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金色のガッシュベル#150

「そして,続く道の果てへの巻」

ゼオンのジガディラスの雷とガッシュのバオウが激突する.電撃を纏う金の龍は銀色の自惚れを砕き,ついにはゼオンの本を燃やした.しかしこの世界から去る直前に,ゼオンはファウードのコントローラーを壊す.操縦者を失って暴走するファウードは刻一刻と日本に近づき,もはやファウード内にはそれを止める術はない.しかし,それでもガッシュと清磨は諦めない.大切なものを守るために,そして一緒に大切なものを守ろうとしてくれた仲間たちを救うために,最後の力を振り絞る.

ついに終着点にたどり着いた「ガッシュ」.1話掲載時からの原作ファンとしてアニメを1話から見続けてきたのはもちろん,レビューを100話以上書いてきた作品でもあるので大変に感慨深い.これまでの3年間,飽かずに画面の前でツッコミ続けてこれたのは,この作品がなんだかんだ言ってもとても楽しかったから.平均値は決して高めではありませんでしたが,時折の異様に良い回にはちゃんと心を揺さぶられましたしね.最後まで本当にいろいろあったけど,アニメのガッシュたちとは今回で一応のお別れ.今はこの長い時間を彼らと一緒に過ごせたことに感謝したいと思います.
さて! 今回は最終回なのですが,視聴者に完全に義理を果たすために十分な時間はもうありません.王を巡る闘いの行方,まだ生き残る仲間たちの行く末,未だ姿も見せていない強敵やライバルたちとの決着…これらは全てアニメの枠の外側へと持ち越しされることになります.今回はあくまで「ファウード編」の最終回.このまま次回に続いてもそう支障はないんだけれど,…でも,もう次回はないんだ.ぜひ続きが見たいんだけどなぁ.てなわけで感謝の言葉を告げてみたり,ちょっと顔出しして別れの挨拶をしている場面があちこちに.

前回ラストで反則パワーアップな覚醒を遂げて戦況をひっくり返したガッシュ.タイトル通りに金色となったガッシュの放つバオウは,ゼオンのジガディラスといい勝負どころかついには圧倒! ガッシュがゼオンに比肩する強さを手に入れたことも大きいですが,それ以上に,しかし致命的に効いていたのはパートナーの心の力の差ではないかと思います.前回平常心を壊されたデュフォーと毎度どこまでもくじけない清麿では粘りが違う.何度押されても前に進み続けた金の龍はゼオンの術をついに打ち砕き.金と銀の激突はゼオンの敗北という形で決着します.
あれほど舐めてたガッシュに本を燃やされてしまったゼオン.ここに至ってもガッシュたちと和解できずに悔しいままで魔界送りになるというのは,後に希望を託してリタイアしていった連中よりもずっと哀れで情けない.その上大嫌いなあいつは恐れ多くも自分を兄弟扱いし,「魔界で再び出会ったときは,ゆっくり話をしようぞ」だなんて,敗者にはあまりにも残酷なことを言ってくる.兄弟だからわかりあえると戯言を屈託なく語り,真っ直ぐに見つめてこちらに笑顔を向けるバカ.…一瞬で本が燃え尽きてしまえば,こんなひどい精神攻撃を受けずにすんだのに.
もちろんゼオンはラスボスらしく,どれほどガッシュに請われても決して主義を曲げたりはしない.実際ここまでやられたら改心するほうがむしろ楽じゃないかと思うのですが,ラスボスは与えられた役目をまっとうします.本とともにこの世界から消えゆく中で,額のコントローラーを自ら壊し…「本当にバオウを受け継ぐべきものというなら,ファウードを止めてみろ!」
往生際の悪すぎる嫌がらせによって,ゼオンを退けぼろぼろのガッシュたちを乗せたファウードは元気一杯に暴走開始! 残り時間はあとわずかの上に,壊されたコントローラーなしでは止める事ができない.彼らは依然として勝利してはいないのです.…だからお前ら「ファウードを止める」という勝利条件をしっかり心に刻んでおけとあれほど,あれほど…(苦笑).ゼオンを倒すのとファウードを止めるのはまったく別の話であるという身も蓋もない現実の中,清麿はさらに力を振り絞ります!
とりあえず仲間全員を起こし,全然ファウードは止まってないというかむしろ暴走しているという悲しいお知らせを告げる清麿.帰還装置は止められたまま,ファウードへの命令も手動では不可能で残る時間はたった15分.しかしこの状況をひっくり返さなければキッズアニメとしては大変にダークな最終回となってしまいます.ゆえにまだ何かできるはずだと信じて行動するしかない.諦めたら,本当に世界が終わってしまうのです.
誰も死なせないというモットーで動くガッシュたちは,まずは敵味方を問わずに中にいる連中を脱出させることを決定.一部を除けば生き残った魔物とパートナーのペアはそれなりに強いはずで,彼らを外部に脱出させておくのは,ファウードを止めそこなったときの保険にもなるはず.清麿の指示に従って総出で回収に向かおうとしたガッシュたちの前にやってきたのが…前回からラストバトルを傍観していたバリーたち!
今のガッシュたちにとって力と時間の温存は最重要課題だから,ストイックな戦闘マニアのバリーに捕まるのは凄く困る.戦いがはじまったらバッドエンディングが確定です.…けれど場をわきまえてくれたバリーは,ガッシュとの決着を後回しにしてくれます.今この戦場にいる全ての者の勝利条件は「ファウードを止める」こと.最終回を滞りなく行うためにも,邪魔は誰にも許されないのです.
敵味方問わずに全員をコントロールルームに集めた清麿は,敵を優先してファウード内から退去させます.人命尊重という立場もあるし,余計な行動を取られたら全部が終わってしまうので当然の判断.ちなみにさっきまで戦っていたデュフォーの姿がありませんが,真正の超能力者である彼はファウードの力を使わずとも勝手に脱出してしまったのか,あるいは戻れないことを覚悟の上で,旅立つゼオンと一緒に魔界に渡ってしまったのかもしれない.彼の特殊さを考えると,むしろ魔界の方が暮らしやすい世界な気がします.
ファウードの転送装置を使って人員整理する清麿は,さらにここまでつきあってくれた気のいい仲間たちを脱出させにかかります.もはやファウード内部に出来ることはないから,最終手段としてガッシュの新たな力に全てを賭けるというのが清麿の決断.もちろんアースの発言やゼオンのこだわりから総合的に判断して決めたのであって,なんとなく勢いで請け負ったわけじゃない…と思いたい(笑).もちろんもう1回バオウを撃たねばならない清麿にかかる負荷は普通ではないはずですが,今や旗印の決断は止まりません.
ガッシュと清麿がたった2人で挑むという無謀企画を最初に許したのは,このチーム内では一番冷静なエリー.意志疎通の時間も与えられない今は,言葉で説明せねばならない仲間がいても邪魔になるだけ.てなわけで仕方なく仲間たちはガッシュたちを置き去りにしてファウードを退去.…仲間たちへの「今まで本当にありがとう」という清麿の感謝がいかにも最終回って感じだ.

大量の敵味方を退去させたことによって露になるのは,少年と魔物の子の物語.短気でバカな魔物の子と同じくらい短気で賢いはずの少年の織り成す,おかしくて感動的でダイナミックな物語.この先周囲がどれほど変わろうとも,2人がいれば物語は続きます….2人でファウードの正面に出てバオウでカタをつけるというのが清麿の計画なわけですが,やたら転送位置の計算に手間取って真正面に出られないのが情けないかも.物語の骨格を明らかにしたかった気持ちはわかるけれど,計算スペシャリストのサンビームくらいはここに残しておいてもよかったんじゃないのか(苦笑)?
ファウードが目指すのは今や鈴芽一人が残るあのなつかしのモチノキ町.ついにファウードは町から見える位置に近づき,現実では地震速報が(笑).でもモチノキ町は太平洋側なのできっと能登じゃない(苦笑).いかに天才が頑張っても脅威の上陸はもう止められないという危機の直前に,動じることなく港で待っていてくれた2人がいた…あのブラゴとシェリーが,余裕たっぷりでバベルガグラビドンを放つ! 強力な重力技はファウードの足元を襲い,見事巨体を倒します.たぶん港湾設備には相当のダメージが行ったはずですが,人が暮らす場所に上陸されるのに比べたらはるかにマシのはず.このように1年前の借りを返して,シェリーたちはスマートに一時退場します.
ガッシュたちは転送装置でファウードの目前へと移動.たくさんの仲間たちの助けと,ずっと諦めなかった根性によってようやく訪れた最後の好機.たとえ相手が空を突く脅威であろうとも,ここで止めなければ倒さなければハッピーエンドは訪れない! …出会う前には持っていなかった2人だからこそ,今守ろうとしているものの価値は誰よりも知っている.それを壊されてたまるものかと,2人はなけなしの力を振り絞ります! 「…たとえこの命,尽きようとも…」
御守のおかげかどうかはわからないけれど,清麿はなんとかこの町に戻ってくることができました,しかし一介の中学生と魔物の子が命を賭けるのはここから先! 再度金色に輝くガッシュに,限界をはるかに越えた心の力を注ぎ込む清麿.2人のバオウはファウードの攻撃を喰らいつつも決して諦めず,より力を増して全身を締めつけて,ついには1つに…! 守りたい心は青空を越えるほどに高くなり,いくら巨大でも地球に比べればちっぽけな存在であったファウードを喰らって壊す! 水際でこの1年の脅威は土へと帰り,ファウード編がここに完結します.

…最後のバトルを戦いきったのはいいものの,心の力を発揮しまくった直後の清麿はさすがに倒れてしまいました.意識を取り戻したらいきなりパートナーがぶっ倒れていてガッシュもびっくり.けれど本作は芸術作品ではなく,あくまでキッズ向けのきちんとした娯楽作品なのでちゃんと生きてます(笑).…ファウードを倒しただけではこの物語は終わらないけれど,なんとか危機を退けた清麿は気絶しつつも笑っているし,ガッシュは生き延びてそんなパートナーとこの町の無事を確認することができたから…「清麿,やったぞ,私たちは勝ったのだ!」
そして大団円に至れなかった不完全な物語は,今もどこかで続いています.バカで真っ直ぐな魔物の子と本当につきあいのいい少年は,枠を超えて前へと歩き続けているのです.待ち受けるのはブラゴたちのような手強いライバルやとんでもないアクシデントの数々.けれど彼らはもう急がずに,彼らの速さで王へと続く道を着実に歩いていくはず.ここに留まる者には見えない果てへと,ゆっくりと進んでいくのです.

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