡の彼女こそ,今回いいところを全部持っていくカラクリ刑事でございます.
ギャグアニメという治外法権の世界で生きる練馬大根ブラザーズのところにわざわざやってきた彼女は,無駄にセクシーで途方もない変人の上に作品の主旨を理解していない.セクシーなバディとイリュージョンなカラクリで練馬区民を守ってくれるカラクリ刑事! …練馬警察には他のあだ名つき刑事もいるのかな? 女性の価値はバディで決まるとばかりにトランジスタなマコを舐めきるお姉さま.
変人ゆえに最近練馬区で起きた3件の類似した襲撃事件についたわざわざ調べた彼女の結論は,芸能プロと韓流パチンコと病院で起きた事件の犯人がここにいるということ.そういや最近CMしてる「パチンコ冬のソナタ」ってみんなどう思う? もちろんそのまんま犯人であるヒデキたちは大変にわかりやすく狼狽.被害届けが出ていないので事件になってはいないんですが,練馬大根ブラザーズが強盗とか傷害致傷とか器物損壊とかをやらかしまくるギャングなのは間違いないのです.
たとえ事件にならないとしても,犯罪者を食い物にする犯罪者でも裏には返らず犯罪者.彼らがいつ一般人に手を出すかわからない以上,警察は内偵を進め組織の全貌を把握してあわよくば逮捕しちゃって治安を守らねばなりません.善良な市民の皆さんから白眼視されそうな正義のムチで大根切り飛ばしたりマコさんを畑に埋めたりと暴れつつ,ハードに歌う彼女が示す真実は,一連の事件の犯人は男2人に女1人,しかも名前は自分で歌って名乗ってる「練馬大根…」というところでイチローがパンダとともに仕事にお出かけ.普通の人間ならたぶんイチローの目にメロメロとなるはずなんですが,彼女はイチローの肩のパンダの方に妙な反応.これが一応オチのための伏線になってるんだけど,正直たいしたオチじゃないので覚えてなくてもいいです(笑).
女刑事の事情聴取をマイペースに振り切ったイチローは今日も江古田のホストクラブでゆるゆる勤労.「やさしくしてね」と言いつつもついた今夜のお客さんはデブ・スケルノ夫人.社交界に顔が売れている割には何も飲ませても食わせてもくれないドケチなのでこの手の夢を売る店としては大変に嫌な客.しかしそんな彼女がイチローに支払うのは耳寄りな話と1枚の地図.警察が暴力団と通じていて金庫にはその癒着でつくられたばっちい現金が唸りを上げて眠っているらしいという三流ゴシップ誌レベルのネタに加えて練馬署の図面もくれるだなんて,なんて露骨過ぎる釣り! もちろんこの夫人は女刑事がカラクリで粉飾している姿なんだけど,見た目の偽装の凄さに対して引っ掛ける話があまりにも出来てない.キャラは立ってるけど話が全然ダメ.こんなんじゃ熊だってひっかからないですよ.ちなみに25メートル以上のリムジンネタでお父さんの借りてくる車のことを思い出す奴はマニアです.

後半.これまでの決戦の舞台は深夜であったわけですが今回は晴天の下で襲撃スタート.イチローがうかつにも持ち帰ってしまった毒入りネタを見事に喰って警察襲撃を決定する練馬大根ブラザーズ.このカモネギ具合,高級布団とか消火器とか浄水器とか洗剤とか複製画とかを5秒で売りつけられそうな勢いなのが情けない(苦笑).汚い金を奪って使ってやろうと決めた悪党3人は,朝もはよから一発イっちゃいます.おやっさんことナベシン監督に歌と踊りを捧げましたら,今回はあの狭い口からは絶対出せないものが出てきました.なんだか懐かしいなぁ,あのフォルム(笑).
先端にどでかいドリルがついたスーパーマシンに乗り込んた練馬大根ブラザーズは素晴らしき掘削機を使って目的の場所へと地下の旅.誰に邪魔されることもなく3人揃って現地に御到着…と思ったら,金庫の前には分厚い非常線とカラクリ刑事の姿が! わざわざ練馬大根ブラザーズなんかを現行犯で捕えるためにここで待っていた暇人カラクリ刑事ユキカ! 正直そんなことに大量の人員を投入するのなら,練馬警察はもっと別にやるべきことがあるんじゃないかと思います.どうせ放っておいたって頭の悪いあいつらに悪事がちゃんと勤まるわけがないんだから(苦笑).
しかし本作の空気を読んでくれない彼女は真面目に彼らを捕まえるつもり.4話にしてお縄となる大ピンチを迎えたヒデキたちは尻に帆かけて逃げ出します.これを今度は鎖分銅手錠でつかまえようとする女刑事の武器バカぶりがちょっと面白い.手錠なんだから投げ縄みたいに捕まえるのかと思ったら,コンクリの床を貫く投擲武器になってるぞ.しかしこの凄い威力の手錠は誤爆して警察の金庫が本当に開き…中には汚職の現行犯が! さすがは天下の練馬の警察,フィクションらしい気持ちのいい腐敗っぷりがたまりません.
確かに金庫の中は秘密を隠しておける場所だから,署長とヤクザの組長がこんなところで逢引中.それを成り行きで見つけてしまった関係者はさすがにショック.特に正義の権化であるユキカにとっては上司の不祥事は自分の不祥事.自分が悪いことしている真っ最中じゃ練馬大根を捕まえることもできないに違いない.熟年男性の許されざる恋ということでごまかそうとした署長と組長だけど本作は正直ホモネタはもう見慣れてしまったので目くらましにすらならない爛れっぷり.署長と組長のラブソングは結構頑張っていて気持ちが悪いです(苦笑).
とっておきのホモネタも現金授受現場を目にしてしまったユキカに通じるはずもないから,公権力とヤクザは結託した上に裏側を知った者を排除するというベタベタのお約束を実行.ユキカが一転追われるものに成り果てて,口封じのためにさっきまでの部下までもが全員でユキカを追いかける…という警察&極道コントの中で放置されてしまったのが練馬大根ブラザーズ.彼らは場の混乱をいいことに金庫の中の汚い金を全部持ち出して「サランヘヨー」と勝手に離脱.ついでにユキカも消えてしまい,署長と組長はあのボンクラどもにしてやられたことに気がついたのでありました.
大金積み込み例のドリルマシンで逃走する練馬大根ブラザーズ! 今回はちゃんと金を抱えて現場を離脱できたのでいつもに比べると成功度が大幅アップなわけですが,追ってくるのがモノホンの警察なのでさすがに追跡を撒けません.白昼の逃走劇の末についに公園で燃料が切れ,練馬のギャングどもは警察とヤクザに包囲されてしまいます.もしお金に意志があるのなら自分たちに使われたがるはずだとマコは下手な腹話術で主張するわけですが,そんな茶番を認めてくれるほど国家権力と民間暴力はバカじゃありません(苦笑).…ちなみにお金に意志があるかどうかはよくわからないですが,仲間がいるところに寄って行くという習性はあるらしい.
権力と暴力に包囲されて絶対絶命の3バカども.しかしここで彼らが持ち出した現金の入っているはずのスーツケースの中から聞き覚えのある声が! 正義とは何者も恐れない愛ゆえの力,正しきことは美しきこと! 正論を堂々と吐き散らかしつつトランクからテンコー並のイリュージョンを炸裂させて復活するカラクリ刑事ユキカ! 奇跡の変形ギミックとともにここに復活! しかも今回は空気のはずの練馬大根ブラザーズを手駒として使おうってんだから豪気です.でも,正直あいつら役には立たないと思うよ….
どっちも悪いというかどいつも悪い混沌の中,やっぱし予想の通りに役に立たないヒデキたち.ここには悪党と悪党の部下と悪党の子分しかいないわけですが,ことに汚職をやらかしていた署長と組長が飛びぬけて悪く,その巨悪2人がユキカを巡っていきなり喧嘩をはじめてしまいます.確かに部下をきっちり束ねてこそ長というものですが,ユキカみたいなタイプはたぶん誰が長でもなんともならないと思うよ!
署長と組長の蜜月は壊れて元の木阿弥宿敵同士.もはや敵しかいないこの練馬の公園で全てに対してトドメを刺すのはやっぱりユキカ.可愛いものを見るとつい興奮して暴れてしまうバーサーカーモードを搭載したユキカ.今回はパンダのおかげで見事スイッチが切り替わり,女刑事バーバリアンが高音の雄叫びを上げながらぶっ叩いてなぎ倒すという大混乱の中,今回も金を奪えないままで練馬大根な1日は終わっていくのでありました(苦笑).
崩壊した戦場に最後まで残ったのは,スイッチの切れたバーサーカーのみ.彼女は闘いの空しさを語るがのごとく,メロウな歌声で区民の皆様のために歌います.…歌ってもらえる練馬区民がうらやましいなぁ(笑).どうでもいい歌詞のバラードは妙に穏やか.好き勝手に暴れたおかげでストレスがいい感じに放出されたようで何よりです.練馬警察にとってはもの凄い不祥事発覚なんだろうけど….

一足先に戻っていた練馬大根ブラザーズは今日も夜中に歌おうとして周辺住民からクレームを受ける.彼らは歌手とかギャングである以上に,手の届かない夢を叶えるという名目でモラトリアムを続行する筋金入りのダメ人間.真のダメ人間は行動すらしないんだろうからそれよりはちょっぴりマシなんだけど,やったって失敗するのがわかってることを何度も繰り返すのはやっぱりダメだと思います(苦笑).
手の届かない夢に溺れて現実から逃避する彼らは深夜帯でギャングなんだけど子どもであり,そこがどうにも情けなく同時になんだかいとおしい.正論を振りかざしてモラトリアムをぶっ壊そうとするユキカは今回見逃してくれましたが,夢のために同じ場所をぐるぐる回る宴がどこまでも続くわけもない.夢追い人の生き様は傍から見てれば感動的ですが,親戚からは総じて大変に評判の悪いもの.こいつらにもいつか目覚めよと呼ぶ声は聞こえるのだろうか? ぐるぐる回す次回につづきます.

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おろしたてミュージカル 練馬大根ブラザーズ 第4話「俺のカラクリ刑事(デカ)いでしょ」 毎度無茶やらかしてくれる「練馬大根ブラザーズ」ですが、ついに新展開!? 過去3話がそ [続きを読む]

受信: 2006.02.07 14:28

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