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金色のガッシュベル#149

「きっと2人の本当の才能の巻」

ファウードの日本上陸まであと35分.ゼオンの強さは圧倒的で,たった1撃を止めるためにティオは全力を使い果たしてしまった.孤立無援のこの状況でも未だに闘志を失わない清麿たちにデュフォーは興味を抱き,ゼオンに代わり闘いの主導権を得て仕掛ける.もちろんガッシュたちの攻撃はまったく通用せず,デュフォーの狙った通りにやられるばかり.しかしそれでも清麿たちがまったく闘志を失わない理由がわからず,デュフォーは次第に恐怖を感じはじめる.

2話連続ラストの前半にまでついに到達してしまった「ガッシュ」.長いようで短かった3年間もここからフィナーレ.ちょっとばかり風呂敷を広げすぎたキッズヒーローものとして,可能な限り派手にテーマを語りつつ事態を収拾していきます.本作の中心に軸として立っているのはガッシュなのですが,そのすぐ脇にいて物語を大きく回しているのは清麿.今回はその清麿の最大の武器が炸裂します.
一見賢さや冷静さが最大の武器に見える清麿ですが,実際にその頭脳が役に立つことは正直稀であり(苦笑)どこまでも諦めない折れない心や魔物すらビビらせる気合のほうがずっと役に立っているという事実は否定しようもありません.そんな非・頭脳派の清麿最大の武器は味方の心を鼓舞し敵の心を惑わせ戦闘意欲を減退させる魂の説得.今回はこの必殺技が見事に敵の一角を壊し,その先に続く反撃の礎を築きます.

全ての終わりまであと35分.ファウードがここまで陸地に近づけば,日本どころか世界中がきっと大騒ぎになっているに違いない.世界的な大事件になりかけているこの状況の中,前回はリーヤがガッシュを守るために脱落.そして今回の冒頭ではこれまで謎だったティオの新呪文が発動.書いてはあるけれど読めなかったあの術は,中途半端な覚醒状態だったのか,それとも強く守りたいと思う心が発動条件になっていたのか? …理屈はともあれティオの守りの円によってゼオンの致命的な一撃を防御することに成功したものの,そのたった一度の防御でティオたちは力を使い果たしてしまいました.
ラストマッチなのにリーヤやティオに全力で守られまくるガッシュたち.そりゃここまで自分たちだけでやってきたゼオンに笑われるのも仕方がないところですが,ここに至ってもまだ自分たちを守ってくれる仲間がいることはガッシュにとっては大きな誇り.術でも能力でもなく,励ましあい助け合うことのできる仲間の数こそが,ガッシュ自身の最も大きな力であり成長の証でもあります.
そんなガッシュがともかく気に食わないゼオン.人間界で地獄の苦しみを味合わせるはずが,なぜか大量に仲間を作って自分に向かって真正面から青臭い文句をつけてくるんだから腹が立つのも無理はない.ゼオンとしてはこの戦いはガッシュを苦しめるための戦いであって,それ以上の意義も意味もない.王になることなんか二の次にしたいくらい,ゼオンはバオウを取られた件でガッシュを徹底的に憎んでいます.…正直ゼオンは大人気なさすぎ.4人の中では2番目に精神的に幼いんじゃないかな.
そして恐らく最も幼いのがデュフォー.超能力というとんでもない才能に恵まれ,それゆえに虐待と孤独の中で生きてきてしまった彼が気になって仕方ないのは,自分とよく似ているのにまったく違う清磨のこと.どこまでも冷静に心の力をコントロールするデュフォーと心の力が常にだだ漏れしている清磨はまさに鏡像.同じに見えてまったく違う,デュフォーにとっての「未知」そのもの.ゆえにわざわざゼオンに願って対峙してみるわけですが…これこそが最大の敗因.清磨の説教能力は,並のものではないのです.
一応天才と超能力者.あまりにも「異常」な能力によって2人は世界中の「普通」から排除されてきたはずなのに,なぜ清麿が自分と同じように考えないのかデュフォーにはまったくわからない.いくら清磨の心を覗き込んでも,そこに書かれている清磨の理論が理解できません.不思議なものを前にしたデュフォーは,赤ん坊が初めて見るものに手を伸ばすように,戦いという形で清磨の内面に直に触れてみようとします.
てな経緯ではじまった清麿対デュフォー戦はもちろん清麿とガッシュが圧倒的に不利.デュフォーも読心術による指示だけでなく念動力まで使ってくるもんだから反則すぎる強さです.たかがザケルでもゼオンの術はまともに当たれば死にかねないほどに強力な上,ガッシュ側の術は先読みされて心の力が無駄に消費されていくばかり.いくら一応天才が必死で考えようとしても,今度はガッシュが勝手に特攻をかけて勝手にやられてるし(苦笑).自慢のコンビネーションもろくに機能せず,またもガッシュと清麿は全滅の危機に陥ります.
けれど…人間としては相当タフな部類に入る清麿には未だ意識があり,そしてガッシュには未だ闘志がある.頭脳でも術でもなく何度倒れても立ち上がる根性によって,2人はこれまで何度も奇跡を起こしてきました.ゼオンに笑われて当然な,あまりにも素朴で乱暴な根性論.けれど,デュフォーにはその根性の源泉がわからない.…どこまでやったって絶対負けるこの状況で,なおもこのどうでもいい世界を守るために命を賭けて気迫を振り絞る,2人の気力の源がわからない.…論理的に考えるとありえないこの尋常でない敵の気合が,だんだんデュフォーは怖くなってきます.

実はこのガッシュ対ゼオンの最終決戦を,割と無傷のままのバリーたちが見守ってるんですが,ガッシュと清麿の能力を深く知っているグスタフの意向で最後まで介入せず,傍観者に徹してくれています.あのグスタフも認める強さは,徹底して追い込まれてもなおぎらぎらと輝くもの.現実や計算をわかっているくせにあえて無視して諦めない強い目.それを覗き込むデュフォーには,その正体がわからなくて…怖い.手を触れてもそれは未知のままで,幼い手を焼くのです.
そして,怯えた獲物をさらに追い込む清麿渾身の魂の説得! 2人の心の中には,これまで出会って心や夢を託されてきた,大勢の魔物たちと人々の心がある.沢山の思いを背負ってここに立ち希望と勇気のもとに戦っているから,何度だって立ち上がることができる! …デュフォーには理解できない,これまで積み上げてきた2人の思い出.それは未だひとりぼっちのデュフォーには予想もつかない量の,他者の思い出と精神の断片です.
どれほど強い魔物でも,この世界ではパートナーの心から力を引き出さねば術は使えない.絶対的な強さを持つゼオンを攻略するには,ここでパートナーの心を崩すしかありません.デュフォーの動揺に対し清麿はさらに言葉をぶつけます.デュフォーは折角ゼオンと出会ったのに何も変わらず,清麿はガッシュに出会うことで別な新しい世界を見ることができた.絶対有利のはずのデュフォーに「可哀想」という評価を与えることで,デュフォー自身に彼が哀れな存在であることを強く強く自覚させます.…デュフォーが好奇心で覗いた鏡の底に見つけたのは,未だひとりぼっちのままの,哀れな自分の姿.
清麿に才能があるとすれば,それは決して頭脳の明晰さではなく(苦笑)実際はあの義理堅さやつきあいの良さや正義感ではないかと思います.世界に対し「異常」ではじき出された清麿をもう一度引き込んでくれたのがガッシュ.清麿はそのときの恩に報いるために,時には敵味方の激しいボケにつきあって根気強くツッコみつつも,無謀な戦いの先頭を共に走り,命を賭けて誰よりも弱い魔物の子を護り育ててきました.清麿にここまでさせるほど,ガッシュの見せてくれた世界は素晴らしかった.友達のいる世界は暖かく輝いていて,決して失いたくないほどに愛しいものだった….
かくして清麿最強の武器にやられたデュフォーの動揺は止まらない.言葉の真贋を確かめるべく覗いた心の中には,人前に出た赤ん坊が怯えて泣き出すくらいの大量の人々と魔物で一杯.空っぽのデュフォーには,これだけの重荷を心に抱えてなおも立つ2人の心がわからないし,その重荷を燃料にして闘志を燃やす原理だってわからない.伸ばした指先に触れたのは,持っていない可哀想な者の心を焦がす炎! この状況で敵の弱い部分に精神的な大ダメージを与えた清麿は,実に彼らしい活躍ぶりです.
しかしゼオンも唯一ともいえる弱点を放ってはおきません.すかさず崩されたデュフォーのフォローに入り,不可思議な鏡の中の炎を消しにかかります.2人の力の源である仲間たちとの記憶を,ゼオンの持つ能力を使って消す! …実際にガッシュの記憶も以前妖精の森で消されていて,それゆえに様々な場面で迷走してきたのは皆様もご存知のとおり.ガッシュは魔界の記憶を失って人間界に来て,人間界の記憶を失って魔界に帰るというのがゼオンの考える根性曲がりのシンメトリー.そんな無体なことをされるわけにはいかないけれど,いくら精神面で圧倒しても肉体的にはガッシュも清麿も圧倒的に弱いまま.ゼオンは倒したガッシュの頭に己の手をかざし,大切なものを壊そうとして,そして….
一度全てを失ったガッシュが清麿とともに作り上げた,何より大切なもの.決して失えない輝く思い出は,我々がこれまで見てきた物語そのもの.2人が沢山の人々とともに作り上げた,この先も決して忘れたくない笑いや涙.それを無慈悲に消そうとするゼオンは許せない.絶対に…「そんなこと…させるものかー!」

大切なものを守ろうとする心に応えて起きる奇跡は,今日も彼らを,そして我らを裏切らない! 守りたい負けられないガッシュの体は金色に輝き,今まで見せたことのない力でゼオンを掴む! あの懐かしい「カサブタ」の流れる中で,心から湧き出す金色の力はガッシュと清麿の体を癒し,ゼオンに比肩する力をガッシュに与える! まさに絵に描いたような反則まがいの大逆転劇.キッズ向けで主役でラストバトルだからこそかろうじて許されるレベルの凄いパワーアップ! …ここまで散々嬲られてきたからこそ,金色のガッシュの大活躍には爽快感があります.ついさっき心を崩したばかりのデュフォーとさすがにうろたえるゼオンに対し,清麿とガッシュはもう揺るがない.
「信じろ,俺たちは奴らを倒し,そして,ファウードを止める!」
これまで2人で走ってきた道の長さが,これまで2人を信じてきた人々の数が,全て心の力の源となり,そしてパートナーの強い心の力は深く結ばれた信頼の絆を伝い,魔物の子の術の力を飛躍的に引き上げます! 本当に重要なのは心.これだけの心を集めたことこそ,2人の類稀なる才能そのもの! 次回,白銀と黄金の大激突からファウード編の終了へ…最終回に続きます.

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