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「アニメ感想率調査2006春」感想・追加

光希桃 Anime Stationさんのアニメ感想率調査最終回結果を使った「アニメ感想率調査2006春」感想の続きをいつものようにやってみたいと思います.

今回もリンクありがとうございます.「化猫」は本当に「見た人は面白い」と「マニア向け」の境界にあるような作品で,キー局で時間帯にも恵まれていたことで視聴者数がかなり確保できていたことに加え,直前の2作が全然ダメだったことも手伝ってあの突出した高評価に繋がったんでしょう.DVDが出るはずですがあれだけはぜひ買いたい.他はいいや(苦笑).
さて,例の牙城の動向なんですが今回も健在という報を受けてわざわざ図を作っていただいてどうもありがとうございます(笑).左側に極度に偏るあの状況は,評価者が多い上にネガティブ評価が圧倒的に多くてポジティブ評価がほぼない,という特殊な状況でのみ達成できる奇跡の境地.我々はあのような悲劇を繰り返してはならないのです.今回は後で通年の結果も出そうと思っていますんで,その際には天上の様子だけでなく,このような地底の実態も明らかになることでしょう.

前回以前の記録などは以下に.セットでどうぞ!

 R'sM: 「アニメ感想率調査2006冬」感想
   └R'sM: 「アニメ感想率調査2006冬」感想・追加

それ以前の記録はこちらにまとめてます.

さて,分析追加その1.光希桃さんの評価平均値と評価率の散布図

縦軸の評価平均値に横軸の評価率(全体に対する「見てない」以外の評価者率)を組み合わせることによって,どのあたりのデータが偏っている可能性が高いかを示してみました.右側のものは沢山の人にそう評価されてしまっているので大変言い訳がしにくいですが,サンプルが少ない左側の領域には名作が隠れている可能性がありますんで,コメントを参考にDVDや再放送でチェックしてみてください.特に緑の上部は掘り出し物…って,ちゃんとここに「化猫」がいるのがらしいなぁ.
自分が見た中では「プレイボール2」「うえきの法則」「今日からマ王」なんかがお勧めだ.そしてこれまでたった1作品しか突入したことのない禁断の赤領域の近くには,「おゆい」「クラスターエッジ」「タクティカルロア」などの姿が.

2つ目はポジティブ評価とネガティブ評価の散布図

R'sMで出した全体印象評定値では「普通」以上をプラス,「見切り」「駄作」をマイナスとして合計値を出し,それをサンプル数全体で割ってます.ゆえに合計値が特に0に近い値の場合,そもそも評価自体が少ないのか評価は多いけれど0前後で評価が分かれているのかを区別できないという問題があります.
この図はそこをはっきりさせるため,横軸にマイナス評価の平均,縦軸にプラス評価の平均をプロットしたもの.左下(0に近い)ほど評価自体が少なく,右上ほど評価は多いけれど意見が分かれるものとなります.実際の評価率については上の図と一緒に見てくれ.原点近くはぐちゃぐちゃだなぁ….

この図でも「怪」の4評価の位置がなかなか面白い.「化猫」1作で「四谷怪談」「天守物語」のマイナスを取り戻している様がよくわかります.今回はポジティブ評価上位では「エウレカ」「かしまし」にネガティブ評価が集中.ポジティブ中位では一覧では埋もれてしまった「IGPX」「半分の月がのぼる空」「ムシキング」「タクティカルロア」の評価が割れているのがわかります.ネガティブ評価上位陣は予想の通り「おゆい」「クラスターエッジ」「ガンパレオーケストラ」….今期を代表する底辺はこの3作で決まりかな.

さて,最後は上記図で使用した数値とあわせ,全体印象評定値での順位です.アニメ感想サイトを読む人たちには,だいたいこんな風に作品の評価が聞こえていたはずです.ぜひ番組評価平均値と全体印象値の図と見比べながらご覧ください.

作品名終了番組
評価順位
ポジネガ感想界
全体印象
1舞-乙HiME81.56 0.13 1.43
2蟲師(20話まで放映版)21.31 0.08 1.23
3ノエインもうひとりの君へ41.29 0.10 1.20
4おねがいマイメロディ11.25 0.08 1.17
5よみがえる空―RESCUEWINGS―61.18 0.13 1.05
6灼眼のシャナ171.12 0.09 1.03
7ゾイドジェネシス50.99 0.05 0.94
8交響詩篇エウレカセブン111.18 0.30 0.88
9SoltyRei70.94 0.09 0.84
10闘牌伝説アカギ―闇に舞い降りた天才―90.92 0.08 0.84
11かしまし~ガール・ミーツ・ガール~321.03 0.27 0.76
12陰からマモル!250.80 0.15 0.65
13ふしぎ星の☆ふたご姫230.70 0.13 0.57
14マジカノ150.67 0.15 0.53
15地獄少女200.65 0.15 0.49
16びんちょうタン(9話打ち切り版)330.59 0.11 0.48
17怪~ayakashi~「化猫」30.49 0.02 0.48
18おろしたてミュージカル練馬大根ブラザーズ300.66 0.21 0.45
19Canvas2~虹色のスケッチ~290.64 0.21 0.44
20しにがみのバラッド。260.51 0.08 0.43
21ガラスの仮面120.54 0.12 0.42
22Rec340.58 0.16 0.42
23うえきの法則100.51 0.15 0.36
24焼きたて!!ジャぱん270.47 0.13 0.34
25雪の女王160.49 0.16 0.33
26BLACKCAT350.43 0.17 0.26
27半分の月がのぼる空360.44 0.19 0.25
28あまえないでよっ!!喝!!310.29 0.07 0.22
29甲虫王者ムシキング~森の民の伝説~240.37 0.18 0.20
30IGPX380.45 0.27 0.18
31今日からマ王!220.31 0.14 0.17
32怪~ayakashi~(全部)400.24 0.07 0.17
33びんちょうタン130.22 0.05 0.16
34プレイボール2nd210.22 0.06 0.16
35金色のガッシュベル!!280.29 0.15 0.14
36冒険王ビィトエクセリオン370.22 0.10 0.11
37ガンパレード・オーケストラ青の章460.25 0.16 0.09
38超ぽじてぃぶ!ファイターズ~11魔人篇~180.09 0.02 0.08
39ロックマンエグゼBEAST440.14 0.06 0.08
40タクティカルロア470.45 0.38 0.07
41ブラック・ジャック420.20 0.14 0.06
42とっとこハム太郎(ここまで総括)190.07 0.02 0.05
43デュエル・マスターズチャージ140.07 0.02 0.04
44とっとこハム太郎はむはむぱらだいちゅ!390.05 0.03 0.03
45LEMON ANGEL PROJECT410.28 0.26 0.02
46吟遊黙示録マイネリーベ―wieder―500.04 0.03 0.01
47強殖装甲ガイバー480.04 0.04 0.01
48怪~ayakashi~「四谷怪談」530.17 0.16 0.01
49The King of Fighters Another Day580.02 0.02 0.01
50怪~ayakashi~「天守物語」540.14 0.14 0.00
51クレイアニメ太鼓の達人第2シーズン630.00 0.00 0.00
52鍵姫物語永久アリス輪舞曲450.37 0.38 -0.01
53アニマル天国は今日も晴れ500.01 0.03 -0.02
54FunnyPets430.02 0.05 -0.03
55キン肉マンII世ULTIMATEMUSCLE2490.10 0.14 -0.04
56ジミー・ニュートロン僕は天才発明家!500.02 0.07 -0.05
57ガンパレード・オーケストラ白の章590.20 0.27 -0.07
58落語天女おゆい540.30 0.43 -0.13
59パピヨンローゼNewSeason600.09 0.24 -0.14
60格闘美神武龍540.11 0.26 -0.15
61ガンパレード・オーケストラ緑の章620.11 0.28 -0.17
62ガンパレード・オーケストラ(白緑青総括)610.21 0.39 -0.18
63CLUSTER EDGE570.19 0.41 -0.22

今回のトップは「舞-乙HiME」.前作ほどの圧倒的な人気はありませんでしたが,特に終盤のまとめぶりに関しては前作以上という声も多かった佳作です.いつもの調査だとこのあたりに萌え系の作品が集中するんですが,今期は「舞-乙HiME」のみが認められたってことにも価値がありそう.続いて原作を圧倒的な技術力で描き出した傑作「蟲師」と,難解ながらもその謎で視聴者を魅了した「ノエイン」.この2作は明らかに大人の視聴に耐えるでしょう.
…そして今期の頂点である「マイメロ」様がご登場.1年を通じてアナーキーな芸をサンリオのキャラで演じ続けた異形じゃなくて偉業は長く讃えられるべきです(笑).これを初期に切っちゃった人は絶対勿体無いことをしてますね.
「よみがえる空」から「マモル」あたりまでは今回の比較的健闘組.評価数の多さで評価平均のあまり奮わなかった「シャナ」や「エウレカ」,「かしまし」の姿も見えますね.このあたりで美少女がコケてしまっているのが今期の「舞-乙HiME」の勝利に繋がっている感じ.
「ふたご姫」から「デュエルマスターズ」あたりまでは大混乱.マニア向けに足を突っ込む良作からそろそろ覚悟して視聴するべきレッドゾーン作品まで,幅広く分布しています.「評価平均」では上位の「怪」もこちらのランキングではこのあたりに沈みますね.
そして「はむはむぱらだいちゅ」から下の方は総じて危険な領域です.数々並んでしまったこれら作品の中で,1年後に存在を覚えていてもらえる作品は一体どれだけあるんでしょうか.ネガティブな印象の強さで覚えられても迷惑かもしれませんが(苦笑).
…え? あれ? 一番下ってこれ!? 何この会社サンドイッチ(笑)!

沢山の視聴者からいい作品と認められるためには,普通は作品の出来そのものだけではなく,放映前の知名度の高さや,視聴しやすい時間帯やネット局の広さなどが必要です.そこらが大変よく整っていた「舞-乙HiME」は今期を代表する作品の1つと言い切って問題ないでしょう.しかしそんなインフラの整った作品も,絶対的な品質の前には頭を垂れるしかありません.28時近くの最深夜帯であろうとも,地方局のみの放映であろうとも,キッズ向けで大人は普通チェックしない作品であろうとも見る奴はちゃんと見てますし,本当に面白い場合はこれが素晴らしいとせっせと宣伝し,そこからまたコアなファンが広がっていきます.
要するに何が書きたいのかと言えば,我々はちゃんと見ていて,本当にいいものに関しては広報部隊となることも厭わないから,どんな時間帯だろうとも諦めずに作っていただきたいということです.本数の多すぎる昨今は作り手にとって大変厳しい状況とは思いますが,それでも我々はちゃんと見ていて,応援する手を空けて待っています.

さて,次は通年ベスト&ワースト10でもやろうかな? …また別の記事に続きます.
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(5/27追記)追加記事アップしました!
 R'sM: 「アニメ感想率調査2006春」感想・おまけ

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