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桜蘭高校ホスト部#2

「沈んだ日々をティッピングの巻」

罪なくして800万の借金を背負わされた上にホスト部のホストとして働かされることになった藤岡ハルヒ.女性ということを秘密にして,ハルヒは生来の天然ぶりで女生徒たちを魅了していく.そんなハルヒを見初めて贔屓にしてくれた,ホストとっかえひっかえ病でおなじみの春日崎先輩.ダンスを知らないハルヒに付きっ切りで教えてくれたりと彼女はハルヒにべったり.けれど彼女の本当の心は,ホスト部の美少年ではなくホスト部の備品のティーカップに向いていた.

今期のコメディでは最も贅沢でハイレベルな映像を拝むことができそうな「ホスト部」.ここまで作り手が全力でやってくれれば,きっと原作ファンのお嬢さん方も大満足じゃないかと思うんだけどどうだろう? 個性溢れるレギュラー連中はパーフェクトな1話で一応ご紹介されたわけですが,今回はまだまだ説明の足りないホスト部という団体の実態について実例を交えつつご紹介.すっかりハルヒに惚れてしまった環の異様な言動とかハルヒの女装?とか凄いラブレターとかラストのサプライズとかチェックポイントはいろいろあるものの,一番の見所はもちろん「大トロ」であることは疑いようもありません(笑).

前半.桜が花開くのを待つころに,ハルヒの才能が第三音楽室のホスト部部活で花開くことになりました.金と暇にものを言わせて豪奢極まるホスト部の今回のテーマは南国.まだ肌寒い春だってのに空調全開で本場から空輸した数々の南国アイテムを飾り倒すという金持ちならではの贅沢.…まあ,かけた金額がそのまま店の格になるし,派手な企画を途切れなく提供することでリピーターを増やすこともできるし,投資した金額以上にお姫様たちから絞り上げればいいわけだし(笑)…って,環は考えてないだろうけれど鏡夜は絶対計算に入れてるはず.後に蛇がいたりするものな.いい男は着膨れなんかしないもんだと愚かな王は絶好調で,そんな環のバカコメントにドン引きのハルヒ.姫でない彼女にすれば殿はやっぱり寒い珍獣以外の何者でもないようです.
ホスト部の活動はお暇なお嬢さんたちの退屈を潰し満足させて差し上げること.そのためならばどんな恥ずかしいこともあえてやっちゃうのがホスト部の心意気.そんな心意気を最も体現しているのは,わざわざ兄弟ホモというシュートな芸を惜しげもなく披露する双子じゃないかと思います(笑).ハニー先輩は3年のはずなのに相変わらず反則で可愛く,寡黙なモリ先輩とのコンビも絶妙.さらにお客たちも南国ゆえの半裸の露出も相まっていつもよりハイテンション.きっとチップとか思いっきり儲かってるんだろうなぁ.
てなわけで男性陣は半裸が制服であるわけですが,生物学上は女性であるハルヒはさすがにあんな格好はできないし,それ以上にバカとペアの女性用衣装なんか人として着るわけにはいかないし(笑).季節感を大切にするという名目で制服姿で勤めるハルヒ.すっかりハルヒにハマっている姫様方を「夢があってかわいいですね」などと実に天然な態度で魅了します.思ったことを恥ずかしげもなくそのまま口に出してしまううかつさが,完全にいい方に働いているあたりがお得です.
そしてそんなハルヒに目をつけたのが今回のヒロインである春日崎嬢.ホストクラブは特定のホストを一度指名したら決して替えないのが基本なんですが,彼女はホストを次々取り替えるという悪癖の持ち主.で,直前に指名されていた環は春日姫を取られて納得いかずに落ち込んでいるのか…と思ったら,殿の悩みどころは随分と明後日の方向にありました.部活後に庶民ラーメンを食いながらくじける環はハルヒに「ちゃんと女の格好をしろ!」となんだかとっても今更なことを主張.ハルヒが女性であることに途方もないダメージを受けた殿は,お父さんとして娘さんには娘さんらしい格好をしていただきたいらしい.
在りし日のハルヒさんの美貌を勝手に引き伸ばして金縁の額装まで施す殿.そして自分を「俺」と呼ぶハルヒに汚い言葉を使うなと泣く殿.その壮絶な過保護っぷりは父親ゆえに許されるらしいですが,当然彼はハルヒの父親なんかじゃないしお母さん役の鏡夜に至っては既に性別すら合ってない…(苦笑).折角のきれいな長い髪を子どものくっつけたガムのせいでばっつり切ってしまったハルヒ.一応,そういうときは氷とかで頑張って冷やすと活路が開ける場合が多いらしいよ?
いくら自称父親の殿が嫌がったとしても,ハルヒは借金を一日も早く返すためにもホストをやめるわけにいきません.ただしこの格調高い?ホスト部でホストをやるなら,社交ダンスくらい踊れなければ話にならない.奇しくも来週はホスト部主催のダンスパーティがあるということで,いきなり環に1週間でワルツをマスターしろできなければバラす!と突きつけられてしまうハルヒ.さすがに無理?という難題だったはずなのに,翌日どんよりとしたのはやっぱりハルヒではなく環.お得意様である春日姫がダンスを教えてくれることになり,たどたどしく初々しいハルヒのファーストステップは環ではなく姫のものに….ハルヒへのアピールがことごとく裏目に出てしまう環.世間ではこういうのを『相性が悪い』と言うはずです.
練習も喜んでつきあってくれる,ちょっぴり大人の魅力な春日姫.彼女が夢中になるのはハルヒ…とジノリのカップ.西洋食器を扱う者にとってジノリは超メジャーなメーカーの1つ.PCで言うなら普通のカップがノーブランドのパーツを寄せ集めた廉価な自作機だとすれば,ジノリクラスは国産メーカーのハイエンドモデルを想定していただくとわかりやすい.もちろんそんなものとは縁遠く暮らしてきたハルヒにはその凄さはわからないけれど,春日姫がやたら食器が好きだという程度はさすがにわかります.
けれどこの他愛もない指摘にやたら動揺する春日姫,その上この場に加わる新たな登場人物によって,彼女の真実が割と明らかになります.ホスト部に新しいティーカップを届けに来た珠洲島君.ホスト部の綺羅綺羅しい面子には及びもつかない地味っぷりですが,彼もまた食器輸入業ではシェアトップの一流企業の御曹司で来月にはイギリス留学までご予定.…そんな彼の存在に奇妙に暗くなってしまう春日姫.心の中,彼女は動かないコーヒーカップの中にひとりぼっちで,寂しい.
女の子の異常を敏感に察するのはいい男の大切な資質.ここでハルヒだけでなくいかにも鈍そうな環までもがちゃんと反応しているところが,彼の意外と(笑)まともな才能を示しているような気がします.なんとさっきの珠洲島君と春日姫は幼馴染で親が決めた許嫁同士.しかもお互い意識しまくっていたからもっとうまくいってもおかしくないはずなのに,春日姫はホスト部三昧というこの状況は由々しき問題.この部が女の子を幸せにするために存在する限り,彼ら,特に環は介入しなくちゃならないのです.

後半はハルヒさんの見所満載.前半冒頭ではかたい蕾であった桜も咲き揃った一週間後の夕刻.ホスト部はお約束のとおりに子羊ちゃんたちを集めてダンスパーティを開催.本格的なオーケストラまで揃える夜会は実に豪華.ちなみに今宵のダンスクイーンにはキングのキスをプレゼント.基本的に誰からでも愛される環だからこそ競う価値のある賞品になるわけですね.まあ,肝心のハルヒには絶不評みたいなんですが…(苦笑).
ごく一般的な庶民であるがゆえにこの場からぽっかりと浮かび上がるハルヒ.ダンスパーティと言えば盆踊りくらいしか思いつかない彼女の場合,この場にいるだけでもなかなか辛そう.しかし,そんな彼女の興味を誘ってやまないのが金持ち料理.普段の活動では飲み物とか軽食中心だろうから,ここまで本格的なご馳走が並ぶのはきっと珍しい.普段食えないようなものもいただけると聞いたハルヒさんの「…お,大トロとか?」というコメントが切なくてたまらねえ(笑)! 超絶キュートなコメントは他のホスト部全員の庇護欲を煽りまくり,別に可哀想でもなんでもないはずのハルヒにとっては実に迷惑.
さて,このダンスパーティは特定のあの人を幸せにするためのもの.それはまだ大トロを食べていない壁の花のハルヒではなく,そんなハルヒと踊りたい御贔屓の姫様たちでもなく,あの食器好きの春日姫.彼女がこの会場に姿を見せたところから今回のミッションがスタート.ハルヒはホスト部によって強奪され,崇高なる計画のために(笑)女生徒の格好に着替えます.…服装的にはむしろ正常な方向に変わっただけ.けれど普段が普段なので関係者間,特に殿には倒錯した魅力がたまらない.とはいえそのあたりの事情をまったく知らない人から見れば,ただの見知らぬ美少女に過ぎないわけです.
てなわけで歩きにくい美少女ハルヒさんは珠洲島君と夜の教室で対面し,その本心を聞き出すことにします.…勝手にハルヒさんが珠洲島君に手紙を出して呼び出したことになっていた上に,その文面が物凄くダメでどうしよう(苦笑).鏡夜と双子が合作した『ラブラブゥゥ』とかからはじまるものごっつい痛いお誘いの手紙.こんなショッキングピンクを読まねばならない坂本氏の苦労が偲ばれます.
で,こんな恥ずかしい思いをしたのに,珠洲島君は美少女の申し出をお断り.彼にはやっぱり好きな人がいて…しかし愛想をつかされていると勝手に思い込んでいる.その割に自分の留学の間は待っていて欲しいだなんて,相手に伝えもせずに願っているだけの珠洲島に対し「…それは本当に勝手ですね」とあっさりぶったぎるハルヒ.思っていることを伝えもしないでわかるわけがない.特にタイムリミットが迫っている今には先延ばしの猶予はない.今変わらなければ,もうチャンスなんかないはずだ.
そんな変化のチャンスをわざと作ってあげるのが今回のホスト部のお仕事.ハルヒが珠洲島をぶったぎっているその頃に,殿も春日姫に真実を知らせるために活動中.わざと引いて見せて相手を引き寄せようという戦略は,相手に相応の積極性があってはじめて成立するもの.相手にはそこまでの積極性がないことを見抜けない春日姫は間違いなく駆け引きとか向いてない.彼女の心は未だに,留学を勝手に決められたあてつけに通った華やかなホスト部よりも,幼い頃からの思い出が注がれたティーカップに惹かれている.
環に連れられて来た春日姫が見たのは,謎の美少女と珠洲島が一緒にいる様.当然のように誤解して泣いて離脱する春日姫に珠洲島は泡食って追撃をかける! 彼らに足りなかったのはタイムリミットの自覚.ずるずると時が過ぎて何もかも手遅れになる前に,ちょっとした波風を立てて促すというのが王の采配で,決して考えなしにこじらせたわけじゃないのです.

春日姫を桜満開の中庭で捕まえた珠洲島.2人に当たるスポットライト.美しく整えられた舞台の中心で,観客たちに見守られながらの春日姫と珠洲島の麗しのラストワルツ.そこで「君が好きだ!」と珠洲島は精一杯に告白し,花が散る前に想いを伝えることに成功します.今夜の主役はこのじれったい2人.一緒にコーヒーカップの夢に乗ることになったこの2人,ハッピーエンドで終了してしまったから…ハルヒの指名客が一人減ってしまったような気がするけれど,まあいいや!
今夜のクイーンは当然春日姫.けれど祝福のキスは借金3分の1カットの条件で殿からハルヒさんにアクシデントその1として変更.女の子同士だしどうせ頬だし…と受け入れてしまうハルヒさんの大雑把さは,環にとっては実に憎いものであったに違いありません,しかもハプニングその2は環自ら頬へのキスを唇に方向修正するという,もういろんな意味でいたたまれないものであり…(笑).
ファーストキスを女の子にするハメになったハルヒが割と落ち着いているどころか気分がいいのに比べたら,殿の今夜の落ち込みっぷりが大変に楽しみ…いや,心配か(苦笑).こうしてわざと他人の時を進めてあげたホスト部ですが,そのホスト部の中の時間はこの先どんな風に進むんだろう.次回に続きます.

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