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桜蘭高校ホスト部#5

「相似な双子の絶好の絶交の巻」

ホスト部では禁断の双子ホモを売りとする常陸院光・馨兄弟.自分たち以外の人間のことをおもちゃ程度にしか思っていない彼らは,他人の顔を勝手にアイコラの材料にするような傍若無人ぶりでおなじみだ.しかし光と馨を的確に区別できるハルヒのうかつな一言をきっかけに,異様に激しい兄弟喧嘩をはじめてしまう.

性格的に問題がある美形どもが毎度大騒ぎしている「ホスト部」.今回の主役は派手な問題児である双子たち.冷笑的で皮肉屋で愉快犯な彼らがプロデュースした今回は,ぜひともオチを知らない状態で見たいもの.きっと原作未読者は大変楽しかったに違いない….いや,知ってても十二分に面白かったですけどね(笑).
原作つきアニメの常として,原作の改変の是非がよく取り沙汰されるものですが,自分は積極的に冒険してくれる方が好み.そもそもメディアが違うし,介在する人数も違うし,何よりも作り手たちの頭にあるものが違う.原作数巻分の知識がある状態で初期の話を作り直したら,恐らく原作者であっても違う話に変えるに決まっているからなぁ(笑).どんなに似ていてもどこかが違うからこそ,それぞれを別のものとして見る楽しみが生まれるのです.

前半.髪の分け目と声優以外はまさに瓜二つな常陸院の双子.あまりに似過ぎて区別できない彼らが好きなのは,2人を見分けるゲームを仕掛けて困る相手を眺めること.それは彼らが世界に2人きりだと思い知った頃から続くゲームで,今もホスト部の定番として楽しまれております.見分けて欲しいという無言の叫びから生まれたようなゲームなのに,これまた随分と軽い扱いがされているなぁ(苦笑).
ホスト部では環に次ぐサービス精神の発揮ぶりによって大人気の双子.美形でホモな上に双子でタブー.さらにそんな2人に同時に愛されるという大サービスはまさに究極のロマンス.…ええと,確か「CIPHER」って掲載紙どこだったっけなぁ(笑)? ともかくこれは乙女の腐った夢なわけですが,腐ってないハルヒにはその良さがちっともわからない.
客でないハルヒがよく知っているのは,愉快犯ではた迷惑な双子のダークサイド.他人の顔をアイコラの材料にして全世界に公開した上に欠片も後悔しないってのは,倫理面に激しく問題のあるいい証拠.…環,いくら画像がよく出来ていても,ハルヒさんが大トロ目当てに脱いだストーリーを勝手につくって抗議するのはご当人に大変失礼だ.お前の頭の中ではハルヒさんはうまいもののためならばなんでもやるのか(苦笑)?
他人の顔を勝手に材料にして遊ぶ双子も最低だし,ついでにアイドル写真集と合成させようとしたり可愛い洋服を持ち歩く環も最低で(笑)好き勝手にいじられるハルヒは怒り,人を何だと思ってると叱ったら返答は「おもちゃ」.自分たち以外の全ては暇つぶしの材料.2人をセット扱いするような目の腐った連中とまともに付き合う必要はないと,本気で思っているのでしょう.…ここで話に混じってくるのが黒魔術部部長の猫澤先輩.ホスト部がある時点でこの学校はどうかしているわけですが,黒魔術部もアレだなぁ.
見るからに不審で明るいところがダメな猫澤先輩を異様に恐れている環.根拠は昨年度末の試験で起きた猫人形の呪い…実際は教室間違いとかマラソン大会だったりするあたりが実に殿らしい….性格はともかくスペック的にはパーフェクトに近い環ですが,習ってないギリシャ語まではわからなかったご様子です.てなわけで恐ろしい猫澤先輩が本日ご紹介するのが呪いのベルゼネフ人形.背中に嫌いな人間の名前を書くと不幸になるという逸品です.
しかし環がどれほど無駄に恐れても,双子からすれば猫澤先輩もただの人.光を嫌がる彼に懐中電灯で嫌がらせして退散させる傍若無人ぶりに巻き込まれる環がちょっぴり気の毒な気もしなくはないですが,距離を取れば巻き込まれずに済むはずなのに,わざわざ双子に近づいてひどい目に遭ってるわけだから自業自得か(笑).あんまり危険回避の本能とか動いてなさそうなタイプだもんなぁ.
さて,双子にとっては新入りのハルヒさんは目下注目の新品のおもちゃ.さらにいじり倒すべくハルヒの家に行きたいとお願いするも,馬鹿にするから絶対にだめとハルヒは拒否.ついでに環が自宅に来るのもお断り(笑).ここで双子が提案するのが冒頭のゲーム.どっちが光か当てられなかったら家庭訪問!という状況でハルヒは即座に正解を選びます.「良く似てるけどやっぱり違う」と双子の揺さぶりにもまったく心が揺れない.…解いて欲しいけれど解けないはずの2人の謎かけ.それを突破する者がついに出現してしまったのです.
瓜二つの双子を見分けるポイントは見た目ではなくその中身.光は馨より1割増し性格悪いというハルヒ流の判別のコツは実に深い.見た目の印象で区別しているわけではなくて,2人の動きをしばし見守った上で判別しているんじゃなかろうか.いつも2人の世界の中から周囲を観察するばかりの双子だけれど,ハルヒはそんな2人をきちんと観察していたってことになります.…まあ,そのポイントが実に身も蓋もないのがハルヒさんらしいですが(笑).
あまりにも的確な指摘に馨が笑うから,光は自分よりも馨の方が底意地が悪いと抗議.馨は光に付き合っているだけだと反論し,光は掘り下げているのは馨だと再反論! …光がきっかけをつくって馨が盛り上げるというのが双子の基本コンビネーションのようですが,今日は悪巧みではなく口喧嘩の炎が燃え盛る.さらにここでハルヒさんが喧嘩のネタとなったため,第3者の殿が2人の間に巻き込まれます.…おもちゃとか言いながら,光は本当はハルヒのこと好きなんじゃないの?
下から見上げて天井が中央に来るアオリの構図.双子はその角から顔だけ出して,空間を大変贅沢に使っています.で,たっぷり開いた中央部に動揺する環のアップがひょこひょこ出て来るのが面白くてたまらない(笑).ハルヒを好きかどうかあるいは豆狸であるかどうかを巡って争う3人の姿は,強力な腐女子モーターを搭載したマネージャーの大好物でご飯3杯行けるとか.ああもうなんでもいいからお前はさっさとフランスに帰れ(苦笑).
どうも普段は添い寝までしているらしい双子の口喧嘩はどんどん小学生みたいな方向へ.馨は数学が弱くて光は語学に弱いんですな.歯軋り,寝相,エロガッパに変態,そして辿りついた「お前の母さん厚化粧!」…それ,同じ人だよ….てなわけでここより双子は絶交を開始することに.

後半.翌日から本格的に絶交を開始した常陸院の双子.まずは形から入るということで,光はピンク,馨は水色に髪を染めて登校.どっちも派手でクールで可愛いわけですが,当人たちは互いの色が気に食わないからハルヒを挟んで喧嘩….頭上で飛んでるものの中にハニー先輩のうさちゃんが混ざってる.一応心配して見にきたんじゃないかと思うけど,これまた無駄に巻き込まれているなぁ.
双子の喧嘩は昼食だってもちろん続行.豪華極まる桜蘭の食堂はきっと充実した品揃えのはずなのに,双子が選ぶのは不本意にもどこまでも同じで「真似すんなー!」…人目につくところで喧嘩で目立つのはホスト部にとってとんだネガティブキャンペーン.他の部員たちも困ってしまうのです.でもハニー先輩は混ざっちゃダメだ.喧嘩の仲裁には愛らしいのは迷惑.途方もなくうざい…(苦笑).
双子が心配でついてきたハルヒさんは食堂でお弁当.定食を頼めるような金はない.しかし金を出せば買える定食よりも,ハルヒさん手作りのお弁当の方が貴重.なんせ環に至っては,弁当箱を見ただけで愛妻ハート弁当妄想が溢れてくるほどの逸品.…どんなに恥ずかしくても喰うといいきる君が一番恥ずかしいよ(苦笑).馬鹿が一人で悶えている横で漁夫の利を得たのは光ではなくハルヒ.自分の弁当と強制トレードされた光の定食は,ハルヒにとっては究極かつ至高であったご様子.あの淡白なハルヒの背景が異様にきらきらするくらいなんだから,そりゃうまかったんだろうなぁ….
ハルヒの弁当が欲しくて光にちょっかいをかける環.その隙に今度は馨がハルヒにちょっかいをかけると気づいた光が噛み付いた.ハルヒに向けて差し出されたスプーンで釣れたのは光.そして豆狸挟んでまた喧嘩….とりあえず何でも投げつけるのが双子の喧嘩の方法のようですが,殴ったりつかみ合ったりしないのは触れ合えばなし崩しにべたべたしてしまうと知っているからなのか? そして殿の顔面は実に使い勝手のいい盾です.喧嘩の下から早々に離脱するハルヒさん.いくら美味でも諸先輩方を巻き込んだ投げあいの下では食えないよなぁ.
双子のド派手な喧嘩キャンペーンは部にとって大きなマイナス.その深刻さは番頭の鏡夜が失言したハルヒにわかりやすいイヤミをぶつけてくるほどで…(笑).ここまで派手な双子の喧嘩はホスト部にとって初の体験.幼い頃からずっと2人きりの世界に耽溺してきた二人が,それぞれに主張して喧嘩するのは2人の世界の広がりを示す良い傾向? まあ,若い兄弟喧嘩なんて仔犬がじゃれるようなもんだから放っておけばいいようなものですが,ハルヒさんだけは女の子…というよりは保護者のように,2人が引き際をわきまえていないのではないかと心配しています.
えらく天井の高い音楽室にうず高く詰まれた双子の喧嘩の跡.モノの投げ合いに飽きたのか,馨がついに持ち出したのが黒魔術部謹製の呪い人形,最終兵器ベルゼネフ.…そして,どっちも折れずにとうとう呪いとか持ち出した常陸院の二人に,可憐な怒りの鉄拳が下ります!
「いいかげんにしろ!」と本気で2人を叱りだしたハルヒ.喧嘩に呪いなんか持ち込むな2人とも悪いし回りに迷惑かけるのはもっと悪いから仲直りしろと激しい正論アタックが2人を連打.そして…「今すぐ仲直りしないと,一生うちになんか遊びに来させないからね!」 …これぞお母さんチックなヒロインの決め台詞である上に,涙目の双子がひたすら待っていた終末の言葉.それじゃ仲直りしたら遊びに行っていいんだね?と笑う2人は…これまでが嘘のように過剰に仲良し.つうか本当に嘘.底意地の悪い2人の長いお芝居は,他のホスト部一同を心底ぐったりとさせたのでありました.

暇な双子にとっては周囲の全てはおもちゃ.それが同じ部員だろうとまったく容赦をしないのが双子が双子たる所以.世界が自分たちを区別してくれないんだから,自分たちも世界を区別しなくたっていいわけです.特にハルヒは環とセットにすると実に愉快なおもちゃの1つなんだから,ぜひともおもちゃ箱の中に押し込めておきたいんだけれど,このおもちゃは箱の中からまたも転がり出てきます.
過剰な仲良しに戻った常陸院兄弟ですが,髪の毛は染めたまま.けれどハルヒは見た目に騙されてくれません.髪色を取り替えてきていることをあっさり指摘する彼女の存在に,目を奪われてしまう光と,そんな光を見ている馨.おもちゃのはずのハルヒはそれぞれ別の存在として2人を見ている.そしてハルヒの存在によって,同じ方向を見ていた2人も違うものを見ることになります.これは2人きりの世界を理解してくる者が出現した喜び? それとも2人きりの世界が壊れることの恐れ? 真っ直ぐ甘い乙女の夢展開に持ち込むこともできそうだけど…ハルヒさんに殿がくっついている限りやっぱし無理かー(笑).次回に続きます.

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