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機動警察パトレイバー#2

「効き過ぎる薬はやはり毒?の巻」

太田以外は促成栽培の隊員ばかりの特車二課第2小隊は,奥多摩の警察学校分校で2週間のレイバー研修を受けてついに最終日.訓練の締めくくりとしてレイバーを使った模擬戦を行うことになる.第1小隊の隊長が特別参加し,お偉いさんも見に来て今後のチーム編成にも影響するという大事な模擬戦.そこにシードとして加わったのは,ニューヨーク市警察から特車二課に研修にやってきた凄い美人,香貫花クランシー巡査部長だった.

往年の傑作「パトレイバー」も2話ではまだプロローグの続き.1話で野明,2話では香貫花が入り,落ちこぼれの第2小隊はどんどん華やかになっていきます.…まあ,落ちこぼれの方はあんまり改善されないんだけどね(苦笑).本作のロボットは車や土木機械の類の一種なので乗ること自体には特殊な意味はないし,主役たちもあくまで警察であって超一流の才能を持つレーサーではない…つまりそんなに特殊な存在ではないってところが本作のミソ.視聴者とロボットのいる架空世界の距離がこれほど近いリアルロボットものは実に珍しい.

前半.新機種と新隊員が入ったのがきっかけになったのか,第2小隊は奥多摩の緑溢れる山奥の分校でカンヅメ研修を受けております.木造の相当レトロなこの分校は,まさに廃校寸前の小学校のたたずまい.そこで練習用のレイバーたちがひこひこと運動してるのが妙にマッチしています.で,そんな不思議な時間の流れる空間にヘリでやってきたのが…彼女こそ,本作動画部門のとっても危険な綺麗どころ.
またメインキャラが増えるとも知らない第2小隊の一同は実に騒がしく朝御飯.人外魔境での2週間の苦行が終わるうれしさに加えて,研修最後のプログラムとなるレイバーを使った模擬戦も気になるところ.そして窓越しの,新たな登場人物による豪快で限界まで機体を酷使する機体さばき….あの過激な感じこそ実に彼女って感じがするな.ちなみにここで進士が太田に魚を取られていますが,その復讐は後半で果されますのでお楽しみに!
あの美人誰だ何しに来たってなわけで隊員たちは大騒ぎ.模擬戦とかどうでもいいくらいに知りたいのは隊長の横に立つ彼女のこと! ニューヨーク市警察から半年の研修に来た香貫花クランシー巡査部長.ストレートの長髪に切れ長の目.怜悧でやや酷薄な印象すらも受ける笑顔.知識にもレイバーの操縦技術にも優れ…ただしちょっとばかり強引で,そして相当過激の上に無茶苦茶(苦笑).太田は階級に弱いのと生真面目の両方で彼女のピンヒールの下に敷かれることになりますがこれは先の話.
模擬戦の会場は当然分校の校庭.お偉いさん方もいらっしゃるということで隊員たちで会場設営.このトーナメント戦が今後の配置にも影響してくるということで,もう絶対に乗りたい野明は気が気ではありません.なんせ遊馬の言うとおり,データ蓄積型のイングラムはパイロットの癖がつくから滅多なことでは乗り替えられない.もちろん他の奴が絶対にその機体に乗れなくなるわけじゃないけれど,本来のパイロット以外には大変に扱いにくい設定となる可能性が高い.ゆえに乗りたいならば一発いいとこ見せるしかないので,イングラムにマジックで「あたしの」とか自分の所有権を主張したって何の役にも立たないぞ.むしろ「消しとけ」とかさらっと言われるばかりだぞ(苦笑).
かくして東京の秘境の校庭に,テントとホワイトボードとパイプ椅子,そして練習機とイングラム2機と沢山の警察官が揃います.教官が評して曰く「凄い才能を秘めてるんだか,ただの落ちこぼれだかさっぱりわからん」第2小隊の卒業式は,5人の隊員+2で行われる勝ち抜き戦.第2小隊とは根本的に違う第1小隊の隊長,五味丘が参加する上に,例の香貫花までもトーナメントに参加.
トーナメント1回戦の対戦組み合わせは,野明対遊馬,太田対進士,山崎対五味丘,そして香貫花がシード.…五味丘のポジションがどう見ても噛ませ犬なのが既に気の毒だ…(苦笑).準決勝までは練習機で戦い,決勝のみイングラムを使用.かくして訓練の成果が本当に出ているのかどうかよくわからん様々な試合が繰り広げられることにまりました.野明は「あたし絶対負けない!」と意気込んでますが,果たしてどこまで勝てるのか?

後半.第1試合はいきなり野明対遊馬.恐らくは後藤隊長がマッチメイクしたこのトーナメント,表の左側に搭乗候補,右側にそうでない者を集めたようなので,この段階では両名ともパイロット候補.…でもこの模擬戦は実に無駄たっぷりで遊んでいるようにしか思えない.「ちょこざいな小僧,名を名乗れー!」「小僧じゃない,お姉さんだー!」とか叫んで練習機でチャンバラ.本当にこんなんでいいのかと,見に来たお偉いさんは絶対に深い疑問を抱いたはず(苦笑).
勝負の行方についてはしばしの戯れの後篠原機が急に足元を崩して自爆し泉機の勝利.突然足にガタが来たとか遊馬はいろいろ言い訳してますが,後藤から見ればわざとコケたことはモロばれ.大してレイバーにも乗りたくないし,相手の野明がやたら乗りたがっているということで遠慮したようです.ちなみに遊馬はイングラムを製造した篠原重工社長の御令息.大変に父親と仲が悪く,ハメられてこんなところにいるという事実でもおなじみです(笑).
わざと順当な結果となった第1試合と違って,とんでもない展開を見せたのが第2試合の太田対進士戦.関係者席には進士の愛する妻である多美子さんが黄色い声を張り上げてダーリンを応援しているわけですが,これが独身の太田の気に障った様子.試合でも合図も待たずにペイント弾で銃撃し,どんな手段でも勝てばいいと豪語しバカ笑いする太田のわがままぶりに…進士の眼鏡がきらりと光ってキレました!
愛する妻の前で反則で恥をかかされ,「何がそんなにおかしいんですかー!」と完璧にぶち切れて太田機を圧倒してしまう進士機.強いのはいいことなんですが,コントロール不能になってるのが人の命を奪いかねない危険な道具を扱う人間として絶対に失格.見に来たお偉いさんたちはもちろんこの惨状に呆然としたはず.でも切れるとおっかないことが判明したのは,今後組織を運営する後藤にはいい成果だったかもしれない.
続く第3試合のひろみ対五味丘はひろみがコックピットに入らなくて不戦敗.…一体これまでの2週間,ひろみは一体どんな訓練を受けてたんだろう(笑).実は時間をかければ乗れるけど,それまでに日が沈むから不戦敗とかそんな感じ?
続くは準決勝.まずはパイロット選定に関しての事実上の決勝戦となる野明対太田戦.これは太田が銃を撃つことにこだわるのを察して火力を封じ,狼狽したところをすかざず倒し頭部を潰して野明の勝ち.…模擬戦なんだから寸止めでいいような気がするんだけど,電磁警棒でちゃんと壊している野明も手加減がありません(苦笑).お偉いさんは,こいつら金かかりまくって洒落にならないかもと深い不安を抱いたに違いない.修理にかかる金額を考えると真上の衝撃に弱いとかどうでもいいもんなぁ….
こんな感じで壮絶かつ無謀な戦いを繰り広げる第2小隊の連中に対し「下品です!」と香貫花.凛とした一喝とともに出て行った彼女と五味丘の対戦は.下馬評に反して香貫花の圧勝! 各種格闘技有段者すらも一瞬の一本背負いで沈めるという香貫花自身のスペックの高さが如何なく発揮された格好.本編全体を通し,はみだし者揃いの第2小隊の特殊性を際立たせるために第1小隊の存在があるわけですが,折角の各種段位ももちろん噛ませ犬の箔としてしか機能しなかった五味丘が可哀想だ…(苦笑).ここで隊長が香貫花を欲しがるしのぶさんに「あげない」をやってますね.これは繰り返しのパターンとして今後時折出てきます.
機体はほぼ同じで出力も同じ.しかし搭乗者のスペックが段違いな決勝戦.もはや燃える心とかではなんともできないこの状況,香貫花には勝てないと落ち込む野明に,遊馬は「知恵と勇気」の言葉を授けます.状況を自分では選べないし逃げられないという厳しい仕事柄,どんな辛い状況でもベストを尽くさねばならない警察官だから…「知恵と勇気でしのげ,なんとかなる」.知恵と勇気は本作のテーマの1つ.大変に曖昧で具体的にはわからん標語ですが(笑)しかし味方になるのがこの標語1つのみという大変厳しい状況も時には訪れたりするのです.
イングラムを使用した決勝,野明対香貫花.ここで遊馬が勝手に肉声で野明に指示を送ってるところが,この先のチーム編成に確実に影響を及ぼしたんでしょう.もちろん野明の着任以前は太田のバックアップをやっていたから,職業病がつい出てしまったってのも半分くらいは混じっているのかな.
しかし,外部からの指揮があっても香貫花はあまりにも完璧.向こうから積極的に仕掛けては来ないんですが,電磁警棒があっさり飛ばされるわ,むしろ払われて間一髪のバランスでなんとか維持するしかないわと一杯一杯.ほぼ初期の学習段階であれだけ重心の高そうな機械があれほど崩されても倒れないところは,間違いなく篠原重工の手柄ではないかと思います.
銃が抜けないどころか思った通りにすら動くこともできず,上手過ぎる香貫花の前に野明はろくに仕掛けることすらできず膠着状態.仕掛けてはこないので睨み合いがひたすらに続き,精一杯頑張りつつも激しく消耗しながら明らかな窮地へと落ちていく.格上相手の長期戦は自爆以外の何物でもないことは,今更言うまでもないでしょう.
決定打のないままに日は陰り,偉いさんたちも勝負が見えたので帰ってしまい,隊員達すらいいかげん終わってくれよとぐったり来ている日暮れ.知恵と勇気の意味がわからんと野明は今更ながらに文句を言い,「ぶわーっと行け! ぶわーっと!」と遊馬がまた適当なコメントを返す(苦笑).まあ,このあんまり考えずにぶわーっと行くというのも本作のテーマの1つではありますね.
無駄なお見合いではちゃんとバッテリーを温存してきた香貫花に対し,野明側のバッテリーはもう限界.余裕を持ってついに香貫花機が仕掛けるも,それをカウンターで必死で固めた…はずが,詰めが甘い.勝者はバッテリー残量の十分な香貫花機.いくら一時的に圧倒しても最終的に相手の動きを止めなければ逮捕はできない.敵も味方も無限の動力を持たないからこそ,レイバー戦ではペース配分が大変重要となるのです.

かくして実に長い1日と2週間の研修が終わり,今後の編成が発表されます,1号機のフォワードが野明でバックアップが遊馬.キャリアがひろみ,2号機のフォワードが太田でバックアップが香貫花,キャリアが進士.1号機は模擬戦の結果を素直に反映していますが,気になるのは太田がフォワードに残留した2号機側.これは指示の都合なんかではなく,香貫花の半年という任期を反映した人事です.
そしてたぶん後藤の頭には突出しやすい太田とキレたときに困る進士を香貫花で牽制するという意図もあったんじゃないかと思うんですが,「楽しい半年になるわよ?」とにやりと言っちゃう彼女自身も火薬庫.…毒をもって毒を制す心意気なのかもしれませんが,むしろ毒を増している(苦笑).真面目な第1小隊では使いこなせないようなある意味凄い人材が揃い,ようやく本作らしくなってくる次回に続きます.

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