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機動警察パトレイバー#4

「フェチと汚名で動物虐待の巻」

ハイキング中の青年3人組が林の中で目撃した謎の巨大生物を捕えるために派遣された,本庁のお荷物特車二課第二小隊.目撃者の話によると相手は体長10メートルを超える熊のような猿のような怪獣でしかも肉を喰う.もちろんレイバー相手の戦闘を前提に設計されているイングラムは未確認生物と戦うようには出来ていないが,この状況はどうにも燃えるし血が騒ぐ.レイバーを超える運動能力を持つ巨大生物に対し,人々はその英知…と無謀を結集して挑むのだった.

キャラクターと舞台の紹介が一通り終了し,第2小隊のちょっと変わった勤務状況の紹介がはじまった「パトレイバー」.近未来をいいことになんでもありなこの世界でも,今回のゲストはかなりの規格外.よくあるパターンなら正体は偽装されたレイバーってのが定石なんですが,ロボットものだけでなく戦隊ものもオマージュしている本作の場合は本物がひねりもなく出てきてしまうんだよな(笑).でも,あんなでかいのどこでどうやって飼ってたんだろう? 吼えるしよく食いそうだし動き回りそうだし,その上….

前半.秋晴れの空の下で響く「おお牧場は緑」.当時としても相当レトロで恥ずかしい様は,当時の10年後の未来と現在が掛け離れてはいないことを示す描写であり,同時にオチのためのフリでもあります(笑).歌の最後は「ホイ」であって「おい」じゃない.でもこの「おい」は歌詞ではなく,とんでもないものを見て呼びかける声.
ハイキング3人組の見た突然なぎ倒されている木々は,そこで何かが起きた証拠.さらに響く謎の咆哮.…ここにいるのは熊どころじゃない.レイバーを完膚無きまでに叩きのめすほどの,なんかとんでもない化け物がいるのだ!
…とまあ,そんな通報を受けても警察だって困るわけです.だって怪獣退治の組織じゃないし,そういうのはどっちかっていうと自衛隊の方が似合いだし.しかしセクショナリズムはいつの世でも強いもの.簡単に自衛隊に出張られては困る警視庁としては,全長10メートルの何かをなんとかするため…というよりは自分たちの縄張りを守るため,あえて捨て石を送り込みます.こんなときのためのお荷物,特車二課!
かくしてうさんくさい通報を回され,警察の面子を守るためのいけにえとなった第2小隊.主役の所属組織としては破格で冷遇されている彼らですが,それでも相手が未確認巨大生物となればやっぱり心が踊ります.だってまるで戦隊ものの主役みたいじゃないですか(笑)! そんなわけで怪物の正体も知らぬまま,第2小隊はのこのこと出動したのでありました.
現地では現場検証の真最中.さっき3人が目撃した全壊のレイバーが消えてしまったことからともすれば白昼夢説が有力視されそうな状況ではありますが,レイバーの残骸は残っている上,現場に残したリュックが切り裂かれて中身が誰かにごっそり持っていかれているから夢じゃない.しかもリュック全体に大量の唾液が付着しているのが怖く,それをぺろりとなめてみる警官の行動がさらに怖い(笑).そして,撤退しようとする一同の前に跳んで出てきて車を潰す,毛だらけで白い爪が異様に印象に残る生物…最近のアニメならばUMAと呼称されるに違いないこれを「エイリアン」と呼んでいるあたりに時代が出てますね.
てなわけで怪獣は間違いなくいると確定したところで到着する,本庁のお荷物特車2課.落ちこぼれに寄せ集め.はみだしもので金喰い虫と後藤自ら言っちゃうあたり,第2小隊の名は既に不名誉に彩られているご様子.エリート部隊の第1小隊はここまで言われないはずだから,以前のアスカ運用時に第2小隊が培った汚名というのは相当とんでもないものなのだなぁ.…なんせフォワードが太田だけだったもんな(苦笑).地元からは観光資源として生け捕りを依頼されても,トリガーハッピーで汚名の権化な太田がいる限り無傷は厳しい.だから「最悪の時には剥製でも納得してもらえますかねぇ?」
新人の野明は逮捕の手順を復習中.けれど中に人が入っていないなら,投降を呼びかけるあたりは当然無駄.目の前に怪獣が出現して,自分たちでそれを倒さねばならないとしたらどうしよう…稚気溢れる思考実験の1つですが,それが現実になってしまって「血が騒がんか?」と妙に喜んでいる遊馬がおかしい.でも,実際同じ立場になったら自分もあんな感じになるだろうなぁ(苦笑).ただし頭の中で作戦を練り上げても実行できるかどうかは別の話.特に2号機は汚名の権化が乗っているので,攻撃以外のカードが切れません.

後半.ターゲットが次に出現したのは近隣農家のニワトリ小屋.人を恐れず民家に近づいてニワトリを喰ったということは,いつ人がエサにされてもおかしくないということで大変に危険.…農家のじいさんは60年で初めて見たとコメントしてますが,そんな凄いのが何度も目撃されるような事態は凄く嫌だ(苦笑).もう猶予がないということで第2小隊も行動開始.2号機で汚名な太田が地元消防団とともに山中に入ります.…このあたりから,太田の大ざっぱな動きでひどい目に遭う消防団の人たちの細々した動きが実にコミカルで面白いのでお見逃しなきよう.
騒がしい2号機が怪物を山から追うのに対し,1号機は開けた道の出口で待機中.生物ならば逃げるときには開けた道沿いに来るだろうという,後藤の読みとひろみの見解による配置です.日が落ちて暗くなってくるのでできるだけ早く片づけたい…というところで太田が撮影したサーモグラフのデータに未知の熱源が! しかし動物にしては形が違う.発見されたこいつはただのレイバーで本命は…左に! そしてお約束の通り,リボルバーカノンを全弾撃った上に1発も当てられない太田(笑).香貫花の「あなたから射撃を取ったら何も残らないのに!」ってコメントがすっごく的確で,きついなぁ.
銃砲に追われて山から下りてくる怪物を迎撃するべく,出口にいた野明の1号機が坂道を遡上.読みは当たって道を逃げてくる目標に接近できたのはいいものの!相手は速い上に身が軽くてイングラムの頭が踏み台にされた(笑)! …これは大変に情けなくって屈辱的.しかし怪物にとってはこれが最終的に大失敗.愛機の頭を土足で踏まれて,野明の魂に怒りの炎がついてしまいます.
1号機を置き去りに森の出口へと逃げる全長10メートルの怪物.その先には無力なレイバーキャリアしかないわけですが,後藤の指示でキャリアの全投光機を怪物に向けて照射.いかに巨大であっても視覚を持つ生物.目のくらむ眩しさからは退きたいのが動物の本能というものだから,山に逃げ帰ろうとする怪物と1号機が再び接触.しかしそれは横に逸れて…背後から跳ぶ! 追い込まれて殺気だった怪物が死角から放ったチョップ.しかしそれを怪物以上に殺気立った野明が白羽取り!
根っから機械との相性がいいことが問題なメカフェチの野明は,大事な大事な愛機を踏み台にしたその罪を,未知の巨大生物に電磁警棒で教育.放映当時はただ面白くて笑ってた気がするけれど,今ちゃんと見てみるとこいつら無茶苦茶だ(苦笑).そこにさらに加わるのが隠れていたレイバーを仕留めたあとで山を降りてきた太田.わざわざ大木を持ってやってきたこいつはもっと無茶苦茶で事態は最悪の方向に….このあたり画面外で三つ巴の乱闘が台詞と効果音のみで繰り広げられて,クライマックスなのに実に省エネ.結局イングラム同士が倒れてくるところだけが作画されているのが見事なスカシっぷりです.

同士討ちはまあともかくとして,巨大な怪物の出所については製薬会社であったことが判明.10メートルの実験動物ってあたりが,ひねりがなくて当時としても奇妙にレトロ.さらに未知のレイバーについては製薬会社が実験動物を回収するために出していた機体であったことも判明.…このエピソードは最終的にはコミック版の「廃棄物13号」へと派生していったのかな.
実験から逃げ出して電磁警棒でびりびりとやられたかわいそうな謎の生き物.結局その正体が何かはラストまでわからないままですが,毛有毛現はコミックで描かれたオリジナルの残滓ですね.そんなこんなでなぜか能天気に歌を歌いながら埋立地に戻ろうとする第2小隊.選曲はもちろんチェコ民謡の「おお牧場は緑」! …冒頭の歌へと繋げた上に,「おい!」と咆哮で大変に後味を悪くする根性の悪さが素晴らしい(笑).確かに,誰も逃げたのは1匹きりとは言ってないもんなぁ….今はシリアスで思索に満ちた芸風でおなじみですが,書いてる奴が舌出してるのが見える,こんな伊藤脚本も大好きだ! 次回に続きます.

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