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デジモンセイバーズ#6

「殴った拳の行き先はの巻」

周囲に甚大な被害を与えつつもデジモンとの喧嘩に明け暮れる兄貴のマサルと子分のアグモン.最強のコンビだといつものように調子に乗っていたふたりだが,大好きな卵焼きの配分を巡って喧嘩.売り言葉に買い言葉でついには絶交してしまう.アグモンはデジヴァイスの中に引きこもり,マサルは一人でもやれると基地を飛び出す.けれどもはやマサルは普通の喧嘩では憂さを晴らすことはできないし,アグモンはマサルがいなければ進化できない.互いの意地で謝ることのできないふたりは,敵を前にしてもどうしようもなく無力なのだ.

回を重ねるごとにキャラが立ち,ただのアクに見えていたものの旨みがどんどん出てきた「セイバーズ」.やってることは古典だけれど描写は丁寧.台詞回しにもかなり気が使われているようで,キメるところはしっかりと台詞に出すだけでなく,あえて言葉にせずに描写で補うあたりも素晴らしい作品なので,ぜひ皆様にも一緒に追いかけていただきたい.
さて,今回はマサルとアグモンの仲違い.1話の拳と拳のぶつかりあいで作られたふたりの友情ではありますが,双方相当のバカであるためにささいなことで亀裂が入ったりはします.なので喧嘩の原因についてはあえてツッコみませんが…タッグ組んでたった5話で喧嘩ってのはいくらなんでも早すぎるだろ,お前ら(笑)!

マサルとアグモンの暴走爆熱コンビは今日も無駄に快調.双方とも戦うことが楽しいタイプであるために,同じ速さで敵に襲いかかる速攻・攻撃重視のコンビネーションを既に確立しています.アグモンのベビーフレイムで気を引いたところでマサルが横から殴り,そのまま進化させてメガバーストでとどめ,ってな流れはなかなか効率的.もちろん,周囲に与える被害を気にしなければの話ですが(笑).
確かに強いけど後先考えない迷惑なふたりのコンビネーションは,仲間にとっては実に頭が痛いもの.こんな奴らには一度事後処理を直接体験させちゃえばいいと思うんですが,たぶんやらせてみたら処理が進まないどころかむしろ仕事が増えたとかそんな感じか? 倒した後のことなんかもうどうでもよく,何よりも勝利することのみが重要.兄貴と子分が力を合わせれば最強! …周囲にとっては当然最悪.ララモンがヨシノの台詞を盗みたくなる気持ちもわかるなぁ.
バカはバカゆえに乗せるとどこまでも舞い上がり,しかしバカゆえにとんでもないところで躓きます.マサルとアグモンの熱い友情にヒビを入れたのはマサルの母,サユリ謹製のおいしい卵焼き.最後の1個を巡って本気で喧嘩するふたりのダメっぷりが見事(笑).そんなに卵焼きが好きか….子分ならば遠慮するべき兄貴ならば譲るべきと互いの主張をぶつけあっての大喧嘩.「居候3杯目にはそっと出し」とか難易度の高い言い回しをマサルが口走り,元ネタがテレビということで妹が呆れていますが,使い方を間違ってないマサルは頭自体は悪くないと思う.そもそも使ってないだけで….
売り言葉に買い言葉の口喧嘩はさらにエスカレート.アグモンはもう兄貴を助けにいかないと宣言し,マサルは俺のデジソウルがなければ進化できない癖にと嫌味.助けられていることやデジソウルが不可欠なのは互いにとっての逆鱗で,ゆえに事態は泥沼へ.兄貴子分の関係解消で絶交だ! …本作はじまってからやっと1ヶ月,ここでコンビの危機だなんて,いくらなんでも早すぎる(笑).…でも,こんな感じでこの先も時々大喧嘩するのも面白いかもな.
ふてくされたアグモンは普段は入りたくないデジヴァイスに引きこもり,同じくふてくされるマサルはデジヴァイスを置いて街に出る.他人の喧嘩は脇で見ていると実に馬鹿らしいものですが,この喧嘩も互いに譲り合えばすぐに解決するような話.…でもトーマが言うとおりに争う次元が低いかどうかは謎.なんせマサル母の卵焼きにどれほどの価値があるのか,トーマはまだ知らないからな(笑).
マサルとアグモンのタッグは互いの強みを生かして互いの願いを叶えるという,唯一無二の貴重な関係.マサルは1匹や2匹俺一人で十分だと言い放ってますが,本当に一人でなんとかなるなら彼は今ここにいないはず.マサルが自由を捨ててわざわざDATSなんかにいるのは,アグモンと一緒に合法的に喧嘩を楽しむため.アグモンがいなければここにいる意味すらもなくなるのです.
マサルに置き去りにされてひきこもったアグモンをいじってみるDATSの面々.オペレータのお姉さんたちはおいしいもので釣ろうとするも失敗.…この2人可愛い.ヨシノは女の子らしく喧嘩の行方を心配し,クールなトーマは傍観を決めこみます.3話4話でしっかりマサルとやりあったからこそ,周囲で何を言っても役に立たないことはよく知ってますからね.そして隊長の薩摩はさらに厳しい目をマサルたちに向けています.お互いがなぜ必要なのか,その答えはそのまま彼らがここにいる理由に直結するのだということにあのバカたちが気づけるかどうか….
人間と同じくデジモンたちもそれぞれに個性的で,ついでにそのパートナーと性格がなんだか似ています.アグモンがひきこもる理由を理解できない生真面目そうなガオモンと,この場にいる中では精神年齢が最も高そうなララモン(笑).ストイックで冷静なガオモンはパートナーと喧嘩などしないようですが,ヨシノよりも年上っぽい言動のララモンは毎日喧嘩.しかも原因が母が娘を叱るような内容なので大変恥ずかしい(笑).…ヨシノさんのララモン引っ張り具合,容赦ねえなぁ.
いくらバカでも,譲ればその瞬間に全てが解決することをアグモンだって知っている.だからこそアグモンはプライドにかけて自分から譲ることはできない.確かにマサルのデジソウルがなければ進化できないなんてことは,言われなくたって知っている.けれど,進化して,メガフレイムで敵にとどめを刺すのは自分であって兄貴じゃないのに….
一方,子分に造反されてふてくされたマサルは街を徘徊中.頭上の暗い空が同時に心象風景になってますね.尖った雰囲気でバッティングセンターに乗り込みストレス発散するも,ちっとも憂鬱は晴れないし,人間相手の喧嘩に興じてもむしゃくしゃは消えない.…絶対お近づきになりたくないオーラを放ちまくるマサルに喧嘩を売るなんで,なんて愚かな連中だろう.相手は生身で怪物を殴る男だぞ?
5人を叩きのめしてもただ刺々しいだけのマサルの姿は,きっとDATSに入る前の彼の姿でもあるのでしょう.強いものと戦いたいという欲の強い彼の場合は,自分以下を何人叩きのめしてもちっとも気は晴れない.人間など勝負にならない強敵を倒す楽しみを知ってしまった今ならなおさら.…この部分,普通はアグモンと喧嘩した苛立ちと解釈すべき場面だけど,あの性格を考えるとこっちの解釈も有効な気がする(笑).
満たされない欲にいらつきつつも徘徊するマサルに声をかける,いつものデジヴァイスのおっちゃん.今日は易者さんでご登場.易者の見立てでは,マサルの捜し物は見つからない.本当に必要なものは探さずとも現れるし,なぜ必要なのかに気がつかないなら所詮は必要としていない.要するに「お前アグモンいないと困るよな?」ってな内容を回りくどく言っているわけで,マサルに余計なお世話と吐き捨てられても無理はない.…このおっちゃん,DATSで一番偉い人のようですが,デジモンは連れてないのかな?

マサルに倒されたチンピラの一人,勝俣,一方的にやられるだけでは友情も生まれないようで,いらつきを信号機にぶつけていたら…信号の上にゲートが開いてエレキモンが出現.コカトリモンやドリモゲモンのときも人間が比較的機械の近くで強い欲求を抱いたことでゲートが開いた様子だったので,この街でやたらデジモンが出るのは欲求を強く抱く奴が多いから…のわけがないか.人間と反応している機械が特殊なのか,あるいは空間的に向こうに繋がりやすくなっているのか.どちらも自然と人為の両方が考えられるけど,海外に類似組織の存在があっても日本だけが特別ってのは何らかの意図が働いていると考えるべきか.
今回の敵であるエレキモンは軽量かつ帯電体質.「シンゴウ・カワレ!」と次々に信号を壊すついでに盗電しながら進撃開始.もちろん信号を乱され止められ交通は大混乱.ただし,ここまでド派手な爆発炎上な大惨事はやりすぎだ(苦笑).普通信号が乱れるときは一帯が一気に止まって全体的に麻痺するわけだけど,エレキモンの場合はごく狭い範囲の信号機だけが壊されていくからより悲惨なことになりやすいのかな.
マサルはこの現場に居合わせて,すぐさまデジモンを発見し追跡.電気を使って通信妨害をする小さな獣はマサルの手には届かない高いところを高速移動.信号を止めやがるおかげで追跡の最中に女の子がトラックに轢かれそうになったところに遭遇し,その身で庇ったりしております.実にヒーローらしい行動を一人でもちゃんと取ってるあたり,こいつの主役としての適性は相当に高いわけですが,命をかけた英雄的行為でも救えるのはたった一人で,しかも元凶を消すこともできない.ここにアグモンさえいればもっと沢山の人を一気に救えるんだけど,今のマサルは一人きり….
惨禍を撒き散らしながらエネルギーをも貯めて進むエレキモンはとうとう変電所へ.ここをやられたらもう局所被害では済まないわけですが,パートナーなしのマサルにはひたすら追いかけるくらいしかできることはなく…ってなところでようやくヨシノたちが現地に到着し合流.当然パートナーなしのマサルは普通に邪魔なわけですが,マサルに邪魔だから待ってろなんて命令するのは逆効果.たとえ相手が進化して大変強そうになったとしても,喧嘩番長の辞書に「待つ」とか「譲る」なんて言葉はない!
エレキモンが進化したガルルモンは,防御力が高く強い闘争本能と高い知性を持ち合わせた難敵.DATS側も進化させて挑もうとしたために場は怪獣大決戦の様相,とてもじゃないけど人間が混じれるような雰囲気ではないものの,無駄にプライドの高いマサルはこんなときすら意地を張る.…アグモンの「兄貴がピンチになっても助けてやらない」と言う言葉がどうしようもなく気に入らない.自分が助けてもらう存在だなんて,自分から認めるわけにはいかない!
だからマサルは「無茶を通して道を切り開く!」とどこまでも無駄に意地を張る.巨獣どもの間に入って彼なりに奮闘するけれど…仲間たちにとってはものすごく邪魔.しかも決定打を持たないマサルはただガルルモンに組みつくだけで,しまいにはその疾走に同行することに.…前回もそうだったけど,お前,ひたすらしがみつくのも得意だよなぁ.
マサルの粘りによってガルルモンは建設中の駅へと到着.もちろんマサルがわざと人的被害が少ない場所に誘導したのではなく,たまたま通りがかって広くて喧嘩しやすそうな場所に降りただけでしょう.ただの人間の武器はその四肢のみ.できることはごくわずかの上に力量差をひっくり返すだけの頭脳もない.それでもマサルは危険な相手に真正面から向かって…ついに1撃を入れることに成功.ただし殴ったことでデジソウルに光る拳は,その先が繋がらない.
とどめを刺す方法もないままにガルルモンに軽く撫でられて吹っ飛ぶマサル.消沈した心を示すかのように拳からデジソウルの光が消えるのが印象的.他の2人は特に殴らなくてもデジソウルを溜めることができるから,マサルの敵を殴らないとデジソウルが出ないってのも,多分に気分の問題なんだろうか.
一人では力が絶対的に足りない.倒すためのきっかけをその拳に宿しても,それがどこにも繋がらない….そんなことを戦いのなかでようやく痛感したマサル.アグモンが言った通り,やはりマサルは助けられる側.それは喧嘩番長にとってはひどく屈辱的なこと.けれどここで勝利を手にするためにはどうしても助けが必要で….間違いというよりは,己が目を逸らそうとしてきた事実に至るマサル.ひとりでは最強にはなれない…だから,「俺にはアグモンが必要なんだ! 俺はアグモンと一緒に戦いたいんだ!」

追い詰められ当然の事実に至ったマサルの絶叫に応えるように,ここでアグモン登場! 我慢して傍観していたアグモンもついには同じ結論に至り,例のデジヴァイスのおっちゃんに連れられてここにやってきたようです.ガルルモンはかなり長距離を移動したはずですが,動きとしては変電所より基地に近いところに戻ってきたのかな. …勝つためにはどうしても互いが必要だから,意地を曲げてでもやっつける.ふたりで!
マサルが進化させたジオグレイモン対ガルルモン.俊敏さではともかく,純粋な力勝負や火力勝負ではジオグレイモンに勝てる奴はいない.さらに言うならば「お前には,俺のデジソウルがついてるんだ!」…絶対に譲りたくない喧嘩の相手を兄貴から譲られて,子分が負けるわけにもいかない! かくしてふたりの力はガルルモンを見事打ち倒し,おかげであっさり仲直り.喧嘩に勝つためならば割と手段を選ばないこいつららしく,元の鞘に戻ってよかったよかった.
バトルのクライマックスがモンスターバトルとなり,主役が戦闘の中心に参加できないってのがこの手の使役バトル系の最大の弱点だったりするんですが,本作の場合当座は進化で主役を介入させることでフォローするという姿勢を示すのがこの回でしょう.でも,たぶん進化はこれだけじゃないよな? この次の段階に進化するときも,やっぱしマサルはもっと強くなった相手を殴らなきゃならないのか(笑)? 次回に続きます.

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