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桜蘭高校ホスト部#9

「徹底しすぎは腹が立つけど面白いの巻」

2日連続で行われる,桜蘭学院の文化部発表会.他校の文化部も招かれるという大規模行事の最中に,ハルヒは聖ロベリア女学院の紅薔薇の君に出くわしてその正体を見抜かれてしまう.ロベリアのヅカ部のトップである彼女はハルヒの天性の才能を認めてホスト部および桜蘭からの引き抜き交渉を開始.ホスト部の悩殺技がまったく通用しない彼女たちとホスト部との舌戦…というか一方的侵攻の中で,ハルヒは思いがけない話を耳にすることになるのだった.

高い技術でやりたい放題でおなじみの「ホスト部」.深夜作品の中では桁違いの美しさを誇る本作に今回来襲するのはヅカ部.細い手足で鋭く尖った女性たちの姿は「ウテナ」のキャラクターを彷彿とさせ…もう崩れそうなくらいに面白い(苦笑).根本的にエキセントリックで鋭く尖った「ウテナ」と,そんな異常ぶりを笑いの方向に持っていきたい常識人な「ホスト部」は,様式美的な美しさ以外はあまり似ていないと思うんですが,女性3人が様式美を盾と矛にして暴れた今回は時折あの傑作を彷彿とさせる瞬間があったようななかったような(笑).そしてそんな様式美に対してひどい仕打ちを平気でやってのける「ホスト部」は本当にやりたい放題だ.少女漫画誌で少女漫画を茶化してきたアナーキーぶり,大爆発.

前半は長い.普段の赤やピンクではなく,人工的な青いバラの散る中で回転しながら3人の変態が迫っていることなど知らないハルヒは,教室でクラスメイトに文化部発表会について教えられておりました.2日ぶっ続けで他校まで招くイベント.以前の勉強一筋のハルヒさんなら無視して帰りそうだけど,ホスト部で多少なりと学校に繋がりができた今は,きっとなんとなく見にいきたいに違いない.それを妨害するのが同じクラスの常陸院の双子で,ハルヒは庶民コーヒーの仕入れに行かされることに.双子が彼らなりのご機嫌取りとしてハルヒさんを磨き上げてるのが面白い.
インスタントコーヒーすら探せず自分をパシらせる金持ちどもにほとほと困っているハルヒですが,同級生のお嬢さん方からは素直に感謝されているご様子.双子を中等部から見てきた彼女たちの目からすると,最近の双子のとっつきやすさは顕著.2人きりの世界の殻にこもっていた往時の彼らに比べると,ハルヒ入部後にその社会性は相当改善されたとのこと.
今でこそれんげさんと庶民コーヒーについてクラスで談笑できているものの,ホスト部に入りハルヒと出会わなければ2人があんな楽しそうな表情を見せることもなかったはず,真似事とはいえ女の子たちを毎日もてなし,さらに粉を溶かして飲む壮絶なコーヒーのような新文化に触れたことで起きた変化.話す習慣づけと話さずにいられない刺激のセットは,2人の殻を破れる程度に強いものであったらしく…そんな双子の様子が同級生には大変うれしい.「だって,毎日が楽しいのって大切なことでしょう?」
さて,どうやらホスト部は文化系ではないらしく,発表会には無関係で通常営業.そこに恐るべき敵が近づきつつあることを,彼らは知らなかったのでありました….第3音楽室に突入したのはまず2人.ホスト部の今日のコスプレは中世の貴族騎士であるわけですが,この麗しい姿にも2人は無反応.さらに一応キングの殿自らが先陣切ってご挨拶するものの,殺し文句にダメ出しされてしまうだなんて!
君のことを命に代えても守る騎士になりたいという,殿の砂糖菓子な台詞を傲慢と切り捨てる2人.己の名誉ばかりを求め,自分の身すら守れない,そんな恩着せがましい存在が女を喜ばせることができるものかとずんばらり.…たとえば殿のハルヒに対する父心なんてのは明らかにこの方向なんですが,それではやっぱりダメですか? ダメだよね(笑).
ではどうすれば女の子は満足するのか.その正答を語るために殴り込んで来るのが3人目.…恋人を決して一人にはしない,ともに戦い叶わぬならともに果てよう!とロマンチックかつ女性の戦闘能力を尊重した回答を出す長身の麗人の傍らには,なぜかハルヒが(笑).パシリ途中に転んだハルヒを救った上に,その性別を一目で見破ったロベリア女学院の華麗なる女王はハルヒの手の甲に口づけを.…巻き込まれ型主役のハルヒさんですが,今回は随分とめんどくさいのにからまれちゃったなぁ(苦笑).
うちのハルヒに触れるなと父心全開の環のアタックを一蹴するロベリアさんたち.本気で戦おうとするのは環のみで,他の連中は戦意のなさを示すかのように騎士姿とは無関係なものを手に持ってるのが面白い.鏡夜のソフトクリームの意味が一番わからん…(苦笑).桜蘭のアイドルどもをつかまえて,噂以上の低脳で寄せ集めで歴史なしとけなす3人は,颯爽と制服を脱ぎ捨てて正体を明かします.
脱いだ中には舞台衣装! 陶酔とともに自己紹介! 彼女たちこそロベリア女学院の紅薔薇・鈴蘭・雛菊の…百合の花咲き誇る白百合の会ことヅカ部の3巨頭! うわーやっちゃったー! ホスト部ですら時折許容量を外れたときには痛々しくなるわけですが,ロベリアのコレは完璧に致死量.そりゃ視聴者だって画面見て吹くさ(苦笑)!
幸いなことにロベリアが面白いのは作中人物たちも同様で,双子が大爆笑してくれるのがありがたい.けれど侮ってはならないと強力モーターを回しつつ,インスタントコーヒーがわからなくても女学校萌えはわかる女,れんげさん登場.創設30年の歴史あるヅカ部は,乙女のための娯楽を乙女によって提供するという女性至上の珍奇な部活で,こんなもんが部活として成立する異常性についてはホスト部といい勝負.れんげさんの守備範囲からは外れるようですが,それでもここまで把握してるのは偉…くはないか.
乙女の美は外見と精神.それは男性の庇護なく輝くものであり,彼女たちの誇りは同性同士という魂のみで繋がり会う関係.それはもちろん恋愛でも…というウーマンリブなんだかフリージェンダーなんだかわかんねえ濃すぎる芸風を恥ずかしげもなく主張するヅカ部.あまりにも濃すぎてホスト部が既に飽きちゃってるのが自由すぎるなぁ(笑).ただし無駄に濃いヅカ部にはホスト技は無効.しかも彼女たちのターゲットは,ホスト部の至宝であるハルヒさん!
ハーフの部長以下ちゃらちゃらと偽りの愛を演じ女性蔑視の上私利私欲のために部活動を行う,そんな腐ったホスト部は即刻廃部にしてみせる!と凛々しく言い放つヅカ部さんたち.女と女でラブラブというあまりに濃すぎる芸風に耐え切れず環は寝込んでしまってますが(笑)ハルヒさんが狙われているとあっては休んでもいられない.なんせハルヒは喧嘩を売りにきた彼女たちにコーヒー出すほどのざっくりぶり.ホスト部への帰属意識はきっと誰よりも希薄です(苦笑).
ハルヒを救うべく飛び出した殿はバナナの皮で滑ってコーヒーに指を突っ込むドジっ子ぶりを披露.まるで話をうまく展開させるためにやらかしたドジのようにも見えますが,実際にそうなので弁解のしようもありません(笑).ここでハルヒさんが持っていたコーヒーのおまけの傷テープこそが,この先のある意味壮絶なオチに繋がっていくのです….
話は戻り,こんな下賎な部に逸材ハルヒさんを置いてはおけないと,かなり強硬な手段でハルヒさん取得を目指してくるヅカ部.なんせヅカ部の披露したホスト部の汚点?はすべて真実.環はフランスと日本のハーフだし,ホスト部の歴史は2年しかないし,サービスだってポイント制だし….部活の範疇を越えて本格的に営利目的であったホスト部の実態を知って愕然とするのが横で聞いてたハルヒさん.以前の写真集もDVDも校内で大っぴらに売ることはさすがに躊躇われるはずなので,学内専用のオークションサイト経由で流していたんだろうな.
オークションで高値で落としてくれたお得意様に特にサービスを篤くするというホスト部のビジネスモデル.そこに不可欠なのはお嬢さんたちが落札するための何か.金を間接的に移動させるためのライターの石みたいなものが必要になるわけですが,オークションで扱われていたその石が自分の私物であったことが判明していきなりハルヒさんおかんむり.本人の知らないところで他人に売りつけるだなんて,失礼にも程があるってもんですよ.
自分の落とし物を勝手に出品されて怒るハルヒにあわてて環が謝るものの,代替のクマちゃんシャーペンも環の出生の秘密もハルヒの怒りを静めるにはあまりにも無力っていうか逆効果.見事ホスト部とターゲットの間に大きなヒビを入れたところで,ヅカ部は明日の襲撃を予告して退場.…終わりの方はヅカ部そっちのけで内輪もめに夢中だったわけですが(笑)怒ったハルヒさんも帰ってしまって大変だ.
ただの電気屋のおまけであったシャーペンに翻弄されるホスト部の皆さんは,ハルヒの才能に恐れを抱きます.どっちかというと男物好きで,女の子のちやほやも悪くない上に男装のバレなさぶりも素晴らしい彼女は,ホスト部よりもむしろヅカ部の方に向いている気が! ロベリアならば編入も借金返済もなんとかできてしまう.そうなったらハルヒさんが取られてしまう…この窮地を救うべく殿が提案したとんでもない秘策とは!

後半はオチ! どんな内容かは不明ながらも,桜蘭での公演を大成功させたヅカ部の3奇人は意気揚々とホスト部へ.目的はもちろんハルヒさんの取得.あんな場所にいるべきでない乙女のために,3人は気合十分で再度音楽室に踏み込むわけですが…まさかそこにあんな異形が待っていようとは(苦笑).
第3音楽室の暗い扉の中.そこに浮かび上がるのは桜蘭ホスト部のお姉さま方! 痛々しくて涙の出そうな大失敗厚化粧はヅカ部に対しとんでもなく失礼.もし本気でこの格好がお姉さまだと思ってるなら全力で殴りに行きたい程度の面白さであり…たぶん環は本気だから凄く殴りてえ(笑).バカ殿の頭脳から生み出されたこの大惨事は題して「オマケ大作戦」.ホスト部が女装することにより,お兄様に加えてオネエ様まで楽しめるという庶民まっしぐらの秘策! …環やノリのいい双子やハニー先輩はともかく,鏡夜お母様はよくこんなのにつきあってるなぁ.モリ先輩はなんともならなかったのだろうなぁ….
で,目の前で展開する精神攻撃に爆笑したハルヒ.確かに彼らはバカですがこれほど病が深かったとは(苦笑)! もちろん環以外はこの格好が面白いのをちゃんと知っているはず.己が恥をかいてもここまでやったのは,純粋にこてこて女装が面白かったのと(笑)ハルヒさんの苛立つ心を鎮めるため.ここにはない刺激を持ち込んでくれる存在がいなくなるのは大きな損失.もはや借金返済なんかどうでもよく,ハルヒにここにいてほしいのです.
そしてハルヒさんも,やめるつもりはないとヅカ部に宣言して残留決定.ホスト部自体にはそれほどの愛着はなさそうですが,学校に通う方にはっきりとした目的があった御様子.環たちとハルヒの間には未だ温度差があり,その溝はこの先もあまり埋まりそうにもないという事実がどうにも切ないけれど(苦笑),一緒にいてくれればいつか強い帰属意識を持ってくれる日が何かの間違いで万が一にも来ないとも限らないし!
ひっかき回して結局何もできず捨て台詞を残して帰っていったヅカ部.しかしあの面白い連中がいつまた来ないとも限らない.この楽しい毎日を維持するためには不断の努力が必要ですが,無理やりのれんげさんのアオリは必要ない気がします(笑).…この毎日って,ハルヒにとってもやっぱり楽しいものだよな? 次回に続きます.

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