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桜蘭高校ホスト部#4

「ホントはとっても魅力的の巻」

女性向け恋愛ゲーム「うきどきメモリアル」の熱狂的マニアの宝積寺れんげ.彼女は鏡夜の容姿が大好きなキャラクターにそっくりであったために一目惚れし,ホスト部に押しかけた上に無理やりマネージャーに就任してしまう.れんげに言わせれば,鏡夜以外のホスト部の面々のキャラはぬるくて陰がない.今のバカみたいなノリでは飽きられるのは時間の問題という名目で,れんげが一同に新しいキャラ設定を強制的に与えるのだった

大変な高品質のままで深夜を驀進中の「ホスト部」.スタートダッシュの勢いを殺さずそのままに走っていく様子を見るのは実に気持ちのいいものです.本作の演出は毎度素晴らしいんですが,作画の力の入れ方も尋常じゃありません.和服柄の動きに合わせた適切な移動や,れんげさんのぐるぐる回りこみなどの難易度の高い映像がふんだんに盛り込まれて凄い.中でも素晴らしかったのがあのゲーム画面の加工.アニメよりもずっと柔らかで静的な描線と彩色.さらにモニター画面に見せるための加工.その妥協のなさは素晴らしすぎて,なんでここまでやるのかとむしろ呆れてしまう(苦笑).

前半.女性向け恋愛ゲームオタクのれんげお嬢様はパリまで来てひきこもってゲーム.親の育児方針と本人の資質が変な具合に化学反応を起こしたらしく,思い通りにのびのびと生きさせたらなんか凄い方向にすくすくと行ってしまったらしくて親御さんにはお気の毒.さらに父がれんげさんに取引先一家の写真を見せたことによって,彼女の暴走は室内の架空の世界から現実の日本へと大飛躍! 一体どこからジャンボ飛ばしてるんだろう…(苦笑).
まさか凄いのがパリから来ているとは知らないホスト部は,今日もいつものように営業中.本日のテーマは双子の母がデザインした和装と美少年の涙.思い込みの激しい環はきらきらと涙を流してお嬢様方を魅了し,双子たちは禁断の兄弟ホモに今日も勤しむ.ただしハルヒさんからすれば「またバカやってる」程度の感慨しか沸かなくなってるあたり,この味の濃すぎる娯楽にもすっかり慣れてしまったみたいですね(苦笑).
ホストとしてモノになってきたハルヒを励ますように脅すのはどう見ても悪代官な鏡夜.彼が気にしているのはホスト部関連グッズの薄さ.各種の関連商品で濃いファンから根こそぎ巻き上げるというのはこういう商売の定石だけど,素人の隠し撮りを集めた写真集じゃ主力商品としてはちと弱い….毎度の豪華な衣装や内装やイベントを維持するためには,鏡夜のマネージメントが不可欠のようです.
草履をかたっぽ失くして泣き,モリ先輩に履かせてもらうハニー先輩.ともかくよく泣いている今回のホスト部ですが,双子の袂からこぼれたのは目薬.濡れた瞳によろめかない女はいないからこそ涙だって小道具の一つ.ただしそんな小道具に頼るようではまだまだ修行が足りない.ろくな技術も涙もないハルヒの場合は,可愛い和菓子を母の仏前に供えたいという普通の行動でお嬢さんたちもろとも殿まで倒してしまうあたり,さすがは天然,テクいらず(笑).逆に目薬なしでも泣ける完璧なホストぶりの環はちっともハルヒの心を攻略できず,恋は一方通行.…たぶんハルヒにアピールするには,「にゃ」とか言っちゃうそのバカ殿ぶりをまずなんとかするべきですよ?
さて,そんなバカどもを覗いているのがパリから飛んできた変態,れんげさん.新しい客と誤解して双子や環が勧誘するわけですが,折角の美貌に張り手をぶちかまして「触らないでこの偽者!」とか言ってしまう剛の者ぶりが凄まじい(笑).確かにこの部であのアホが一番人気であるという現状は視聴者も割と信じられないところだし,愛の安売りでバカでナルシストで無能ってのも真実だとは思いますが,彼は王子キャラではなくバカ王子なのだし,凡人で最低は明らかに事実に反していると思います.環は一人スローモーションで爆沈.お気の毒(苦笑).
ただ愛のために1-Aに編入してきた宝積寺れんげは,なんと鏡夜の許嫁? 環はさっきのショックと鏡夜の婚約者の出現に落ち込んでおります.…ちなみに部内の家族設定の方は,この先もずっと引っ張られることになるはずです(笑).不思議なのは鏡夜のやさしい面を見て惚れたというれんげの言葉.誰にでも優しく決して見返りを求めず孤独を愛して寂しがりや…なんて奴は鏡夜ではないというのがホスト部の統一見解.そいつは誰かと思ったら,たまたま鏡夜にそっくりな,ゲーム「うきどきメモリアル」の一条雅君のことですか….オタが来た!と環と双子が即座に反応してますね(苦笑).
鏡夜が正確に理解した現状は,こいつはキャラ萌えが嵩じて見た目そっくりの自分にキャラを当てはめて押しかけた妄想の虜であるということ.もちろん奴の台詞は全て妄想なので現実には許嫁なんかじゃありません.この短期間でしっかり鏡夜周辺を調査してきたらしいみやびは,勝手にホスト部の看板娘としてマネージャーに就任.そして計算高い鏡夜の判断によって,ホスト部に変な女子マネが誕生してしまったのであります.
さて翌日.体育座りでよく落ち込む割に即座に立ち直る我らの殿は,女子マネも悪くないかといきなり前向きに.ハルヒと彼女を友達にすれば,ハルヒのざっくりぶりが少しは改善されるかも….確かに双子と一緒にいるよりは乙女っぽくなるかもしれないけれど,影響が強すぎて同じ趣味に引きずり込まれたらどうするつもりだこの偽王子(苦笑).
女子マネージャーらしくクッキーなど焼いてきたれんげ.ちょいと焦がして苦いクッキーは,甘いのが大好きなハニー先輩には不評.しかしそれほど甘いのが好きでないハルヒには香ばしくてそんなに悪くない…とかやっているときにちょっかいを出してくるのが双子.クッキーをハルヒに咥えさせてそれをかじってみたり,頬のクッキー粉を舐めてみたり….並みの乙女ならばメロメロあるいは真っ赤になって拒否するところですが,割に自然に受け入れた上に軽く流してしまうハルヒさんの少年っぷりはすっかり堂に入ったもの.環の想う乙女としては「お前のリアクションは間違っています!」(笑).
能天気で騒がしくて本能のままに行動しているホスト部一同.しかしそんな彼らに対し「総じてキャラがぬるい!」と言い放つれんげ嬢.…なんで漫画新人賞の審査員コメントみたいなことを言われなければならないのかはよくわかりませんが,どうやら彼らには陰が足りないらしい.本作はラブコメなんだから無理にトラウマなんかなくったっていいし,むしろこのバカみたいなノリこそ武器なんですが….まあ,何はともあれ新キャラ設定を導入することになります.
愛らしいハニー先輩には「可愛い顔して実は鬼畜!」寡黙な付き人のモリ先輩は「幼なじみの子分」,双子の「二人きりの世界!」はなんかいつものままのような….ハルヒには「激しいイジメ!」そして殿には「孤独な王子!!」…ラストが一番食い合わせが悪いよ…(笑).ちなみに鏡夜はそのままでいいらしい.今更キャラ変更なんて迷惑以外の何者でもないけれど,なんか妙に殿が乗り気になってしまったのでもはや誰にも止められない.「面白いことになるよ.たぶんね」という鏡夜の黒い言葉が,後半に現実となって炸裂するのです.

後半はいきなり上下黒フチつきでお届けします.バスケットにきらきらと勤しむ双子は馨が怪我して精神感応でお互い痛がって,そんな2人の関係を孤独な王子は雨の中でうらやましがる.こういうのがすれ違い傷つけあう少年たちの交差らしいですが,奴らの本性をよく知っていると気持ちが悪くてなりません(苦笑).さらに雨の中,ハルヒを襲うハニー先輩とモリ先輩の魔手.ブラックハニーは実に高飛車にハルヒを追い詰め,ついでにモリ先輩は先輩とは思えないほどに長い台詞を喋り(笑)…しかし,ハニー先輩は根性なし.いくら演技であったとしても,ハルヒさんに悪口なんかやっぱり言いたくないのです.
てなわけで,キャラ変更話がなぜかハリウッド監督を呼んで大規模な映画撮影になっているのはなぜだろう.原作者先生,作中でハリウッド映画化おめでとうございます(笑).金と権力を持ったマニアというのは実に厄介なもので,その性質の悪さは怪獣映画を国費で作ったあの人とかに代表されるところではないかと思いますが(苦笑),どうもれんげさんは豪華なスタッフを揃えて実写でうきメモを作るつもりのご様子.ちなみに双子は馨攻めという設定がご不満らしいですが,そっちの知識がないハルヒには何のことだかわかってない.…双子はなんでそんなに詳しいんだろう.ホスト部での役作りのために各種資料を取り寄せて研究したりしてるのか?
撮影の合間,まるで懐いた仔犬のようにハルヒのところに走ってくる環.ご本人は自分の新たな一面が開拓できたと上機嫌なんですが,ハルヒは今のままでいいと思うと回答.もちろん雨に濡れて変に陶酔している面倒くさい奴よりは,晴天の下で天真爛漫なバカの方がマシって話なんですが,そんな真意を知らない環はとってもうれしそう.…やっぱりヒロインはこの人がいいよ.絶対(笑).
残る撮影は終盤のクライマックス部分.悪役の登場によってばらばらの一同が団結していく様を描いていく段階となり,急遽キャスティングされたのが本校在籍のジャパニーズマフィアのご子息たち.…あまりにもそのまんまな配役を本人たちの前で主張するれんげ嬢は考えなしであり,不興を買って突き飛ばされても仕方のないところ.しかし飛ばされた先には機材などが.これはまずいと,ハルヒがその体でれんげをかばいます!
痛みを堪えつつもれんげの過ちを正し,「枠で人を計ってたら本当に大切なものが何も見えなくなるよ」と語る男前なハルヒ.あわてて駆けつけた環が見たのは,そんなハルヒの大粒の涙….ここで殿が豹変していきなり巻き込まれたご子息たちを脅しにかかるのが勇ましい.普段はひたすらおちゃらけてますが,ここぞという時には真剣になってくれるところは,変なキャラいじりよりもずっとハルヒさんにアピールできるんじゃないかと思います.
事態は誤解であり悪いエキストラは逃げたものの,環はまだ泣いているハルヒが心配でたまらない.でもこの涙は実はコンタクトがずれた痛み…ってことは,さっきの殿の大変真剣な表情も威嚇っぷりもあんまりハルヒさんには見えていなかったってことだよな(苦笑).ともかく大事がなくてよかったと環は笑い,ここまでの流れがあまりにも素晴らしかったのでれんげは感動し…けれどこの撮影は,鏡夜の石を握った拳によって中断されます.

カメラのレンズを割って撮影を中断させた鏡夜.部員の暴力行為は残せないとお怒りの彼は,これまでかぶっていた猫をかなぐり捨ててその本性を示します.それはれんげが憧れていた優しいゲームの彼ではなく,腹黒く冷血で計算高い(笑)鳳鏡夜….それはれんげの望む彼ではないかもしれないけれど,そもそも優しい鏡夜なんて鏡夜じゃない.想っているのと違うからこそ,ちゃんと人を見て,少しずつゆっくり知っていくのが楽しい….今やこの部にすっかりなじんだハルヒさんも,見た目からはわからない彼らの変人ぶりを知るのが結構楽しくなっているんじゃないかな.本当を知ることはゲームなんかより,きっとずっと面白い!
てなわけで数日後,なぜかあの撮影作品はビデオとして好評発売中(笑).マニアなれんげの暴走が必ずやグッズ制作に結びつくことを見越して放置し,自分の部に必要ない部分以外はしっかり商品として生かしてしまうあたり,大変に抜け目がなくて実に鏡夜らしいよなぁ….そして殿の計算を超え,れんげ嬢はハルヒさんに惚れてしまっておかしな関係に.殿の期待した清純な女の子同士のきらきらなんかではなく,たぶんまったく別の深夜番組系なジャンルです(笑).…さて,見た目と中身はかなり違うってことがよくわかった今回ですが,能天気で影がないという彼らの外見はどの程度本当? 次回に続きます.

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