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デジモンセイバーズ#7

「白燕尾可哀想の巻」

大切な妹・チカの誕生日に追試を受けることになったマサルは,自分の代理を務めてほしいとトーマに頭を下げた.請け負ったトーマはチカの誕生日を祝うための完璧なプランを立てるものの,あのマサルの妹の行動と要望はトーマのプランをことごとく潰していく.車は徒歩に,ホテルのラウンジはゲーセンに,豪華なフレンチはもんじゃ焼きに化け,上流階級のお坊ちゃんには未知の世界を連れまわされて,トーマは困惑するしかないのだった.

一通りのメインキャラと舞台の案内が終わって,今度はその周辺をどんどん掘り下げていく「セイバーズ」.キャラの強いこの手の話ではサブキャラに当番が回って行くのはよくあることなんですが,今回は脇が完全に全部持って行って主役が一度も戦わない.前回の主役コンビの仲間割れほどではないですが,定番エピソードの投入タイミングが長期としては相当に早い.昨今のアニメは全体的なテンポがかなり早くなっているわけですが,その中でもこのタイミングは早いはず.最低でも1年は走らなきゃいけないってのに,今のペースだとこの先どこまでいくつもりなんだろう….

他人に物を頼むときには,それなりのやり方ってものがあります.たとえ相手が誰であろうともしっかり頭を下げて,何をして欲しいのかとその代償をはっきりと伝えることが大切で,それは相手が苦手だったりいけすかなかったり気に食わなかったりするならばなおのこと.てなわけでマサルはアグモンとともに帰還したトーマを神妙にお待ちかねして「お帰りなさいませ!」とご挨拶.お疲れでしょうとお茶まで出してくるマサルたちの行動には見事に下心が透けていて,ついでに大変気持ちが悪い(苦笑).
主役な上に喧嘩番長としておなじみのマサルがトーマのために似合わねえメイドのふりなんかしてやがるのは,もちろんお願いしたいことがあるから.定期考査の結果で当然のように追試が決定してしまった劣等生は,たった一人で進級をかけた1日がかりのテストを受けることに.そんなわけで…と爽やか笑顔で言い出そうとするマサルに対して「ま,無理だな!」と一言でぶったぎるトーマ.確かに洒落にならないレベルのバカなので,いくら博士号持ちでもいかんともしがたいというコメントはもっともだ.
けれどマサルはいつだって,トーマの予測を裏切ります.彼が頼みたいのは妹の誕生日の代理.しかも彼自身の独自の思いいれもあって,金さえ積めば代理してくれそうなヨシノに頼むことができない.…マサルの言う「父親の役目」が具体的にどのようなものであるかはラストまで言葉としては語られないわけですが,トーマの行動によってきちんと語られているあたり,難易度は高いけど面白い.マサルはトーマに頭を下げます「明日1日,俺の家族になってくれ!」
誰に物を頼む場合でも,とりあえず一度素直に頭を下げちゃえばいいわけで,後は自分のペースで押し切ればとりあえずなんとかなるもんです.返事も聞かずに前日夕方からトーマを大門家入りさせるマサルはやっぱり強引で,了承の言葉も聞かないうちから明日はこの人が遊んでくれるぞと妹に紹介して既成事実を作るところが天然で狡猾.
もちろん妹のチカは駄兄貴と美形のお兄さんのコンバートに大喜び.けれどトーマにとってはいい迷惑で…だがしかし! 「でも,迷惑なんじゃないの?」と自分を覗き込むマサル母の色香に変なエンジンがかかったトーマは,物凄い気合と勢いで引き受けてしまったのでありました(笑)! この展開には作中人物以上に視聴者の方がびっくりです,お前って,凄い年上好みだったのか….
ガオモンはチカに気に入られ,トーマも母に魅了されてもう逃げられない.色香に負けて夕食までご一緒することになったふたりが見たのは,大門家の小さいけれど賑やかな食卓.ただしこの家にはマサルが必要としている父親はいない.…マサルの父は10年前,彼が4歳のときに行方不明になったままで現在に至っており,その点だけは決して幸せな家族とは言えないものの,それでも笑顔のある食卓は…見ているトーマを寂しくさせるようです.
雰囲気に慣れていないと中座を申し出て,大門家よりガオモンとともに退場するトーマ.見送りのマサルに「君とその家族のために約束は守る」となかなかの気合で応える彼が,まさか翌日あんな格好で登場するとは予想していなかったに違いない.で,帰宅直後から翌日の誕生日プランを練り上げるトーマ.この「華麗なる誕生日計画」がまた偉くハイソで…一体君はどこのOLをデートに誘うつもりかと問い詰めたい気持ちで一杯だ(笑).
翌日.待って苛立つマサルの前にいつものリムジンでやってきたトーマは…白燕尾.うわぁ(笑).しかもキザなお花プレゼントからスタートってとんでもないロマンチスト(苦笑).もちろん本命のサユリさんにも花を忘れない.行方不明中のマサルの父がここにいたら,殴り合いのケンカになるのかなぁ….あまりにもやる気まんまんなトーマと家族を残してマサルは追試へ.主役はここから完全にトーマ.
自称約束を守る男の気合に溢れた本日のプランですが,最初に行くのがホテルのラウンジという凄い勘違いぶりに早速水を差すのがチカさん.ガラスのスケジュールをさっくりぶっ壊した上に,彼にとってはまったくの未知の世界に誘います.彼女があのマサルの妹だということを,一瞬たりとも忘れちゃいけません.
チカさんが希望したのはリムジンなんか走れない下町のゲーセン.…リムジンだからぎりぎり許せた白燕尾も,徒歩になっては完全にギャグに(苦笑).なんでこいつここで車に上着だけでも置いてこなかったんでしょうか.先のいろいろを考えると,服が大変に可哀想です.あ,予約した店のキャンセルについつい電話しながら頭を下げているトーマって,なんかとっても日本人だ(笑).
スケジュールを狂わせながらやってきたゲームセンター.トーマはここでいいとこ見せようとするものの失敗.意外というかさすがというか,かわいいものよりはワイルドなものを好み,対戦格ゲーでは天才のはずのトーマすら負かしてしまうチカは確かにマサルの妹.慣れない環境で頼りない父親代理の想像を軽く越えてくるのです.

さてその頃,チカさんの出来の悪すぎる兄貴はたった一人のための全日追試に挑戦中.現国英語日本史物理数学のフルコース追試,読解も計算も暗記も応用も語学も満遍なく悪いってことは,こいつが人並みに評価されるのは本当に体育だけかもしれないなぁ….
兄に妹が追いつく時間を求める問題は,10*80+80x=200xで,800=200x-80xでx=6.67くらい? もちろん「兄貴,待ってやれよ」ってのは解答にはならねえ(苦笑).こうやって試験中に余計なことばっかり考えてるから,時間がなくなって赤点になるとかそういうパターンなのかもな.
兄貴がわかんねえ問題に苦しめられていたその頃,妹はまたもトーマの予定を崩してもんじゃランチを決め込んでおりました.どろどろのぐちょぐちょを鉄板で焼いて食うもんじゃ焼きは東京の下町を代表するジャンクフードの1つ.その凄い見た目にビビる気持ちは大変よくわかります.ついでに絶対白燕尾で食うようなもんではないけれど…結構うまいんだよな,あれ(笑).
そして下町と相性の悪すぎるトーマを襲うさらなる不幸.この店ではカードが使えない! …使えないよ普通(笑).エスコートするどころか同行していたサユリさんにおごってもらうハメになってしまって意気消沈.カードがあるならそこらのコンビニで金をおろせばいいと思うんだけど,こいつ,たぶんそんなことも知らないかもなぁ.
妹さんのおかげでどん底まで落とし込まれた気の毒なトーマ.彼は名誉挽回のために花火が見られる場所にチカさんをご案内するわけですが…視聴者にとってはここが一番の笑いどころ.トーマがご案内した遊園地,それどこのサンリオピューロランド(笑)? 確かに誕生日に行くとマイハッピーバースディなわけであり,日曜午前に続けて見ている奴も多いだろうけど他局で他社なのに何しやがる! わかった奴だけが爆笑するという実に敷居の高いギャグ…だよね?
てなわけでピューロランドで花火散る夜まで時間つぶしを.相変わらず白燕尾のままですが,少なくとも下町よりは非日常に近い遊園地の方が相当マシ.任務とマサルのせいで普段から相当危ない目に遭っていそうなもんですが,ジェットコースターどころかおばけ屋敷まで怖いのか君は(笑).当初スケジュール中の「乗馬」については,メリーゴーランドで代用しちゃったみたいですね.
夕暮れの終わりには大観覧車.サユリとチカの仲睦まじい姿を目の前にして,トーマは己を思い出します.今はお屋敷で肉親の影もなく暮らす彼の思い出.そこには彼の母がいて,今目の前にいるこの人のように笑ってくれた…典型的な孤独な王子キャラである彼は,当然のように肉親に関する暗い影を抱えている御様子.影の暗さは,行方不明の父親の形見らしきものを常に身につけているマサルといい勝負なのか? …間近で太陽を直視してしまったがゆえの胸の痛みはあるけれど,それでもトーマは,今は楽しい.
そんな楽しい時間を壊すのが今回の敵,結構でかいボンバーナニモン! 声の原口あきまさ氏は違和感なくてうまい.デジモンは欲であるってわけではなさそうですが(笑)人の欲が彼らがこちらに来る際のきっかけになっているのはどうも間違いなさそうで.体全体が爆弾になっていて何でも爆破するという危ないデジモンを遊園地なんかに呼び出した奴の抱いた欲は…やっぱりここでフられたりしたんだろうか?
楽しい非日常は一瞬にしてトーマにとっての日常に.「これが僕の仕事だからね!」と白燕尾のまま,あまりにも完成度の低い今日をなんとかするために颯爽と走り出します.何一つちゃんと出来ていない彼だけど,母と子の楽しい時間を潰すような奴だけは絶対に許せない.…これが恐らくはマサルの言う「父親役」の意味.スケジュールとか支払いの問題ではなく,彼としては何かあったときに2人を守れる奴を探してたんでしょうね.
今日1日,デジヴァイスの中からトーマと苦闘を共にしてきたガオモンもついにリアライズ.一応トーマは本部に連絡を取りますが,大切な日を台無しにしたアレを相当恨んでいるようで待機命令を破り勝手に行動開始! …なんかマサルみたいになってんな(苦笑).大量の爆薬を持っているために下手に触るのも危なそうなボンバーナニモン.トーマはガオガモンに進化させた上で,いつもならきっとやらないことをはじめます.
きっかけはチカの希望.地上で爆発すればきっと被害は甚大.けれど何もない空中ならば被害は極小…もちろん万が一爆発する前に地上に落ちてきたらもっと洒落にならないことになるわけですが(苦笑)今日のトーマはやる気満々なので万が一のことは気にしません(笑).ガオガモンにボンバーナニモンを空中に投げ上げさせ,見事夜空の花火に変えたのでありました!
他はダメダメでも2人を最後までちゃんと守ったトーマ.ラストバトルでピューロランドが閉鎖となり,本人的には相当出来の悪い誕生日になってしまいましたが,あの花火がトーマとガオモンの仕事だと察してくれた2人が感謝してしてくれるのがくすぐったい.フラグを立ててしまったらしく,チカに頬へキスされるトーマ.…まあ,兄弟の方が父親よりはちょっぴりマシか(笑).

いろいろあった誕生日のディナーはサユリさんの手料理三昧.ようやく試験から生還した一応主役のマサルだけでなくヨシノも合流.さすがに組織ぐるみで大門家に迷惑かけてるだけのことはあって,ちゃんとプレゼントも皆で購入している模様です.そしてトーマはついに白燕尾を放棄し,いつもの普段着に.
あんな格好が似合わない場所がこの世界には存在するんだってことがわかり,特にチカさんと馴染んで秘密もでき,素直にサユリさんの玉子焼きを食えるようになったんだから,今日は本当に彼にとっても素晴らしい日だったんじゃないかと思います.…トーマは絶対作り手から愛されているなぁと思いつつ,次回に続きます.

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