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デジモンセイバーズ#7

「白燕尾可哀想の巻」

大切な妹・チカの誕生日に追試を受けることになったマサルは,自分の代理を務めてほしいとトーマに頭を下げた.請け負ったトーマはチカの誕生日を祝うための完璧なプランを立てるものの,あのマサルの妹の行動と要望はトーマのプランをことごとく潰していく.車は徒歩に,ホテルのラウンジはゲーセンに,豪華なフレンチはもんじゃ焼きに化け,上流階級のお坊ちゃんには未知の世界を連れまわされて,トーマは困惑するしかないのだった.

一通りのメインキャラと舞台の案内が終わって,今度はその周辺をどんどん掘り下げていく「セイバーズ」.キャラの強いこの手の話ではサブキャラに当番が回って行くのはよくあることなんですが,今回は脇が完全に全部持って行って主役が一度も戦わない.前回の主役コンビの仲間割れほどではないですが,定番エピソードの投入タイミングが長期としては相当に早い.昨今のアニメは全体的なテンポがかなり早くなっているわけですが,その中でもこのタイミングは早いはず.最低でも1年は走らなきゃいけないってのに,今のペースだとこの先どこまでいくつもりなんだろう….

他人に物を頼むときには,それなりのやり方ってものがあります.たとえ相手が誰であろうともしっかり頭を下げて,何をして欲しいのかとその代償をはっきりと伝えることが大切で,それは相手が苦手だったりいけすかなかったり気に食わなかったりするならばなおのこと.てなわけでマサルはアグモンとともに帰還したトーマを神妙にお待ちかねして「お帰りなさいませ!」とご挨拶.お疲れでしょうとお茶まで出してくるマサルたちの行動には見事に下心が透けていて,ついでに大変気持ちが悪い(苦笑).
主役な上に喧嘩番長としておなじみのマサルがトーマのために似合わねえメイドのふりなんかしてやがるのは,もちろんお願いしたいことがあるから.定期考査の結果で当然のように追試が決定してしまった劣等生は,たった一人で進級をかけた1日がかりのテストを受けることに.そんなわけで…と爽やか笑顔で言い出そうとするマサルに対して「ま,無理だな!」と一言でぶったぎるトーマ.確かに洒落にならないレベルのバカなので,いくら博士号持ちでもいかんともしがたいというコメントはもっともだ.
けれどマサルはいつだって,トーマの予測を裏切ります.彼が頼みたいのは妹の誕生日の代理.しかも彼自身の独自の思いいれもあって,金さえ積めば代理してくれそうなヨシノに頼むことができない.…マサルの言う「父親の役目」が具体的にどのようなものであるかはラストまで言葉としては語られないわけですが,トーマの行動によってきちんと語られているあたり,難易度は高いけど面白い.マサルはトーマに頭を下げます「明日1日,俺の家族になってくれ!」
誰に物を頼む場合でも,とりあえず一度素直に頭を下げちゃえばいいわけで,後は自分のペースで押し切ればとりあえずなんとかなるもんです.返事も聞かずに前日夕方からトーマを大門家入りさせるマサルはやっぱり強引で,了承の言葉も聞かないうちから明日はこの人が遊んでくれるぞと妹に紹介して既成事実を作るところが天然で狡猾.
もちろん妹のチカは駄兄貴と美形のお兄さんのコンバートに大喜び.けれどトーマにとってはいい迷惑で…だがしかし! 「でも,迷惑なんじゃないの?」と自分を覗き込むマサル母の色香に変なエンジンがかかったトーマは,物凄い気合と勢いで引き受けてしまったのでありました(笑)! この展開には作中人物以上に視聴者の方がびっくりです,お前って,凄い年上好みだったのか….
ガオモンはチカに気に入られ,トーマも母に魅了されてもう逃げられない.色香に負けて夕食までご一緒することになったふたりが見たのは,大門家の小さいけれど賑やかな食卓.ただしこの家にはマサルが必要としている父親はいない.…マサルの父は10年前,彼が4歳のときに行方不明になったままで現在に至っており,その点だけは決して幸せな家族とは言えないものの,それでも笑顔のある食卓は…見ているトーマを寂しくさせるようです.
雰囲気に慣れていないと中座を申し出て,大門家よりガオモンとともに退場するトーマ.見送りのマサルに「君とその家族のために約束は守る」となかなかの気合で応える彼が,まさか翌日あんな格好で登場するとは予想していなかったに違いない.で,帰宅直後から翌日の誕生日プランを練り上げるトーマ.この「華麗なる誕生日計画」がまた偉くハイソで…一体君はどこのOLをデートに誘うつもりかと問い詰めたい気持ちで一杯だ(笑).
翌日.待って苛立つマサルの前にいつものリムジンでやってきたトーマは…白燕尾.うわぁ(笑).しかもキザなお花プレゼントからスタートってとんでもないロマンチスト(苦笑).もちろん本命のサユリさんにも花を忘れない.行方不明中のマサルの父がここにいたら,殴り合いのケンカになるのかなぁ….あまりにもやる気まんまんなトーマと家族を残してマサルは追試へ.主役はここから完全にトーマ.
自称約束を守る男の気合に溢れた本日のプランですが,最初に行くのがホテルのラウンジという凄い勘違いぶりに早速水を差すのがチカさん.ガラスのスケジュールをさっくりぶっ壊した上に,彼にとってはまったくの未知の世界に誘います.彼女があのマサルの妹だということを,一瞬たりとも忘れちゃいけません.
チカさんが希望したのはリムジンなんか走れない下町のゲーセン.…リムジンだからぎりぎり許せた白燕尾も,徒歩になっては完全にギャグに(苦笑).なんでこいつここで車に上着だけでも置いてこなかったんでしょうか.先のいろいろを考えると,服が大変に可哀想です.あ,予約した店のキャンセルについつい電話しながら頭を下げているトーマって,なんかとっても日本人だ(笑).
スケジュールを狂わせながらやってきたゲームセンター.トーマはここでいいとこ見せようとするものの失敗.意外というかさすがというか,かわいいものよりはワイルドなものを好み,対戦格ゲーでは天才のはずのトーマすら負かしてしまうチカは確かにマサルの妹.慣れない環境で頼りない父親代理の想像を軽く越えてくるのです.

さてその頃,チカさんの出来の悪すぎる兄貴はたった一人のための全日追試に挑戦中.現国英語日本史物理数学のフルコース追試,読解も計算も暗記も応用も語学も満遍なく悪いってことは,こいつが人並みに評価されるのは本当に体育だけかもしれないなぁ….
兄に妹が追いつく時間を求める問題は,10*80+80x=200xで,800=200x-80xでx=6.67くらい? もちろん「兄貴,待ってやれよ」ってのは解答にはならねえ(苦笑).こうやって試験中に余計なことばっかり考えてるから,時間がなくなって赤点になるとかそういうパターンなのかもな.
兄貴がわかんねえ問題に苦しめられていたその頃,妹はまたもトーマの予定を崩してもんじゃランチを決め込んでおりました.どろどろのぐちょぐちょを鉄板で焼いて食うもんじゃ焼きは東京の下町を代表するジャンクフードの1つ.その凄い見た目にビビる気持ちは大変よくわかります.ついでに絶対白燕尾で食うようなもんではないけれど…結構うまいんだよな,あれ(笑).
そして下町と相性の悪すぎるトーマを襲うさらなる不幸.この店ではカードが使えない! …使えないよ普通(笑).エスコートするどころか同行していたサユリさんにおごってもらうハメになってしまって意気消沈.カードがあるならそこらのコンビニで金をおろせばいいと思うんだけど,こいつ,たぶんそんなことも知らないかもなぁ.
妹さんのおかげでどん底まで落とし込まれた気の毒なトーマ.彼は名誉挽回のために花火が見られる場所にチカさんをご案内するわけですが…視聴者にとってはここが一番の笑いどころ.トーマがご案内した遊園地,それどこのサンリオピューロランド(笑)? 確かに誕生日に行くとマイハッピーバースディなわけであり,日曜午前に続けて見ている奴も多いだろうけど他局で他社なのに何しやがる! わかった奴だけが爆笑するという実に敷居の高いギャグ…だよね?
てなわけでピューロランドで花火散る夜まで時間つぶしを.相変わらず白燕尾のままですが,少なくとも下町よりは非日常に近い遊園地の方が相当マシ.任務とマサルのせいで普段から相当危ない目に遭っていそうなもんですが,ジェットコースターどころかおばけ屋敷まで怖いのか君は(笑).当初スケジュール中の「乗馬」については,メリーゴーランドで代用しちゃったみたいですね.
夕暮れの終わりには大観覧車.サユリとチカの仲睦まじい姿を目の前にして,トーマは己を思い出します.今はお屋敷で肉親の影もなく暮らす彼の思い出.そこには彼の母がいて,今目の前にいるこの人のように笑ってくれた…典型的な孤独な王子キャラである彼は,当然のように肉親に関する暗い影を抱えている御様子.影の暗さは,行方不明の父親の形見らしきものを常に身につけているマサルといい勝負なのか? …間近で太陽を直視してしまったがゆえの胸の痛みはあるけれど,それでもトーマは,今は楽しい.
そんな楽しい時間を壊すのが今回の敵,結構でかいボンバーナニモン! 声の原口あきまさ氏は違和感なくてうまい.デジモンは欲であるってわけではなさそうですが(笑)人の欲が彼らがこちらに来る際のきっかけになっているのはどうも間違いなさそうで.体全体が爆弾になっていて何でも爆破するという危ないデジモンを遊園地なんかに呼び出した奴の抱いた欲は…やっぱりここでフられたりしたんだろうか?
楽しい非日常は一瞬にしてトーマにとっての日常に.「これが僕の仕事だからね!」と白燕尾のまま,あまりにも完成度の低い今日をなんとかするために颯爽と走り出します.何一つちゃんと出来ていない彼だけど,母と子の楽しい時間を潰すような奴だけは絶対に許せない.…これが恐らくはマサルの言う「父親役」の意味.スケジュールとか支払いの問題ではなく,彼としては何かあったときに2人を守れる奴を探してたんでしょうね.
今日1日,デジヴァイスの中からトーマと苦闘を共にしてきたガオモンもついにリアライズ.一応トーマは本部に連絡を取りますが,大切な日を台無しにしたアレを相当恨んでいるようで待機命令を破り勝手に行動開始! …なんかマサルみたいになってんな(苦笑).大量の爆薬を持っているために下手に触るのも危なそうなボンバーナニモン.トーマはガオガモンに進化させた上で,いつもならきっとやらないことをはじめます.
きっかけはチカの希望.地上で爆発すればきっと被害は甚大.けれど何もない空中ならば被害は極小…もちろん万が一爆発する前に地上に落ちてきたらもっと洒落にならないことになるわけですが(苦笑)今日のトーマはやる気満々なので万が一のことは気にしません(笑).ガオガモンにボンバーナニモンを空中に投げ上げさせ,見事夜空の花火に変えたのでありました!
他はダメダメでも2人を最後までちゃんと守ったトーマ.ラストバトルでピューロランドが閉鎖となり,本人的には相当出来の悪い誕生日になってしまいましたが,あの花火がトーマとガオモンの仕事だと察してくれた2人が感謝してしてくれるのがくすぐったい.フラグを立ててしまったらしく,チカに頬へキスされるトーマ.…まあ,兄弟の方が父親よりはちょっぴりマシか(笑).

いろいろあった誕生日のディナーはサユリさんの手料理三昧.ようやく試験から生還した一応主役のマサルだけでなくヨシノも合流.さすがに組織ぐるみで大門家に迷惑かけてるだけのことはあって,ちゃんとプレゼントも皆で購入している模様です.そしてトーマはついに白燕尾を放棄し,いつもの普段着に.
あんな格好が似合わない場所がこの世界には存在するんだってことがわかり,特にチカさんと馴染んで秘密もでき,素直にサユリさんの玉子焼きを食えるようになったんだから,今日は本当に彼にとっても素晴らしい日だったんじゃないかと思います.…トーマは絶対作り手から愛されているなぁと思いつつ,次回に続きます.

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機動警察パトレイバー#6

「恥の挽回汚名の上塗りの巻」

新鋭機を導入し新隊員も増え,1号機に至ってはあやとりまでできるようになったものの,社会的な評価は埋立地の海抜のように低い第2小隊.そんな折,多摩に建設中の巨大な高層ビル,タワーシティに火災が発生.中に来日中の要人が閉じ込められたため,第2小隊に救出指令が下る.警察上層部はここでレイバー隊を活躍させて悪評を払拭したいのだ.タワー内部の侵入は通常のルートでは難しい.第2小隊は唯一の侵入ルートとして,屋上からクレーンで吊り下げ,窓からの侵入を試みる.

いつものお仕事を通じて第2小隊の生業を描き出す「パトレイバー」.怪獣,暴走レイバーに続いて今回は災害救助.バトルなしのアクションの連続によって,警察の1部署が担当せねばならない事件の幅広さを示し,さらに問題児太田の足手まといぶりを全力で描き出します(笑).
先輩風吹かせて偉そうで,リボルバーカノンを撃ちたがるくせに当たらないし,最後には力で解決しようとして大失敗するという壮絶な芸風の太田.新人や若手からは間違いなく疎まれるタイプの先輩ですが,決して悪い人でも無能でもないんです…ただひたすらハタ迷惑なだけで(苦笑).

前半.恐らくは太田のネガティブな大活躍によって評判が地の底目指して一直線な特車二課.真面目に職務を遂行する第1小隊にとっては巻き込まれての悪評は実に迷惑.もちろん第2小隊だって一生懸命やってるんですが,結果的には表彰よりも始末書の数が多くなるような状況.…新機種導入から間がないため,パイロットの技量が足りていない部分も多分にあるんですが,それが言い訳にできないほどの惨々たる状況なのだなぁ.
第2小隊の火薬庫である太田の2号機の動向はいつもの通りだからどうでもいいとして,1号機の技量は確実にレベルアップ中.アルフォンスはついにあやとりができるようになりました! …練習風景はふざけているようにしか見えませんが,モーショントレースシステムを使用した繊細な指先扱いは野明の強み.ほぼ同様の機体を運用しながらも,この短期間で既に1号機と2号機の間には違いが生まれていて,その差はフォワードの資質に起因するわけです.
とはいえそんな繊細な動きを生かす機会はそう簡単には訪れない…はずなのに,狙いすましたかのように生かす事件が発生.多摩に建設中の超高層ビル,タワーシティに発生した大火災から偉い人を助けるという晴れ舞台.…でも,千メートル級の巨大ビルを土地の安い多摩に建ててどうするつもりなんだろう(苦笑).ここでクラウス外相に同行する女子アナが妙にいい味出してますが,声はまだ新人の林原めぐみ氏.現段階では完璧な脇キャラです.
原因は不明ながらもテレビ中継中のビルの中層が爆発炎上.下層階ならまだ逃げようもあるものの,上の外相たちは防火シャッターが降り道を塞いで逃げようがない.さらにこの塔には液体ガスボンベが各所に格納されていて,自動消火機能が動かないし,空調も止まるし….建設中のビルに多くを期待するのも無茶ってもんでしょうが,外相を丸焼きあるいは燻製にしようもんなら外交問題に発展することは間違いありません.
尊い人命と日本の健全な外交関係を救うために呼び出された第2小隊.凄まじいデストロイヤーぶりを世に示しまくる彼らを投入するのはあまりにも無茶なわけですが(苦笑),巨大ビルの内部で自由に歩き回れる足を持ち,人にはない力を発揮できるレイバーは災害現場でも花形.クラウス外相の息の根が止まる前に救出できなければ確実にレイバー隊不要論が世論的に燃え上がるに決まっているから,作品存続の正念場でもあります.
消防庁のレイバーはがれき類の撤去で手一杯で手を借りるのも難しく,ついでに侵入経路の重要なポイントに2機をからませ隔座させてるってんだから始末が悪い.13階の彼らを救うには,一度屋上に上がってそこからクレーンで吊り下がって窓から侵入するしかない.これは学習次第で人にできる動きなら全て可能なイングラムでなければ不可能なミッションです.
うまくいけばなかなか見栄えのいい作戦を実行することになった第2小隊.その直前,後藤に嫌みを言い念を押す福島課長.作戦に要求されるスペックからして,イングラムでなければ解決不可能な事件だからこそ,お前らには国民の不安が集中していて,外相を助ければ評価をひっくり返せるんだから頑張れと激励.しかも御丁寧にも自分たちで多摩に大量の報道まで呼んだってんだから腐ってる.…本作の現場と上層部が食い違う描写については,将来,踊る某ドラマがインスパイアしていくわけですがそれはともかく,彼らは人命を救うことはできるのか?

後半.ついにはじまる救出作戦.屋上から外壁沿いにワイヤーでレイバーを降ろし,窓から侵入させて要救助者を確保するというレスキュー的な作戦です.本来は消防庁のレイバーが担うべき大役なわけですが,アクロバチックな作戦を遂行できる機体がイングラムしかなかったんだから仕方ない.早く助けないと外相たちが燻製になってしまうので,巨大なオーブンの中から一刻も早く取り出さなければなりません.
不安定というよりもサーカス芸のような鉄骨渡りでクレーンに到着し,イングラムの機体のワイヤーとクレーンを使って外壁を降下.命令する側は気楽なもんでしょうが,実際に機体を運用している者にとっては地獄の縁を渡るような芸当.いくら「アルフォンスを信じろ」とか言われても,それでなんとかなる高さじゃない(苦笑).300メートル上から落下すれば木っ端みじん間違いなしだ….
クレーンで先に降下する太田機.この時点でものすごく嫌な予感がするわけですが,現実は期待を裏切らない(笑).降下だけで一杯一杯の太田は,侵入するために一度壁を蹴って後に振れて勢いをつけ,かっこよく!銃で入り口の鉄骨をぶっとばそうと思ったら!銃がない! …まあ,普通人命救助には銃はいらない(笑).あの重量があれば銃がなくてもキックで鉄骨を吹っ飛ばせたはずですが,動揺した太田は無様に壁に激突.
こうして上空で開催される,大規模なレイバー隊ネガティブキャンペーン.最終的には自分のワイヤーに絡まって身動き取れなくなるという大失態は,絶対マスコミの大好物…(苦笑).地上の大惨事と合わせてここで2号機がリタイア.不器用で考えなしの太田にはあまりにも向いていない任務でありました.
この任務を担当するのは1号機の野明のみに.太田に比べれば段違いに繊細なセンスを持つ彼女なら,少なくとも太田を先頭にして突っ込ませるよりは被害者が助かる可能性が高い.ちなみに火事の中に閉じ込められた外相たちはおろおろ.しかしあの女子アナだけは実に気丈で,通風孔を塞いで姿勢を低くして待つという的確な指示を下しております.人の真価は危機の中でこそ明らかになるもの.彼女の勇姿に「好きです」と外相が血迷うのも(笑)当然かもしれません.
煙のために視界が著しく悪く,通路には隔座したレイバーも含め障害物多数.こんな道をなんとか通って野明がたどり着いたのは防火壁.この壁が外相たちを閉じ込めているわけですが,イングラムでぶち破るのは難しいし向こう側に与える影響も大きそうだから手動開閉装置を使う.ただし装置に火災の熱が伝わってしまったことで人間の手では回せない…というわけで,アルフォンスの指先でそっと人間用のレバーを回します.
確かに他の手段はないわけですが,レイバーであのレバーを回すってのは人の指先で麦わらで作ったやわなレバーを壊さずに回すようなもの.あやとりで鍛えた繊細な指さばきが役立つ機会がいまここに! …野明本人には大変に迷惑な話なわけですが(苦笑).周囲で時折爆発までも起きる中,そっと指先ではじいて降ろし,さらに爪楊枝の先ほどのもろいハンドルを慎重に回していく….
緊迫感の中でゆっくりと開いていくシャッター.もう一息で要救助者を確保できそうなそのとき!イングラムに焦げた構造物が直撃したのに悲鳴を上げる野明が偉い.こんなぎりぎりの状況でも愛機が汚れることを嫌うフェチっぷりが実に偉い(笑).人命と同レベルで機体を大切にしてしまうことだけが,この影の薄い主役が唯一他と張り合える個性だったりするのです.
かくして1号機は無事に要救助者を発見.イングラムの両腕に抱えて人命を一気に救い出し,無事にレスキューの代役を務め切ったのでありました.…問題が残っているとすれば,外相がやたら女子アナを気に入ってしまったことに加えて,太田のネガティブキャンペーンが塔の天辺で未だに続いていることだろうか(笑).クレーンに釣られて絡まったままの2号機.第1小隊に手助けを拒否されたってことは,このあと再度1号機が三百メートル上がってほどかなきゃならないってことなんだろうなぁ(苦笑).

翌日.1号機は大活躍したものの新聞の1面トップはあの女子アナ,SNNの桜山桃子さんに奪われました(笑).外相がやたら気に入っていた時点でオチは読めていたわけですが,まさかこの先彼女があれほど活躍することになるってことまでは読めなかったなぁ…(苦笑).第2小隊に対する粗暴,無差別,発砲行為ってな悪評は恐らく太田の活躍に起因するんだろうから,隊の評価を一気に上げるには配置転換が一番効くよ?
そして後藤が最後にバラす,今回警視庁と都と外務省が描いた図面.これは本庁の仕組んだ大規模なPR作戦.レイバー隊のPRのために外相たちを死の淵に追い込んだ彼らですが,その被害者の行動によってPRを大失敗した…ってのが今回の結論であり教訓.理のない無理はするもんじゃないわけです.かくして太田のネガティブな大活躍によって折角の野明のポジティブな活躍は誰にも気に留められないまま流されて…次回に続きます.

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「アニメ感想率調査2006春」感想・おまけ

皆様こんばんは.今週末は結構大きな仕事の区切りがありまして,なかなか記事を書く暇を取れず,サイトを放置している間にすっかりアクセス数がいつものように落ち着いたのでいつものダメなレビューをやろうかと思ったら,またリンクされて恥ずかしい(笑).

さて,今回は「アニメ感想率調査2006春」感想のちょっとしたおまけ.光希桃 Anime Stationさんのアニメ感想率調査について,自分がこうやってまとめはじめた05春からの終了作品のベスト&ワースト10を讃えたり,あるいは結果的にさらし者にしたりしてみようと思います.図も作った!

今回の終了番組結果は以下に.セットでどうぞ!

 R'sM: 「アニメ感想率調査2006春」感想
   └R'sM: 「アニメ感想率調査2006春」感想・追加

それ以前の記録はこちらにまとめてます.

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まずは栄光のベスト10から.

05春調査分から06春調査分まで,光希桃さんの評価平均値のトップ10とR'sMの全体印象評定値のトップ10を合わせて表示しています.上からの順位が光希桃さんで,右からの順位がR'sMと見ていただくとわかりやすい.
作品に対する評価としては,沢山の人が見ている上に評価が高い…つまり,右上に近ければ近いほど理想の境地ではないかと思います.沢山の人が見れば見るほど評価平均値はどうしても下がりやすくなるものですが,右上気味の作品というのはそんな傾向すら越える超作品.てなわけで「マイメロ」さんすげえ.ギンコと伯爵を従えて堂々と輝く羅喉星ぶりがたまらねえ(笑).その左上に鎮座するのが見たものを熱狂させた「AIR」,そしてもっと左の方にはかなりマニア向けの2作である「化猫」と「超ぽじてぃぶ!ファイターズ燃焼」や「ボーボボ(打切地区)」が.
「マイメロ」さんのいるあたりから右下にいるのはこの調査で特に愛されていた美少女モノ.作品的に良く似た位置の「ぱにぽに」「スクラン」「まほらば」は,右側グループでの1つの頂点に見えますね.

全体印象評定値のトップ20は以下の通り.

 作品名終了番組
評価平均
ポジネガ感想界
全体印象
1ARIA The ANIMATION3.519 1.88 0.11 1.77
2スクールランブル3.599 1.83 0.13 1.70
3舞-HiME3.284 1.82 0.15 1.67
4ぱにぽにだっしゅ!3.652 1.73 0.13 1.61
5まほらば~Heatfuldays~3.627 1.75 0.14 1.61
6かみちゅ!3.603 1.69 0.09 1.60
7舞-乙HiME3.295 1.56 0.13 1.43
8魔法少女リリカルなのはA's3.657 1.49 0.11 1.39
9創聖のアクエリオン3.339 1.42 0.15 1.28
10極上生徒会3.058 1.42 0.17 1.25
11蟲師(20話まで放映版)3.939 1.31 0.08 1.23
12英國戀物語エマ3.163 1.30 0.10 1.20
13ノエインもうひとりの君へ3.661 1.29 0.10 1.20
14苺ましまろ3.240 1.25 0.05 1.20
15おねがいマイメロディ4.058 1.25 0.08 1.17
16厳窟王3.891 1.20 0.08 1.11
17ガン×ソード3.432 1.12 0.07 1.05
18よみがえる空―RESCUEWINGS―3.400 1.18 0.13 1.05
19フタコイオルタナティブ2.850 1.29 0.26 1.03
20灼眼のシャナ2.869 1.12 0.09 1.03

この1年くらい,感想界でよく話題になっていた作品たちばかりですね.

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さて! 続いてはワースト10.ベストより気になる人もいるかも….

05春調査分から06春調査分まで,光希桃さんの評価平均値のワースト10とR'sMの全体印象評定値のワースト10を合わせて表示しています.下からの順位が光希桃さんで,左からの順位がR'sMと見ていただくとわかりやすい.実はこの図からは,たった一人だけが評価した上に見切られたという悲惨な作品「太鼓の達人2」が落ちてるんですが,…なくてもいいよな?
さて,大変コメントをつけにくいワースト10.図中の作品から自分が最後まで見てしまった作品をチェックしてみると,切ない気持ちになること請け合いです(苦笑).図には出ていない「太鼓」を含め,右側に並ぶのは誰にもチェックしてもらえなかった一堂.現在の「MUSASHI」の斜め上な快進撃ぶりを聞いていると,同じ原作者の「活動大写真」が一体どんな作品だったのか逆に気になってくるなぁ(苦笑).
「これはダメだ」と視聴者を悲しくさせる作品は,作画と物語のどちらか,あるいは両方に致命的な問題を抱えているようです.さらにその問題によってメジャーな原作や原案を台無しにしてしまった場合はもう目も当てられない.左側に行けばいくほど,つまらないというよりは作品に対する怒りを感じますね.で,沢山の人間に悪評価されると左下に向かっていくわけですが…そこにそびえる牙城の姿が,どうしようもなく切ない….

全体印象評定値のワースト20は以下の通り….

 作品名終了番組
評価平均
ポジネガ感想界
全体印象
154パタリロ西遊記!2.000 0.01 0.06 -0.05
155ガンパレード・オーケストラ白の章1.765 0.20 0.27 -0.07
156落語天女おゆい1.875 0.30 0.43 -0.13
157おくさまは女子高生1.920 0.25 0.38 -0.13
158パピヨンローゼNewSeason1.667 0.09 0.24 -0.14
159格闘美神武龍1.875 0.11 0.26 -0.15
160好きなものは好きだからしょうがない!!1.857 0.15 0.31 -0.16
161ガンパレード・オーケストラ緑の章1.500 0.11 0.28 -0.17
162ガンパレード・オーケストラ(白緑青総括)1.631 0.21 0.39 -0.18
163ZOIDS FUZORS1.690 0.08 0.27 -0.18
164To Heart21.739 0.29 0.48 -0.19
165機動戦士ガンダムSEED DESTINY1.781 0.53 0.72 -0.19
166CLUSTER EDGE1.873 0.19 0.41 -0.22
167機動新撰組萌えよ剣TV1.522 0.09 0.32 -0.23
168奥さまは魔法少女1.706 0.35 0.59 -0.25
169らいむいろ流奇譚X1.596 0.14 0.41 -0.27
170いちご100%1.804 0.24 0.51 -0.27
171IZUMO~猛き剣の閃記~1.718 0.18 0.50 -0.32
172涼風1.833 0.26 0.60 -0.34
173JINKI:EXTEND1.539 0.23 0.64 -0.41

牙城強すぎる.
今後も,お願いだからこのリストに並びそうな作品は作らないでください….

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さて,これでようやく終了番組分析が終了.これから新番組評価もまとめるつもりなんだけど,その前に新番組が終わってしまったらどうしよう(苦笑).

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桜蘭高校ホスト部#6

「学び鍛えて師匠を越えろの巻」

ホストとして女の子を喜ばせる方法を学びたいと,初等部の少年,鷹凰子嗣郎が一応キングである環に弟子入りを志願してきた.ハニー先輩と違い本当に幼い彼は,子供の無垢な目と遠慮のない舌で部の営業を妨害しまくる.けれど一刻も速く女の子を喜ばせたいという強い気持ちに嘘はない.既にホスト部にはハニー先輩というショタの大家はいるものの,少年はそのキャラからしてやんちゃ系で行くがよろしかろうと大騒ぎするホスト部に少年は幻滅.これであいつが喜ぶわけがないと部を逃げ出してしまう.

毎度ハイレベルな大騒ぎを繰り広げ,きちんとできていて当たり前という状況に突入しつつある「ホスト部」.スタートからラストまで一定以上の品質を保つことは滅多にできることではなく,さすがにやや息切れしてきた今ですらもこの品質ってのは驚異的.実にいいもん見せてもらってますよ.
独特で憎めないキャラ設定や,美麗な作画に冴えた演出…と本作を褒める言葉はいろいろありますが,今回は声優の面で聞き所満載.ゲスト,やんちゃ系の少年にキャスティングされた竹内氏の演技が凄い.今でこそ女性キャラも目立ってますが元々は活発な少年役の大家.しかも最も得意とするきかん坊で一本気な少年ではなく,気は強いけれど初々しさと品の良さを感じられる少年の演技が素晴らしい.特に不自然さを感じさせないたどたどしさの表現は必聴です.

前半.今回のゲストとなる初等部の嗣郎少年.顧問教師に見込まれるほどのピアノの才能の持ち主のようですが,時間がないらしい彼は今すぐ何かをなんとかしたい様子.将来女にもてるのでは回りくどくて間に合わないって,なんだってこんな幼いのに生き急いでいるかについてはこの先で明らかになっていきます.…そんな作品じゃないと知っていても,音楽室に少年と教師が2人きりって無駄にどきどきしますな(笑).
彼が目指したのはあの南校舎の最上階,使われてない音楽室…今日はアラビアの王宮仕様のおなじみホスト部! 視聴者的にはこの少年の選択は間違っているとしか思えないわけですが(笑)嗣郎少年は環のことをキングと読んでみたり弟子入り志願してみたりと間違い放題.環はキングというよりは殿だし,殿と言うよりはバカ殿なのに….
てなわけで環には謎のお弟子ができたものの,この弟子がびっくりするほどできてない.師匠である環の接客だけでなくホスト部全体の営業を妨害しまくり.環が接客しているお嬢さんのことを鮒呼ばわりって,唇が個性的なチャーミングなお嬢さんに少年,それはないだろう(笑).でも露骨に持ち上げまくっていた環が釣られて墓穴を掘ってるのがなお悪い(苦笑).「子どもは素直」とか「仮に鮒だとしてもそれは美しい鮒で…」とかはちっともフォローになってねえ.環自身の本質が実に天真爛漫で正直なのが悪い方に転がってます.まあ,この程度の転がりはいつもですけどね!
純真でストレートな少年からすればホスト部は魔窟.絶好調で美形兄弟ホモ芸を披露中のキンカンヨーカンな双子,初等部の癖になぜか高等部の制服を着て,でかい高等部の仲間を連れている奴,そしてオカマ.…ハニー先輩とハルヒさんがその外見と真実によって著しく誤解されております(苦笑).少年,ハルヒさんは状況的にはオカマとは逆ベクトルの存在だよ….
少年の目は純真で,少年の魂は純粋で,その魂のままに行動する彼は接客業には明らかに向いてない.預けられた食器セットをいきなり落としてその罪を詫びようともしない上に,10万の損失を食らわせたハルヒをけなす彼はあまりにもひどく,さすがの師匠も怒りました.…恐らく弟子入りしてから1時間程度の話じゃないかと思いますが,それだけの時間で牢に入れられるような嗣郎少年を弟子に取った環はさすがです(笑).
天井から降りてくる檻のことはまあ金持ちの道楽とスルーするとして,あっと言う間に嗣郎少年を見損なった環師匠.環が彼を認められるのはキングと呼んでくれること…ではなくてホストになりたいという熱意のみ.檻の中でホストになりたいと絶叫し「時間がないんだよぅ…教えてくれよぅ…」と弱音を吐く少年.竹内氏のこのあたりの言いっぷりが実にいい感じです.
女の子を喜ばせるためならばあの環のことを「天才」と呼ぶことすら厭わない捨て身の嗣郎少年の態度に環の心はまたもぐらぐら.普段,仲間からはまったく褒められていないがゆえの誉められることへの飢えっぷりがおかしい…(笑).その本気を認めた環はお前は俺に似ていると嗣郎少年に対し失礼なことを言い,女を喜ばせることができないホストはホストではないと,少年ホスト再建計画を実行します.
女性を喜ばせるためにはまず自分が輝かねばなりません.そして自分を輝かせるには,自身の資質を十二分に生かさねばならないのです.現在のホスト部は王子,ワイルド,ロリショタ,小悪魔,クール,優等生天然と完璧な布陣を誇るわけですが,ここに少年をどう加えるかが問題.なんせショタ席にはハニー先輩(最上級生)が鎮座してますんで,ここに少年を足すのはかぶるよなぁと常識的な判断を下す一同のところに出現する,ホスト部の誇る強力モーター!
せり上がりが設置されていることについては金持ちの道楽とスルーすることにして,マニアなかえでさんは一同のキャラ分析の鈍さをばっさりと斬る.ショタは年代あるいは容姿の嗜好を示すだけのアバウトな定義であり,そこに性格その他のサブタイプが加わることでより詳細に分類することができます.ハニー先輩はロリショタの王道だが,少年が属すのはやんちゃ系!
やんちゃの基本は半ズボンと膝や頬に傷.そして走って豪快に転んで「別に…どうってことない」と強がってみせる仕草.よく正統派のロリショタとコンビを組まされ時にはカップリングされる対の典型で,確かに今のホスト部にはいない.少年の演技っぷりにパーフェクツ!とれんげが哄笑するという状況の狂いっぷりに,この人たちは阿呆だと今更気がついた嗣郎少年はついに魔窟より逃走….気になるのはなんで彼があれほど一生懸命だったのか.喜ばせたかったアイツって誰?

後半.魔窟から逃走した弟子の事情を調べるべく,ホスト部はその総力をあげて初等部に潜入することに.まあ,ロリショタのハニー先輩が選抜されるのは予定調和なわけですが,ハルヒさんに中等部の女子制服を着せて潜入させてどうしようってのか…って,もちろんハルヒさんの可愛い姿を見るためだけの意図しかない(苦笑).高等部から入ってきた上に普段は男子制服のハルヒさんの幻の過去の姿を捏造してみたかった男心はわからないでもないですが,当人にとってはいい迷惑.
というわけでホスト部一同揃って初等部に侵入.特殊潜入舞台の意義がなくなったところで先生来襲! あわてて隠れざわめく一同に向かって「お口にチャック!」と動作つきで諌めるハルヒが可愛らしいなぁ(笑).このざっくりした彼女の子ども時代は一体どんな姿だったのやら….さらに重要な物証を発見したのは鏡夜.ピアノの連弾をする笑顔の嗣郎少年と見知らぬ少女の写真を見つけたあとは,もう後半なのであっさりと少年の事情が明らかになります.
嗣郎少年の意中の人はあの少女,神城雛.彼女の奏でるピアノの音色をじっと目を閉じて味わっているあたり,片思い街道を探索中のご様子.しかも初等部生徒の証言によれば彼女はもうじきドイツへと引越しの予定.1話完結なのであんまりひねってはおりません.嗣郎少年が雛嬢のために魔窟に踏み込んだことは明らかで….事情のバレた嗣郎少年を肩に担ぎ上げて持って行く環師匠.彼には教育が必要です.
個人的な事情を探られた少年はもちろん怒るわけですが,状況を把握した環師匠は「馬鹿はお前だ!」と一喝.彼女を喜ばせたいという気持ちは間違っていないものの,ここで学べるのは不特定多数のお嬢さんを喜ばせる方法と先輩たちの変態ぶりだけ.少年が今すぐに学ばねばならないのはたった一人を喜ばせる何か.ホストとしてではなく,一人の男として向き合うための何か!「お前が目指すのは,一人前のホストじゃなくて,一人前の男だろう…!」…音楽が無駄に高尚で盛り上がり最高潮.作品ぐるみで説教をぶちかます環を持ち上げまくりです.
もう時間がないってのに既にあきらめムードの嗣郎少年.けれど今更彼女のピアノを聴いたって,少年本人はともかく彼女の心がどうなるってもんでもないから…環が出したのがグランドピアノ.一応音楽室だからピアノがあるのは当然です(笑).しかも華麗に弾きこなしてみせるあたりがさすがはキング.普段はうざくて面白すぎるオバカさんでおもちゃな彼ですが,総合的なスペックはホスト部内では最も優れていそうだ.…少年が好きなのは聞くだけのピアノではなくピアノを弾く彼女の笑顔.ゆえに少年は師匠から学ばねばなりません.彼女と一緒に弾くための連弾曲を!

1週間後.ホスト部の総力を結集し,神城雛嬢のためだけに準備された特別な音楽会.もちろんメインは1週間の修行の果てに雛嬢の隣に座れるようになった嗣郎少年.まだ幼い2人のハーモニーは美しく響き,別れる直前で2人は結びついたのでありました.…弟子の一途に人を恋うところは自分も似ているのだと環は主張し,ハルヒさんにいいとこを見せまくったあたりがきっと頂点! そして! ここまで徹底して持ち上げたからには一気に落とさねばなりません(笑)!
環の特訓により雛嬢とうまくいったはずなのに,なんとホスト部に居ついてしまった嗣郎少年! しかも師匠の客も根こそぎ奪う極悪ぶり! あの師匠にしてこの弟子あり.「あんたほんとにそれでもホストキング?」とか言われてしまうわハルヒにも見損なわれるわと環は毎度ながら悲惨なことに(苦笑).…どこまでも持ち上げられる能力と,どこまでも落とせる上に落としてもあんまり可哀想でなく面白いという性格を兼ね備えた環は,コメディの主役としては大変に魅力的なキャラクターだと思いつつ,次回に続きます.

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「アニメ感想率調査2006春」感想・追加

光希桃 Anime Stationさんのアニメ感想率調査最終回結果を使った「アニメ感想率調査2006春」感想の続きをいつものようにやってみたいと思います.

今回もリンクありがとうございます.「化猫」は本当に「見た人は面白い」と「マニア向け」の境界にあるような作品で,キー局で時間帯にも恵まれていたことで視聴者数がかなり確保できていたことに加え,直前の2作が全然ダメだったことも手伝ってあの突出した高評価に繋がったんでしょう.DVDが出るはずですがあれだけはぜひ買いたい.他はいいや(苦笑).
さて,例の牙城の動向なんですが今回も健在という報を受けてわざわざ図を作っていただいてどうもありがとうございます(笑).左側に極度に偏るあの状況は,評価者が多い上にネガティブ評価が圧倒的に多くてポジティブ評価がほぼない,という特殊な状況でのみ達成できる奇跡の境地.我々はあのような悲劇を繰り返してはならないのです.今回は後で通年の結果も出そうと思っていますんで,その際には天上の様子だけでなく,このような地底の実態も明らかになることでしょう.

前回以前の記録などは以下に.セットでどうぞ!

 R'sM: 「アニメ感想率調査2006冬」感想
   └R'sM: 「アニメ感想率調査2006冬」感想・追加

それ以前の記録はこちらにまとめてます.

さて,分析追加その1.光希桃さんの評価平均値と評価率の散布図

縦軸の評価平均値に横軸の評価率(全体に対する「見てない」以外の評価者率)を組み合わせることによって,どのあたりのデータが偏っている可能性が高いかを示してみました.右側のものは沢山の人にそう評価されてしまっているので大変言い訳がしにくいですが,サンプルが少ない左側の領域には名作が隠れている可能性がありますんで,コメントを参考にDVDや再放送でチェックしてみてください.特に緑の上部は掘り出し物…って,ちゃんとここに「化猫」がいるのがらしいなぁ.
自分が見た中では「プレイボール2」「うえきの法則」「今日からマ王」なんかがお勧めだ.そしてこれまでたった1作品しか突入したことのない禁断の赤領域の近くには,「おゆい」「クラスターエッジ」「タクティカルロア」などの姿が.

2つ目はポジティブ評価とネガティブ評価の散布図

R'sMで出した全体印象評定値では「普通」以上をプラス,「見切り」「駄作」をマイナスとして合計値を出し,それをサンプル数全体で割ってます.ゆえに合計値が特に0に近い値の場合,そもそも評価自体が少ないのか評価は多いけれど0前後で評価が分かれているのかを区別できないという問題があります.
この図はそこをはっきりさせるため,横軸にマイナス評価の平均,縦軸にプラス評価の平均をプロットしたもの.左下(0に近い)ほど評価自体が少なく,右上ほど評価は多いけれど意見が分かれるものとなります.実際の評価率については上の図と一緒に見てくれ.原点近くはぐちゃぐちゃだなぁ….

この図でも「怪」の4評価の位置がなかなか面白い.「化猫」1作で「四谷怪談」「天守物語」のマイナスを取り戻している様がよくわかります.今回はポジティブ評価上位では「エウレカ」「かしまし」にネガティブ評価が集中.ポジティブ中位では一覧では埋もれてしまった「IGPX」「半分の月がのぼる空」「ムシキング」「タクティカルロア」の評価が割れているのがわかります.ネガティブ評価上位陣は予想の通り「おゆい」「クラスターエッジ」「ガンパレオーケストラ」….今期を代表する底辺はこの3作で決まりかな.

さて,最後は上記図で使用した数値とあわせ,全体印象評定値での順位です.アニメ感想サイトを読む人たちには,だいたいこんな風に作品の評価が聞こえていたはずです.ぜひ番組評価平均値と全体印象値の図と見比べながらご覧ください.

作品名終了番組
評価順位
ポジネガ感想界
全体印象
1舞-乙HiME81.56 0.13 1.43
2蟲師(20話まで放映版)21.31 0.08 1.23
3ノエインもうひとりの君へ41.29 0.10 1.20
4おねがいマイメロディ11.25 0.08 1.17
5よみがえる空―RESCUEWINGS―61.18 0.13 1.05
6灼眼のシャナ171.12 0.09 1.03
7ゾイドジェネシス50.99 0.05 0.94
8交響詩篇エウレカセブン111.18 0.30 0.88
9SoltyRei70.94 0.09 0.84
10闘牌伝説アカギ―闇に舞い降りた天才―90.92 0.08 0.84
11かしまし~ガール・ミーツ・ガール~321.03 0.27 0.76
12陰からマモル!250.80 0.15 0.65
13ふしぎ星の☆ふたご姫230.70 0.13 0.57
14マジカノ150.67 0.15 0.53
15地獄少女200.65 0.15 0.49
16びんちょうタン(9話打ち切り版)330.59 0.11 0.48
17怪~ayakashi~「化猫」30.49 0.02 0.48
18おろしたてミュージカル練馬大根ブラザーズ300.66 0.21 0.45
19Canvas2~虹色のスケッチ~290.64 0.21 0.44
20しにがみのバラッド。260.51 0.08 0.43
21ガラスの仮面120.54 0.12 0.42
22Rec340.58 0.16 0.42
23うえきの法則100.51 0.15 0.36
24焼きたて!!ジャぱん270.47 0.13 0.34
25雪の女王160.49 0.16 0.33
26BLACKCAT350.43 0.17 0.26
27半分の月がのぼる空360.44 0.19 0.25
28あまえないでよっ!!喝!!310.29 0.07 0.22
29甲虫王者ムシキング~森の民の伝説~240.37 0.18 0.20
30IGPX380.45 0.27 0.18
31今日からマ王!220.31 0.14 0.17
32怪~ayakashi~(全部)400.24 0.07 0.17
33びんちょうタン130.22 0.05 0.16
34プレイボール2nd210.22 0.06 0.16
35金色のガッシュベル!!280.29 0.15 0.14
36冒険王ビィトエクセリオン370.22 0.10 0.11
37ガンパレード・オーケストラ青の章460.25 0.16 0.09
38超ぽじてぃぶ!ファイターズ~11魔人篇~180.09 0.02 0.08
39ロックマンエグゼBEAST440.14 0.06 0.08
40タクティカルロア470.45 0.38 0.07
41ブラック・ジャック420.20 0.14 0.06
42とっとこハム太郎(ここまで総括)190.07 0.02 0.05
43デュエル・マスターズチャージ140.07 0.02 0.04
44とっとこハム太郎はむはむぱらだいちゅ!390.05 0.03 0.03
45LEMON ANGEL PROJECT410.28 0.26 0.02
46吟遊黙示録マイネリーベ―wieder―500.04 0.03 0.01
47強殖装甲ガイバー480.04 0.04 0.01
48怪~ayakashi~「四谷怪談」530.17 0.16 0.01
49The King of Fighters Another Day580.02 0.02 0.01
50怪~ayakashi~「天守物語」540.14 0.14 0.00
51クレイアニメ太鼓の達人第2シーズン630.00 0.00 0.00
52鍵姫物語永久アリス輪舞曲450.37 0.38 -0.01
53アニマル天国は今日も晴れ500.01 0.03 -0.02
54FunnyPets430.02 0.05 -0.03
55キン肉マンII世ULTIMATEMUSCLE2490.10 0.14 -0.04
56ジミー・ニュートロン僕は天才発明家!500.02 0.07 -0.05
57ガンパレード・オーケストラ白の章590.20 0.27 -0.07
58落語天女おゆい540.30 0.43 -0.13
59パピヨンローゼNewSeason600.09 0.24 -0.14
60格闘美神武龍540.11 0.26 -0.15
61ガンパレード・オーケストラ緑の章620.11 0.28 -0.17
62ガンパレード・オーケストラ(白緑青総括)610.21 0.39 -0.18
63CLUSTER EDGE570.19 0.41 -0.22

今回のトップは「舞-乙HiME」.前作ほどの圧倒的な人気はありませんでしたが,特に終盤のまとめぶりに関しては前作以上という声も多かった佳作です.いつもの調査だとこのあたりに萌え系の作品が集中するんですが,今期は「舞-乙HiME」のみが認められたってことにも価値がありそう.続いて原作を圧倒的な技術力で描き出した傑作「蟲師」と,難解ながらもその謎で視聴者を魅了した「ノエイン」.この2作は明らかに大人の視聴に耐えるでしょう.
…そして今期の頂点である「マイメロ」様がご登場.1年を通じてアナーキーな芸をサンリオのキャラで演じ続けた異形じゃなくて偉業は長く讃えられるべきです(笑).これを初期に切っちゃった人は絶対勿体無いことをしてますね.
「よみがえる空」から「マモル」あたりまでは今回の比較的健闘組.評価数の多さで評価平均のあまり奮わなかった「シャナ」や「エウレカ」,「かしまし」の姿も見えますね.このあたりで美少女がコケてしまっているのが今期の「舞-乙HiME」の勝利に繋がっている感じ.
「ふたご姫」から「デュエルマスターズ」あたりまでは大混乱.マニア向けに足を突っ込む良作からそろそろ覚悟して視聴するべきレッドゾーン作品まで,幅広く分布しています.「評価平均」では上位の「怪」もこちらのランキングではこのあたりに沈みますね.
そして「はむはむぱらだいちゅ」から下の方は総じて危険な領域です.数々並んでしまったこれら作品の中で,1年後に存在を覚えていてもらえる作品は一体どれだけあるんでしょうか.ネガティブな印象の強さで覚えられても迷惑かもしれませんが(苦笑).
…え? あれ? 一番下ってこれ!? 何この会社サンドイッチ(笑)!

沢山の視聴者からいい作品と認められるためには,普通は作品の出来そのものだけではなく,放映前の知名度の高さや,視聴しやすい時間帯やネット局の広さなどが必要です.そこらが大変よく整っていた「舞-乙HiME」は今期を代表する作品の1つと言い切って問題ないでしょう.しかしそんなインフラの整った作品も,絶対的な品質の前には頭を垂れるしかありません.28時近くの最深夜帯であろうとも,地方局のみの放映であろうとも,キッズ向けで大人は普通チェックしない作品であろうとも見る奴はちゃんと見てますし,本当に面白い場合はこれが素晴らしいとせっせと宣伝し,そこからまたコアなファンが広がっていきます.
要するに何が書きたいのかと言えば,我々はちゃんと見ていて,本当にいいものに関しては広報部隊となることも厭わないから,どんな時間帯だろうとも諦めずに作っていただきたいということです.本数の多すぎる昨今は作り手にとって大変厳しい状況とは思いますが,それでも我々はちゃんと見ていて,応援する手を空けて待っています.

さて,次は通年ベスト&ワースト10でもやろうかな? …また別の記事に続きます.
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(5/27追記)追加記事アップしました!
 R'sM: 「アニメ感想率調査2006春」感想・おまけ

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「アニメ感想率調査2006春」感想

大変お待たせいたしました! 光希桃 Anime Stationさんのご厚意で開催されたアニメ感想率調査最終回について感想とか別口分析をやってみたいと思います.いつもの図もあるよ! 前回以前の記録などは以下.

 R'sM: 「アニメ感想率調査2006冬」感想
   └R'sM: 「アニメ感想率調査2006冬」感想・追加

 R'sM: 「アニメ感想率調査2005秋」感想
   └R'sM: 「アニメ感想率調査2005秋」感想・追加

それ以前の記録はこちらにまとめてます.

まず,このサイトとしては,

 取り扱い作品数:3本 ( 268サイト中 246 位 )
 感想数:3.00本 ( 219 位 )
 レア指数:3.08 ( 14 位 )
 チェック数 / 視聴可能数:25 / 31(対象番組数:31)
 初期チェック率:70.77% ( 101 位 )
 平均評価点:2.33 ( 255サイト中 39 位 )
 平均評価点(見切りマイナス換算):2.33 ( 147 位 )

極少数に全力を費やしてしまうから,感想取扱作品数は3本しかないしそのうち1本は再放送だし.そりゃレア指数も14位になるよな(苦笑).その割に本数的には割と最後まで見てしまうので,終了評価も新番評価もやたら数が多くて大変でした.コメント作るのがまた大変で….
第8回感想率調査についてサイトデータサーチで「R'sM」を見る
このサイトの関連作品感想リンクはこちら

終了番組の内訳は名作:2,おもろ:12,普通:18,駄作:4.
今期はひどくどっぷり浸かった殿堂作品はなかったものの,個人的な意見はともかく絶対に認めねばならない傑作2本と,傑作とまでは言えないけれど十二分に楽しんだおもろ作品がありました.特に3年を一緒に過ごした「ガッシュ」は大好きで,自分が原作ファンでなければきっと殿堂をつけたんじゃないかなぁ.
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さて,いつものやつ行きます! まずは以下の図をどうぞ!


縦軸は光希桃さんオリジナルの「終了番組評価平均」.横軸は同じ結果からこのサイトで出した「アニメ感想全体印象値」.アニメ感想のコミュニティ全体で見た場合に,どの作品に対する評価が大きく聞こえていたのかを「全体印象値」として出したものです.たくさんのサイトが良い評価を出していれば数値が高く,逆にたくさんのサイトが悪い評価をしていれば数値が低く,評価が真っ二つか見る奴が少ないときに0に近づきます.
具体的には殿堂=4,名作=3,おもろ=2,ふつう=1,(見てない=0),見切り=-1,駄作=-2の値を与え,その全体合計点をサンプル全体で割ってます.見切りと駄作については,「感想を書くのを途中でやめるよりも,最後まで書くけどことごとく酷評のほうが読む側の印象はより悪くなるだろう」という私見から値を与えています.今期は60本以上をこの図に入れ込むのが大変に難しく,数本図に出ていない作品がありますが,それらは視聴者数が少ない上に評価も低い連中なのでそっとしておいてあげてください…(苦笑).

右上の青は「面白かった」もの.上ほど少数精鋭,右ほど多くの人が面白いと評価しているはずです.今期は真上方向に上がっていく「見た人は面白い」作品が2本も出現.自分自身も個人的な嗜好を抜きにして認めねばならない傑作として「蟲師」と「マイメロ」を選んでいたので,この結果は当然と感じています.特にあの内容で1年やった「マイメロ」の凄さは間違いなく「蟲師」を越えているので,アニメ関連マスコミは相応の扱いをしてあげてほしいです(苦笑).
作品数が多い今回ですが,面白いと評価されるものはやはり少数派.「ノエイン」「ゾイド」「よみがえる空」「ソルティ」「アカギ」あたりまでは見た人を満足させた様子です.で,全体的な評判の良さでは「舞-乙HiME」が今期のトップに.前作よりはやや評価が落ちるものの,どの感想サイトでも扱っている上に評判もそれなりで,きっといい商売ができそうです.

真ん中あたりにごっちゃりしてるのは人それぞれで趣味それぞれ.…いやぁ,今期は本当にごっちゃりしてんなぁ(苦笑).「うえき」あたりからはじまるオレンジ寄りの一群は見た人は結構楽しかった作品なので,掘り出し物を探すならこのあたりからどうぞ.「マジカノ」や「ガラスの仮面」はなかなか楽しかったですよ.でも「雪の女王」はかなり声優の敷居が…(笑).
集団下位では自分がレビューしてきた「ガッシュ」「練馬」「ジャぱん」が似たようなところに埋もれてる.もっと右で割と沢山の人に見られていたものの今ひとつ評価が良くなかったのが「エウレカ」.この調査で甘い評価が出やすい萌え系作品ではないものの,同じく萌えではない「蟲師」や「よみがえる空」が上に居ちゃ言い訳もしにくい.

左上のオレンジはおなじみ「マニアの皆さん」.マニア度は上に行くほど濃くなってますが,実際の範囲は「マ王」あたりから上のグループはこのグループかもしれません.マニア向けと面白いの境界にいるのが「化猫」.かなり面白い作品だったんですが,そりゃ前の2作を見たら普通の人は視聴を打ち切っていて当然だよな(苦笑).でも,これだけは本当に面白いのでぜひDVDで見ていただきたいものです.

右下の紫は「期待したのと違うかも」.範囲が微妙にわかりにくくなっているのは作品に対する武士の情けという奴なのであんまりツッコまないように.ここに片足つっこんだ程度の「シャナ」はともかく,完全に突入してしまった「かしまし」が悲惨.新番組調査ではオタ兄さんたちにちやほやされていた3人ですが,そりゃラストがあれじゃ心の広い兄さんたちだってヒくさ(苦笑).…まあ,最初からあかほりだったしね.

左下の赤はかなりよろしくありません.特に左に行くほどつまらないという噂が強く聞こえてきたわけですが,そこもまたダンゴ状態になっていて読みにくくてすいません.それなりに面白いと思うんだけど,パンツが見えてもうれしくならないのが一番の問題な「武龍」や,見た目だけ頑張ってもなんともならないことを教えてくれた「おゆい」,そしてまついSDは悪くない「クラスター」すらも超えたのが生まれながらの駄作「パピヨン」と…「ガンパレ」.「パピヨン」は狙ってこの位置に来ているから問題ないけれど,「ガンパレ」はさすがにヤバいと思うんだけどなぁ.
…あ,今回も「JINKI」の牙城は崩れませんでしたよ!

さらなる表とかランキングについては,また別の記事で!
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(5/24追記)追加記事アップしました!
 R'sM: 「アニメ感想率調査2006春」感想・追加
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(5/27追記)追加記事アップしました!
 R'sM: 「アニメ感想率調査2006春」感想・おまけ

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デジモンセイバーズ#6

「殴った拳の行き先はの巻」

周囲に甚大な被害を与えつつもデジモンとの喧嘩に明け暮れる兄貴のマサルと子分のアグモン.最強のコンビだといつものように調子に乗っていたふたりだが,大好きな卵焼きの配分を巡って喧嘩.売り言葉に買い言葉でついには絶交してしまう.アグモンはデジヴァイスの中に引きこもり,マサルは一人でもやれると基地を飛び出す.けれどもはやマサルは普通の喧嘩では憂さを晴らすことはできないし,アグモンはマサルがいなければ進化できない.互いの意地で謝ることのできないふたりは,敵を前にしてもどうしようもなく無力なのだ.

回を重ねるごとにキャラが立ち,ただのアクに見えていたものの旨みがどんどん出てきた「セイバーズ」.やってることは古典だけれど描写は丁寧.台詞回しにもかなり気が使われているようで,キメるところはしっかりと台詞に出すだけでなく,あえて言葉にせずに描写で補うあたりも素晴らしい作品なので,ぜひ皆様にも一緒に追いかけていただきたい.
さて,今回はマサルとアグモンの仲違い.1話の拳と拳のぶつかりあいで作られたふたりの友情ではありますが,双方相当のバカであるためにささいなことで亀裂が入ったりはします.なので喧嘩の原因についてはあえてツッコみませんが…タッグ組んでたった5話で喧嘩ってのはいくらなんでも早すぎるだろ,お前ら(笑)!

マサルとアグモンの暴走爆熱コンビは今日も無駄に快調.双方とも戦うことが楽しいタイプであるために,同じ速さで敵に襲いかかる速攻・攻撃重視のコンビネーションを既に確立しています.アグモンのベビーフレイムで気を引いたところでマサルが横から殴り,そのまま進化させてメガバーストでとどめ,ってな流れはなかなか効率的.もちろん,周囲に与える被害を気にしなければの話ですが(笑).
確かに強いけど後先考えない迷惑なふたりのコンビネーションは,仲間にとっては実に頭が痛いもの.こんな奴らには一度事後処理を直接体験させちゃえばいいと思うんですが,たぶんやらせてみたら処理が進まないどころかむしろ仕事が増えたとかそんな感じか? 倒した後のことなんかもうどうでもよく,何よりも勝利することのみが重要.兄貴と子分が力を合わせれば最強! …周囲にとっては当然最悪.ララモンがヨシノの台詞を盗みたくなる気持ちもわかるなぁ.
バカはバカゆえに乗せるとどこまでも舞い上がり,しかしバカゆえにとんでもないところで躓きます.マサルとアグモンの熱い友情にヒビを入れたのはマサルの母,サユリ謹製のおいしい卵焼き.最後の1個を巡って本気で喧嘩するふたりのダメっぷりが見事(笑).そんなに卵焼きが好きか….子分ならば遠慮するべき兄貴ならば譲るべきと互いの主張をぶつけあっての大喧嘩.「居候3杯目にはそっと出し」とか難易度の高い言い回しをマサルが口走り,元ネタがテレビということで妹が呆れていますが,使い方を間違ってないマサルは頭自体は悪くないと思う.そもそも使ってないだけで….
売り言葉に買い言葉の口喧嘩はさらにエスカレート.アグモンはもう兄貴を助けにいかないと宣言し,マサルは俺のデジソウルがなければ進化できない癖にと嫌味.助けられていることやデジソウルが不可欠なのは互いにとっての逆鱗で,ゆえに事態は泥沼へ.兄貴子分の関係解消で絶交だ! …本作はじまってからやっと1ヶ月,ここでコンビの危機だなんて,いくらなんでも早すぎる(笑).…でも,こんな感じでこの先も時々大喧嘩するのも面白いかもな.
ふてくされたアグモンは普段は入りたくないデジヴァイスに引きこもり,同じくふてくされるマサルはデジヴァイスを置いて街に出る.他人の喧嘩は脇で見ていると実に馬鹿らしいものですが,この喧嘩も互いに譲り合えばすぐに解決するような話.…でもトーマが言うとおりに争う次元が低いかどうかは謎.なんせマサル母の卵焼きにどれほどの価値があるのか,トーマはまだ知らないからな(笑).
マサルとアグモンのタッグは互いの強みを生かして互いの願いを叶えるという,唯一無二の貴重な関係.マサルは1匹や2匹俺一人で十分だと言い放ってますが,本当に一人でなんとかなるなら彼は今ここにいないはず.マサルが自由を捨ててわざわざDATSなんかにいるのは,アグモンと一緒に合法的に喧嘩を楽しむため.アグモンがいなければここにいる意味すらもなくなるのです.
マサルに置き去りにされてひきこもったアグモンをいじってみるDATSの面々.オペレータのお姉さんたちはおいしいもので釣ろうとするも失敗.…この2人可愛い.ヨシノは女の子らしく喧嘩の行方を心配し,クールなトーマは傍観を決めこみます.3話4話でしっかりマサルとやりあったからこそ,周囲で何を言っても役に立たないことはよく知ってますからね.そして隊長の薩摩はさらに厳しい目をマサルたちに向けています.お互いがなぜ必要なのか,その答えはそのまま彼らがここにいる理由に直結するのだということにあのバカたちが気づけるかどうか….
人間と同じくデジモンたちもそれぞれに個性的で,ついでにそのパートナーと性格がなんだか似ています.アグモンがひきこもる理由を理解できない生真面目そうなガオモンと,この場にいる中では精神年齢が最も高そうなララモン(笑).ストイックで冷静なガオモンはパートナーと喧嘩などしないようですが,ヨシノよりも年上っぽい言動のララモンは毎日喧嘩.しかも原因が母が娘を叱るような内容なので大変恥ずかしい(笑).…ヨシノさんのララモン引っ張り具合,容赦ねえなぁ.
いくらバカでも,譲ればその瞬間に全てが解決することをアグモンだって知っている.だからこそアグモンはプライドにかけて自分から譲ることはできない.確かにマサルのデジソウルがなければ進化できないなんてことは,言われなくたって知っている.けれど,進化して,メガフレイムで敵にとどめを刺すのは自分であって兄貴じゃないのに….
一方,子分に造反されてふてくされたマサルは街を徘徊中.頭上の暗い空が同時に心象風景になってますね.尖った雰囲気でバッティングセンターに乗り込みストレス発散するも,ちっとも憂鬱は晴れないし,人間相手の喧嘩に興じてもむしゃくしゃは消えない.…絶対お近づきになりたくないオーラを放ちまくるマサルに喧嘩を売るなんで,なんて愚かな連中だろう.相手は生身で怪物を殴る男だぞ?
5人を叩きのめしてもただ刺々しいだけのマサルの姿は,きっとDATSに入る前の彼の姿でもあるのでしょう.強いものと戦いたいという欲の強い彼の場合は,自分以下を何人叩きのめしてもちっとも気は晴れない.人間など勝負にならない強敵を倒す楽しみを知ってしまった今ならなおさら.…この部分,普通はアグモンと喧嘩した苛立ちと解釈すべき場面だけど,あの性格を考えるとこっちの解釈も有効な気がする(笑).
満たされない欲にいらつきつつも徘徊するマサルに声をかける,いつものデジヴァイスのおっちゃん.今日は易者さんでご登場.易者の見立てでは,マサルの捜し物は見つからない.本当に必要なものは探さずとも現れるし,なぜ必要なのかに気がつかないなら所詮は必要としていない.要するに「お前アグモンいないと困るよな?」ってな内容を回りくどく言っているわけで,マサルに余計なお世話と吐き捨てられても無理はない.…このおっちゃん,DATSで一番偉い人のようですが,デジモンは連れてないのかな?

マサルに倒されたチンピラの一人,勝俣,一方的にやられるだけでは友情も生まれないようで,いらつきを信号機にぶつけていたら…信号の上にゲートが開いてエレキモンが出現.コカトリモンやドリモゲモンのときも人間が比較的機械の近くで強い欲求を抱いたことでゲートが開いた様子だったので,この街でやたらデジモンが出るのは欲求を強く抱く奴が多いから…のわけがないか.人間と反応している機械が特殊なのか,あるいは空間的に向こうに繋がりやすくなっているのか.どちらも自然と人為の両方が考えられるけど,海外に類似組織の存在があっても日本だけが特別ってのは何らかの意図が働いていると考えるべきか.
今回の敵であるエレキモンは軽量かつ帯電体質.「シンゴウ・カワレ!」と次々に信号を壊すついでに盗電しながら進撃開始.もちろん信号を乱され止められ交通は大混乱.ただし,ここまでド派手な爆発炎上な大惨事はやりすぎだ(苦笑).普通信号が乱れるときは一帯が一気に止まって全体的に麻痺するわけだけど,エレキモンの場合はごく狭い範囲の信号機だけが壊されていくからより悲惨なことになりやすいのかな.
マサルはこの現場に居合わせて,すぐさまデジモンを発見し追跡.電気を使って通信妨害をする小さな獣はマサルの手には届かない高いところを高速移動.信号を止めやがるおかげで追跡の最中に女の子がトラックに轢かれそうになったところに遭遇し,その身で庇ったりしております.実にヒーローらしい行動を一人でもちゃんと取ってるあたり,こいつの主役としての適性は相当に高いわけですが,命をかけた英雄的行為でも救えるのはたった一人で,しかも元凶を消すこともできない.ここにアグモンさえいればもっと沢山の人を一気に救えるんだけど,今のマサルは一人きり….
惨禍を撒き散らしながらエネルギーをも貯めて進むエレキモンはとうとう変電所へ.ここをやられたらもう局所被害では済まないわけですが,パートナーなしのマサルにはひたすら追いかけるくらいしかできることはなく…ってなところでようやくヨシノたちが現地に到着し合流.当然パートナーなしのマサルは普通に邪魔なわけですが,マサルに邪魔だから待ってろなんて命令するのは逆効果.たとえ相手が進化して大変強そうになったとしても,喧嘩番長の辞書に「待つ」とか「譲る」なんて言葉はない!
エレキモンが進化したガルルモンは,防御力が高く強い闘争本能と高い知性を持ち合わせた難敵.DATS側も進化させて挑もうとしたために場は怪獣大決戦の様相,とてもじゃないけど人間が混じれるような雰囲気ではないものの,無駄にプライドの高いマサルはこんなときすら意地を張る.…アグモンの「兄貴がピンチになっても助けてやらない」と言う言葉がどうしようもなく気に入らない.自分が助けてもらう存在だなんて,自分から認めるわけにはいかない!
だからマサルは「無茶を通して道を切り開く!」とどこまでも無駄に意地を張る.巨獣どもの間に入って彼なりに奮闘するけれど…仲間たちにとってはものすごく邪魔.しかも決定打を持たないマサルはただガルルモンに組みつくだけで,しまいにはその疾走に同行することに.…前回もそうだったけど,お前,ひたすらしがみつくのも得意だよなぁ.
マサルの粘りによってガルルモンは建設中の駅へと到着.もちろんマサルがわざと人的被害が少ない場所に誘導したのではなく,たまたま通りがかって広くて喧嘩しやすそうな場所に降りただけでしょう.ただの人間の武器はその四肢のみ.できることはごくわずかの上に力量差をひっくり返すだけの頭脳もない.それでもマサルは危険な相手に真正面から向かって…ついに1撃を入れることに成功.ただし殴ったことでデジソウルに光る拳は,その先が繋がらない.
とどめを刺す方法もないままにガルルモンに軽く撫でられて吹っ飛ぶマサル.消沈した心を示すかのように拳からデジソウルの光が消えるのが印象的.他の2人は特に殴らなくてもデジソウルを溜めることができるから,マサルの敵を殴らないとデジソウルが出ないってのも,多分に気分の問題なんだろうか.
一人では力が絶対的に足りない.倒すためのきっかけをその拳に宿しても,それがどこにも繋がらない….そんなことを戦いのなかでようやく痛感したマサル.アグモンが言った通り,やはりマサルは助けられる側.それは喧嘩番長にとってはひどく屈辱的なこと.けれどここで勝利を手にするためにはどうしても助けが必要で….間違いというよりは,己が目を逸らそうとしてきた事実に至るマサル.ひとりでは最強にはなれない…だから,「俺にはアグモンが必要なんだ! 俺はアグモンと一緒に戦いたいんだ!」

追い詰められ当然の事実に至ったマサルの絶叫に応えるように,ここでアグモン登場! 我慢して傍観していたアグモンもついには同じ結論に至り,例のデジヴァイスのおっちゃんに連れられてここにやってきたようです.ガルルモンはかなり長距離を移動したはずですが,動きとしては変電所より基地に近いところに戻ってきたのかな. …勝つためにはどうしても互いが必要だから,意地を曲げてでもやっつける.ふたりで!
マサルが進化させたジオグレイモン対ガルルモン.俊敏さではともかく,純粋な力勝負や火力勝負ではジオグレイモンに勝てる奴はいない.さらに言うならば「お前には,俺のデジソウルがついてるんだ!」…絶対に譲りたくない喧嘩の相手を兄貴から譲られて,子分が負けるわけにもいかない! かくしてふたりの力はガルルモンを見事打ち倒し,おかげであっさり仲直り.喧嘩に勝つためならば割と手段を選ばないこいつららしく,元の鞘に戻ってよかったよかった.
バトルのクライマックスがモンスターバトルとなり,主役が戦闘の中心に参加できないってのがこの手の使役バトル系の最大の弱点だったりするんですが,本作の場合当座は進化で主役を介入させることでフォローするという姿勢を示すのがこの回でしょう.でも,たぶん進化はこれだけじゃないよな? この次の段階に進化するときも,やっぱしマサルはもっと強くなった相手を殴らなきゃならないのか(笑)? 次回に続きます.

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作品感想まとめとかチェック対象追加とか

5月なのに日本に台風が近づいてくるという不思議な天候の中,皆様いかがお過ごしでしょうか? 自分は光希桃さんとこの「アニメ感想率調査2006春 最終回」のデータをいじりはじめましたよ.
光希桃さん,これまでこんなしんどい調査を担ってくださって,ほんとにありがとうございました.スクリプトの準備やメールの発送や送られたデータのクリーニングや結果のまとめや…複数人で分担するならともかく,一人だと間違いなく他の事は全部止まるからなぁ.作品数やサイト数が急激に増えたこの時期に,ある程度の客観性を担保できる量のデータを蓄積し共有できたってのは,感想サイト界にとっては大変幸福なことだったと思います.
てなわけでうちのいつもの奴なんですが,今週末には出せるように頑張りますんでもうしばらくお待ちを.調査形態が変わると同じ図は使えなくなる可能性が高いので,こちらもラストになるかもしれません.

さて,文字だらけなのでまず写真.東京タワーからテレビ局を探せ.

…あれだけのビルを見て,あのロゴに即座に目が行った自分がちょっと嫌だ(笑).

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いつものあれは後でちゃんとやるとして,まずは調査結果から来た人のために作品感想へのリンク集を作っておきます.うちは極少数の作品に対して全力を注ぐスタイルなので各話感想を出している作品の方が稀だったりするんですが,開始時と終了時だけはなんか書いてる場合があるので,ちょっと古くなっているものもありますが,探しやすいようにしときますね.

第8回感想率調査についてサイトデータサーチで「R'sM」を見る

<終了作品>

<新番組>(ただし全体は1,2話当時の感想)

新番組感想はさすがにちょっと古くなっちゃってます.

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最後に,自分の好きな作品の感想を書いているところを中心に巡ってみて,ここはたいそう好きなので新しくアンテナに入れようと思ったサイトを羅列しときます.一応もう自分用はてなアンテナの方には入ってるんですが,手が空き次第サイドバーにも入れさせていただきたいと思います(以下敬称略).

まだ増えるかも.
…さて,例の奴もやらねば!

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機動警察パトレイバー#5

「自分のケツは自分で拭けの巻」

秋の気配も色濃い富士山麓で,自衛隊は極秘裏に1機のレイバーを追っていた.97式やヘリを大量に投入しさらには火器まで使いながらも,人工知能によって無人コントロールされるTYPE-X10は停止しない.ついには力及ばぬ民間の地へと逃げ出した暴走レイバーを止めるため,極秘のうちに第2小隊が招聘される.自衛隊は自分たちでも止めきれなかったような軍用機の出どころを隠し,警視庁にその後始末を押しつけようとしているのだ.

当時のアニメとしては革新的だった「パトレイバー」.もちろんSF仕立ての作品は大量にあったわけですが,いくつかの特定テーマやアイデアを柱として物語が展開するものがほとんどであり,本作のように特段の柱もなく,オムニバス的に物語が続くというのはロボットの出るテレビアニメとしては大変に珍しかったし,今でもやっぱり珍しい.これだけの話の幅を可能にしたのは,複数の趣味の異なるスタッフが立ち上げ段階から一緒に活動してきたからでしょうね.
てなわけで前回の怪獣退治なノリに引き続く今回,特車二課は富士の裾野でミステリアスな事件に挑むことになります.…まあ,ちゃんと間抜けなオチはつくんだけど(笑).今回は今をときめく高松監督の演出回で,大変深刻な状況が転がるように間抜けな方向に向かっていく様がとても愛らしい.

前半.秋の気配の富士山麓.登山道なんかは人気もなくてあんなこともこんなこともやり放題…っていうか,なんか前回と状況が大変よく似てるのな(苦笑).秋の山には普通なら熊とか出るわけですが,この時代には毛有毛現が出たりレイバーが出たりとなかなか難儀.しかも今回のゲストは謎のレイバー・TYPE-X10.さらに追跡する大量の陸自のヘリつきとくればデートの甘さなんか吹っ飛びます.この事態,恐らくは前回よりもずっと社会的に危険です.
もちろんそんなことが起きているとは知らない特車二課は今日も元気に埋立地で待機任務中.競馬の予想をしたりトマトの脇芽を摘んだりと勤務中とは思えない活動に勤しむ彼らを呼び出す1本の電話….本庁のお荷物をわざわざ御殿場あたりまで出張らせる理由は,視聴者的にはどう見ても冒頭のアレにぶつける以外は考えられないものの,作中のキャラたちはそんな事情はわからないままに出動することになります.
ここで巧妙なのが1号機トリオのトマト畑でのささやかな描写.ひろみの警官としての適性話の一環で,遊馬が「素手で倒せるんじゃないか」とかさらりとうかつな発言をするわけですが(笑),この部分が今回の真のオチになっているところ.状況を知っている視聴者が当然読んでいる展開をデコイにして,さらに先に繋がっていくのが小気味いい.
後藤隊長すら東名高速で御殿場インターに向かえ程度の情報しかないままで出動する第二小隊.しかも緊急出動なのにサイレンなしの極秘出動…って,あの馬鹿でかいレイバーキャリアはサイレンなしでも十分目立つと思うがどうか? 彼らが目指すのは国道138号.現在は路面の亀裂が原因という名目で封鎖中の….
国を揺るがす大事を隠蔽するため,第2小隊に限らず現場には事情がまったくわからない.山梨県警も上からの指示で国道を閉鎖しているものの,彼らはその原因となったはずの道路の亀裂なんか見ちゃいない.あからさまな嘘で閉鎖された山中湖付近に関する情報は,二課に残った南雲隊長でも探れないほどの情報統制がされている….道路封鎖がされる前に二課はここに極秘理に呼び出され,警察内部であっても山中湖一帯に関わる事件の情報が一切流れない,この一帯で何か,表に出せないことが起きているのは明白です.
さて,その明白な理由である逃走中の大型レイバーは現在も逃走中.陸自97式の火力にすら耐えてあっさり蹴散らすスーパーマシン.前回の謎の生物とは勝負にならないほどの強さを持つ,偉大なるTYPE-X10.こんな堅くて強そうな奴,正直あの細くて柔らかそうなイングラムじゃ勝負にならない気がします.普通の警官が横綱を取り押さえにいくようなもんだからなぁ….
しかもこの横綱の中身は空.自衛隊が秘密裏に開発した人工知能搭載型の無人機が暴走してこんな状態に陥っているだなんて,なんて豪快な不祥事! イングラムを含め通常のレイバーにも人工知能は搭載されてるんですが,それらは動作学習の補助に過ぎないはずで,自律行動しているX10の中身とは制御のレベルが違います.しかもこのレイバー,都市制圧モードなる洒落にならないステータスで暴走中.…そんなモードを搭載しちゃうだなんて,心底嫌な自衛隊だ(苦笑).
自分たちの不始末を自分たちで片づけることもできず,ついには取り逃がした上に特車二課に押しつけるというもうどうしようもない自衛隊.道に沿って御殿場に向かうという情報のみを警察に与え,自分たちは無関係を決め込むために塗料弾を放って型番を隠蔽しちゃうんだから本当に最悪.…ちなみにこの暴走状況,劇場版1冒頭と比べるとその重みがあまりに違いすぎてそっちの面でもファンの笑いを誘います.

後半.理由もわからず呼び出され,富士の裾野で延々と待ち続けた第2小隊についに入った任務指令は,当然ながらあの暴走レイバーを止めること! しかも例の行動モードのためにレイバーを見たら攻撃してくるというおまけ情報つき.ただしレイバー運用のプロ集団の端くれである彼らからすれば,ささやかなおまけ情報でも状況を把握するには十分な量.通常のレイバーではありえない機能を持つそれを作って暴走させたのは,どう考えたって自衛隊!
内々に処理しようとしたのを失敗したときの保険として,自分たちが事前に呼び出されたのだと理解した一同.火器を積んだ軍用機を警察の機体で止めさせようだなんて無茶にも程があるわけですが,それを今まさに押しつけられようとしているわけです.特に直接敵に立ち向かわねばならないフォワードの負担は大きすぎる…でも,遊馬は命令するだけで拭うのは自分じゃないかと抗議するのは下品だよ野明(苦笑).しかもこの部分もただの軽口で終わらずに,きちんとオチに繋がっていくんだから心憎いよなぁ.
いくら怖くても勝ち目がなくても,警官としてあんな危ないものを御殿場で野放しにするわけにはいかないから,2機のイングラムで自衛隊の尻拭いを開始.対象は山中湖の非常線を楽々と突破して138号で御殿場へと接近.第2小隊は広い造成地をこの先のバトルの舞台に選び,デッキアップして待ち構えます.ちなみに軍用機と戦えることに太田は仕留めてやるとハイテンション.本当に前回とよく似た状況だ…(苦笑).
わずかな指示から状況を完全に掴んだ第2小隊の前についに出現した,ド派手な色の未知のレイバー.この数時間ずーっと起動中だなんて一体どんなヤバげな動力を積んでいるのやら(苦笑).自らをオトリとして敵を造成地に誘い込み,2体でなんとか動きを止めて沈黙させたいわけだけど,さすが横綱一筋縄ではいきません.なんせイングラムのリボルバーカノン程度じゃ蚊が止まったようなもの.むしろ向こうの砲撃のほうがずっとずっと厳しい.
搭乗者の泡食った姿が見えそうな,実に人間らしい柔軟な走りっぷりで砲撃の中を逃げ惑うイングラム.指揮車からの,相手に弾を使わせろという指示なんかまともに聞く余裕なんかありゃしない.そして香貫花は,太田の銃に関しては一切期待してはならないことを早急に認めるべきではあるまいか.
相手の砲撃そのものは間一髪でかわせたものの,背後に着弾したことによる衝撃波の発生で倒れる2号機.これを守るために1号機が前に出て敵レイバーを体で止めて,さらに持ち直した2号機の追い討ちによってようやく相手を倒す! てなわけで2機がひたすら粘った結果,ついに敵の名が明らかになります.はげたペイントの下には自衛隊の試作機という出自を示す「X10」の文字がくっきりと.これが明らかになれば社会問題化は確実! これまでひどい目に遭わせてくれた自衛隊に嫌がらせする素敵なチャンスの到来です(笑)!
太田はいつものように無駄弾を撃ち終わって弾切れに.野明も相手の砲撃を避けるだけで精一杯…というところでX-10はついに弾切れ,飛び道具さえなくなれば,2対1ならさすがに鎮圧できるかな?と思ったけれど,相手は横綱なのでまったく動きを止められない.一時的に動きを止めることはできたとしても,民生機と違ってあまりにも頑丈な機体は足を折ることすら難しい.
こりゃやっぱり普通に正面から止めるのは無理だから,なんとか中から止めるべき,という遊馬の意見.…そして絶対このコメントを待っていたに違いない後藤は「篠原,やってくれる?」と無情にも言いだしっぺにふりました(苦笑).「遊馬さんの方が素手でやりあうことになりましたね!」とひろみも応援してくれてます.さあ,ここは頑張れ傍観者!

イングラム対軍の暴走レイバーというバレバレで予想されていた構図が一転,遊馬対軍の暴走レイバーという構図に切り替わってしまったあたりが当事者には大変お気の毒.X10にイングラムで組み付く野明も確かに危険ではありますが,生身で暴走軍用レイバーに乗り込むハメに陥った奴に比べれば桁違いに安全だ(苦笑).命の危機を何度も感じつつようやく敵機に乗り込んだ遊馬は,持ち前のレイバー知識で機体を把握してようやく鎮圧.好き勝手なことを言っていると必ずやしっぺ返しを喰らうという教訓をその身で示してくれてお疲れ様(笑).
そう.適当に口だけで他人を動かして尻拭いをさせていれば,必ずやどこかでその代償を支払うハメに陥るのです.夕方.暴走レイバーを止めた一同は東京に戻るわけですが,彼らはあのレイバーを止めただけで証拠隠滅していません.上からは破壊せよと命令を受けていたものの…「しょうがないだろ,頑丈で壊れなかったんだから!」.壊せなくてもあの機種名くらいはいくらでも隠せたはずなんですが,そんな命令は受けてないから慰謝料代わりにそのまま放置(笑).責任からは逃げようがないという教訓らしきものに笑いつつ,次回に続きます.

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桜蘭高校ホスト部#5

「相似な双子の絶好の絶交の巻」

ホスト部では禁断の双子ホモを売りとする常陸院光・馨兄弟.自分たち以外の人間のことをおもちゃ程度にしか思っていない彼らは,他人の顔を勝手にアイコラの材料にするような傍若無人ぶりでおなじみだ.しかし光と馨を的確に区別できるハルヒのうかつな一言をきっかけに,異様に激しい兄弟喧嘩をはじめてしまう.

性格的に問題がある美形どもが毎度大騒ぎしている「ホスト部」.今回の主役は派手な問題児である双子たち.冷笑的で皮肉屋で愉快犯な彼らがプロデュースした今回は,ぜひともオチを知らない状態で見たいもの.きっと原作未読者は大変楽しかったに違いない….いや,知ってても十二分に面白かったですけどね(笑).
原作つきアニメの常として,原作の改変の是非がよく取り沙汰されるものですが,自分は積極的に冒険してくれる方が好み.そもそもメディアが違うし,介在する人数も違うし,何よりも作り手たちの頭にあるものが違う.原作数巻分の知識がある状態で初期の話を作り直したら,恐らく原作者であっても違う話に変えるに決まっているからなぁ(笑).どんなに似ていてもどこかが違うからこそ,それぞれを別のものとして見る楽しみが生まれるのです.

前半.髪の分け目と声優以外はまさに瓜二つな常陸院の双子.あまりに似過ぎて区別できない彼らが好きなのは,2人を見分けるゲームを仕掛けて困る相手を眺めること.それは彼らが世界に2人きりだと思い知った頃から続くゲームで,今もホスト部の定番として楽しまれております.見分けて欲しいという無言の叫びから生まれたようなゲームなのに,これまた随分と軽い扱いがされているなぁ(苦笑).
ホスト部では環に次ぐサービス精神の発揮ぶりによって大人気の双子.美形でホモな上に双子でタブー.さらにそんな2人に同時に愛されるという大サービスはまさに究極のロマンス.…ええと,確か「CIPHER」って掲載紙どこだったっけなぁ(笑)? ともかくこれは乙女の腐った夢なわけですが,腐ってないハルヒにはその良さがちっともわからない.
客でないハルヒがよく知っているのは,愉快犯ではた迷惑な双子のダークサイド.他人の顔をアイコラの材料にして全世界に公開した上に欠片も後悔しないってのは,倫理面に激しく問題のあるいい証拠.…環,いくら画像がよく出来ていても,ハルヒさんが大トロ目当てに脱いだストーリーを勝手につくって抗議するのはご当人に大変失礼だ.お前の頭の中ではハルヒさんはうまいもののためならばなんでもやるのか(苦笑)?
他人の顔を勝手に材料にして遊ぶ双子も最低だし,ついでにアイドル写真集と合成させようとしたり可愛い洋服を持ち歩く環も最低で(笑)好き勝手にいじられるハルヒは怒り,人を何だと思ってると叱ったら返答は「おもちゃ」.自分たち以外の全ては暇つぶしの材料.2人をセット扱いするような目の腐った連中とまともに付き合う必要はないと,本気で思っているのでしょう.…ここで話に混じってくるのが黒魔術部部長の猫澤先輩.ホスト部がある時点でこの学校はどうかしているわけですが,黒魔術部もアレだなぁ.
見るからに不審で明るいところがダメな猫澤先輩を異様に恐れている環.根拠は昨年度末の試験で起きた猫人形の呪い…実際は教室間違いとかマラソン大会だったりするあたりが実に殿らしい….性格はともかくスペック的にはパーフェクトに近い環ですが,習ってないギリシャ語まではわからなかったご様子です.てなわけで恐ろしい猫澤先輩が本日ご紹介するのが呪いのベルゼネフ人形.背中に嫌いな人間の名前を書くと不幸になるという逸品です.
しかし環がどれほど無駄に恐れても,双子からすれば猫澤先輩もただの人.光を嫌がる彼に懐中電灯で嫌がらせして退散させる傍若無人ぶりに巻き込まれる環がちょっぴり気の毒な気もしなくはないですが,距離を取れば巻き込まれずに済むはずなのに,わざわざ双子に近づいてひどい目に遭ってるわけだから自業自得か(笑).あんまり危険回避の本能とか動いてなさそうなタイプだもんなぁ.
さて,双子にとっては新入りのハルヒさんは目下注目の新品のおもちゃ.さらにいじり倒すべくハルヒの家に行きたいとお願いするも,馬鹿にするから絶対にだめとハルヒは拒否.ついでに環が自宅に来るのもお断り(笑).ここで双子が提案するのが冒頭のゲーム.どっちが光か当てられなかったら家庭訪問!という状況でハルヒは即座に正解を選びます.「良く似てるけどやっぱり違う」と双子の揺さぶりにもまったく心が揺れない.…解いて欲しいけれど解けないはずの2人の謎かけ.それを突破する者がついに出現してしまったのです.
瓜二つの双子を見分けるポイントは見た目ではなくその中身.光は馨より1割増し性格悪いというハルヒ流の判別のコツは実に深い.見た目の印象で区別しているわけではなくて,2人の動きをしばし見守った上で判別しているんじゃなかろうか.いつも2人の世界の中から周囲を観察するばかりの双子だけれど,ハルヒはそんな2人をきちんと観察していたってことになります.…まあ,そのポイントが実に身も蓋もないのがハルヒさんらしいですが(笑).
あまりにも的確な指摘に馨が笑うから,光は自分よりも馨の方が底意地が悪いと抗議.馨は光に付き合っているだけだと反論し,光は掘り下げているのは馨だと再反論! …光がきっかけをつくって馨が盛り上げるというのが双子の基本コンビネーションのようですが,今日は悪巧みではなく口喧嘩の炎が燃え盛る.さらにここでハルヒさんが喧嘩のネタとなったため,第3者の殿が2人の間に巻き込まれます.…おもちゃとか言いながら,光は本当はハルヒのこと好きなんじゃないの?
下から見上げて天井が中央に来るアオリの構図.双子はその角から顔だけ出して,空間を大変贅沢に使っています.で,たっぷり開いた中央部に動揺する環のアップがひょこひょこ出て来るのが面白くてたまらない(笑).ハルヒを好きかどうかあるいは豆狸であるかどうかを巡って争う3人の姿は,強力な腐女子モーターを搭載したマネージャーの大好物でご飯3杯行けるとか.ああもうなんでもいいからお前はさっさとフランスに帰れ(苦笑).
どうも普段は添い寝までしているらしい双子の口喧嘩はどんどん小学生みたいな方向へ.馨は数学が弱くて光は語学に弱いんですな.歯軋り,寝相,エロガッパに変態,そして辿りついた「お前の母さん厚化粧!」…それ,同じ人だよ….てなわけでここより双子は絶交を開始することに.

後半.翌日から本格的に絶交を開始した常陸院の双子.まずは形から入るということで,光はピンク,馨は水色に髪を染めて登校.どっちも派手でクールで可愛いわけですが,当人たちは互いの色が気に食わないからハルヒを挟んで喧嘩….頭上で飛んでるものの中にハニー先輩のうさちゃんが混ざってる.一応心配して見にきたんじゃないかと思うけど,これまた無駄に巻き込まれているなぁ.
双子の喧嘩は昼食だってもちろん続行.豪華極まる桜蘭の食堂はきっと充実した品揃えのはずなのに,双子が選ぶのは不本意にもどこまでも同じで「真似すんなー!」…人目につくところで喧嘩で目立つのはホスト部にとってとんだネガティブキャンペーン.他の部員たちも困ってしまうのです.でもハニー先輩は混ざっちゃダメだ.喧嘩の仲裁には愛らしいのは迷惑.途方もなくうざい…(苦笑).
双子が心配でついてきたハルヒさんは食堂でお弁当.定食を頼めるような金はない.しかし金を出せば買える定食よりも,ハルヒさん手作りのお弁当の方が貴重.なんせ環に至っては,弁当箱を見ただけで愛妻ハート弁当妄想が溢れてくるほどの逸品.…どんなに恥ずかしくても喰うといいきる君が一番恥ずかしいよ(苦笑).馬鹿が一人で悶えている横で漁夫の利を得たのは光ではなくハルヒ.自分の弁当と強制トレードされた光の定食は,ハルヒにとっては究極かつ至高であったご様子.あの淡白なハルヒの背景が異様にきらきらするくらいなんだから,そりゃうまかったんだろうなぁ….
ハルヒの弁当が欲しくて光にちょっかいをかける環.その隙に今度は馨がハルヒにちょっかいをかけると気づいた光が噛み付いた.ハルヒに向けて差し出されたスプーンで釣れたのは光.そして豆狸挟んでまた喧嘩….とりあえず何でも投げつけるのが双子の喧嘩の方法のようですが,殴ったりつかみ合ったりしないのは触れ合えばなし崩しにべたべたしてしまうと知っているからなのか? そして殿の顔面は実に使い勝手のいい盾です.喧嘩の下から早々に離脱するハルヒさん.いくら美味でも諸先輩方を巻き込んだ投げあいの下では食えないよなぁ.
双子のド派手な喧嘩キャンペーンは部にとって大きなマイナス.その深刻さは番頭の鏡夜が失言したハルヒにわかりやすいイヤミをぶつけてくるほどで…(笑).ここまで派手な双子の喧嘩はホスト部にとって初の体験.幼い頃からずっと2人きりの世界に耽溺してきた二人が,それぞれに主張して喧嘩するのは2人の世界の広がりを示す良い傾向? まあ,若い兄弟喧嘩なんて仔犬がじゃれるようなもんだから放っておけばいいようなものですが,ハルヒさんだけは女の子…というよりは保護者のように,2人が引き際をわきまえていないのではないかと心配しています.
えらく天井の高い音楽室にうず高く詰まれた双子の喧嘩の跡.モノの投げ合いに飽きたのか,馨がついに持ち出したのが黒魔術部謹製の呪い人形,最終兵器ベルゼネフ.…そして,どっちも折れずにとうとう呪いとか持ち出した常陸院の二人に,可憐な怒りの鉄拳が下ります!
「いいかげんにしろ!」と本気で2人を叱りだしたハルヒ.喧嘩に呪いなんか持ち込むな2人とも悪いし回りに迷惑かけるのはもっと悪いから仲直りしろと激しい正論アタックが2人を連打.そして…「今すぐ仲直りしないと,一生うちになんか遊びに来させないからね!」 …これぞお母さんチックなヒロインの決め台詞である上に,涙目の双子がひたすら待っていた終末の言葉.それじゃ仲直りしたら遊びに行っていいんだね?と笑う2人は…これまでが嘘のように過剰に仲良し.つうか本当に嘘.底意地の悪い2人の長いお芝居は,他のホスト部一同を心底ぐったりとさせたのでありました.

暇な双子にとっては周囲の全てはおもちゃ.それが同じ部員だろうとまったく容赦をしないのが双子が双子たる所以.世界が自分たちを区別してくれないんだから,自分たちも世界を区別しなくたっていいわけです.特にハルヒは環とセットにすると実に愉快なおもちゃの1つなんだから,ぜひともおもちゃ箱の中に押し込めておきたいんだけれど,このおもちゃは箱の中からまたも転がり出てきます.
過剰な仲良しに戻った常陸院兄弟ですが,髪の毛は染めたまま.けれどハルヒは見た目に騙されてくれません.髪色を取り替えてきていることをあっさり指摘する彼女の存在に,目を奪われてしまう光と,そんな光を見ている馨.おもちゃのはずのハルヒはそれぞれ別の存在として2人を見ている.そしてハルヒの存在によって,同じ方向を見ていた2人も違うものを見ることになります.これは2人きりの世界を理解してくる者が出現した喜び? それとも2人きりの世界が壊れることの恐れ? 真っ直ぐ甘い乙女の夢展開に持ち込むこともできそうだけど…ハルヒさんに殿がくっついている限りやっぱし無理かー(笑).次回に続きます.

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デジモンセイバーズ#5

「種類は違うが同じバカの巻」

マサルとトーマの目の前で,暴走したままデジタルワールドへ逃げたドリモゲモン.責任を感じたトーマはガオモンとともに勝手にデジタルワールドに向かい,無謀なマサルとアグモンも追いかける.はじめて目にする異世界で,ドリモゲモンを追って地中に入ったマサルたち.考えなしに罠へと踏み込み,大規模な落盤に襲われて地の底へと落ちたふたりが見たのは,同じように落とされたトーマとガオモンの姿だった,怪我をしたトーマにマサルは肩を貸し,2組はともに地上へと進むことになる.

バカで濃い主役に引っ張られて走りだした「セイバーズ」.やってることは実にガキ大将な古典であるわけですが,あまりにも考えなしな主役の行動力に引きずられ,つい手に汗握ってしまいます.今回の場合は特に中盤以降のマサル大暴走の顛末が圧巻で,こんなに見ているだけで怖い主役は珍しい(笑).いろいろあった末に視聴者代理役のトーマとマサルがなんとなく認め合うわけですが,正直,あんなことに巻き込んでくれたマサルを認めてしまうトーマの気が知れません(苦笑).マサルの凄さで見えにくくなってますがトーマも相当滅茶苦茶です.なんせ先に落ちてるからなぁ….

前回,不本意ながらチームを組まされたトーマとマサルは結局暴走したドリモゲモンを取り逃がしました.逃げた先はデジタルワールド.卵の転送でおなじみの例の機械で行ける世界なわけですが,人間を送った実績はなし.それでも逃がした責任を取るために勝手に旅立つバカなトーマと,喧嘩の落とし前をつけるために勝手に旅立ちたいけれど本当にバカなので機械を操作できないマサル(笑).やってることは本質的に同じなわけですが,さくっとヨシノに発見されるあたりがマサルのレベルの凄さです.
たとえ実績のない機械でも,先に行ったトーマの反応が消えたとしても,それでもデジタルワールドに行きたいマサルは装置の中で弟分とともにばたばたと暴れ,見かねたヨシノはバカどもを向こうに送ることに.…転送が失敗したらいきなり死ぬかもしれないってのに,装置そのものを守るためにあえて仲間を危険なギャンブルに向かわせるヨシノさんの判断がクールだ.もしかしなくても,マサルたちの存在はきっと迷惑なんですね(笑)?
てなわけでヨシノの手引きによってデジタルワールドに送られたマサルとアグモン.マサルはもちろんのこと,DATS育ちのアグモンにとっても未知の国.青い空や緑の草木は現実とよく似ていますが,空の一部に白や紅の回路が走っていたり川にノイズが流れているあたりはさすがデジタル.そして至る所にデジモンがいて人の姿がない.現実ではアグモンが異分子ですが,この世界ではマサルの方が異分子ということになります.
初めての世界をしげしげと観察し懐かしさなどを感じつつもドリモゲモン探索を開始するマサルとアグモン.当然トーマの行方なんかぶっちゃけどうでもよく「あいつはあいつで,なんとかやってるだろ」…まあ,そもそもマサルに期待する方が間違っているからな(苦笑).そういや,アグモンが懐かしさを感じるのはデジモンだからなのだろうか.彼の履歴もちょっと訳有りっぽいなぁ.
観光中のマサルたちはあっさりターゲットを発見! 相手は地中へと消え,マサルたちも何も考えずにそれを追って地中へ.あれだけ散々トーマが地面のあるところはダメと言っていたのに,当然のように無視か(苦笑).どうもデジヴァイスは地表にあるときしか現実からモニタリングできないらしく,ここでマサルたちの消息が不明となります.
仲間2人が勝手に行方不明となり,一番困ってしまうのは現実でマサルの動きを追っていたヨシノさん.自分の宿直中に2人も行方不明になるなんて,普通の仕事なら確実に処分されるレベルです.しかも発見したのが直属のボスじゃ言い訳のしようもない(苦笑).探してるのは「玉の輿」…トーマのこと?
ヨシノの悪事が露呈したと知らないマサルとアグモンは敵を追跡中.たどり着いたのは地中の大穴で,しかもドリモゲモンはモグラ叩きのモグラのように,顔を出したりひっこめたり(笑).…このあたり,コミカルな描写なんだけどちゃんとドリモゲモンの意図がわかるようになっているのが楽しい.案の定地盤を緩めていたドリモゲモンは,仕上げとばかりに振動を加え,マサルとアグモンをさらに地中へと落とします.
結局一発も殴れずに落とされたバカ2人.あれだけ落ちても打ち身程度のこいつらは随分と丈夫.特にマサルの丈夫っぷりはちょいと異常だ.そしてここに今回最大の驚きが.なんでここにガオモンとトーマがいるのか? 役割的にここにいちゃダメだろお前ら(笑).マサルに爆笑されてもろくに言い訳もできずに赤くなっているあたり,トーマたちもほぼ同じ経路でここに落とされたのは間違いないらしい…もしかして,トーマは単独行では暴走するタイプなのか(苦笑)?
「そーかそうかお前も同じか!」とマサルに同類扱いされるトーマ.大変な屈辱のはずですが(笑)足に怪我をしてどうしてもマサルたちの手を借りねばならないこの状況では,どんなものであれ共感は貴重.男には,意地張るよりも先にやらなきゃならないもんがある!とマサルはお前に言われたくないようなことを言って肩を貸し,デコボコ4人組の地下旅行がはじまります.
肩を貸したことによって歩く速度や見るものがほぼ同じとなったマサルとトーマ.これだけ近ければマサルもトーマの言葉を無視することはできないし,一人で大暴走して窮地にハマることもできないのでちょうどいい足枷のようです.2人と2匹が歩むのは天然の立体迷路であるドリモゲモンの巣.地盤が緩く安易に進化もさせられないこの敵地を,無謀なバカと賢いバカは一緒に歩きます.
トーマが百円玉を目印に迷路を脱出するという実に金持ちな行動に出て,マサルに「結構賢いな!」とお前に言われたくないことを言われていたその頃(笑)現実の基地では3人の不祥事の発覚によって真夜中なのに大事に.同じ装置を使ってトレースしても,さすがにヨシノよりはあのオペレーター2人の方が装置をずっと上手に扱えるみたいだ.しかし地の底のデジヴァイスの反応が現実世界から見えるはずもなく….

気合ばっかりのマサルと状況分析ばっかりのトーマ.お互い嫌な奴だと思いながらも一緒に先に進んだら,巨大な横穴の壁の中腹にたどり着きました.横穴の底は深くて怪我人連れでは降りられないわけですが,ここにターゲットが出現してしまったことで主役が壊れる(苦笑).眼下を走ってくるドリモゲモンになけなしの理性を吹っ飛ばしたマサルは戦いたくてたまらない.ここが不利な場所だってのは百も承知でそれでも喧嘩がしたいから,地上に出るのが先決というトーマのまっとうな言葉を「やなこった!」と拒否!
かくしてマサルの真っ向勝負に巻き込まれたアグモンとトーマとガオモン.ここは行動あるのみという名目で,怪我人に肩を貸したままで高いところからジャンプするこのバカを誰か止めてください(苦笑)! 自分たちを襲うモンスターの背中にわざわざダイビングするバカに巻き込まれた被害者3名は,暴れるドリモゲモンの背中から振り落とされないように必死で捕まるしかないってのに,元凶のマサルは毛皮を掴んで登って頭の上へ.凄い身体能力でドリモゲモンの頭をひっつかみ,穴を掘って逃げる方向を無理やり上向きに! …人の話を聞かない奴ではありますが,地中から出なきゃならないってことだけは一応忘れないでいてくれて本当によかった…(笑).一同は敵にしがみついたまま,一気に地上へ!
行き当たりばったりの衝動的な行動の末,ついに最大の窮地を切り抜けた大変に運のいいマサル.考えないから計算は後回しで無謀で危険.けれどトーマが言った通りにドリモゲモンをやり過ごして地上を目指したりしたら,途上で体力が尽きていたかもしれない….まあ,だからって怪我人をモグラロデオに巻き込むのは無茶苦茶なんだけど,ともかくマサルは丈夫な上に,一か八かの賭けを任せられる程度に運がいい.正攻法では砕けない壁を砕く強運という才能こそ,主人公である証!
マサルはさらにもう1つ,トーマに散々言われたことを忘れずにいました.ドリモゲモンとは戦うならば場所を考えねばならないというわけで,観光中に発見した氷のドームへドリモゲモンをご案内! 堅い氷に囲まれたここならば,地中に逃げることができないからゆっくり喧嘩ができるのです.…たぶんマサルの強運のおかげで,ドームの中に別の強いデジモンが待っていなくて本当によかった(苦笑).
絶対有利な舞台の中で,アグモンとガオモンは進化してジオグレイモンとガオガモンに.しかし進化した2体を前にしたドリモゲモンの様子がおかしくなり,ついにはディグモンへと進化! でかくなった敵を相変わらず楽しそうに殴りにいくマサルがバカだ…(笑).ジオグレイモンのメガフレイムの炎に耐える装甲を手に入れた上に,地中以外での機動力が段違いに上がったディグモンはなかなかの難敵です.
今回不本意にもリアクション役を担当してきたトーマにとって,唯一かつ最大の見せ場がついに到来,前回はジオグレイモンとガオガモンの技が正面衝突で相殺されたわけですが,これを相乗にできるのではないかというのがトーマの仮説.そして「まずはやってみる! それが君のやり方だろう!」…ああ,マサルが伝染した…(笑).火と風ならば属性的な相性は悪くないから,タイミングを合わせ同方向に同時攻撃を仕掛けたら,メガフレイムとスパイラルブローは互いを巻き込んで巨大な炎の竜巻に!
まったく違う2つの力を正面からぶつけて消すのではなく,うまく融合させることによって威力は跳ね上がる.それは2体のデジモンの技の話でもあるし,2人のDATS隊員の話でもあります.まさにバカとハサミは使いよう.理屈抜きで燃え盛るマサルという炎を,トーマの頭でまともな方向にどうにか向けてやりさえすれば,この先のいろいろもなんとかなるはず…だといいな.

ディグモンを倒してようやく帰還の途につくことができた2人.大冒険のオチとして,トーマはなぜあのとき飛び降りたのかを尋ねます.もちろんマサルの回答は「ただの勢い」.うわ,おっかないことを笑って言うなよ…(苦笑).規格外で強引で乱暴で強運のマサルの思考と行動はトーマの頭脳でも解析不能.けれど互いのコミュニケーションのコツはなんとなく掴めたから,拳をぶつけて…「よろしくな,トーマ!」
もちろん不祥事を起こした3人は薩摩からひどく叱られます.勝手に装置を使って危険行為して仲間に心配をかけたってのは言い訳のしようがないもんな.今回は運良く戻って来れたけど,行き倒れる可能性はそこかしこにあったわけだし.特に今回一番危険だったのはマサルなので(苦笑)薩摩は「よく戻ってきたな」とか言って甘やかしちゃだめだ.絶対この先も規則を破って規律を乱しまくるに違いないぞ.火薬庫みたいな主役を次第に受け入れていくDATSの未来をかなり案じつつ,次回に続きます.

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機動警察パトレイバー#4

「フェチと汚名で動物虐待の巻」

ハイキング中の青年3人組が林の中で目撃した謎の巨大生物を捕えるために派遣された,本庁のお荷物特車二課第二小隊.目撃者の話によると相手は体長10メートルを超える熊のような猿のような怪獣でしかも肉を喰う.もちろんレイバー相手の戦闘を前提に設計されているイングラムは未確認生物と戦うようには出来ていないが,この状況はどうにも燃えるし血が騒ぐ.レイバーを超える運動能力を持つ巨大生物に対し,人々はその英知…と無謀を結集して挑むのだった.

キャラクターと舞台の紹介が一通り終了し,第2小隊のちょっと変わった勤務状況の紹介がはじまった「パトレイバー」.近未来をいいことになんでもありなこの世界でも,今回のゲストはかなりの規格外.よくあるパターンなら正体は偽装されたレイバーってのが定石なんですが,ロボットものだけでなく戦隊ものもオマージュしている本作の場合は本物がひねりもなく出てきてしまうんだよな(笑).でも,あんなでかいのどこでどうやって飼ってたんだろう? 吼えるしよく食いそうだし動き回りそうだし,その上….

前半.秋晴れの空の下で響く「おお牧場は緑」.当時としても相当レトロで恥ずかしい様は,当時の10年後の未来と現在が掛け離れてはいないことを示す描写であり,同時にオチのためのフリでもあります(笑).歌の最後は「ホイ」であって「おい」じゃない.でもこの「おい」は歌詞ではなく,とんでもないものを見て呼びかける声.
ハイキング3人組の見た突然なぎ倒されている木々は,そこで何かが起きた証拠.さらに響く謎の咆哮.…ここにいるのは熊どころじゃない.レイバーを完膚無きまでに叩きのめすほどの,なんかとんでもない化け物がいるのだ!
…とまあ,そんな通報を受けても警察だって困るわけです.だって怪獣退治の組織じゃないし,そういうのはどっちかっていうと自衛隊の方が似合いだし.しかしセクショナリズムはいつの世でも強いもの.簡単に自衛隊に出張られては困る警視庁としては,全長10メートルの何かをなんとかするため…というよりは自分たちの縄張りを守るため,あえて捨て石を送り込みます.こんなときのためのお荷物,特車二課!
かくしてうさんくさい通報を回され,警察の面子を守るためのいけにえとなった第2小隊.主役の所属組織としては破格で冷遇されている彼らですが,それでも相手が未確認巨大生物となればやっぱり心が踊ります.だってまるで戦隊ものの主役みたいじゃないですか(笑)! そんなわけで怪物の正体も知らぬまま,第2小隊はのこのこと出動したのでありました.
現地では現場検証の真最中.さっき3人が目撃した全壊のレイバーが消えてしまったことからともすれば白昼夢説が有力視されそうな状況ではありますが,レイバーの残骸は残っている上,現場に残したリュックが切り裂かれて中身が誰かにごっそり持っていかれているから夢じゃない.しかもリュック全体に大量の唾液が付着しているのが怖く,それをぺろりとなめてみる警官の行動がさらに怖い(笑).そして,撤退しようとする一同の前に跳んで出てきて車を潰す,毛だらけで白い爪が異様に印象に残る生物…最近のアニメならばUMAと呼称されるに違いないこれを「エイリアン」と呼んでいるあたりに時代が出てますね.
てなわけで怪獣は間違いなくいると確定したところで到着する,本庁のお荷物特車2課.落ちこぼれに寄せ集め.はみだしもので金喰い虫と後藤自ら言っちゃうあたり,第2小隊の名は既に不名誉に彩られているご様子.エリート部隊の第1小隊はここまで言われないはずだから,以前のアスカ運用時に第2小隊が培った汚名というのは相当とんでもないものなのだなぁ.…なんせフォワードが太田だけだったもんな(苦笑).地元からは観光資源として生け捕りを依頼されても,トリガーハッピーで汚名の権化な太田がいる限り無傷は厳しい.だから「最悪の時には剥製でも納得してもらえますかねぇ?」
新人の野明は逮捕の手順を復習中.けれど中に人が入っていないなら,投降を呼びかけるあたりは当然無駄.目の前に怪獣が出現して,自分たちでそれを倒さねばならないとしたらどうしよう…稚気溢れる思考実験の1つですが,それが現実になってしまって「血が騒がんか?」と妙に喜んでいる遊馬がおかしい.でも,実際同じ立場になったら自分もあんな感じになるだろうなぁ(苦笑).ただし頭の中で作戦を練り上げても実行できるかどうかは別の話.特に2号機は汚名の権化が乗っているので,攻撃以外のカードが切れません.

後半.ターゲットが次に出現したのは近隣農家のニワトリ小屋.人を恐れず民家に近づいてニワトリを喰ったということは,いつ人がエサにされてもおかしくないということで大変に危険.…農家のじいさんは60年で初めて見たとコメントしてますが,そんな凄いのが何度も目撃されるような事態は凄く嫌だ(苦笑).もう猶予がないということで第2小隊も行動開始.2号機で汚名な太田が地元消防団とともに山中に入ります.…このあたりから,太田の大ざっぱな動きでひどい目に遭う消防団の人たちの細々した動きが実にコミカルで面白いのでお見逃しなきよう.
騒がしい2号機が怪物を山から追うのに対し,1号機は開けた道の出口で待機中.生物ならば逃げるときには開けた道沿いに来るだろうという,後藤の読みとひろみの見解による配置です.日が落ちて暗くなってくるのでできるだけ早く片づけたい…というところで太田が撮影したサーモグラフのデータに未知の熱源が! しかし動物にしては形が違う.発見されたこいつはただのレイバーで本命は…左に! そしてお約束の通り,リボルバーカノンを全弾撃った上に1発も当てられない太田(笑).香貫花の「あなたから射撃を取ったら何も残らないのに!」ってコメントがすっごく的確で,きついなぁ.
銃砲に追われて山から下りてくる怪物を迎撃するべく,出口にいた野明の1号機が坂道を遡上.読みは当たって道を逃げてくる目標に接近できたのはいいものの!相手は速い上に身が軽くてイングラムの頭が踏み台にされた(笑)! …これは大変に情けなくって屈辱的.しかし怪物にとってはこれが最終的に大失敗.愛機の頭を土足で踏まれて,野明の魂に怒りの炎がついてしまいます.
1号機を置き去りに森の出口へと逃げる全長10メートルの怪物.その先には無力なレイバーキャリアしかないわけですが,後藤の指示でキャリアの全投光機を怪物に向けて照射.いかに巨大であっても視覚を持つ生物.目のくらむ眩しさからは退きたいのが動物の本能というものだから,山に逃げ帰ろうとする怪物と1号機が再び接触.しかしそれは横に逸れて…背後から跳ぶ! 追い込まれて殺気だった怪物が死角から放ったチョップ.しかしそれを怪物以上に殺気立った野明が白羽取り!
根っから機械との相性がいいことが問題なメカフェチの野明は,大事な大事な愛機を踏み台にしたその罪を,未知の巨大生物に電磁警棒で教育.放映当時はただ面白くて笑ってた気がするけれど,今ちゃんと見てみるとこいつら無茶苦茶だ(苦笑).そこにさらに加わるのが隠れていたレイバーを仕留めたあとで山を降りてきた太田.わざわざ大木を持ってやってきたこいつはもっと無茶苦茶で事態は最悪の方向に….このあたり画面外で三つ巴の乱闘が台詞と効果音のみで繰り広げられて,クライマックスなのに実に省エネ.結局イングラム同士が倒れてくるところだけが作画されているのが見事なスカシっぷりです.

同士討ちはまあともかくとして,巨大な怪物の出所については製薬会社であったことが判明.10メートルの実験動物ってあたりが,ひねりがなくて当時としても奇妙にレトロ.さらに未知のレイバーについては製薬会社が実験動物を回収するために出していた機体であったことも判明.…このエピソードは最終的にはコミック版の「廃棄物13号」へと派生していったのかな.
実験から逃げ出して電磁警棒でびりびりとやられたかわいそうな謎の生き物.結局その正体が何かはラストまでわからないままですが,毛有毛現はコミックで描かれたオリジナルの残滓ですね.そんなこんなでなぜか能天気に歌を歌いながら埋立地に戻ろうとする第2小隊.選曲はもちろんチェコ民謡の「おお牧場は緑」! …冒頭の歌へと繋げた上に,「おい!」と咆哮で大変に後味を悪くする根性の悪さが素晴らしい(笑).確かに,誰も逃げたのは1匹きりとは言ってないもんなぁ….今はシリアスで思索に満ちた芸風でおなじみですが,書いてる奴が舌出してるのが見える,こんな伊藤脚本も大好きだ! 次回に続きます.

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桜蘭高校ホスト部#4

「ホントはとっても魅力的の巻」

女性向け恋愛ゲーム「うきどきメモリアル」の熱狂的マニアの宝積寺れんげ.彼女は鏡夜の容姿が大好きなキャラクターにそっくりであったために一目惚れし,ホスト部に押しかけた上に無理やりマネージャーに就任してしまう.れんげに言わせれば,鏡夜以外のホスト部の面々のキャラはぬるくて陰がない.今のバカみたいなノリでは飽きられるのは時間の問題という名目で,れんげが一同に新しいキャラ設定を強制的に与えるのだった

大変な高品質のままで深夜を驀進中の「ホスト部」.スタートダッシュの勢いを殺さずそのままに走っていく様子を見るのは実に気持ちのいいものです.本作の演出は毎度素晴らしいんですが,作画の力の入れ方も尋常じゃありません.和服柄の動きに合わせた適切な移動や,れんげさんのぐるぐる回りこみなどの難易度の高い映像がふんだんに盛り込まれて凄い.中でも素晴らしかったのがあのゲーム画面の加工.アニメよりもずっと柔らかで静的な描線と彩色.さらにモニター画面に見せるための加工.その妥協のなさは素晴らしすぎて,なんでここまでやるのかとむしろ呆れてしまう(苦笑).

前半.女性向け恋愛ゲームオタクのれんげお嬢様はパリまで来てひきこもってゲーム.親の育児方針と本人の資質が変な具合に化学反応を起こしたらしく,思い通りにのびのびと生きさせたらなんか凄い方向にすくすくと行ってしまったらしくて親御さんにはお気の毒.さらに父がれんげさんに取引先一家の写真を見せたことによって,彼女の暴走は室内の架空の世界から現実の日本へと大飛躍! 一体どこからジャンボ飛ばしてるんだろう…(苦笑).
まさか凄いのがパリから来ているとは知らないホスト部は,今日もいつものように営業中.本日のテーマは双子の母がデザインした和装と美少年の涙.思い込みの激しい環はきらきらと涙を流してお嬢様方を魅了し,双子たちは禁断の兄弟ホモに今日も勤しむ.ただしハルヒさんからすれば「またバカやってる」程度の感慨しか沸かなくなってるあたり,この味の濃すぎる娯楽にもすっかり慣れてしまったみたいですね(苦笑).
ホストとしてモノになってきたハルヒを励ますように脅すのはどう見ても悪代官な鏡夜.彼が気にしているのはホスト部関連グッズの薄さ.各種の関連商品で濃いファンから根こそぎ巻き上げるというのはこういう商売の定石だけど,素人の隠し撮りを集めた写真集じゃ主力商品としてはちと弱い….毎度の豪華な衣装や内装やイベントを維持するためには,鏡夜のマネージメントが不可欠のようです.
草履をかたっぽ失くして泣き,モリ先輩に履かせてもらうハニー先輩.ともかくよく泣いている今回のホスト部ですが,双子の袂からこぼれたのは目薬.濡れた瞳によろめかない女はいないからこそ涙だって小道具の一つ.ただしそんな小道具に頼るようではまだまだ修行が足りない.ろくな技術も涙もないハルヒの場合は,可愛い和菓子を母の仏前に供えたいという普通の行動でお嬢さんたちもろとも殿まで倒してしまうあたり,さすがは天然,テクいらず(笑).逆に目薬なしでも泣ける完璧なホストぶりの環はちっともハルヒの心を攻略できず,恋は一方通行.…たぶんハルヒにアピールするには,「にゃ」とか言っちゃうそのバカ殿ぶりをまずなんとかするべきですよ?
さて,そんなバカどもを覗いているのがパリから飛んできた変態,れんげさん.新しい客と誤解して双子や環が勧誘するわけですが,折角の美貌に張り手をぶちかまして「触らないでこの偽者!」とか言ってしまう剛の者ぶりが凄まじい(笑).確かにこの部であのアホが一番人気であるという現状は視聴者も割と信じられないところだし,愛の安売りでバカでナルシストで無能ってのも真実だとは思いますが,彼は王子キャラではなくバカ王子なのだし,凡人で最低は明らかに事実に反していると思います.環は一人スローモーションで爆沈.お気の毒(苦笑).
ただ愛のために1-Aに編入してきた宝積寺れんげは,なんと鏡夜の許嫁? 環はさっきのショックと鏡夜の婚約者の出現に落ち込んでおります.…ちなみに部内の家族設定の方は,この先もずっと引っ張られることになるはずです(笑).不思議なのは鏡夜のやさしい面を見て惚れたというれんげの言葉.誰にでも優しく決して見返りを求めず孤独を愛して寂しがりや…なんて奴は鏡夜ではないというのがホスト部の統一見解.そいつは誰かと思ったら,たまたま鏡夜にそっくりな,ゲーム「うきどきメモリアル」の一条雅君のことですか….オタが来た!と環と双子が即座に反応してますね(苦笑).
鏡夜が正確に理解した現状は,こいつはキャラ萌えが嵩じて見た目そっくりの自分にキャラを当てはめて押しかけた妄想の虜であるということ.もちろん奴の台詞は全て妄想なので現実には許嫁なんかじゃありません.この短期間でしっかり鏡夜周辺を調査してきたらしいみやびは,勝手にホスト部の看板娘としてマネージャーに就任.そして計算高い鏡夜の判断によって,ホスト部に変な女子マネが誕生してしまったのであります.
さて翌日.体育座りでよく落ち込む割に即座に立ち直る我らの殿は,女子マネも悪くないかといきなり前向きに.ハルヒと彼女を友達にすれば,ハルヒのざっくりぶりが少しは改善されるかも….確かに双子と一緒にいるよりは乙女っぽくなるかもしれないけれど,影響が強すぎて同じ趣味に引きずり込まれたらどうするつもりだこの偽王子(苦笑).
女子マネージャーらしくクッキーなど焼いてきたれんげ.ちょいと焦がして苦いクッキーは,甘いのが大好きなハニー先輩には不評.しかしそれほど甘いのが好きでないハルヒには香ばしくてそんなに悪くない…とかやっているときにちょっかいを出してくるのが双子.クッキーをハルヒに咥えさせてそれをかじってみたり,頬のクッキー粉を舐めてみたり….並みの乙女ならばメロメロあるいは真っ赤になって拒否するところですが,割に自然に受け入れた上に軽く流してしまうハルヒさんの少年っぷりはすっかり堂に入ったもの.環の想う乙女としては「お前のリアクションは間違っています!」(笑).
能天気で騒がしくて本能のままに行動しているホスト部一同.しかしそんな彼らに対し「総じてキャラがぬるい!」と言い放つれんげ嬢.…なんで漫画新人賞の審査員コメントみたいなことを言われなければならないのかはよくわかりませんが,どうやら彼らには陰が足りないらしい.本作はラブコメなんだから無理にトラウマなんかなくったっていいし,むしろこのバカみたいなノリこそ武器なんですが….まあ,何はともあれ新キャラ設定を導入することになります.
愛らしいハニー先輩には「可愛い顔して実は鬼畜!」寡黙な付き人のモリ先輩は「幼なじみの子分」,双子の「二人きりの世界!」はなんかいつものままのような….ハルヒには「激しいイジメ!」そして殿には「孤独な王子!!」…ラストが一番食い合わせが悪いよ…(笑).ちなみに鏡夜はそのままでいいらしい.今更キャラ変更なんて迷惑以外の何者でもないけれど,なんか妙に殿が乗り気になってしまったのでもはや誰にも止められない.「面白いことになるよ.たぶんね」という鏡夜の黒い言葉が,後半に現実となって炸裂するのです.

後半はいきなり上下黒フチつきでお届けします.バスケットにきらきらと勤しむ双子は馨が怪我して精神感応でお互い痛がって,そんな2人の関係を孤独な王子は雨の中でうらやましがる.こういうのがすれ違い傷つけあう少年たちの交差らしいですが,奴らの本性をよく知っていると気持ちが悪くてなりません(苦笑).さらに雨の中,ハルヒを襲うハニー先輩とモリ先輩の魔手.ブラックハニーは実に高飛車にハルヒを追い詰め,ついでにモリ先輩は先輩とは思えないほどに長い台詞を喋り(笑)…しかし,ハニー先輩は根性なし.いくら演技であったとしても,ハルヒさんに悪口なんかやっぱり言いたくないのです.
てなわけで,キャラ変更話がなぜかハリウッド監督を呼んで大規模な映画撮影になっているのはなぜだろう.原作者先生,作中でハリウッド映画化おめでとうございます(笑).金と権力を持ったマニアというのは実に厄介なもので,その性質の悪さは怪獣映画を国費で作ったあの人とかに代表されるところではないかと思いますが(苦笑),どうもれんげさんは豪華なスタッフを揃えて実写でうきメモを作るつもりのご様子.ちなみに双子は馨攻めという設定がご不満らしいですが,そっちの知識がないハルヒには何のことだかわかってない.…双子はなんでそんなに詳しいんだろう.ホスト部での役作りのために各種資料を取り寄せて研究したりしてるのか?
撮影の合間,まるで懐いた仔犬のようにハルヒのところに走ってくる環.ご本人は自分の新たな一面が開拓できたと上機嫌なんですが,ハルヒは今のままでいいと思うと回答.もちろん雨に濡れて変に陶酔している面倒くさい奴よりは,晴天の下で天真爛漫なバカの方がマシって話なんですが,そんな真意を知らない環はとってもうれしそう.…やっぱりヒロインはこの人がいいよ.絶対(笑).
残る撮影は終盤のクライマックス部分.悪役の登場によってばらばらの一同が団結していく様を描いていく段階となり,急遽キャスティングされたのが本校在籍のジャパニーズマフィアのご子息たち.…あまりにもそのまんまな配役を本人たちの前で主張するれんげ嬢は考えなしであり,不興を買って突き飛ばされても仕方のないところ.しかし飛ばされた先には機材などが.これはまずいと,ハルヒがその体でれんげをかばいます!
痛みを堪えつつもれんげの過ちを正し,「枠で人を計ってたら本当に大切なものが何も見えなくなるよ」と語る男前なハルヒ.あわてて駆けつけた環が見たのは,そんなハルヒの大粒の涙….ここで殿が豹変していきなり巻き込まれたご子息たちを脅しにかかるのが勇ましい.普段はひたすらおちゃらけてますが,ここぞという時には真剣になってくれるところは,変なキャラいじりよりもずっとハルヒさんにアピールできるんじゃないかと思います.
事態は誤解であり悪いエキストラは逃げたものの,環はまだ泣いているハルヒが心配でたまらない.でもこの涙は実はコンタクトがずれた痛み…ってことは,さっきの殿の大変真剣な表情も威嚇っぷりもあんまりハルヒさんには見えていなかったってことだよな(苦笑).ともかく大事がなくてよかったと環は笑い,ここまでの流れがあまりにも素晴らしかったのでれんげは感動し…けれどこの撮影は,鏡夜の石を握った拳によって中断されます.

カメラのレンズを割って撮影を中断させた鏡夜.部員の暴力行為は残せないとお怒りの彼は,これまでかぶっていた猫をかなぐり捨ててその本性を示します.それはれんげが憧れていた優しいゲームの彼ではなく,腹黒く冷血で計算高い(笑)鳳鏡夜….それはれんげの望む彼ではないかもしれないけれど,そもそも優しい鏡夜なんて鏡夜じゃない.想っているのと違うからこそ,ちゃんと人を見て,少しずつゆっくり知っていくのが楽しい….今やこの部にすっかりなじんだハルヒさんも,見た目からはわからない彼らの変人ぶりを知るのが結構楽しくなっているんじゃないかな.本当を知ることはゲームなんかより,きっとずっと面白い!
てなわけで数日後,なぜかあの撮影作品はビデオとして好評発売中(笑).マニアなれんげの暴走が必ずやグッズ制作に結びつくことを見越して放置し,自分の部に必要ない部分以外はしっかり商品として生かしてしまうあたり,大変に抜け目がなくて実に鏡夜らしいよなぁ….そして殿の計算を超え,れんげ嬢はハルヒさんに惚れてしまっておかしな関係に.殿の期待した清純な女の子同士のきらきらなんかではなく,たぶんまったく別の深夜番組系なジャンルです(笑).…さて,見た目と中身はかなり違うってことがよくわかった今回ですが,能天気で影がないという彼らの外見はどの程度本当? 次回に続きます.

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デジモンセイバーズ#4

「俺はお前が気に入らないの巻」

不本意ながらもトーマとチームを組むことになったマサル.しかし頭よりも体が先に動いてしまうマサルと熟考タイプのトーマでは行動がまったく噛み合わない上に,互いに嫌い合っているからチームワークどころではなく,一緒に行動することすら難しい.そんなぎすぎすとしたチーム以前の彼らが倒さねばならない敵はドリモゲモン.穴を穿ち地中を自在に移動できるデジモンを,銀行強盗とともに行動させておくわけにはいかない.

まだじっくりと基本設定を描いている「セイバーズ」.恐らくはこの話が落ち着いた時点で導入部が終わり,そこからはマサルを中心として周辺がどんどん掘り下げられていくことになるんでしょう.慣れてきた作り手たちが好き勝手に物語をいじりはじめて独自性が色濃く出てくる時はもうちょっと先かな.
本作の特徴はやはりマサルの喧嘩バカぶり.たぶん考えてないだけで頭が悪いわけではなさそうな気がするんですが,その考えのなさを受け入れられない視聴者の代理となるはずのキャラが3人目のトーマ.ただしこいつにも感情移入しにくい常識離れのお坊ちゃま設定がついていて,現状のままでは代理にするのはちと難しい.完璧すぎる彼をいかに崩していくかがこの話の見所…かな?

前回の薩摩の命令でチームを組むことになったマサルとトーマ.もちろんどう考えても水と油なのでうまくいくわけないわけですが.この隊で出動可能なメンバーってマサルたち3人しかいないんだろうか.もしそうなら,これまでたった一人で任務を果たしていたヨシノはトーマ以上に有能なんじゃあるまいか….今日の敵デジモン1匹目は緑色にべたべたで臭いのでおなじみなヌメモン.こんなのがパートナーでなくてよかったなぁ主役ども(笑).
ビルの中.視界は良くないものの構造はわかっているしここに2組以上いるわけだから,トーマとしてはぜひ挟撃で仕留めたい.しかしもう喧嘩したい一心であるマサルは当然のように命令を拒否して勝手に追撃.命令するほうにもされる方にもチームとしての自覚がなければ,作戦行動なんか取れなくて当然.仕方なくトーマがマサル役を担って待ち伏せに回るものの,結局はアグモンの攻撃がガオモンに当たって何もかも台無し(苦笑).互いが互いの邪魔しちゃって喧嘩してんだからもうどうしようもありません.結局尻拭き役はヨシノのララモンに回ってぐだぐだ.見知らぬ他人で作った即席チームよりもまだ悪いチームワーク….
もちろんこの失敗の責任をマサルとトーマはお互いになすりつけあう.そんなとこばっかり気が合ってもなぁ(笑).基地ではトーマをトンマ呼ばわりで罵倒しまくるマサル.でも車で送ってもらったらその礼はきちんと言うってところが,柄悪いんだか育ちがいいんだか…(苦笑).案外かたくななトーマの方が普通に礼を言ったりすることは苦手かも.さらに美形で完璧なキャラらしく,トーマにも影がありました.マサルの家族に対し微妙な反応をするあたり,彼の家庭環境はあんまりよろしくはなさそうです.
こんな調子で全然チームじゃないマサル&トーマに次に襲い来るデジモンは,銀行強盗と意気投合したドリモゲモン.…うわ,強盗の声がびっくりするぐらい下手だなぁ(苦笑).ネット通販で購入したという変な機械で銀行の鍵を次々開いていたら,途中で落として壊して金庫に閉じ込められた実にドジっ子な強盗たちの前に突如ゲートが出現.そこからひょっこり出てきたのがドリル装備の使えるこのデジモンであったわけです.…ここで気にするべきはデジモンでも強盗でもなくあの怪しげなハイテク鍵開け機.あれが壊れたのがきっかけでゲートが開いたわけですが,一体誰がどんな技術で作って何のために流通させているのか?…これはトーマが気にしていた,地域によるデジモンの出現頻度の偏りに繋がってくるのかな.
強盗と一緒に逃亡中のドリモゲモンを一刻も早く捕まえなければならない.自由に穴を開けられる奴と盗む奴の組み合わせは大変よろしくないですからね.しかしそんなときでもトーマのカンに触るのがマサル.あの母親をごまかすのがどれだけ大変そうかまったくわかっていないトーマは,折角脱出してきたマサルに対し,母の機嫌が心配なら帰れと実にとげとげしい.
確かにDATSの隊員は2つの世界を守るという重大な使命に従事しているわけで,まだ新米な上に喧嘩バカのマサルに自覚が足りないのは間違いない.ただしあの程度でこれほど噛みつくってことは,トーマの家族コンプレックスはかなり深刻な気がするな.マサルがつい機械をいじって壊しても保険は当然とバックアップデータを見せつけるトーマ.…マサルはその見下ろす態度に腹を立ててますが,現状では味方のマサルをも敵の一種と見なして行動するのがベストなんだよな(苦笑).
てなわけで3人はデジモン反応の移動していく地区へと移動.移動はヨシノの運転する車を使ってるんですが,相変わらずデジヴァイスの中を嫌がるアグモンが外に出ている上に前に身というか頭を乗り出してくるので邪魔だし狭いし….自分の弟分には寛容なマサルはデジヴァイスに収納することもなく,それがトーマには気に食わなくて…互いをチームだなんて『認めてない!』とマサルと一緒にハモってる,だからそんなところばかり気が合っても…(笑).

ドリモゲモンを手に入れた強盗たちは早速ATMを狙ってお金をゲット.デジモンは完全に便利な道具扱い.もちろん不法行為を幇助するデジモンをDATSは放っておけないので,犯行現場に乗りつけてガオモンとララモンをリアライズ.犯人はあわてて車で逃走しようとするものの,これを止めたのがアグモンとマサル.…でも直前に立ちはだかって体で車を止めちゃうだなんて,見ている奴は絶対真似するな.アグモンの力があるから押し合いになっているのであって,普通の人間があんなことやったら絶対に轢かれるぞ.
追い詰められた強盗の心に反応したのか,紫の変なオーラを振りまきつつドリモゲモンが暴走して巨大化.マサルにとっては相手が強くなった上にでかいから殴りやすくなったあたりは好都合のはずだけど,状況を丁寧に計算しているトーマにとってはいい迷惑.しかも真面目に作戦を考え直しても,その計画を聞きもせずにマサルが特攻かけて振り払われて海に飛ばされて落っこちているってどういうことだ(苦笑).アグモンも兄貴を見習って海に飛ばされてるあたりも含め,この無駄すぎる生命力と行動力が実に彼らしくて楽しい.人としては間違いなくダメだけど,キャラとしてはいい立ち方してるよなぁ.
マサルたちは海の中.ヨシノは犯人たちをララモンのシンガーソングで眠らせているから,今やまともに動けるのはトーマのガオモンのみ.彼はドリモゲモンが地中に逃げるのを防ぐためにわざと船の方へと追い込んでいるわけですが,これを海中から見ていた問題児が中途半端にトーマの意図を把握しちゃったからさあ大変.折角袋小路に追い詰めようとしたそのときに,泳いで移動したマサルたちが先回りで挟み撃ち…って,それはヌメモンのときにやってほしかった(苦笑).
水如きで俺の闘志は消せないぜ!と言ってることはかっこいいけど邪魔なマサル&アグモン.こんなところで挟撃しちゃうとドリモゲモンを船に誘導できないけど,話を聞かないマサルのおかげで結局トーマの予測通りドリモゲモンは地中に逃亡.…ぶっちゃけ敵よりも迷惑な味方に計画をがたがたにされつつも,それでもトーマは諦めずにガオモンを進化させてドリモゲモンの行くところへと先回り.そしてトーマのやることは何から何まで気に食わないマサルは,ドリモゲモンの逃亡した穴の中を睨みます.
精度は相当のものですが,ちょいとばかり計算速度に難のあるトーマの計算通りの場所にドリモゲモン出現.ここは一気にガオガモンの攻撃で気絶あるいは戦闘不能に追い込みたいところ.けれど当然のように敵は来た方向に逃亡しようとして…ここで穴の中から殴られて吹っ飛ぶドリモゲモン.なんと穴を伝ってマサルとアグモンが追ってきた! またもトーマの意図していない挟撃が発生しただけでなく,ようやく殴ることができたおかげでアグモンも進化! 2体の進化したデジモンに挟まれれば,たった1体では勝負にならないはずなんだけど….
夜は過ぎて夜明け.追い詰められたドリモゲモンはデジタルゲートへと逃亡するつもり.これを止めるためのジオグレイモンとガオガモンの攻撃がぶつかって…相殺! 術の相性ってのは属性だけでは判断できず実際にぶつけてみなきゃ何が起きるかわからないってのがお約束.運悪くドリモゲモンを救うように無効化してしまった2つの術の間で,犯罪者はデジタルゲートの中へと逃亡してしまいました.…もし一組きりの作戦ならば確実に仕留めて卵に戻せたはずだったのに,度重なる仲間の妨害のおかげで大失敗.もう,あんな奴とチームなんか絶対に組めない!

基地に戻ったトーマとマサルの間の亀裂は決定的に.あんな奴と一緒にチームを組むのは無理と直訴するものの,隊長はチームの解散を許しません.どうやら彼には2人を組ませた意図があるらしく,その意味を自分たちで考えろと叱ります.マサルだけがダメならばすぐにコンビの相手を変更すれば済む話なので,これはトーマ側にも何かの問題があって,それはマサルと組むことでしか解決できないのだと考えるべきなのかな.
さて,中途半端な強化暴走状態で逃げたドリモゲモンをこのままにしておくと,向こうの世界に悪影響がありそうなのでぜひ捕まえたい.しかしそうするには人間をデジモンのようにデジタルワールドに転送しなきゃならず,それにはかなりの危険が伴うということで止められて….
けれど,そんな制止で止められるほど,トーマの責任感は軽いものではありません.彼はヨシノの目を盗み,ガオモンとともに勝手にデジタルワールドへと旅立ってしまいます…この短時間でマサルの無謀チャレンジャー精神がトーマに感染しちまったのか? 本当に暴走が激しいのはどっちなのか.水と油が結びつくための媒介は果たして見つかるのか.次回に続きます.

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機動警察パトレイバー#3

「不祥事もみ消しエンターテイメント!の巻」

2週間の研修を終え,新たな仲間とともに埋立地に戻ってきた第2小隊.これから1週間は緊急事態に備えた待機任務が続く.予備機を使ってレイバーの学習データを蓄積するのが隊が待機時間に与えられた任務.しかしここで1週間暮らさねばならない彼らには,与えられた任務以上にやらねばならないことがあった.それは陸の孤島であるこの埋立地で健全な食生活を営むこと.食生活はここで暮らさねばならない者たちにとって最大のテーマなのだ.

前回までで初期メインメンバーが勢揃いしたところで,ついにこれぞ本作という娯楽を見せてくれる「パトレイバー」.なんでもありの本作でなければできないコメディを描くのはあの押井守! 犬と魚と群体とそして食の滑稽詩人である彼の芸術性が,青少年向け娯楽として満たさねばならない縛りによって練り上げられて完成したこのドタバタは,現在の作品と並べてもまったく見劣りしません.今や完全に芸術の人になってしまった押井氏ですが,個人的にはこの頃の,他者の縛りの中で作られていた作品の方が好きなんだよなぁ….

前半.行く空に水面思うか鰯雲,過ぎ行く影に首都の秋を知る.空にジェットが舞う埋立地のはじっこに,明らかに風流とは逆ベクトルの特車二課第2小隊が研修を終えて戻ってきました.正午より第1小隊から待機任務を引き継ぎ,新メンバーと新機種でようやく一線に復帰.…後藤隊長は南雲隊長を構いたくて仕方がないようですが,彼女は実にそっけない.きっと毎度こんな感じで,うざいからちゃんと用事を事前に準備したりしてんだろうなぁ.
分校での厳しすぎる研修を終えて戦場に戻った第2小隊ですが,レイバーに乗り始めたばかりの野明のキャリアはたったの40時間のみ.この程度の学習時間ではレイバーは赤ん坊とか初期状態のパソコンに等しく,やれることはごくわずか.最初はろくに動けなくても学習によって行動のバリエーションが増えていくってのは,ベースは分散型のアレだろうなぁ.学問的には当時ちょうど熱かったはずだしな.
ちなみにここに来たばかりの野明は当然一番下っ端.似たような年齢でも先輩になる遊馬は妙に偉そうだし,同じ新人でもニューヨークでの豊富なキャリアのある香貫花はもちろん別格.そして下っ端は,1号機がエースになれるかどうかはお前次第とかマーキングをして喜んでるのはレイバーシステムを理解していない証拠とか好き放題言われてしまうものです(笑).テレビ版では2号機の頭は太田が依頼してカスタマイズされたみたいですね.
この手の閉鎖的な小組織だとありがちなのが入隊儀式.特車二課のイニシエーションは誘導なしでトレーラーにレイバーをデッキアップさせること.恐らくは研修以前のアスカの搭乗データも継承しているはずの太田は少々乱暴ですが誘導なしでイングラムをトレーラーに収めて次は野明の番.困るフォワードに対して足元のバックアップは整備員相手に何事かやっているご様子.…警察内部で握るだなんて,さすがにまずくはないですか(苦笑)?
一発で決めれば一人前のフォワードとして認められるこの儀式.野明はひろみの誘導に従って足を進めるものの,たったの40時間なので踏み込もうとしたらバランスを崩し,しかしそれでもなんとか無理やりに格納.この様子に対し,榊班長は野明のことを根っから機械との相性がいいと大変な高評価.実際1話ではほぼ真っ白なイングラムで3体のレイバー相手に勝ってますからね.ただし後藤が見るところ機械との相性が良すぎることも強いて言えば問題.どんなことでも才能に胡坐をかいてしまうと成長しなくなるし,過ぎる愛着は任務に支障をきたしそうだし.
入隊儀式をなんとかこなした程度の野明にはまだまだ学ばねばならないことが一杯.1週間に渡る待機という名の日常が野明を待ち受けています.いつ来るとも知れない出動命令を長時間待つわけだから,そこそこ気を抜いてやらないと精神的に持たないし,それ以上にここにはやることがありすぎる.606装備03と来れば鎌持って草刈り.無駄に広い敷地を整備することも大切な仕事なのですよ…遊馬はシゲと草相撲で遊んでますけどね(笑).
今日は太田が3号機でデータ収集中.既に香貫花の尻に敷かれておりますが,香貫花の方が明らかに格上なんだから太田は諦めて従うしかない.で,この練習を草むらからじっと見ている野明.イングラムを動かすときの感覚を思い出して,勝手に体が動いちゃってるみたいですね.…ちょっとしたトランス状態で香貫花の指示に合わせて上海亭のカーブ目がけ装備03で的確にロックオンしたら,様子のおかしい野明を見ていた遊馬とシゲが驚いて転がる(笑).今後泉機は柔軟で自由度の高い機体として完成していくわけですが,これはその片鱗かな.
日が沈む頃には隊員整備員総出で釣り.もちろんこれは遊びじゃない.昼は上海亭の出前があるけれど,夜間は野犬が出るので来ない.そしてコンビニでの買出しは遠い上に不経済.「何よりもレディーメードの食生活は士気に影響するしな」…ってなわけで,この地の果てでは自給自足が追求されてます.米類の保存の効く主食は問題ない.ビタミンはひろみのトマト農園である程度補える.しかし…タンパク質はニワトリ小屋の20羽の卵では,この大所帯を賄いきれないというわけで海を有効利用! それが釣り! 遊びじゃない!
野明が「冗談…だよね?」と言いたくなる気持ちはよくわかる.けれどここは下手な大学の学生寮よりも食に関しては厳しい場所.飯の問題を甘く見ると埋立地に屍をさらすことになる…ってのは浅薄な脅しではなくかなりの真実.整備班の誇る高速艇すら「沿岸漁業の切り札」としてのご紹介を受けるようなこの場所は,海の恵みなくしてはもはや成り立たないのです…あの,ところで,漁業権は…?

後半.榊班長は愛用のジャガーでご帰宅し,ここから先はハンガーにたむろする若い野犬どもは野放しとなります.一応後藤も一緒に宿直してるけど,あの人も基本的に野放しだからなぁ.釣りのあとは宿直室でちょっとのんびりしたあとで夕食.よく働きよく休みよく食うこの野犬暮らし.己の嗅覚を生かして後藤の炭酸…とアルコール入りの麦茶を盗んできてる奴もいますね.整備班と一緒に食事はテンション高くてまさに戦場.しかしその戦場を揺るがすとんでもない知らせが入る.漁に出た高速艇が座礁した!
魚を積み過ぎて座礁してしまった整備部の誇る高速艇.高価な大学の備品でバカなことをやった上に大失敗する奴って割にいるもんですが,これはそんな不祥事の拡大版.警察の備品をぶっちゃけ密猟に使って沈めたら絶対洒落にならないので,太田が乗った3号機で船を引き上げることに.…市民を守る警察官だけど,法を守る警察官とは決して言えないそのルーズっぷり,臨機応変ぶりがどうにも愉快です.
夜中に海岸で皓々と明かりをつけてのバカ騒ぎ.ここが地の果てであるからこそ,これほどの大事でももみ消しが可能なわけですが,見守る野明は今レスキューしている太田機が落ちたらどうなるのかが気になり,そのご期待に答えるかのように落ちる太田機(笑).もちろん船は沈んだまま.転がるように二重遭難で事が大きくなっていく….
華奢な見た目に反して実にフィクションっぽい凄い防水機能が施されていたらしいイングラム.しかし搭乗員は防水加工ではないためにすっかりご臨終.…やろうと思えば死亡事故だって内部でもみ消してしまえるんだよなぁこいつら(苦笑).てなわけで野明が気になっていた1号機の出番が到来.あれだけの精密機器を海水に浸けて錆びる程度で済んだり,逆立ちで水没している3号機すらもおしゃかにならないとしたら,この世界で一番発達しているのはレイバーよりもむしろ防水技術の方ではあるまいか.
香貫花に挑発され,太田を踏んで復活させつつ1号機に乗り込むことになった野明.飼い主のいない犬たちの大暴走はついにレイバー2機を巻き込むものとなったわけですが,本当に洒落にならないのはここから先.「貴様ら全員海に叩っ込んでくれるぞー!」でおなじみ榊班長が,書類を取りに戻ってきた!
激しい動揺と大混乱の末に無理やりハンガーを現状復帰させた一同.榊が戻ってきたときにはとりあえずいつもの通りに戻したはずですが,なんだか3号機が変….榊にこれ以上ここにいられては困るシゲは書類の作成を請け負ってまで無理やり帰宅させ,ぎりぎりの作戦はここからさらに続きます!
とりあえず出動のこととか事後の洗浄のこととかは棚に上げ,3号機に偽装させていた1号機を海に降ろして救出作戦を続行する一同.しかし事件の中心はもはやここにはない.様子がおかしいのに気づいて投光機の光を確認した榊こそこの事件のコアであり存在そのもの.彼にはっきりと認識された瞬間に事件は明らかな不祥事に変わるわけだから,なんとしても事態の収拾と証拠の隠滅をやりつくさねばなりません!
てなわけで第2小隊は指揮車出して飲酒運転の検問をつくって渋滞つくって時間稼ぎ.今回は脚本が脚本だけあって警官の反則が面白いように連続するわけですが(笑)数々の犯罪の中でも一番まずいのはこれじゃなかろうか.警察官という立場ではあるけれどまったく警察官らしからぬ彼らの位置づけを実例でもって見せてくれる,作り手のひねたサービス精神が素晴らしい.
さて,既に事件の渦の中心からは外れてしまった野明ですが,香貫花の指示で頑張ってます.なんとか3号機の足に鎖をかけ,ようやく引き上げられるかと思ったら滑り…これを支えてくれたのが香貫花の持ち出した2号機! 新入り女性2人の協力によって不祥事はようやくもみ消され,ついでに野明と香貫花の気持ちもちょっと通じ合ってめでたしめでたし.隊員たちの結束がこんな風に固まったことに比べたら,野明の1号機が滑らかにマニュアルでデッキアップしたことなんて,ごく小さなことに過ぎないのです.

回り道して戻ってきた榊班長が目にするのは,何も起きていないかのように静かなハンガー.しかし榊は,彼らが言い逃れのできない明らかな証拠を探します.もちろんそれを示した上で海に叩き込むつもりに違いないから,見守る班員や隊員たちは気が気じゃない.あの短時間でもやれるだけのことはやったはずなんですが,結局残ってしまった痕跡をおやっさんに告げ口したのはイングラム.その手からしたたるしょっぱい水滴で….
ここに出てきたのが放任主義の後藤.「何かあったんですか?」とこれまでの状況を絶対全部知ってるくせにとぼけて聞いて…榊も考えます.言外に後藤は今夜は何も起きてないと言っている.奴らがやらかしたのは間違いないが,奴らなりに対岸から見えるほどの大事をここまで収拾したわけだから…いいや,とちょっと笑い,なんでもねえと許してくれました.
そして緊急呼集! 305の発生でスタンバイから一気に目覚めて熱くなるハンガー! 何かが起きたときのため,何も起きてはならない時間を何も起きないように努力して過ごす,それがここのやり方だと野明にも視聴者にもよくわかったんじゃないかと思います.本作の本質はロボットアニメでは決してないのだということをしっかりと胸に刻みつつ,次回に続きます.

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デジモンセイバーズ#3

「所構わず燃やしちゃいけないの巻」

市井の喧嘩番長であるマサルとはあらゆる意味で正反対の少年,トーマが,派遣されていたヨーロッパから日本のDATSに戻ってきた.お金持ちで顔も良く大学まで出ている天才少年はマサルとは完璧に反りが合わず,仲良くするどころか互いを戦力として認め合うことすらもできない.マサルはトーマにリング上での1対1の喧嘩を挑むが,トーマはボクシングの才能までも持ち合わせていた.

長期シリーズらしくゆっくりと1つ1つ設定を整えていく「セイバーズ」.1話に盛り沢山の要素が詰め込まざるを得ない短期シリーズに比べるとどうしても物語に火がつくのは遅くなりますが,それまでのんびりとつきあってやるのが長期シリーズを見る者の嗜みというもの.今回はマサルがどの程度成長したかの示準となる、反りの合わない同僚を投入。今後はマサルが彼にどの程度近づくかでマサル自身の成長を、そして彼がどの程度マサルを受け入れるかでマサルが組織に及ぼした影響を計ることができます。

前回、屋根落ちという豪快なアクションによって家族バレしてしまったアグモンはすっかり大門家に居着いてしまいました。しかも母は実の子よりも得体の知れないアグちゃんの方を贔屓.まあ、そもそも全然かわいくない息子ですからね(笑)。何か事件が起こっても、マサルの使える交通機関は徒歩と自転車と公共交通機関程度。ついでにでかいアグモンにぬいぐるみのふりをさせているから背負わなきゃならない。どこぞのクリーチャーのようにリンゴ3個分では済まない重量はなかなかの重荷です。
本日出現した敵デジモンは小さな炎のプチメラモン。ゴミを燃やす迷惑な放火魔。早速現場に駆けつけたマサルとアグモンではありますが、同じ火属性の攻撃は通じないしマサルはふわふわする敵を殴れないからデジチャージできないっていうか当然なんだけど拳が物理的に熱い(苦笑)。ちなみに,ついに今回ヨシノが目撃者の記憶を消していますが…そうかピカっとやるのか.きっとあれ,マサルは最後まで持たせてもらえないんだ(笑).
とまあ最初から実に冴えない無謀な主人公に取ってかわるが如く、颯爽と登場したのがオーストリア帰りのトーマ様。前回ラストではまだ機上の人であった彼ですが、今回はいきなりシャワーシーンで黒ガウンという凄まじいトバしっぷり。マサルとの生活レベルの差をありありと示すための描写ではあるけれど、本人が真面目にやってるのが妙に滑稽…(苦笑)。ただし彼の実力は並ではない.マサルが倒せなかったメラモンをあっさりと回収しやがります.
トーマ・H・ノルシュタインことトーマ様は,基地内のスタッフにファンがいるほどのクールで有能な美形.パートナーデジモンはこれも気位の高そうなガオモンで,当然ながらアホの子であるマサルの相手なんかするわけもない.なんせ彼は元々ここに着任していたのを,わざわざ請われて半年間EUに派遣されていた大学出の天才でついでに本当の貴族.…マサルにこれっぽっちも勝てる部分が見つからないのはもちろんですが(笑)ここまで来ると普通の奴と普通に仲良くすることすら難しいくらいのスペックです.
トーマ様としては突出した日本のデジモン出現率とかを落ち着いて話したいわけですが,既に負け犬のはずのマサルが横から噛みついてくるのが大変気に食わない.ぶっちゃけこんな素人役に立たないっすよいないほうがマシっすよという内容を沈着冷静丁寧に隊長に御忠信するトーマ様.こんなことを目の前で言われて短気なマサルがそのままにしておくわけがない! マサルの唯一得意な喧嘩で勝負をつけるべく,2人はリングに上がります.

実はオリンピックのチャンピオンに勝つほどのボクシングの腕前を持つトーマ様.しかしそれをまったく知らないマサルはヘッドギアなしで力任せに挑み,面白いように攻撃を読まれてフィニッシュブローは無防備な頬に.もう敵さえ殴って倒せればあとはなんでもいいマサルと,DATSの使命を胸に刻んで責任と義務を果すために頑張るトーマはあまりにも違う….戦う本能だけでここにいるのは大変に危険なことだけど,使命と責任と義務だけでここにいるのもなんだか危険な気がする.トーマは一体,どんな欲を満たすためにここにいるんだろう.
ボクシングとしてはトーマのKO勝ち.けれど粗暴で低俗な喧嘩番長はいつまでもどこまでも勝負から逃げない.マサルがやっているのはあくまで喧嘩.ルールも場所も問わないガチンコ勝負には期限もないから,勝負を終えたはずなのにさらにマサルは生意気なエリートを殴りに行って…結局引き分けた! ルール無用の割に成果はぱっとしませんが,そもそものトーマのレベルを考えるとこれは金星扱いでもいいんじゃないかと思います.さすがはデジモンを殴り倒す男.喧嘩の強さだけは世界レベルの可能性が高い.
ただし拳を握り殴り合っても,全然似たもの同士でないので友情も目覚めないこの状況.さらにさっきのマサルたちの不始末によって,再びプチメラモンが大量に出現します! やることはちょっとした放火くらいなんですが,体の一部が分かれると新しい別の個体となるやっかいな性質を持つプチメラモンは,さっきマサルが殴ろうとして散々散らせた体が短期間に成長したらしい.これを片づけるのはもちろんさっきも捕まえてきたトーマ様.たった1人と1体で,手際よく大量のプチメラモンを片づけます!
プチメラモンには実体らしい実体はないけれど,存在していないわけではない.トーマはガオモンを進化させ,大竜巻を作らせることで微小な存在のプチメラモンを一気に吸い込んで回収.軽くて風に流されやすい敵の特質をきちんと把握した上で行われた回収は4分かからずに終了.殴れもしなかった自分とあいつとの間に,本当に大きな差があるということをやっと把握したマサルは,その悔しさから飛び出します.
自分が負けたことを痛感したマサルは,それが悔しくてたまらない.しかも自分を負かしたトーマ様に腹を立てるのではなく,「俺が腹立ててるのは,俺自身なんだよ!」とまたも迷うことなく自罰傾向.なんだって彼はこれほどまでに自分にわざと高いハードルを課そうとするんでしょうか? 本当に不思議な奴だよなぁ.
そして悔しいマサルの前に,あの釣りのおっちゃんがまたも登場.今日は魚など焼いてます.そして彼が語るのは炎の不思議.小さいのはすぐ消えて逃げるけれど,しかし大きくなればもう消えない….大変にわかりやすいプチメラモン攻略のためのヒントを聞かされ,ついでにプチメラモンの残党がガスタンク近くに出現.ついでにトーマたちはまだ遠い…これはものすごくわかりやすい,汚名返上の機会です.

小さくてふわふわしている火は殴れないけれど,もっと大きくなれば違うかもしれない.バトルの基本が殴ることからはじまるマサルなので,一発殴るためなら状況も手段も選びません.引火したらヤバそうなガスタンクのすぐ脇で,アグモンの炎をプチメラモンたちにぶつけて炎をもっと大きくします…って,危ねえなぁおい(苦笑).結果的にはメラモンに進化して殴れるようになったんだけど,これは火薬庫の傍で火遊びしてるようなもんだ.でもそんな危うさはバカなので無視.いつものように殴ってアグモンを進化させメガバーストで勝利.…本当にそれでいいのか?
てなわけで大変危ういながらもメラモンを回収したマサルとアグモン.でもガスタンクの横でがんがん火を焚く様な奴をもちろんトーマ様は認めることができず,逆に折角の結果にケチをつけられたバカマサルは腹を立て,この隊員2人の喧嘩に隊長はついに怒り,今後は2人でチームを組めと懲罰的異動としか思えない辞令を下します(笑).果たしてDATSは無謀な男の首になんとか鈴をつけることはできるのか.次回に続きます.

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