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3月終了アニメ雑感3

ある程度覚悟はしていましたが,今期の最終回ウィークは洒落になりません.次の番組のために志半ばで打ち切りを喰らった奴らやらオリンピックなどの特番の煽りを食って放映総話数が減らされた奴らだらけで,軒並み着地に失敗しているのが目立ってますね.もちろんこのきつい状況の中でも,それなりにまとめてきちっと着地している奴もいて,そんな作品はやっぱり高評価したくなるものです.
まったく時間のない今期のラストは2話連続放映での無理やりの完結が大流行.…2話どころか3話連続でやっちゃう奴とか,同じ週の別の時間に最終回だけ放映する奴までいるもんだから気が抜けません(苦笑).時間変更を追いきれなかった「レモンエンジェルプロジェクト」.最終話だけ見逃してしまったかと思って焦りましたが,「シャナ」の録画予定を消していなかったのでなんとか録画に成功しました.ちなみにかなりいい最終回で,見逃した奴は大変に勿体無い出来でありましたよ.

てなわけで最終回に伴うアニメ雑感の第3弾.書いても書いても….

3:3:1 灼眼のシャナ
地方局とは思えないほど美麗.2クールをしっかりかけて主にヒロインのツンデレな魅力を全力で描ききったいさぎの良い作品です.この女尊男卑世界では女性はともかく魅力たっぷりで,その代償として男性陣は総じてヘタレ.この手のファンタジーなら一人くらいはいてもいいはずの美形青年の姿がないのが特殊かも.絵の面ではまったく隙がないんですが,物語の面では前半の盛り上がりに比べると後半がかなり息切れしてしまったのが残念.中盤のあの勢いをそのまま後半に持ち越せなかったのが勿体無かった.前半のエンディング曲は世界観と展開にマッチして素晴らしかったので,後半でも使ってほしかったな.

3:3:2 Canvas2
そりゃあれだけ抑圧すれば絶対最終回には逆向きに振れるだろ(笑).絶対萌えなんか作らないと思ってたあの川崎監督が手がけただけのことはあり,美少女モノとしては大変に手堅くしっかりとしたつくりになっていました.特に中盤のコメディ回はアイデアもキャラも生き生きとしていて秀逸.ただ,恋愛面に関しては特にラスト展開の取ってつけた感が濃く,素敵で完璧な結末を期待している奴は要注意.もちろん結末ではなく恋をする生き生きとした少女たちを観賞するなら,あの程度の瑕疵ならまず問題にはならないはず.恋愛モノは結果ではなく過程を楽しむべきですからね.

3:3:1 よみがえる空
緻密な画面に奥深く真面目なストーリーに声優の熱演までも揃ったって言うのに,唯一全体の構成が惜しかった.珠玉の「Bright Side of Life」が中盤であり終盤ではなかった,その1点がどうしようもなく惜しまれます.時系列としてはこれが正解なんだけど,娯楽としてはあの品質と衝撃はやはり最後に欲しかった….とはいえ今時の大量の深夜アニメの中で抜群の硬派ぶりで存在感を示したのは間違いないから,上質な大人の娯楽をどうもありがとう.…地上波未放映となる最終話によって,シリーズ全体がぴしっと締められたりするんだろうか?

4:3:2 うえきの法則
1年かけて到着したのは実に気の利いたハイレベルの能力バトルアクション.中盤から終盤に至るまで,作り手たちがいかにこの作品が好きであるかがあちこちから滲み出てきて実に楽しげでありました.声優の豪華さや上手さ,ノリっぷりも楽しかったですね.設定の使い方がどうにもこうにも気が利いていて,どんなに追い詰めても追い詰められても正しい逃げ道がどこかに残っているあたり,ちゃんと「法則」が主役になっているんだよね.
中盤以降のテンションと品質はかなり安定していて,特に紅優氏の回は素晴らしかった! その分どうしても惜しまれるのが序盤の展開.本作がただのキッズ向け能力バトルアニメではないことをで早めに示すことは相当難しかったようで,折角の中盤の盛り上がりの前に視聴者を振り落としてしまっていたのが勿体無かった.とはいえ最後まで見た奴は必ず満足したに違いない,見事な着地をきっちり決めた佳作なので,これから視聴される方にはぜひとも序盤に耐えて乗り越えて最後まで見ていただきたいと思います.面白かったです!

4:2:4 練馬大根ブラザーズ
純粋に勢いだけで押し切る最終回がらしかったなあ(笑).元々長距離走でこそ真価を発揮するナベシン監督と浦沢御大だったので,事前に予測した通りとんでもないレベルにハジケ切る前に終了してしまった感じ.これが4クールのシリーズならば,7話をさらにパワーアップさせたような凄い出来の回が生まれる…前に監督が倒れて帰らぬ人になったでしょうね間違いなく.だからといって負荷を減らすためにミュージカルを減らすのは間違っているわけだから,実に使い勝手の悪い才能ですよお2人とも(苦笑).
一応深夜なので時事ネタもマメに拾ってましたが,本作の魅力はいつものようにあまりにも自由すぎるメインキャラの大暴走に尽きるでしょう.特にお目付け役として登場したはずが見事なまでのただのバカへと堕落したカラクリは素晴らしかった.回を重ねるごとに好きになっていきましたよ! 芸達者なシゲルマツザキの油の乗った黒光りする歌声もたっぷり堪能できますんで,くだらないものをわざわざ見る楽しみを知る人にはぜひとも見ていただきたい娯楽作です!

3:1:4 クラスターエッジ
またシリーズ途中で逃走かよ!と,以前リアルタイムで逃げられた自分は叫んでみます.いくらリバイバルが流行とはいえ,そんなことまで21世紀に復活させてどうする(苦笑).物語のプロットが本質的にファンタジーであるところに,やたらメカメカしくリアルで線が太い政治劇を入れたもんだからさあ大変.やや高年齢向けの少女漫画のプロットとしてはかなり野心的で,決してつまらないものではないことは後半のまついSDの頑張りで証明された通り.必要以上のリアルさと線の太さがなければ,そして逃げずにスケジュールがなんとかなっていて総集編が少なければ(笑)良作になっていたんだろうなと思います.何はともあれまついSD,本当にお疲れさまでした!

…これでもまだ半分くらいかな? 個人的には,つい人様に勧めてしまった手前,「Canvas2」が致命的な大崩れをしなくて本当によかったです(笑).

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焼きたて!!ジャぱん#69

「心侵して完全勝利!の巻」

ついに残り1マスとなった「焼きたて9」最終戦.舞台は和馬の郷里である新潟,テーマは「日本のパン」,そして敵は実父である霧崎オーナーを憎んでいたはずのマイスター霧崎! 祖父たちやこれまで出会った人々に見守られつつ,和馬は渾身のジャぱんを作る.素材の面ではマイスターが一見有利.実際にマイスターの作り出したおまんたゴぱんを口にした黒やんは,リアクションのために審査を放り出して旅立ってしまう.このような場合は代理審査員として霧崎オーナーともう一人の審査員が必要なのだが,パンタジア側で今すぐ適切な審査員を準備できなければ,オーナー審査によって和馬の負けが決まってしまう.もはや打つ手のないパンタジアに残されているのは祈ることだけ.そしてその祈りに答えて登場したのは,実にお久しぶりのあの男だった.

パンによるリアクションで笑いと権利の縁を1年半に渡って爆走し,とうとう終着点にたどり着く「ジャぱん」.グルメ漫画の構造を使いグルメ漫画のおかしさを指摘し笑ってきた皮肉屋の原作を熱血アニメ風に調理して,毎週のようにおいしく食べさせてくれた本作も今週で見納めです.
タイアップの都合で時間に振り回されながらも割となんとかしてきた本作らしく,最終回は実に見事な駆け足.本来3話かけたいところを1話でやっちゃう一気可成なクライマックスは,語り足りないところは残るけれどそれを補って余りあるほどに爽快! 激しいリアクションと権利への飽くなき挑戦はいつも通りに,そしていつだって場違いにまともなパンうんちくは,驚きのオチへと繋がっていきます.これまでそのままじゃ使えない原作をきっちり料理しきったアニメスタッフの皆様,本当にお疲れさまでした!

今回はオープニングなしでいきなり決戦.「焼きたて9」最終決戦の舞台は新潟県糸魚川市・能生.どちらが最後のパネルが取るかで勝負が決まるという,最終回らしい最終決戦です.パンタジアがたった1敗でパネルをあらかた取られてしまったのは皆様御存知の通り.大一番に挑む和馬がこねるのは緑色の生地.開催地は新潟出身の和馬にとって大変に有利.けれど敵は霧崎オーナーの息子,マイスター霧崎! 味方であるはずの彼はなぜかサンピエール代表として,和馬の前に立ち塞がります.
今回の会場には地元なので和馬の家族が,そして最終戦なので主要な仲間やライバルたちも姿を見せています…木下までも(笑)! 相変わらずナチュラルに無視されているのが気の毒です.中でも一番複雑な気分なのはマイスター霧崎の妹であり霧崎オーナーの娘であるソフィでしょう.あれほど憎んでいた父の元でなぜ兄が戦っているのか,理由がちっともわからない.
幼い息子と娘を外国に見捨てて出奔した父.ひもじい子どもたちの前で自分の焼いたパンをばりばり食った人非人.パンタジアに対し執拗な攻撃を仕掛けてきたラスボス.これがパンタジア側の知る霧崎オーナーの姿ですが,一時はサンピエール側に回ったシャチホコには疑問が.なぜ,マイスターもソフィーも結局パン職人を目指したのか? 憎むべき父と同じ道は絶対に歩みたくないと思うのが普通なのに.…ソフィさんはパンが美味そうだったから!と断固否定をしてますが,わざわざこの道を歩いたのは.やはり父を無意識に求めてのこと?
さて,パンを食うまでは審査員も観客の一人.ただし極上のリアクションのためにはパンの特徴を製作過程で掴んでおきたい.黒やんの見立てでは素材に関してはマイスターが圧倒的に有利.しかしこれまで,製作中には予想もつかないとんでもないパンが和馬の手から作られてきたことを忘れてはなりません.ちなみにマイスターの極上素材の中では「おまんた米」がともかく不安.…きっと原作なら迷わず洒落にならないことになります(笑).
超一流のマイスターの素材に比べると,和馬の素材はどうにも地味なものばかり.とはいえ初めて地の利を得た和馬が持ってきた素材は決して侮れない.祖父たちに手配してもらった完全無農薬米や野生ヨモギは一流のもので,さらに過去黒やんを天国に吹っ飛ばしたあのペターライトまで復活しています.そして全ての決め手となるのが味噌.これがこの先の全ての鍵となります.
霧崎オーナーに妨害禁止を言い渡された雪乃には歯噛みするしかないクリーンな最終戦.対等な条件で争ってパンタジアが負ければ和馬の心も傷つくだろうし,万が一マイスターが負けたとしてもパンタジア所属の職人ということでサンピエール本体には塁が及ばないという,かなり陰険で計算された状況ではないかな.マイスターは和馬と戦いたくて行ったのだと実際にそれをやった諏訪原が主張してますが,1職人ならともかく,経営にも深く関わる顧問クラスがそれをやっていいのかどうかは大変に疑問の残るところです(苦笑).
数々の修羅場を乗り越えてきた和馬の腕前は,特にパンに関しては本作最強と言い切っても問題なし.そもそも登場時から圧倒的な腕前を示してきた天才は,問題を解決するため,そして挑んでくる敵を叩きのめすために比類ない腕を磨きに磨いてきました.河内が最初から置き去りなのはまあ当然として(笑)周囲からは天才と思われている冠ですらも,素材などのアドバイスはできてもパン本体への助力はできなかったわけで,和馬がこれまで意外と孤独であったことがわかります.
和馬がここまで一人腕を磨き続けて来たのは「ジャぱん」のため.日本人の日本人による日本人のためのパンという途方もなく高い目標があったからこそ,本質的には孤独でもモチベーションは落ちないままにここまで来て,会場で仲間たちがようやく気がつく和馬のいる場所.最近ジャぱん○号ってつけてないというどうでもよさそうなことこそが成長の印.モナコカップまでの試作品から脱却しジャぱんを完成させつつある証!…って,実に地味で丁寧な伏線.そんな繊細さは誰も期待してませんけど(笑).
超一流材料でおまんたなマイスターのカニパンと,ジャぱんとしての完成型である和馬のヨモギ味噌パン.2種とも見事焼き上がって黒やんに試食してもらうことになるわけですが,先に食われるのはマイスターの方.なんせペターライトはリアクション的に天国に行く可能性が高いので,審査放棄の可能性を減らすためにも少し冷ますことに.…ここで最後のパンを食われることになったパンタジアの勝利が料理バトルアニメのお約束から内定したようです.おめでとうございます(笑).
名前からして大変に危険な三角形のおまんたゴぱん.黒やんが食したその味わいは,夜空には花火が上がり,三波先生のおまんた囃子が鳴り止まない幻覚を食うものと観客に感じさせる比較的スタンダードなもの.放送できないようなリアクションでなくて本当によかった.黒やんにぎりぎりの節度があって本当によかった! さらにその米の素晴らしさをその身でもって讃えるべく,自らマンタとなって7つの海に回遊に出掛ける黒やん…結局立派な審査放棄.和馬のパンを後回しにした意味がいきなりなくなってますよこのダメ変人審査員め!
審査員が7つの海に回遊に出掛けて職場放棄するという,不測の事態に困るのはもちろんパンタジア側.その素晴らしい読みによってこの事態を狙いマイスターにあのパンを作らせたのではないかと思われる霧崎オーナーは,ルールを遵守した上でパンタジアの敗北を自ら宣言できる位置につきます.こんな時には,両会社のオーナーと両社に無関係な審査員を立てなばならない.しかし都合よく鋭敏な味覚を持つ無関係の審査員がいるわけもなし,和馬のパンはどんどん冷めていくし….
最終回で彼らを襲う,回避不能の大ピンチ.もはや彼らにできることは祈ることだけ…というわけで,月乃さんがピエロンリングに祈ったならば,原理は不明なれどあの世界レベルのピエロが勇者として飛んできた! お久しぶり(笑)! モナコカップ編ラストの指輪の伏線はここで回収.伏線処理のような細かいことは期待していませんが,シリーズ中屈指の素晴らしいキャラをここに連れてきてくれてありがとう! モナコの皇太子ならば審査員に不足なしと判断されて,ついに最後のリアクションがスタートします.

後半.ついに始まる最終最後のリアクション.普通のヨモギパンにしか見えない和馬のジャぱんを食ったオーナーとピエロが見たのは…古い新潟の記憶.幼い和馬と町のパン屋・サンピエール店主の思い出.この映像は霧崎オーナーの頭の中に10年も寝かされていた記憶.フランスに子ども達を置き去りに帰国した霧崎は,一時新潟で小さな店を営んだあとで東京に進出し,たった10年で老舗のパンタジアを越える規模のパンチェーンを作り上げたことになります.
そして当時のオーナーに東京に出る勇気を与えたものこそ,パンに当時からひどく熱心だった幼い和馬の姿.霧崎オーナーこそが和馬が初めて会ったパン職人であり,あの出会いがなければこんな凄く変な話は生まれなかったはず.あのときの言葉に従ってジャぱんを追い求めた和馬と,今や大会社のオーナーとなった霧崎.和馬はあの当時から何も変わらないのに,霧崎はまるで別人.霧崎がなぜ,パンタジアごと和馬を叩き潰そうとするのか.自分が言った「ジャぱん」をなぜ自ら殺そうとするのか.それは一瞬だけ感覚を共有したピエロには計り知れないところで….
和馬のパンへのリアクションは回想劇であっさり終了! 幻覚の中には米もヨモギもペターライトも出て来ない! 引き続いて2人が食べたおまんたゴぱんには黒やんと同じ幻覚が浮かんでいるので,2人のパンに対する感受性が黒やんに比べ鈍いわけでもないようだし…って,臨時の審査員までマンタとなって7つの海を回遊に出かけてどうする(笑).こんな極端なリアクションは無視するのかと思ったけど,霧崎オーナーも意外とつき合いがいいよなぁ.そして2人と入れ替わりに黒やんが会場に回帰! さっきまでの代理審査員探しの意味が…(苦笑).
7つの海を泳ぎリアクションを完了させてきた黒やんは,相当冷えた和馬のパンを続いて食って「ジャぱーん!」と過去回想と同じく本作としては実に地味なリアクション.権利的にはかなり厳しいらしいけど,そんなヤバさでパンの味が評価される本作はやはりどうかしている(苦笑).そして,ジャぱんへのリアクションは未だ終わらない.眼鏡をかけてまじめな口調で「発表したいと思います」だなんて言いだす横暴で尊大で唯我独尊のはずの黒やんの態度こそ,和馬のパンの真の恐ろしさの発露です!
マイスター霧崎のおまんたゴぱんは審査員たちに同じ光景を見せた優れもの.素材の配合へのこだわりも優れていた上に,焼いたカニが素晴らしいと黒やんも大絶賛! 対する和馬のジャぱんも無農薬な生地,ヨモギの味わいと香り,ペターライトによる焼き加減が素晴らしいとこれまた絶賛する黒やん.しかし和馬の祖父たちの奮闘と期待も空しく,このジャぱんの最大功労者は,超一流の材料に手間と時間をたっぷりかけられてつくられた能生味噌.そして個性の強い素材をまとめ上げ,美しいハーモニーを作り増幅させた太陽の手の力が素晴らしい!
ここで回遊を終えたピエロが帰還.ここまでの黒やんの和馬のパンへの賞賛の言葉が真実ならば,あのリアクションはあまりにも地味.しかし和馬のパンの影響の真価は幻覚ではなく,食った奴自身の内部に現れます.…ピエロをシリアスにし,黒やんを丁寧にする,能生味噌による脳味噌への刺激が本来の性格を引き出すという人格リセット効果を持つこのジャぱんは.あの歴史を変えた大麻ジャぱんすら越える大傑作!
で,肝心の審査の結果は…黒やんもピエロも「引き分け」! 最終審査は残る代行審査員であり現在7つの海を回遊中の霧崎オーナーに委ねられてしまいました.このままでは霧崎の判定によってパンタジアは確実に負ける.ピエロまで呼んだ折角の奇跡も空しく霧崎オーナーは帰還して,そして…
「私がおいしいと感じたのは…パンタジア,東和馬君の,能生味噌ジャぱんだよ」

…霧崎オーナーの優しい顔を見た瞬間にそんなふざけたことを言い出した理由までもがわかる,あっと驚く大逆転! 和馬のパンの能生味噌は霧崎オーナーの頭脳を餌食とし,優しくてまともな人格を表に出してしまったがゆえのどんでん返し! 人を殺し過去を改変してきた和馬のジャぱんはついにラスボスを洗脳するという偉業を成し遂げたのでありました.結果,パネルは5対4となりパンタジアの勝利! パンタジアの権利は晴れて月乃のものに!
おいしいパンは人を幸せにするもの.能生味噌によって優しい本性が露呈してしまった霧崎オーナーは,フランスに置き去りにした2人の子どもに歩み寄ります.おいしそうなパンは,本当においしいかどうかわからないから自分で食べて確認しなきゃならない.しかし本当においしいとわかったパンは…食べて欲しいと思う人間全てに食べてもらいたい.和馬は自分に戦う理由をくれた月乃に,焼きたてのパンを差し出します.ここまで無謀な戦いを繰り広げたのも,月乃さんのパンタジアのパンに対する深い愛情があったからこそ.彼女はパンを愛する人として,和馬がパンを差し出す相手にふさわしい.
本性は実に優しい霧崎オーナー.その優しさは,子どもたちを捨てたのは獅子が子どもを叩き落したようなものであり,今だって日本のパン業界のためにあえて悪役をやってるんではないかと思われるほどなんですが…パンの効果が無限に続くわけもなく,能生味噌の切れたオーナーはいつものふてぶてしい顔に戻ってしまいましたとさ(苦笑).理由は金儲けとかもういろいろ台無しなんだけど,本作としてはこの展開が実にらしくておかしい.結局霧崎オーナーの真意がどこにあるのかはわからないまま.でもあれだけの優しさを見せつけられたあとで,これからが本当の闘いのはじまりだ!とか偉そうにされてもなぁ…(笑).
凄い敵こそが腕を磨く砥石.ジャぱんという頂点に挑む和馬には,支えてくれる仲間と同じくらいに隙あらば彼を谷底に叩き落そうとする厳しい風や雨や雪が必要.そして敵が強ければ強いほど,和馬の腕は天井知らずに上がっていくわけです.風雨の強さ冷たさに耐えてがむしゃらに進んだずっと先に,彼一人では到達できない,まさに想像もつかないようなとんでもない頂点が存在するに違いないのです.

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3月終了アニメ雑感2

泣いても叫んでもあと一息で3月も終わり…なんだけど,こりゃ4月までずれ込むなぁと苦笑いしそうな年度末を皆様いかがお過ごしですか? 最近は長文更新はさすがに厳しいので,サイドバーに新設した「連絡板」を毎日更新しています.皆様には最新の記事しか見えませんが自分は過去の記事を読めるので,時間変更メモが存外役立っていたりしますよ.あと,記事にするには短すぎる心の叫びをぶつけたり.短いのは書きやすくって楽だ.

自分は客観的に見ると悪球専門に当たるのは否定しようのないところ.…本人としてはあれは極狭なストライクゾーンに入ってきた貴重な絶好球であり,見逃す方がぶっちゃけ勿体無いと思うのですがどうか.悪球打ちには悪球打ちなりに,見ること以上に選ぶことや書くことに対する相当なこだわりがあります.自分専用としか思えない凄いのを見出すために数を見て,一度見定めたらどんな変化をしようと確実にスタンドに運んでやろうという,作品に対する超攻めな心意気がポイントです.

さて,3月終了番組のシリーズ雑感第2弾! 次から次に終わっていくな.

4:3:4 焼きたて!!ジャぱん
料理バトルものの冷笑的なパロディであり,ネタ的にも大変にチャレンジャーな原作をうまく消化し時間的な制約を毎度全力で乗り越えて,ゴールデンタイムのアニメとしてのアレンジを果敢に繰り出した上に1年半を維持しきった制作側,サンライズの体力がともかく凄い.「それは無理だろ」としか思えなかったネタがアニメとして放映されてしまう恐ろしさと面白さは,きっと原作既読者でなければ味わえなかったものではないかと思います.…大麻ジャぱんやごはんですよは絶対諦めると思ったのに!
作画は時折不安定ながらも女性と野郎の逞しい裸体に関しては安定.原作を上手に解釈し再構築された動きの楽しさなど画の見所も多かったわけですが,特に褒めたいのは声と音楽.子安氏の怪演はハジケリストとしては当然なんだからスルーして,ベテランの間で揉まれて立派な関西弁ヘタレツッコミとして確立した阪口周平氏の成長ぶりと,毎度のリアクションにあわせて作られたすごくどこかで聞いたことのあるパロディ音楽の贅沢な使いっぷりが素晴らしかった! 原作由来の間口の狭さが改善しきれなかったことや焼きたて9編でのテンション低下ってな問題もあったけど,ともかくちゃんとまとめたんだからもういいじゃないですか(苦笑).面白かったです!

3:2:2 怪
ショートシリーズを3話連続で放映したので,評価全体については平均を取るようにしています.特に最終シリーズの「化猫」の出来が良く,「化猫」単体なら「おもろ」をつけたいんだけど残りの2つが凄く足を引っ張って「普通」に.大人向けで実写でもやれるものをアニメでわざとやっちゃうノイタミナ枠としては,「化猫」以外2本の作画の貧弱さがどうにも痛かった.雰囲気を語るならそれに相応しい画がどうしたって求められるもの.その要求に最後の最後で応えた「化猫」は,下地の上に半透明のセルを重ねたような画面が実に豪奢で,DVDを買いたくなるくらいに良かった.

4:2:3 陰からマモル!
短期シリーズで大変にお金もなさそうなこの枠としては,かなりしっかりと見られるものをつくってもらえたところが好印象.原作のキャラクターと設定の力を上手に使い,絵が間に合わない部分は物語(特に台詞回し)と見せ方で補うというバランス感覚が素晴らしかった.声優も凄く頑張っていたよ…特にバナナの歌とか(笑).美少女モノの命である絵の面での力が足りていないので一般は2.ただし,ほんわりとしてモテモテな忍者コメディを御所望ならば必ずやその期待に応えてくれるんじゃないかと思います.妙にシリアスになってみるラスト2話を含め,芸術的なエッジはまったく立ってないけれどその分嫌味のない楽しい深夜アニメです.

3:3:1 ふしぎ星のふたご姫
1年かけて大量のメインキャラクターをしっかり立てたところはやっぱり凄い.あの量の設定を管理して話に組み込むのは相当の手間が必要だったはず.特にアルテッサの見事な立ちっぷりとブライトのどうしようもないヘタレっぷりは必見.しかしあの7+1の世界観についてはさすがに量が多すぎて消化不良になってしまった感じ.次のシリーズは学園という1つの世界をベースにするようだから,この問題が解決されるかもしれません.幼児女児向けとしては特段の破綻がないところが最大の長所…であり同時に短所.本作が一番不運だったのは,同時期に類似の構造を持ちながらも常識はずれにハジケていた「マイメロ」があったことだと思います(苦笑).

4:3:3 金色のガッシュベル!!
時折の瞬間最大風速が凄い作品だった「ガッシュ」も,3年のシリーズ全体を通しで評価するならこのくらいではなかろうか.素晴らしい着想と展開に恵まれた原作に比べると,アニメ化して物語と作画が致命的に追いついていない面が多々見られたところが辛かった.もちろん原作以上に良くなった時もあったけれど(特に3年面前半の頑張りは素晴らしかった)ここぞという場面がほとんど原作以下に留まってしまったのが勿体無い.原作未完の作品としては精一杯にまとめてくれたのはよくわかるんだけど,人と時間の足りないことがあまりにもあからさまな回が多かったアニメは,どうしても他の人には勧めにくいんだ.
個人的には実に長いつき合いの作品で,ずっとレビューを書いてきたから愛着はあるし終了するのも凄く残念.珍妙なキャラや言動に対するスタンダードでクラシカルな櫻井氏のツッコミぶりはお手本のようだったし,チチもげに代表されるバカ歌や豪華声優の演じるバカキャラの競演は脳裏にこびりついて消えません(苦笑).迫力あるバトルの中でもギャグを絶対忘れてくれない,そんな根本的に間違ったバランス感覚も大好きでした.
最後に.ガッシュという素敵な主役を2年半以上も演じてきた大谷氏がクライマックス直前に離脱せざるを得なくなったというのは,ご本人はどれほど無念であったかと思います.ぜひとも元気になっていただいて,DVDやOVAでリベンジをお願いしたいんですが…だめですか(笑)? 1ファンとして,一日も早い復帰を心よりお待ちしております!

4:4:4 おねがいマイメロディ
まさに今期最強のダークホース!ウサギのぬいぐるみだけど! 長い歴史の中ですっかり消費されつくしてしまった古く愛らしいキャラクターに,注いではならない危険な血を注いでしまった制作側も制作側ですが,それを許したサンリオもサンリオだと思います(笑).一か八かの大輸血は見事にハマり,幼児や大きなお兄さんたちだけでなく,子どもにつき合わされて見ているノーマルな視聴者の心すらも掴む珍作となりました.愛らしい外見から放たれるとんでもない猛毒や,コロリとやればリセットされる設定をいいことに展開された毎度毎度の乱痴気騒ぎに,愛や恋や憧れのような明るくて真面目な感情をほほえましい感じにトッピングした味付けも見事.素晴らしい仕事です.
キッズ向けの極端に濃いギャグをやろうとすれば,どうしても異様なキャラがメインになりがち.そこに毒気皆無のキャラを放り込むことによって,ただの濃いギャグでは掴めない客層にまでアピールできる一般性を手に入れたところが素晴らしい.用兵の妙によってギャグアニメの歴史に残るに違いない傑作なので、次期が大変に心配で(笑)楽しみです!

今のところはまずこの程度.今週はこの先もまだまだ続くぞ.

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金色のガッシュベル#148

「持たざる者の激しい憎悪の巻」

リオウを倒しファウードの主となったゼオン.ガッシュを敵視する彼は仲間たちからガッシュと清麿だけを切り離し,因縁を語るのと同時に痛めつける.ゼオンとデュフォーは強大な力を使ってこの世界を壊すことを楽しみにしていて,いくら彼らからこの世界を守ろうとしても今のガッシュたちでは相手にならない.ガッシュたちがこのファウードに導かれたことすらゼオンの差し金.どうしても欲しかったものをガッシュに取られたと恨み怒るゼオンは,その鬱憤を晴らすかのようにガッシュをいたぶるのだった.

3年の長い旅の終わりが間近に近づき,いよいよ始まりの因縁が明かされていく「ガッシュ」.魔界の王となるために人間界に送られた魔物の子たちの一人としてこの世界にやってきたガッシュですが,人間界への到着後に何者かの襲撃を受け,今はすっかり魔界での記憶を失っています.あのキャンチョメにすらあいつになら勝てると思われるほどに弱かった上に,戦う相手の情報も皆無という状況でここまでなんとかやってこれたのは,パートナーである清麿がそのあたりを全部肩代わりしてくれたからでしょう.
人間界に送られた直後は,イギリスの妖精の森で一人怯えて暮らしていたガッシュ.そこに来たガッシュと同じ顔をした者がガッシュの記憶を奪っていったところからはじまるのが現在.再び訪れたイギリスでガッシュがその記憶の断片を取り戻したときにガッシュの体が金色に輝き,そして手に入れた第4の術が…バオウ・ザケルガ.この作品の幹とも言える重要な設定の真実の一端がついに明らかになります.

ゼオンが主となったことにより,ファウードは加速し残り時間はあと50分…2話分に短縮.ここに来てラスボスのレベルがとんでもなく上がってしまった上に,ガッシュとただならぬ因縁があるようで大変おっかない.これに対するはずのガッシュと愉快な仲間たちは一旦ゼオンたちのいる部屋と切り離されます.ゼオンとデュフォーのいるメインコントロールルームの頑丈な扉は閉じられ,術では傷一つつかない…だからお前ら,扉がダメなら脇の壁とか天井とかもっと想像力を(苦笑)! 折角凄い風景に集中したくてもガッシュが扉の向こうから叩いて叫ぶのは結構邪魔で,ゼオンはガッシュと清麿だけを部屋の中へと招きます.
ガッシュとよく似た顔の銀色のゼオン.彼こそがあの森でガッシュの記憶を消した魔物! 強い力を持つだけでなくその力を弱い者いじめに使うことを楽しむゼオンには,ファウードを止めるつもりは毛頭ない.彼はガッシュの「忌々しいことに…そいつの兄弟さ」.色違いでそっくりな外見は2人が双子の兄弟だったから.しかもゼオンは,握り締めた拳から血が滲むほど,ガッシュに対する強い怒りと恨みの気持ちを隠さない.
ここでも清麿がファウードを止めろと魂の説得を発動するものの,対リオウ戦と同じく確固たる信念を持つ愉快犯には説得は通じない.…ここまでやらかしておいてファウードを止めるヤツの方がどうかしてる(苦笑).そして,世界を壊そうとしているゼオンに協力するデュフォーもまた,この世界の行く末なんかはどうでもいいご様子.どうやら超能力者であるらしいデュフォーが清麿の心の中に伝えた過去の光景は,彼をそうさせるに相応しい壮絶なものでありました.
絶壁の上に研究所で非人道的な実験を施され生きてきたデュフォー.彼はゼオンに出会うまで人間扱いされることなく,特殊な実験材料として扱われていたようです.能力的にも待遇的にも,彼は清麿と同じような人間ではなくむしろ魔物に近い存在で,実際に彼を人間扱いしたのも魔物のゼオンだけだった.…大変に血生臭そうなデュフォーの過去にも驚きましたが,ここで究極のパートナーとして超能力者を持ってきたところもなかなか豪快です.今までも天才とか特にカンの鋭いパートナーはいたわけですが,ここまで人間離れしたパートナーを出して来るとは思っていませんでした.
その過去は余りにも過酷で,人間に敵意を抱くのも無理ないけれど…それでも清麿は怒ります.自分がいくら辛かったからって,その鬱憤を全世界にぶつけていいわけがない.自分たちはこの世界を守るためにここまで来たんだから,ファウードを止めるまでは引き下がるわけにはいかない!と盛り上がるところでゼオンがもう1つネタばらし.ここにガッシュたちを導いたのはゼオン.ファウードの存在を告げに来た謎の使者はゼオンの髪からつくられたかかしで,ガッシュたちは皆ファウード解放の鍵&内部撹乱のためにゼオンに利用されていたことが判明! この現実に怒りが限度を越え,例の悪鬼の形相で使者を引っつかんでがくがくやる清麿が…(笑).気持ちはわかるんだけど,ギャグをやっている場合ではないので,もうちょっと冷静になってください(苦笑).
ファウードを止める気がないのはリオウもゼオンも同じ.ラスボスの首が変わったとしても,ガッシュはファウードを止めるためにゼオンを倒さねばなりません.対するゼオンはガッシュをいたぶる気で満々.彼がガッシュを憎むのは,ガッシュがバオウ・ザケルガを授かったから.要するに欲しかったものを取られて怒る大人気ないゼオンは鬱憤晴らしにガッシュを嬲ります.
ラウザルク強化されたガッシュでもゼオンの洗練された体さばきには遥かに及ばず,前回のリオウのように一方的にやられるばかり….何もかもゼオンに劣るガッシュが唯一持つ良いものがバオウという術.発動条件や威力など,通常の術とは大幅に異なるバオウには,ゼオンをここまで嫉妬に狂わせるほどの特別な何かがあるのは間違いないようです.

ガッシュたちがゼオンに苦しめられていたその頃.ガッシュたちと切り離されてしまった仲間たちはなんとか扉を突破したいと悪戦苦闘.モニターにはガッシュたちがやられている様子がライブ中継されているので,そりゃもう仲間としては一刻も早く会場に駆けつけたい.遅れていた仲間たちも追いついて合流するものの,あのテッドの術でも扉は突破できずに気ばかりが急いて….
ここで突然リーヤがティオをつつき,お前ガッシュが好きかと乙女なティオには答えにくいことを尋ねます.とはいえこの「好き」は色恋よりは尊敬や期待に近い「好き」.リーヤはガッシュが好きであり,ガッシュを助けることが自分たちの義務なのだと考える.この思想はウォンレイや弱気なモモンが見せた,主役のために礎となる思想とよく似ています.…自分たちが見込んだ奴の力となるために,扉に対しありったけの攻撃呪文を叩き込むリーヤ,ウマゴン,カルディオ,テッド.今ここで扉が開かなければ全てが終わってしまうのだと,理解しているがゆえの贅沢な特攻です.
扉を突破しようとする仲間たちの奮闘も知らず,ガッシュの体力と清麿の心の力はゼオンによって急激に削られていきます.双子の兄弟でありながらも,全員にあいつなら倒せると思われるほどの落ちこぼれであったガッシュと,特別なエリートであったゼオンではあまりにも立場が違いすぎるのに,ゼオンはバオウに異様にこだわります.あれだけ強ければバオウなんかなくたって良さそうなものなのに.こうして存分に弱者をいじめたゼオンはザケルを放ちます.最も弱い術であるはずのザケルですが,ゼオンの術は全てまともに喰らえばゲームオーバーの強力なもの.これがガッシュの間近に迫り….
全てが終わる直前に乱入してガッシュを守る仲間たち! ガッシュたちを救うティオの盾.こんなところにまで来てくれる皆の友情が実にうれしい! ただし,あのゼオン相手では頼もしい仲間たちが何人加わっても恐らく力の差は埋められないでしょう.いくらやる気が十分でも,それと実際の成果は悲しいほど一致しないもの.ゼオンのザケルガはあのギガ・ラ・セウシルを破って仲間たちを地に伏させるほどの凄まじい威力!

残り時間は35分.ゼオンの私怨に仲間たちや世界を巻き込みたくないガッシュは,お前の狙いが私なら私を倒せばいい,とその身を差し出す覚悟.しかし,ガッシュの言葉に従うなんて絶対に嫌なゼオンがその提案を飲むわけがない.かわりにゼオンの術に身を捧げたのは…リーヤ.自分が見込んだガッシュのために盾となり,術1つを引き受けた上で魔界へと退場していきます.これは単にガッシュを救うだけではなく,ガッシュがゼオンを倒す以外に世界を救う道はないのだとこの場の全員に理解させ追い詰めるための行動です.
今はもうガッシュにしかゼオンを倒す可能性はない.だからガッシュと清麿をなんとかして生き残らせることが仲間たちの使命! ここで見せ場を得るのが防御のスペシャリストであるティオ.扉を突破する段階で温存していた心の力は,私が守るという心とともにゼオンの術で今にもリタイアしそうなガッシュたちを救います! …出てはいたものの読めなかった呪文によって宙に輝く女神の環.この術には,現在の圧倒的劣勢をひっくり返すだけの力はあるのだろうか? もはや効果のわからぬ術にすらすがらねばならないこの状況は,果たしてあと2話と仲間たちの力だけでなんとかできるものなんでしょうか….次回に続きます.

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焼きたて!!ジャぱん#68

「金に染まるぞプレ最終回の巻」

「焼きたて9」の舞台で繰り広げられていた宿敵雪乃と和馬のタルトバトル.黒柳の口に焼きあがった直後の2つのタルトをほぼ同時につっこんだことにより,会場は黒柳のファンタジックな大リアクションに巻き込まれてしまった.異郷で目覚めた和馬は河内とともに,邪悪な黒ビワと雪の女王を巡る争いに関わることになる.コスプレしたおなじみの連中とともにビワの力を使って雪の女王を倒した上にビワを捨てるための旅に出た和馬.女王の居城を知る販売所のじいさんも仲間に加わり,異世界リアクションは延々と続く.

今回含めてあと2話というところまで来ちゃった大詰めの「ジャぱん」.今回の大ネタはあの大作映画三部作!…に見せかけて,実際はクラシカルなサンライズ的最終回パターンではなかろうか.原作のスピンアウトな読みきりに,とりあえず金色で大団円という自社のセルフパロディをぶっこんだ上に感動的に完結させるバランス感覚恐るべし(笑).入り口はより多くの視聴者に,そして奥ではわかってるマニアにも楽しんでもらえることを頭に置いて作られてきた本作の溢れんばかりのサービス精神は,こんなときまで全開です.

前半.吹雪の手対太陽の手の決戦.冷たい手でしかできない逆さ折りを駆使された最上級タルト生地と,暖かく強い手ならではの超高タンパク粉による超薄クロワッサン生地で作られた2つのタルトはほぼ同時に黒やんの口の中に突っ込まれて…そしてはじまる大惨事.美味いパンを同時に2つ口に入れるだけであっさり現実を侵食できる黒やんの妄想力恐るべし.天は陰り地は鳴き海は叫ぶってどんなファンタジーですか?…皮肉でなくてこれは本当にファンタジー.ラスト直前を飾るに相応しい,実にメジャーなパロディへの入り口です.
大異変に巻き込まれ気を失った和馬が再び目覚めたのは異境の花園.一応河内もいるんですけども,彼はいつものようにツッコミ役としてしか機能していないので無視しても問題ないと思います(笑).人のいる気配のない異世界でまずやらねばならないこととして,食料の確保は少なくとも痴話喧嘩よりは正しいと思うんですが,這いつくばって食べられるものを探すあたりが凄いなぁ(苦笑).そこはおまけでついてきちゃった3人の子どもたちのように木になってる奴を….
本気で拾い食い希望の和馬が見つけたのは,地に転がる訳有りの黒糖浸けビワ.2つのタルトが黒やんの口に入れられたことで生まれたこの世界で,和馬が使ったビワに大きな意味が与えられてるあたりから,和馬が作ったタルトの優位性がかいま見えてるんですが,もはや勝敗なんてどうでもいい状況です(笑).和馬が大喜びで拾ったこのビワは,黒糖ビワならぬ邪悪な黒やんビワ.お前を支配してやると和馬の指にくっついて取れなくなり,ここから英雄伝説がはじまってしまいます.来週は最終回だってのに…
指にビワがくっついた和馬の前に迫る脅威と,そんな脅威を見事に祓う凛々しくも美しいヒロイン.馬に乗り追って来る黒衣の者たちを脅威の力で退けるのは,綺麗な服で長耳となった月乃さんことエルフの姫のムーン.響きは似てますがドリフのひげではありません.現実や試合の事を覚えている和馬や河内に比べ,黒ビワを含めその他の人物は完全にリアクションに飲まれて異世界の住人として生きているご様子.作った和馬が正気なのはまあわかるとして,河内が飲まれてないのは…みそっかすらしく,黒やんがキャスティングを忘れたせいかなぁ.やっぱり(苦笑).
大賢者マエストロフ様ことマイスター霧崎のおっちゃんがいる城に連れてこられた和馬たちは,和馬の指に取り憑いたビワの正体について説明を受けます.雪の女王スノーザに利用され裏切られて復讐のために人間の欲を利用しようと動く怨念の黒糖浸けビワ!…ところ天とかハンペンとか,食い物に人格を与えることで生み出されたキャラはこれまで数々見てきてますが,このビワもその例外に漏れず声は鼻毛だけどどこか脱力系ですな(笑).
雪乃女王はもちろん黒ビワやんも邪悪であるから,この世界に平和を取り戻すためには両方を片付けなければなりません.世界を支配しようとする巨悪をぶっつけて両方を葬り去るだなんて相当の大事のはずなのに,イメージシーンでスノーザに支配される人々がいちいちキッドなおかげで緊迫感台無し.あんな珍奇な世界ならきっとボケの和馬率いるコスプレ軍団でもなんとかできるに違いないので,河内は無駄に案じたり止めたりしなくていいですよ(苦笑).和馬のお伴は岩をも砕くケンと岩を貫くクラウニーと岩をも破壊するマイストロフの仮想敵が岩な3人組.さらに月乃ことムーンから超高タンパク粉を授けられ,たった3日の大冒険がはじまったのでありました.
リアクションが生み出した幻想世界の中,正気なら気恥ずかしくて死にたい感じのコスプレで歩くパンタジア野郎一同.そこにスノーザの部下にやられていた販売所のじいちゃんことゴレムも加わって,黒やんの妄想が作り出したパロディ劇は絶好調.…敵を矢で貫いたり魔法で吹っ飛ばしたりするのは原典準拠で問題ないけど,北斗真拳は原典にはねえよ(苦笑).そして販売所のじいさんのデザインを見た時点で期待しまくっていた「いとしいしと」もちゃんと来た! 期待を違えずあの名セリフを言わせてくれるのが大変うれしい.ビワの主である心優しい旦那様が率いる過酷な旅は,ついに佳境へと達します.

後半.道を知っているゴレムの案内によって大自然を進む和馬たち.寒いスノーザの居城間近,ビワの力も強まる地点で今晩は夜を過ごします.特に寝てる時はビワの誘惑に引っ張られやすいから夢でも誘惑に乗るなと言われた和馬が「それじゃあ俺もう寝ねえ!」と言った直後に寝る天真爛漫さがたまりません(笑).何がいいってあの間と和馬の言いっぷりが絶妙.時間がないところを逆手に取った即座の睡眠が素晴らしい!
絵に描いたようにころりと落ちた夢の中,黒ビワは脆弱で欲深い人の子に語りかけます.夢をなんでも叶えてやるぞと誘惑する黒ビワ.そのほくそ笑みが黄色い宇宙人っぽかったりするけれど気にしない.人の欲に乗じてその人間を支配しようとする黒やんビワではあるけれど,なんせ和馬の欲は異常で規格外.「ジャぱん」という妄想に向かってひたすら前進してきた彼の欲は大変に深い上に,他人の助力を受け入れない.周囲からヒントを見つけることはあるけれど,特にパン作りに関しては他人の意見を聞き入れない意外と狭量な主人公.なんせ試行錯誤は和馬にとっては最高の娯楽.これを他人の手に渡すことは一片だってできないという職人らしい覚悟で生きる,実に徹底したパン馬鹿なのです.
あまりにバカな和馬の夢を叶えることのできない黒ビワは,逆に和馬から夢について尋ねられます.世界を支配する野望を抱くビワだけど,支配したあとのビジョンは特になし.…まあ,ビワに統治のビジョンなんか期待する方がどうかしてるとも言えますが.そしてビワがそっと抱えた無邪気なもう1つの夢は…その身に相応しい調理をされて,おいしく食べてもらいたい.もちろん優れた素材にそんなことを直接言われた日には凄腕職人としてはその願いをかなえてやるのが当然なので,和馬は自分のタルトジャぱんにしてやると黒糖ビワのおっちゃんに約束.ビワも和馬の手の暖かさに期待して,和馬の運命共同体となりました.
翌朝,和馬の手についたビワはなぜか大きくなり,パンが作れなくなってます.とはいえこの環境ではパン作りに興じている暇がありません.仲間達と黒ビワとついでに河内とともにスノーザを倒さなければ,リアクションパンアニメには戻れやしないのです.実にタイミングよくビワを始末する燃えるゴミの日に到着した和馬たちはそのまま城に突入.大量の雑魚は岩をも砕くド派手な戦力でばったばったと片づけちゃえばいいんだけれど,問題は最後に控えるラスボス.彼女には岩をどうにかする攻撃がまったく通用しないのです.
巨大なる雪の女王スノーザに対峙するのは,和馬とマイストロフと一応河内.けれど吹雪の手はあっという間に和馬以外を凍らせて,場に残るのは何の攻撃手段も持たない和馬のみ.絵に描いたような最終決戦で絶対絶命のど真ん中,雪乃の大技・サカサオーリの秘術が和馬に炸裂するかと思われたそのとき,和馬はムーンに授けられた超高タンパク粉を思い出してガード! ファンタジーなので原理は気にすんな.さらにスノーザのイチゴビットによるレーザー攻撃には…ビワが超変形し和馬の体を覆って守る! このあたりから,サンライズがサンライズ最終回パロディをやりはじめます(笑).
イチゴビットレーザー対黒糖ビワ防御.黒やんビワは自身の夢見る心を惹き起こしてしまった和馬に死ぬことを許しません.審査員がここまで和馬側に肩入れしてるってことは余程和馬のタルトジャぱんが気に入ったようですが,もはや審査なんかどうでもいいですね(苦笑).そして光りだす和馬の太陽の手.それを掲げる和馬はお約束として金色に輝きます! …いやぁ,実に正しいサンライズの最終回だ…(笑).太陽の手は吹雪の手の力を圧倒.この輝く力は和馬の喰う者と喰われる者の双方に与える愛がもたらす金色の奇跡.食べる者だけでなく食材に対する愛にも満ち溢れた金は全てを包み!ついにスノーザは倒れたのでありました.
そして和馬が倒す最後の者は…決戦の際には自分を守ってくれた黒糖ビワ.一度はタルトジャぱんにしてやると約束した和馬ではあるけれど,ビワが滅びなければ彼自身もパン作りのできる現実に戻ることができない.それでも和馬は別れを嫌がって…嫌だと泣く和馬の手から,ビワが自ら離れていきます.スノーザだけでなく黒糖ビワの邪悪な心すらも溶かしてしまった太陽の手の温もりと別れ,今度会うときにはタルトジャぱんにしてくれと頼んで火口に落下していく.己を捨てリアクションを終結させる,これがビワの歩むべき道.ロード・オブ・ザ・ビワ….

無駄に長いザビワ物語が終了し勝者はパンタジア! ほぼ丸々1話を使った実に長いリアクションでしたが,和馬の側に黒やんビワがついた時点で勝敗は決まっていたようです.どれだけ雪乃の技術が素晴らしくても,和馬の喰う者と食材に対する愛,そして愛を支える太陽の手の力には勝てませんでしたとさ.久しぶりに太陽の手がえらい持ち上げられていますが,超高タンパク粉というのはミキシングに時間がかかったり大変粘ったりするらしく,普通は他の粉とブレンドしたり機械でこねたりしなければならない難しい代物のご様子.これを普通に手だけでこねてしまった和馬はやはり凄いってことなのでしょう.
実に長すぎるリアクションをこの段階で覚悟を決めてやっちゃう本作ってやっぱり凄い! 本作の主役である黒やんのリアクションもロード・オブ・ザ・クロヤナギとして見事に完結してめでたしめでたし.まだちょっと凍ってるヘタレのことはまあ横に置いておくとして,ついに次回は怒涛の最終回! ここまで危ない橋を全力疾走してきた本作もついに見納め.権利問題と戯れながらも,あっと驚く展開を最後に見せた上に見事に着地してのける,次回,最終回に続きます!

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第14回しりとり竜王戦・本戦

この記事は第14回竜王戦,準決勝以降の記事です.予選は以下のリンクでどうぞ.
 R'sM: 第14回しりとり竜王戦・予選
勝ち残ったのはほっしゃん。,有野(よゐこ),川元(ダブルブッキング),千原弟(千原兄弟).板尾永世竜王がいないので鋭く尖った回答に関してはやや不足気味の予選でしたが,エロマスターのおかげで大変に楽しかったからOKです(笑).シモネタは基本的に高く評価されることはまずありませんが,それはシモネタの力が余りにも大きく,特に若手芸人がその力に頼って自らの技術を磨かないというのは甚だしく不真面目であることと,年々厳しくなる放送コードに耐えられないようなことをすんじゃねえボケという2つの理由が主に上げられるはず(笑).しかしシモネタにはちょっとした文化の壁ならば軽く爆破できるほどの恒常的な強さがあり,場をわきまえて効果的に使えばこれほど力のある火薬もありません.シモネタの力は,決して舐めてはならないのです.

準決勝第1試合はほっしゃん対千原.12回の準決勝後半で2人が見せたあのしりとりハイは記憶に新しいところ.新人とは思えぬほどの安定感を狡猾さを見せるほっしゃんと板尾永世竜王の野放図で幻想的な芸風を意識して継承する千原の繰り広げたファンタジックなバトルがまたも見られるかもしれないとなれば,場の温度だって上がります.前回はほっしゃんが崩れて千原が勝利.さて今回はどうなるか.

競技は「しりとりイマジネーション」.テーマのイメージでしりとり.
テーマは「外国人が着ていたTシャツに書かれていた日本語」.「株主総会」からスタート.

意味もわからず日本語を千切って印刷しちゃったがゆえの不条理さが決め手のこのお題.スロー判定で千原の先攻となって最初の解答が「伊武雅刀」.…うん.確かに文字はかっこいい.でもこれって本当はいぶまさとうと読むらしいから,次は「う」ではじまるべきなんだけど千原も審査員も「と」って思ってるからまあいいや(笑).ほっしゃんは「鳥というよりも」と途切れの妙.千原の「モーレツシゴキ教室」は単語のコラージュ.一体どんな雑誌をネタにしたのやら.ほっしゃんの「ツベルクリン反応なし」もどこがネタ元なのか気になるぞ.千原の「七転十三倒」もコラージュらしい.ほっしゃんの「後ろ指,ゆうゆ」はネタ元の古さが見えて愉快.これがTシャツに印刷してあって,しかも着ている奴は意味がわかってないんだぞ? 千原の「湯煙」はお土産品っぽくっていい感じ.ほっしゃんの「リーズナブル」は着ている奴が意味をわかっていないがゆえの悲劇.日本人幼児やおぼちゃんの着ているTシャツも,英語的にはときどき大変悲惨なことになっていたりしますよね.千原の「ルミコ小柳」はなぜか逆に.ほっしゃんの「ギリシャ以上」はインパクトが素晴らしい.赤地に黄文字だったりすると最高だ.千原の「受け口大国」のネタ元を教えてください.そしてほっしゃんの「クイズ王でーす」で終了.

テーマとしては割とわかりやすいものであったはずなのに,2人の個性が作り出したのはとんでもなく高度な応酬.ちょっと見には空振りなのかジャストミートなのかわからない,視聴者の目を試すかのような挑発的な回答が連続しました.
結果,ほっしゃん5点千原13点で今回もベテランの千原が勝利! これは千原に釣られてつい空中戦をやってしまったほっしゃんが自身の強みを発揮できなかったと見るべきかな.けれど,こんな風に毎度準決勝に出続ければ,すぐに決勝にのし上がるための場数の力は身についてしまうはずだから,ほっしゃんの次回が本当に怖いです.

準決勝第2試合は有野対川元.どうしても勝ちたい有野と淡々と独自の黒さを発揮し続ける川元の激突.この戦いこそ今回のベストバウト! どうしても手に入れたい永世竜王の座を前にして足踏みを続けてきた実力者と,何の気負いもなく直前の闘いの勢いを背負った若手の大人気ない戦いが素晴らしい! このバトルのポイントがシモネタ.最強の爆薬をあえて手にするかどうか,名人のプライドが試されます.

競技は「しりとりイマジネーション」.テーマのイメージでしりとり.
テーマは「NHKのアナウンサーらしからぬ一言」.「超深刻なニュースです」からスタート.

NHKに大変失礼なこのテーマは,有野の「寿がきやの鍋うどんの提供でお送りしたいです」という直球からスタート! それに応える川元の「全ての女性を性対象として見ております」がどの局…というか人間としてダメで素晴らしい! 有野の「好きです! なっち.続いてのニュースです」もやっぱり人間としてダメであり,川元の「滑ったので,物マネやりまーす」はアナウンサーとして最悪で….溢れるように出てくるダメイメージ.これは名人の着想だけでなくテーマを考えた人にも賞を差し上げたい.有野がまず「素股の前に,明日のお天気」とエロな方向へ.それを川元が「キャミソールって着てみるといいですねぇ」と後を追う.もちろん着ているのは男性アナだよね! さらに有野は「ネグリジェも,いいですよ!」と畳み掛ける.火花散らす切っ先をさっと逸らすかのような川元の「4時ぐらいです」のアバウトぶりが素晴らしいんですが,これに比べると有野の「すっきりと,かりあげてみました」は焦点が絞りきれていない….ここをチャンスと見た川元,「たっぷりと,ここでローションを使います」とシモネタで勝負に出る! もちろん化粧品紹介なんかじゃないですよ! この攻勢に有野は「好きなだけ舐めてください!」と対抗.もちろん料理紹介なんかじゃないですよ(笑)! そして川元,「イっちゃいました」…早! 有野からはじまり川元が火をつけたシモネタ合戦はこの一撃で川元に軍配.有野は「たまらない,ニュースなので,10チャンを見てください」とさすがに逃避(笑).川元も同様に「イランとかどうでもいいじゃないですか」とまともでひどいしりとりに戻っていきます.奔放な有野の「母さん見てるー? 8時のニュースです」に合わせ,川元が「相撲がなんかやってるみたいです」とアバウトに流して終了.

拍手までも巻き起こるほどの見事な打ち合い! このままずっとこの時が続けばいいと思わせる貴重なバトルであったことは,参加者と視聴者全員が納得するところです.難しい題に初撃から当てて最後まで外さなかった解釈力の凄さ.川元の地味な「す」攻めによるエロの裏側での攻防.爆発的なエロによる見た目の派手さ以上の奥行きを持つ,深夜の大人のしりとりでなければできないバトル!
結果,有野13点川元15点で川元勝利! 前戦でエロマスターが魅せてくれたプライド放棄のエロ戦が,川元にとんでもない力を与えたようです! 川元の勢いに押されて最後にはエロから身を引いてしまった有野はここで敗北.つい格好をつけてしまったのは,やはり守るべき人ができてしまったからなんでしょうか.何の戸惑いもなくエロと戯れる純粋さは,背負うモノがない者にだけ与えられる特別な心境なのかもしれません.

決勝は千原対川元.定評ある安定した千原と今日の勢いの中心にいた川元が繰り広げる最終決戦…なんだけど,直前のバトルが余りにも激しすぎて消耗しすぎた川元がさすがに崩れてしまいます.それほどまでに準決勝第2試合のレベルは高かったし,有野は強かった.けれどどれだけ厳しい状況でも最低限の点を取り続けて維持し,その上最後の最後まで余力を残しておかなければ決勝では勝てない.一瞬の爆発力よりも静かな持続力こそがトーナメントには必要なのです.

競技は「しりとりセンスマッチ」.テーマに合った言葉でしりとり.
テーマは「バカッぽい言葉」.「ハンバーグIII世」からスタート.

己の中からバカを呼び出してくるこの戦い.先攻の千原は「意外とおいしいね,この消しゴム」と小学校に戻ってみる.対する川元は己の中の深淵から「息子って捨てちゃいけないの?」ととんでもない疑問を引き出してくる,あまりに暗い淵を目にした千原「ののしられてるの?」とあえてほのぼのと.これに乗ってしまったのが川元の失策.「ののしってないよ」は会話になっているんだけれど,単に千原の手をより強く印象付けるだけだ.ピュアなバカ路線を走る千原は「4時間も経ってこんなことを言うのなんだけど,君誰?」.川元の「レストランて,怖い?」は言った奴の頭の中にあるこの世界の有様を想像するとじんわりと怖い.千原の「胃潰瘍って,憧れるよね」は闇とは対極の実にあっさりと明るい一言.世界に対し開いたバカと閉じたバカの争いは,次第に開いたバカに引きずられていきます.川元の「粘土って,いろいろなことに使えるよね」という素朴な発見.千原の「猫が,集まってきたね」や川元の「猫のウンコを来るとき見たけど,帰りもあるかなぁ」というどうでもいいものに対する注視と無意味なコメント.千原の「ナイトクラブにいかないかい?」といういい大人のかっこつけによるバカっぷり.川元は「一応殴ってください」と意味なく自分を罰する愚かさを,千原は「イギリスは,あっちです」と指差すことによって根拠なく回答することの愚かさを示す.川元の「スルメってなくならないよね」はいつもでも口をもぐもぐさせているバカ.千原の「猫と僕まっしぐら」はついに猫のエサにまで手を出した見境のないバカ.川元の「ランドセルを金色にしてください」は勝俣の王様というコメントが素敵.そして千原は固まった末,「…痛いから,刺さないでください」と妙にリアルで嫌だ.小学校のときの傍観の思い出が蘇ってくるような…そして川元の「いぼを増やしたいんですけど」で終了.

自分の中にあるバカを吐き出すこのバトルもまた,トーナメントの最後を飾る素晴らしい戦いとなりました.その素晴らしさについては今回やたら喋る雛壇というか矢作のコメント「あの人天才だな」に集約されるかなと思います(笑).どこか明るい千原とどうしようもなく暗い川元の戦いは,中盤から闇が光にやや引きずられ….
結果.千原11点川元6点で千原の優勝! これにより千原が有野と同じ永世竜王リーチ状況になったのかな? そんな8段クラスとの終盤での連続ファイトに健闘した川元もまた凄かった! 今回は思考の暗さを生かす題にも恵まれて,実力を限界まで発揮しきった感がありますね.彼に比べるとまたも今回セリ負けた有野の先行きはやや心配.守ってしまえば笑いのキレが鈍っていくに違いない今後,どのようにして優勝すればいいのやら….確実に聞こえてきた世代交代の足音を聞きながら,今回のレビューを終わりたいと思います.

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練馬大根ブラザーズ#9

「メンバー離脱は突然にの巻」

ある夜突然,ヒデキの畑に天下の練曲通信社のドナベナベが絵に描いたようなうまい話を持ってきた.暴言や捏造や御用記事でおなじみの男の言葉など絶対に信用ならないマコはイチローに助けを求めに行くが,一人残ったバカなヒデキはあっさりドナベナベのドーム建設計画に心を奪われてしまう.根も葉もない風評を流して周囲の土地の買収を既に終了しているドナベナベは,2人でドームを建ててコンサートし放題という甘言でヒデキを自分の味方につける.そんな口約束が果たされる保証などどこにもないのだと,ドームの夢に惑わされてしまった愚かなヒデキにはわからない.

がらがらと崩れた末に別のものに変わっていく「練馬大根」.これまでは1話完結ながらも緩やかにキャラを壊しながら作ってきた本作ですが,今回からは連続モノとしてクライマックスに達するための道を走り始めます.そもそもこの練馬大根どもは,叶いもしない夢とごく緩い仲間意識と一方通行の恋愛感情で結ばれたモラトリアム続行中のダメ人間の集まり.しかし,一緒にいるからといって3人がまったく同じように考えているわけではありません.何を犠牲にしても優先したいことは3人3様で,その食い違いがラストの夕焼けへと続いていきます.
なお今回は作画がかなり乱れてるんですけども,そもそも毎週ミュージカルをやるという暴挙に挑戦した時点でこうなることは見えていたからそんな自爆を今更責める気にすらなれません(苦笑).どうかしている作品を見る方もやっぱりどうかしているわけであり,こんなものをわざわざ見ている自分を含めて全てを笑う.これは大人が浦沢作品やキッズ向けバカ作品を楽しむ際には必須のテクニックとなりますんで,皆様方にもぜひとも覚えて帰っていただきたいところです.

前半.話が大きく動いたのは夜.断固断行の凄い堅物,日本の首領である金色のライオンの指示により,練馬の例の計画ってのが動き出して練馬大根ブラザースが気の毒にも巻き込まれていくのがここから先のお話.今晩もイチローはバイトに出ており,ヒデキとマコとパンダだけが例のステージの上で寝ております.恋も寝言も夢もすれ違うヒデキとマコ.一度ふられた程度ではまったく諦めない往生際の悪さが2人の魅力です.
そんな夢を破るのが大根土鍋のいい香り.勝手に畑の大根を煮て近づくのがこれからの敵となる奸物,練曲通信社代表のドナベザワナベオ略してドナベナベ.名前とかナベとか新聞とかオレンジジャケットが物語る通りにナベツネをインスパイアするってことは,日テレに喧嘩売ってるような気がするんですがテレ東としてはどうなんでしょうか.しかも他局のボスの口が間に合わなくて動いていないのはどうなんでしょうか(笑).
ドナベナベの評判の悪さはあのマコさんも知るところ.口が悪くて愛もないのに殴るおっさんの襲来をマコさんはイチローに言いつけに向かい,取り残されたのはヒデキのみ.…頭のちゃんと動かない子を一人詐欺師の前に置き去りにした,この失策が今後の崩壊を導く引き金! 無駄に年を食ってしまったヒデキは成人だからどんな契約も簡単には反故にできない.まさにそれを狙っていたドナベは,妙にフレンドリーな態度でバカを懐柔していくのです.
さて,大失策を犯したことに気づいていないマコさんが向かったホストクラブの前では,今まさに公僕がさらにダメになる道を粛々と歩んでおりました.練馬区民のカラクリは逃避の末にイチローに入れ込み,素寒貧でもなお遊びたいがためについに借りちゃいなマネーに手を出した! 登場当初は強面の変態であったカラクリも今や立派なダメ公務員.この調子で確実に転落の道を歩んでいけば,金のために罪を犯す最低公務員にレベルダウンする日も間近です.
イチロー目当てのマコとカラクリ.他のホストは眼中になく,お目当ての彼を挟んで言葉と視線の刃をがちがちとぶっつけあうからおっかない.しかしカラクリの足元からは懐かしいあの芳香が.パンダは笹ばっかり食っているのでいい匂いがしそうですが,実際はしばらく洗ってない犬の臭いがするらしいですよ.しかしそんな臭さもカラクリにはフェロモンですね毛を触られただけで色っぽくはあはあ.パンダはカラクリを辱めるためだけにここに来たようで,随分な暇な奴ですな.
そして時は無駄に経過.2人のプリンセスはホストクラブの魔力でいい感じに酒が回ってダメなのがさらにダメダメに.けれど都合よく取り出された広報誌・練曲だよりによってさすがの酔いもわずかに醒めます.ヒデ兄ちゃんの丹精込めた大根畑にはパンダペストや天然ボケ痘やピロピロ菌がいるという.これは嗜好品は野菜ではないとかいうレベルのデマではなく,まさに根も葉もない! …天然ボケ痘だけは出てもおかしくない気はするわけですが(笑)ヒデキたちが地域コミュニティから浮いているのにつけこんだ,あまりにもひどい虚報です.
練曲だよりのデマに踊らされた畑の周辺住人たちは,不安な気持ちをつけこまれて住居ごと土地をドナベナベに売却.畑の周辺を防衛隊も含めて綺麗にしたあとで今まさに本丸であるヒデキの畑が堕とされそうになっているのだと,今更マコは思い出したのでありました.遅! イチローはマコに連れられて無理やり早退.今日のドンチャン騒ぎのツケは結局イチローのツケに変わってしまいましたとさ.
ヒデキの目はどうしようもなく曇っているからわかりやすい詐欺師すらも区別できない.最初はもちろん畑を売ることなんかおことわり.けれど偉そうな奴に親しくされて,仲間以外の誰にも本気にしてもらえない自分の野望を誉められた上に一緒にやろうだなんて言われたならば,ヒデキの心はまさに赤子の手をひねったようにくにゃっと変節.女子ソフトチームとお金を持つドナベナベと手を組みさえすれば,ヒデキの土地とドナベの金で念願のドームがおっ建ってコンサートもし放題!…という夢を目の前に吊り下げされ,ヒデキはあっさり堕ちてしまいます.

後半は終盤の畳みかけがすごいぞ! 仲間よりも恋よりもドームを建てることに執着していたヒデキはドナベナベの甘言にもう夢中.懐柔されて手をとりあってドームっちゃうつもりで胸いっぱいに夢一杯.泡食ってマコが止めにきたって時すでに遅し.あいつは狸なのだと急いで怒って諌めても,すっかりナベの虜となったヒデキはドナベとともに退場….こと頭の弱さに関しては定評のあるヒデキだから,あれは騙されてるとわかってないというのが残された連中の意見の一致するところ.その様子を目先のニンジンにひかれて走る駄馬と評するカラクリに対し,イチローはいつも自分たちのためにヒデキは必死だったと反論.ヒデキの無駄な努力は常に練馬大根ブラザーズのため.目先の欲に無軌道に従っているわけではなく,ドームのための手段を選んでいないだけなのです…駄馬だけど.
ヒデキに置いていかれたマコさんは,あれだけうざくてもいなくなれば寂しいものらしくすっかりすねている仕草が愛らしい.でも,ヒデキは抜けても仲間なんだから,政治的に怪しそうで黒幕が後ろにいそうな危険人物のところにおいておくわけにはいきません.ドーム建設は3人の約束,3人で力を合わせて建てると誓い合ったこと!…特にイチローは,ドームを3人で建てることに随分と深い思い入れがあるみたいですね.ヒデキはドームを建ててコンサートができれば良くて,イチローの場合は3人でドームを建てなきゃダメなのか.
何はともあれヒデキは悪に捕まっているから,悪を懲らしめてついでにお金を奪っちゃおうといつもの犯罪者の論理を振り回すマコにツッコミを入れずにいられない公僕のカラクリ.とはいえ目下ダメ人間への道をひたはしる女であるなら一足飛びに堕とすのも簡単.イチローがパンダをぺとっとつけたなら,カラクリの理性と本能が激闘&本能勝利.一度覚えた毛皮と肉球の快楽にはもはや逆らえない堕ちた淑女は,画面を散々占拠した上できっぱりさっぱり練馬大根の臨時メンバーとして「参戦いたし,ます!」
…練馬大根どものくだらないモラトリアムを閉じる終末の使者だったはずなのに,ついに法や国家を捨ててバカどもの一員にまで堕ちたカラクリ.怖い学校の先生がバカな生徒と一緒に暴れ出したようなもんだからこれは大変に面白い.登場当初の浮きっぷりは改善されてないというか改善する気もないだろうけど(笑)自分たちと一緒にバカをやってくれる先生というのは,もちろん生徒は呆れてしまうけど,それでもなんだか妙にうれしいものだったりするわけですよ.
てなわけで愛と平和のために戦う自己完結のバカ警官を加えた3人はおやっさんの前でレンタルプリーズを絶唱し,カラクリのセクシーさによっておやっさんは凄いの出しちゃう.さすがは人妻好み.未熟なマコの肉体よりも完熟なカラクリのほうがお好みです.…ビジュアル的には圧倒的にこの3人が勝利してるんだけど,歌声ではやっぱり一味足りない.ヒデキというかシゲルの歌唱力の凄さ,声の分厚さ,艶っぽさを逆に感じてしまうなぁ.
ちなみに不在が寂しいヒデキときたら,天下の練曲通信社でドーム模型を拝見中.夢が小さいながらも目の前にあるのは実に蠱惑的.理想のままの素敵なミニチュアを目の前にすれば,ついつい土地譲渡契約書にサインしてしまいたくなる気持ちは…わからんな(笑).どんな状況でも契約書は熟読すべきものであるし,可能ならば持ち帰って後日再度お伺いするべき.でも,そんなまっとうな理屈を自分の苗字すらわからなくなってるような奴にわかれというほうが無理だもんなぁ(苦笑).
何はともあれ今まさに訪れている練馬大根畑の危機.一筆入れて判を押せば本作終了という瀬戸際で,強襲し銃撃し恐喝しちゃう戦闘機! 凄いよおやっさん.戦闘機でヘリじゃないのにホバリング可能だなんて凄すぎだよ(笑)! しかしすっかり夢の虜なヒデキはドナベナベをかばってしまう.襲う気満々のマコさんたちの前に金を両手に姿を現し,そのまま回収されて大根畑には戻るのだけど….
いつもの3人が再び揃った大根畑.もちろん彼らの心は変わらないまま…のはずなのに,一つ狂った歯車は脆い絆を壊してしまう.ヒデキが持って来たのは真札ではなく裁断された練曲だより.いくら先制攻撃されたとしても,ドナベを救うために仲間を騙す片棒を担いだヒデキの覚悟は悲しいほど本物.これまでならば勢い余って仲間を攻撃するくらいは軽くスルーされてきたはずなのに,ヒデキはそれをわざわざ拾って自身の行為を正当化するための赦免状として使います.…そんなことをわざわざするような気の小さい男ではなかったはずなのに!
追って来たドナベナベは女子ソフト選手満載のバスで畑に乗りつけ,打球で舞台を混乱させている間に同志ヒデキを回収.いくらカラクリのキャッチが素晴らしくても,絶対に手放してはならないボールだけが逃げてドナベとともに逃げて行く! もちろんバスは言葉じゃ止まらないだけでなく,戦闘機の爆撃でだって止まらない.むしろバスから放たれた練曲だよりに視界を封じられた戦闘機が落下して爆発炎上! …おやっさんこと本作の神こと監督が貸してくれた特別な品物が,まさかカラクリとパンダのヨリを戻すためだけに使われただなんて,そんな間抜けな話って(苦笑).

仲間の乗った機体の落下に心揺らされたヒデキはさすがにたまらずバスを降り,マコとイチローの無事な姿を確認し…安心します.夕焼けの下,炎上する機体の前で自分のことを不安そうな目で見ている2人と,後ろで自分に向かって手を差し伸べるドナベナベ.自身を求める2つのちょうど中間にいるヒデキは…真っ赤な空の下,ドナベのバスへと走りだします!
練馬大根ブラザーズの目的は,ドームを建ててコンサートをやってスターになること.そしてドーム建設を仲間よりも恋よりも優先したヒデキは止める言葉も振り切って出奔! 毎度ノーマネーでフィニッシュな練馬大根ブラザーズでは,きっとドームなんか建設できるわけがない.だからといってドナベについたって,ケツの毛までむしられてほうり出されるのがオチだろう.…それじゃ,夢を叶えるには一体どうすればいい? ドナベナベのことがもし片付いたとしても,この先何をどうしたって叶わない夢だと諦めるしかないのか? 夢が叶う道はどこかにあるのかそれともないのか.先の見えない今だからこそ,どうにも切ない次回に続きます.

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第14回しりとり竜王戦・予選

皆様おなじみしりとり竜王戦も回を重ねて14回.今回もごく私的な記録として,そして見られない人のために書いていきたいと思います.ちなみに前回までの歴史については こちらの下のほうよりご覧下さい.今回は最強の板尾永世竜王がお休みなので出場者にとっては格段に優勝しやすい状況になっているわけですが,番組全体としては大黒柱なしに長時間維持しなきゃならないかなり危険な賭けとも言えます.板尾竜王さえいれば,多少厳しいお題や空気もなんとかしてくれるって感じがあるからな.
そしてそんな絶対のセーフティが今回いないためなのか,大変に視聴の厳しい状況が冒頭20分間続きます(苦笑).もちろんその後はいつものように良くなるし,準決勝にはため息をつきたくなるほどの素晴らしい名勝負もあったんだけど,そこにたどり着く前に一体どれだけの人が見切ってしまったやら….きっとハジケる時が来ると信じていても厳しい冒頭20分は,ぶっちゃけ早送りでいいと思うのです.

今回の出場者は有野(よゐこ),山根(アンガールズ),ほっしゃん。,河本(次長課長),矢作(おぎやはぎ),渡辺(ジャリズム),川元(ダブルブッキング),千原ジュニア(千原兄弟).ここしばらく永世竜王位にリーチかけっぱなしの有野は,板尾永世竜王という鬼のいぬ間にあと1勝を上げてしまいたい.久々に登場した川元や,新人とは思えぬほどの対応力を見せてくれるほっしゃん。最近調子を崩し気味の渡辺がどう出てくるのかも気になります.
司会はいとう.判定はいとう・勝俣・MEGUMI,記録は野村アナといういつものメンバーですが,ヤツらのおかげでとんでもないことを書かされることになる野村アナがやや公開羞恥プレイ気味(笑).

Aブロック予選は有野・山根・ほっしゃん・河本.女の子が産まれ守るべきものができてしまった有野.芸人としてその枷をいかに忘れることができるかが,全体を通した勝負の鍵となっていきます.やや慣れてきた山根は相変わらずの独特の雰囲気.ほっしゃんは2回目とは思えないほどの落ち着きぶりで今回も期待させてくれます.そして異様に気負っているのが河本.…これから先の20分,戦犯はこいつです!

1戦目は「しりとりツバメ返し」.「~だが~」でしりとり.
テーマは「出世しなさそうな言葉」.「接待ゴルフだがバーディー連発」からスタート.

組織の中で生きていない芸人にとっては実感が沸かない難しいテーマに颯爽と手を挙げたのは河本,なんだけど…「机を発注しろと頼まれたのだが,コクヨ」…気負いすぎてわけがわからねえ(笑).これはオフィス家具大手のコクヨが他社に机を発注するおかしさを狙ったのか? まさかコクヨがオフィス家具でも大手だってことを知らないはずもあるまいし.有野は「嫁と一緒に頑張って働いているのだが,常に愛人がいる」とゆるゆるとテーマに接近.山根の「ルールをよく教えてくれるのだが,語尾がおかしい」はにょとか言うのか? ほっしゃんは「犬の訓練士なのだが,人間じゃない」…有能だったら宇宙人でも出世させてやったほうがいいと思うのだが.そしてスタートでコケた河本,「いい奴なのだが,いい奴すぎる」と今更まともなこと言われても….こんな有様じゃ井上に変えてもらえないかと勝俣に注文されても仕方ない.全員がテーマをつかみきれないこの状況は,うまく抜け出せば点差をつけられるチャンス.特にこの先優勝しなければならない有野なら積極的に勢いを掴みに行きたいところなんだけど…「留守電に切り替わったのだが,入れ方がわからない」…人間としてダメでもなぁ.全員迷走する中,山根の良回答が「椅子に座っているのだが,ふとしたはずみで落ちる」.そんな半分寝てるような奴は出世できないな.ほっしゃんも「ルールブックを作ったのだが,どこに置いたか忘れた」と役立たず.このようになんとなくいい回答が続いたところで,異様にテンパっている河本は「沢山の人を雇ったのだが,住所不定」…それは朝方にトラックで迎えに行く奴か? でもそれと雇う側の出世は関係ないよなぁ.しりとりなくして河本なしとまで言い切ってくれたんだから,出演もなしでいいんじゃないですか(苦笑).有野の「医者の卵なのだが,60歳」はテーマをややかする.山根は上を見ながら長考し,「いいとこの子なのだが,いいとこの子なのだが…それを,出さない」はむしろ出世するだろと審査員が反対票を投じる.そしてほっしゃん.「いい栄養士なのだが,デブ」健康管理・痩身目的の栄養士だとそうかもしれない.

冒頭から大荒れとしか言い様がないこの混乱の中,ほっしゃんはコンスタントにナイスファイト.で,今回の混乱の原因である河本ときたら,MEGUMIにパンツ1丁で廊下をうろうろするところを見られていたらしい.何がどうなってこんな奇行を続けているのか.リラックスというよりは緊張のしすぎかオーバードーズでおかしくなっているようにしか見えません(苦笑).

2戦目は「しりとりイマジネーション」.テーマのイメージでしりとり.
テーマは「ジーコに届いたメールの見出し」.「アルシンドの件ですが…」からスタート.

しりとりファンならおなじみの定番スポーツ選手ネタ.今度こそまともな戦いになるのかと思ったら,河本がまた手を挙げて大変なことに.コマも打たずに「がーん,柱谷…」とかフライング.今からでも本調子の河本か井上に替えてください….「がーん,柱谷兄より」という回答はなぜか勝俣に大ウケ.続く有野,「料理の作り方を教えてください」は今ひとつ.山根の「石崎君は,いませんよ」も何がなんだか.この荒れた状況の中でもほっしゃんは即座に流れを掴んで「酔うてたなぁ~」と良回答.で,河本.「尼崎6時集合で」…審査員が「な」で回答することを指示しているのを聞かないで「あ」.確かに言いっぷりではラストが伸びていたので「あ」もありえるんだけど,審査員の指示は絶対なので「な」で回答してください.というわけで「鍋,いつします」とフツーに答えるのが今はこれで精一杯….これに即座に反応したのがベテランであり会話好きの有野!「水曜でお願いします」の瞬発力が素晴らしい! さらに山根は「寿司もありますか」とかぶせていくわけですが,もっと勢いをつけて行かなきゃ.そしてほっしゃんは鍋パーティには参加せず「噛んでたなぁ~」とマイペース.もう既に限界の河本には「なし,ありがとう」と普通の会話をするだけで精一杯.で,有野の言う「牛,しばきにいきませんか」.牛しばくは牛丼喰いに行くという方言で,関東人にはわからない回答になのが勿体無い.マイペースにゆらゆらと流される山根は「か,かに,さされた」…緊張感ねえなぁ….マイペースなほっしゃんは「ただより高いもんはないなぁ」.そして河本「なくしてもうたぁ(井原より)」…あれだけここまでがたがたに崩れちゃってると,いくら自信があってももうなんともならないぞ.有野は「理科の本返してください」と深い事情が察せられるようなそうでもないような回答. 山根の「インド代表の僕ですけど覚えてますか」は彼自身のキャラにはまっていて良い.そしてほっしゃんは「神様って言われてんねんな」とイヤミを言って,最後までマイペース.

…もう,なんていうか,ほっしゃんの好調ぶりを覆い隠すほどの河本の乱調が実に痛々しい1戦となりました(苦笑).ほっしゃんが地味に「な」責めをしていたのは新人とは思えないほどの策士ぶりで,しかも一度大失敗した「あ」ではなくて「な」で攻め続けていたあたりが狡猾.でも,やらなくてもたぶん河本自爆してたと思うよ….
結果,有野5点山根5点ほっしゃん11点河本3点.ほっしゃんの首位と河本の最下位が先に決定し,審査員判断で2対1で有野が辛くも準決勝に進出.…たった3点しか取れないような奴には,お題に文句をつける資格はないんじゃないかと思いますよ?

Bブロック予選は矢作・渡辺・川元・千原.板尾永世竜王がいないことが妙に全員をリラックスさせているらしく,こちらのブロックもどうにも緩い.久々に登場した矢作は随分としりとりが気に入っているご様子.好きこそものの上手なれ? 最近調子のおかしい渡辺はひげつきとなって登場.キャラとしては近々副業で喫茶店をはじめる妙にさわやかなおっさんなわけですが,まさかあんな凄いキャラが憑くとは…(笑).独自の黒い言葉選びにファンも多い久しぶりの川元.テンションって言葉がどうしようもなく似合わない.そしてこの中では一番力があるはずの千原弟.調子も良さそうです.

1戦目は「しりとりツバメ返し」.「~だが~」でしりとり.
テーマは「エロかわいい言葉」.「激しいキスだがイチゴ味」からスタート.100%?

エロは大変にやりやすいテーマ.早速矢作が楽しそうに挙手して「ジッパー全開,だが,4歳」と可愛い.千原も続いて「Eカップなのだが,4歳」と可愛いつもりなんだけど,それはさすがにフリーキーではないのか.そして川元は「いやらしく腰をくねらせて歩いているのだが,迷子」.ここまでの3答は全て幼児性にかわいいを見出していて,決して幼女ハァハァではないところが健全で素晴らしい.そしてどうやら何か変なスイッチが入っていたらしい渡辺,「五反田の町中で全裸になったのだが,亀頭にちょうちょが止まった」…なんだその幻想五反田(笑)! つうかこれを野村アナに書かせるのは酷だよエロマスター! この大爆発に比べると矢作の「タンクトップから,乳首がはみだしてるのだが,かりあげている」はよくわからず,千原の「ルージュで鏡に伝言を書いているのだが,バイチャ」というまともな回答すらも地味.しかし川元の黒さは決して直球エロには負けない.「やらせてくれそうな水着姿だが,海亀の卵を掘り起こしている」…凄い.可愛いかどうかは微妙なんだけど,エロい水着の女が砂浜でさくさくと他の生命の息吹を掘り返してるんだから凄い絵だ! 負けじと渡辺は,「ルービックキューブなのだが,こすりつけてたら6面揃っちゃう」と色んなものを吹っ切った幼児性欲の発露で頑張る.可愛い言い方でごまかすのはずるいよエロマスター(苦笑).矢作は困って独り言を言いつつ「上から,やらしい声が聞こえたのだが,特に,なんのことはなかった」と可愛くもない上に結局何もなかったからエロでもない回答に審査員おかんむり.そしてこのエロの波に乗ってみる千原,後半は小さな声で…「立っているのだが…かぶっている」…ああ確かにエロ可愛いさ(苦笑)! 川元の「留守中に女性の家に忍び込んでパンティをかぶったのだが,着ぐるみもかぶった」はなんだかわけがわからない.そしてエロマスター.馬鹿な舌使いを見せつつ「ただのフェラチオなのだが,女は,お口の魔法よと言った」…うわぁ下品だ!

史上最強の女子高生ならぬ,史上最悪のしりとり名人エロマスター爆誕! その吹っ切りぶり,品性下劣ぶりは一回りしてむしろ誉めたい.単純だけど強い笑いって大好きだ(笑).確かにこれ以上凄くなったら放送事故の可能性が高まりますが,そのラインを何もかもを全て捨てて爆走したその男らしさは深夜番組なんだから讃えられるべきです.そして,黒い幻覚を見せてくれた川元の健闘も輝いていました.

2戦目は「しりとりイマジネーション」.テーマのイメージでしりとり.
テーマは「亀田三兄弟の家の柱に書いてある落書き」.「網走」からスタート.

どう考えても亀田さん家に大変に失礼なこのテーマ.河本が回答したがっていますが3点にそれを言う資格はありません.川元は「立派な柱やで」と豪快にすかす.続く渡辺の「デコトラかセルシオ」はあの一家のあの感じにぴったり合致していい感じ.どう見ても亀田さん家には入れなさそうな矢作は「鬼は強いでぇ~」とほっしゃん風に逃げる.千原は「出てこいや」は勢いのみ.ここで面白い回答を出したのが川元.「やっぱり世界チャソピョソになりたい」という回答は「ちゃそぴょそ」という音ではわからないんだけど「チャソピョソ」という文字が浮かぶとやっと面白い.渡辺は頑張って「稲妻の,ような,男に,なれ,by,清少納言」…ラストの無理ぶりが実に面白いんだけど「ん」がついて自爆! でもそこは式部じゃなくて少納言だから響きが良くて面白いわけだからなぁ.さて,気を取り直して矢作は「1千万から1億稼ぐでぇ」とアバウト.千原は「でっかい声で歌う」と誰に何を伝えているのか微妙な感じが可愛いですか? そして好調な川元,「ウンコはトイレで」…書かないとだめなのか(笑)! そのあまりの失礼ぶりに全員大笑い.渡辺の「出たー! タイソンの耳かじりー!」はなんだか懐かしい.矢作の「立派にならなきゃ,怒られる」は確かにその通りなんですが,そんな正論言われても.千原の「ルールがわかってきた」は素朴な喜びの発露でなんか楽しい.一体何歳頃に書いたんだろう.川元の「足し算以外は覚えんでよし」はストレートな家訓.渡辺の「シカゴのボクサー3兄弟が,いるや,いないや」はちょいと無理やりすぎかも.矢作の「やっぱ…腹筋…やっぱ腹筋! やっぱ腹筋からはじめようや!」はやっぱり真面目なんだけど回答としての面白みがないのが切ない.そして千原の「ヤクザになるな,極道になれ」は深い含蓄がある.

Bブロックは2戦ともなかなか見所の多い楽しい戦いとなりました! 特に渡辺改めエロマスターの活躍ぶり,キャラの立ちっぷりは素晴らしく,だからこそあの「ん」は大変に惜しかった.大当たりは出さなくても終始安定していた千原,そしてその独自の黒さを如何なく発揮した川元もナイスファイト.あと一人いたような気もしますが以下省略.
結果,千原11点川元12点渡辺7点矢作2点で川元千原が進出! 渡辺はかなりのナイスファイトだったからこそ,「ん」で己の勢いを止めてしまったあの回答がどうしても悔やまれます.あの時点の勢いが殺されずに続けば千原にだって勝てたかもしれないと思うとなおさら….そしてある意味ミラクルな矢作.これまでも1点は何度も出ているので,2点が出ても不思議ではないか.何はともあれ,下手の横好きだということを認識できたのは今後のためにはいいことなんじゃないかと思いますよ(笑).

以上予選で勝ち残ったのはAブロックほっしゃん・有野,Bブロック川元・千原.この4人で本戦が行われたわけですが,その顛末については本戦記事に続きます.

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金色のガッシュベル#147

「強く賢く残酷な影の巻」

残り時間はあと2時間.日本に近づくファウードの中で,ついにガッシュたちはメインコントロールルームに到達した.リオウにはファウードを止める気などなく,ガッシュたちもこの戦いから逃げる気はない.リオウには回復装置があり,ガッシュたちには思いをともにする仲間たちがいる.けれど,ガッシュたちが持てる力を出し切ったとしても,パートナーを自分の外に出すことによって術の精度を上げたリオウにはかなわない.恐らくはあと最大呪文1発で全滅という事態にガッシュたちを追い詰め,勝利を確信したリオウ.しかし彼の前に姿を現したのは,これまで雌伏していた白銀の脅威だった.

残りわずかな時間を爆走した末に目的地に到達したのもつかの間,急展開を迎える「ガッシュ」.これまでは伏線を解消するだけで一杯一杯で内容盛り沢山の割に散漫な印象を与える回も多かったわけですが,さすがは最終目的地,ここで物語の温度が一気に上がります! ついに表舞台に躍り出たあの2人はガッシュと清磨の対極に位置する影.しかも今回は実に影らしく,残り少ない時間をたっぷり使って暗く陰惨なバトルを視聴者にお見舞いします.彼らこそこれまで積み上げた3年の重み.これを越えなければ本作の完結はありえないのです.

キャラであり同時に舞台であり状況でもあるファウードがあと2時間で日本に到着するという状況で,ついにガッシュたちはコントロールルームに到着.代償としてアースが魔界に戻ってしまったのは戦力的に相当痛かったものの,まだ6組以上も残っていればさすがのリオウだってなんとかなったはずなんですが…まさかここで敵がとんでもないことになるなんて,ガッシュに後を託したアースも予測していなかったはず.もちろんリオウだってまさか盟友ザルチムが今まさにあんなことになっているとは思っていなかったはずです.
多大な犠牲と貴重な時間を費やして,ついにリオウの前に到達したガッシュと清麿とその他大勢の仲間たち.諸悪の根源を目前にすれば否応無しにテンションは上がり…普段から冷静な判断ができない上に疲れている連中はいつもと同じに考えなしの行動に出ます.戦いの勝利条件は「ファウードを止めること」なわけだから,数に勝るガッシュ側は陽動しながら清磨をファウードのコントローラーに送り届けることを最優先にするべきなのに,その送り届けられるべき当人が先頭で戦闘しちゃってるのがなぁ…(苦笑).
御挨拶がわりにザケルガで反撃し,自身最大の武器である魂の言葉をリオウに向かってぶつける清磨.「ファウードを止めろ」と凄い気合で何度も恫喝するわけですが,さすがにリオウは止めたいなら勝手に止めろと耐えました.これまで多くの魔物をひるませ転がしてきた清磨の気迫も今回ばかりは十分な効果もなく刺々しい交渉はここに決裂.決して相容れない2つの力は,正面から激突するしかありません!
そしてはじまるギリギリの戦い.襲い来るリオウの術はザグルゼム連打にザケルガで壊し,仲間たちの助力によって攻撃を遅くし術を集中させないようにして戦う一同.いくらリオウが虫けら扱いしても数の力やチームワークの力は無視できないし,何よりも向かってくる全員に異様に気合の篭った目で睨まれたなら,さすがのリオウだって一人ではあまりにも辛い.てなわけで己の中からついにパートナーを外に出したリオウ.一応タイミングがつかめないからとか言ってますが,本当はあの視線の集中をどうにか逸らせたかったからじゃないかな(苦笑).
本を敵の前にさらすという危険を代償にして術の精度と威力を大幅に引き上げるリオウ.パートナーが周囲の状況を把握した上で術を放てば,たとえ2枚の盾があってもほとんど役には立ちません.折角の数の差すらもあっという間に埋められて,最大呪文1発で全滅という実に豪快な大ピンチ! …だからお前らファウードを止めることを優先しろと…(苦笑).
しかしリオウはまだ油断している.今ここにいる敵はガッシュたちだけであると信じ込んでいたがゆえに次の展開は予測できなかった.ザルチムにアリシエを倒す許可を取ろうとするリオウが聞いたのは,彼はとっくに魔界に帰ったと告げる酷薄な声.その声の持ち主は…紫電の眼光,白銀の髪,王族に生まれし雷,雷帝ゼオン!

これまでずっと伏せられていた最強の伏兵,ガッシュと同じ顔のゼオンとそのパートナーであるデュフォー.いきなりザルチム倒して涼しい顔で出てくるような連中が弱いわけがなく,万が一リオウとゼオンが組んだらこの状況は間違いなく詰み! …しかし,2人がどのような行動を取るのかを圧倒的な弱者のガッシュたちはただ見守るしかできません.叶うのならばダブルノックダウン,それが無理なら片方が術を出し切った上での勝利.これ以外の結果が出てしまうと次の展開でガッシュたちの命が危うくなります.
王族の中でも最も強い雷の力を受け継ぎ,英才教育を受け騎士以上の力を持つという凄い魔物の子,ゼオン.王を巡る戦いの優勝候補筆頭に違いない彼は,強さとともに冷静な頭脳をも持ち合わせています.彼はリオウに悟られないように姿を隠し,油断したリオウがファウードを復活させたあとで強奪するつもりだったのです.ガッシュと同じ雷術でもゼオンの術は威力が格段に上.さらに基礎的な身体能力も非常に高いから大技すらも片手で打ち砕いてしまう.その上パートナーのデュフォーも術を継続的に発動させる才能と容量を持ちあわせているから,あのリオウですらたった1撃でグロッキーに!
いくら必死で減らず口を叩いたとしても,ゼオンの優位は残酷なほどに明らか.軽やかに洗練され強すぎるゼオンに杖を折られて足蹴にされて,屈辱の底に沈むリオウ.バカの下につくのは自分のプライドが許さないから隠れていたのだと,楽しげなゼオンの言葉はリオウの自尊心を切り刻む.術の発動を感知すれば蹴りと一緒に距離を取り,その行動には一切の隙も無駄もないゼオン.リオウもかなりの悪ですがゼオンはその悪以上の邪悪.こんなのがファウードの主人になっても,世界はやっぱり破滅です!
ガッシュたちをただのザケルでなぎ倒して牽制し,邪魔なリオウを倒すことに専念するゼオン.いくらリオウが意地を張っても,ただの意地ではゼオンに追いつくことすらできない.無音で頭上に移動しザケルガを直撃させ.もっと必死になれと挑発する絶対強者.彼がガッシュを倒すことを後回しにしているのは,幸運なのか,あるいはとんでもない不運なのか….
このままでは勝ち目がないと判断したリオウは,肉体強化のかわりに見境なく攻撃してしまう禁呪を発動.けれどこの手の無差別攻撃が賢い強敵に通用するはずがありません.いくら巨大でもいくら吼えても,考えなしの単純攻撃では軽くいなされてしまうのがオチ.ここまで力量差のある戦いというのは,気力で補える程度の力の差しかつけてこなかった本作としては大変に珍しい.ゼオンは無傷のまま,リオウは息も絶え絶え.悪いながらもリオウが必死で積み上げてきた全ての努力が,ゼオンの面白半分の攻撃で打ち砕かれてしまうのです.
魔界の王となるために,一族の代表としてファウードを託されて人間界に来たリオウ.ルール違反も勝ちたいがため.呪いだって命を削る苦しみに耐えてかけてきたのだ…って,そのおかげでガッシュたちが多大な迷惑を被ったことは決して忘れてはなりません.リオウはルール違反しながらもここまで必死に頑張ったわけですが,その頑張りもゼオンの冷酷な攻撃によってあっさり砕かれる.いくら願っても叫んでも,夢は叶わない….
術の衝撃の余波によって気絶し再び目覚めた瞬間から,本作の最後の幕が開きます.ゼオンの術によってずたずたになった舞台で清磨が見たのは,倒れるリオウのパートナー,燃え尽きる本,そして…額にファウードの鍵を装着し,魔導巨兵の主となったゼオン! さっきまでのラスボスよりも遥かに格上の奴が新ラスボスに就任.しかもゼオンを倒すには,ガッシュたちの力はあまりにもわずか.

こうして駆け足ながらもオープニングで示されていたものが全て舞台の上に揃い,あとはこれをどう料理し畳んでいくかだけが問われる状況に! 限りある時間と原作でよくぞここまで頑張ってやっつけてきたなと素直に思います.モチノキ町の連中が未だ迷走…というか迷泳していたり,現在回復中で遅れてやってくる連中がいたりもするんですが,海溝を抜けたファウードの高速移動開始によってタイムリミットは泣いても笑ってもあと50分! 残されたわずかな時間とわずかな力で,新たなラスボスに勝つための道は果たして残っているのか.危機の淵をなおも進む次回に続きます.

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練馬大根ブラザーズ#8

「そのスパンキングに愛はないの巻」

マコのイチローへの想いは頬を叩かれて以来ひたすら募るばかり.しかしそんなことすら察せないヒデキが指輪をエサにマコに結婚を迫っていると,カラクリがホスト大量失踪事件が発生していることを伝えに来る.パンダとナルトの板挟みに耐えられずイチローへの愛に逃げているカラクリはマコと衝突してなぜか岡山弁で戦うのだった.
愛ゆえにピンクのお父さん着ぐるみでイチローを護衛するカラクリ.しかし護衛中につい乱心したところを同じく護衛していたマコにやられ,その背景でまんまとイチローは激安販売店の車に連れ去られてしまう.

ついに色んなものがぶっこわれてきて大変にうれしい「練馬大根」.「練馬大根ブラザーズがドームをおっ建てるためおやっさんからアイテムを借りて悪人をやっつけるものの金は手に入らない」というのが本作初期の基本構造であったはずですが,現在は「ドームをおっ建てる」の部分が頻繁に「仲間を救う」に書き替わってきているのは皆様ご存知の通り.そして今回は「仲間を救う」物語の決定版! 緩い仲間意識と一方通行の恋愛感情で結ばれた3人ならではのバカで切なくて楽しい展開が腹一杯に堪能できます.作画も良好で動きもマコさんの唇も見事.これまでの最高傑作回だと思うんだけど…どうしてこんなときに限って12分も遅れてしまうんだろうなぁ(苦笑).

前半.今日の敵は住人訴訟や買収転じて業務提携でおなじみドンキ…をインスパイアしたコンチキマート.周辺住人からは大不評の深夜営業に火事になったときは絶対ヤバそうなジャングル陳列に一体どこから仕入れているのかわからないほどの激安ぶりでおなじみ.チャームポイントは特徴的なペンギンキャラクターとビル屋上のU字遊具(使えない).このコンチキにやってきたヒデキはNASUのロケット特価1980円(税込)にびっくり.この値段じゃ怖くて乗れません.
借金だらけのヒデキがなんでコンチキなんかに行ったのかと思ったら,それはもちろんマコのため.けれど当のマコさんはステージでイチローへの恋を歌いながら寝込みを襲おうとしております.バカでマゾな練馬大根ブラザーズの一員として見事ぶたれて恋に目覚めたマゾのマコ.今更ですが,スパンキングだなんて特殊なプレイ用語がろくに説明もされずふつーに流されていくあたりがさすが大人向けです.
特殊な性的嗜好を持つマコさんにテレ朝の特番ネタにさらりと触れつつヒデキは気持ちの結婚指輪をプレゼント.憲法を盾にマコは受け取りを拒否ろうとするも,この安っぽい指輪の価値をマコ自身が確信を持って判断できないのが悩ましい.でかくて軽くて怪しげな指輪,お安くゲットしたんでしょ?ばからしいと切々と歌うマコの唇は色っぽく,しかしヒデキはマコに見る目がないのだと頑張ってみる.宝石も大根も地面に埋まっているからわかるという超理論を振り回した上,彼がこの指輪にかけた金額で判断しろと言うのです.
値段は正直と指輪の価値をキャッシュで語り,その投資額は当社比数倍分の借りちゃいなマネーなんだぞと実に拝金主義な詭弁でマコさんを幻惑するヒデキ.ここでダンス画面が25分割まで行くのが画面映えしていいなぁ.大切な大切なお金で買った大切な大切な指輪!というヒデキの勢いになんとなく流されるマコさんも,練馬大根らしくやっぱりバカ,…掘り出し物は稀にしかないからありがたく,ほとんどの良いものには良い値段がついているのは世の道理.ただし良い値段がついているダメなものは山のようにあるわけだから逆は真ならずってのも世の道理なのにそれを知らないマコは指輪と結婚を天秤にかけて悩み…カラクリが自転車でステージに飛び込んで指輪話は一時中断.今回の前説終わりです.
カラクリがわざわざ来たのはイチローに関係しそうな事件のため.元々は練馬大根の敵で内偵者であった彼女も今や立派なダメ人間.パンダからイチローに乗り換え中の浮気な大年増でございます.同じくイチローを狙う者にとっては迷惑な競争者の登場にマコは怒り,角突き合わせて岡山弁での罵倒大会を練馬区で開催…なんで岡山? 岡山弁で真正面から言い張る2人の女とそれを半分寝ながら標準語に翻訳する親切なイチローと完璧に蚊帳の外のヒデキ.どうやら岡山弁は淑女の嗜みらしいですが,岡山には東京のハイソな街なんかよりも淑女がごーろごろってことですか?
さて,カラクリが伝える都内有名ホスト連続殴打誘拐事件.やってることは病院の回によく似てますね.一応江古田のナンバーワンであるイチローも狙われてもおかしくない.で,襲われるイチローを助ければきっとイチローとも親密になれるに違いないぞと煩悩を燃やし,わざわざこのド腐れ婦警はここまで来たわけです.もちろんそんな痴れ事をマコは絶対許せない.私のイチローは私が守る!と全力で歌い大アピール.けれど折角の歌も寝てるイチローには届かないしカラクリはイチローをお持ち帰りしようとするし(苦笑).ただし未だにパンダとの縁が切れていないカラクリは,彼の接近によってイチローを畑の真ん中に落とし強盗失敗.色男ってのは寝込みを襲われたり岡山弁の通訳をしたり誘拐されそうになったりと,なかなか大変そうなものであります.
物語が動くのは翌日の夜.懲りないカラクリは江古田の店で勝手に押しかけ,ピンクのダースベイカラクリとしてグオーパーグオーパーと店内店外問わずに護衛.あんな息がうるさい着ぐるみストーカーに夜道について来られたら,兼業ギャングでも振り向けないほど怖いのは間違いありません(苦笑).鼻息荒く監視しているうちに変質者となったカラクリを止めたのは,どこからともなく登場したマコの鉄拳ガード! たぶんカラクリとほぼ同じ事を考えたはずのマコはオバンの魔の手からは愛する人を救うものの,本命のイチローが画面の端っこで殴られてコンチキの車に連れ去られてます(笑)! 本作は推理モノではないので現場にはコンチキがやったという証拠がバッチリ残る安心構造.でもなんだって安売り店がホストなんかを殴って集めているのやら.

後半は怒涛だ! なぜに激安店がイチローを含めたホストを殴ってお持ち帰りなどしているのか.フツーの頭の持ち主にだって皆目見当がつかないんだから,バカな練馬大根たちが逆立ちしたってわかるわけがない.けれどヒデキもマコもイチローがいないのは嫌なので,おやっさんの前で歌います! ローテンションながらも彼は本作では貴重なツッコミ.いないと寂しいどころか作品が破綻しかねないので(笑)おやっさんこと監督は百万ボルトの単3電池を貸してくれました.一体中はどうなってるんだろう….
なぜにコンチキがホストを大量誘拐してやがったのか.それは屋上から大量のホストをパッケージングして激安販売しちゃうため.出荷先は宇宙を予定しもろに人身売買をやらかす気満々.日本で無理やり人材を調達して送るだなんて,まるでどこぞの国の支援組織みたいであり拉致られる方はたまったもんじゃありません.人権侵害で犯罪です.
夜,コンチキマートのU字の上には大仰な音楽とともに未知とのインディペンデンスな謎の円盤UFOがシャンデリアのごとく到着し,コンチキは屋上からパッケージング済の激安ホストを出荷開始.もちろん仲間を出荷されては困るヒデキとマコとついでにパンダは,宇宙大戦争覚悟でさっきの電池とコンチキの売り物をつかって突撃開始.乗るは冒頭に出てきた激安ロケット! ヤバげな値段のアレに百万ボルトを給電し,練馬の宇宙飛行士は激安店の屋上のU字の中から舞い上がる!
さらわれた仲間を助けにいくのにテンションが上がるのは当然の話.それが愛する人であるならなおのこと.マコさんは宇宙船のコックピットで宇宙一愛するイチローへの愛を思いっきしふりまいて…ここでついにヒデキはスパンキングの魔力を覚ったのでありました.遅! いくらなんでも彼女の心がどっちを向いているかくらいはヒデ兄だってわかってるんじゃないかと淡い期待を抱いてたんですが,期待した方がバカでした(苦笑).
仲間を助けに行くはずのロケットは己の恋敵を助けるためのロケットに変わり,当然それはできないヒデキは借りて来た電池を抜いてしまうからロケット地上へ急速落下.緩い仲間意識は恋心の重力には絶対に勝てない.それはこれまでの人類の長い歴史の中で,各種仲良しサークルが色恋沙汰で崩壊していったことからも既に証明されていることです.ヒデキはマコと結婚したい.マコはイチローを助けて結婚したい.そしてイチローは…結婚しない.「だってマコのこと,なんとも思ってねいもん」
この危機的状況の中,宇宙人にさらわれながらもソロでさらっと己の心情を吐露しちゃうイチロー.マコはただの同居人で同じバンドのメンバーでパンダやマリモ以下の存在でしかないのだと,拝金主義で若いだけが取り柄でもこもこもほわほわもしていない小娘をばっさり切り捨てる! …実際マコは自分の可愛さを鼻にかける嫌な女.そのプライドがイチローの歌でがらがらっとぶっ壊れていく様子に奇妙なカタルシスを感じます(笑).
マコをどん底に叩き込んだイチローの歌はヒデキにとっては凱歌と同じ.恋敵は一転仲間に戻り,現金なヒデキはロケットは再噴射でUFOへ特攻! 地上からコンチキの社長がマシンガン撃ってくる中でピンクの変質者ことカラクリの自転車と空中で合流したのもつかの間ブレーキ効かずにUFOに激突! もちろん壊れるのはコンチキの安物ロケットばかり.ただしUFOは意味不明のバンザイアタックに驚いたのか,ホストを返品して逃げ出してしまいます.
仕入れ値ゼロ円のホストたちはすかさず逃走し,コンチキビルの屋上に落ちたロケットの鼻先ではあの3人がいつものように揃って歌いだす.一方通行で報われない愛でおなじみ,練馬大根ブラザーズ! …一瞬かっこ良く見える3人だけど今回電池以外はもらってないので大変に無力.安売りバズーカ撃ってくるコンチキに比べるとその戦力は嬰児並み(笑).しかし練馬大根にはカラクリがつきもの.ホースとともにある一騎当千の彼女さえこの戦場に引きこめたなら,逮捕のどさくさに紛れてコンチキの金持って逃げるくらいは簡単なはず!…だったのに,宇宙船が戻って来て金を回収して飛んで行ってノーマネーでフィニッシュ.まあ,いつものことなんですが.

一騒ぎも収まって静かになった廃墟の中で,壊れたロケットの上でイチローの幻影に悲しい恋を歌うマコ.いかに若くてぴちぴちでもこの恋は一方通行出口なし.ヒデキの恋をいいように食い物にしていたマコに比べて,そもそもマコの恋を食ってもくれないイチローの方がずっと酷薄で涙が出ちゃう.もし3人がバンドのメンバーでなかったら,一緒にいることすらも許されないに違いない.これぞ所謂ひとつの嫌われ.マコがヒデキにするように,イチローはマコにするのです.
そんな哀愁の中にエンディング曲のイントロと共に登場したのが誰あろうヒデキ.前説の指輪とともに登場し,マコの価値は指輪なんかと比べられないと口説きます,最良のタイミングで最良の言葉を発したヒデキは一挙にトゥルーエンドになだれ込めるはずが!指輪の価値がコンチキの激安32円であったためにバッドエンドに直行だ(笑). …あの分岐の時点で借りちゃいなマネーさえ選んでいれば…かくして税込32円と比較もできないパンダやマリモ以下の乙女は,ヒデ兄ちゃんをけたぐり倒すのでありました.本当のエンディングはイチローが,「世の中,お金で買えないものもあります…嘘です」
涙は笑いというお汁粉に一つまみ入れる塩.普段いい目を見てばかりのマコの流す涙が見事にギャグを引き立てて,ラストの一言で見事に収まる,実に味わい深い仕上がりとなりました! 大人ってのは子どもと違いどうしたってただの友達や仲良しなんかではいられない.ヒデキたちの結束だって,子ども同士の友情のように無制限で無垢で堅いものなんかではないわけです.つまりは限度ありのちょっと汚れた脆い大人の友情を描いているわけだから,本作ってちゃんと大人向けじゃないかと思います.で,そんな脆いものにさらに大きな亀裂が入ってついでに作画も崩壊する(笑)次回に続きます.

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3月中旬アニメ雑感とか新番チェックとか終了感想とか

年度末の目まぐるしい日々を皆様いかがお過ごしですか? 自分は激しく締切りに追われております.深夜残業や休日出勤が日常になるこの時期は大変辛いですが,なんとか無事に四月を迎えたいものです.
3月ともなればたくさんの番組が終了するわけですが,1月の特番からはじまった平日昼の1時間帯番組,「ライブドアショック」もそろそろ第1部のクライマックスを迎えるようです.これに関しては本当はもうちょっと早目にクライマックスを迎えてもらいたかったんですが,随分無理やり引っ張ったなぁ.今週の放送が不謹慎ながらも楽しみです.

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さて,まずは現在消化できていて感想をかけそうなものについて短評を.今期は大量にアニメが終了するので追いかけるのがなかなか大変.ついつい次期に続きそうな作品は視聴を後回しにしてしまいます.…続きそうなのがあまりないのが,いかにも大改変期直前って感じだ.

<日曜>
 ○マイメロ,Canvas2,よみがえる空,エウレカ
 △Fate,マイネリーベ2

シリーズ終盤らしい追い詰められた状況でもやっぱりボケてる「マイメロ」.物語の主なドラマは人間たちとクロミとバクが担い,マイメロさんを含めた残るクリーチャーたちはあくまでにぎやかしに専念しているところが,物語全体の見通しを良くしていて素晴らしい.…それでいいのかどうかは別の話として.手堅く展開してきた「Canvas2」もいよいよクライマックスへ.この時期に一度物分かりが良くなったお嬢さんはクライマックスで逆方向に爆走するのがよくあるドラマのお約束なんだけどどうなるか.「よみがえる空」は至極真面目に邁進中.この先がクライマックスに相応しい凄さを見せるかどうかで評価が決まるぞ.「エウレカ」も終盤.爽快にラストを畳むための懸命な店仕舞いが続いています.何はともあれ長丁場をよくここまでよく来たもんだ.
「Fate」は細かいことはわからないながらもキャラに愛着が沸いてきました.「マイネ2」は…もう一息わかりやすいバカにはなれませんか(苦笑)?

<月曜>
 ◎うえき
 △レモンエンジェル

11か月に渡る積み重ねを背負ってクライマックスに突入した「うえき」.序盤はさすがにいろいろと齟齬が目立ったけれど,ここから何がどう転がっていくのか大変楽しみです.声優の熱演も素晴らしい.「レモンエンジェル」だって凄く声優は熱演しています(笑).最初に比べると絶対うまくなったもの! バカ企画ではありますが,その中で生きているキャラたちが実に真面目にやっているところが好感触.

<火曜>
 ○アカギ,ガラスの仮面,クラスター
 △BLEACH

頂上決戦が長らく続く「アカギ」.テンションが高いまま固定されているので見ている側も段々この刺激に慣れてきてしまうわけですが,もちろんこの先にはもう一段凄い展開が待ってるんだよね? 番組終わったら雀ニックはどうなるんだろう….「ガラスの仮面」は終盤に至り脅威のハイペースに.最終話は原作を越えた範囲を描くことができるかな? 「クラスター」は監督の抜けた穴を大好きなまついSDが必死で補ってくれて実にありがたい.大丈夫,面白いよ! 「BLEACH」はオリジナルに迷走中.新たな敵があんまし強そうに見えないのが,今一つ盛り上がり切れない原因の1つじゃないか.

<水曜>
 ○キン肉マンII世
 △かしまし

「II世」は折角こんなに面白いのにきっと皆見切ってしまっているのだと思うと無性に悲しい.ケビンの父に対する愛憎や,キン肉マンの血に対する万太郎を含めた全ての超人たちの思いは見事クライマックスに向かっています.「かしまし」は外見がいくら愛らしい娘さんでオネニーサマで人畜無害そうだとしても,中身があかほりだと思うと感情移入ができないんですがどうしたらいいんでしょうか.あかほり作品のアホっぷり発情っぷりが大好きなのが,今回は完璧に裏目に出てしまいました.

<木曜>
 ◎怪
 ○ビィト,舞-乙HiME
 △ソルティ

「怪」は…いきなり何がどうしたんだ? これまでは東映らしいダメっぷりを如何なく発揮していたわけですが,化猫に入っていきなり東映の素晴らしさが如何なく発揮されてびっくりです.こんな突拍子もない化け方があるから,どうしても見切ることができないんだよなぁ….「ビィト」は半年分のクライマックス.敵本拠地へ攻め込むあたりはお約束の塊なんだけど,これまで真面目にゲストキャラの普段の様子を描いてきたことが一気に報われている感じ.シャンティーゴにどんな未来が待つのか大変に気がかり.「舞-乙HiME」は未だ解けぬ謎とともにクライマックスへ.一度沈み込んだ感情は光に向かっているから,前シリーズみたいな怒涛の辛さがないのがうれしい.「ソルティ」はなんかとんでもない方向へ.AICはちゃんと美少女を持ってきたのに,ゴンゾが持ってきたのは鬱ですか?

<土曜>
 ○マモル,プレイボール2,シュガルン
 △ガイキング,タクティカルロア

作画に難がありながらもちゃんと楽しめる「マモル」は偉い.キャラがしっかり立ってるから掛け合いを聞いているだけでもおかしい.「プレイボール2」は格上の強敵を倒すためにやれるだけのことをやる諦めの悪さが素晴らしい.口が悪くて態度もでかいけどやることはきっちりやる倉橋みたいになりたいよなぁ.「シュガルン」はオープニングが示唆するこの先の激動に備えて小休止? ショコラは随分大人になったな.
「ガイキング」は作り手が精一杯頑張ってるのはよくわかるんだけど,なかなか品質の維持ができないのが辛い.今時のアニメとしては脇の個性が弱いのも気になる.「タクティカルロア」は惜しげもない大サービスとか敵の変態ぶりも素敵ですが,なんといっても海戦シーンが異様に燃えます.これくらい大げさに豪快にやるのもアリだと思う.

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次は新番組雑感…って,あの1本だけど(苦笑).

△→△ パピヨンローゼ
確信犯なバカ作品.大変に品のない「セーラームーン」パロディであったあのネタ企画をわざわざ第2期シリーズとして仕立て直すあたりがどうかしています.まさかあの過去を全部あったことにされるとは…それはもうなかったことでいいだろ(苦笑)? 初期設定について知っていると,皆随分と更正したなぁと.地上波放送版なので際どい部分はさすがに画面に出されていませんが,作り手が面白がってやっている各種パロディが妙に笑いを誘うので問題なし.そうかぁ,夢のコラボレーションかぁ.

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最後は終了シリーズ感想です.現段階で終了評価での傑作が1本確定しました.

3:3:2 今日からマ王
天下のNHKが送るボーイズラブ入門アニメ.原作にあった耽美の大半をさっくりと切り捨ててより広い範囲にアピールする作品に化けさせたのは,その判断がこの長期に渡る放映に繋がったのだと考えれば英断だったと思います.過剰な耽美や品質の追求は作る側に想像以上の負荷をかけますからね.適度に緩い品質で毎週を続け,コメディとドラマメインの緩い娯楽としてラストまでちゃんと走った事実が素晴らしい.野郎に満ち溢れた世界の中で,それぞれに独自の存在感を見せた女性たちも健闘してました.異世界モノの王道とも言えるあの終わり方なら,今後スペシャル番組も作りやすそうだよなぁ….

4:4:1 蟲師
1話完結の上に地上波最終話をあの話で締めてくれたので,全話見ていなくてもこの評価はもう変わらない.これまでの傑作に比べるとやや小粒になりますが,それでもあの品質を2クールに渡って維持したのは偉業と言い切って問題ないと思います.別メディアの原作をアニメにする際には,製作者が変わることによる解釈の変化や集団作業や時間的制約による品質の劣化というのはどうしても避けられないものなんですが,本作の場合は原作の品質を落とさないどころかむしろ原作を物足りなく感じさせてしまうほどにバージョンアップさせているところが凄まじい.アニメでなければできない,アニメならではの特別な何かというのが見られないという1点だけは物足りないものの,これが原作つきアニメの理想的な1つの極地なのは疑いありません.文芸作品好きならば,真夜中にじっくりと楽しめる傑作です.

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雑感を一気に出してみました.今月はこの先終了感想が増えるはずですが,どこまで書けるかな.

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金色のガッシュベル#146

「今,本当に必要な行動の巻」

ファウードの侵攻は未だ続くが,ついにアースとエリーのタッグがメインコントロールルームの直前の部屋に到達した.2人を待ち受けていたのはファウードの支配者・リオウ.ファウードを封印した一族であるアースはファウードを守る一族であったリオウの誘いを断り,呪いすらもパートナーとともに越えて今ここに敵として立ち向かう.
パートナーの姿なしに術を放つリオウと,ここまで仲間の助力で力を温存してきたアースの戦い.圧倒的な攻撃力と冷静なエリーの判断のあるアースの戦いぶりは凄まじいが,ファウードの力は底無しの回復力をリオウに与える.リオウを殺すか彼の本を燃やすか,アースが勝つための道はごく限られている.

長い物語の終盤で必死に畳みまくっている「ガッシュ」.下手するとファウード編だけで収まらなさそうな分量の敵と味方と伏線を一気にやっつけなければならないわけだからかなりの無茶を重ねなければならないのは仕方のないこと.てなわけで今回もかなり一杯一杯な展開が続くわけですが,作画は総じて良く,特にアース対リオウのバトルが実に本作らしい豪快な技の撃ち合いになっているのがうれしい.原理不明の凄い技がどっかんどっかん炸裂する,これもまた本作の大切な魅力の1つだと思うのです.

ファウードが未だ元気に泳いているのと対照的に,それを止めるべく体内を走るガッシュ組の消耗は次第に激しくなっていきます.特にウォンレイの穴を埋めるべく清磨チームに追いついてくれたテッドときたら,いきなりチェリッシュとファウードの心臓のために眠り込むほど消耗してしまう始末.…確かに念願の再会で大切な人で結果的には道が開けたわけだけど,ここで個人的な感情のために時間を使うってのは(苦笑).
しかもバトル終了後のテッドは置き去りにしなきゃならないほどの消耗ぶり.一刻を争うんだからジードが背負ってでも一緒に移動してもらわないと困るんだけど,もしかして本当に消耗しきっているのはジードの方か? 最上級術の発動によるパートナーの消耗は相当大きいはずだしな.
だからといってここにテッドを置いていくのは,しかもティオたちと一緒に置いていくのは絶対間違っている.ここはジードにサイフォジオをかけてでも移動を続け,チームの人数と戦力を出来る限り維持するのが正しいはず.ファウードという場自体を敵がコントロールできる以上,一度チームを分断されたら再会できない可能性が高い.…それでもテッドとティオなどを置き去りにする判断を下してしまうのは,疲れてるんだね,皆(苦笑).
さて,もう一方のアースチームが今回の主役.こっちのチームもいろいろあって(笑)分断されてしまっています.今もフォルゴレたちが追ってきてくれてはいますが,先走るアースたちが仲間の到着を待たずに次のステージに踏み込んでしまったのがまずかった.コントロールルーム直前の部屋に,ついにリオウが登場!
ここで明らかとなる興味深い2人の過去.アースは登場当初ガッシュのバオウの力を消すべく戦いを挑んで来たわけですが,なんで一介の魔物の子がそんなことをやってたのかと思ったら,ファウードに封印を施した一族の一人で,職務を全うしようとしていたわけですね.そしてリオウは封印を守る一族であったものの,一族が腐って封印された力を私利私欲のために使おうとしたってことか.千年前のどこぞの流派と似ているな.
ファウードの力を借りて王になろうとするリオウは,同じようにファウードの力について知っているアースを腐った道に誘おうとしたわけですがあっさりふられて,そのつれない態度がリオウのプライドをいたく傷つけてしまいました.そして二人の関係に巻き込まれたエリーが呪いを受けて苦しんだのは皆様ご承知の通り.アースとエリーは呪いに苦しみながらも世界を守るために意気投合してついにここに来たわけです.…アースはリオウが良からぬ考えを抱いていると知った時点で彼を殲滅するべきだったんでしょうが,あの段階ではまだパートナーがいなかったんだろうなぁ.
過去が必死に封印した危険な力に引かれるのは人間も魔物も同じであるらしく,ファウードを誰かが使うために守られていた力と曲解するリオウは,ファウードは使ってはならない力だと正しい解釈で動くアースを倒しにかかります.たった1組でこの部屋に飛び込んできた間抜けたちを後ろから追うものたちから分断した上で始まる決闘! これは2人の魔物の行動原理の是非をかけた戦いです.

実に真面目なアース対リオウが上の方で展開しているその下の方では,キース対バリーというマニア垂涎の,つまり本筋にはまったく関係ない熱戦が繰り広げられておりました.あのバリーの宿命のライバルを気取るキースの過去の実績は!…いも天大食いバトルかよ(笑).確かに一種の勝負ではありますが白田さんの腕っ節が強いという話は聞いたことがありません.それでも畑違いの勝負に必死で頑張ったバリーは実に偉いので,たとえキースに負けたとしても決して恥じることはない.とはいえ大食いの勝利を延々と自慢されたら,腹は立つよなぁ.
まともな術勝負ではいくら持久力のあるキースでもバリーの憎しみ溢れる防御と攻撃にはかなわない.ついでにバリーには笑いが一切通じないので,いくらいも天で逃げようとしても許してくれるわけがない(笑).バリー怒りのギガノゾニスに吹っ飛ばされて,キースたちのおふざけもここで終幕.エンドロールがコントロールルームに指示されてはいますが…本は燃えてないので大変に不安です(苦笑).
舞台は真面目な方に戻ります.未だ本の使い手の姿なしに術を放つことのできるリオウと,ここまで体力を出来る限り温存してきたので呪文をフルに使えるアースの決闘.アースの剣には相手の力を吸い取る特殊効果があるために,並の魔物なら初撃を耐え切れない上に耐えても持久戦に持ち込まれた段階で確実に負けるわけです.実際にリオウも力に押されて一気に劣勢に追い込まれるわけですが,これはあくまでファウードの力を見せ付けるために喰らってやったんだと言い張るあたりが憎々しい.ファウードで無尽蔵に力を補給できるリオウ相手では,アースの剣の追加能力は意味を失ってしまいます.
持久戦に持ち込んでしまえば自分たちが不利になるばかりと悟ったエリーは即座に戦術を速攻に切り替え.リオウに回復する隙を与えずに攻め切れば勝てると踏んだわけですが,実際のリオウの回復役が奥の部屋にいて止まらないのが悩ましい.いくら大技の打ち合いで圧倒してもリオウは無尽蔵のエネルギータンクを背負って戦っているわけで,このままでは技を出すアースの消耗ばかりが増していくばかり.
回復装置の位置こそ決まっているようですが,エネルギー充填できているリオウと消耗した上に肉体的には弱いパートナーを連れているアースではどうしても差がありすぎる.心の力に限界のあるアース側は大技の連続も次第に耐え切れなくなり,折角間近まで接近してもエリーが限界に達して術が出ない! …ああ,もうリオウなんかと悠長に遊んでいるからこんなことに! 敵が随時回復可能とわかった時点で勝負は捨てて,ファウードを止める事に全力を尽くせばここまで何も出来ずに消耗するなんてことはありえなかったはずなんだけど…やっぱし疲れてるのかなぁ….
自分のパートナーの心の力はついに尽き,通路に足止めされている仲間たちもどんどんファウードの防御機構のために消耗していく.通路の連中も呪文で扉や壁をぶっ壊せばいいのに,下手にパネルがあるから時間を食ってしまうんだよなぁ(苦笑).とはいえアースの力が尽きかけている今となってはファウードを止められるのはガッシュの持つバオウと仲間たちのみ…らしいので,ならばとアースは今必要なことのために決意します.やっぱしバオウはただ強い術ってわけじゃないようですね.

アースが決意したのはこれから来る仲間達のために道を開くこと.エリーすら置き去りに敵に背を向けて,それでも扉を開くために力を尽くします.彼の最後の行動は賢明で,2つの通路を進んできた仲間たちはついにアースたちが戦う部屋で合流するものの,その目前ではアースがリオウの大技を喰らって消えていきます.…アースはガッシュに後を託し,最後の最後で役目を果たした上で魔界へと帰還.こうしてまた,王を巡る闘いの終わりが近づきます.
ついに最後のステージに達したはずのガッシュたち.消耗した6組対回復装置つきの1体のバトルはこれからどのように展開するのか.ガッシュたちは折角無傷でここまで来たんだから優先順位を間違えずに,今本当に必要な行動であるファウードを止める方に頑張って欲しいんだけど…疲れてるから無理かもなぁ(苦笑).予告ではここまで雌伏してきたあいつらがついに表舞台に出てくる様子.リオウ対ガッシュたちという現在の構図はどう変化するのか.次回に続きます.

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焼きたて!!ジャぱん#67

「次回のために突っ走りすぎの巻」

サンピエールのトリプルアルプスをトリプル笹で見事倒したパンタジアだが,未だ1敗も許されない劣勢は続く.8回戦の相手はこれまで和馬たちを影から苦しめてきた仇敵の一人,梓川雪乃.今回の課題のタルトは冷たい手であるほど有利な題材で,冷酷な雪乃の手は吹雪のように冷たいのだった.タルトづくりで雪乃に勝つには良い材料を選ぶのも重要なのだが,成り行きで和馬は生の献上ビワではなくビワの黒糖漬けを使うことになってしまう.

もうすぐ全てに決着がつく「ジャぱん」.今が最後の頑張り時であるわけですが,作っている人たちがこの期に及んで未だ楽しそうなのが素晴らしい.もちろんぎりぎりの環境で作っているのは間違いないんだけど,原作という材料の切り出しに対するこだわりやアニメの形に加工していく過程での手間は未だ惜しまれていないようです.タイアップの都合で普通のアニメに比べるとスケジュールの制約は相当厳しいとは思いますが,それでも作ることを諦めない作り手の凄い根性を褒めたい.…巻いてるけど(笑).

前半.桃屋には負けたもののパンダには勝ってなんとか首の皮を繋いでいるパンタジア,とはいえ本作中で和馬が最強のパン職人であるのは依然変わりなく,普通のパン職人を連れてきてももはや勝ち目なんかあるわけない.こうして投入されたのが今回・8回戦の敵でありテーマなんだけど…なんかもう「パン」じゃなくなってるな(苦笑).
最強の和馬,知識の冠,そして応援の河内の挑む8回戦の敵はあの梓川雪乃! これまで散々いろんなことをやらかしてくれた仇敵との直接対決に河内は動揺し,うっさいから毛を剃るぞと黒やんが叱ります.…このイメージシーン,一体どこに向かってサービスしてんだろ.しかも課題は「タルト」と追加指定.ビワやイチゴで有名な千葉県の富浦で献上できるタルトをつくれだなんて,下呂では大失敗したものの,番組制作側とサンピエールの裏の繋がりは未だに切れてはいないようです.
サンピエールを有利にするためのパネルなんだから酵母をばい菌呼ばわりする不遜な雪乃が得意なのはもちろんタルト.タルトの生地は通常イーストを使わない無発酵生地で作られていて,バターと生地を挟んで折って薄くすることを繰り返すため,彼女の冷たい両手,吹雪の手が非常に有利に働きます.…逆に言えば太陽の手の持ち主である和馬にとっては大変に不利なテーマなわけですが,そこは省略しちゃうのかな?
生地を折って重ねて薄くするのは懐かしいクロワッサン生地と似ているけれど,無発酵のタルト生地の場合はクロワッサンでは珍しい三百層ですら当たり前.しかも冷たい手を持つものならではの「逆さ折り」という必殺技すら存在し…ってとこでなぜか舞台はテレビ局から富浦に一気にワープ.うわ,こんな巻き方はじめて見たぞ!
脈絡なしにいきなり富浦に飛んでしまったことに驚く河内と,それをごく当然のことのように受け入れて何の動揺もしていない和馬と冠.いくら東京と千葉が近いからって,いくら移動シーンがどうでもいいからって,いくら残り時間がもうないからってそんな巻き方アリですか? 誰もパンどころか素材すら食っていないってのに,逆さ折りだと生地の外側にバターが来るから焼き上がりがさくさくとかのウンチクがどうでもよくなるくらいに無茶なことがしれっと流されてしまっているぞ(苦笑).
しかもこの巻きはまだまだ続く.今度はいきなりビワの販売所に場面が飛ばされて,悪漢雪乃が販売所のじいさんを足蹴にしているのを目にすることに.このじいさんのデザインが実にアレなので次回が大変楽しみです.季節外れなので黒糖漬けの献上ビワしかないことに雪乃は大変憤り,傍若無人を尽くした上にイチゴを使うと場を去ります.せっかくの黒糖漬けを汚らわしいと言われたじいさんはそりゃもう悔しがるのでありました.普段だとこのあたりまで展開するのに1話の3分の2くらいを使うのでこれは相当なハイペース.

後半.丹精込めた自分の作品を汚らわしい呼ばわりされて悔しがるじいさんは若者こと和馬に黒糖漬けビワの使用を依頼.で,なぜかそれをあっさりと受け入れる和馬.タルトの具は新鮮な果物がお約束なんですが,ビワを黒糖に漬けることによって生の果物にはない味が出せると踏んだのかな? しかも和馬と来たらクロワッサンで勝負とか言い出す始末.やはり和馬の手に無発酵生地はあまりに不利ですからね.てなわけで和馬が黒糖漬けビワで究極のタルトジャぱん・スーパー黒ビワクロワッサンを作ることが決まったこの時点で,普通なら1話が終了しそうになってもおかしくはないのですが,今回は巻いているのでまたも場面が飛んでしまいます.
時間も場所も宿すらもすこんと飛んであっという間に試合当日の会場へ.どうやらこれまで容赦なく無駄な描写をすっ飛ばしていたのは時間的に追い詰められた作り手…ではなくて和馬本人.他人への思いやりだけで空間や時間を曲げる和馬の神様ぶりが凄まじい(苦笑).こちとら長らく見てますからパンを食った奴が世界を曲げるのには何の疑問も抱かないくらいには慣れてますが,食ってもいない奴が3日分を早送りしていくというこの事態はさすがにお約束の範囲を逸脱しすぎ.販売所のじいさんまで思いやりで時空をワープさせるだなんて,思いやりがあって時間がなければ何をやってもいいってわけじゃないと思うぞ絶対!
てなわけでさくさくはじまる8回戦.通常ならこのあたりが1話目のラストになるはずですが,生き急ぐ今回はもっと先まで進んでいきます.今回の観客はいつもの河内とさっきのじいさんと月乃と店長に加えてマイスター霧崎までご登場.ラスト間近ということで視察に来ちゃったことにより,彼も見事に巻き込まれていきます.…この状況でもここに来させてもらえない木下がなんだか大変に気の毒です(苦笑).
ステージでは見事に吹雪の手で逆さ折りを披露する雪乃.これが通常のタルト作りでは最高峰の技術なのは間違いなく,和馬が圧倒的に不利なのは間違いないわけですが…ここで和馬側から沸きあがる歓声! 異様にねばねばした生地が和馬の手の中に.和馬が今回使ったのは超高タンパク粉.ダブルグルテンやリミックス法で追求されてきたシリーズの決定版とも言える材料&技術です.粘り気が強くて手作りパンを作るにはさすがに向かない小麦粉を人の手で無理くりこねて生地にするという普通のパン職人の腕力ではまず無理なことに挑戦した和馬は,太陽の手とかこれまでの経験とかのおかげで見事やりとげます.
しかも大量に含まれるタンパク質のおかげで麺のようによく粘るこの生地は,タルトづくりで必要な極薄の生地を作るのにもってこい.手にした生地はあまりに薄すぎパントマイム状態.この生地ならば吹雪の手が作り出す正統派で最高級のタルトと層数勝負してもかなりいい勝負ができるはず!

がんがん巻きながら通常の1話半を一気に消化した今回も終盤.ほぼ同ペースでタルトを作ってしまった雪乃と和馬は最後の最後までスピード勝負.タルトのさくさく感を堪能させるには出来立てを食わせるのが一番ということで,ほぼ同時に完成した2つのパイは和馬と雪乃の手によって黒やんの口にほぼ同時にたたき込まれ…これが世界の危機を導きます.
これまで散々無茶なリアクションを見せ,ついには食わないうちに時間と空間が跳ぶといういいかげんすぎるレベルにまで達した「ジャぱん」.しかしこの豪快な巻きっぷりも,次回に待つ長時間リアクションのために黒やんが未来から時間を曲げたのだとしたら….2つのタルトが生み出す大規模リアクション,あるいはこの期に及んで全員で学芸会という危機的な状況を救うものは誰か! 地は荒れ海は叫び人々は恐怖する,次回のリアクションに続きます!

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練馬大根ブラザーズ#7

「待ってた本領無意味な暴走!の巻」

ベッドタウンのど真ん中で時間構わず歌おうとするヒデキのステージは周辺住人から大変嫌がられ,ついには訴えられてしまった.このままでは音楽活動どころか趣味のギャング活動まで支障をきたすからとヒデキは有名なカクハマ弁護士の下へ相談に出かけ,マコと結婚できるように改憲してもらう契約まで結んでしまう.その費用はどんな愛より高い百万.もちろんイトコ同士は憲法改正しなくても結婚できるのであり,それすら知らないバカなヒデキが騙されたのだと悟ったマコは早速カクハマ弁護士を内偵.そしてその頃,カラクリとパンダの蜜月にはナルトが暗い影を落としていた.

いいおっさんたちのあまりにも自由な発想を堪能するべき「練馬大根」.ナベシン監督にしても浦沢御大にしても,一緒に制作する人たちが自由すぎるおっさんたちの意図に対応しきれないらしく7,8話くらいまで迷走するのがお約束なんですが,どうやらその迷走の時期がようやく終了したご様子です.1年経てば劣化する社会派ネタなどは大人をくすぐるためのちょっとした前菜であり,真に堪能すべきは時代なんか軽く越えるような純然たるスラップスティック.見る人間の年齢も性別もこれまでの経歴も全て乗り越えて,特定の電波を受信できるアンテナがあるかどうかで笑えるかが決まる超絶芸がついにはじまったようですよ! ここから先で見せるはずの大暴走こそ,我らがこれまで待っていた本当の快楽.無茶の積み重ねできしんできた物語の骨格が,ついにたわんで曲がりくねり,見る者の精神にぐねぐねと潜り込みはじめます! 特に後半の追走劇は圧巻!

前半.大根雲が流れる練馬の空の下,大根で愛を占う不毛なヒデキ.自分の愛をわざわざ占ったって結論はもう出てるじゃないですか.ついでに前回で散々占いは役に立たねえとわかっているはずなのに,なんで兄さんはこうも忘れっぽいバカなんだろう….マコさんの愛らしさに練馬大根を捧げる歌を熱唱するヒデキ.このソロが実にメモリーズオブラブで素晴らしい! やっぱし本職の歌手は違うなぁ.しかしヒデキがいくら惚れていてもマコとヒデキはイトコなので愛し合えない…という誤解は訂正されずに未だ継続しております.一応イチローが毎度ちょろっとツッコんではいるんだけど,ヒデキがバカな上に己の不幸に陶酔していて聞いてないのが悪いんだよな.
さて,大根抱えて愛にもだえるバカを今日も監視しているのがカラクリ.マコさんのことを好きなヒデキとパンダに熱を上げるカラクリだと変態度はカラクリの方が上なわけですが,練曲署に席を置いてちゃんと仕事しているカラクリの方が人間としてはずっと上なのは言うまでもありません.今日のカラクリ来訪の理由は事情聴取.深夜に歌おうとして近所にモノを投げて怒られる…というのはお約束のギャグとして繰り返されてきたわけですが,ついに近隣から訴えられてしまいました.普通なら軽く流してほしい繰り返しまでわざわざ拾って発展させてしまうところがいかにも本作らしい.
確かに練馬大根ブラザースは大変にやかましいグループで迷惑なのは否定もできない.でもだからって自分の畑をゴミ捨て場にするのはおかしいだろうとヒデキも主張.住宅街の真ん中にこんもりと一廃が野積みされてるだけじゃない.防衛隊までここを処分場にしちゃうだなんて横暴な! 練馬区の最下層にはゴミタメがお似合いという地域ぐるみのいじめです.地域住人は最高裁まで戦う構えだと不吉すぎるお知らせを残して,カラクリはカラクリハンドのラブ繋ぎでパンダとともに退場.すっかり良いおつきあいのようで見事に変態です.
このまま訴えられれば勝敗以上にヤバイものまで調べられて法廷に出ちゃう.趣味の練馬大根的ギャング活動までも露呈してしまって別件逮捕で収監されてしまったら,この時間帯を次回からどうしていいかわからない(苦笑).マコはここは一発弁護士に相談してみてはと提案し,CMでもおなじみのカクハマ弁護士のところへヒデキが出発.…四角いのが丸く収めるから法律相談になるのであって,手間を惜しんで四角く収めちゃだめじゃないか(笑)?
てなわけで今回のターゲットであるカクハマ弁護士のところに相談に行っちゃったヒデキことカモ.カクハマは絶対勝てなさそうなヒデキの訴えを安易に受け入れた上に,マコとヒデキの間の(幻の)大障害の撤去まで請け負ってしまう.例えば夜間の騒音とゴミ問題に関しては,現状では互いに条例違反してるんだから一刻も早く調停を図ることで事を荒立てず丸く収めるのが普通だろうし,イトコ同士は結婚できないについては即刻その誤りを正してやるのが人間の優しさじゃないかと思うんですが,改憲を請け負ってしまうあたりがどう見ても悪徳弁護士です.そしてそんな口車にあっさり乗って百万支払うヒデキもどう見てもバカです.本当にありがとうございました.
悪徳弁護士にとっては実にありがたいヒデ兄ちゃんは早速帰って事の次第をマコさんに報告.いつぞやのスパンキングでイチローへの愛に目覚めたマコさんにとって,ヒデキは黙って自分に金を貢いでくれればそれでいいのであり,さらに言うならばヒデキの金はマコの金なのであり,その自分の金から憲法を改正するために百万も支払われてはたまらないわけであり.それに憲法改正するからとできちゃった結婚を希望されるのも正直うっとうしいので,マコさんは自らカクハマのところに殴り込むのでありますが…なんだあのカクハマの途方もない防犯意識のなさは(笑).
するするっとマコがもぐりこんだ事務所の先には金庫つきのクルーザーが.その上でC調にこれまでの犯行に関し歌っている悪徳弁護士はまさに悪.歌はさすがに本職だけあってうまいです.被害者からも加害者からもバカからも絞り取る歌の上手い悪徳弁護士から練馬大根ブラザーズは金を絞り取ることは…実績からすれば絶対できないに決まっているんだよなぁ(苦笑).

後半の前にまずはカラクリとパンダの動向について前半の残りから.ヒデキの事情聴取を終えたカラクリはパンダとともに行列のできる生臭さラーメン屋にしけこんだわけですが,ここでカラクリにとって大変に深刻な事件が発生! 手も握れない熱愛しっぽりラーメンデートのはずが…パンダがラーメンの中のナルトを残しました.可愛いものフェチの変態であるカラクリのストライクゾーンにはパンダだけでなくナルトも入っていたわけですが,パンダはナルトがお嫌いなのだと勝手に思い込んだカラクリは石神井公園にパンダを連れ込みます.もちろんエッチなことをするわけではなく…そもそも触れもしない2人の場合は何をどうすりゃいいんだろ(笑).
さて,カクハマは悪い奴だからやっちゃうべきだとマコさんはヒデ兄ちゃんを熱く説得.確かに憲法が百万程度で変わるようなら日本はとっくに転覆しているはずで,それを安易に請け負う男は間違いなく詐欺師です.…日本ではイトコは結婚できるという事実についてはイチローのローテンションなツッコミとともにとりあえず横に置いておいて,あこぎな弁護士を倒すべくいつものレンタルプリーズをおやっさんこと監督の前で熱唱完了!
しかし! どんどんわがままになるおやっさんはろくに聞いてなかったのでもう1回歌えとのたまいやがり,神の横暴ぶりに練馬大根どもはぶーたれます.歌詞の入ってないヒデキに音を外すマコにキーの合ってないイチロー.ヒデキとマコは本人(というか声優)の責任だと思うんですが,曲のキーが合わないのは本人のせいじゃないから可哀想だ(苦笑).しかし歌わねばグッズは出て来ないしグッズがなければ練馬大根はいつまでも弱者のまま.てなわけで歌おうとしたら2度聞くと飽きるって事でアイテムが出てきました.ここのお約束も加速度増して壊れてきてますね.
こうしてはじまる練馬大根対悪徳弁護士の大決戦! 自分のクルーザーで軽薄に歌う悪徳弁護士を襲うのは晴天には似合わない陰気な音楽.練馬大根がおやっさんからもらった楽器で奏でる短調の調べ.いつもなら景気良く名乗りを上げてどたばたに持ち込むところなんですが,音楽が陰気すぎていつものアホな調子が出ない.けれど…短調の悲しみと苦しみと陰気とペーソスは弁護士を襲い,過去のトラウマの扉を開きます.
それはカクハマの幼き頃の思い出.同級生にハメられて大好きなミヨちゃんの給食費を盗んだことにさせられたり,ブルマを盗んだことにさせられたり.彼女は罪のないはずの彼に「訴えてやる!」と絶叫し,そんなトラウマが少年を弁護士という職業へと導いたのかもしれません.あるいはミヨちゃんの笛をなめてみたりスカートの中をピーピングしたり下着を盗んだり入浴をデバ亀った過去によって,己の性犯罪者としての資質を恐れるあまり弁護士というお堅い職業について己に枷を嵌めようとしたのかもしれません.…入浴はなんか凄くいい絵だな(笑).カクハマから噴出した性犯罪の思い出はぶよぶよと重くて船が傾くほどのもの.かくして過去の重みで沈み始めるクルーザーと,そのクルーザーから金庫を持ち出し逃げる練馬大根のシーチェイス開始!

こうしてはじまった待望の無意味なアクション! 思い出に重量を与えることも消火器を撒いて絵的に凄いことにするのにも特に意味などなく,増してや思い出に火がつくのにもその場のノリ以外の理由などない.思い出の重みで沈みそうな上に発火しているクルーザーに追われて泳いで逃げる練馬大根.この混沌を例の音楽に乗せて無理やり頭に流し込まれるのが真の醍醐味って奴ですよ(笑)! いやぁ,久しぶりに味わうなぁこのわけのわからない興奮と陶酔!
爆走する練馬大根とクルーザーは区民にはおなじみの石神井公園のお池に乱入.そこではボートに乗ったカラクリとパンダが別れ話の真っ最中.パンダとナルトの両方を手に入れたいカラクリさんはそれが叶わないからとタイタニックを気取って別れを告げる変態プレイの真っ最中.練曲署のアヒルボートもこんなことに使われて泣きだしそうな状況に突っ込んできたのが例のドタバタ組ですよいやっほう! もちろん巻き込まれたカラクリとパンダは練馬大根どもとともに逃走してみるもののアヒルボート30段の腕前もクルーザーの前には無意味であり,しかしクルーザーも炎の前には無意味であり.こうして石神井公園の池の中には大金が燃えて沈んで伝説となったのでありました.
…やっぱり御大の作品ならばラストはこう来なくっちゃ(笑).鮮度命の時事ネタとは違い,ラストの爆走部分は十年後に見てもちゃんと吹き出すに違いない.ここまで無理を重ねたおかげでついに物語が本格的にぶっ壊れたことに喜びつつ,区議会じゃ法律はつくれねえぞとツッコミつつ,さらにさらにぶっ壊れていく次回に続きます!

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「アニメ感想率調査2006冬:新番組調査」感想・追加

光希桃 Anime Stationさんのアニメ感想率調査[新番組調査]結果を使った「アニメ感想率調査2006冬:新番組調査」感想の続きをいつもの方法でやってみます.

小出しに続いた今期の結果まとめもこの記事が最後となりますが,新番組調査分のおまけ図をいつものようにくっつけて,結果を概観してみたいと思います.ちなみに自分は統計の知識はあんましありません.とりあえずこのサンプル数だと少なすぎて確定的なことは何も言えないんじゃないかと思う程度です(笑).
これまで出している図の見方については,こう見るのが正しいと思ってます.
例えば新番組調査なら,鼻息の荒いお兄さん達にすっかり囲まれて当惑しているはずむたち3人や,同じくらいの人数に頑張ってくださいと熱心に声をかけられている内田三尉.結構な観客に囲まれてもマイペースにがなっている練馬大根たち.折角美人なのにどうも近づきがたくて遠巻きに見守られているセイバー.少人数にものすごく愛されてひたすら撫でられているウィード.そして…そんな楽しげな連中を遠くから恨めしげに眺めているお岩.

さて,分析追加その1.評価値と評価率の散布図

縦軸の評価平均値に横軸の評価率(全体に対する「見てない」以外の評価者率)を組み合わせることによって,どのあたりのデータが偏っている可能性が高いかを示してみました.5はないんだけどまあ気分で.これを見る限り,今期は皆が揃って視聴を続ける作品がやや少ないご様子.これは恐らく作品ごとの間口が結構狭いってことなんだろうなぁ.今期は面白い作品が多いと思う人もいるかもしれないし,逆に全然合わないと右端の2本以外見るものがないと考える人がいてもおかしくない感じだ.

2つ目はポジティブ評価とネガティブ評価の散布図

全体印象評定値では「普通」以上をプラス,「駄作」「見切り」をマイナスとして合計値を出しサンプル数全体で割ってます.ゆえに合計値が特に0に近い値の場合,そもそも評価自体が少ないのか評価は多いけれど0前後で評価が分かれているのかを区別できないという問題があります.この図はそこをはっきりさせるため,横軸にマイナス評価の平均,縦軸にプラス評価の平均をプロットしたもの.左下(0に近い)ほど評価自体が少なく,右上ほど評価は多いけれど意見が分かれるものとなります.
こうやって見ると「タクティカルロア」の意見の割れっぷりが目立ちます.いろいろツッコみたいところはあるんだけど,あのあざといサービスも謎の思考回路も結構面白いんだけどなぁ.「練馬大根」にも現時点でそれなりにネガティブが多いところにほっとしてます.あれは札つきのマニアのためのものなので,合わない奴が無理して見る必要なんかないんだ絶対に(笑).レッドゾーンには萌えを狙って迷走している連中と東映が.「II世」はシリーズ途中でぶち切られるようなことさえなかったらこんな場所にいるはずがないのに.悔しいなぁ.

さて,最後は上記図で使用した数値とあわせ,全体印象評定値での順位です.ぜひと見比べながらご覧ください.

作品名新番組
評価順位
ポジネガ感想界
全体印象
1 かしまし ~ガール・ミーツ・ガール~1 2.01 0.10 1.91
2 よみがえる空―RESCUE WINGS―3 1.96 0.09 1.87
3 Fate/stay night12 1.17 0.17 1.00
4 陰からマモル!6 1.22 0.29 0.94
5 おろしたてミュージカル 練馬大根ブラザーズ5 1.27 0.47 0.81
6 MAJOR―メジャー―第2シリーズ7 0.70 0.04 0.66
7 かりん10 0.74 0.21 0.53
8 マジカノ4 0.79 0.35 0.44
9 タクティカルロア13 0.91 0.49 0.42
10 半分の月がのぼる空17 0.68 0.26 0.42
11 プレイボール2nd11 0.48 0.21 0.27
12 ガイキング―LEGEND OF DAIKU-MARYU―15 0.44 0.18 0.26
13 あまえないでよっ!! 喝!!18 0.34 0.19 0.14
14 ワンワンセレプー それゆけ!徹之進14 0.60 0.47 0.13
15 吟遊黙示録 マイネリーベ―wieder―9 0.13 0.05 0.08
16 落語天女おゆい20 0.53 0.53 0.00
17 The King of Fighters Another Day25 0.00 0.00 0.00
18 クレイアニメ 太鼓の達人 第2期26 0.00 0.03 -0.03
19 ディノブレイカー8 0.03 0.08 -0.05
20 爆球HIT! クラッシュビーダマン19 0.17 0.23 -0.06
21 鍵姫物語 永久アリス輪舞曲21 0.53 0.64 -0.10
22 LEMON ANGEL PROJECT16 0.45 0.58 -0.13
23 銀牙伝説WEED2 0.06 0.21 -0.14
24 怪~ayakashi~24 0.29 0.48 -0.19
25 Funny Pets23 0.03 0.27 -0.25
26 キン肉マンII世 ULTIMATE MUSCLE 222 0.16 0.49 -0.34

「かしまし」と「よみがえる空」の今期2強はここでも強いんですが,元々美少女に大変優しいアニメ感想界では特に「よみがえる空」の健闘振りが素晴らしい.終了評価ではこのところ高記録を連発している日曜深夜テレ東枠ですが,その流れは今回も続くのだろうか?
で,続く「Fate」は見事な順位の乖離ぶり.人が離れないうちにどこまで見ている人を満足させることができるか.この先しばらく難しい勝負が続きそうです.ここから「マジカノ」あたりまでは健闘組じゃないかと思いますが,最終的にはもうちょっと下に行ってもらわないと(自分の)居心地が悪い奴が若干1作品…(苦笑).
「タクティカルロア」以下は今からでもいいからもっと頑張れ.皆が揃って見ることは絶対なさそうな癖の強い作品ばかりだけど,幸い見てくれている人たちをどこまで満足させるかで終了順位が決まってきますよ.特に来期の終了番組レースは作品数が洒落にならない激戦のはずなので,短期シリーズは本気で頑張れ…って,もう間に合わない奴もいるような気はするけれど(笑).
何はともあれこれは途中評価の1つで,案外今はすっかり化けて異様に面白い作品になっている可能性もあるので下位作品への警戒も常に怠りなきよう.一度はダメカナ?と思った奴が恐ろしい粘りを見せて蘇る瞬間を目にするのもアニメを見る楽しみの1つだと思いますんで(例:「ファフナー」)出来悪く見える子もぜひ最後まで見守ってやってください…てなことを言い残しつつ,今回の感想を終了したいと思います.

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金色のガッシュベル#145

「ここに戻った愛しい鎖の巻」

ファウードの日本上陸まであと3時間.体内に再突入し脳のコントロールルームを目指すガッシュたちの前に立ち塞がったのは,テッドが探し続けていたチェリッシュだった.どうしてももう一度会いたかったテッドに対し,チェリッシュは親の敵であるテッドに容赦なく攻撃呪文を放つ.それでもテッドはこの戦いをたった一人で引き受けるのだ.それは魔界時代に受けた大きな恩のために.そして大切な彼女にどうしても伝えたいことがあるために.

原作を完全に置き去りにしてまったく別の新しいゴールへと走っていく「ガッシュ」.長らく続いたこの作品.ファンとしてのひいき目を抜きにすれば,あまりに長く続きすぎたことによって新規視聴者を引き込むには話が複雑になりすぎ,キャラそのものもブームを過ぎてすっかり消費され尽くしてしまった感があるので,看板時間帯の1つにいつまでも置いておくわけにはいかないと判断されたんでしょうね.
…ただし,アニメが勝手に原作と別の流れで終わるってんなら,ラストは戦いは続くでも王が決定するでも構わないから,ぜひともテーマはしっかり語ってから終わっていただきたい.新番が待っているので制作側が忙しいのは重々承知してますが,まだ見ている子どもたちの心に何かを残すことだけは疎かにしないでくれと強く思います.この際大人はもうどうでもいい.あと一息,頑張れ!

残るはあと3時間,6話分.ファウードによる崩壊を止めるために2手に分かれて進むガッシュたちにも消耗が見えはじめています.特に一時的に敵に回ったとはいえここまで一緒にやってきたウォンレイを失ったのは大きい.で,その穴を埋めるべく加入したのがテッド.スピードと攻撃に優れた格闘型の上に根性もある彼が加わってくれたのはありがたいことなんですが,そんな彼の弱点のチェリッシュが直後に敵として出現してしまったのがなんだか切ない.伏線消化までに数話置くことすらも許されないのか….
紅い結晶の立ち並ぶステージで待ち受けるチェリッシュは,元々戦いに向いてない上にリオウには最初から捨て駒扱いされているあたりが哀れ.妙齢の女性魔物で見た目もいい奴ってレアなのに….これまで捜し続けた彼女にようやく再会できたテッドはうれしいものの,探されていた方のチェリッシュの態度は大変に冷たく,術で拒否の情を表現されてしまうだなんて深刻.しかもこんなに頑張ってここまで来たのにいきなりはっきり親の敵認定されてます.
もちろんテッドはくじけない.どれほどの仕打ちを受けようとも,自分の問題だからと一人で解決するつもりです.…現在一刻を争う状況なんだけどなぁ.他人様の痴話喧嘩に世界の危機を巻き込むのはどうかと思うぞ(苦笑),冷たい目のチェリッシュの前に進み出て,自分は敵ではないと頑張るテッド.しかしチェリッシュにはどうしたって忘れられない,辛い魔界の思い出がありました.
過去の魔界でチェリッシュとその家族は傷ついたテッドと助け,逆にテッドはチェリッシュたちの気持ちを踏みにじったというのがチェリッシュの認識.当然チェリッシュは恨みを晴らすつもりで一杯…のはずなんだけど,本心から恨んでいるにしては攻めが甘すぎる.ここまで手ぬるい攻撃に留まっているのは散々いたぶってから倒す…わけではなくて,テッドに一切悪びれたり動揺する様子が見えないからでしょうね.心の力はほとんど残ってないけれど,この事態の落し前をつけるのは当事者であるテッドが一番ふさわしい.ゆえに,精一杯の意地を張ってみせるのです.
テッドの事情について比較的理解しているガッシュと清麿はチェリッシュを言葉で落とそうとするも,彼女の意志は第3者の説得でなんとかなるものではない.でも,その話を聞かない理由が他の魔物を倒してきたからってのがどうにも複雑.戦いが本当に嫌ならば,即刻本を燃やしてもらって魔界に帰ればよかったんじゃないのか.ここにいるってことは王を目指す気持ちが少しはあるってことじゃないのかチェリッシュ(苦笑).…ここで彼女の心に言葉をぶつけられるのはテッドのみ.大事な相棒の見せ場なのでとジードは他の者が舞台に上がることを拒否.こうしてチェリッシュの攻撃で意識を失ったりしながらのテッド魂の説得がスタート.

物語のはじまりは過去の魔界から.…魔界ってのは相当ファンタジーな世界のはずなんですが,広い世界のどこかには人間が住む世界と割と良く似た地域もある様子.そんな一角にあったチェリッシュの家から,2人の物語がはじまります.薄汚い街のチンピラであったテッドは味方のいない世界で荒んだ暮らしを送り,ついには喧嘩でぼこぼこにされて逃げて倒れ,偶然チェリッシュの家に転がり込むことになりました.
背は小さいものの明らかにガラ悪い少年に転がり込まれたチェリッシュ宅.しかし温厚でまともな倫理観を持ち合わせていたこの一家は,テッドを厄介者扱いせずに逆にかいがいしく面倒を見てくれました.いくら怖そうなふりをしてもふらふらのテッドがチェリッシュに勝てるわけもなく,むしろ姉のような態度ですっかり諌められてしまいます.これまで一人で歩むことに慣れていた彼に,優しさという重い首輪をつけてしまったのがチェリッシュ家.誇り高い野良犬はあっという間に餌付けされ,笑顔や喜びや落ち着きや満足の鎖にすっかり繋がれ,幸せになってしまいました.
けれどそんな幸せも長くは続かない.ある日,テッドを陥れたい見覚えのあるシルエットの誰かがテッドたちの留守にチェリッシュ家を襲撃.一足先に駆けつけたテッドと倒れた親を見て,チェリッシュはテッドがやったのだとすっかり誤解してしまいます.…これは完全な誤解ってわけでもないんだ.仏心を出してテッドをこの家で飼うことがなければ,恐らくこんな襲撃を受けることもなかったはず.本当の犯人は別にいるけれど,テッドの存在が事件の要因の1つであったことは疑いない.
そして今,両親の敵に氷の鉄槌を下そうとするチェリッシュと,それを甘んじて受けようとするテッド.犬は恩を忘れない.それが本当に辛いときに受けた恩ならなおさら.たとえ最大呪文でぶっ飛ばされようとも飼い主がそれで満足してくれるなら元飼い犬は幸せで…もちろん,飼い主にはそんな虐待はできない.チェリッシュの放った巨大な術はテッドの頭上ではじけ,飼い主はぼろぼろになって自分を追ってきた飼い犬を認めるしかなくなるのです.
魔界でまだ2人一緒にいたあの頃に,テッドとチェリッシュは王になることについて語り合ったことがありました.魔界の王はたった一人.王になるということは,他の魔物を全て退け,その魔物たちの大切なものを全て踏みつけにしていくということ.しかしそんな闘いの中でも,テッドはチェリッシュを守ると言いました.彼にとって守るべきはチェリッシュのみ.それは最終的に2人が生き残ったならあえて自ら消滅してみせるくらいの覚悟であり…テッドはその頃から何も変わっていない.こうして忠犬は,ようやく優しいご主人様に再会するのです.

チェリッシュの現ご主人様であるリオウにとってはこれは大変に気に喰わない展開.彼女のリオウに対する忠誠心は皆無なので,テッドとの意志が通じてしまえば即刻寝返るのは世の道理.ゆえにリオウは,事前に備えてあった仕掛けを起動.いきなり崩壊の中から姿を見せたのはなんと心臓のじいさん! …脳髄に心臓が来ちゃっていいのか(苦笑)? 前に会ったときは結構理性的だったじいさんはすっかり理性を吹っ飛ばしており,チェリッシュの本もさくっと燃やしてしまいます.折角ご主人を見つけ出したと思ったら直後にご主人がやられて帰還というのはやっぱし気の毒.でも,どうぜ全員帰る先は一緒なんだから,積もる話はもう少し先に,たっぷり2人でやれるんじゃないかと思いますよ.
わずかな邂逅の末に1人の魔物が姿を消し,こうして王を巡る戦いの終わりが近づいてきます.いきなりご主人を消された忠犬は大変に怒り,心臓のじいさんに怒りの一撃を叩き込む! ジードの本に浮かび上がった新呪文は,テッドの怒りによって解放された新たな力.マキシマムナグルはたったの1撃.しかしその1撃は,熱く激しい怒りは心臓を見事ぶっ壊す!
こうして原作とはまったく違った過去と展開によってチェリッシュが退場し,最終局面に進める魔物たちも整理されてきました.ここまで散々引っ張ってきたチェリッシュとテッドの描写が薄っぺらくなってしまったのは悲しいですが,なんせもう時間がないので仕方がないよね.あとはチェリッシュに思いを伝えられて満足なテッドがどのような終わりを迎えるのかを見守るのみ.噛ませ犬とか露払いで魔界送りとかその他大勢でラストを迎えるのはあまりに気の毒なので,何かしらの役割を果すことができるといいなぁと思いつつ,次回に続きます.

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焼きたて!!ジャぱん#66

「手にしてしまえば世界は狭まるの巻」

「焼きたて9」の第7回戦.蒸しパンテーマの下呂での闘いがついにはじまる.最強のスーパーベーキングパウダーで挑むパンダに対し,和馬が投入したのは自ら育て続けた生地そのものだった.古い生地を新しい生地に繰り返し加える老麺法によって生み出された,中華蒸しパンを作るには最高級の材料だ.
パンダは見事3度の爆発を起こし,突き立つトリプルアルプス蒸しパンを完成.それを喰った黒柳は魔術的なパンに対して奇術的なリアクションを返した.温度差によって完成する複数回の爆発は蒸しパン職人の夢.けれど和馬はトリプル笹で,そんな魔術を打ち砕く.

ゴールデンに投入するにはあまりにも挑戦的でそのまま作ったら叱られる原作をここまで必死にアニメ化してきた「ジャぱん」.関係各所の努力もあって今やすっかりゴールデンタイムの顔となりましたが,ここまでこの時間帯で原作をできるだけ矯めずによくやってきたもんだと思います.
サンライズの同テーマ作品としては偉大なる「味っ子」があるわけですが,アニメ化によって原作を越えた熱血リアクションアニメに昇華していったアニメ「味っ子」に対し,原作の「ジャぱん」はアニメ「味っ子」のような熱血リアクションものを一歩引いたところから見て笑う性悪な批判者.で,そんな根性曲がりの原作から生まれたアニメは…やや矯正されたけどもやっぱりひねてるんだよなぁ(苦笑).

前半.蒸すことによって何度も爆発し綿菓子のような仕上がりとなるらしいパンダの蒸しパン.常識ではありえない複数回の生地の爆発の原理も気になるところですが,これに対する和馬の奇手が実に印象的.和馬が持ち込んだ秘策は生地そのもの.パンダがSBPを配合して持ち込んだのと同じように,和馬は生地そのものを持ち込んだ!
もちろんこれはただの生地じゃない.老麺法で和馬が人知れず長期に渡って育て続けた凄い生地.…モナコカップに出たり日本を漫遊したりしている和馬が一体いつこの生地を育てていたのかは大変気になるところですが,状況からすれば和馬が留守の間は木下がずっと店で面倒を見ていたのではないかと.木下のコピー能力なら生地の維持くらいは十分可能でしょう.後輩の生地をひたすら育て続けなければならない不条理とか屈辱はまた別の話として(笑).そしていつの間にか抗争に介入したり銃痕つけてみたりと立派な天職に巡り合っている店長が語る老麺法の秘密.生地の4分の1を常に残して新しい生地に加え続けることにより,秘伝のタレのように生地が良くなり,ベーキングパウダーに負けないキメ細やかな生地が完成するのです.
和馬の凄い生地は負けられないこの勝負に投入されるにふさわしいもの.けれどパンダの3度の爆発も未だに恐ろしい.敵対組織との抗争だって平気な顔でくぐり抜けそうな店長すらも動揺させる,パンダこと模糊山の叶えたパン職人の夢.店長や模糊山がまだ新人であった頃に模糊山が語っていた,1度しかはじけない風船を何度もはじけさせるという途方もない発想.あの頃はただのホラ話だったけれど,今パンダの手の中でそれが現実に! 蒸すことで見事3回の爆発を起こした模糊山の蒸しパンの姿ははじけて突き立つ夢のトリプルアルプス! 普段目にする蒸しパンに比べると,鋭く切り立つパンの様子は豪放というよりは繊細に見えますね.
先に完成したパンダのパンを食らうのはもちろん審査員の黒やん.見ただけで凄いのが来ると予測しながらも義務以上の欲求でもってパンを食む! 沈黙はプレリュード.その側で静かに確実に進む導火線の炎は黒やんの体に見る間に近づき,「パンダのパンはなんちゅうパンだー!」と叫んで爆発とともに射出!さらに空中で爆発! 爆発!
リアクションとしてはネタも理解しやすいし無駄に派手だし特に文句はないのですが,キングオブアホのやらかすこととしては実際に爆破されたのがダミー人形黒やんXであったことが物足りない(苦笑).もちろん本人を射出すれば間違いなく生首…ではなく炭のかけらとなったに違いないけれど,でも,リアクションってそういうもんだろ(笑)?
ダミーを爆発させたりミニマム黒やんを降らせたり山の天辺に突如出現してみたり,テンコーさんやカッパさんのようなイリュージョンを演じることでアルプス蒸しパンの魔術的な技法を讃えてみせる黒やん.山からたったか戻ってくるところがやっぱりキングオブアホだ….
ありえないはずの3度の爆発を現実にしたタネは中の具となる栗きんとんにつけた温度差.栗きんとんを部分的に冷やすことによってそれを包む生地に温度差をつくり,オーブンの中で生地の遅れて暖まった部分が後から爆発したわけです.こうして生み出された蒸しパンは大変に繊細で柔らかな山を作り,黒やんは山の頂上に突如出現したのでありました.
…けれど,この魔術を目にしても和馬はまったくくじけない.蒸しパンそのものの技法だけなら恐らくは模糊山の圧勝.しかしこれは地域振興の目的を持ち,心安らぐパンを要求されている勝負.ゆえに和馬が選んだのは…笹! 蒸篭の中から香るのは,黒やんを死に追いやるトリプル笹の香り!

後半.いつものようにハイペースでテンション高く描写された対戦もついにクライマックスへ.和馬が差し出したトリプル笹の中華まんは,匂いからして見事に笹.しかしパンダの蒸しパンを目にしたときとは異なり,黒やんが笹3枚は勘弁しろなんて考えてるってことは喰う側には味の予測も準備もできてないご様子.河内じゃあるまいし和馬のパンに限って笹3枚のわけがない!
黒やんは予測不能の中華蒸しパンをぱくりと食い.またもや動きが止まった…と思ったら至近距離で見るにはあまりにもインパクトのある顔に変化! 老麺だから能面の白い顔.周囲をビビらせつつも悠々と敦盛をやる変態審査員.人生の無常を舞う彼は完璧なトランス状態で,内容もどうせ人生太く短く50年ってな歌だからこの人たぶん死ぬ気です.黒やんのリアクションによる命の危機はここ最近のお約束なので,もう「なんやてー!」とかわざわざ言わなくていいよ河内(苦笑).
ここまでが老麺法に対するリアクションなら,ここから先はトリプル笹に対するリアクション.見栄を切る黒やんの舞台からはみるみるうちに竹が伸び.それを見事一刀に切り捨てたなら,穂先たちは黒やんの左右に伸ばした腕と肩と頭にぷすぷすと突き刺さる(笑).「笹が刺さった」というぶっちゃけ書くのもアホらしいリアクションですが,その刺さった姿は水芸の様にさも似たり.で,実際水芸です…真っ赤な.
和馬のトリプル笹の1つ目は笹茶.しかも地元の温泉で煮出した地元の笹だろうからその味わいはきっと土地の結晶.さらに蒸すときにも笹を加えてこれで2つ目.そして3つ目は…血液が笹の効果でさらさらに! 素材ではなく喰った奴の健康を3つ目にしてるのはかなり苦しいですが(苦笑)さらさらになるのはちとまずい.さっき刺さった笹のおかげで,溢れる黒やんの血がもう止まらない! …モナコカップ編でおなじみの通りリアクションとはいえ人間は大量に血を流すと死にますんで「そういうことじゃな」で済ませられる範囲じゃないぞ和馬(苦笑).
てなわけで今回の勝者はパンタジア! 技術的レベルではトリプルアルプスが圧倒的に上であったわけですが,その技術も使いどころを誤ればむしろ逆効果というのが敗北の理由.柔らかすぎたアルプスは,朴訥で主張の強い和風の食材に合わせるにはあまりに繊細すぎたのです.それに比べれば笹は和菓子にもよく添えられる相性の良い素材.和馬は技術面の不利を素材で完全にひっくり返してみせました.ちなみに後で血を流す黒やんが死にかけてますが全員スルー.黒やんの生死など河内の職人としての腕前くらいにどうでもいいみたいですね.

己の叶えた夢に酔って溺れ肝心なことを忘れたがゆえに敗北した模糊山.手の届く範囲を世界の全てだと思い込むような人の愚かさゆえに,トリプルアルプスから離れることができなかったがゆえの納得の敗北.そしてそんな人の愚かさを知った模糊山は,なぜか本物のパンダになりました(笑).パンも食ってないのに香りだけでここまでやるなんて偉いなぁ.で,自分との戦いに負けたパンダは水乃とともにこの場を去り,後には勝者と観客と出血多量で死にそうな審査員だけが残されます.もうすぐ終了するということで作品に課せられる制約は相当緩くなっているはずですが,結構痛そうな描写の原作を水芸にアレンジして無事放映した回避技術はなかなかだよなぁとか思いつつ,次回に続きます.

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