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金色のガッシュベル#147

「強く賢く残酷な影の巻」

残り時間はあと2時間.日本に近づくファウードの中で,ついにガッシュたちはメインコントロールルームに到達した.リオウにはファウードを止める気などなく,ガッシュたちもこの戦いから逃げる気はない.リオウには回復装置があり,ガッシュたちには思いをともにする仲間たちがいる.けれど,ガッシュたちが持てる力を出し切ったとしても,パートナーを自分の外に出すことによって術の精度を上げたリオウにはかなわない.恐らくはあと最大呪文1発で全滅という事態にガッシュたちを追い詰め,勝利を確信したリオウ.しかし彼の前に姿を現したのは,これまで雌伏していた白銀の脅威だった.

残りわずかな時間を爆走した末に目的地に到達したのもつかの間,急展開を迎える「ガッシュ」.これまでは伏線を解消するだけで一杯一杯で内容盛り沢山の割に散漫な印象を与える回も多かったわけですが,さすがは最終目的地,ここで物語の温度が一気に上がります! ついに表舞台に躍り出たあの2人はガッシュと清磨の対極に位置する影.しかも今回は実に影らしく,残り少ない時間をたっぷり使って暗く陰惨なバトルを視聴者にお見舞いします.彼らこそこれまで積み上げた3年の重み.これを越えなければ本作の完結はありえないのです.

キャラであり同時に舞台であり状況でもあるファウードがあと2時間で日本に到着するという状況で,ついにガッシュたちはコントロールルームに到着.代償としてアースが魔界に戻ってしまったのは戦力的に相当痛かったものの,まだ6組以上も残っていればさすがのリオウだってなんとかなったはずなんですが…まさかここで敵がとんでもないことになるなんて,ガッシュに後を託したアースも予測していなかったはず.もちろんリオウだってまさか盟友ザルチムが今まさにあんなことになっているとは思っていなかったはずです.
多大な犠牲と貴重な時間を費やして,ついにリオウの前に到達したガッシュと清麿とその他大勢の仲間たち.諸悪の根源を目前にすれば否応無しにテンションは上がり…普段から冷静な判断ができない上に疲れている連中はいつもと同じに考えなしの行動に出ます.戦いの勝利条件は「ファウードを止めること」なわけだから,数に勝るガッシュ側は陽動しながら清磨をファウードのコントローラーに送り届けることを最優先にするべきなのに,その送り届けられるべき当人が先頭で戦闘しちゃってるのがなぁ…(苦笑).
御挨拶がわりにザケルガで反撃し,自身最大の武器である魂の言葉をリオウに向かってぶつける清磨.「ファウードを止めろ」と凄い気合で何度も恫喝するわけですが,さすがにリオウは止めたいなら勝手に止めろと耐えました.これまで多くの魔物をひるませ転がしてきた清磨の気迫も今回ばかりは十分な効果もなく刺々しい交渉はここに決裂.決して相容れない2つの力は,正面から激突するしかありません!
そしてはじまるギリギリの戦い.襲い来るリオウの術はザグルゼム連打にザケルガで壊し,仲間たちの助力によって攻撃を遅くし術を集中させないようにして戦う一同.いくらリオウが虫けら扱いしても数の力やチームワークの力は無視できないし,何よりも向かってくる全員に異様に気合の篭った目で睨まれたなら,さすがのリオウだって一人ではあまりにも辛い.てなわけで己の中からついにパートナーを外に出したリオウ.一応タイミングがつかめないからとか言ってますが,本当はあの視線の集中をどうにか逸らせたかったからじゃないかな(苦笑).
本を敵の前にさらすという危険を代償にして術の精度と威力を大幅に引き上げるリオウ.パートナーが周囲の状況を把握した上で術を放てば,たとえ2枚の盾があってもほとんど役には立ちません.折角の数の差すらもあっという間に埋められて,最大呪文1発で全滅という実に豪快な大ピンチ! …だからお前らファウードを止めることを優先しろと…(苦笑).
しかしリオウはまだ油断している.今ここにいる敵はガッシュたちだけであると信じ込んでいたがゆえに次の展開は予測できなかった.ザルチムにアリシエを倒す許可を取ろうとするリオウが聞いたのは,彼はとっくに魔界に帰ったと告げる酷薄な声.その声の持ち主は…紫電の眼光,白銀の髪,王族に生まれし雷,雷帝ゼオン!

これまでずっと伏せられていた最強の伏兵,ガッシュと同じ顔のゼオンとそのパートナーであるデュフォー.いきなりザルチム倒して涼しい顔で出てくるような連中が弱いわけがなく,万が一リオウとゼオンが組んだらこの状況は間違いなく詰み! …しかし,2人がどのような行動を取るのかを圧倒的な弱者のガッシュたちはただ見守るしかできません.叶うのならばダブルノックダウン,それが無理なら片方が術を出し切った上での勝利.これ以外の結果が出てしまうと次の展開でガッシュたちの命が危うくなります.
王族の中でも最も強い雷の力を受け継ぎ,英才教育を受け騎士以上の力を持つという凄い魔物の子,ゼオン.王を巡る戦いの優勝候補筆頭に違いない彼は,強さとともに冷静な頭脳をも持ち合わせています.彼はリオウに悟られないように姿を隠し,油断したリオウがファウードを復活させたあとで強奪するつもりだったのです.ガッシュと同じ雷術でもゼオンの術は威力が格段に上.さらに基礎的な身体能力も非常に高いから大技すらも片手で打ち砕いてしまう.その上パートナーのデュフォーも術を継続的に発動させる才能と容量を持ちあわせているから,あのリオウですらたった1撃でグロッキーに!
いくら必死で減らず口を叩いたとしても,ゼオンの優位は残酷なほどに明らか.軽やかに洗練され強すぎるゼオンに杖を折られて足蹴にされて,屈辱の底に沈むリオウ.バカの下につくのは自分のプライドが許さないから隠れていたのだと,楽しげなゼオンの言葉はリオウの自尊心を切り刻む.術の発動を感知すれば蹴りと一緒に距離を取り,その行動には一切の隙も無駄もないゼオン.リオウもかなりの悪ですがゼオンはその悪以上の邪悪.こんなのがファウードの主人になっても,世界はやっぱり破滅です!
ガッシュたちをただのザケルでなぎ倒して牽制し,邪魔なリオウを倒すことに専念するゼオン.いくらリオウが意地を張っても,ただの意地ではゼオンに追いつくことすらできない.無音で頭上に移動しザケルガを直撃させ.もっと必死になれと挑発する絶対強者.彼がガッシュを倒すことを後回しにしているのは,幸運なのか,あるいはとんでもない不運なのか….
このままでは勝ち目がないと判断したリオウは,肉体強化のかわりに見境なく攻撃してしまう禁呪を発動.けれどこの手の無差別攻撃が賢い強敵に通用するはずがありません.いくら巨大でもいくら吼えても,考えなしの単純攻撃では軽くいなされてしまうのがオチ.ここまで力量差のある戦いというのは,気力で補える程度の力の差しかつけてこなかった本作としては大変に珍しい.ゼオンは無傷のまま,リオウは息も絶え絶え.悪いながらもリオウが必死で積み上げてきた全ての努力が,ゼオンの面白半分の攻撃で打ち砕かれてしまうのです.
魔界の王となるために,一族の代表としてファウードを託されて人間界に来たリオウ.ルール違反も勝ちたいがため.呪いだって命を削る苦しみに耐えてかけてきたのだ…って,そのおかげでガッシュたちが多大な迷惑を被ったことは決して忘れてはなりません.リオウはルール違反しながらもここまで必死に頑張ったわけですが,その頑張りもゼオンの冷酷な攻撃によってあっさり砕かれる.いくら願っても叫んでも,夢は叶わない….
術の衝撃の余波によって気絶し再び目覚めた瞬間から,本作の最後の幕が開きます.ゼオンの術によってずたずたになった舞台で清磨が見たのは,倒れるリオウのパートナー,燃え尽きる本,そして…額にファウードの鍵を装着し,魔導巨兵の主となったゼオン! さっきまでのラスボスよりも遥かに格上の奴が新ラスボスに就任.しかもゼオンを倒すには,ガッシュたちの力はあまりにもわずか.

こうして駆け足ながらもオープニングで示されていたものが全て舞台の上に揃い,あとはこれをどう料理し畳んでいくかだけが問われる状況に! 限りある時間と原作でよくぞここまで頑張ってやっつけてきたなと素直に思います.モチノキ町の連中が未だ迷走…というか迷泳していたり,現在回復中で遅れてやってくる連中がいたりもするんですが,海溝を抜けたファウードの高速移動開始によってタイムリミットは泣いても笑ってもあと50分! 残されたわずかな時間とわずかな力で,新たなラスボスに勝つための道は果たして残っているのか.危機の淵をなおも進む次回に続きます.

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