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デジモンセイバーズ#8

「仮初の恋にも本気の巻」

マスコミ騒然の華村ネオンの熱愛報道.そのお相手はなんとあのヨシノ! これもDATSの任務の一環で,華村とデジモンの関係を疑った隊長がヨシノを単独で潜入させていたのだ.ただし華村と幼馴染というヨシノの態度は任務上の演技とは思えないほどに親密で,やたらとかばうあたりがなんだか怪しい….そしてヨシノの華村に対する信頼とは逆に,事態は深刻な方向へ.ケラモンの仕業と思われる電波ジャックに乗ったのは華村のプロモーションビデオ.彼がデジモンを匿っているのは間違いない.

物語の自由度の高さを生かして多彩な展開で視聴者を楽しませてくれる「セイバーズ」.その基本構造や方向性は,アニメよりは特撮戦隊や刑事モノドラマに近い感じで推移しています.物語自体もやや高年齢向けのボリュームのあるものとなっていて,甘く見ていると意外と腹一杯になるので侮れません.…回によってはあまりに濃すぎて,原作を水増しして薄まった作品に慣れていると腹を壊してしまうかも(笑).
何を待つ必要もなく,やりたいことをやりたいペースで描けることがオリジナル作品の最大の強み.物語の密度をどこまでも上げられることこそ,莫大な物語の中から選抜されてきた原作つき作品の面白さに勝つための最大の武器と思うので,この先もぜひ濃い目でお願いしたいところなんですが…あんまり濃すぎるとちびっ子には意味がわからなくなるのが大問題(苦笑).特に恋愛モノってのは,意外と理解しきれなかったりするんだよなぁ.

今回の主役はDATS3人衆の紅一点であるヨシノ.特に戦闘以外では地味ながらも有能な彼女が今回担当するのは潜入捜査.それも捜査対象の恋人となって内情を探るってんだから凄い女スパイっぷりです.…しかし,話はそう単純ではありません.
第1の問題は相手が有名すぎること.今回のターゲットである華村ネオンはマスコミの寵児.その恋人役のヨシノも当然マスコミに追われることとなり,テレビ見ながらのん気にラーメン食っていたマサルにラーメンを噴かせることになります(笑).しかもマスコミはヨシノの名前も勤め先も突き止めている.これは,秘密組織であるDATSの存在が表に出る危険と隣り合わせの危険なミッションなのです.
第2の問題は仲間に嫉妬されること.女性なら誰もが憧れる美青年の恋人役なんて,そりゃもう同僚から見れば羨望の的.いつもお世話になっているオペレータのお姉さんたちだってヨシノに詰め寄るってなもんですよ.しかしこれは隊長の采配.ヨシノがたまたま華村と幼馴染だったことを利用して,時を置かず一気に彼に接近することに成功したわけです.
華村とデジモンの接触がはじまったのは恐らく1ヶ月前から.潜伏しているデジモンは電子機器を操るケラモンってなところまでは判明しているんですが,華村の匿い方が巧妙で,ついでにハイテクビルに忍び込むのは敵の腹の中に入るようなものなので考えなしの強行突入は危険だからこその絡め手.…ここで話に出てきたDATS2課.どうやら捜査専門の部署のようですが,この先接触することもあるのかな.
そして第3の問題は,潜入した捜査員が既に容疑者に特別な感情を抱いてしまっていること.久しぶりに再会した幼馴染が異様にかっこ良くなっていて,しかも自分にやたら好意的ともなればぐらつかない方がおかしい.…普段傍にいるのは常識外れのバカと常識離れした完璧超人で,両方ともヨシノからすれば手間のかかりすぎる弟みたいなもんですからね.
本名で呼んでみるあたりはまあいいとして,夜は一緒に手料理を食してみたりと完璧にやりすぎなヨシノ.一応仕事のことは忘れてはいないようですが,デジヴァイスでララモンが同行してなかったらもっと深みにハマっていたのは間違いなさそう.そして恋人にも入室を許さない華村の秘密の仕事部屋に,今回の敵が潜んでいるのは間違いなし.ここさえ開いてしまえばヨシノの任務もあっさり終了となるはずなんですが….
ちなみにこの華村ネオン,デジモンの効果もあってかヒットチャートを大進撃中.マサルはネオンの魅力なんぞ欠片もわからないわけですが,妹のチカは大変よくわかるのでサインをおねだり.一応DATSは秘密組織のはずなんだけど,あれだけアグモンの口が軽いってことはかなり重要な情報もマサル家族は知っている可能性が高いなぁ….面白いのがマサルの他人のプライバシーに対する態度で,彼の倫理観が思った以上に正常であることが示されます.喧嘩バカでさえなければ,本当にいいお兄ちゃんなんだけどな.
さて,華村はご期待通りに例の仕事部屋でケラモンとつるんでおりました.ヨシノ曰く一人じゃ何にもできない華村は,ケラモンの能力を使って大規模な電波ジャックを実行.正常な精神状態ならばこんな大それたことはできないはずなので,ケラモンとの接触時間の長さによって自制心が麻痺してきているのだろうか.止まったはずのモニターにすら映る華村ネオンの新曲プロモーション.…これ以上のことをやらかされたら,社会が麻痺してしまいかねない.

異変に気づいて駆けつけたマサルが見たのは,すっかりネットジャックされている基地内部.発進元不明の無差別配信は間違いなくターゲットの仕業であり,ついでに潜入捜査しているはずのヨシノからは応答がない….ここで何も考えずに飛び出して,例のビルに押しかけるマサルが実にマサルです(苦笑).一応この段階ではヨシノとララモンは無事だったわけですが,警備員を吹っ飛ばして不法侵入した上にネオンにまで掴みかかったバカのおかげで折角の潜入捜査も台無しに.
ネオンを掴み,デジモンを使って何を企んでいやがる!と恫喝するマサルの頬に平手打ちするヨシノ.他人の迷惑を考えろとヨシノは叱りますが,もしマサルが静観していたらヨシノが戻ってこられなくなった可能性もあるので,やり方は良くないものの全て間違いとも言い難い.けれどそんなマサルの正しさは無視して,華村の頬にキスして帰るヨシノ.…彼女はきっと,演技ではなく好きなんだろうなぁ.
新曲ダウンロード数を水増しするくらいなら芸能界は乱れても社会はそう乱れないけれど,昨日のネットジャックはもはや放っておけるレベルではない.一刻も早く犯人を捕えてデジタルワールドに送還するべきと判断し,隊長は現場の強制捜査を命令.完全に情の移ってしまっているヨシノは確証がないと止めようとするものの,むしろヨシノには私情があると強制捜査から外される始末.
トーマがリーダーの強制捜査は0時よりスタート.しかしその直前にヨシノが対象に接触を試みに行って計画ガタガタ…ってこともない.実は事前に隠しマイクまで仕掛けられていたヨシノ.あれほどの私情っぷりを示した上に突入チームから外された女性がどんな行動を取るかってのは,トーマには至極読みやすいものであった御様子.…普通はどんな奴でも楽勝で読めるのであって,全然読めないマサルとかが異常なのだ.ヨシノが中に入ったのを見計らい,マサルは内側,トーマは外側から侵入を開始.状況を知らないヨシノには気の毒ですが,ここは彼女の命を守るためにも頑張らねばなりません.
一方,外の状況を知らないヨシノは決着をつけるために華村の部屋に侵入.…あの付き合いなら合鍵ぐらいは当然持っているよな(苦笑).ただし例の仕事部屋の中だけは一度も覗いたことはないわけですが,今宵は例の禁断のドアが内側から開く.…収録に出かけて無人のはずの室内からケラモンとともに出てきた華村.彼はデジモンの存在も内偵捜査も,ヨシノが何のために近づいてきたのかすらも知っている.
華村のデジモンへの依存はもはや後戻りできないほどに深く,幼馴染で仮初の恋人の言葉にも従わない.悪いケラモンの能力を使って自分の欲を満たすことに何の疑問も抱いてないあたり,デジモンが人間に与える影響というのは相当深刻.口封じのためにケラモンはヨシノたちを掴み…アグモンの炎とともに,無謀なマサルが助けにやってくる!
デジモンを引き渡そうとしないネオンを早速殴るマサル.ケラモンの力に頼ってどうすると,そんなのは実力ではないと喧嘩番長がお説教.…マサルもアグモンと一緒にやってはいますが,マサル本人は決して自分の力で戦うことを放棄してないからこそ許される言葉.しかし華村は止まらない.「馬鹿にするのもいいかげんにしろ!」と絶叫してケラモン進化,クリサリモンに.ここまでくれば後はデジモンを力づくで倒すのみ!
ビルの屋上を突き破ったクリサリモンにまず挑むのはトーマとガオモン.サイズ的に相手にならないのですぐに進化してガオガモンとなるものの,クリサリモンが上手くビルの施設を利用してくるもんだから実に厄介.…つうか,もうちょっとトーマも天才なんだから状況を利用して戦えばいいのに(苦笑).
貯水槽の大量の水にやられて進化が解けたガオモンに代わり,アグモンがマサルとともに最前線へ.マサルは殴ってアグモンを進化させるも,クリサリモンはガスの配管を使って対抗.ビルの施設は生かしてるけど,あんまりハイテクの方は生かされてない….純粋な力勝負ならばジオグレイモンに勝てる奴などいない.メガバーストで押し返して勝ち,これで事件も解決だ! …まあ,アグモンは普通に腹減らしているわけですが(笑).

さて今回のこの物語,もう一人ゲストがいたわけですが,彼ときたらゲストキャラとして明らかに落第.影に隠れてじっと華村のスキャンダルを狙っていたカメラマン,仕事が中途半端なだけでなく,途方もなく地味でまともに話にも絡めないってのはどういうことだ(笑).もうちょっとすれすれで過激な活躍をしてくれなきゃ出てきた意義すらないわけですが,最後もさらっとぴかっと記憶処理されて退場って…い,いなくてもよかったかも….
そしてヨシノは華村ネオンにも記憶処理.これまでの偽りの1ヶ月間は一瞬の光に溶けてしまうわけですが,ヨシノだけは一人覚えていなければなりません.ネットジャックとかやらかしちゃったので今回の証拠隠滅作業は大変だろうけれど,きっと人々の記憶からはすぐにスキャンダルも溶けて消えていき…そんな中で唯一出来事を大事に抱えなければならなくなったヨシノは,かなり甘いけれどいい女じゃないかなと思いつつ,次回に続きます.

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