第14回しりとり竜王戦・予選
皆様おなじみしりとり竜王戦も回を重ねて14回.今回もごく私的な記録として,そして見られない人のために書いていきたいと思います.ちなみに前回までの歴史については こちらの下のほうよりご覧下さい.今回は最強の板尾永世竜王がお休みなので出場者にとっては格段に優勝しやすい状況になっているわけですが,番組全体としては大黒柱なしに長時間維持しなきゃならないかなり危険な賭けとも言えます.板尾竜王さえいれば,多少厳しいお題や空気もなんとかしてくれるって感じがあるからな.
そしてそんな絶対のセーフティが今回いないためなのか,大変に視聴の厳しい状況が冒頭20分間続きます(苦笑).もちろんその後はいつものように良くなるし,準決勝にはため息をつきたくなるほどの素晴らしい名勝負もあったんだけど,そこにたどり着く前に一体どれだけの人が見切ってしまったやら….きっとハジケる時が来ると信じていても厳しい冒頭20分は,ぶっちゃけ早送りでいいと思うのです.
今回の出場者は有野(よゐこ),山根(アンガールズ),ほっしゃん。,河本(次長課長),矢作(おぎやはぎ),渡辺(ジャリズム),川元(ダブルブッキング),千原ジュニア(千原兄弟).ここしばらく永世竜王位にリーチかけっぱなしの有野は,板尾永世竜王という鬼のいぬ間にあと1勝を上げてしまいたい.久々に登場した川元や,新人とは思えぬほどの対応力を見せてくれるほっしゃん。最近調子を崩し気味の渡辺がどう出てくるのかも気になります.
司会はいとう.判定はいとう・勝俣・MEGUMI,記録は野村アナといういつものメンバーですが,ヤツらのおかげでとんでもないことを書かされることになる野村アナがやや公開羞恥プレイ気味(笑).
Aブロック予選は有野・山根・ほっしゃん・河本.女の子が産まれ守るべきものができてしまった有野.芸人としてその枷をいかに忘れることができるかが,全体を通した勝負の鍵となっていきます.やや慣れてきた山根は相変わらずの独特の雰囲気.ほっしゃんは2回目とは思えないほどの落ち着きぶりで今回も期待させてくれます.そして異様に気負っているのが河本.…これから先の20分,戦犯はこいつです!
1戦目は「しりとりツバメ返し」.「~だが~」でしりとり.
テーマは「出世しなさそうな言葉」.「接待ゴルフだがバーディー連発」からスタート.
組織の中で生きていない芸人にとっては実感が沸かない難しいテーマに颯爽と手を挙げたのは河本,なんだけど…「机を発注しろと頼まれたのだが,コクヨ」…気負いすぎてわけがわからねえ(笑).これはオフィス家具大手のコクヨが他社に机を発注するおかしさを狙ったのか? まさかコクヨがオフィス家具でも大手だってことを知らないはずもあるまいし.有野は「嫁と一緒に頑張って働いているのだが,常に愛人がいる」とゆるゆるとテーマに接近.山根の「ルールをよく教えてくれるのだが,語尾がおかしい」はにょとか言うのか? ほっしゃんは「犬の訓練士なのだが,人間じゃない」…有能だったら宇宙人でも出世させてやったほうがいいと思うのだが.そしてスタートでコケた河本,「いい奴なのだが,いい奴すぎる」と今更まともなこと言われても….こんな有様じゃ井上に変えてもらえないかと勝俣に注文されても仕方ない.全員がテーマをつかみきれないこの状況は,うまく抜け出せば点差をつけられるチャンス.特にこの先優勝しなければならない有野なら積極的に勢いを掴みに行きたいところなんだけど…「留守電に切り替わったのだが,入れ方がわからない」…人間としてダメでもなぁ.全員迷走する中,山根の良回答が「椅子に座っているのだが,ふとしたはずみで落ちる」.そんな半分寝てるような奴は出世できないな.ほっしゃんも「ルールブックを作ったのだが,どこに置いたか忘れた」と役立たず.このようになんとなくいい回答が続いたところで,異様にテンパっている河本は「沢山の人を雇ったのだが,住所不定」…それは朝方にトラックで迎えに行く奴か? でもそれと雇う側の出世は関係ないよなぁ.しりとりなくして河本なしとまで言い切ってくれたんだから,出演もなしでいいんじゃないですか(苦笑).有野の「医者の卵なのだが,60歳」はテーマをややかする.山根は上を見ながら長考し,「いいとこの子なのだが,いいとこの子なのだが…それを,出さない」はむしろ出世するだろと審査員が反対票を投じる.そしてほっしゃん.「いい栄養士なのだが,デブ」健康管理・痩身目的の栄養士だとそうかもしれない.
冒頭から大荒れとしか言い様がないこの混乱の中,ほっしゃんはコンスタントにナイスファイト.で,今回の混乱の原因である河本ときたら,MEGUMIにパンツ1丁で廊下をうろうろするところを見られていたらしい.何がどうなってこんな奇行を続けているのか.リラックスというよりは緊張のしすぎかオーバードーズでおかしくなっているようにしか見えません(苦笑).
2戦目は「しりとりイマジネーション」.テーマのイメージでしりとり.
テーマは「ジーコに届いたメールの見出し」.「アルシンドの件ですが…」からスタート.
しりとりファンならおなじみの定番スポーツ選手ネタ.今度こそまともな戦いになるのかと思ったら,河本がまた手を挙げて大変なことに.コマも打たずに「がーん,柱谷…」とかフライング.今からでも本調子の河本か井上に替えてください….「がーん,柱谷兄より」という回答はなぜか勝俣に大ウケ.続く有野,「料理の作り方を教えてください」は今ひとつ.山根の「石崎君は,いませんよ」も何がなんだか.この荒れた状況の中でもほっしゃんは即座に流れを掴んで「酔うてたなぁ~」と良回答.で,河本.「尼崎6時集合で」…審査員が「な」で回答することを指示しているのを聞かないで「あ」.確かに言いっぷりではラストが伸びていたので「あ」もありえるんだけど,審査員の指示は絶対なので「な」で回答してください.というわけで「鍋,いつします」とフツーに答えるのが今はこれで精一杯….これに即座に反応したのがベテランであり会話好きの有野!「水曜でお願いします」の瞬発力が素晴らしい! さらに山根は「寿司もありますか」とかぶせていくわけですが,もっと勢いをつけて行かなきゃ.そしてほっしゃんは鍋パーティには参加せず「噛んでたなぁ~」とマイペース.もう既に限界の河本には「なし,ありがとう」と普通の会話をするだけで精一杯.で,有野の言う「牛,しばきにいきませんか」.牛しばくは牛丼喰いに行くという方言で,関東人にはわからない回答になのが勿体無い.マイペースにゆらゆらと流される山根は「か,かに,さされた」…緊張感ねえなぁ….マイペースなほっしゃんは「ただより高いもんはないなぁ」.そして河本「なくしてもうたぁ(井原より)」…あれだけここまでがたがたに崩れちゃってると,いくら自信があってももうなんともならないぞ.有野は「理科の本返してください」と深い事情が察せられるようなそうでもないような回答. 山根の「インド代表の僕ですけど覚えてますか」は彼自身のキャラにはまっていて良い.そしてほっしゃんは「神様って言われてんねんな」とイヤミを言って,最後までマイペース.
…もう,なんていうか,ほっしゃんの好調ぶりを覆い隠すほどの河本の乱調が実に痛々しい1戦となりました(苦笑).ほっしゃんが地味に「な」責めをしていたのは新人とは思えないほどの策士ぶりで,しかも一度大失敗した「あ」ではなくて「な」で攻め続けていたあたりが狡猾.でも,やらなくてもたぶん河本自爆してたと思うよ….
結果,有野5点山根5点ほっしゃん11点河本3点.ほっしゃんの首位と河本の最下位が先に決定し,審査員判断で2対1で有野が辛くも準決勝に進出.…たった3点しか取れないような奴には,お題に文句をつける資格はないんじゃないかと思いますよ?
Bブロック予選は矢作・渡辺・川元・千原.板尾永世竜王がいないことが妙に全員をリラックスさせているらしく,こちらのブロックもどうにも緩い.久々に登場した矢作は随分としりとりが気に入っているご様子.好きこそものの上手なれ? 最近調子のおかしい渡辺はひげつきとなって登場.キャラとしては近々副業で喫茶店をはじめる妙にさわやかなおっさんなわけですが,まさかあんな凄いキャラが憑くとは…(笑).独自の黒い言葉選びにファンも多い久しぶりの川元.テンションって言葉がどうしようもなく似合わない.そしてこの中では一番力があるはずの千原弟.調子も良さそうです.
1戦目は「しりとりツバメ返し」.「~だが~」でしりとり.
テーマは「エロかわいい言葉」.「激しいキスだがイチゴ味」からスタート.100%?
エロは大変にやりやすいテーマ.早速矢作が楽しそうに挙手して「ジッパー全開,だが,4歳」と可愛い.千原も続いて「Eカップなのだが,4歳」と可愛いつもりなんだけど,それはさすがにフリーキーではないのか.そして川元は「いやらしく腰をくねらせて歩いているのだが,迷子」.ここまでの3答は全て幼児性にかわいいを見出していて,決して幼女ハァハァではないところが健全で素晴らしい.そしてどうやら何か変なスイッチが入っていたらしい渡辺,「五反田の町中で全裸になったのだが,亀頭にちょうちょが止まった」…なんだその幻想五反田(笑)! つうかこれを野村アナに書かせるのは酷だよエロマスター! この大爆発に比べると矢作の「タンクトップから,乳首がはみだしてるのだが,かりあげている」はよくわからず,千原の「ルージュで鏡に伝言を書いているのだが,バイチャ」というまともな回答すらも地味.しかし川元の黒さは決して直球エロには負けない.「やらせてくれそうな水着姿だが,海亀の卵を掘り起こしている」…凄い.可愛いかどうかは微妙なんだけど,エロい水着の女が砂浜でさくさくと他の生命の息吹を掘り返してるんだから凄い絵だ! 負けじと渡辺は,「ルービックキューブなのだが,こすりつけてたら6面揃っちゃう」と色んなものを吹っ切った幼児性欲の発露で頑張る.可愛い言い方でごまかすのはずるいよエロマスター(苦笑).矢作は困って独り言を言いつつ「上から,やらしい声が聞こえたのだが,特に,なんのことはなかった」と可愛くもない上に結局何もなかったからエロでもない回答に審査員おかんむり.そしてこのエロの波に乗ってみる千原,後半は小さな声で…「立っているのだが…かぶっている」…ああ確かにエロ可愛いさ(苦笑)! 川元の「留守中に女性の家に忍び込んでパンティをかぶったのだが,着ぐるみもかぶった」はなんだかわけがわからない.そしてエロマスター.馬鹿な舌使いを見せつつ「ただのフェラチオなのだが,女は,お口の魔法よと言った」…うわぁ下品だ!
史上最強の女子高生ならぬ,史上最悪のしりとり名人エロマスター爆誕! その吹っ切りぶり,品性下劣ぶりは一回りしてむしろ誉めたい.単純だけど強い笑いって大好きだ(笑).確かにこれ以上凄くなったら放送事故の可能性が高まりますが,そのラインを何もかもを全て捨てて爆走したその男らしさは深夜番組なんだから讃えられるべきです.そして,黒い幻覚を見せてくれた川元の健闘も輝いていました.
2戦目は「しりとりイマジネーション」.テーマのイメージでしりとり.
テーマは「亀田三兄弟の家の柱に書いてある落書き」.「網走」からスタート.
どう考えても亀田さん家に大変に失礼なこのテーマ.河本が回答したがっていますが3点にそれを言う資格はありません.川元は「立派な柱やで」と豪快にすかす.続く渡辺の「デコトラかセルシオ」はあの一家のあの感じにぴったり合致していい感じ.どう見ても亀田さん家には入れなさそうな矢作は「鬼は強いでぇ~」とほっしゃん風に逃げる.千原は「出てこいや」は勢いのみ.ここで面白い回答を出したのが川元.「やっぱり世界チャソピョソになりたい」という回答は「ちゃそぴょそ」という音ではわからないんだけど「チャソピョソ」という文字が浮かぶとやっと面白い.渡辺は頑張って「稲妻の,ような,男に,なれ,by,清少納言」…ラストの無理ぶりが実に面白いんだけど「ん」がついて自爆! でもそこは式部じゃなくて少納言だから響きが良くて面白いわけだからなぁ.さて,気を取り直して矢作は「1千万から1億稼ぐでぇ」とアバウト.千原は「でっかい声で歌う」と誰に何を伝えているのか微妙な感じが可愛いですか? そして好調な川元,「ウンコはトイレで」…書かないとだめなのか(笑)! そのあまりの失礼ぶりに全員大笑い.渡辺の「出たー! タイソンの耳かじりー!」はなんだか懐かしい.矢作の「立派にならなきゃ,怒られる」は確かにその通りなんですが,そんな正論言われても.千原の「ルールがわかってきた」は素朴な喜びの発露でなんか楽しい.一体何歳頃に書いたんだろう.川元の「足し算以外は覚えんでよし」はストレートな家訓.渡辺の「シカゴのボクサー3兄弟が,いるや,いないや」はちょいと無理やりすぎかも.矢作の「やっぱ…腹筋…やっぱ腹筋! やっぱ腹筋からはじめようや!」はやっぱり真面目なんだけど回答としての面白みがないのが切ない.そして千原の「ヤクザになるな,極道になれ」は深い含蓄がある.
Bブロックは2戦ともなかなか見所の多い楽しい戦いとなりました! 特に渡辺改めエロマスターの活躍ぶり,キャラの立ちっぷりは素晴らしく,だからこそあの「ん」は大変に惜しかった.大当たりは出さなくても終始安定していた千原,そしてその独自の黒さを如何なく発揮した川元もナイスファイト.あと一人いたような気もしますが以下省略.
結果,千原11点川元12点渡辺7点矢作2点で川元と千原が進出! 渡辺はかなりのナイスファイトだったからこそ,「ん」で己の勢いを止めてしまったあの回答がどうしても悔やまれます.あの時点の勢いが殺されずに続けば千原にだって勝てたかもしれないと思うとなおさら….そしてある意味ミラクルな矢作.これまでも1点は何度も出ているので,2点が出ても不思議ではないか.何はともあれ,下手の横好きだということを認識できたのは今後のためにはいいことなんじゃないかと思いますよ(笑).
以上予選で勝ち残ったのはAブロックほっしゃん・有野,Bブロック川元・千原.この4人で本戦が行われたわけですが,その顛末については本戦記事に続きます.
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