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練馬大根ブラザーズ#10

「仲間とドームとデビューと他人の巻」

ドナベナベの甘言に乗ってしまったヒデキがイチローとマコを置き去りにすれば,マコはイチローのいじましい貯金を持ち逃げし整形美人を目指して病院に駆け込む.そこで出会ったのが整形と小児愛で世界的に有名なユーケル・ハクション.練馬にネリマーランドを建てたいユーケルは大根畑を欲しがっていて,マコは畑を引き渡すかわりに世界デビューする約束を取り付ける.けれど3人でドームを建てて3人でコンサートをすることにこだわるイチローは,そんな契約お断り.ゆえにマコを叩きスパンキングの魔力で籠絡しようとするも,マコのデビュりたい欲は愛すらも越えて攻に転じるのだった.

この先に待つクライマックスのために,大人同士の脆く儚い友情をハンマーでぶん殴って割る「練馬大根」.大人の姿の子どもたちのモラトリアムの崩壊は前回からはじまっているわけですが,今回はそれがさらに進展します.いい年をしていつまでも好き勝手に馬鹿をやることは,たいがいの大人にとっては卑下の対象であるのと同時にそうしたくても叶わない夢でもあります.
夢の中を勝手気ままに遊ぶ練馬大根ブラザーズは,自分のかわりにできないことをやってくれるある意味理想の存在でもあるわけですが,根性の曲がった作り手たちはそんな理想を自主的に楽園から退去させてしまうってのが今回の話.ラストのヒデキの言葉が実に嫌な感じに聞こえるのは,きっとあなたが本当はそんなことを言いたくないからに違いないですよ?

前半.ドナベナベに心奪われたヒデキは大根畑に戻ってくることはなく,ぼろいステージの上にはイチローとマコとパンダが残るばかり.マコには好機のはずですが,さすがにメンバー離脱直後じゃそんな気分にもなれないか….夜,イチローは大切な貯金瓶を眺めます.こつこつ貯めたささやかなドームの資金.しかしこれっぽっちじゃドームなんか建つわけがないから,ヒデキを引き戻す力にはならない….
そして朝.パンダの悲鳴?で目覚めたイチローが見たのは,貯金瓶に頭を突っ込んでもがくパンダの姿,激しく振られるふわふわの白い尻が…たまらない(笑).でも放っておくと死んじゃうので,パンダがお尻振ってもだえてるーとか歌ってる場合じゃないですよ.空っぽの瓶の中にはどうでもいい奴の書き置き1枚.「もちーとキレイでゴーカな女に生まれ変わってくる」という名目で,仲間の金を勝手に持ち逃げしやがりましたよあの女!ギャングのくせに泥棒ですよ!
その頃,泥棒マコは整形美人となって再デビュるために追加で金を借りて病院へ.…まあ,確かに美人の方が色々有利だろうけど,お前らの場合は圧倒的な知名度のなさを補う方が先じゃないのか.ちゃんとオーディションとかマメに行ったほうがいいと思うぞ…って,今はメインボーカルがいないのか.ちなみに借りちゃいなマネーのお姉さんたちには整形疑惑が勃発.でも長時間踊ってるわけじゃないし特別に美人ってわけでもないから,目許重視の厚化粧でもあの顔は十分つくれそうな気が.…実写で踊ってるお姉さん達に失礼です(笑).
大根畑にドームを建ててデビューしてコンサートをやる.その中でマコさんの優先度が最も高いのはデビューすること.一度芸能界で甘い名声の蜜を舐めてしまった彼女にとって,大好きなイチローの願いを後回しにしたって構わないくらいに再デビューこそ最優先事項.ともかくデビュって一刻も早くちやほやされたい.ついでに金を稼いでイチローにドームを買ってあげられれば最高です.
ちなみにマコさんの未来地図には存在しないヒデキときたら,マコさんのためにドームをおっ建てたいと新聞配達勤労中.3人の中では一番真面目に働きそうなヒデキは,畑の大根を放り出してドナベナベの下で頑張ればドームが建つという甘言に乗りまくっております.…このままではヒデキが先にドームを建ててしまう.その前にドームをイチローにプレゼントせねば…と焦るマコにつけ込むのが今回登場の整形&少年マニアです.ちなみにビッグヒロインの衣装っていうかリボン,ちょっとずれただけでも地上は眼福だねえ.
てなわけでやたらと暗い練曲美容整形外科にやってきたマコさん.病院に関してはあんまりいい思い出のない本作ですが,今回も患者たちがゾンビでスリラーで尋常じゃない上にその中から出てくるのが「ポー」で「アウ!」な超有名人,ユーケル・ハクション! 最近はランドを捨てて外国に出奔中のアイツがモデルなのは明白なので,整形ネタとか小児性愛ネタからははもはや逃れようもありません.でも,なんだってあんなに整形するんだろうなぁ.あまりにもやりすぎて辻褄が合わなくなってきたりしてるのかなぁ….
ユーケルの夢はもちろん「ランド」.子ども&自称子どものためのワンダーランドがこの日本には必要なのだと主張して,ネリマーランドの建設計画を持ちかけます.練馬には豊島園という立派なワンダーランドがあるわけですが,ユーケルはあくまで練馬ラディッシュファームことヒデ兄ちゃんの畑をつぶしたところにドームを建てたい.…なんで誰も彼もあの畑にドームを建てたいのか.風水的にドームでもひきつけるような土地なのか.
ユーケルは土地が欲しくマコさんは再デビュりたいということで2人の間には同盟関係が成立.大根畑を代償にしてワールドデビューが手に入るだなんて,なかなか太っ腹な等価交換です.こうしてマコことティンカーベルは素敵な土地開発に魅了されてユーケルの軍門へと下り空を舞う.…ついに主役の3人はばらばらに.練馬大根ブラザーズは解散の危機を迎えたのであります.集合と離散はバンド活動の花であり絶対条件でありますが,彼らもまたその宿命を逃れることはできなかったようです.
まさか自分の知らないところでバンドが解散しているとは思わないイチローはマコさんの窃盗をカラクリに届けたようで,実況見分が行われているところにのこのこと戻ってくる小娘はいきなり捕まります.しかしマコさんはお金をいきなり返済.…まあ,返済したって犯した罪は消えないんですけどね.そしてユーケルがこの土地と引き換えにデビュらせてくれると朗報を伝え,うまいことイチローを自分の陣営に引き込もうとするものの…イチローはやっぱり嫌.3人でやる夢なんだから,そこに他人の手が入るのはどうにも承服できないのです.
どこだっていいからともかくデビュって歌いたいマコと,ここで3人でなければ意味がないイチローの心はすれ違い.他人の金でドームが建っても平気なところはマコはヒデキとよく似ているわけですが,さらにマコは練馬のドームにすらこだわっていません.ともかくデビューで有名でお金儲けでちやほや.そこさえクリアできればあとはどうでもいいドライな欲望.この欲望を前にしてしまうと,あのイチローのスパンキングすら効果なし…というか攻守交替,リバースに(笑).昼日中,警察官の面前で男に襲いかかるマコさん.猥褻物陳列罪とかもっとヤバイのとかですか?

後半.テレビでは放映できないヤバげなマコさんの犯罪はカラクリの奮闘によってどうやら未遂に終わったようで,乱闘終わって空しい気分.いくら拳をつきあわせても男と女じゃわかりあえない.ユーケルも登場してイチローを自分の陣営に引き込もうとするものの,もちろん畑は絶対売れない.スリラーこと包帯男たちやバットことゾンビたちをけしかけられたってイチローは首を縦には振らない.割とこわーいホラーな風景が練馬の大根畑に広がっておりますが,それでも一人で頑張ります.…頑張るなんてらしくないけど,そうしなきゃ我慢できないくらいに嫌なのです.
ゾンゾゾンゾーンとかバッババッパとかホラーテイストな連中に襲われ,必死で逃げるイチロー.しかし惰弱なホストの足では逃げ切るのなんか無理であり,増して権利書のあるステージを離れることはさらに無理な話であり,結局ステージの前に多勢に無勢で追い詰められる.マコさんは傍にいるけれど味方ではなく,腕の中のパンダはふわふわのぽわぽわだけど役に立たない….
このままでは土地権利書を取られて練馬大根ブラザーズは離散.そんなピンチを横で見ていたカラクリは,ついに耐えられず介入を決意.世話の焼ける3人の犯罪者のため,助け舟ならぬ自転車変形助け馬を出しました! …まあ,今更超変形したってカラクリなのでそんなに驚きはしませんが,馬が結局ペダル漕いでタイヤ回してるのは無駄だと思うよ(苦笑).悠々とバラードを歌いきって浸ったあとでカラクリが走るのはもちろんヒデキのところ.あ,たぶんイチローのパンツは黒だと思いますよ赤パンのカラクリさん.
さてその頃,イチローのピンチなんてちっとも知らないヒデキはドナベとともにドームっちゃう歌を能天気に熱唱.しかし突如飛び込む白馬くるまに逆向きにまたがるバカ.「ごきげんよう!」とカラクリ眼鏡から壁に向かって照射された映像はさっきのイチローの窮地を描き出し.これにヒデキは立場を忘れて立ち上がります! 自分の畑でイチローが大ピンチ.たとえ今は2人が仲間でないとしても,放っておけるほどヒデキは人でなしではないのです.
しかしヒデキ一人が加わったってやられるのは目に見えているから,まずはおやっさんのところに寄ってレンタルプリーズを絶唱…って,人数が足りないのでヒデキとカラクリとおやっさんの3人編成ですか.恐らくはこれまでで一番年齢高そうなこのトリオ.監督的にはあのシゲルと好みのユキカだから個人的に大満足だよね…(笑).おやっさんが出したのは青いパイ.程度の差こそあれ男はみんなパイは好きであり,そうでなきゃ人類はこんなにいないわけですが,それを年増とはいえ女性の前で言うのはセクハラなので,たとえ監督だろうと粛清されても仕方がないと思われます.…下品だねぇ(苦笑).
悠長に何曲も挟んでいるうちにイチローは変質者な超スターのユーケルの部下に痛めつけられてぼこぼこのずたずた.パンダまでもやられてしまって,さすがのマコさんも我慢できず,その拳を炎と変えてユーケルの鼻を吹っ飛ばす! 仲間の夢を踏みつけにして仲間の土地を売ろうとする勝手な女ですが,そんな女にも仲間意識はわずかに残っていたのです.けれどこの反逆に怒ったユーケルはもちろんマコに襲い掛かって….マコの悲鳴! そして飛んでくるパイ!
今は違うけど3人は仲間だったから,大ピンチなら助けなきゃならない! カラクリとともにヒデキは土の柔らかいところに参上し(笑)そのまま臨時で再結成プラスカラクリで反撃開始! 生き生きと全員がユーケル側を狙う…のかと思ったら,マコさんは本気で攻撃してない.今になってやっぱりユーケルとの契約が捨てられなくなってる模様です.ユーケルは黄色い肌を青くされたくないがために必死で逃走.青と黄色だから放映できるけど,白と黒だと限りなくヤバいなぁこのあたり(苦笑).しかも途中でドナベがチームを連れて畑に乱入し,旧知らしい2人の悪者大激突はユーケル側はさすがに敗北.

ヒデキを抱き込んだドナベナベ,マコを抱き込んだユーケル,そしてどちらにも組しないイチローとパンダとカラクリ.さっきの乱戦で一旦練馬大根ブラザーズが再結成されたものの,事が終わってしまえば結局元の木阿弥.バカだけど本人の意志でドナベやユーケルのところに行った2人は,バカゆえにその甘言が叶うものだと信じきっている.結局…助けに来てはもらったけれど,イチローはひとりぼっち.
3人でドームを建ててコンサートをやる.ごく単純な夢は揺るがないはずなんだけど,そこに至るまでの道が違いすぎて訪れた破局.夢の他にいろいろ無駄なことを考えてしまう大人だからこそ,たった3人の意志を統一することすら難しい…「僕達,3人の夢は?」と尋ねるイチローに,「いつまでも甘ちゃん言ってんなよ!」…「現実見てから,自分の道決めな」と無駄にかっこ良くてちっとも似合わない答えを返すヒデキ.一番現実が見えてない奴に現実を説かれるだなんて,居心地悪いし気持ち悪いし情けないし悲しいし!
3人のバカが世の中の常識を無視して大暴れするのを楽しみにしていた視聴者の期待を根本から裏切る意地悪過ぎるシリーズ構成.視聴者には泣くイチローの気持ちは大変よくわかり…そしてバッチにやたらこだわるユキカの気持ちも台無しだけどなんとなくわかる(笑).ドナベナベとユーケルのつけた金のライオンバッチは一体何を意味するのか.そしてそのバッチの裏側にいるのは誰なのか? もはや3人の気持ちが一つになることはないのだろうか.次回に続きます.

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