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デジモンセイバーズ#11

「欲は人が生むものの巻」

勝手に饅頭を食べた子分の責任を押しつけられたマサルは,友人の家で作っている日本一のしらとり饅頭を買いにいく.けれど借金で身代を潰しかけている友人の父には饅頭を作る余裕がなかった.ところが,金が欲しいと強く願う彼の心に応え「神様」が出現したときから,金の巡りが変わりはじめる.「神様」の見えない不正によって馬券は当たり放題.父はあっという間に大金に耽溺していく.

キッズ向けとしてはかなり濃厚な物語を楽しめる「セイバーズ」.基本的に1話完結のスタイルを取りながらもその背後で大きな物語を展開させているので,深いところを見ているとどうしても次回が気になるのがいい感じ.ただし次回からは大きな話が動くので,ラストでは連続モノとしての強いヒキが描かれているわけですが…変に笑えるんだよなぁそれが(苦笑).
今回自体はマサルが主役の回としてはかなり穏やかな話.たかが蔵とかが炎上崩壊する程度ですからね(笑).デジモンと欲の関係をマサルにすらわかるように易しく描き,同時に,喧嘩バカであること以外は驚くほど正常で健全なマサルの倫理観についても描かれます.彼が今こんな風に考えるのは,生来の才能なのか,父親不在の環境のためか,母の教育の賜物なのか.…うーん,あとはもうちょっと考える習慣さえあれば.

これまでの事件から気になる共通点を見つけ出したトーマは,検証するための時間が欲しいと隊長から許可を取り付けすぐさま渡米.実に豪快な行動力も,やはりあの財力あってのものだよな.てなわけで今回はトーマが欠勤となった期間に起きた事件を描きます.
DATS本部ではトーマの渡米の理由を知らない隊員たちが早速不平不満を全開.最初は無駄口などなさそうな職場に見えたんですが,今はもういないとなれば誰止めることもなく悪口全開なのか…(笑).マサルたちの活動を支えてくれるオペレータの黒崎さんと白川さん.脇役なんだけど回を重ねるごとにキャラが立ってきてますね.2人ともホーンチェスモン持ちだから,何かの時には現場に出たりもするのかな.
さて,妙齢のお嬢さん方は特にうまいものに関しては目がありません.折に触れてうまいものを平等に提供していると,大幅に女性からの好感度が上がるので職場でぜひお試しください(笑).逆にそんな連中が楽しみにしている食い物を勝手に喰うと本気で憎まれますが…アメリカすらわからないアグモンがそれをやっちゃった.楽しみにしていたレアな饅頭を勝手に食ったら,そりゃもう本気で憎まれますとも(苦笑).
生まれつき大変に卑しいアグモンの失敗はそのまま兄貴の責任へと転嫁.マサルからすれば大変ひどい話ですが,兄貴の責任ってものはどうやらそれほど重いらしい.てなわけで落し前をつけることになった兄貴は,なくなったレア饅頭の代わりにしらとり庵のしらとり饅頭を持ってくると約束.かくして饅頭獲得までの実に長い自主ミッションが開始されます.
日本一としてなかなかの知名度を誇るしらとり饅頭.実はその饅頭を作っている和菓子屋はマサルの友達の家.…あの喧嘩バカに普通の友達がいたことに新鮮な驚きを感じますが(笑)まさかそんなレアな相手の家で狙ったように事件が起きるとは….やっぱりマサル自身がデジモンをひきつけてる部分もあるのかな.
饅頭を手に入れるために和菓子屋に向かったマサルが目にしたのは,友人の父を脅す金貸し2人.強硬な取立てはもちろん許されるものではないけれど,普通借りなきゃ借金ってのはできないもの.いかにも悪人と思い込んで問答無用で襲いかかるマサルの喧嘩番長ぶりがもう…だからもうちょっと考えろよ(苦笑).饅頭を買いにきたただの客こと喧嘩バカはあっというまに大人2人をノックアウト.金を貸して殴られて,借金取りにはいい迷惑です.
マサルが暴れたあとで登場するのが,友人である耕一郎君.眼鏡で温和そうな彼がなんであのマサルなんかと友人なのかはよくわかりませんが,しらとり饅頭が相当美味いってことは…餌付けかな(笑).当初の目的の通りマサルは饅頭を求めるわけですが,現在しらとり庵は開店休業中.
マスコミが作ったブームは一過性のもの.あまりの忙しさに母が体を壊し,半月店を閉めたら客の入りもリセット.ここで元に戻っただけと気持ちを切り替えられればよかったんですが,それをきっかけに職人はやる気をなくして借金暮らしへと突入.絵に描いたような転落ぶりだけど,似たり寄ったりの実話って意外とあるもの.てなわけで饅頭は現状存在しないわけですが,その程度で漢が一度誓った言葉を撤回するわけがなく(笑)マサルは持久戦を開始します.
一刻も早く更正してほしい友人の父親の御様子ときたら,蔵に入って必死で金目のものを探しちゃうというダメっぷり.健康な体と良い腕があるのならそれを使い外から金を儲けることを考えるべきであり,手持ちの財産を食い潰そうとするのは腕と意欲を腐らせる最悪の選択.けれどこの場当たり的な金に対する欲求に古いラジオが反応し…開いてしまうゲート.出てきた禍々しい「福の神」は,赤い目で意識の底にもぐりこみます.
デジモンにとり憑かれた他の人たちと同様に,父は息子の反対を押し切って,欲望のままになけなしの金を握ってギャンブルに向かいます.その形相に嫌なものを感じたマサルは,様子を見にきたヨシノとともに友人の父の行方を追ってみることに.…あの派手な車に派手な格好の年上の女性と普通に話しているマサルの姿は,かなり不思議であるに違いない(笑).
出てきたピコデジモンたちを神と崇めるおじさんは,568と唱えて3連単を購入.その数字に合わせるようにピコデジモンたちが見えないようにこっそりとレースを操作して,見事に場内が揺れるような万馬券が的中! …ここでもララモンがデジモンの気配に気づいてもアグモンが気づいていない.デジモンによって感度の質にかなりの差があるのは間違いないみたいですね.
たぶんデジモンが関係していると判断したヨシノは一度本部に戻ることをマサルに提案.しかしアホの子は饅頭を作ってもらうまで本部には帰らない男に二言はねえ!と意地を張る.お前もDATSの一員ならば,デジモンと饅頭ならデジモンを優先してくれよ…(苦笑).ただししらとり庵にデジモンが関わっている可能性は高いはずなので,マサルが勝手にマークにつくのは願ったり叶ったりなのかもしれない.
デジモンに憑かれた人間は,その欲望がより増して暴走していくものらしい.倉庫の中に硬化したデジモンたちを「福の神」として奉ったおじさんは,更なる大当たりのために偽りの神へと祈ります.…その祈りはデジモンたちの不正によって叶い,少ない資金は転がるように大金に転じて,さらに欲望を爆走させることに.

「福の神」に祈れば常に大当たり.その魅力に溺れる情けない自分の父の姿を見て,息子は父のような職人になる夢をあきらめはじめます.その一方でマサルは相変わらずバカなために諦めることを知りません.なんせ彼のルールでは諦めたら負けで,マサルは負けるのが大嫌いなバカ.けれどこのバカっぷりは泡銭でスポーツカーを買って乗り回す愚かさに比べれば圧倒的にマシなのです.
夕暮れの土手で夢の話をする友人.鳥の型でかたどりをして焼き上げるしらとり饅頭は難しく,それを簡単に作ってしまう父の腕前はさすがで,働いてる姿はかっこよかった…そんな言葉が過去形になりつつあるのがやはり悲しい.金のことでこの家が崩壊さえしなければ,友人は未だに父の跡を継ぐ夢を見ていたに違いない.…父のことを語る友人の言葉に,らしくない複雑な表情を浮かべているマサル.胸のペンダントに触れているのは,やっぱり行方不明になった父の残したものなんだろうな.
さて,ここまでべったり白鳥家に張りついていれば,嫌でも蔵の中の「福の神」って奴が気になります.マサルは夜を狙って蔵の中へ不法侵入し福の神発見.結構でかくてどっかで見たような造形のそれを「汚いなぁ」とはじいてみたら…喋った! まるで無機物のように休眠していたデジモンたちですが,はじかれた感触はしっかり認識しているようです.
大切な「福の神」にマサルがちょっかいをかけているのを知った父は守るのに必死.その必死ぶりはあまりにも常軌を逸していて,デジモンが人間に与える影響の強さを感じさせます.もはや彼の頭からは菓子づくりのことはすっかり消えてただひたすらに金ばかり…そんな大人に,マサルが叫びます.
「金じゃ手に入らないものがあるだろうが! 希望は金じゃ買えない!」…マサルが叫ぶのは,彼らしい火傷しそうな正論.子どもは親の背中を見て育つから,親が子どもの夢を潰すことがあってはならない.親は子どもの夢に背を向けちゃいけない…現在父を失って,自分が父親代わりでもあるマサルが言うからこそ価値のあることば.さすがは主人公,喧嘩以外は完璧な倫理観です.
けれどダメ父の暴走はもはや止まらず,今度は夢を壊したいという欲望を抱いて,その欲望に「福の神」ことデジモンたちが忠実に応える.蔵を壊して炎上させて…ついでに金まで燃やしてしまう徹底ぶりを見せる,福の神というよりは邪神に近い,さっきまで休眠していたイビルモンとピコデジモンたち!
デジモンがその正体を明らかにすれば後はDATSの領分で,マサルは早速アグモンをリアライズ! どうも父の破壊衝動を継承したらしくどんどん壊していく敵デジモンたちの言葉が意味深.彼らからすれば人間はわがまま.今全てを壊したいのは父,金を欲しがっているのも父.彼らはその欲望に忠実に応えようとしているだけ.…ところで,人間の欲に従って,デジモンには一体どんな得があるんだろう?
放っておけば友人宅が朝までに崩壊しますんで,なんとかこの4体を止めねばなりません.ヨシノとララモンも合流し,民家の庭で4対4の戦いを演じるマサルたち.一度は掴まれたもののララモンのおかげで解放されたマサルは怒りに任せてぶん殴ってアグモンにチャージ! イビルモンの悪夢攻撃もあっさりと打ち破り,メガバーストで卵に戻します.もちろん残る3匹もきっちり卵に,あっさりデジモン回収完了です.
「福の神」をマサルたちに倒され,最後の破壊衝動によって蔵ごと金まで燃やしてしまった父に向かって,金はいいから饅頭をつくろうともう一度説得する耕一郎.簡単には焼け落ちなかった子どもの夢や希望に救われて,父はようやく再びしらとり饅頭をつくる方向に心を向けてくれました.きっとこの後ピカっとやられるはずですが,今の決意は記憶を失った後も継続するはず. …ようやく正気となり戻ってきた父に喜ぶ息子の姿を見ているマサル.その表情はらしくない感じに穏やかで,同時に少し寂しげです.

長期間の粘りの末についにしらとり饅頭を手に入れてDATSに戻ってきたマサル.不機嫌だったオペレータの2人もマサルを許したのでアグモンの尻拭い完了.デジモンが休眠状態に入るとセンサーが反応しなくなることもわかり,データ収集の面でもなかなかいい仕事をしたマサル.けれどこいつはやっぱしバカ.デジモンが欲望に反応していることなんて,今更言われてももう遅いよ(苦笑).
「…それだけじゃない!」とかっこ良く,マサルの見せ場を台無しにするのが戻ってきたトーマ! アメリカの大学にスチブソン教授を尋ね,マサルが饅頭のために頑張っている間にデジモン研究を進めてきたトーマが発見した人間の欲とデジモンの関係とは! その胡散臭そうな研究風景と「DATS全支部に非常通達を!」ってな言いっぷりがなんだかキバヤシなんですが(笑)果たして「なんだってー!」と視聴者を驚かせる新情報は出てくるのか.1クール目のクライマックスがはじまる,次回に続きます.

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