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機動警察パトレイバー#6

「恥の挽回汚名の上塗りの巻」

新鋭機を導入し新隊員も増え,1号機に至ってはあやとりまでできるようになったものの,社会的な評価は埋立地の海抜のように低い第2小隊.そんな折,多摩に建設中の巨大な高層ビル,タワーシティに火災が発生.中に来日中の要人が閉じ込められたため,第2小隊に救出指令が下る.警察上層部はここでレイバー隊を活躍させて悪評を払拭したいのだ.タワー内部の侵入は通常のルートでは難しい.第2小隊は唯一の侵入ルートとして,屋上からクレーンで吊り下げ,窓からの侵入を試みる.

いつものお仕事を通じて第2小隊の生業を描き出す「パトレイバー」.怪獣,暴走レイバーに続いて今回は災害救助.バトルなしのアクションの連続によって,警察の1部署が担当せねばならない事件の幅広さを示し,さらに問題児太田の足手まといぶりを全力で描き出します(笑).
先輩風吹かせて偉そうで,リボルバーカノンを撃ちたがるくせに当たらないし,最後には力で解決しようとして大失敗するという壮絶な芸風の太田.新人や若手からは間違いなく疎まれるタイプの先輩ですが,決して悪い人でも無能でもないんです…ただひたすらハタ迷惑なだけで(苦笑).

前半.恐らくは太田のネガティブな大活躍によって評判が地の底目指して一直線な特車二課.真面目に職務を遂行する第1小隊にとっては巻き込まれての悪評は実に迷惑.もちろん第2小隊だって一生懸命やってるんですが,結果的には表彰よりも始末書の数が多くなるような状況.…新機種導入から間がないため,パイロットの技量が足りていない部分も多分にあるんですが,それが言い訳にできないほどの惨々たる状況なのだなぁ.
第2小隊の火薬庫である太田の2号機の動向はいつもの通りだからどうでもいいとして,1号機の技量は確実にレベルアップ中.アルフォンスはついにあやとりができるようになりました! …練習風景はふざけているようにしか見えませんが,モーショントレースシステムを使用した繊細な指先扱いは野明の強み.ほぼ同様の機体を運用しながらも,この短期間で既に1号機と2号機の間には違いが生まれていて,その差はフォワードの資質に起因するわけです.
とはいえそんな繊細な動きを生かす機会はそう簡単には訪れない…はずなのに,狙いすましたかのように生かす事件が発生.多摩に建設中の超高層ビル,タワーシティに発生した大火災から偉い人を助けるという晴れ舞台.…でも,千メートル級の巨大ビルを土地の安い多摩に建ててどうするつもりなんだろう(苦笑).ここでクラウス外相に同行する女子アナが妙にいい味出してますが,声はまだ新人の林原めぐみ氏.現段階では完璧な脇キャラです.
原因は不明ながらもテレビ中継中のビルの中層が爆発炎上.下層階ならまだ逃げようもあるものの,上の外相たちは防火シャッターが降り道を塞いで逃げようがない.さらにこの塔には液体ガスボンベが各所に格納されていて,自動消火機能が動かないし,空調も止まるし….建設中のビルに多くを期待するのも無茶ってもんでしょうが,外相を丸焼きあるいは燻製にしようもんなら外交問題に発展することは間違いありません.
尊い人命と日本の健全な外交関係を救うために呼び出された第2小隊.凄まじいデストロイヤーぶりを世に示しまくる彼らを投入するのはあまりにも無茶なわけですが(苦笑),巨大ビルの内部で自由に歩き回れる足を持ち,人にはない力を発揮できるレイバーは災害現場でも花形.クラウス外相の息の根が止まる前に救出できなければ確実にレイバー隊不要論が世論的に燃え上がるに決まっているから,作品存続の正念場でもあります.
消防庁のレイバーはがれき類の撤去で手一杯で手を借りるのも難しく,ついでに侵入経路の重要なポイントに2機をからませ隔座させてるってんだから始末が悪い.13階の彼らを救うには,一度屋上に上がってそこからクレーンで吊り下がって窓から侵入するしかない.これは学習次第で人にできる動きなら全て可能なイングラムでなければ不可能なミッションです.
うまくいけばなかなか見栄えのいい作戦を実行することになった第2小隊.その直前,後藤に嫌みを言い念を押す福島課長.作戦に要求されるスペックからして,イングラムでなければ解決不可能な事件だからこそ,お前らには国民の不安が集中していて,外相を助ければ評価をひっくり返せるんだから頑張れと激励.しかも御丁寧にも自分たちで多摩に大量の報道まで呼んだってんだから腐ってる.…本作の現場と上層部が食い違う描写については,将来,踊る某ドラマがインスパイアしていくわけですがそれはともかく,彼らは人命を救うことはできるのか?

後半.ついにはじまる救出作戦.屋上から外壁沿いにワイヤーでレイバーを降ろし,窓から侵入させて要救助者を確保するというレスキュー的な作戦です.本来は消防庁のレイバーが担うべき大役なわけですが,アクロバチックな作戦を遂行できる機体がイングラムしかなかったんだから仕方ない.早く助けないと外相たちが燻製になってしまうので,巨大なオーブンの中から一刻も早く取り出さなければなりません.
不安定というよりもサーカス芸のような鉄骨渡りでクレーンに到着し,イングラムの機体のワイヤーとクレーンを使って外壁を降下.命令する側は気楽なもんでしょうが,実際に機体を運用している者にとっては地獄の縁を渡るような芸当.いくら「アルフォンスを信じろ」とか言われても,それでなんとかなる高さじゃない(苦笑).300メートル上から落下すれば木っ端みじん間違いなしだ….
クレーンで先に降下する太田機.この時点でものすごく嫌な予感がするわけですが,現実は期待を裏切らない(笑).降下だけで一杯一杯の太田は,侵入するために一度壁を蹴って後に振れて勢いをつけ,かっこよく!銃で入り口の鉄骨をぶっとばそうと思ったら!銃がない! …まあ,普通人命救助には銃はいらない(笑).あの重量があれば銃がなくてもキックで鉄骨を吹っ飛ばせたはずですが,動揺した太田は無様に壁に激突.
こうして上空で開催される,大規模なレイバー隊ネガティブキャンペーン.最終的には自分のワイヤーに絡まって身動き取れなくなるという大失態は,絶対マスコミの大好物…(苦笑).地上の大惨事と合わせてここで2号機がリタイア.不器用で考えなしの太田にはあまりにも向いていない任務でありました.
この任務を担当するのは1号機の野明のみに.太田に比べれば段違いに繊細なセンスを持つ彼女なら,少なくとも太田を先頭にして突っ込ませるよりは被害者が助かる可能性が高い.ちなみに火事の中に閉じ込められた外相たちはおろおろ.しかしあの女子アナだけは実に気丈で,通風孔を塞いで姿勢を低くして待つという的確な指示を下しております.人の真価は危機の中でこそ明らかになるもの.彼女の勇姿に「好きです」と外相が血迷うのも(笑)当然かもしれません.
煙のために視界が著しく悪く,通路には隔座したレイバーも含め障害物多数.こんな道をなんとか通って野明がたどり着いたのは防火壁.この壁が外相たちを閉じ込めているわけですが,イングラムでぶち破るのは難しいし向こう側に与える影響も大きそうだから手動開閉装置を使う.ただし装置に火災の熱が伝わってしまったことで人間の手では回せない…というわけで,アルフォンスの指先でそっと人間用のレバーを回します.
確かに他の手段はないわけですが,レイバーであのレバーを回すってのは人の指先で麦わらで作ったやわなレバーを壊さずに回すようなもの.あやとりで鍛えた繊細な指さばきが役立つ機会がいまここに! …野明本人には大変に迷惑な話なわけですが(苦笑).周囲で時折爆発までも起きる中,そっと指先ではじいて降ろし,さらに爪楊枝の先ほどのもろいハンドルを慎重に回していく….
緊迫感の中でゆっくりと開いていくシャッター.もう一息で要救助者を確保できそうなそのとき!イングラムに焦げた構造物が直撃したのに悲鳴を上げる野明が偉い.こんなぎりぎりの状況でも愛機が汚れることを嫌うフェチっぷりが実に偉い(笑).人命と同レベルで機体を大切にしてしまうことだけが,この影の薄い主役が唯一他と張り合える個性だったりするのです.
かくして1号機は無事に要救助者を発見.イングラムの両腕に抱えて人命を一気に救い出し,無事にレスキューの代役を務め切ったのでありました.…問題が残っているとすれば,外相がやたら女子アナを気に入ってしまったことに加えて,太田のネガティブキャンペーンが塔の天辺で未だに続いていることだろうか(笑).クレーンに釣られて絡まったままの2号機.第1小隊に手助けを拒否されたってことは,このあと再度1号機が三百メートル上がってほどかなきゃならないってことなんだろうなぁ(苦笑).

翌日.1号機は大活躍したものの新聞の1面トップはあの女子アナ,SNNの桜山桃子さんに奪われました(笑).外相がやたら気に入っていた時点でオチは読めていたわけですが,まさかこの先彼女があれほど活躍することになるってことまでは読めなかったなぁ…(苦笑).第2小隊に対する粗暴,無差別,発砲行為ってな悪評は恐らく太田の活躍に起因するんだろうから,隊の評価を一気に上げるには配置転換が一番効くよ?
そして後藤が最後にバラす,今回警視庁と都と外務省が描いた図面.これは本庁の仕組んだ大規模なPR作戦.レイバー隊のPRのために外相たちを死の淵に追い込んだ彼らですが,その被害者の行動によってPRを大失敗した…ってのが今回の結論であり教訓.理のない無理はするもんじゃないわけです.かくして太田のネガティブな大活躍によって折角の野明のポジティブな活躍は誰にも気に留められないまま流されて…次回に続きます.

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