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金色のガッシュベル#145

「ここに戻った愛しい鎖の巻」

ファウードの日本上陸まであと3時間.体内に再突入し脳のコントロールルームを目指すガッシュたちの前に立ち塞がったのは,テッドが探し続けていたチェリッシュだった.どうしてももう一度会いたかったテッドに対し,チェリッシュは親の敵であるテッドに容赦なく攻撃呪文を放つ.それでもテッドはこの戦いをたった一人で引き受けるのだ.それは魔界時代に受けた大きな恩のために.そして大切な彼女にどうしても伝えたいことがあるために.

原作を完全に置き去りにしてまったく別の新しいゴールへと走っていく「ガッシュ」.長らく続いたこの作品.ファンとしてのひいき目を抜きにすれば,あまりに長く続きすぎたことによって新規視聴者を引き込むには話が複雑になりすぎ,キャラそのものもブームを過ぎてすっかり消費され尽くしてしまった感があるので,看板時間帯の1つにいつまでも置いておくわけにはいかないと判断されたんでしょうね.
…ただし,アニメが勝手に原作と別の流れで終わるってんなら,ラストは戦いは続くでも王が決定するでも構わないから,ぜひともテーマはしっかり語ってから終わっていただきたい.新番が待っているので制作側が忙しいのは重々承知してますが,まだ見ている子どもたちの心に何かを残すことだけは疎かにしないでくれと強く思います.この際大人はもうどうでもいい.あと一息,頑張れ!

残るはあと3時間,6話分.ファウードによる崩壊を止めるために2手に分かれて進むガッシュたちにも消耗が見えはじめています.特に一時的に敵に回ったとはいえここまで一緒にやってきたウォンレイを失ったのは大きい.で,その穴を埋めるべく加入したのがテッド.スピードと攻撃に優れた格闘型の上に根性もある彼が加わってくれたのはありがたいことなんですが,そんな彼の弱点のチェリッシュが直後に敵として出現してしまったのがなんだか切ない.伏線消化までに数話置くことすらも許されないのか….
紅い結晶の立ち並ぶステージで待ち受けるチェリッシュは,元々戦いに向いてない上にリオウには最初から捨て駒扱いされているあたりが哀れ.妙齢の女性魔物で見た目もいい奴ってレアなのに….これまで捜し続けた彼女にようやく再会できたテッドはうれしいものの,探されていた方のチェリッシュの態度は大変に冷たく,術で拒否の情を表現されてしまうだなんて深刻.しかもこんなに頑張ってここまで来たのにいきなりはっきり親の敵認定されてます.
もちろんテッドはくじけない.どれほどの仕打ちを受けようとも,自分の問題だからと一人で解決するつもりです.…現在一刻を争う状況なんだけどなぁ.他人様の痴話喧嘩に世界の危機を巻き込むのはどうかと思うぞ(苦笑),冷たい目のチェリッシュの前に進み出て,自分は敵ではないと頑張るテッド.しかしチェリッシュにはどうしたって忘れられない,辛い魔界の思い出がありました.
過去の魔界でチェリッシュとその家族は傷ついたテッドと助け,逆にテッドはチェリッシュたちの気持ちを踏みにじったというのがチェリッシュの認識.当然チェリッシュは恨みを晴らすつもりで一杯…のはずなんだけど,本心から恨んでいるにしては攻めが甘すぎる.ここまで手ぬるい攻撃に留まっているのは散々いたぶってから倒す…わけではなくて,テッドに一切悪びれたり動揺する様子が見えないからでしょうね.心の力はほとんど残ってないけれど,この事態の落し前をつけるのは当事者であるテッドが一番ふさわしい.ゆえに,精一杯の意地を張ってみせるのです.
テッドの事情について比較的理解しているガッシュと清麿はチェリッシュを言葉で落とそうとするも,彼女の意志は第3者の説得でなんとかなるものではない.でも,その話を聞かない理由が他の魔物を倒してきたからってのがどうにも複雑.戦いが本当に嫌ならば,即刻本を燃やしてもらって魔界に帰ればよかったんじゃないのか.ここにいるってことは王を目指す気持ちが少しはあるってことじゃないのかチェリッシュ(苦笑).…ここで彼女の心に言葉をぶつけられるのはテッドのみ.大事な相棒の見せ場なのでとジードは他の者が舞台に上がることを拒否.こうしてチェリッシュの攻撃で意識を失ったりしながらのテッド魂の説得がスタート.

物語のはじまりは過去の魔界から.…魔界ってのは相当ファンタジーな世界のはずなんですが,広い世界のどこかには人間が住む世界と割と良く似た地域もある様子.そんな一角にあったチェリッシュの家から,2人の物語がはじまります.薄汚い街のチンピラであったテッドは味方のいない世界で荒んだ暮らしを送り,ついには喧嘩でぼこぼこにされて逃げて倒れ,偶然チェリッシュの家に転がり込むことになりました.
背は小さいものの明らかにガラ悪い少年に転がり込まれたチェリッシュ宅.しかし温厚でまともな倫理観を持ち合わせていたこの一家は,テッドを厄介者扱いせずに逆にかいがいしく面倒を見てくれました.いくら怖そうなふりをしてもふらふらのテッドがチェリッシュに勝てるわけもなく,むしろ姉のような態度ですっかり諌められてしまいます.これまで一人で歩むことに慣れていた彼に,優しさという重い首輪をつけてしまったのがチェリッシュ家.誇り高い野良犬はあっという間に餌付けされ,笑顔や喜びや落ち着きや満足の鎖にすっかり繋がれ,幸せになってしまいました.
けれどそんな幸せも長くは続かない.ある日,テッドを陥れたい見覚えのあるシルエットの誰かがテッドたちの留守にチェリッシュ家を襲撃.一足先に駆けつけたテッドと倒れた親を見て,チェリッシュはテッドがやったのだとすっかり誤解してしまいます.…これは完全な誤解ってわけでもないんだ.仏心を出してテッドをこの家で飼うことがなければ,恐らくこんな襲撃を受けることもなかったはず.本当の犯人は別にいるけれど,テッドの存在が事件の要因の1つであったことは疑いない.
そして今,両親の敵に氷の鉄槌を下そうとするチェリッシュと,それを甘んじて受けようとするテッド.犬は恩を忘れない.それが本当に辛いときに受けた恩ならなおさら.たとえ最大呪文でぶっ飛ばされようとも飼い主がそれで満足してくれるなら元飼い犬は幸せで…もちろん,飼い主にはそんな虐待はできない.チェリッシュの放った巨大な術はテッドの頭上ではじけ,飼い主はぼろぼろになって自分を追ってきた飼い犬を認めるしかなくなるのです.
魔界でまだ2人一緒にいたあの頃に,テッドとチェリッシュは王になることについて語り合ったことがありました.魔界の王はたった一人.王になるということは,他の魔物を全て退け,その魔物たちの大切なものを全て踏みつけにしていくということ.しかしそんな闘いの中でも,テッドはチェリッシュを守ると言いました.彼にとって守るべきはチェリッシュのみ.それは最終的に2人が生き残ったならあえて自ら消滅してみせるくらいの覚悟であり…テッドはその頃から何も変わっていない.こうして忠犬は,ようやく優しいご主人様に再会するのです.

チェリッシュの現ご主人様であるリオウにとってはこれは大変に気に喰わない展開.彼女のリオウに対する忠誠心は皆無なので,テッドとの意志が通じてしまえば即刻寝返るのは世の道理.ゆえにリオウは,事前に備えてあった仕掛けを起動.いきなり崩壊の中から姿を見せたのはなんと心臓のじいさん! …脳髄に心臓が来ちゃっていいのか(苦笑)? 前に会ったときは結構理性的だったじいさんはすっかり理性を吹っ飛ばしており,チェリッシュの本もさくっと燃やしてしまいます.折角ご主人を見つけ出したと思ったら直後にご主人がやられて帰還というのはやっぱし気の毒.でも,どうぜ全員帰る先は一緒なんだから,積もる話はもう少し先に,たっぷり2人でやれるんじゃないかと思いますよ.
わずかな邂逅の末に1人の魔物が姿を消し,こうして王を巡る戦いの終わりが近づいてきます.いきなりご主人を消された忠犬は大変に怒り,心臓のじいさんに怒りの一撃を叩き込む! ジードの本に浮かび上がった新呪文は,テッドの怒りによって解放された新たな力.マキシマムナグルはたったの1撃.しかしその1撃は,熱く激しい怒りは心臓を見事ぶっ壊す!
こうして原作とはまったく違った過去と展開によってチェリッシュが退場し,最終局面に進める魔物たちも整理されてきました.ここまで散々引っ張ってきたチェリッシュとテッドの描写が薄っぺらくなってしまったのは悲しいですが,なんせもう時間がないので仕方がないよね.あとはチェリッシュに思いを伝えられて満足なテッドがどのような終わりを迎えるのかを見守るのみ.噛ませ犬とか露払いで魔界送りとかその他大勢でラストを迎えるのはあまりに気の毒なので,何かしらの役割を果すことができるといいなぁと思いつつ,次回に続きます.

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