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桜蘭高校ホスト部#3

「自分のことだけ棚に上げの巻」

桜舞う春,新入部員としてホスト部の一員となったハルヒだが,庶民である上にどっちかって言うとホスト部が嫌いな彼女は金持ちの道楽にはどうにも精神的についていけない.しかし男装した女の子が一人混じっているというこの異常な状況が正されそうなイベント,身体検査がやってくる.検査で女の子だとわかればきっとホスト部にはいられない.やっとこの無茶な状況に終止符を打つ機会が訪れたはずが,己の卑しさゆえに性別を隠蔽する計画に乗ってしまうハルヒ.彼女は豪華な身体検査を何とか性別をバラさずに切り抜けることはできるのか.

原作の持ち味を十二分に生かし,さらにアニメとしての独自の魅力を重ねてくれる素晴らしき「ホスト部」.やってることはベタですが,盛り沢山に詰め込まれた素敵な動きと細々としたエピソードが毎度たまらない3回目.しかも今回はあの岡村天斎が絵コンテに! キッズ向けの名作「メダロット」で披露されたあの冴え渡るコメディの腕前をまたここで眼にすることができるとは思わなかったのでもうファンは大喜び.ディフォルメをオチにするのではなくさらに動かして笑いを重ねていく手腕,脇でぶつくさ言わせる様子の面白さ,落としたり持ち上げたりをもういたたまれないほどにやり切る判断.そして極めつけはあのラスト! 笑顔から声だけとなりエンディングへと突入していくあの一連の流れが本当に素晴らしい.

前半.暇な超金持ちたちの道楽であるホスト部の本日の出し物は花見の宴.アンティークカップのように姫を選んでうっとりさせる環とか,高級西洋陶磁器知識から海外アンティーク市事情へと繋いだ上に指に火傷でべたべたという持ちネタに持っていく双子たちとかいつものようにお元気.珍しいのはただ傍観して後で笑っているのではなく,お姫さんたちに写真集を売りつけに出ている鏡夜.これもまた大切な収入源のようですが,定価が大変気になります.
和装のハルヒとハニー先輩たちは緋毛氈の上で茶会など開いておりますが,ハニー先輩がかき混ぜすぎで大失敗でも誰もそれを咎めることができない.いくら最高学年でも,あの外見を責めるのは心が痛い(苦笑).…このあたり音楽の使い方も絶妙です.これは空の花よりも地のホストを愛でるための宴.中でも環の満開ぶりはいろんな意味でアレであり,無駄なポーズの取りっぷりも含め美しく咲き誇るバカって感じでどうにもこうにも.少なくとも凧と同じに環の株はハルヒの中でストップ安.惚れるどころではないみたいですよ?
春の新入生には考えることがいろいろあって,いつまでもバカの相手はしていられません.常陸院の双子と選択教科について相談するハルヒ.双子とハルヒはクラスメイトなので,言うまでもなく接触時間は環に比べて段違いに長い.それに今更気づいた父こと環が衝撃の事実を母こと鏡夜に愚痴ると,母さんは正確な計算で傷口にさらに塩を塗りこみました(笑).さすがは影のボス,相手が殿だからこそまったく容赦がありません.
いかがわしい双子とこれ以上つきあっちゃならねえとハルヒに哀願する殿.いやもうこの部の存在がそもそもいかがわしいんだけど当然のように自分のことは棚に上げ,これはハルヒがちゃんと女子生徒道を歩んでないのが原因らしいので今からでもちゃんと女の子の友達を作ってきらきらするのが「父の願いぞー!」と絶叫.その無駄なテンションの高まりとセリフのリズムが面白過ぎてたまらねえ(笑).…ひとりぼっちでここに進学しているハルヒの場合,現状では事情を知っている普通の女の子の友達って作りようがないんだな.
とはいえ自称父の願いを無理に振り回さなくても,明後日の身体検査ではさすがにハルヒの性別は「バレますね,さすがに.女だって!」…明るいハルヒの言葉とは逆に,なぜか改めてショックを受けている部員一同.ハルヒが女の子に戻ったら,きっとハルヒさんは激烈ラブリィで注目の的でハルヒ困っちゃうだろうから,王である環がパーフェクトに守るのだ…そんなダメ妄想を頭の中でぶんぶん振り回す殿は傍目で見ても凄くバカ.
しかしここから先がまずかった.このアニメは学園ラブコメディで自分はラブコメ要員で残る男子はホモホモ要員だからこれでいいのだと状況が状況だけにあまりにひどいことを言う環.これは原作由来のメタなギャグですが,そんなベーコンレタス確定みたいなことをラブ抜きのコメディ要員というかむしろヘタレ専門に言われたら,そりゃ誰だって腹が立つに決まっていますよ(笑)?
その上ハルヒが女の子とバレたら,今度は女子ではなく絶対男子にモテまくる.その上ホスト部からいなくなり,環とのなけなしの接触機会も0になる…今更な事実に真っ白になっていく殿は,即座に転向してハルヒさんの性別の秘密を守る活動を開始.「だから! 俺たちだけのお姫様でいてください!」…姫を選ぼうと思えばよりどりみどりのはずなのに,もうすっかりハルヒさんに夢中ですね殿.
こうしてハルヒの性別隠蔽大作戦が華々しく始動するはず…だったのが,唯一協力的でないのが当の本人.現在約533万円の借金については別の方法で返済しようかと明後日の方向に前向きで実に協調性がない.なんせホストもこの部もどっちかっていうと嫌な彼女にとって,性別バレはむしろ望むところ.この状況じゃむしろ自分からバラしかねない….ここで寡黙なモリ先輩が口にした,活路を開く一言とは…「大トロ」.
前回ハルヒが食べ損ねた大トロ.庶民にはなかなか食べられない大トロ.でもこの部にいれば食う機会がありそうな大トロ.乙女の食欲につけこんでみたら,大トロと性別詐称がバーターというこの無茶な取引にハルヒはさすがに乗らないのかと思ったら,「…ほんとに食べられるんですかー」…乗りました(笑).
ヒロインを大トロで釣って迎えた身体検査当日.双子がハルヒの脇につき,他の連中も総出でハルヒの性別を守るための大作戦を決行.超豪華な身体検査が凄く嫌になってみたりハニー先輩とモリ先輩がバレバレの医師コスプレで人目を集めて実際には賑やかし以外の何者でもなかったりと不安満点なこの状況.鏡夜先輩曰く,どうせ皆お抱えドクターに見てもらってるんだから身体検査はちょっとしたただのイベント.しかしここには陰険でイタい罠と謎の侵入者がいたのです.

後半は落ちて持ち上がる.無駄に豪華な桜蘭の身体検査.女生徒たちは双子の半裸にうっとりで,双子の演技も腐っているけれどこの学校もきっと腐ってる….で,衆人の目がそっちに行った隙にハニー先輩たちがハルヒを特設コーナーに押し込んだら,中には環がスタンバイ.…そりゃいきなりこんなところで半裸の野郎とご対面させられたらびっくりするわけですが,本当にびっくりするのはここから先.
ハルヒに迫る胸囲測定.もう絶対バレそうな状況でやたらかっこいい環は「…守るよ」と一言残して更衣室を出る.黒髪のハルヒカツラを被った彼は藤岡ハルヒをやるつもり.…誰がどう見ても環なのに身代わりをやるつもり! なんでしょうこの痛々しい人は(笑).ハルヒは悶絶し双子は大爆笑.どうもさっきのホモホモ発言を根に持った一同が環のバカぶりを見通した上でハメたらしく,「絶対にバレないって,お前らが!お前らが!」とうろたえる殿がおかしすぎる.ハルヒには当然本気で怒られるし,やっぱり殿はコメディ専門.ラブはなし(笑).
ヘタレがヘタレたのはまあいいとして,それではハルヒはどうやって性別をごまかすのかと思ったら,この身体検査の先生方は全部鏡夜の病院の医者なので問題なし.特別室を準備すればバレることもない…なんてことはもちろん環だけが知らない.あのホモホモ要員発言は思った以上に根深かったらしい.男性は思った以上にこういうのを気にするものだから,皆さんも身の回りの人を勝手にカップリングしてしかもそれを本人たちに伝えちゃだめですよ(苦笑).
結局課題のハルヒさんは別室検査という至極穏当な結論となり,ハルヒの性別を隠蔽するふりをして環を皆でいじめよう大会は無事に終焉を迎えたわけですが,まだここにはもう1波乱残ってました.さっき鏡夜が見つけて放置していた不審者が,警備員に捕らえられることもなくなんと特別男子保健室へと侵入.そこではちょうど着替え真っ最中のハルヒがいて,動転した彼はハルヒの口を塞ぎ…そんな危機に颯爽と飛び込み,変質者に見事なタマちゃんキックを食らわす環! 壁にめり込むのはいろんな意味でやりすぎな気がしますがまあよし!
そしてぞろぞろ参上する,我らだけのお姫様を守る奇人集団.毛並みがよくて顔が良くてお金もある上にハルヒさんが大好きな桜蘭学園ホスト部,ここに見参.…原作ではこの下りで蹴りを入れるのは別の奴なんですが,ここである程度かっこつけさせておかないと本当にただのヘタレで終わってしまうので,シャツをかけるシーンなど,全体的に環の株を上げる方向に補正が入っているみたいですね.もちろんこんな変人集団にいきなり立ちはだかられたらそりゃ誰だって怯えるもので,ついでにこの不審者は命乞いまで開始.ゲストの癖にノリいいなぁ.
彼の姓はヤブ.医者なのにヤブ.お人よしをこじらせて借金の保証人とかになってしまって最終的には激貧となった経営ベタのお人よし.借金まみれとなって家を出た妻と娘の後を追い,娘に一目逢うためにここに迷い込んでしまった気の毒な男.殿以外はあまりの情けなさに呆れる部類の物語.けれどどうしようもなくバカでお人好しな環は鏡夜に地図を用意して差し上げろ,と依頼.面白いけれど実に優しい男なのです.

ヤブ医者が再び家族に受け入れられるかどうか.それは周囲が決め付けることではなくて彼自身が確かめるべきことだと環は考えています.もちろん受け入れられない可能性の方が高いんだけど,だからといってその機会を自分から奪ったりはしない.実に彼らしい自然な寛容さの発露によって,ハルヒの中の環株は凧のように急上昇で大空へ.
ハルヒは身体検査の続きを受けるためにホスト部の連中に退室を依頼.それも,男子生徒として! うざいしおもちゃにするし金持ちだし嫌味だし,でも自分を守るためにここまでしてくれる人たちのことは,どっちかって言うと嫌いってわけにはいかないでしょう.ホスト部にいるのは食のためではなく「借金返済のためです!」と愛らしい笑顔を向けるハルヒ.そして….
画面の外に消えていくその後の変質者環出現のドタバタ.かわりに画面は青空へ.最後のドタバタをセリフだけでこなして余韻を持たせて…一気にエンディング.この流れがともかく素晴らしい! コマをそのまま映像にするのではなく,原作の大量の要素のうちから他人の目から見て本当に必要なものだけを選抜することこそ,原作に忠実ではないアニメの真骨頂ではないかと思いつつ,次回に続きます.

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デジモンセイバーズ#2

「お望み通りの素敵な環境?の巻」

ヨシノの所属するDATSの基地に重要参考人として連行されたマサルとアグモンは,アグモンをデジタルワールドへ強制送還せねばならないと聞いて逃げ出す.結局1人と1匹が逃げ込んだのはマサルの部屋.しかし寸詰まりでもでかいアグモンはマサルの家族にあっさり見つかり,その上マサルたちの居所はヨシノを通じてDATSに筒抜けなのだった.ヨシノは組織からアグモンの監視を指示されてマサルの家に勝手に居候を決め込み,マサルの部屋の人口密度は3倍に跳ね上がったのだった.

過去の栄光を重みとしながらもかなり面白い「セイバーズ」.マサルが馬鹿の上に超行動派でアグモンが物知らずのために状況が分かりやすくなっているのが素晴らしい.現段階の状況説明はごく表面的なものですが,具体的なところはこの先説明されていくことになるのでしょう.今回把握しておきたいのはデジモンは単独で悪さをするだけではないことと,デジチャージできる人材はどうも希少らしいということくらいか.
前回から続くプロローグはようやく終了し,ラストでは主役が主役のあるべき位置に入ります.この状況に話を持ってくるために少々ご都合主義の展開をしているんですが,その無茶な展開を越えるほどに主役の思考回路が滅茶苦茶なので目立たないというのはどうなんだろう(苦笑).

前回ラストで2枚の濡れ衣を晴らすことには成功したものの,やっぱり重要参考人のままなマサルとアグモン.なんせデジモンはここに来てしまっただけで犯罪.そしてヨシノたちが連れているデジモンたちは犯罪者を捕えるためのパトカーみたいなものなので特別にここにいるのだと知り「…そうかー」といきなり納得するマサル(笑).喧嘩馬鹿ではありますが,考えが極度に足りないだけで飲み込み自体はそれほど悪くはないらしい.手間はかかりそうですが,考える癖さえつけてしまえば意外といい線行きそうな気がするなぁ,
けれどまあマサルの素質とアグモンの処遇は別の話.隊長の薩摩は卵に戻した上でデジタルゲートを通じて強制送還という姿勢を崩さず,もちろんマサルはそれを受け入れることもできずまた逃亡….1話に続いて逃げ回ってばっかりだなぁこの主役ども(苦笑).その最中に前回釣り師のおっちゃんにもらったデジヴァイスをマサルが落として行ったことから,薩摩は彼が特別な素質を持つことを悟ります.
尻に帆かけて基地のある倉庫街から坂道を登り住宅街へと逃走するダンボールとマサル(笑).モンスターの見た目はどう見たって特殊だから,目立たないように箱を被せて引っ張るふりってやっぱり不審だ….マサルが目指すのは自分の家.この目立つ子分を匿ってついでに空腹をなんとかしてやり,さらに結局徹夜になってしまった自分自身も休息を取らねばならないからこそのセレクトだろうとは思いますが,もちろんバカなので,完全に個人情報を把握しているDATSが自宅だって当然知っている…なんてことは想像もしていないに違いない(苦笑).
ヨシノの言葉に反して割に好き嫌いのないアグモンは,締め切ったマサルの部屋でおやつ三昧.とりあえず子分の腹はなんとかしてやれたわけですが,匿う方はなかなかうまく行きません.まずは帰ってこなかったマサルを心配してきた母が部屋に襲来.どうやら過去には本当に警察のお世話になっていたために母からの信頼がこれっぽっちもないらしく(苦笑)そんなマサルが箪笥の中に押し込めた珍妙な風体で良く喰う上にちゃんと喋るし尻尾まであるでかい隠し事を隠し通せるわけもない.
どうも父親が留守らしいこの家庭は,父が帰ってくるまで親子三人なんでも隠さず話し合うということを約束していたご様子.しかしアグモンまで隠さずに話し合うことはさすがにためらわれ,ベランダに無理やりアグモンを押し出したらそこに来た妹に見つかりましたとさ.…このシーン,セリフの中であと1人いることを緩く匂わせたあとで直後に出す展開が無駄に凝っていて素晴らしい.ちなみにでっかいトカゲことアグモンは見つかってあわてて屋根の上に逃走し,今度は猫とご対面(笑).
妹が目撃してしまったでっかいトカゲ,これに母は「UMAね!」と実にマニアな叫びを上げます.子が子ならやっぱり親も親であり,怯えることもなく屋根に逃げた未確認生物への母の興味は増すばかり.この無謀な興味,確実に遺伝していると思われます.アグモンが見つかるのはヤバいと考えたマサルが逃がすために屋根に上がろうとしたら,上から猫と一緒にでっかいトカゲが落ちてきてそのまま巻き込まれて地面へと落下….2話にして2階の屋根から落ちる主役は,三の線を爆走中です.
屋根から落ちれば普通は病院送りなわけですが,運良くアグモンがクッションになってくれたおかげで気絶するだけで済んだ運のいいマサル.しかしこの状況は幸運ってわけでもない.なんせ目覚めたマサルが眼にすることになったのは,勝手にマサルの家庭に馴染んで飯を食っている子分と変な女の姿(苦笑).そもそもこの狭い家でアグモンを隠しきることなんか無理ってのはわかっていましたが,いやにあっさり家族バレしたなぁ.
もちろんデジモンの話には一般人には一切秘密であるはずですが,両手に串カツ掴んで離さないヨシノは隊長から現場監視を命じられたために居候を決め込む模様.ちなみに彼女が施そうとした「記憶処理」の実態については次回実例が示されます.
そして,ただの喧嘩バカに1日ぶりでようやく訪れた静かな夜.ただしマサルの部屋がヨシノとアグモンに侵食されてしまったように,マサルの喧嘩物語もまた超自然の存在によって見事に侵食されてます.ちょくちょく警察に捕まるようなリアルファイトの世界から謎の生物とともに謎の生物と戦うファンタジーへと強制トレードを受けることになった主人公.これは学園激闘伝から夜明けのなんとかにサブタイトルがいきなり変わるようなものなので,本人の納得が行かないのはもっともなことです(苦笑).

本人の意図がどうであろうと,次の日は勝手にやって来るもの.いかにも素行が悪そうなマサルですが学校に通っているようです.…こいつにとっての学校は,喧嘩の相手を見つけるためのバトルアリーナに過ぎないようですが….そんな尖った態度じゃ,学校で強敵とか宿敵とか仇敵以外の友達なんかできそうにもないなぁ(苦笑).
ここでも問題になるのがアグモンの存在.なんせUMAだから学校に穏便に連れていくことは無理なのかと思いきや,ヨシノがデジヴァイスの機能を説明してくれます.アグモンに向けてスイッチを押せば,あのでかい体がこんな小さなおもちゃの中に収納可能! 中の空間が一体どうなっているのかはわかりませんが凄く便利.ただし入れられた本人は狭いところが嫌らしい.閉所恐怖症?
アグモンは隠せてもヨシノの監視はどこまでも続く.プライバシー大侵害のこの状況は普通なら不便なわけですが,マサルの無茶な行動力の前には監視なんか割とどうでもいい.登校途中に妹の学校で騒ぎが起きているのを見つけて寄り道し,飼育小屋のニワトリやウサギが襲撃されているのを確認.しかもこれはアグモンとは別のデジモンの仕業.ってことは…「また思いっきり,暴れられるってことだー!」…いくらヨシノがついていても,ついてるだけで抑止力にはまったくなってないのな(苦笑).悲嘆に暮れる雰囲気を無視して必ずぶっ飛ばしてやるとか小学生に請け負うマサル.もうバトルできればなんでもいい雰囲気に陥ってますが,デジヴァイスから勝手に出てくるアグモンの特質は結構重要な気がするんだけどなぁ.
マサルの無駄な行動力は一切止まることはなく,今夜は小学校に不法侵入した上に小屋にオトリを入れて引き寄せる作戦開始.犯人は現場に戻り易いらしいですが,よりによってアグモンをオトリにするのはどう考えても無理が….しかも鍵までかけちゃってるし.アグモンとマサルの配置が根本的に間違ってるあたりが実に本作らしい.
どう考えてもザルであるこの作戦.しかしこのザルにわざわざ近づいて来る者が! …それは朝悲嘆に暮れていたはずの飼育係の小学生.ただしぼんやりとして様子がおかしい.飼育係なんかやりたくなかったとぼそぼそ喋る彼は何かに寄生されている.昨晩,学校のPCを経由してこの世界にやってきた闖入者が彼にとりついたことが全ての発端.無害そうな幼虫の姿ですが,やることがあまりにもえげつない!
てなわけで今回のバトルは愛らしいララモンと弱そうな幼虫型デジモンのバトルでスタート.なんせアグモンは小屋に閉じ込められたままなので(苦笑)脇に折角のチャンスを取られてしまうのです.しかしその弱そうな見た目に反して,両者の攻撃とも随分と本格的.バトル自体はララモンでは歯が立たないのでヨシノがサンフラウモンに進化させるものの,相変わらず緩い喋りであんまり強そうじゃないんだよな.どう見ても格闘向きじゃないんだけど,何か他に優れた能力でもあるんだろうか.
そして敵さんもこちらに合わせてしっかり進化.…なんか単体で勝手に繭つくって進化してますが,本来デジモンはデジソウルなしでも進化できるものらしい.となるとわざわざデジソウルが必要なアグモンたちはむしろ不便になっているような気がしますが,もし進化のトリガーが敵から与えられるダメージだとすれば,攻撃を受けなくても進化が可能なのは利点になるか.…何らかの蓄積が進化のきっかけになるってのは,アグモンたちも同じなんだろうか.もしそうなら,デジソウルなしでも進化可能ってことになるよな.
さて,繭の中から羽化したのはでかい虫型のデジモン.しかもしびれ粉を撒いてくるという蛾型モンスターらしい攻撃です.これにヨシノとサンフラウモンはやられてしまい,相手を進化させて戦線離脱という,お前らむしろ敵じゃねえかという状態に(笑).ここに残るはマサルと小屋から出られないアグモンのみ.今すぐ進化させて小屋からアグモンを出したいものの,進化させるためのデジソウルがない! 前回敵デジモンをぶん殴った時に拳に宿ったあの力がなければ,マサルもアグモンも勝つことはできません.
しかし,勝ち目がなくても目の前に立ち塞がる敵から逃げることは,マサルの喧嘩バカの血が決して許さない.敵をぶん殴れば例の力が手に入るなんてことはまったく知らないままで,弟分たちを守るためにあえて最前線へと出るこの姿こそバカの生き様! 「敵に背を向けて,逃げ出せるかよ!」と叫んで一発殴る! …こうして再び拳にあの力が宿り,それをアグモンに与えてジオグレイモンに進化させて形勢逆転! 同サイズとなった恐竜と蛾の戦いは恐竜の炎によって圧勝.そしてアグモンの閉じ込められていた小屋とか現場の遊具が全壊しました(笑).
この様子を見ていたのがマサルにデジヴァイスをくれた釣り師のおっちゃん.身分を隠しているものの,恐らくDATSでも一番偉そうな彼は,怒りの拳がデジソウルを生むか,と,バカにも状況が掴みやすくなるナイスなコメントを発した上に,その拳を振り回すには人間界じゃ狭すぎるだろうと見事に焚きつけます.今のマサルとアグモンにとっての一番のエサは,倒しても警察のお世話にならずに済むとびっきりの強敵.それは,デジモンの世界にこそ待っているのです.

かくして見事乗せられたマサルとアグモンはDATSに出頭した上入隊を志願することに.前日には絶対ありえない状況だったはずですが,これでアグモンも強制送還されることはないし,ヨシノの監視も外れることになりますね.…ただし,普通に戦うだけでも被害甚大なこいつらを野放しにするのは危険なので,この組織にとってめでたいのかどうかはわからない(苦笑).このようにして喧嘩バカの主人公たちは,強い奴らと喧嘩し放題の素晴らしい環境を手に入れたわけですが,この問題児たちは本当に組織の中でやっていけるのか.次回に続きます.

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機動警察パトレイバー#2

「効き過ぎる薬はやはり毒?の巻」

太田以外は促成栽培の隊員ばかりの特車二課第2小隊は,奥多摩の警察学校分校で2週間のレイバー研修を受けてついに最終日.訓練の締めくくりとしてレイバーを使った模擬戦を行うことになる.第1小隊の隊長が特別参加し,お偉いさんも見に来て今後のチーム編成にも影響するという大事な模擬戦.そこにシードとして加わったのは,ニューヨーク市警察から特車二課に研修にやってきた凄い美人,香貫花クランシー巡査部長だった.

往年の傑作「パトレイバー」も2話ではまだプロローグの続き.1話で野明,2話では香貫花が入り,落ちこぼれの第2小隊はどんどん華やかになっていきます.…まあ,落ちこぼれの方はあんまり改善されないんだけどね(苦笑).本作のロボットは車や土木機械の類の一種なので乗ること自体には特殊な意味はないし,主役たちもあくまで警察であって超一流の才能を持つレーサーではない…つまりそんなに特殊な存在ではないってところが本作のミソ.視聴者とロボットのいる架空世界の距離がこれほど近いリアルロボットものは実に珍しい.

前半.新機種と新隊員が入ったのがきっかけになったのか,第2小隊は奥多摩の緑溢れる山奥の分校でカンヅメ研修を受けております.木造の相当レトロなこの分校は,まさに廃校寸前の小学校のたたずまい.そこで練習用のレイバーたちがひこひこと運動してるのが妙にマッチしています.で,そんな不思議な時間の流れる空間にヘリでやってきたのが…彼女こそ,本作動画部門のとっても危険な綺麗どころ.
またメインキャラが増えるとも知らない第2小隊の一同は実に騒がしく朝御飯.人外魔境での2週間の苦行が終わるうれしさに加えて,研修最後のプログラムとなるレイバーを使った模擬戦も気になるところ.そして窓越しの,新たな登場人物による豪快で限界まで機体を酷使する機体さばき….あの過激な感じこそ実に彼女って感じがするな.ちなみにここで進士が太田に魚を取られていますが,その復讐は後半で果されますのでお楽しみに!
あの美人誰だ何しに来たってなわけで隊員たちは大騒ぎ.模擬戦とかどうでもいいくらいに知りたいのは隊長の横に立つ彼女のこと! ニューヨーク市警察から半年の研修に来た香貫花クランシー巡査部長.ストレートの長髪に切れ長の目.怜悧でやや酷薄な印象すらも受ける笑顔.知識にもレイバーの操縦技術にも優れ…ただしちょっとばかり強引で,そして相当過激の上に無茶苦茶(苦笑).太田は階級に弱いのと生真面目の両方で彼女のピンヒールの下に敷かれることになりますがこれは先の話.
模擬戦の会場は当然分校の校庭.お偉いさん方もいらっしゃるということで隊員たちで会場設営.このトーナメント戦が今後の配置にも影響してくるということで,もう絶対に乗りたい野明は気が気ではありません.なんせ遊馬の言うとおり,データ蓄積型のイングラムはパイロットの癖がつくから滅多なことでは乗り替えられない.もちろん他の奴が絶対にその機体に乗れなくなるわけじゃないけれど,本来のパイロット以外には大変に扱いにくい設定となる可能性が高い.ゆえに乗りたいならば一発いいとこ見せるしかないので,イングラムにマジックで「あたしの」とか自分の所有権を主張したって何の役にも立たないぞ.むしろ「消しとけ」とかさらっと言われるばかりだぞ(苦笑).
かくして東京の秘境の校庭に,テントとホワイトボードとパイプ椅子,そして練習機とイングラム2機と沢山の警察官が揃います.教官が評して曰く「凄い才能を秘めてるんだか,ただの落ちこぼれだかさっぱりわからん」第2小隊の卒業式は,5人の隊員+2で行われる勝ち抜き戦.第2小隊とは根本的に違う第1小隊の隊長,五味丘が参加する上に,例の香貫花までもトーナメントに参加.
トーナメント1回戦の対戦組み合わせは,野明対遊馬,太田対進士,山崎対五味丘,そして香貫花がシード.…五味丘のポジションがどう見ても噛ませ犬なのが既に気の毒だ…(苦笑).準決勝までは練習機で戦い,決勝のみイングラムを使用.かくして訓練の成果が本当に出ているのかどうかよくわからん様々な試合が繰り広げられることにまりました.野明は「あたし絶対負けない!」と意気込んでますが,果たしてどこまで勝てるのか?

後半.第1試合はいきなり野明対遊馬.恐らくは後藤隊長がマッチメイクしたこのトーナメント,表の左側に搭乗候補,右側にそうでない者を集めたようなので,この段階では両名ともパイロット候補.…でもこの模擬戦は実に無駄たっぷりで遊んでいるようにしか思えない.「ちょこざいな小僧,名を名乗れー!」「小僧じゃない,お姉さんだー!」とか叫んで練習機でチャンバラ.本当にこんなんでいいのかと,見に来たお偉いさんは絶対に深い疑問を抱いたはず(苦笑).
勝負の行方についてはしばしの戯れの後篠原機が急に足元を崩して自爆し泉機の勝利.突然足にガタが来たとか遊馬はいろいろ言い訳してますが,後藤から見ればわざとコケたことはモロばれ.大してレイバーにも乗りたくないし,相手の野明がやたら乗りたがっているということで遠慮したようです.ちなみに遊馬はイングラムを製造した篠原重工社長の御令息.大変に父親と仲が悪く,ハメられてこんなところにいるという事実でもおなじみです(笑).
わざと順当な結果となった第1試合と違って,とんでもない展開を見せたのが第2試合の太田対進士戦.関係者席には進士の愛する妻である多美子さんが黄色い声を張り上げてダーリンを応援しているわけですが,これが独身の太田の気に障った様子.試合でも合図も待たずにペイント弾で銃撃し,どんな手段でも勝てばいいと豪語しバカ笑いする太田のわがままぶりに…進士の眼鏡がきらりと光ってキレました!
愛する妻の前で反則で恥をかかされ,「何がそんなにおかしいんですかー!」と完璧にぶち切れて太田機を圧倒してしまう進士機.強いのはいいことなんですが,コントロール不能になってるのが人の命を奪いかねない危険な道具を扱う人間として絶対に失格.見に来たお偉いさんたちはもちろんこの惨状に呆然としたはず.でも切れるとおっかないことが判明したのは,今後組織を運営する後藤にはいい成果だったかもしれない.
続く第3試合のひろみ対五味丘はひろみがコックピットに入らなくて不戦敗.…一体これまでの2週間,ひろみは一体どんな訓練を受けてたんだろう(笑).実は時間をかければ乗れるけど,それまでに日が沈むから不戦敗とかそんな感じ?
続くは準決勝.まずはパイロット選定に関しての事実上の決勝戦となる野明対太田戦.これは太田が銃を撃つことにこだわるのを察して火力を封じ,狼狽したところをすかざず倒し頭部を潰して野明の勝ち.…模擬戦なんだから寸止めでいいような気がするんだけど,電磁警棒でちゃんと壊している野明も手加減がありません(苦笑).お偉いさんは,こいつら金かかりまくって洒落にならないかもと深い不安を抱いたに違いない.修理にかかる金額を考えると真上の衝撃に弱いとかどうでもいいもんなぁ….
こんな感じで壮絶かつ無謀な戦いを繰り広げる第2小隊の連中に対し「下品です!」と香貫花.凛とした一喝とともに出て行った彼女と五味丘の対戦は.下馬評に反して香貫花の圧勝! 各種格闘技有段者すらも一瞬の一本背負いで沈めるという香貫花自身のスペックの高さが如何なく発揮された格好.本編全体を通し,はみだし者揃いの第2小隊の特殊性を際立たせるために第1小隊の存在があるわけですが,折角の各種段位ももちろん噛ませ犬の箔としてしか機能しなかった五味丘が可哀想だ…(苦笑).ここで隊長が香貫花を欲しがるしのぶさんに「あげない」をやってますね.これは繰り返しのパターンとして今後時折出てきます.
機体はほぼ同じで出力も同じ.しかし搭乗者のスペックが段違いな決勝戦.もはや燃える心とかではなんともできないこの状況,香貫花には勝てないと落ち込む野明に,遊馬は「知恵と勇気」の言葉を授けます.状況を自分では選べないし逃げられないという厳しい仕事柄,どんな辛い状況でもベストを尽くさねばならない警察官だから…「知恵と勇気でしのげ,なんとかなる」.知恵と勇気は本作のテーマの1つ.大変に曖昧で具体的にはわからん標語ですが(笑)しかし味方になるのがこの標語1つのみという大変厳しい状況も時には訪れたりするのです.
イングラムを使用した決勝,野明対香貫花.ここで遊馬が勝手に肉声で野明に指示を送ってるところが,この先のチーム編成に確実に影響を及ぼしたんでしょう.もちろん野明の着任以前は太田のバックアップをやっていたから,職業病がつい出てしまったってのも半分くらいは混じっているのかな.
しかし,外部からの指揮があっても香貫花はあまりにも完璧.向こうから積極的に仕掛けては来ないんですが,電磁警棒があっさり飛ばされるわ,むしろ払われて間一髪のバランスでなんとか維持するしかないわと一杯一杯.ほぼ初期の学習段階であれだけ重心の高そうな機械があれほど崩されても倒れないところは,間違いなく篠原重工の手柄ではないかと思います.
銃が抜けないどころか思った通りにすら動くこともできず,上手過ぎる香貫花の前に野明はろくに仕掛けることすらできず膠着状態.仕掛けてはこないので睨み合いがひたすらに続き,精一杯頑張りつつも激しく消耗しながら明らかな窮地へと落ちていく.格上相手の長期戦は自爆以外の何物でもないことは,今更言うまでもないでしょう.
決定打のないままに日は陰り,偉いさんたちも勝負が見えたので帰ってしまい,隊員達すらいいかげん終わってくれよとぐったり来ている日暮れ.知恵と勇気の意味がわからんと野明は今更ながらに文句を言い,「ぶわーっと行け! ぶわーっと!」と遊馬がまた適当なコメントを返す(苦笑).まあ,このあんまり考えずにぶわーっと行くというのも本作のテーマの1つではありますね.
無駄なお見合いではちゃんとバッテリーを温存してきた香貫花に対し,野明側のバッテリーはもう限界.余裕を持ってついに香貫花機が仕掛けるも,それをカウンターで必死で固めた…はずが,詰めが甘い.勝者はバッテリー残量の十分な香貫花機.いくら一時的に圧倒しても最終的に相手の動きを止めなければ逮捕はできない.敵も味方も無限の動力を持たないからこそ,レイバー戦ではペース配分が大変重要となるのです.

かくして実に長い1日と2週間の研修が終わり,今後の編成が発表されます,1号機のフォワードが野明でバックアップが遊馬.キャリアがひろみ,2号機のフォワードが太田でバックアップが香貫花,キャリアが進士.1号機は模擬戦の結果を素直に反映していますが,気になるのは太田がフォワードに残留した2号機側.これは指示の都合なんかではなく,香貫花の半年という任期を反映した人事です.
そしてたぶん後藤の頭には突出しやすい太田とキレたときに困る進士を香貫花で牽制するという意図もあったんじゃないかと思うんですが,「楽しい半年になるわよ?」とにやりと言っちゃう彼女自身も火薬庫.…毒をもって毒を制す心意気なのかもしれませんが,むしろ毒を増している(苦笑).真面目な第1小隊では使いこなせないようなある意味凄い人材が揃い,ようやく本作らしくなってくる次回に続きます.

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デジモンセイバーズ#1

「喧嘩はいつでも命がけの巻」

人が暮らすこの世界に憧れて逃げ出した別の世界の生物は,海の見える公園で天下一の喧嘩番長に出会った.相手が強ければ人数どころか種族すら問わない喧嘩バカの大門マサルは,異世界からやってきた謎の生物と素手の喧嘩を繰り広げ,ついにはその生物を自分の子分として従える.謎の生物ことアグモンは変な女に追われていて,マサルは子分を庇って逃亡.しかしひどく腹を減らせたアグモンが食べられるのは特定のエサだけだとその変な女に教えられ,仕方なくマサルは変な女の基地にエサを貰いに出向くのだった

このサイトにとってはずっとおなじみであった「ガッシュ」の後継作品となる「セイバーズ」.「デジモン」シリーズは90年代終盤から00年代初頭を代表する東映のキッズ向け傑作シリーズで,特に当時小学生だった少年たちには多大なる影響と共有できる世代の記憶を残した作品です.前シリーズは連続して数年を走り,コンテンツとして息が切れたところで「ガッシュ」に代わり,そして3年を経て再びここで復帰したわけですね.
キャラデザインなどは一新していますがモンスターデザインや基本的世界設定に関しては旧来と同じ路線で,あえて大看板を背負って立つご様子.当時は漫然と飲み込んでいた小学生が口やかましい中高生になっていることがいろんな意味でおっかない気がしますが(苦笑)本来卒業していて当然な連中にはあえて媚びず,しかしただのアニメとしての完成度ではなく,栄光ある「デジモン」シリーズに名を刻める物語をぜひ追求していただきたい.
てなわけで1話は…冒頭の斬新具合がすげえなぁ(笑).わざわざ前に出すぎる主役というのはなかなか珍しい逸材なので,ぜひ陽性の主役として,決して挫けることなくどこまでも拳をふるいまくるといいと思います.さらに主役が凄まじい行動力で圧倒するので見逃しがちになりますが,ちゃんとあちこちに繊細な伏線が張られている感じです…これ,時間はかかるだろうけど先々いい感じに転がっていきそうな気がするな.

この世界とは別の世界からやってきたモノたちが人間社会にちょっぴり異変を起こす時代のお話.別の世界をデジタルワールド,そこに住むモノたちをデジタルモンスターとかデジモンとか言うんだけどまあ細かいことは後でやるから置いておこう.物語はデジモンを捕まえたりしてる施設から,仮称ラプター1が脱走したところからはじまります.ラプター1を追いかけるDATSという組織は完全な秘密組織ってわけではなく,エージェントの権限は封鎖している警察よりも強いご様子.現実の各種組織と一体どんな連携してるんだろう….
舞台は横浜の港湾地区.ラプター1を追う藤枝ヨシノは見えない相棒とともに移動中.彼女が見たのは公園で倒れ伏す被害者ども.それにこの惨状の中で生き残ったらしい紅いジャケットの少年が,仮称ラプター1と交戦中っていうか喧嘩? 目の前のなんだかよくわからんモノに真正面から喧嘩を売るこの少年は,自称日本一の喧嘩番長,大門マサル…いくら東映でも,この時代にか(苦笑)?
行動が異常過ぎるこの少年に対し,ラプター1の方も妙にノッてしまっておかしなことに.一介の民間人がモンスターと素手で戦闘するのは,モンスターを管理する組織からすれば悪夢のような光景のはず.一歩間違えば死んでもおかしくないですからね.しかしそんな危険から一歩も引かずに男と男の戦いを繰り広げるマサルの神経がよくわかりません.ド偉く太いのか,あるいはとっくの昔にブチ切れてしまっているのか….
てなわけで頭の悪い民間人と同じくらい頭の悪いラプター1のタイマンは気迫で続行! クロスカウンターの画の頭の悪さが素晴らし過ぎる(笑).パンチを完全に見切ってみたり即座にキックで反撃してみたり.お互い種族に対しての疑問を欠片も抱くことなくリアルファイトに勤しむ2人…ただし,ここでマサルのパンチがラプター1にダメージを与えているのは,それなりに特殊な才能らしい.
結果,太陽が落ちるまで拳を握り殴り合って,傷だらけのーままでやるじゃん,となんか友情が芽生えてしまったラプター1改めアグモンと大門マサル.互いに一人前の男として認めあった2人はそのまま流れで兄弟の契りを結びます.マサルが兄でアグモンが弟.前作が電脳世界に対する洞察をベースにした割と理系の作品だったのに比べると,本作があまりにも違いすぎるのが異様におかしい.…これは旧作の知識がないと笑えないかもな.
ようやく事態が沈静化したところでついに介入してくるのが,呆れて見守ってしまったDATSのヨシノ.彼女はララモンという彼女のモンスターをどこからか呼び出し,アグモンの確保にかかろうとします.彼女たちに捕まると処分されてしまう.これは子分の大ピンチ! ゆえに兄貴は2体のモンスターの攻撃が激突した隙に弟分を連れて逃走.バトルバカですが意外と面倒見のいい男です.
一人と一匹が逃げ込んだのは横浜の名所の1つである某灯台.夜になっても外は警察がうろうろしていて,ろくに出歩くこともできない.さっきマサルの子分になった寸詰まりの間抜けなモンスター,アグモン自身にも施設から逃げてきた以外の心当たりもなく…けれど兄貴は決して弟を見捨てない.乗りかかった船は,たとえ泥舟だろうとなんとかするのが男の心意気!
そして子分の腹具合だって,何とかするのが兄貴の心意気.なんせマサルはモンスターからすればうまそうなため(笑)このままでは理性を失った弟に食われかねない.お尋ね者の子分とついでに自分の危機を救うべく食料調達に出かけるマサル兄貴は,「絶対そこを動くなよ!」と弟に厳命した上,コンビニへと買出しに出かけます.
ところであの変な生き物は一体何を食べるのか.よくわからないのでとりあえず食い物をいろいろ買ってみたマサルの籠に,勝手にコーヒーゼリーを入れてくるのがさっきの女.彼女はただコーヒーゼリーを堪能しに来たわけではなく,完全にマサルの個人情報を把握した上でラプター1についての自供を求めにきたご様子.彼女はDigital Accident Tactics Squadの隊員で,ついでにアグモンに食えるエサはDATS基地に行かねば手に入らない.…つうかお前,あれをカエルと間違うのにはかなりの無理が…(苦笑).

以上のような成り行きでマサルを連れて謎のDATS基地に戻ったヨシノ.マサルが目にしたのは実にSFのセットっぽい基地と,人間たちと一緒に働く子分と似た感じのデジモンたち.隊長は貫禄あるおっさんの薩摩さん.でも首に小さいデジモン,クダモンを巻いているので.たぶんそのまま外に出ると一般人は即座に離れていくんじゃないかと思います.
この組織が人間とデジモンが手を取り合ってデジモン犯罪に挑む組織であったり,この世界ともう1つの世界の壁が崩れて調和が乱れそうであったりとかはもうどうでもよく,マサルが欲しいのは子分のエサのみ.けれどそのエサは子分を捕まえるための協力と引き換え…ってな理論は当然気に食わない! どうも子分の類は人を傷つける危険な存在らしいけど,だからって頭ごなしに押さえつけるのは勘弁ならない!
兄貴としては弟分を自分が売ることはできない.アグモンは何もしていないとマサルは信じているし,こっちに憧れて出てきた田舎モノを何も聞かずに強制送還だっておかしい.だから協力はしないけど暴れないようにはするからエサはよこせ!というのが結論が…気持ちいいくらいに筋の通ったわがままだなあ(苦笑).
そこに急を告げる報せが.埠頭近くのハンバーガーショップが謎生物に教われたという連絡に,そりゃあれの仕業だろうとマサルは責められてしまって早速真偽を確かめにいくことに.さくっと移動して隠し場所に行くものの,そこにはアグモンの姿がない….で,ここのマサルの思考パターンが実に面白い.逃げた弟分が悪いのではなく,ついてなかった自分が悪いと即座に自罰している.これは相当の親分肌でしかも自分に対する理想がかなり高いタイプみたいだ.このタイプ,勝手に自分で重荷を背負って最後には動けなくなることがあるんだけど,この先大丈夫か?
夜を揺るがす爆発音,明るく舞い上がる火の粉.弟の仕業かとあわてて現場に出るマサルが狼藉を止めるために叫んで呼んでいると…あんまり雰囲気読んでない感じで間抜けなアグモン登場! 食べ物探してゴミ箱かぶって抜けなくなった…って,お前は野良犬か(苦笑).
主役としてゴミあさりはどうなのかってなことはさておき,今ここで起きている事件は冤罪.真の下手人は炎の鳥型モンスター,コカトリモン! 着せられた濡れ衣にはしっかりお返ししなきゃいけないし,その上相手は無駄に強そう.マサルが見上げなければならないほどの巨大な凶鳥は…きっと彼が出会った中でも,ぶっちぎりで強そうな喧嘩相手だ(笑)!
巨大な鳥モンスター対バカ少年&小さいモンスター.普通この状況で組みつきに行く奴はどうかしているわけですが,マサルはどうかしているので迷わない.アグモンもちゃんと兄貴を小さな炎で援護.悲しいくらいにフォーメーションがおかしい…(笑).強いモノに挑む快楽に正直なバカは「男の喧嘩は常に命賭け!」と凄く頭の悪い主張全開.でももしこのテーマで最後まで貫けたなら,本作は実に珍しい作品になるはずです.
運悪く爆発にやられてアグモンが吹っ飛び,兄貴は弟の側にあわてて走ります.倒れたアグモンの姿に怒りをほとばしらせるマサルの拳はコカトリモンの頬に見事ヒットする…だけでなく,これまで感じたことのない奇妙な感覚が波紋のように広がって,拳に宿り….
この拳に宿ったなにかこそ「デジソウル」.そしてたまたま居合わせた釣りのおっさんの導きにより,拳のデジソウルをデジヴァイスでアグモンに与えてデジタルチャージで進化! この下りの詳しい説明については次回以降をお楽しみに.原理は不明ながらもアグモンはでかいジオグレイモンとなり,コカトリモンを焼いて倒し,卵に戻したのでありました.

折角かっこいい恐竜型のでかいモンスターになったのに,すぐに縮んで間抜けな弟分に戻ってしまうアグモン.彼はすっかり腹が減っている上に無実で潔白.ハンバーガーショップを襲った奴はさっきの化け物で,さらに公園で不良を倒したのは…やっぱりマサル(笑).まあ,このようにして,この手の召喚モノとしては実に珍しい,成り行きや愚かさではなく,はっきりとした意志で最前線に出て行く召喚士が誕生したのです.
結果的に最前線でひどい目に遭う召喚役の主役はよく目にするし,マサルのような突出するバカは脇役としてはよく目にします.しかしこの完全な脇役属性を主役に据えるには,これまでの蓄積だけではきっと無理のはず.ではマサルは一体どんな手段で,この先主役になっていくんだろうか….うまく回ればいい熱血具合の娯楽作になるはずと楽しみにしつつ,次回に続きます.

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桜蘭高校ホスト部#2

「沈んだ日々をティッピングの巻」

罪なくして800万の借金を背負わされた上にホスト部のホストとして働かされることになった藤岡ハルヒ.女性ということを秘密にして,ハルヒは生来の天然ぶりで女生徒たちを魅了していく.そんなハルヒを見初めて贔屓にしてくれた,ホストとっかえひっかえ病でおなじみの春日崎先輩.ダンスを知らないハルヒに付きっ切りで教えてくれたりと彼女はハルヒにべったり.けれど彼女の本当の心は,ホスト部の美少年ではなくホスト部の備品のティーカップに向いていた.

今期のコメディでは最も贅沢でハイレベルな映像を拝むことができそうな「ホスト部」.ここまで作り手が全力でやってくれれば,きっと原作ファンのお嬢さん方も大満足じゃないかと思うんだけどどうだろう? 個性溢れるレギュラー連中はパーフェクトな1話で一応ご紹介されたわけですが,今回はまだまだ説明の足りないホスト部という団体の実態について実例を交えつつご紹介.すっかりハルヒに惚れてしまった環の異様な言動とかハルヒの女装?とか凄いラブレターとかラストのサプライズとかチェックポイントはいろいろあるものの,一番の見所はもちろん「大トロ」であることは疑いようもありません(笑).

前半.桜が花開くのを待つころに,ハルヒの才能が第三音楽室のホスト部部活で花開くことになりました.金と暇にものを言わせて豪奢極まるホスト部の今回のテーマは南国.まだ肌寒い春だってのに空調全開で本場から空輸した数々の南国アイテムを飾り倒すという金持ちならではの贅沢.…まあ,かけた金額がそのまま店の格になるし,派手な企画を途切れなく提供することでリピーターを増やすこともできるし,投資した金額以上にお姫様たちから絞り上げればいいわけだし(笑)…って,環は考えてないだろうけれど鏡夜は絶対計算に入れてるはず.後に蛇がいたりするものな.いい男は着膨れなんかしないもんだと愚かな王は絶好調で,そんな環のバカコメントにドン引きのハルヒ.姫でない彼女にすれば殿はやっぱり寒い珍獣以外の何者でもないようです.
ホスト部の活動はお暇なお嬢さんたちの退屈を潰し満足させて差し上げること.そのためならばどんな恥ずかしいこともあえてやっちゃうのがホスト部の心意気.そんな心意気を最も体現しているのは,わざわざ兄弟ホモというシュートな芸を惜しげもなく披露する双子じゃないかと思います(笑).ハニー先輩は3年のはずなのに相変わらず反則で可愛く,寡黙なモリ先輩とのコンビも絶妙.さらにお客たちも南国ゆえの半裸の露出も相まっていつもよりハイテンション.きっとチップとか思いっきり儲かってるんだろうなぁ.
てなわけで男性陣は半裸が制服であるわけですが,生物学上は女性であるハルヒはさすがにあんな格好はできないし,それ以上にバカとペアの女性用衣装なんか人として着るわけにはいかないし(笑).季節感を大切にするという名目で制服姿で勤めるハルヒ.すっかりハルヒにハマっている姫様方を「夢があってかわいいですね」などと実に天然な態度で魅了します.思ったことを恥ずかしげもなくそのまま口に出してしまううかつさが,完全にいい方に働いているあたりがお得です.
そしてそんなハルヒに目をつけたのが今回のヒロインである春日崎嬢.ホストクラブは特定のホストを一度指名したら決して替えないのが基本なんですが,彼女はホストを次々取り替えるという悪癖の持ち主.で,直前に指名されていた環は春日姫を取られて納得いかずに落ち込んでいるのか…と思ったら,殿の悩みどころは随分と明後日の方向にありました.部活後に庶民ラーメンを食いながらくじける環はハルヒに「ちゃんと女の格好をしろ!」となんだかとっても今更なことを主張.ハルヒが女性であることに途方もないダメージを受けた殿は,お父さんとして娘さんには娘さんらしい格好をしていただきたいらしい.
在りし日のハルヒさんの美貌を勝手に引き伸ばして金縁の額装まで施す殿.そして自分を「俺」と呼ぶハルヒに汚い言葉を使うなと泣く殿.その壮絶な過保護っぷりは父親ゆえに許されるらしいですが,当然彼はハルヒの父親なんかじゃないしお母さん役の鏡夜に至っては既に性別すら合ってない…(苦笑).折角のきれいな長い髪を子どものくっつけたガムのせいでばっつり切ってしまったハルヒ.一応,そういうときは氷とかで頑張って冷やすと活路が開ける場合が多いらしいよ?
いくら自称父親の殿が嫌がったとしても,ハルヒは借金を一日も早く返すためにもホストをやめるわけにいきません.ただしこの格調高い?ホスト部でホストをやるなら,社交ダンスくらい踊れなければ話にならない.奇しくも来週はホスト部主催のダンスパーティがあるということで,いきなり環に1週間でワルツをマスターしろできなければバラす!と突きつけられてしまうハルヒ.さすがに無理?という難題だったはずなのに,翌日どんよりとしたのはやっぱりハルヒではなく環.お得意様である春日姫がダンスを教えてくれることになり,たどたどしく初々しいハルヒのファーストステップは環ではなく姫のものに….ハルヒへのアピールがことごとく裏目に出てしまう環.世間ではこういうのを『相性が悪い』と言うはずです.
練習も喜んでつきあってくれる,ちょっぴり大人の魅力な春日姫.彼女が夢中になるのはハルヒ…とジノリのカップ.西洋食器を扱う者にとってジノリは超メジャーなメーカーの1つ.PCで言うなら普通のカップがノーブランドのパーツを寄せ集めた廉価な自作機だとすれば,ジノリクラスは国産メーカーのハイエンドモデルを想定していただくとわかりやすい.もちろんそんなものとは縁遠く暮らしてきたハルヒにはその凄さはわからないけれど,春日姫がやたら食器が好きだという程度はさすがにわかります.
けれどこの他愛もない指摘にやたら動揺する春日姫,その上この場に加わる新たな登場人物によって,彼女の真実が割と明らかになります.ホスト部に新しいティーカップを届けに来た珠洲島君.ホスト部の綺羅綺羅しい面子には及びもつかない地味っぷりですが,彼もまた食器輸入業ではシェアトップの一流企業の御曹司で来月にはイギリス留学までご予定.…そんな彼の存在に奇妙に暗くなってしまう春日姫.心の中,彼女は動かないコーヒーカップの中にひとりぼっちで,寂しい.
女の子の異常を敏感に察するのはいい男の大切な資質.ここでハルヒだけでなくいかにも鈍そうな環までもがちゃんと反応しているところが,彼の意外と(笑)まともな才能を示しているような気がします.なんとさっきの珠洲島君と春日姫は幼馴染で親が決めた許嫁同士.しかもお互い意識しまくっていたからもっとうまくいってもおかしくないはずなのに,春日姫はホスト部三昧というこの状況は由々しき問題.この部が女の子を幸せにするために存在する限り,彼ら,特に環は介入しなくちゃならないのです.

後半はハルヒさんの見所満載.前半冒頭ではかたい蕾であった桜も咲き揃った一週間後の夕刻.ホスト部はお約束のとおりに子羊ちゃんたちを集めてダンスパーティを開催.本格的なオーケストラまで揃える夜会は実に豪華.ちなみに今宵のダンスクイーンにはキングのキスをプレゼント.基本的に誰からでも愛される環だからこそ競う価値のある賞品になるわけですね.まあ,肝心のハルヒには絶不評みたいなんですが…(苦笑).
ごく一般的な庶民であるがゆえにこの場からぽっかりと浮かび上がるハルヒ.ダンスパーティと言えば盆踊りくらいしか思いつかない彼女の場合,この場にいるだけでもなかなか辛そう.しかし,そんな彼女の興味を誘ってやまないのが金持ち料理.普段の活動では飲み物とか軽食中心だろうから,ここまで本格的なご馳走が並ぶのはきっと珍しい.普段食えないようなものもいただけると聞いたハルヒさんの「…お,大トロとか?」というコメントが切なくてたまらねえ(笑)! 超絶キュートなコメントは他のホスト部全員の庇護欲を煽りまくり,別に可哀想でもなんでもないはずのハルヒにとっては実に迷惑.
さて,このダンスパーティは特定のあの人を幸せにするためのもの.それはまだ大トロを食べていない壁の花のハルヒではなく,そんなハルヒと踊りたい御贔屓の姫様たちでもなく,あの食器好きの春日姫.彼女がこの会場に姿を見せたところから今回のミッションがスタート.ハルヒはホスト部によって強奪され,崇高なる計画のために(笑)女生徒の格好に着替えます.…服装的にはむしろ正常な方向に変わっただけ.けれど普段が普段なので関係者間,特に殿には倒錯した魅力がたまらない.とはいえそのあたりの事情をまったく知らない人から見れば,ただの見知らぬ美少女に過ぎないわけです.
てなわけで歩きにくい美少女ハルヒさんは珠洲島君と夜の教室で対面し,その本心を聞き出すことにします.…勝手にハルヒさんが珠洲島君に手紙を出して呼び出したことになっていた上に,その文面が物凄くダメでどうしよう(苦笑).鏡夜と双子が合作した『ラブラブゥゥ』とかからはじまるものごっつい痛いお誘いの手紙.こんなショッキングピンクを読まねばならない坂本氏の苦労が偲ばれます.
で,こんな恥ずかしい思いをしたのに,珠洲島君は美少女の申し出をお断り.彼にはやっぱり好きな人がいて…しかし愛想をつかされていると勝手に思い込んでいる.その割に自分の留学の間は待っていて欲しいだなんて,相手に伝えもせずに願っているだけの珠洲島に対し「…それは本当に勝手ですね」とあっさりぶったぎるハルヒ.思っていることを伝えもしないでわかるわけがない.特にタイムリミットが迫っている今には先延ばしの猶予はない.今変わらなければ,もうチャンスなんかないはずだ.
そんな変化のチャンスをわざと作ってあげるのが今回のホスト部のお仕事.ハルヒが珠洲島をぶったぎっているその頃に,殿も春日姫に真実を知らせるために活動中.わざと引いて見せて相手を引き寄せようという戦略は,相手に相応の積極性があってはじめて成立するもの.相手にはそこまでの積極性がないことを見抜けない春日姫は間違いなく駆け引きとか向いてない.彼女の心は未だに,留学を勝手に決められたあてつけに通った華やかなホスト部よりも,幼い頃からの思い出が注がれたティーカップに惹かれている.
環に連れられて来た春日姫が見たのは,謎の美少女と珠洲島が一緒にいる様.当然のように誤解して泣いて離脱する春日姫に珠洲島は泡食って追撃をかける! 彼らに足りなかったのはタイムリミットの自覚.ずるずると時が過ぎて何もかも手遅れになる前に,ちょっとした波風を立てて促すというのが王の采配で,決して考えなしにこじらせたわけじゃないのです.

春日姫を桜満開の中庭で捕まえた珠洲島.2人に当たるスポットライト.美しく整えられた舞台の中心で,観客たちに見守られながらの春日姫と珠洲島の麗しのラストワルツ.そこで「君が好きだ!」と珠洲島は精一杯に告白し,花が散る前に想いを伝えることに成功します.今夜の主役はこのじれったい2人.一緒にコーヒーカップの夢に乗ることになったこの2人,ハッピーエンドで終了してしまったから…ハルヒの指名客が一人減ってしまったような気がするけれど,まあいいや!
今夜のクイーンは当然春日姫.けれど祝福のキスは借金3分の1カットの条件で殿からハルヒさんにアクシデントその1として変更.女の子同士だしどうせ頬だし…と受け入れてしまうハルヒさんの大雑把さは,環にとっては実に憎いものであったに違いありません,しかもハプニングその2は環自ら頬へのキスを唇に方向修正するという,もういろんな意味でいたたまれないものであり…(笑).
ファーストキスを女の子にするハメになったハルヒが割と落ち着いているどころか気分がいいのに比べたら,殿の今夜の落ち込みっぷりが大変に楽しみ…いや,心配か(苦笑).こうしてわざと他人の時を進めてあげたホスト部ですが,そのホスト部の中の時間はこの先どんな風に進むんだろう.次回に続きます.

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4月開始新番組チェック・2

春だけどさすがに花も姿を消した昨今,皆様いかがお過ごしですか? 自分は…いつになったら暇になれるのやら….こんな時はどうしても心がささくれるものですが,福山潤がひどい目に遭わされている作品を見るとなぜか心が休まります(笑).確実に変な方向へと芸風を広げている彼の行く末が大変に楽しみです.
さて,新番組感想まとめの続き.前回書いた新番組は比較的普通に面白い作品が多かったんですが,今回分の新番組は個性派揃い.中でも今期ぶっちぎりで珍妙なオーラを放つ「きらりん」や「ラブゲッCHU」に関しては,このあからさまな地雷をわざわざ踏む勇者が出るかどうか,感想書きのセレクト具合もある意味見物です.…自分っすか? いや,さすがにアレはちょっと….

△→△ スパイダーライダーズ ~オラクルの勇者たち~
今期フル回転中の真下関連作品…だけど,自分は石山氏目当てに見ているので一刻も早く真下味が抜けてくれることを祈っております(苦笑).真下監督のおかげでやたらと個性の濃い作品にはなってるんですが,キッズ向けとしてはその個性は明らかに邪魔になっている気が….やたら響く音楽やアルカイックな美女の微笑みよりも,主役同士の愉快な掛け合いや高いところで集団でポーズ取ってる敵の方が,本作にもっと大量に必要なセンスだと思います.

-→○ いぬかみっ!
現状ではオープニングの嘘つきっぷりが実に愉快.天然浮気者で不幸な少年と,美人なんだけど超自然であり癖が強すぎてお近づきにはなりたくない美女の数々…というのはもはや言い訳しようもないほどに「うる星やつら」…のはずが,大変面白かったなあ.冒頭2話の男祭(苦笑).これが長期シリーズならばもっとキャラのバリエーションを増やして物語としての幅を広げるべきなんでしょうが,それほど長くないはずなのでさじ加減が微妙なところ.でもこの構図だと,主役に嫉妬する少年くらいは欲しいかなぁ.本作に限っては福山潤の生来の繊細さや高貴っぷりは完璧に裏目に出てますが,今後その落差を生かせる展開が来るんだろうか.

○→△ .hack//Roots
前作視聴済.今期大忙しの真下監督作の中でも恐らく本命作品.うるさいくらいに鳴り響く音楽や割とどうでもいいところにたっぷり時間が裂いてしまう真下流が見事に炸裂.…でも前作ほどの引き込まれ方をしないのは,あいまいな世界のままでがっちりと筋を通してくれる伊藤脚本ではないせいだろうか.前作視聴者にはおなじみですが,ゲームという仮想現実にガチンコで取りくむ本作には,キャラの中の人をネットの行動から推測する楽しみがあります.画面の中に見えるものが何一つ信頼ならない面白さをアニメでも味合わせてくれるかどうか,期待しています.

-→△ 吉宗
原作未プレイ.これまたとんでもないところから原作を持ってきやがったなぁと笑ってしまいたいわけですが,なんだか奇妙に面白い.作品のリズムが実に独特で,基本的には古い作りで,しかし上り詰めない不思議なリズムで話を展開します.はた目には素直にテンションを上げたり展開を盛り上げたりすることをわざと回避しているように見えるんだけど,これは作り手の狙いなのかな? 今のところはもうちょっと華やかさがあればテレ東の平日夕方で通用するくらいの出来.折角の中期シリーズだからもうちょっとふざけてもいいと思うんだけど….

-→○ THE FROGMAN SHOW
極小人数で作られているというフラッシュアニメーション.はっきり言ってネタと雰囲気勝負な作品なんですが,これが存外面白い.作画の緩さが味になるというお得でずるい作品であるため,低解像度でも楽しさは変わることなし.今期の作品ではiPod視聴に最適です(笑).ベタネタの連発はそのネタの巧拙を問わず視聴者を笑わせるものであるという真実は既におなじみですが,本作の強みも弱みもそこにあります.作家が今並みか今以上のギャグが連発できれば勝ち,どこかで行き詰まってスランプに陥ったら負け…なんかアニメというよりはギャグマンガの連載を見守る心持ちですが,後進のフラッシュ作家のためにも頑張れ!

-→△ プリンセス・プリンセス
原作未読.今期流行の学園モノの1本.やっぱり不幸なんだけど,こっちの方が福山潤らしい使われ方をしてますね.男子校には潤いがないからと下級生を着飾って目の保養に使っているこの不憫な男子高校生たちと,「女子高生」の女の子たちで合コンとかしたほうが絶対いいと思います(笑).現段階でも作り手がノッているのがなんとなく見えるので今後のハジケっぷりが楽しみ.どうせありえない設定なんだから,手加減せず思いっきりやっちまえばいいと思うよ!

△→△ XXXHOLiC
原作最初の方のみ既読.当然不幸なんだけど福山潤の使い方は間違ってない…っていうかこれは「いぬかみ」の使い方が異常過ぎるんだなきっと(苦笑).びっくりするほどひょろ長いキャラクターデザインとか怠惰な雰囲気が面白いけど,スーパーハイクオリティってわけではない(特に全身カット).深夜アニメとしては適度でも,原作ファンがこの制作会社に期待する品質に達しているかどうかはやや微妙かも.まあ,熱狂的なファンは作画を問わずに買うだろうけど….

△→△ ああっ女神さまっ それぞれの翼
前作視聴済.前作と同じく高品質の手堅い画面.一見地味だけどこの品質で最後まで行けばきっと予測通りに素晴らしいはず.たぶん本作あたりから原作を読んでいない領域に突入するので,どうせエンドレスハッピーエンドなんだとわかっていても(苦笑)先が楽しみです.本作のコンセプトが合わない奴は既に切っているだろうから,敵は間違いなく作画の崩れのみ.類似の後進どもに埋もれつつも頑張れ.

-→× きらりん☆レボリューション
原作未読.…これまた凄いのが来たなぁおい(苦笑).バカキャラにバカテンションでバカ話.主役声優の怪演のあまりの凄さに耳を覆いたくなる感じの少女向け.ツッコミの練習には最適ではないかと思います.この愉快なテンションで一体何話くらい続けるつもりなんでしょうか.そして本作は想定ターゲットの女児にどこまでアピールできてるんでしょうか? ここまで強い電波を放つ逸材はなかなか珍しいので,ぜひ野生児らしく,無駄にあがいたりせずに電波を垂れ流し続けてください(笑).

-→△ 夢使い
原作稀に既読.かなりのアニメ好きすら引くほどの開始数である今期,そこそこの品質や独自性や露出度の作品は確実に埋もれると見ていますが,この作品も…この分だと埋もれるな.キャラそのものというよりは,余白紙面に対し偏執狂的に書き込まれた緻密で通俗的かつオカルトなモチーフこそが原作者の魅力そのものではないかと思うんですが,その魅力に普通の色がつけられてただの背景として沈んでしまったのがどうしようもなくもったいない.アニメとしては決して間違ったことはしてないんだけど,それでは伝え切れないことが多すぎることに,作り手たちが気づいてくれればいいんですが….

△→△ 妖逆門
原作なんとなく既読.いろいろとどっかで見たようなものが寄せ集まったキッズ向けでおもちゃつき.でも原作がサンデーなのでどうしてもどこかが醒めていて,男児向けには絶対に必要なあふれ出る熱量が足りないかも….恐らくは中盤から終盤にかけて途方もなく大きな山をつくってきそうなので,その中盤に達するまで,いかに客を集めて運んでいくかが大きなポイントになりそう.マニア的には「切るんじゃなかった」と後悔しそうな種類の作品なので,余裕があればついて行くと,先々凄く楽しいものが見られるかも.

-→△ うたわれるもの
原作未プレイ.原作の出自が信じられないほどに重厚で,歴史小説でも読んでいる気分にさせられます.男女比も適当だし少女たちもまっとうに魅力的だし,アクションもなかなか.この先彼らがどうなっていくのかとても気になる.オープニングを見る限り,あんまり良い未来は待っていないんだろうけど….本作もポイントはやはり品質の維持.絵が崩れた段階で折角ここまで積み上げてきた重厚さが吹っ飛んでしまうので,ぜひ最後まで頑張っていただきたい.

-→× ラブゲッCHU ~ミラクル声優白書~
今期の電波作品その2.…たぶんターゲットは深夜アニメ好きの中高生だと思うけど,これでそれを釣ろうとするのは男子中高生に大変に失礼な気がする(苦笑).ツッコミどころ満載で,特に主役が可愛い声優の卵にはどうしても思えない.声優は将来的な野望への第1歩であり,先々は業界を牛耳って子ども達を洗脳して日本を自らの王国にすることが目的なんじゃないかとか,つい疑心暗鬼になってしまう自分が嫌でたまりません.「きらりん」と並ぶ電波ツートップとしてアニメ界を流星のように駆け抜けて…やっぱりフェードアウトするのかなぁ(笑).

○→△ リングにかけろ1 日米決戦篇
前作視聴済.誰もが知る名作を現在の技術で堂々とアニメ化…の続きなので,粗筋とか説明されなくっても皆知っているからまあいいよな(笑).前作の終盤は作画の乱れがありながらもそれを補って余りあるほどの熱さ.時期が開いたことで一度それがリセットされる形になりましたが,実際に本作が凄まじいインフレをはじめるのはこのあたりから先で,物語としても明らかに別物に化けていくことになるから,その羽化をどこまで再現できるか楽しみにしたい.今はまだ艶っぽさが足りないけれど,この先どんどん凄いことになっていくといいなぁ.

-→△ 獣王星
原作既読.ノイタミナ枠としては珍しくアニメっぽいんだけど…一番アニメっぽくあって欲しいアレがアニメっぽくなくなるのが既にわかっているのでどうしようもなく切ない.ダイナミックでソリッドな原作に対してなんてことをやらかすのか.脇の声優陣はごく一部を除けばしっかりしているので,なんとか最後までふんばってくれることを祈りたい.一応,アクションと策謀渦巻く中盤以降が見物になるはずなんだけど…(苦笑).

△→△ 錬金3級 まじかる?ぽか~ん
何も考えなくてもくだらなくて楽しいショートギャグ.開始作が多い今期でも埋もれないくらいの独自性がきちんと出ているところが素晴らしい.やってることはひどくベタ.けれどそのベタなリズムをまったりと楽しんで構わないのだと作品の形式がはっきりと語っているので,視聴者も安心して笑いに身をゆだねることができます.作画も割にいい感じなので,もしかすると今期のダークホースかも….数話をノーマークでスルーしていた奴が今から見ても大丈夫なので,ぜひ一度見ていただきたい.面白いです.

-→○ 彩雲国物語
原作未読.超人的な能力の主役が同じく超人的な仲間たちとともに世直しをする話…という理解でいいのか(笑)? 一見「ふしぎ遊戯」っぽい構図ではありますが,こっちの方が随分と地に足がちゃんとついているので安心して見られます.作画はこの時間帯並みに安定,さらに内容がかなり面白いので先が気になる.美青年だらけではあるけれど決してそれだけではなく,むしろヒロインの魅力の方に満ち溢れているところがうれしい.ただ,似たような顔の美形が並ぶと見分けるのに苦労しそうなので,もうちっと顔のバリエーションが欲しいかなぁやっぱり(苦笑).原作には結構ストックがあるはずですが,この先「マ王」と同じく原作が尽きてきた段階でどんなオリジナルで繋いでいくかも見所になりそう.

…まだ見ている作品はあるけれどこの辺で勘弁してください(苦笑).

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練馬大根ブラザーズ#12

「ここで歌っていいですか?の巻」

これまでヒデキの畑を狙ってきたドナベナベとユーケルは,時の総理大臣大泉のチルドレンだった.任期とかの都合で事を急ぐ大泉は国会議事堂ビームで2人を焼いて解任し,ヒデキとマコは彼らの突然の死にショックを受ける.大泉は練馬の民営化を断行し,軍や警察を大根畑に投入.一人で畑を守るイチローを街頭テレビで見た逃亡中のヒデキとマコは,何よりも愛するイチローのために勝ち目のない戦場へと舞い戻る.畑と仲間を守るために戦う練馬大根ブラザーズと,民営化ならぬMINEIKAのためにチルドレンどもを投下する総理大臣.練馬区の畑の真ん中で,パンダとライオンは血で血を洗う激闘を繰り広げるのだった.

たった1クールに時代と目茶苦茶を詰め込んで前のめりに倒れていく「練馬大根」もようやく最終回.監督や御大の真骨頂に達するにはあまりにも短いシリーズでしたが,最後まで歌って踊ったんだから目標完遂と言っていいんじゃないかな.最終回はメンバー総出で大バトル.この総出っぷりがなかなか徹底していて,まさかあいつらまで一緒に戦うことになるとは思いませんでした(苦笑).この世知辛い世の中で大人はいつまで夢を見てバカを続けることを許されるのか…本作がぼんやりと呟いてきたうわ言にも一つの結論が語られているような気もしますが,たぶん考えすぎの気の迷いに違いない.

前半はオープニングなしで前回の続きから.どっかで凄く聞いたことある曲調のバラードを流しつつ,夕焼け空の中をやってきたニュースとかでおなじみの建物こと国会議事堂型飛行機.それを飛ばせたのはもちろんあの人.国は私のものでおなじみ,現総理大臣の大泉首相でございます! …もちろん首相の名前はかの大泉学園から取ったものであり,現実とは何の関係もないんだよね(笑)? 首相が好きなあの歌をやるなら,曲のサビに無茶な超高音が欲しかったなぁ….
例の金ライオンバッチでモロばれしていた通り,ドナベナベもユーケルも首相シンパの大泉チルドレン.ラスボス大泉がマドンナどもを従えているのがいかにもらしいですが,「マドンナ議員」って言葉は本当のマドンナに大変失礼ではないかと思う今日この頃です.特に見た目とか失礼じゃないか? 任期もラストな大泉首相は無駄に拙速で,成果が出せないチルドレン2人はあっさりビームで解任粛清….自分の子分を人間扱いしない非情なやり方にさすがの練馬大根ブラザーズも驚きます.しかもこの総理は「練馬を,民営化します!」とかほざきやがってわけがわからない.
たとえその正体が総理の手先であったとしても,マコもヒデキも2人が消えたのが大変に悲しい.マコさんは公園の端に金魚のお墓なユーケル墓をつくり,ヒデキは野球場のホームベースの上にちんまりとドナベの墓を作ります.公園があって野球場があって…となるとつい連想してしまうのはやっぱり石神井公園かな.自分たちをどうやら騙そうとしていたドナベだけれど,ドームを建てる夢については自分と同じものだったんじゃないかと感傷に浸るヒデキはバカゆえに純真.
さてその頃,ひとりぼっちで可哀想なイチローを励ますためにパンダはカラクリに練馬大根コスプレセットを贈呈.いくら愛するものの頼みでも公僕がギャングにクラスチェンジは無茶.でも本作は無茶と冗談でできているので(笑)パンダに着せられてしまえば変態らしくその気になっちゃう.あれだけ生真面目で空気読めない奴がここまで堕ちるとは…警官としては失格でも,女性としては圧倒的に可愛い.おばさんだけど(笑).てなわけでステージのすみっこで膝を抱えてずんどこなイチロー誘ってオープニングなどおっぱじめてみようとするも,タイトルのシルエットの時点で退場.底無しです.
国の横暴と通じ合わない気持ちに落ち込むしかない練馬の空には,再び国会議事堂が飛来.例のバラードとともに軍と警察を動かしてまで民営化を断行!…明らかに民営化というよりは弾圧とか押井守に見える政府の方針.確かに痛みは伴っているように見えますが,方向性は間違ってます.
あっと言う間に戒厳令下に置かれた練馬区.たぶん既に始まっていてもう遅い戦争の中,一民間人で地主のヒデキと元アイドルのマコは段ボール箱で潜伏.しかしテレビが彼らをあっさり燻り出す.画面の中には,あの場に留まってしまった哀れなイチローの姿が! 数で押し潰される元仲間&折角育てた大根.ドームを建てることやデビューすることに目がくらみ,3人なりに積み上げてきた大切なものが今まさに失われそうになっている…となれば,助けにいかなきゃ主役じゃない!
超アイドルの地位よりもドームよりも大切なのはイチロー.夢がどれだけ叶っても,あいつがいなきゃ意味はない.…特にマコさんにとってイチローは練馬や大根やパンダよりも愛の対象.最終回だからとヤバい画も交えて大変に個人的な情愛を熱唱です.ヒデキは自分のことも顧みずもっと人類愛を歌えとかぬかしてますが,そもそも自分たちの卑小な欲のために犯罪すら厭わないお前らには人類愛はまったく似合わないし,必要ですらないと思うよ(苦笑).
官警の端くれであるカラクリはイチローを助けたいけれど国には手が出せない.イチロー自身もぱしーっと向かい来る敵の頬を叩く魅了攻撃を繰り出すものの,離れて放水されてしまうと手が届かないからもうだめっぽ…というとこでやってくる,本作主役のバカ2人! 「よくも俺のイチローをいじめ嬲ってくれたな!」ってなヒデキのおふざけとともに,練馬大根ブラザーズは立ち位置が間違ってるのを地味に修正しつつここに復活(笑)! 本作は深夜ではあるけれどその構造は監督や御大が得意とするキッズアニメそのものなので,少なくとも最終回には再結成させなきゃだめ(苦笑).相変わらず一方通行の愛情と緩すぎる友情で結ばれている3人だけど,絆の強さは絆の有無に比べれば小さい.今ここで3人でいることが何よりも重要!
舞台に主役が全員揃ったならば,敵もラスボスが出てこなきゃなりません.総理は例の議事堂機で空から攻撃し,民営化ことMINEIKAの真髄について語ります.MINなでEーかんじにIーきぶんでKAいかんを味わう,それがMINEIKA.…「EーかんじにIーきぶんでKAいかんを味わう」あたりは練馬大根ブラザーズはその体現者だと思うんですが,「MINなで」を満たすのが難しい.ヒデキたちはドームこそが「MINなで」の条件と考えていたのかな.でもこんなアバウト極まる方針を一刻の首相に全力で語られても国民は解釈に困るばかりだよ….
どうやらMINEIKAにはこの畑が不可欠らしく,ライオンの皮を着て名札のヤバい(笑)子飼いの刺客を送り込みます.ライオンの威を借るチルドレンなので着ぐるみのセレクトはもっともなんだけど,シゲルに「ライオンだー」と言わせたいだけのような気もするなぁ…(苦笑).ほんとにほんとにライオンは,大して強くはなさそうだけど数だけは多くて実に厄介.しかし練馬大根ブラザーズにだって野生の獣はちゃんといる.4人目のメンバーであるパンダが大量に増殖しライオンたちに襲いかかる! ライオン対熊.大根畑の争奪戦はまさに弱肉強食!

後半! 獣には獣で対抗する練馬大根ブラザーズ.しかしいくら熊でもパンダはあまりにも小さくふわふわのぽわぽわでラブリーだからライオンに勝てない.…これはパンダを愛するカラクリにはあまりにも酷な光景! がちがちのつまらない脇役を無駄に柔軟な変態に変えてくれたダーリンたちが倒れることで,ついにカラクリのリミッターが飛びました(笑).刑事でポリスな立場をかなぐり捨てて,ただのカラクリとなって恋人を苦しめるライオンを一気に砲撃! …その白と赤と青と黄を基調にしたパワードスーツと「覚えていますか」が他作に喧嘩を売っている上に組み合わせを間違ってるあたりもやりたい放題だ(苦笑).
普通ならライオンの着ぐるみがカラクリのまっとうな火力に勝てるわけがないんですが,彼女の背後がびんぼっちゃまでガラあきだったためにまたも大ピンチ.せっせと戦況をひっくり返しても結局数の差で押しつぶされてしまう練馬大根ブラザーズ.彼らに残された最後の手は…ヒデキが空に差し上げるNNBのカード! 金を借りてやるから助けにこいと,将来的なコストを支払うことで召還するのはあの金貸しダンサーズ! …てっきりこいつらラストは敵だと思っていたので,いきなり味方の切り札になったところに普通にびっくり(笑).でもその強さによって借金の怖さは間接的に表現されている気もするからまあいいか.ちなみに有名な会社ほど,追い込みってきついらしいよ?
ダンサーズの助力によって戦況大逆転,ヒデキは練馬を畑を舐めるなと空の総理を挑発.総理も総理でMINEIKAの暁には大根畑を毎年お参りすることを公約したりしやがるのでわけがわからん.…お参りしたいのでMINEIKAって,分けてお参りする例の場所を練馬区に作るという本当にヤバゲなネタじゃないよな(笑)? 畑に並んで育てられ社会を支える大根は,雲の上の政治家たちから見ればどうでもいい我ら一般人みたいなものかな.その大根の業績を称えるべく巨大なお大根様を崇める建物に参拝するのは,当の大根から見ればそんな施設は浅薄な人気取りだし無駄.むしろ大根は肥料とか土とか空気が欲しいです.
ヒデキの畑に作られそうなのは宗教施設でドームじゃない.宗教と政治の関係なんてのはまあこの際どうでもいいとして,その施設じゃコンサートなんかできそうにもない! 打たれ強さとバカでおなじみの練馬大根ブラザーズ,畑に勝手に生息して今ここで食客としての役割を果たそうとするパンダ隊.そんなパンダへの愛ゆえに主義すら曲げる年増の変態カラクリ.そして金のためなら何だってやる傭兵金貸しダンサーズ! イカれたレギュラー全員がついにライオンを倒そうとしたとき,総理のマジヤバなボタンによって発車されたミサイルによって,畑は紅蓮の炎に包まれた….
数の力をやっとひっくり返せたはずなのに,その喜びは炎の中で燃えかすに.舞台&自宅であったステージまでもがが炎上し,これまで地道に積み上げた夢は国の力で燃え落ちていく.やりたかったのは3人でドームをおっ建ててコンサートをやってビッグになる,たったそれだけのこと.なのに周囲は全力で邪魔する.ビッグになるのが嫌だから邪魔されるなら話もわかるんだけど,お大根様を拝める施設は3人の夢には何の関係もないじゃないか!
この世界の理不尽に打ちのめされる練馬大根ブラザーズ.目の前で燃える夢にヒデキは「なんでだー!」と絶叫…どうしてやりたいことを邪魔するのだろう.歌う場所を焼くんだろう.確かにギャングではあるけれど,ここまでされることなんか,これまで一度もやりたくてもできなかったってのに! さらにビームに撃たれたカラクリがライオンになって寝返ったりドナベやユーケルが突如復活して襲いかかったり.こいつはさすがに打つ手なし…?
しかしまだレギュラーは一人残っている! 担当した作品には必ず顔を出すおかしい方のナベシン監督ことおやっさんが,建物の一部とともに(笑)ご登場! …あまりにも戦況がごろごろ転がっていたのですっかり忘れていましたが,そもそも練馬大根ブラザーズはおやっさんという神の手を借りなければまったくの無力.しかし首尾よくレンタルできれば,何よりも強くなるのが本作のお約束! 歌う元気を失ったヒデキたちに金のマイクを差し出す監督.「お前らのシャウト,最高だぜ.歌え!」

畑もステージも焦土と化し,ヒデキたちに残ったのはただの歌だけ.しかしその歌は神に愛され望まれたもの.アカペラで全ての力を込めてシャウトしたなら,その歌は人の心に届く! 金では買えない果てしない夢を求めてここにいるだけじゃないか.その行為がどれだけ無駄で滑稽でも,こちとら好きでやっているんだ文句があるか!
…卑小すぎる夢は歌に乗り飛翔して,その衝撃は練馬の悲傷を見事に払う.見下ろす者の目線では分からない些細で重要な現実が人の心を正気に戻します.歌はいいもんで,夢もいいもんで,それを一方的にくじくのは悪いことっぽい.3人を逮捕するために出てきたカラクリがついには取り込まれてしまったように,3人の夢を潰そうと頑張ってきたこの世界も,ついに彼らの存在意義を考えはじめたようです.
本作は愚かな大人のモラトリアムの物語.数々の障害によってその続行が毎度妨害されまくってきたわけですが,12話かけてなんとか世界から手にいれたのは「とりあえず今はまだいいかな?」程度のごくわずかな許容と猶予.けれど世界から否定されまくるところから始まった彼らにすれば,この許しにはステージ兼自宅を失っただけの価値があったはずです.たぶん.きっと.
この先世界がカラクリのように彼らの存在を許すようになるかどうかは見えないけれど,ここには畑もダイコンも仲間も夢もあり,そして世界が与えてくれた時間がある.その時間が無駄に終わるのかはたまた花を咲かせる肥料になるかはわからないけれど,練馬大根たちはまだまだここで,あがいていけるのです.

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機動警察パトレイバー#1

「あの頃,夢想の世紀末の巻」

世紀末の日本.東京湾干拓計画・バビロンプロジェクトをきっかけとして高度に発達した土木作業技術は,レイバーと呼ばれる大型汎用ロボットの隆盛を招き,同時にレイバーを使用した犯罪の急増へと繋がった.警視庁は急増するレイバー犯罪に対応するべく警備部内に特車二課を設立するも,急激な技術の進歩によって現運用中の96式「アスカ」は時代遅れとなり,後継機として篠原重工の最新鋭機,98式AV「イングラム」が導入されることとなった.
第二小隊の隊員,篠原と太田はメーカーの八王子工場に出かけ,導入直前の新型機を見る機会を得る.しかしその直前,何者かがキャリアごとレイバーを奪い逃走した.未だシートの中の新型機を即座にバイクで追跡したのは,工場に適性検査を受けにきた一人の婦警だった.

80年代終盤の傑作として,今もその名を轟かせる名作「パトレイバー」.特に機械工学や情報技術畑の従事者に与えた影響は甚大であり,恐らく現在中堅のプログラマーやSEの人生を曲げた元凶の一つじゃないかと思います.自分もその例に漏れずかなりの影響を蒙りましたので(笑)旧作ですが名作として,再放送の機会を利用し,じっくりとレビューしていこうと思います.
本作の背景は当時の現実を下敷きにしたしっかりとしたもので,その設定の小難しい部分を使って2作の劇場版が作られていますが,テレビシリーズは同じ背景を使いながらも中高校生向けのわかりやすい作品となっています.完成度としては映画やマンガ,ビデオシリーズに及ぶものではありませんが,当時の先鋭・新人クリエイターたちの才気の爆発に加え,押井守が娯楽から作家性へと移行していく過程をも観察できるなかなかお得な作品です.
てなわけで前置きが随分と長くなりましたが,1話は新型機と新隊員のお話.

80年代に予想された10年後の未来が本作の舞台.現実には存在しない東京湾干拓事業やら東京湾中部大地震の影響やらで異常に土木工学が発達した近未来の東京は,下町の風景と未来的な高層ビル,そして人型の土木作業用ロボットが同居するという,とんでもない時代になっていました.…レイバーこそないけれど,下町とビル街の差は現実もあんまり変わらないかもしれないなんてことは当然わからない時代に作られた作品です.
不安定な足場の上で働く多足式の土木作業用機械として発達したレイバーは,民間では主に建築用重機として大量の機体が使用されてます.で,その乗務員はエリートパイロットなどではなく土方のおっちゃんたちがメイン.特殊車両という扱いだから飲酒運転は当然ご法度なので,今日も飲酒運転のブルドックを捕えるべく,警視庁警備部特車二課のレイバー,篠原の96式アスカが出動中.しかし今やロートルのアスカでは,民間機とはいえパワーに優れたブルドックの相手にはなりません.
やってることも言ってることも現実の取り締まりとあんまり変わらないわけですが,レイバーはやたらに足回りがいい上に馬力もある.その上酔っ払いには日本語は通じず,アスカの乗員である太田もバカなので日本語が通じず(苦笑)…2機は勝手に組み合って,というか太田が一方的に足を取られて運ばれて,結局ジャングルジムに2体で倒れて壊して終了.丈夫なブルドックは乗員含めてまったく無事なんだけど,アスカの方は機体が滅茶苦茶で太田も気絶.酔っ払いにすら負ける警察って,そりゃいくらなんでもダメだろう.
あまりにもダメな古い機体とそれを運用する隊員たちは,お台場の13号埋立地…現実にはテレビ局とか出来たあたりにぽつんと建つ,警視庁警備部特車二課の棟屋に帰還.さっきオイルを噴いて絶命したアスカはメーカーに戻しても部品がないので修理できないだろうというのが整備員のシゲの見解.…ちょっと馬力のある重機にあっさり負けるような機体を無理に運用してるんだから失態も仕方がないけれど,壊した当事者たちがろくに反省もしないってのは別の意味で問題がある.ゆえに口ばかりの皮肉屋の篠原遊馬とバカな太田功は榊班長にお前らランニングしてこいと教育されてます.
第2小隊は現在隊員4名に隊長1名の小所帯.エリート揃いの第1小隊とは違ってどいつも一癖ある連中ばかり.中でも一番癖が強いのが隊長の後藤.今日のアスカの大惨敗すら,新型機への切り替え時を示すものに過ぎないと評価.第1小隊隊長の南雲から見ればこのおじさんの判断は責任棚上げでいいかげん.けれど技術革新の波が押し寄せるこの時代に3年前の機体で繋げると考える方がおかしい.ゆえに新型機や新隊員を契機として,時代に合った小隊へ再構築するというのが飄々とした後藤の判断なのでしょう.…まあ,隊長がアレじゃエリート部隊にはなれそうにもないけどな(苦笑).
ある意味理想の上司像である後藤の大変に悪い癖と言えば,大事なことを周囲の人間にちっとも教えてくれないところ.もはや直らない「アスカ」を篠原の八王子工場へに運んだ遊馬と太田が,そこでメーカー側の実山から初めて新型機の話を聞くってんだから秘密主義も徹底しています.篠原の工場の中がいかにも組立工場ってって感じでいいなぁ….そして新型機を見に行くために工場内のキャットウォークを移動中,遊馬たちは本作の(一応)主役から声をかけられることになります.
工場の入り口でせっせと走っていたショートカットで元気な彼女.目立つと定評のある特車隊の制服を知っていたのか,「特車2課の方ですね!」と妙に人懐っこく声をかけてきます.子どもの頃からこういうの憧れてレイバー隊員の適性試験まで受けにきたという物好きで迷子な彼女.向かうべき方向と逆向きに移動してしまった彼女は,結局今回は試験を受けられずに終わります(笑).
さて,彼女と別れたあとで未だ眠れる新型機を鑑賞するべく,出荷直前のイングラムがキャリアごと置かれている格納庫に移動した遊馬たち.しかし…誰も乗っていないはずのレイバーキャリアがいきなり動き出し扉を破り逃走! 新型機強盗が警官の目前で発生.しかしそれを追おうにも鍵のない専用指揮車はすぐには動かせず…という緊迫した状況に,さっきの婦警が迷子のままでまたも皆の前にやってきました(笑).ちなみにここで工場長が遊馬を名前で呼んでいるのには,きちんと意味があったりします.
どうしても東館に行けない彼女はレイバーが消えたことを知ってなぜだか動揺.「あたしのパトちゃん」などと不遜なコメントで騒がしい彼女に向かい,遊馬は悔しかったら自分で取り戻せと実にアバウトな一喝をかまし…この言葉を真に受けた彼女は勝手にキャリアを追いかけはじめます.これが割とアバウトな指示を持てる限りの行動力でなんとかこなしていく,絶妙のコンビのはじまりです.

後半.レイバーキャリア強奪の報を受けて特車二課にも出動要請が.警察用の機体を納品前に奪われるという恥ずかしい事件に対し,南雲隊長率いる第一小隊が出動…するけれど,あんまり役には立ちません(苦笑).レイバーを運ぶキャリアは搭載するレイバー以上の横幅と長さがあって,ただでも渋滞しやすい都心の道を走るには邪魔.お台場から八王子だと,どう考えても途中で引っかかるよなぁ….犯人が強奪したキャリアにも同じことが言えますが,八王子近辺と都心では交通量がそもそも違うし強奪犯は無茶な運転をして当然.ただしキャリアは大変に目立つので追跡そのものは容易.無理に検問しても被害が増えるだけだと,後藤が緊急配備を一切要請しなかったのも頷けるところです.
甲州街道を高尾方向に逃走中の犯人.八王子工場から遊馬と太田が専用指揮車に同乗して追いますが,それに先行してちっこくてショートカットの元気で変な女の子が篠原の警備員用のバイクを勝手に借り出して追跡しています.キャリアに比べれば小回りの効くバイクで追跡するのは正しいけれど,右折のタイミングを見計らってバイクから飛び移ろうとするのはやっぱり無茶だ(苦笑).交差点でバイク上からジャンプだなんて,後続車に轢かれてもおかしくないんだから「うりゃー」なんてやるなよ….
どこまでも喰らいつく根性や機会を見逃さない度胸は誉めてやりたいけれど,彼女にはそれでは補いきれないほどに致命的に考えが足りない.落っこちて命拾いしただけでは止まらずに,さらにミニパト奪って追跡続行!…するも,一時停止させたあとで今度はキャリアにミニパトをあっさり潰されてしまう.新しい交通手段を手に入れるのはもう難しそうな田舎道.けれど彼女は「あたしのパトちゃんを返せー!」と根性だけでキャリアの荷台によじ登り!ついにはレイバーのコックピットに転がり込むことに成功.出荷直前の機体を起動させ,明るくなる画面に「ALPHONSE」と初期パスを設定.…きっとこの初期パスは,一般のIDみたいなもんだと思いたいです(笑).
警察のレイバーにはそれぞれ指揮車がついて緊密な連携を取りつつ運用されることになっていて,キャリアを追う遊馬たちの指揮車とついに彼女が起動させたレイバー間では無線通信が可能.夕刻となってから指揮車はついにレイバーとの無線が通じる範囲にまで追いつき,そこでさっきの婦警が生きていたことが確認されます(笑).彼女の残した最後の痕跡はぐっしゃりと潰されたミニパト.どうやら面識のあるらしい後藤はまったく心配してませんでしたが,それでもレイバーに潜り込むまで行くとは思ってなかったんじゃないか.もちろん特に彼女との面識のない遊馬たちからすれば指揮車に響く彼女の声はまさに予想外.その上運転までこなせるだなんてまるで作り話みたいじゃないか(苦笑).
こうして本格的に即席タッグを結成することになった遊馬と謎の婦警.犯人の目的地が近いと考え,キャリアが停止したところでいきなり起動させ,そのまま混乱の中を逃走…というのが遊馬の指示.しかしこの犯人たちは割と根性の座った連中のようで,いきなりキャリアがデッキアップしてもそれほど動揺してくれなかったのが割と残念.目的地である山中のスクラップ置き場で起動し立ち上がる新型機は,稼動部のオイルもまぶしいおろしたての機体.フォルムはアスカに比べればずっとスマートでいかにも主役メカらしく…メカフェチにとってはまさに夢のような状況なんだけど,趣味の世界にいつまでも浸っている暇はありません.周囲は既に犯人グループのタイラント3台に取り囲まれています!
飛び道具もなくハッタリも通じないまっさらな新型機.しかも乗っている彼女ときたらレイバーを傷つけることを妙に嫌がる.…むしろ傷つけないためには全力で逃げた方がいいような気がするんだけどなぁ…(苦笑).何を考えてるんだかよくわからない彼女は,この機体をスクラップにしたくないという一心で,むしろ機体が絶対傷つく大立ち回りを演じます(笑)!
背後から迫る機体にはショルダーアタックをかまして一撃で相手を分解.のしかかられただけで潰された前のアスカに比べたらCFRPの装甲の強さも段違い.前からの敵は電磁警棒でコックピットを狙って潰し.右から急襲は腕を抱え込んでそのまま投げ,電磁警棒で動力部を潰して終了.機体の性能もありますが,ほぼまっさらなOSでここまで機体を駆使してみせた彼女の能力も相当のもの.ここで後藤隊長が乗ったヘリが到着してゲームセット.はじめての大活躍は夕日の中で終了します.

1999年.世紀末を前に急増するレイバー犯罪に対応するべく設立された警視庁警備部特車二課.レイバーの黎明期から本格的な普及期へと移行する時代の流れに追いつくために,警視庁は新型レイバー,イングラムを第二小隊に導入します.そして一緒に今後この機体の運用に関わる新隊員も配属.「特車二課第二小隊に配属になりました,泉野明です.よろしく!」…あの日全力で追いかけた彼女が,地の果ての埋立地仲間に加わることになりました.世紀末を過ぎて21世紀に至っても未だ誰にも模倣できない特別な作品はこんなドタバタからはじまって…そして次回に続きます.

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金色のガッシュベル#150

「そして,続く道の果てへの巻」

ゼオンのジガディラスの雷とガッシュのバオウが激突する.電撃を纏う金の龍は銀色の自惚れを砕き,ついにはゼオンの本を燃やした.しかしこの世界から去る直前に,ゼオンはファウードのコントローラーを壊す.操縦者を失って暴走するファウードは刻一刻と日本に近づき,もはやファウード内にはそれを止める術はない.しかし,それでもガッシュと清磨は諦めない.大切なものを守るために,そして一緒に大切なものを守ろうとしてくれた仲間たちを救うために,最後の力を振り絞る.

ついに終着点にたどり着いた「ガッシュ」.1話掲載時からの原作ファンとしてアニメを1話から見続けてきたのはもちろん,レビューを100話以上書いてきた作品でもあるので大変に感慨深い.これまでの3年間,飽かずに画面の前でツッコミ続けてこれたのは,この作品がなんだかんだ言ってもとても楽しかったから.平均値は決して高めではありませんでしたが,時折の異様に良い回にはちゃんと心を揺さぶられましたしね.最後まで本当にいろいろあったけど,アニメのガッシュたちとは今回で一応のお別れ.今はこの長い時間を彼らと一緒に過ごせたことに感謝したいと思います.
さて! 今回は最終回なのですが,視聴者に完全に義理を果たすために十分な時間はもうありません.王を巡る闘いの行方,まだ生き残る仲間たちの行く末,未だ姿も見せていない強敵やライバルたちとの決着…これらは全てアニメの枠の外側へと持ち越しされることになります.今回はあくまで「ファウード編」の最終回.このまま次回に続いてもそう支障はないんだけれど,…でも,もう次回はないんだ.ぜひ続きが見たいんだけどなぁ.てなわけで感謝の言葉を告げてみたり,ちょっと顔出しして別れの挨拶をしている場面があちこちに.

前回ラストで反則パワーアップな覚醒を遂げて戦況をひっくり返したガッシュ.タイトル通りに金色となったガッシュの放つバオウは,ゼオンのジガディラスといい勝負どころかついには圧倒! ガッシュがゼオンに比肩する強さを手に入れたことも大きいですが,それ以上に,しかし致命的に効いていたのはパートナーの心の力の差ではないかと思います.前回平常心を壊されたデュフォーと毎度どこまでもくじけない清麿では粘りが違う.何度押されても前に進み続けた金の龍はゼオンの術をついに打ち砕き.金と銀の激突はゼオンの敗北という形で決着します.
あれほど舐めてたガッシュに本を燃やされてしまったゼオン.ここに至ってもガッシュたちと和解できずに悔しいままで魔界送りになるというのは,後に希望を託してリタイアしていった連中よりもずっと哀れで情けない.その上大嫌いなあいつは恐れ多くも自分を兄弟扱いし,「魔界で再び出会ったときは,ゆっくり話をしようぞ」だなんて,敗者にはあまりにも残酷なことを言ってくる.兄弟だからわかりあえると戯言を屈託なく語り,真っ直ぐに見つめてこちらに笑顔を向けるバカ.…一瞬で本が燃え尽きてしまえば,こんなひどい精神攻撃を受けずにすんだのに.
もちろんゼオンはラスボスらしく,どれほどガッシュに請われても決して主義を曲げたりはしない.実際ここまでやられたら改心するほうがむしろ楽じゃないかと思うのですが,ラスボスは与えられた役目をまっとうします.本とともにこの世界から消えゆく中で,額のコントローラーを自ら壊し…「本当にバオウを受け継ぐべきものというなら,ファウードを止めてみろ!」
往生際の悪すぎる嫌がらせによって,ゼオンを退けぼろぼろのガッシュたちを乗せたファウードは元気一杯に暴走開始! 残り時間はあとわずかの上に,壊されたコントローラーなしでは止める事ができない.彼らは依然として勝利してはいないのです.…だからお前ら「ファウードを止める」という勝利条件をしっかり心に刻んでおけとあれほど,あれほど…(苦笑).ゼオンを倒すのとファウードを止めるのはまったく別の話であるという身も蓋もない現実の中,清麿はさらに力を振り絞ります!
とりあえず仲間全員を起こし,全然ファウードは止まってないというかむしろ暴走しているという悲しいお知らせを告げる清麿.帰還装置は止められたまま,ファウードへの命令も手動では不可能で残る時間はたった15分.しかしこの状況をひっくり返さなければキッズアニメとしては大変にダークな最終回となってしまいます.ゆえにまだ何かできるはずだと信じて行動するしかない.諦めたら,本当に世界が終わってしまうのです.
誰も死なせないというモットーで動くガッシュたちは,まずは敵味方を問わずに中にいる連中を脱出させることを決定.一部を除けば生き残った魔物とパートナーのペアはそれなりに強いはずで,彼らを外部に脱出させておくのは,ファウードを止めそこなったときの保険にもなるはず.清麿の指示に従って総出で回収に向かおうとしたガッシュたちの前にやってきたのが…前回からラストバトルを傍観していたバリーたち!
今のガッシュたちにとって力と時間の温存は最重要課題だから,ストイックな戦闘マニアのバリーに捕まるのは凄く困る.戦いがはじまったらバッドエンディングが確定です.…けれど場をわきまえてくれたバリーは,ガッシュとの決着を後回しにしてくれます.今この戦場にいる全ての者の勝利条件は「ファウードを止める」こと.最終回を滞りなく行うためにも,邪魔は誰にも許されないのです.
敵味方問わずに全員をコントロールルームに集めた清麿は,敵を優先してファウード内から退去させます.人命尊重という立場もあるし,余計な行動を取られたら全部が終わってしまうので当然の判断.ちなみにさっきまで戦っていたデュフォーの姿がありませんが,真正の超能力者である彼はファウードの力を使わずとも勝手に脱出してしまったのか,あるいは戻れないことを覚悟の上で,旅立つゼオンと一緒に魔界に渡ってしまったのかもしれない.彼の特殊さを考えると,むしろ魔界の方が暮らしやすい世界な気がします.
ファウードの転送装置を使って人員整理する清麿は,さらにここまでつきあってくれた気のいい仲間たちを脱出させにかかります.もはやファウード内部に出来ることはないから,最終手段としてガッシュの新たな力に全てを賭けるというのが清麿の決断.もちろんアースの発言やゼオンのこだわりから総合的に判断して決めたのであって,なんとなく勢いで請け負ったわけじゃない…と思いたい(笑).もちろんもう1回バオウを撃たねばならない清麿にかかる負荷は普通ではないはずですが,今や旗印の決断は止まりません.
ガッシュと清麿がたった2人で挑むという無謀企画を最初に許したのは,このチーム内では一番冷静なエリー.意志疎通の時間も与えられない今は,言葉で説明せねばならない仲間がいても邪魔になるだけ.てなわけで仕方なく仲間たちはガッシュたちを置き去りにしてファウードを退去.…仲間たちへの「今まで本当にありがとう」という清麿の感謝がいかにも最終回って感じだ.

大量の敵味方を退去させたことによって露になるのは,少年と魔物の子の物語.短気でバカな魔物の子と同じくらい短気で賢いはずの少年の織り成す,おかしくて感動的でダイナミックな物語.この先周囲がどれほど変わろうとも,2人がいれば物語は続きます….2人でファウードの正面に出てバオウでカタをつけるというのが清麿の計画なわけですが,やたら転送位置の計算に手間取って真正面に出られないのが情けないかも.物語の骨格を明らかにしたかった気持ちはわかるけれど,計算スペシャリストのサンビームくらいはここに残しておいてもよかったんじゃないのか(苦笑)?
ファウードが目指すのは今や鈴芽一人が残るあのなつかしのモチノキ町.ついにファウードは町から見える位置に近づき,現実では地震速報が(笑).でもモチノキ町は太平洋側なのできっと能登じゃない(苦笑).いかに天才が頑張っても脅威の上陸はもう止められないという危機の直前に,動じることなく港で待っていてくれた2人がいた…あのブラゴとシェリーが,余裕たっぷりでバベルガグラビドンを放つ! 強力な重力技はファウードの足元を襲い,見事巨体を倒します.たぶん港湾設備には相当のダメージが行ったはずですが,人が暮らす場所に上陸されるのに比べたらはるかにマシのはず.このように1年前の借りを返して,シェリーたちはスマートに一時退場します.
ガッシュたちは転送装置でファウードの目前へと移動.たくさんの仲間たちの助けと,ずっと諦めなかった根性によってようやく訪れた最後の好機.たとえ相手が空を突く脅威であろうとも,ここで止めなければ倒さなければハッピーエンドは訪れない! …出会う前には持っていなかった2人だからこそ,今守ろうとしているものの価値は誰よりも知っている.それを壊されてたまるものかと,2人はなけなしの力を振り絞ります! 「…たとえこの命,尽きようとも…」
御守のおかげかどうかはわからないけれど,清麿はなんとかこの町に戻ってくることができました,しかし一介の中学生と魔物の子が命を賭けるのはここから先! 再度金色に輝くガッシュに,限界をはるかに越えた心の力を注ぎ込む清麿.2人のバオウはファウードの攻撃を喰らいつつも決して諦めず,より力を増して全身を締めつけて,ついには1つに…! 守りたい心は青空を越えるほどに高くなり,いくら巨大でも地球に比べればちっぽけな存在であったファウードを喰らって壊す! 水際でこの1年の脅威は土へと帰り,ファウード編がここに完結します.

…最後のバトルを戦いきったのはいいものの,心の力を発揮しまくった直後の清麿はさすがに倒れてしまいました.意識を取り戻したらいきなりパートナーがぶっ倒れていてガッシュもびっくり.けれど本作は芸術作品ではなく,あくまでキッズ向けのきちんとした娯楽作品なのでちゃんと生きてます(笑).…ファウードを倒しただけではこの物語は終わらないけれど,なんとか危機を退けた清麿は気絶しつつも笑っているし,ガッシュは生き延びてそんなパートナーとこの町の無事を確認することができたから…「清麿,やったぞ,私たちは勝ったのだ!」
そして大団円に至れなかった不完全な物語は,今もどこかで続いています.バカで真っ直ぐな魔物の子と本当につきあいのいい少年は,枠を超えて前へと歩き続けているのです.待ち受けるのはブラゴたちのような手強いライバルやとんでもないアクシデントの数々.けれど彼らはもう急がずに,彼らの速さで王へと続く道を着実に歩いていくはず.ここに留まる者には見えない果てへと,ゆっくりと進んでいくのです.

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4月開始新番組チェック・1

新番組ラッシュが終わらない4月,皆様いかがお過ごしですか? 自分は関東でキー局&地方局3局+CATV視聴可能という大変恵まれた状況に完全に押し潰されております.いい絵で見たいものはHDレコーダーで録画し,気を入れて見ないものは自サーバで録画&エンコードかけてiPod視聴しているんですが,録画したデータが毎日増えていくのが怖い.そして新番組の陰で継続作品の録画がどんどん溜まっていくのがもっと怖い…(苦笑).

さて,これまでなんとかチェックできている新番組のうち,書けるものを短評していきたいと思います.今期は事前の予想を大きく外れる作品は少なく,下馬評が良かったものはまあまあの出来で,悪かったものはやっぱり悪いという印象.期待を大きく外れる逸材が少ないという点では,ダメな方向にそういう作品が好きな自分としては少々物足りない…まあ,色んな意味でツッコミどころ満載の奴もいるんですけど,それは次回の短評でご紹介できるんじゃないかと思います.予想を越えて特に良かったのはやっぱり「ハルヒ」かな.先が気になる.
おなじみの通り,作品名前の記号は事前の期待→視聴後の印象.

△→△ ふしぎ星の☆ふたご姫 Gyu!
前作より継続.前作の問題点だった広すぎて多様すぎる世界を学園の中に閉じ込めることで,よりキャラの行動や内面に重きを置いた作り方がされるんじゃないかと思ったんですが…あの狭い世界には,その人数は多すぎないか(笑)? 皆連れて来るんじゃなくて,半分は外の世界に置いてきたほうがよかったような.

△→△ 妖怪人間ベム
前作視聴済.現在の技術力で古い名作をリメイクしてみようシリーズの1本.現在のアニメの作画は前作の頃に比べると圧倒的に繊細で情報量も多く,ついでに立体的で明確で清潔で…明確さや清潔さは本作には圧倒的にネガティブに働いてしまうんだよなぁ.古いおどろおどろしさは消えてしまっていますが,ノーマルな異形ヒーローものとしてはまともな出来です.

-→△ 吉永さん家のガーゴイル
原作未読.人外をやらせれば並ぶものなしの若本氏をとりあえず使うのは反則だと思います(笑).ただ,あの生真面目さを表現するには,若本氏ではややふざけすぎな気も….小さな世界のちょっと不思議なほのぼのコメディなのかと思ったら,意外と広くて深い世界観があるようなのが面白い.

△→○ デジモンセイバーズ
前シリーズときどき視聴.バカだ.バカがいるぞ! 90年代の東映男児向けを代表する1本がここに復帰.確か前シリーズはもっと緻密で繊細で都会的な作画だった気がするんですが本作はそれほどでもない.でも,キッズの代理として主役コンビがちゃんとバカであるところは褒めたいですね.年齢設定はやや高めだけれど,あいつらがいれば否応無しに全てわかりやすくなるに違いない.本当に子どもたちに受け入れられるかどうかは未知数ですが,長期シリーズならではのゆったりとした,しかしダイナミックな物語の盛り上がりを期待しています.

○→○ おねがいマイメロディ ~くるくるシャッフル!~
前作より継続.昨年度最高の1本は,今年度もサンリオを巻き込んだひどい悪ふざけを止めるつもりなんかかけらもないようですおめでとう(笑).間口は広くてもその本質は電波にまみれたギャグなので,今年も激しく波のある展開を繰り返してくれるんではないかと大変に期待しています.新シリーズの目玉は酷薄で皮肉な傍観者から強制的にボケ扱いされる超パッシブなツッコミにクラスチェンジした柊先輩.ツッコミにとってボケ続ける上にツッコまれないというのはまさに地獄の責苦ではないかと思いますが,そのうち別の属性が目覚めてだんだん気持ち良くなってくるといいですね.

△→○ 涼宮ハルヒの憂鬱
原作未読.すごいよ動きまくってるよ! 見ている側が半笑いするしかない,いたたまれない品質とたぶんうっすらとした伏線を超高度な技術で再現した1話がともかく凄く,一転してモノローグ中心にまともに原作を再現したらしい2話もやっぱり凄かった.物語がどうでもいいくらいに絵の面が冴え渡っている上に物語も大変先が気になり,これからどんな凄いものを見せてくれるのかが非常に楽しみです.この手の作品は作画が崩れた瞬間に全てが終わってしまう可能性が高いものの,あの京アニがそれを許すとも思えない.徹頭徹尾,見ることの楽しさが味わえそうです.

△→△ ARIA The NATURAL
前作視聴済.全体的に前作よりもなんとなく繊細になったかな? 緩い話を雰囲気で押しきる芸風は健在.2作目なのでさすがに目新しさは薄れてしまいましたが,親しみやすいまったりドラマを穏やかに展開してくれればいいかなと思います.できることなら見せ場の回には今の2段くらい上の作画を用意してくれるといいんですが.

△→△ スクールランブル 二学期
前作視聴済.前作見てなかった奴は早速問答無用で置き去りですか? 作画面は女性陣の愛らしさもアクションの本気度合いもパワーアップしている気がするんですが,絶妙のテンポや台詞回しの面白さ,そして作品内容をまったく知らない者すらも引き込む抜群の間口の広さが減退してしまったのが残念.もちろん深夜アニメとしては十分な品質なんだけど….

-→△ 女子高生 GIRL'S-HIGH
原作未読.今期流行の「学校」の中ではかなり地に足がついている上に実に身も蓋もなくエロスでくだらねえ.もちろん結構極端なフィクションだけど,そのくだらなさによって変なリアリティがついちゃってるのが面白い.美少女モノの命である作画が今後どの程度崩れるのかが一番の不安要因.あまり作画が崩れずに進み,ちょっとだけ鬱だけど凄くいい話を終盤に持ってくることができれば皆が褒める気がするので頑張れ.ちなみにエンディングは凄くいい.

○→○ 銀魂
原作ときどき既読.同枠だった「ジャぱん」も相当激しく色々なものに喧嘩を売っていましたが,こいつも割と人様や飼い主やスポンサーを噛みそうな犬なのでどきどきします.絶妙の台詞回し…というかボヤキの面白さとか,キャラの尊厳を無視した身も蓋も無い下品な展開の中でなぜかいい話になっていく恥ずかしさなどを堪能していきたいと思います.現状では作画面がやや物足りないものの,話数が進んで作り手たちが描き慣れてくればもう1段あか抜けるんじゃなかろうか.この手の作品は作り手が楽しまなければ絶対に面白くならないので,ぜひとも可能な限り,始末書で済む程度に悪乗りしてふざけて遊んでいただきたいです.

○→○ 桜蘭高校ホスト部
原作既読.五十嵐監督神が携わると聞いた時点でコミックスを揃えてここまで予習してきたわけですが,掲載紙を買うのはさすがに辛かった…しかももう1回あるし.陽性で良質のコメディに実力のあるスタッフを張りつけた今期1押しの作品.原作では脳内補完で彩色するしかなかったあんなシーンやこんなシーンが,全てフルカラーでしかも動いてるという贅沢が腹一杯に楽しめます.基本的にはボケばかりで構成された本作の場合,その頂点である「殿」の迷走ぶりは性別を問わず楽しめるはず.2話にしてやや作画の質が落ちてしまったのが気掛かりですが,ここは制作会社のプライドをかけて維持してくれると信じたい.頑張れ!

△→○ ひぐらしのなく頃に
原作未プレイ.今期は同人からコンシューマ機,果てはパチンコまでとゲーム原作のアニメが山ほどあるわけですが,その中でも先の展開が特に気になっているのがこの作品.それほどキャラが強いわけでもなく,描写や動きが凄いわけでもなく…けれどどうにも先が気になる,穏やかな日常にピンポイントで突き刺さってくる気持ちの悪い怖さが素晴らしい.この先何がどう転がっていくのか知らないからこそ,先に待っているであろう惨劇が楽しみ.一見凡庸なキャラが一体どう壊れていくのか,怖々見守りたいと思います.

とりあえず書けそうなのはこんな感じ.続きはまた,別の記事で.

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桜蘭高校ホスト部#1

「何かが違う天然ルーキーの巻」

良家の子女のみが集う超上流校,私立桜蘭学院.そこに成績のみで特待生として入学した庶民,藤岡ハルヒはどうしようもなく浮いていた.静かに勉強できる場所を探したハルヒが開いた音楽室の扉の向こうには,見目麗しい物好き集団,桜蘭高校ホスト部が勢ぞろい.ハルヒが運悪く800万円の壷を割ってしまったのをいいことに,彼らはハルヒをホスト部の雑用係にしてしまう.
学校の制服すら買えないド貧民の上に,見た目にもこだわりがないダサいハルヒ.しかしその素顔が中性的な美少年であったため,ホスト部ほぼ総出のお色直しの末,雑用係から正式なホストへと一気に格上げされたのだった.

現在ヒット中の少女漫画を原作として,あの五十嵐監督神がボンズとともに取り組む期待の新作「ホスト部」.監督神のことだから絶対生真面目にコメディをやってくれるはずだと放映前から大変楽しみにしていた作品です.1話を見る限りその魅力は美麗な作画と冴え渡る演出に負うところが圧倒的に大きく,ぜひとも動く映像を見ていただきたくてたまらない,逆に言えば文章レビューではろくに魅力を伝えられない可能性が高い作品であるわけですが(笑),原作を読む限り殿にツッコんでいくのは大変に面白いはずなので,いつものようにファンの皆様の広い心に思いっきり甘え,まったく身も蓋もない感じでいってみたいと思います.
1話はこの先物語を回していくための舞台作りが中心.舞台設定や主要キャラの性格や魅力が手際よく紹介されていきます.ちなみに今回最も魅力溢れるシーンは池のシーンでも追放シーンでもラストの笑顔でもなく,あの「うざい」でしょう.間違いなく.

前半.冗談みたいな豪奢な校舎と笑いさざめく上流の者どもの間で,ごく普通の庶民で主役な藤岡ハルヒは完璧に浮いておりました.冴えない私服にぼさぼさ髪で眼鏡のハルヒは,このハイソでスタイリッシュで作り物みたいな学園の中ではあからさまな異分子.勉強しようにもろくに居所がなくて仕方なく開いた音楽室の扉こそが,この先に待つ全ての珍騒動を封印していた蓋.ハルヒが開いたその中には…見目麗しい大バカと物好きたちが待ち構えていたのでありました.
私立桜蘭学院は現実離れした超上流校.そこに通うのは金と暇を持て余した上流階級の子女ばかりであり,その暇つぶしの一環として設立されたのがこのホスト部.…なんで生徒が音楽室を占拠してるのかとか,そもそも超上流校の癖にホスト部の設立が認められるってどうなのかとかツッコみたい部分は多々あるわけですが,そんな状況なんかよりも滔々と楽しげに語りまくる金髪美青年のほうがよっぽどおかしい(笑).良家の子弟ってのはこれまた随分とイタいものであるようです.金髪の変人に同じクラスの小悪魔な双子,クールな眼鏡,ショタ一直線の少年とぬぼっとした青年のコンビ.それぞれ魅力に溢れる,本作のメインキャラ一同です.ちなみにこの時点の電球は1つ.
成績のみで特待生としてこの学校に入ったハルヒは学校唯一の庶民であり,このイカれた環境に飛び込む図太い神経を持つ学校一の貧乏人な勇者.…下賎の民とか大貧民とか,確かに事実とすればそうなんでしょうが,金髪美形の変人に楽しげに言われると大変に腹の立つコメントばかり.ハルヒは一刻も早くこの異常な状況から逃げ出したいけれど,男色家扱いの上に在籍するホストどもにおもちゃにされ,しまいには変人の金髪に間近に迫られ,あわてて後ろに下がったところでさっきから異様に目立っていた壷にひっかかって…割れた!
迫られて逃げようとしたハルヒが落として割ってしまったルネの花瓶.お値段は800万円からスタートの予定.…もちろん庶民が弁償できる額ではなく,あっという間に事態は泥沼.金がなければ体で払えというわけで,例の金髪の変人から「今日から君はホスト部の犬だ!」とあまりにもご無体なご命令….ただ静かに勉強したかっただけなのに,なんだってこんなひどい目に遭わねばならないんでしょうか.そりゃ真っ白になって気絶しても仕方がないというものです.
音楽室を優雅なティールームにして営業するホスト部を構成するのは,6人のホスト+新入りの犬.金髪美形の変人が部長でキングな須王環.禁断の兄弟愛を売り物にするのがハルヒと同じクラスの双子,常陸院光・馨兄弟.大変に愛くるしい上に秀才の上に3年生という反則ショタな埴之塚光弘と,そのハニー先輩の保護者として寡黙を売りにする銛之塚崇.そしていかにも腹黒そうで最初に電球を光らせていた鳳鏡夜…というのが6人のホストで,そこに一介の庶民であるハルヒが加わったわけです.
こんな珍妙な6人に取り囲まれることになった子豚こと雑用係のハルヒ.買ってきたコーヒーがインスタントコーヒー=「庶民コーヒー」であったがために異様なまでに場が盛り上がったり,とても最上級生には見えないハニー先輩に気に入られてうさちゃんを押し付けられてみたり,「君,パスポート持ってる?」とお前逃げたら国内にはいられないと思えと鏡夜にじんわり脅迫されてみたり….ちなみにうさちゃんを押し付けようとしたハニー先輩が,ハルヒの顔を見て電球をつけておりますね.その直後に席でころころ転がる様子がどうにも異様に可愛いなぁ(笑).
ホスト部の6人にとってハルヒは目新しくて面白いおもちゃ.特に金髪バカの環はおもちゃに夢中で猫まっしぐら.中身重視で外見を気にしないハルヒを気の毒がった上,いい男は女を喜ばせることが全てと己のポリシーを聞かれてもいないのに立て板に水で語りまくり.正直この部の存在意義すらさっぱりわからんハルヒには,ナルシシズムに満ちた意味不明の妄言を吐きまくって止まらぬこのノンストップ馬鹿のことが迷惑で面倒で…「うざい」.下から覗きこんで己の美を主張しようとした環のことを,たった一言でいきなりぶった切ったのでありました(笑).
どうやら異様に打たれ弱いらしい環はずっぽり落ち込んで,ここが本作の今回の見せ場です(笑).さっきの高慢なバカがしょんぼりすねるバカに変わってしまいます.ハルヒのちょっとしたフォローで元の姿に戻るところも含め,とても同一人物とは思えないほどに可愛らしい.…ついでにこの人が天然で,しかも本性が悪い奴ではないってことも察することができますね.本当に悪い奴はこんなスネ方しませんからね(苦笑).
発言にまったく遠慮のないハルヒは実に図太い勇者なのですが,一流のお嬢様方の接客に従事するにはビジュアル面があまりにも弱い.しかしハルヒの眼鏡の下の素顔は馬鹿にしていた環を驚かせるほどの中性的な美形.かくしてホスト部の手によって,子豚は美少年に化けたのでありました.ちなみに双子がハルヒを着替えさせようとしたところでライトをつけております.かくしてハルヒは雑用係からホストへと格上げ.100人の指名客が出来れば壷代の800万はチャラとなります!…一人8万円?

後半.運命の悪戯によって借金背負ったホストとなったハルヒさん.もちろん庶民どころか普通の高校生にホスト経験なんかあるわけないから,ごく普通の会話をするのが関の山.…しかしハルヒはここでは特別.お嬢様方にとっては見たことも聞いたこともない庶民の暮らしは耳新しく,その上幼い頃に母を失っている薄幸ぶりのフレーバーまで加わったなら,淡々と語られただけでもお嬢さん方はもう夢中.母の残したレシピを頼りに料理をやっちゃういじましさすら,天然ゆえに見事に輝くテクいらずのスケこましっぷりです.うん.料理できるのはやっぱしポイント高いよね.
しかしそんな天然ルーキーの存在を憎んでやまないお嬢さんが一人.環のお得意様である綾小路姫は,そこらの馬の骨であるハルヒのことに環がやたら夢中になっているのがどうにも気に食わないご様子です.なんせ環のバカは,ハルヒのご挨拶の笑顔が可愛いだけで抱きついて振り回してますからね.彼のハルヒに対する執着はちょいと異常…というかその「お父さん」って何だよ(苦笑).そして,バカに振り回されるハルヒを救ったモリ先輩は,その途中で電球を灯らせることになります.これでついた電球は5つ.残るはニブチンでバカでマヌケなたった1つ.
たかが庶民なのに学院女子憧れの対象に寵愛されるハルヒのことを気に食わない彼女は,女の子らしい陰険な攻撃に走りました.ハルヒのカバンは中身をぶちまけられて池の中.しかしタフなハルヒの場合は,イジメられたことよりも暮らしを支える財布の方がずっと大切.部活サボって食費の入った財布を捜し池を浚っていたところを,例の馬鹿に見つかってしまいます.…青空の映る池の中,一人で水の中のハルヒをごく自然に手伝ってくれる環.自ら水も滴るいい男とか平気で言っちゃう凄いバカですが,困っている人には自分が濡れるのも構わず手伝ってくれる…結構なお人よし.青空の中で財布を捜す2人の様子や,笑う環が実に美しい.このあたり,全てに色がついているアニメだからこその美しさがあります.
折角イジメてやった綾小路姫にとって,環の助けはまさにヤブヘビ.折角困らせてやったのにそれを大好きな人が救ってしまったら逆効果もいいところ.ゆえに彼女は,さっきの顛末をハルヒに話させた末に環の手をわずらわせるなこのクソ庶民がという主旨のイヤミを実に回りくどくハルヒにぶつけます.しかしここでカウンターとして発動するハルヒの天然かつストレートな物言い.「それはつまり…焼きもち」…なんで格下の庶民に上流の自分が焼きもちなんか焼かなきゃいけないのか!
本当のことを言われてかっとなって思わず巻き込んで倒れこみ,ハルヒが乱暴したと大嘘を叫ぶ綾小路姫とそれに呆然としているハルヒ…の頭に花瓶の水をかける双子と,歩み寄って綾小路姫に引導を渡す環.被害者ぶる姫の様子は見苦しい.きれいだけれど店の客にはふさわしくないと,折角のお得意様に入店禁止を宣告! ここは女性を喜ばせることを目的とする部ではありますが,環は奴隷ではなくこの店のキング.ちなみに彼にここまで強い態度を取らせた根拠は,ハルヒが「そんな男じゃない」から.…まあ,間違いではないか.そして対応を誤り店内でもめごとを起こしたハルヒにはノルマ千人を追加オーダー.「期待してるぞ,天然ルーキー」

こうしてただの庶民の特待生は,借金と不始末の代償に1100人の指名客を取らねばならない気の毒なホストへと転がり落ちたわけですが,ここに至って実に今更な事実が判明します.濡れた服を着替えるハルヒにタオルを届けに行った環が見たのは,細見でボーイッシュだけれど間違いなく女の子の体! 女子の制服だってきちんと似合う,中性的な美少女だ! …生来の大雑把さゆえに誤解を解かずにここまで来てしまったハルヒさんの性別に激しく動揺する環.でも,これは実はかなりの高得点.可愛い女の子だと知らないままで手伝ってくれたり信じてくれたりしたからこそ,ただの物好きで迷惑でうざい変態扱いだった環の株が,さっきハルヒの中で一気に上昇したわけですからね.…真っ赤になってうろたえる環がこれまた異様に可愛いな(笑).
完全に環のペースからはじまったものの.ハルヒの正体によってパワーバランスは見事大逆転.しかも図太いハルヒさんときたら,ホストのお仕事になぜか面白味を発見してしまったご様子.「今度から,俺って言おう!」と美少女はにっこりと笑い,こうしてどうにも鈍い連中が織り成すおままごと風味のホスト部内恋愛コメディがはじまるわけです.…いやぁ,ここまで完璧な1話は滅多にないよなぁと感動しながら,次回に続きます.

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金色のガッシュベル#149

「きっと2人の本当の才能の巻」

ファウードの日本上陸まであと35分.ゼオンの強さは圧倒的で,たった1撃を止めるためにティオは全力を使い果たしてしまった.孤立無援のこの状況でも未だに闘志を失わない清麿たちにデュフォーは興味を抱き,ゼオンに代わり闘いの主導権を得て仕掛ける.もちろんガッシュたちの攻撃はまったく通用せず,デュフォーの狙った通りにやられるばかり.しかしそれでも清麿たちがまったく闘志を失わない理由がわからず,デュフォーは次第に恐怖を感じはじめる.

2話連続ラストの前半にまでついに到達してしまった「ガッシュ」.長いようで短かった3年間もここからフィナーレ.ちょっとばかり風呂敷を広げすぎたキッズヒーローものとして,可能な限り派手にテーマを語りつつ事態を収拾していきます.本作の中心に軸として立っているのはガッシュなのですが,そのすぐ脇にいて物語を大きく回しているのは清麿.今回はその清麿の最大の武器が炸裂します.
一見賢さや冷静さが最大の武器に見える清麿ですが,実際にその頭脳が役に立つことは正直稀であり(苦笑)どこまでも諦めない折れない心や魔物すらビビらせる気合のほうがずっと役に立っているという事実は否定しようもありません.そんな非・頭脳派の清麿最大の武器は味方の心を鼓舞し敵の心を惑わせ戦闘意欲を減退させる魂の説得.今回はこの必殺技が見事に敵の一角を壊し,その先に続く反撃の礎を築きます.

全ての終わりまであと35分.ファウードがここまで陸地に近づけば,日本どころか世界中がきっと大騒ぎになっているに違いない.世界的な大事件になりかけているこの状況の中,前回はリーヤがガッシュを守るために脱落.そして今回の冒頭ではこれまで謎だったティオの新呪文が発動.書いてはあるけれど読めなかったあの術は,中途半端な覚醒状態だったのか,それとも強く守りたいと思う心が発動条件になっていたのか? …理屈はともあれティオの守りの円によってゼオンの致命的な一撃を防御することに成功したものの,そのたった一度の防御でティオたちは力を使い果たしてしまいました.
ラストマッチなのにリーヤやティオに全力で守られまくるガッシュたち.そりゃここまで自分たちだけでやってきたゼオンに笑われるのも仕方がないところですが,ここに至ってもまだ自分たちを守ってくれる仲間がいることはガッシュにとっては大きな誇り.術でも能力でもなく,励ましあい助け合うことのできる仲間の数こそが,ガッシュ自身の最も大きな力であり成長の証でもあります.
そんなガッシュがともかく気に食わないゼオン.人間界で地獄の苦しみを味合わせるはずが,なぜか大量に仲間を作って自分に向かって真正面から青臭い文句をつけてくるんだから腹が立つのも無理はない.ゼオンとしてはこの戦いはガッシュを苦しめるための戦いであって,それ以上の意義も意味もない.王になることなんか二の次にしたいくらい,ゼオンはバオウを取られた件でガッシュを徹底的に憎んでいます.…正直ゼオンは大人気なさすぎ.4人の中では2番目に精神的に幼いんじゃないかな.
そして恐らく最も幼いのがデュフォー.超能力というとんでもない才能に恵まれ,それゆえに虐待と孤独の中で生きてきてしまった彼が気になって仕方ないのは,自分とよく似ているのにまったく違う清磨のこと.どこまでも冷静に心の力をコントロールするデュフォーと心の力が常にだだ漏れしている清磨はまさに鏡像.同じに見えてまったく違う,デュフォーにとっての「未知」そのもの.ゆえにわざわざゼオンに願って対峙してみるわけですが…これこそが最大の敗因.清磨の説教能力は,並のものではないのです.
一応天才と超能力者.あまりにも「異常」な能力によって2人は世界中の「普通」から排除されてきたはずなのに,なぜ清麿が自分と同じように考えないのかデュフォーにはまったくわからない.いくら清磨の心を覗き込んでも,そこに書かれている清磨の理論が理解できません.不思議なものを前にしたデュフォーは,赤ん坊が初めて見るものに手を伸ばすように,戦いという形で清磨の内面に直に触れてみようとします.
てな経緯ではじまった清麿対デュフォー戦はもちろん清麿とガッシュが圧倒的に不利.デュフォーも読心術による指示だけでなく念動力まで使ってくるもんだから反則すぎる強さです.たかがザケルでもゼオンの術はまともに当たれば死にかねないほどに強力な上,ガッシュ側の術は先読みされて心の力が無駄に消費されていくばかり.いくら一応天才が必死で考えようとしても,今度はガッシュが勝手に特攻をかけて勝手にやられてるし(苦笑).自慢のコンビネーションもろくに機能せず,またもガッシュと清麿は全滅の危機に陥ります.
けれど…人間としては相当タフな部類に入る清麿には未だ意識があり,そしてガッシュには未だ闘志がある.頭脳でも術でもなく何度倒れても立ち上がる根性によって,2人はこれまで何度も奇跡を起こしてきました.ゼオンに笑われて当然な,あまりにも素朴で乱暴な根性論.けれど,デュフォーにはその根性の源泉がわからない.…どこまでやったって絶対負けるこの状況で,なおもこのどうでもいい世界を守るために命を賭けて気迫を振り絞る,2人の気力の源がわからない.…論理的に考えるとありえないこの尋常でない敵の気合が,だんだんデュフォーは怖くなってきます.

実はこのガッシュ対ゼオンの最終決戦を,割と無傷のままのバリーたちが見守ってるんですが,ガッシュと清麿の能力を深く知っているグスタフの意向で最後まで介入せず,傍観者に徹してくれています.あのグスタフも認める強さは,徹底して追い込まれてもなおぎらぎらと輝くもの.現実や計算をわかっているくせにあえて無視して諦めない強い目.それを覗き込むデュフォーには,その正体がわからなくて…怖い.手を触れてもそれは未知のままで,幼い手を焼くのです.
そして,怯えた獲物をさらに追い込む清麿渾身の魂の説得! 2人の心の中には,これまで出会って心や夢を託されてきた,大勢の魔物たちと人々の心がある.沢山の思いを背負ってここに立ち希望と勇気のもとに戦っているから,何度だって立ち上がることができる! …デュフォーには理解できない,これまで積み上げてきた2人の思い出.それは未だひとりぼっちのデュフォーには予想もつかない量の,他者の思い出と精神の断片です.
どれほど強い魔物でも,この世界ではパートナーの心から力を引き出さねば術は使えない.絶対的な強さを持つゼオンを攻略するには,ここでパートナーの心を崩すしかありません.デュフォーの動揺に対し清麿はさらに言葉をぶつけます.デュフォーは折角ゼオンと出会ったのに何も変わらず,清麿はガッシュに出会うことで別な新しい世界を見ることができた.絶対有利のはずのデュフォーに「可哀想」という評価を与えることで,デュフォー自身に彼が哀れな存在であることを強く強く自覚させます.…デュフォーが好奇心で覗いた鏡の底に見つけたのは,未だひとりぼっちのままの,哀れな自分の姿.
清麿に才能があるとすれば,それは決して頭脳の明晰さではなく(苦笑)実際はあの義理堅さやつきあいの良さや正義感ではないかと思います.世界に対し「異常」ではじき出された清麿をもう一度引き込んでくれたのがガッシュ.清麿はそのときの恩に報いるために,時には敵味方の激しいボケにつきあって根気強くツッコみつつも,無謀な戦いの先頭を共に走り,命を賭けて誰よりも弱い魔物の子を護り育ててきました.清麿にここまでさせるほど,ガッシュの見せてくれた世界は素晴らしかった.友達のいる世界は暖かく輝いていて,決して失いたくないほどに愛しいものだった….
かくして清麿最強の武器にやられたデュフォーの動揺は止まらない.言葉の真贋を確かめるべく覗いた心の中には,人前に出た赤ん坊が怯えて泣き出すくらいの大量の人々と魔物で一杯.空っぽのデュフォーには,これだけの重荷を心に抱えてなおも立つ2人の心がわからないし,その重荷を燃料にして闘志を燃やす原理だってわからない.伸ばした指先に触れたのは,持っていない可哀想な者の心を焦がす炎! この状況で敵の弱い部分に精神的な大ダメージを与えた清麿は,実に彼らしい活躍ぶりです.
しかしゼオンも唯一ともいえる弱点を放ってはおきません.すかさず崩されたデュフォーのフォローに入り,不可思議な鏡の中の炎を消しにかかります.2人の力の源である仲間たちとの記憶を,ゼオンの持つ能力を使って消す! …実際にガッシュの記憶も以前妖精の森で消されていて,それゆえに様々な場面で迷走してきたのは皆様もご存知のとおり.ガッシュは魔界の記憶を失って人間界に来て,人間界の記憶を失って魔界に帰るというのがゼオンの考える根性曲がりのシンメトリー.そんな無体なことをされるわけにはいかないけれど,いくら精神面で圧倒しても肉体的にはガッシュも清麿も圧倒的に弱いまま.ゼオンは倒したガッシュの頭に己の手をかざし,大切なものを壊そうとして,そして….
一度全てを失ったガッシュが清麿とともに作り上げた,何より大切なもの.決して失えない輝く思い出は,我々がこれまで見てきた物語そのもの.2人が沢山の人々とともに作り上げた,この先も決して忘れたくない笑いや涙.それを無慈悲に消そうとするゼオンは許せない.絶対に…「そんなこと…させるものかー!」

大切なものを守ろうとする心に応えて起きる奇跡は,今日も彼らを,そして我らを裏切らない! 守りたい負けられないガッシュの体は金色に輝き,今まで見せたことのない力でゼオンを掴む! あの懐かしい「カサブタ」の流れる中で,心から湧き出す金色の力はガッシュと清麿の体を癒し,ゼオンに比肩する力をガッシュに与える! まさに絵に描いたような反則まがいの大逆転劇.キッズ向けで主役でラストバトルだからこそかろうじて許されるレベルの凄いパワーアップ! …ここまで散々嬲られてきたからこそ,金色のガッシュの大活躍には爽快感があります.ついさっき心を崩したばかりのデュフォーとさすがにうろたえるゼオンに対し,清麿とガッシュはもう揺るがない.
「信じろ,俺たちは奴らを倒し,そして,ファウードを止める!」
これまで2人で走ってきた道の長さが,これまで2人を信じてきた人々の数が,全て心の力の源となり,そしてパートナーの強い心の力は深く結ばれた信頼の絆を伝い,魔物の子の術の力を飛躍的に引き上げます! 本当に重要なのは心.これだけの心を集めたことこそ,2人の類稀なる才能そのもの! 次回,白銀と黄金の大激突からファウード編の終了へ…最終回に続きます.

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3月終了アニメ雑感5

新番組ラッシュの嵐の中,皆様アニメ見てますか? 遅い自分はようやく前期で完結したシリーズに別れを告げることができそうです.いつもの長文レビューもあと2話と1話で全て終了するので,次のレビュー対象の選定に取り掛かっておりますよ.
今期のレビュー対象として決まっているのは,放映前から決めていた五十嵐監督神の「ホスト部」くらい.あと2,3作品くらいを見繕って,いつものように一番後ろから誰もいない道をふらふら歩いていこうかなと思っております.今期スタート分では一番得意な凄いギャグが見当たらないんだけど…そのあたりは7月新番組で確実に補給します(笑).今から楽しみだ!

写真.


ここしばらく2週に1回はこっち方向に出かけております.

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さて,シリーズ終了雑感最終回.

4:3:3 舞-乙HiME
最終的には主役は理想に生きライバルは恋に生きる.ヒーロー物ではお約束のおさまりのいい構図で締めてくれた素敵な娯楽作! 自分は前作よりも本作の主役の方が好みだったので,厳しい展開もストレスなくラストまで楽しむことができました.スターシステムとして前作と似たような連中が別の役柄で次々に顔を出すのも面白かった.前作で説明の終わっているキャラを使っているから,前置きなしにどんどんキャラで遊べるってのは楽しいよなぁ.その分前作を見ていない人には脇がやや説明不足に映った可能性が高いですが,その分本作で初出の連中はしっかり描き込まれていたし,脇についてもっと知りたい場合には前作のDVDを買えばいいわけだし(笑).
このシリーズのお約束として中盤から偉く厳しい展開が続いたわけですが,ラスト2話での気持ちのいい解放ぶり暴れぶりですっきりさせてもらったので今はいい思い出です.全体的なトーンは前作よりも明るくなっていましたが,死に関しては前作よりもシビアな扱いになっていて…でも前作と同じように扱われたら,あまりに軽すぎると感じたに違いないのでこれでよし.非業の死を遂げた彼女たちが次回作でぜひ幸せになってくれることを祈りたい.

3:3:2 ソルティレイ
ラストの3話連続が凄い.中断なしに一番盛り上がるところを連発されたら,そりゃどうしようもなく引き込まれてしまいます(苦笑).AICとゴンゾのタッグはしっかり機能し,AICの美少女モノとしてはありえないほど作画が安定していたのが印象的.全体的には中盤に余分な回が挟まってダレたところが今ひとつなんですが,細かなアラや無理が残るとしてもクライマックスの畳み掛けで満足してしまうと思います.結構美少女が沢山出てきたはずなのに,一番萌えるのがおっさんという構造もなかなか痛快でありました.

3:2:1 IGPX
最近は2クールというのは決して短い話数じゃないんだけど,ラストが尻切れトンボなところを差し引いたとしてもその貴重な2クールの使い方がどうにも変.各話の物語やキャラの品質は決して悪くはないし,ちょっと見づらかったり見分けがつきにくかったりしてもレースシーンは見ごたえがあったわけですが,やっぱり1クールで1シーズンを描写するのが無茶だ(苦笑).たぶん2シーズン分をまとめて再構築して1シーズンに仕立て上げるだけでずっとおさまりのいい作品になったはず.大変にもったいなかった.

3:1:2 タクティカルロア
恋愛面は突拍子なくて語り足りず,物語も一番いいところをまったく語らぬままで終了.とてもじゃないけど他人に勧めることはできませんが,自分としては割に気に入って最後まで見た作品です.魅力的だったのは組み合わせの妙.美少女・美女ハーレムでヘタレ少年でお姉さまでツンデレで戦艦で電脳戦で謎の大計画で世界の危機で…とありがちなモチーフを1クールに山のように叩き込んであるわけですが,組み合わされて出来上がった結果が他のどんな作品にも似ていない新しいものであったのが良かった.海戦シーンは異様に燃えたので,2クールかけてじっくりやってもらいたかったな.

4:2:1 プレイボール2
前作同様手堅くしっかり.しかし前作以上に人間ドラマに溢れている! 谷口がキャプテンに就任したことにより,視聴者にとってもチーム運営がより身近に感じるようになったわけですが,前作である程度安定したはずのチームに新たに入った部員…特に倉橋のトラブルメイカーぶりによって何度となくチームに亀裂が入るところが意外とリアルで実に面白かった.戦力的には絶対必要なんだけど,個性が強すぎて正直扱いきれない奴っているよなぁ(笑).ラスト2話にはやや蛇足感がありますが,全体的な完成度やテンションの維持やCMの出来がいいので問題なし.
今時のアニメならばもっと華麗で繊細な絵柄が標準.けれど物語の面白さというのは見た目の問題を軽く乗り越えてしまうほどに強いものであり,絵だって古いものが悪いわけじゃなく,下手なイラストレーターのデザインよりもずっと個性に溢れています.前作の視聴が必要な上にこの先も続きそうなので一般をやや低めにつけていますが,ぜひ前作からでも沢山の人に見ていただきたい.特に今まさに同じ立場にある少年達と,小組織を運営する中間管理職にお勧めです(笑).

3:4:1 エウレカセブン
本当に途中はいろいろあったけどあのラストにたどり着いてよかった.派手なエウレカの変化の陰で見えにくくなっていましたが,一番変わったのはレントンとついでにホランド(笑).沢山の人々を絡み合わせ波を越えてクライマックスに導くというのは4クールのような長さがなければ出来ない展開で,エピソードの積み重ねがあるからこそラストには嫌でも重みが出てくるもの.それを見せてくれた終盤はよかったんですが,その分長さに甘えたメリハリのない部分が,必死にテンションを維持しなければならない中盤に見られたのが勿体無かった.やや不足気味でも最後までちゃんと走ってくれたので,後日譚があるとしたら気持ち良く追加料金を支払えそうです.

(4/13追記)
3:0:4 パピヨンローゼ2
自分は楽しかったけれど他人に勧めるつもりは塵ほどもないくらいの電波.Web展開の1作目について知識を持っている凄いダメ人間ならばまだしも.存在すら知らなかった人たちに見せるのは余りにも酷.一番電波なのはこれを地上波でやると決断した奴だと思います.オタ3人組とかUMAとか子安氏とかいろいろ頑張ってたけどもダメなものはダメであり.ラストで会社が御徒町側に行ったことを含め.あくまで個人的に面白かったです(笑).

(4/18追記)
3:2:2 マイネリーベwieder
前作レベルの致命的な火力と凄い電波をください! 全然足りません! 爆笑をこらえられなかったある意味傑作な前作に比べると,本作は監督変更の影響をモロに受けてまともゆえに悲しいほど地味.脇のエピソードを丁寧に描いたり新キャラをしっかり立てたりするのは普通のアニメだと誉められるけれど,本作は普通のアニメではないのでまともな方法論で作ってはダメだ(苦笑).ところどころ笑える部分やびっくりする部分はちゃんとあったものの(窓に映ってる!)爆発力が足りないので評価は低め.学園を火の海にしてくれたらもっと高評価だったんだけどなぁ….

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練馬大根ブラザーズ#11

「悪気はなくても嘘は嘘の巻」

ヒデキに続きマコまでもが甘い話に釣られて出奔.練馬区の大根畑のステージには,今やイチローとパンダが残るのみ.憂鬱に沈み込むばかりのイチローをなんとかするために,犯罪者グループを一網打尽にするという名目で一計を案じたのが部外者のはずのカラクリ.イチローがドーム建設のために銀行強盗をしたという設定で町中くまなく追いかけ回し,ヒデキやマコをイチローのところにおびき寄せようというのだ.この猿芝居にバカ2人は見事にひっかかり,イチローの作られた危機を救うために必死で追いかけて来るのだが….

割に最初から一致団結していなかったがためにすっかりばらばらに壊された「練馬大根」.元々大根なんて鍋で煮れば箸でも簡単に割れるものなので,ユーケル汁でドナベに煮られた3人があっさりばらばらになるのも無理もない.で,そんな割れた大根をなんとか元に戻そうと頑張ってみるのがあのカラクリ.元々大根を捕らえるために出てきたはずなのに今はすっかり取り込まれてしまった彼女は,どうしようもない3人のために割とけなげに頑張ります.
離散集合は当然の音楽業界.その上わがままなアーティストは一度決めたことをなかなか曲げたりしないわけですが,壊れ物を壊れぬように必死で守るためふんばる彼女は…もしかしなくても練馬大根ブラザーズの初めての熱烈なファンかつジャーマネに間違いなし.もちろん舞台下や袖から見ている者にはステージの演者に触れる権利はないけれど,このグループ大丈夫なのかといらぬ気を勝手に回し心配する権利くらいはあるはずです.

前半.ヒデキに続きマコまで離脱しちゃってひとりぼっちにされたイチローは食卓に座るも抜け殻.飯も喉を通らない.一応パンダはここにいて,しかも一生懸命励まそうとはしてくれるんだけど…そんなことでこの巨大な喪失感がなんとかなるはずもない.パンダの借りちゃいなマネーなんてどうやってカード作ったのかとか考えるとものすごい芸なんですが,「そゆ気分じゃないんだねー」なんて言われちゃパンダだって一緒に落ち込んでしまうよ.
さらにけたたましい年増ことカラクリも登場するわけですが,ローテンションツッコミはハイテンションボケを気分じゃないのでそのまま放置.最も激しいボケのカラクリにとっては中程度のボケのヒデキとマコはツッコミ扱い.そして最も厳しいツッコミのはずのイチローをボケ扱いしているところがさすがは大ボケ.食欲なしのイチローに無理に食を摂らせようとするも実際は彼女の方が腹が減っていて(笑)代理で日本男児の一食に食すべき量をいただきます.他人を心配する余裕がありちゃんと腹も減るカラクリはとても健全.すっかり塞ぎこんでしまったイチローとは対照的.
熱意はどうやらあるらしいものの行動力に欠けるイチロー一人ではため息の山が高くなるばかり.実際ここまでの大冒険はあのバカ2人の無駄な行動があればこそ.こんな湿っぽいままではいかんとカラクリは,必死でイチローを励ましたり檄を飛ばしたり…貴様それでも男か!と言う表現を回りくどく下品にやらかしたりもするけれど(笑)でもイチローに何かさせようってのが元々無理な話.このままじゃ自分のカラクリが錆付くし,3人バラバラじゃ犯罪組織を一網打尽ってのもできないわけで,今回は物語を動かすバカ役にカラクリが臨時で就任します.
さてその頃,イチローの悩みの種その1であるヒデキの奴は,例の練曲通信社で相変わらずハッピーカムカムとドームっており,悩みの種その2のマコさんはユーケルのところでNERIMAXで整形愛をフズバ!と歌ったりしているわけですが,肝心の土地の権利書がイチローの待つステージにあるので脱退したとはいえ未だ縁は切れていないご様子.けれどドナベもユーケルも権利書は欲しいけどステージには行きたくない.嫌な奴…同業者と顔を合わせるのが嫌なのです.
いくら夢のためとはいえ仲間を置き去りにするのは辛いこと.ヒデキだってマコだって,浮かれていても一人になれば元仲間のたちのことをつい考えてしまいます.ドナベの力を借りてドーム建ててイチローが納得してくれるかどうかに悩み,そして今頃何しているんだろ…と思いを馳せるヒデキの眼下で追いつ追われつ爆走する,自転車のカラクリと一輪車のイチロー! さらにパンダが来てこれまでのあらすじを説明してくれるわけですが,みゅーみゅー言われてもわからんよ(笑).何はともあれこれは元仲間の危機なので,ヒデキはドナベを置き去りにビルを脱走.そんなヒデキの脱走を見てドナベ大慌て.このドナベから見た走るヒデキがなんとも小さく可愛らしいなぁ(笑).
同時刻,ヒデキと同様に仲間(=イチロー)のことを一人考えていたマコも爆走するイチローとカラクリとついでに追うヒデキをリムジン内より発見.こっちにもパンダがあらすじ説明に参上するもののマコは勝手に解釈しちゃうのでやっぱし役立たず.そんなパンダでもヒデキよりはマシってんだから,ヒデキに対するマコの薄情ぶりがしみじみと思いやられます(笑).てなわけでマコさんもイチローのためにダッシュ.久々に3人が同じ方向に走ります.
パンダのあらすじ説明がまったく機能しなかったのでカラクリとイチローが追いかけっこをしつつ歌って事情をご説明.なんとイチロー,ドームの建設費用を手に入れるためにちょちょいと銀行強盗をやらかしたってんだからこりゃすごい.2人を畑に戻すためなら銀行で乱射もするし地声で叫んだりもするなんて,イチローってば実にけなげ…ってこんな猿芝居に騙されるのはあの2人くらいしかいないけど,2人さえちゃんと騙しきることさえできれば問題なし.どんな汚い手を使っても元仲間を畑に戻さねばならないのです!

後半は…なんだそりゃ.イチローとカラクリの逃走劇は1輪と2輪のタイヤつき.ただの足ではなかなか追いきれるものではないと判断し,ヒデキとマコは久々に組んでおやっさんにレンタルプリーズ! …ここにあとイチローが加わってくれれば….今日は使い方のわかりやすいバイクを貸してくれたおやっさんは,ついでに自分の頼みも聞いてくれと2人におねがい.本作の神である監督ことおやっさんがわざわざ登場人物に一体何を頼みたいのやら.
ヒデキとマコとイチローは小さな頃から3人一緒.ドームを建ててコンサートをやるという果てしなさすぎる夢を必死で追いかけてわざわざここまで来たんだから,これからも3人揃ってやっていきたい.今でこそ大人の壊れ易い友情ですが,彼らの根元には子どもの頃の純粋で硬い友情が未だに息づいています.力を合わせればなんだってできる!と最終回クライマックスみたいな歌を絶唱して追いかけるヒデキとマコ.で,その2人が求めてやまないイチローの方はカラクリに掴まれてひらひらと悲惨(笑).警察とギャングのスピードレースは激突によって完了.敗北したカラクリは川へと消え,これで3人は元に戻った…と思ったんだ.このときは.
こうして久しぶりに練馬大根ブラザーズの3人が揃ったステージ茶の間.自分勝手に家出したヒデキとマコにとっては,戻ってきた家は大変に居心地が微妙.しかしそれでもイチローが「助けてくれてありがとう」だなんて受け入れてくれたら,居心地の悪さも一気に軽くなるってもの.ヒデキもマコも銀行強盗は凄すぎると尊敬しまくるわけですが,そこを誉められるのはイチローにとって大変心苦しいのでもういいとごまかし,やっぱり3人でおっ建てようと再結成を決意する3人…というめでたい場面に乱入してきたのはあの2人.練馬大根をこれまで割ってきたドナベナベとユーケルが,カラクリを人質にやってきた!
カラクリがおばさんであり年増であるのは周囲の意見も一致するところ.そんな奴に囚われの姫役が当てられるあたり,本作の女性陣の薄さを如実に語っておりますね.しかもこのおばさん,川でドナベたちが秘密会議しているところに流れてきちゃって捕まっただけでは飽き足らず,さっきのがカラクリプロデュースの芝居だってことまで吐いちゃったらしいのでマジ最悪.…たぶんカラクリのことだから,聞かれてもいないのにペラペラ喋ったような気がするなぁ….てなわけで悪役2人はトリック大暴露.ちなみにテディベアはクマのぬいぐるみで,パンダはクマの一種ですがマイテディベアはマコさんのことなのでお間違いなきよう.
そう.テレビの前の皆さんは先刻ご承知なわけですが,さっきのあの逃走劇は全てお芝居.まさかあのイチローに銀行強盗なんかできると思っているほうがそもそもおかしい(苦笑).…けれど,ヒデキもマコも馬鹿だから鵜呑みにしてしまった.イチローがそんなに頑張っているならと思って戻ってきたのに,その期待が裏切られてしまったから…ヒデキはイチローをグーで,本気の本気でぶん殴る.「見損なったぜイチロー!」

一度ひびの入った大根はもはや元には戻らず,ぎゅっと握って力を入れたらばっきり割れてしまいました.これは土地の欲しいドナベやユーケルによっては好機.うまいこと下僕に戻ったヒデキとマコを操って,土地の権利書を手に入れようとするものの,それでも頑張るのがはりつけオバンことカラクリ.あんな見え見えの大嘘をぶっこいてまで2人を取り戻したかったイチローの気持ちをわかれと,敵味方に騙されてばかりの大根男と大根娘に叫びます.…イチローはカラクリにやらされたと言ってますが,君の嘘回想シーンは随分と楽しそうだった気がするよ(笑).
2人恋しさにイチローのやった猿芝居.確かに嘘は悪いこと.けれどイチローには他の選択肢がなかった.仲間に騙されて驚いて腹が立つのはわかるけど,2人にはイチローの辛い気持ちもわかってもらいたい…けどそんな時間はもはやない.ドナベもユーケルも土地の権利書を手に入れられないままでやってきたタイムリミット.たぶん永田町の方向から練馬区の空に飛来した国会議事堂飛行機と,そこに君臨する総理大臣の大泉首相!
ラスボスは顔を出しドナベやユーケルの正体がチルドレンであることが判明してついでに時間切れで総理に消されるあたりまではまともな最終回直前の盛り上がりなんですが!「練馬を民営化します!」ってラストの総理の言葉の意味がまったくわからねえ(笑)! 練馬区の一角を巡るこの闘いの先には,果たしてどんな未来が待っているのか.次回,最終回に続きます.

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3月終了アニメ雑感4

暖かく花散らしの風が吹いたりする昨今,皆様いかがお過ごしですか? 自分は昨日,あまりにもベタすぎる上野公園で会社花見などをやっておりました.寒い屋外でひたすら場所取りに待つのはかなりハードなプレイで辛かったです.関東以北の花見の季節はこれからじゃないかと思いますが,この季節の野外行事に関しては時間厳守を切にお願いいたします.そして万が一遅れて来るような迷惑な奴は頼まれなくても温かいものを買って来い.

久しぶりに写真.


これは待っていた間に撮ったもの.花見はやっぱり明るいところで.

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さて,終了雑感の続きです.まだ全部終わりません….

4:3:3 アカギ
独特の美しさを持つキャラクターを極力動かさずに迫力を持って描き,音楽・ナレーションと声優の怪演によって命懸けの博打の高揚感と狂躁感を描き出した点が見事.視聴に当たっては麻雀の知識が必要なので万人向けの作品とは言えませんが,基本的なルールを把握していれば煽りまくるナレーションと脇の連中が何が凄いのかを教えてくれるので大丈夫でしょう.ともかく作っている人たちの楽しんでいる様子が滲み出てくるような出来が素晴らしかった.
女っ気皆無の凄い声優たちの中では,やはりミステリアスを通り越して人間離れした青年・アカギ役を演じた萩原氏の熱演を讃えたい.脇を固める超ベテラン声優の間で,本業声優ではない者としては破格の自然さで超青年を見事演じきった俳優としての力が素晴らしかった.この成果は萩原氏の原作に対する理解と敬意なくしては生まれなかったと思いますんで,話題づくりのために俳優などをキャスティングするときには,その作品を本当に好きになってくれる奴を連れてきてほしいと強く思います.

4:3:3 ガラスの仮面
あのとんでもなく長い原作を51話に押し込んだだけでもきっと偉業.序盤だけなら確実に傑作.しかし中盤以降ももちろん面白いんだけど,最終回ですら序盤の輝きに並ぶものではなかったところが1年シリーズとしてはかなり残念.ただし序盤に比べると中盤以降のテンションが落ちたのは主に原作に由来する瑕疵なので,それでアニメ制作側を責めるのは酷でしょう.むしろ現在の緻密な作画でよくぞここまであの原作の魅力を輝きを再現してくれたと感謝したいくらいです.
現在深刻なコンテンツ不足にあえぐアニメやドラマ業界にとって,特に70年代の少女漫画の傑作は各方面から狙われている金の卵なわけですが,今回の本作の成功によって,他の原作をアニメ化するための大きな足がかりができたことを評価したい.下手な実写映画なんかより,現在のアニメはずっと雄弁に語り狂うことができるのだと示すことができたのは,今後のアニメ化にそれなりの影響を及ぼすんじゃないかと思います.最終回は異様に超然としてちょっと困ってしまいましたが(笑)総じて面白かったです!

3:1:4 レモンエンジェルプロジェクト
地方局の最深夜帯,さらにネタ元が古いエロアニメ…普通のアニメならあっさり諦めて崩れたっておかしくないようなこんな過酷な状況で,お前らは実によく頑張ったと思う! あまりにも似合わない仰々しいサイバーなギミックを恥ずかしげもなく使い切り,しかも芸能界モノで一番重要な友情・努力・勝利の3本柱をラストで見事描ききった根性がともかく凄かった.着地に失敗している作品の多い今期としては,きっちりと着地ができた貴重な1本だと思います.問題はやっぱり声.大体3話くらい見ると聞き慣れるものなんだけど,そこまで耐えられず客を振り落としてしまったのが勿体無かったな.

3:2:3 キン肉マンII世
実に東映らしい勝利のクライマックス…けれど,どうやら原作はこのラストを軽く越えるくらいに感動的という噂.今回,自分は原作を読んでいなくて得をしたみたいだ.戦った後にはなぜか敵の思いを背負うことになっている万太郎と,完璧な勝利を繋いでクロエと2人きりでリングに上ったケビン.新しい因縁と古い因縁の戦いは,アニメでは新しいものに軍配が上がったようです.2クールを1クールずつ放映するという暴挙がなければ,必殺技の畳みかけで否応無しにテンション上がるいいバトルをもっと沢山の人に見てもらえたんだろうけどなぁ….

3:3:2 かしまし
絵柄は実に愛らしくかつ肉感的.描写は妙に叙情的.でも…いくら可愛くても中身はやっぱりあかほり.性別程度の障害じゃ女の子たちの色情狂ぶりは止まらないのだとつくづく痛感しましたよ.一見「ガンスリンガー・ガール」や「恋風」のようなタブーに真正面から挑戦する作品のように見えましたが,他の挑戦モノのようにタブー自体に作品そのものを意味づけるほどの大きな意味を持たせなかったのは残念.実際,見えさえすれば男の子でも問題なかったわけだし.でも,あかほりとしては相当毛色の違う1作にはなったんじゃなかろうか.まずDVDが売れそうな気がするからなぁ(笑).

4:3:3 冒険王ビィトエクセリオン
素晴らしい! 放映話数に見合わない物語を詰め込んでしまったがゆえに自爆する物語が多い中で,原作の縛りを解かれたことによって再構築された新たな世界は,2クールという長さにぴったりと合わせた広さと深さを持っていました.個性溢れる新キャラたちだけでなく,前シリーズで1年語りつくしたはずのレギュラーたちまでもさらに貪欲に掘り下げた中盤までが素晴らしかったし,それまでにしっかり立てたキャラをありきたりだからこそ燃える状況にきちんと叩き込んだ終盤はなお素晴らしかった.2クールあれば到達できるお約束だけどかなり高い地点にしっかりと足を届かせて,そこから凄い作画と演出でなお高いところへと駆け上がっていきました.
元々主役らしく超然としているから,気を抜くとただの生意気な少年に見えてしまうビィトの横に,本当にただの生意気な少年であるリオンを添えることによってその違いをはっきりと浮き立たせたり,通常のメンバー構成ではなかなか描写しにくいポアラの優しさやミルファの厳しさを描いたり.…妙にキッスがヘタレになったような気がするんですが,どうせ元々ヘタレなんだからまあいいや(笑).見た目で笑いを取るだけに登場したとしか思えなかったグリファスが実に良い味を出したり,無駄には殺さず,ここぞという死にはきちんと意味を持たせたり,誇りが溢れたり….彼らのこの先の旅路を見ることができないのが大変に残念ですが,ぜひともこの品質で再び復活してくれることを強く希望します.大変に面白かったです!
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とりあえず今日はこんなところ.あと1回あれば終わるかな?

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練馬大根ブラザーズ#10

「仲間とドームとデビューと他人の巻」

ドナベナベの甘言に乗ってしまったヒデキがイチローとマコを置き去りにすれば,マコはイチローのいじましい貯金を持ち逃げし整形美人を目指して病院に駆け込む.そこで出会ったのが整形と小児愛で世界的に有名なユーケル・ハクション.練馬にネリマーランドを建てたいユーケルは大根畑を欲しがっていて,マコは畑を引き渡すかわりに世界デビューする約束を取り付ける.けれど3人でドームを建てて3人でコンサートをすることにこだわるイチローは,そんな契約お断り.ゆえにマコを叩きスパンキングの魔力で籠絡しようとするも,マコのデビュりたい欲は愛すらも越えて攻に転じるのだった.

この先に待つクライマックスのために,大人同士の脆く儚い友情をハンマーでぶん殴って割る「練馬大根」.大人の姿の子どもたちのモラトリアムの崩壊は前回からはじまっているわけですが,今回はそれがさらに進展します.いい年をしていつまでも好き勝手に馬鹿をやることは,たいがいの大人にとっては卑下の対象であるのと同時にそうしたくても叶わない夢でもあります.
夢の中を勝手気ままに遊ぶ練馬大根ブラザーズは,自分のかわりにできないことをやってくれるある意味理想の存在でもあるわけですが,根性の曲がった作り手たちはそんな理想を自主的に楽園から退去させてしまうってのが今回の話.ラストのヒデキの言葉が実に嫌な感じに聞こえるのは,きっとあなたが本当はそんなことを言いたくないからに違いないですよ?

前半.ドナベナベに心奪われたヒデキは大根畑に戻ってくることはなく,ぼろいステージの上にはイチローとマコとパンダが残るばかり.マコには好機のはずですが,さすがにメンバー離脱直後じゃそんな気分にもなれないか….夜,イチローは大切な貯金瓶を眺めます.こつこつ貯めたささやかなドームの資金.しかしこれっぽっちじゃドームなんか建つわけがないから,ヒデキを引き戻す力にはならない….
そして朝.パンダの悲鳴?で目覚めたイチローが見たのは,貯金瓶に頭を突っ込んでもがくパンダの姿,激しく振られるふわふわの白い尻が…たまらない(笑).でも放っておくと死んじゃうので,パンダがお尻振ってもだえてるーとか歌ってる場合じゃないですよ.空っぽの瓶の中にはどうでもいい奴の書き置き1枚.「もちーとキレイでゴーカな女に生まれ変わってくる」という名目で,仲間の金を勝手に持ち逃げしやがりましたよあの女!ギャングのくせに泥棒ですよ!
その頃,泥棒マコは整形美人となって再デビュるために追加で金を借りて病院へ.…まあ,確かに美人の方が色々有利だろうけど,お前らの場合は圧倒的な知名度のなさを補う方が先じゃないのか.ちゃんとオーディションとかマメに行ったほうがいいと思うぞ…って,今はメインボーカルがいないのか.ちなみに借りちゃいなマネーのお姉さんたちには整形疑惑が勃発.でも長時間踊ってるわけじゃないし特別に美人ってわけでもないから,目許重視の厚化粧でもあの顔は十分つくれそうな気が.…実写で踊ってるお姉さん達に失礼です(笑).
大根畑にドームを建ててデビューしてコンサートをやる.その中でマコさんの優先度が最も高いのはデビューすること.一度芸能界で甘い名声の蜜を舐めてしまった彼女にとって,大好きなイチローの願いを後回しにしたって構わないくらいに再デビューこそ最優先事項.ともかくデビュって一刻も早くちやほやされたい.ついでに金を稼いでイチローにドームを買ってあげられれば最高です.
ちなみにマコさんの未来地図には存在しないヒデキときたら,マコさんのためにドームをおっ建てたいと新聞配達勤労中.3人の中では一番真面目に働きそうなヒデキは,畑の大根を放り出してドナベナベの下で頑張ればドームが建つという甘言に乗りまくっております.…このままではヒデキが先にドームを建ててしまう.その前にドームをイチローにプレゼントせねば…と焦るマコにつけ込むのが今回登場の整形&少年マニアです.ちなみにビッグヒロインの衣装っていうかリボン,ちょっとずれただけでも地上は眼福だねえ.
てなわけでやたらと暗い練曲美容整形外科にやってきたマコさん.病院に関してはあんまりいい思い出のない本作ですが,今回も患者たちがゾンビでスリラーで尋常じゃない上にその中から出てくるのが「ポー」で「アウ!」な超有名人,ユーケル・ハクション! 最近はランドを捨てて外国に出奔中のアイツがモデルなのは明白なので,整形ネタとか小児性愛ネタからははもはや逃れようもありません.でも,なんだってあんなに整形するんだろうなぁ.あまりにもやりすぎて辻褄が合わなくなってきたりしてるのかなぁ….
ユーケルの夢はもちろん「ランド」.子ども&自称子どものためのワンダーランドがこの日本には必要なのだと主張して,ネリマーランドの建設計画を持ちかけます.練馬には豊島園という立派なワンダーランドがあるわけですが,ユーケルはあくまで練馬ラディッシュファームことヒデ兄ちゃんの畑をつぶしたところにドームを建てたい.…なんで誰も彼もあの畑にドームを建てたいのか.風水的にドームでもひきつけるような土地なのか.
ユーケルは土地が欲しくマコさんは再デビュりたいということで2人の間には同盟関係が成立.大根畑を代償にしてワールドデビューが手に入るだなんて,なかなか太っ腹な等価交換です.こうしてマコことティンカーベルは素敵な土地開発に魅了されてユーケルの軍門へと下り空を舞う.…ついに主役の3人はばらばらに.練馬大根ブラザーズは解散の危機を迎えたのであります.集合と離散はバンド活動の花であり絶対条件でありますが,彼らもまたその宿命を逃れることはできなかったようです.
まさか自分の知らないところでバンドが解散しているとは思わないイチローはマコさんの窃盗をカラクリに届けたようで,実況見分が行われているところにのこのこと戻ってくる小娘はいきなり捕まります.しかしマコさんはお金をいきなり返済.…まあ,返済したって犯した罪は消えないんですけどね.そしてユーケルがこの土地と引き換えにデビュらせてくれると朗報を伝え,うまいことイチローを自分の陣営に引き込もうとするものの…イチローはやっぱり嫌.3人でやる夢なんだから,そこに他人の手が入るのはどうにも承服できないのです.
どこだっていいからともかくデビュって歌いたいマコと,ここで3人でなければ意味がないイチローの心はすれ違い.他人の金でドームが建っても平気なところはマコはヒデキとよく似ているわけですが,さらにマコは練馬のドームにすらこだわっていません.ともかくデビューで有名でお金儲けでちやほや.そこさえクリアできればあとはどうでもいいドライな欲望.この欲望を前にしてしまうと,あのイチローのスパンキングすら効果なし…というか攻守交替,リバースに(笑).昼日中,警察官の面前で男に襲いかかるマコさん.猥褻物陳列罪とかもっとヤバイのとかですか?

後半.テレビでは放映できないヤバげなマコさんの犯罪はカラクリの奮闘によってどうやら未遂に終わったようで,乱闘終わって空しい気分.いくら拳をつきあわせても男と女じゃわかりあえない.ユーケルも登場してイチローを自分の陣営に引き込もうとするものの,もちろん畑は絶対売れない.スリラーこと包帯男たちやバットことゾンビたちをけしかけられたってイチローは首を縦には振らない.割とこわーいホラーな風景が練馬の大根畑に広がっておりますが,それでも一人で頑張ります.…頑張るなんてらしくないけど,そうしなきゃ我慢できないくらいに嫌なのです.
ゾンゾゾンゾーンとかバッババッパとかホラーテイストな連中に襲われ,必死で逃げるイチロー.しかし惰弱なホストの足では逃げ切るのなんか無理であり,増して権利書のあるステージを離れることはさらに無理な話であり,結局ステージの前に多勢に無勢で追い詰められる.マコさんは傍にいるけれど味方ではなく,腕の中のパンダはふわふわのぽわぽわだけど役に立たない….
このままでは土地権利書を取られて練馬大根ブラザーズは離散.そんなピンチを横で見ていたカラクリは,ついに耐えられず介入を決意.世話の焼ける3人の犯罪者のため,助け舟ならぬ自転車変形助け馬を出しました! …まあ,今更超変形したってカラクリなのでそんなに驚きはしませんが,馬が結局ペダル漕いでタイヤ回してるのは無駄だと思うよ(苦笑).悠々とバラードを歌いきって浸ったあとでカラクリが走るのはもちろんヒデキのところ.あ,たぶんイチローのパンツは黒だと思いますよ赤パンのカラクリさん.
さてその頃,イチローのピンチなんてちっとも知らないヒデキはドナベとともにドームっちゃう歌を能天気に熱唱.しかし突如飛び込む白馬くるまに逆向きにまたがるバカ.「ごきげんよう!」とカラクリ眼鏡から壁に向かって照射された映像はさっきのイチローの窮地を描き出し.これにヒデキは立場を忘れて立ち上がります! 自分の畑でイチローが大ピンチ.たとえ今は2人が仲間でないとしても,放っておけるほどヒデキは人でなしではないのです.
しかしヒデキ一人が加わったってやられるのは目に見えているから,まずはおやっさんのところに寄ってレンタルプリーズを絶唱…って,人数が足りないのでヒデキとカラクリとおやっさんの3人編成ですか.恐らくはこれまでで一番年齢高そうなこのトリオ.監督的にはあのシゲルと好みのユキカだから個人的に大満足だよね…(笑).おやっさんが出したのは青いパイ.程度の差こそあれ男はみんなパイは好きであり,そうでなきゃ人類はこんなにいないわけですが,それを年増とはいえ女性の前で言うのはセクハラなので,たとえ監督だろうと粛清されても仕方がないと思われます.…下品だねぇ(苦笑).
悠長に何曲も挟んでいるうちにイチローは変質者な超スターのユーケルの部下に痛めつけられてぼこぼこのずたずた.パンダまでもやられてしまって,さすがのマコさんも我慢できず,その拳を炎と変えてユーケルの鼻を吹っ飛ばす! 仲間の夢を踏みつけにして仲間の土地を売ろうとする勝手な女ですが,そんな女にも仲間意識はわずかに残っていたのです.けれどこの反逆に怒ったユーケルはもちろんマコに襲い掛かって….マコの悲鳴! そして飛んでくるパイ!
今は違うけど3人は仲間だったから,大ピンチなら助けなきゃならない! カラクリとともにヒデキは土の柔らかいところに参上し(笑)そのまま臨時で再結成プラスカラクリで反撃開始! 生き生きと全員がユーケル側を狙う…のかと思ったら,マコさんは本気で攻撃してない.今になってやっぱりユーケルとの契約が捨てられなくなってる模様です.ユーケルは黄色い肌を青くされたくないがために必死で逃走.青と黄色だから放映できるけど,白と黒だと限りなくヤバいなぁこのあたり(苦笑).しかも途中でドナベがチームを連れて畑に乱入し,旧知らしい2人の悪者大激突はユーケル側はさすがに敗北.

ヒデキを抱き込んだドナベナベ,マコを抱き込んだユーケル,そしてどちらにも組しないイチローとパンダとカラクリ.さっきの乱戦で一旦練馬大根ブラザーズが再結成されたものの,事が終わってしまえば結局元の木阿弥.バカだけど本人の意志でドナベやユーケルのところに行った2人は,バカゆえにその甘言が叶うものだと信じきっている.結局…助けに来てはもらったけれど,イチローはひとりぼっち.
3人でドームを建ててコンサートをやる.ごく単純な夢は揺るがないはずなんだけど,そこに至るまでの道が違いすぎて訪れた破局.夢の他にいろいろ無駄なことを考えてしまう大人だからこそ,たった3人の意志を統一することすら難しい…「僕達,3人の夢は?」と尋ねるイチローに,「いつまでも甘ちゃん言ってんなよ!」…「現実見てから,自分の道決めな」と無駄にかっこ良くてちっとも似合わない答えを返すヒデキ.一番現実が見えてない奴に現実を説かれるだなんて,居心地悪いし気持ち悪いし情けないし悲しいし!
3人のバカが世の中の常識を無視して大暴れするのを楽しみにしていた視聴者の期待を根本から裏切る意地悪過ぎるシリーズ構成.視聴者には泣くイチローの気持ちは大変よくわかり…そしてバッチにやたらこだわるユキカの気持ちも台無しだけどなんとなくわかる(笑).ドナベナベとユーケルのつけた金のライオンバッチは一体何を意味するのか.そしてそのバッチの裏側にいるのは誰なのか? もはや3人の気持ちが一つになることはないのだろうか.次回に続きます.

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