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桜蘭高校ホスト部#15

「長年磨いた爽やか技術の巻」

夏休み3日目の怠惰な朝を破ったのは,ハルヒが自宅にいないことに気づいた環の悲鳴だった.ホスト部に黙ってアルバイトに出かけたハルヒを追い,環たちは軽井沢のペンションに押しかける.彼らの来襲にうんざりしているハルヒだが,校則に違反しているとなれば強いことも言えない.
環たちはハルヒのアルバイトするこのペンションみすずに泊まりたがるけれど空き部屋は1つしかなく,その部屋をかけたアルバイトしながらの爽やか勝負が開催される.順当にいけば常陸院ブラザーズが勝利しそうな勝負を面白くするために,鏡夜は環に加勢する.

前クールよりもキャラを掘り下げていく「ホスト部」.夏休み軽井沢編の主役を張るのは,セット売りでおなじみの常陸院の双子.そっくりで見分けがつきにくい2人ですが,やや声が低くて太い方が光,やや高くて細い方が馨と覚えると迷いにくいのでお試しください.ハルヒの登場によって2人きりの世界が壊れつつある双子.まったく同じがよかったはずの双子にもハルヒに対する執着度の差が現れつつあり,それが顕著となるのが今回と次回の2話となるわけです.…自分のことだけに夢中な光ともうちょっと視野の広い馨のコンビは,環と鏡夜の2年生コンビになんとなく似てますが,互いに対する依存の深さが段違いで違うんだよね.

前半.放送事故のように真っ青な夏空の下で響いてるのは,開始直後だってのにエンディングのイントロ.未だ怠惰に寝ていた常陸院の双子のケータイが鳴っております.客が見ていたら萌えで倒れそうな仲の良さで一緒に寝ていた双子たちは,響く着メロは殿なのであの暑苦しいテンションに触れたくないのかだらだら.でも止まらないし仕方なく出たら…「ウチノムスメガ!ウチノムスメガイナイ!連絡ガツカナイ,誘拐サレタニチガイナイ!」…これまた偉いテンパってんなぁ(苦笑).
てなわけで早朝からホスト部総出で電話会議.金持ちなんだからテレビ会議システムくらい導入すれば良さそうなもんですが,オマージュとして肖像画の目を光らせる方が遥かに金持ちレベルが高いに違いない.しかも会議の内容もアレ.夏休みに入りハルヒとの連絡が一切つかなくなったことに動揺しまくる殿は,つい悪い方向へと考えがエスカレート.困窮の末家賃が払えず夜逃げしたに違いないとアホの子は一人で暴れまくり.
ケータイなんかハルヒが持ってるわけないと勝手に思い込み,秘密結社「夜逃げ屋」によって…と暴走する妄想はどこまでも.心配性にも程がある部長を止めてくれるのはやっぱり副部長.「ハルヒは軽井沢だぞ」とさらりとネタばらししてくれたのに,破産で夜逃げで誘拐された上に軽井沢?とまったくついていけてない殿が情けない.
自分たちに黙ってハルヒは軽井沢にアルバイトに出掛けた.そう聞いて軽井沢に押し掛けない奴はホスト部には存在せず,いたずら好きでモノ好きな双子ならばなおさら.もはや慣れっこのメイドたちには二人のいたずらは無視されてしまうけど,きっとおもちゃのハルヒなら…その股間のジョークは「悪趣味」と一刀両断されるな(苦笑).ただしなんとなく様子が違うのが光で,「…やっぱおもちゃいないと,はじまらないな」と珍しく他人に執着を見せているのを,横で馨が見つめています.どうやら別のものを見始めている双子が,これから2話分の主役です.
さて,ホスト部一同を置き去りにして軽井沢までアルバイトに来ている,全編のヒロインであるハルヒさん.さすがに慣れたけどうざいのは間違いないようで,あの珍妙な連中に絡まれずに済む夏休みは勤労と勉学に励めるはずだったのに…自称お父さんがヘリで乗り付けもう台無し(苦笑).ちょっとは楽しいかもしれないけれど,大変に気苦労の激しい夏休みとなることがここで確定です.
ハルヒさんのバイト先はもにょるふりふりおカマの美鈴さん42歳の運営する「ペンションみすず」.彼女がハルヒ父の昔の店仲間とか,ハルヒ父が社員旅行で出掛けてることまで鏡夜はしっかり知ってます.家では蘭花さん,学校では鏡夜に観察されちゃ,ハルヒさんのプライバシーなんてないも同然だ.可愛くて働き者のハルヒさんはすっかり美鈴さんのお気に入り.美鈴さん手製のエプロンもグッジョブであります.
皆に内緒でここに来るため,ホスト部の仲間からのリゾートのお誘いについてはことごとく断っていたハルヒさん.もちろんバリもスイスもパスポートがないので無理なんですが,鏡夜の国内リゾートのお誘いまで断ってたんですね.…鏡夜はそれで出掛ける予定があると感づいたのかな.
で,一番そういうことやりそうな殿ときたら,皆の出し抜きぶりに怒っております(苦笑).部活を本気で家族に見立てる彼の場合,自分さえよければいいなんて考え方はダメ.深い連帯感を持ち,家族の皆で楽しめるプランを本気で考えていたら取り残された(笑).…もしハルヒが誰かの誘いに乗ったとしても,それを知った他の部員はなんとしてもそこに集まろうとするだろうから,結果的には今と同じになっただろうけど.
そして殿をさらに傷つけるのが双子の出し抜き.貧乏だから持ってないとばかり思ってた携帯をハルヒさんが持ってる!それも双子とお揃いで! それもお友達専用だからと環を仲間に入れてくれない.仲間になりたい殿は「お父さんでありおともだち」という新カテゴリーを提案するも,そんなお友達カテゴリーはありませんとハルヒはばっさり.…そもそも「お父さん」から間違ってるしなぁ(笑).
ヒロイン的にはお友達にも先輩にも自称お父さんにも即刻帰ってもらいたいのに,実はアルバイトは校則違反.成績優秀な奨学生が無断でアルバイトしていることが学校にバレたら大変で…思いっきり弱味を握られてしまって自由意志の上で居着く気満々の彼らを止めることもできない.折角夏休みだってのに,このままじゃ普段よりも接触時間が長くなる(苦笑).
ハルヒさんのいるこのペンションへの宿泊は環にとってはまさにドリーム.手作り朝食を装備したハルヒさんとの2人きりの朝には持てる限りのホスト部テクニックを披露しまくるつもりなんですが…不幸にも,あるいは幸いながら残るは1部屋.この部では部長権限なんて欠片すらなく,部員たちもさっきの言葉尻を掴んで連帯感を求めてくるから環はぼろぼろ.「俺ってずるい子? 自分さえよければいい子?」といつものように挫けます.
欲しい者は大勢だけど物は1つしかないとくれば,それを取り合うゲームがお似合い.双子が提案したのは「客室争奪・爽やかアルバイトin軽井沢」! このペンションでアルバイトして一番好感度が高い奴がここに泊まるというのがルール.無料で労働力を確保できる美鈴さんの協賛を受け,さわやか勝負がはじまります.…唯一がっくり来ているのはハルヒ.あの世間知らずどもが一緒にいたら「夏休めず」だ.
軽井沢の売りである爽やかさをアピールすれば高得点なこのレース,割と最初からコケているのがハニー先輩と環.ついつい愚痴ったり指打って見苦しかったり可愛くおねだりするのは「爽やか」じゃない.愚痴らずきびきびと言い訳せず働くのが爽やかな働きの王道ってものであり,その点態度はでかいけどソツなくご案内している双子とか,寡黙に仕事をこなすモリ先輩は爽やかなのです.そんな採点を嬉々として行う美鈴さんが某人に似てるけど,気にしない(笑).
ちなみにホスト部中では景品であるハルヒさんと鏡夜は勝負に参加せず.自分の別荘でいいやと早々と傍観者を決め込むのは,取り合うほどの興味はないのか,殿への消極的な協力なのか,あるいはここで取り合っても意味はないと知っているからなのか.ちなみに岡目の鏡夜の見立てでは,勝負の大穴は天然で爽やかすぎるモリ先輩.次点が常陸院の双子でハニー先輩と環は厳しい.特に勝負に熱くなりすぎていいところを発揮できない環は大変勿体無い.…ただしモリ先輩はハルヒさんよりハニー先輩を選んじゃうんだ(苦笑).
トップが脱落確定ならば,勝者はベッドすら一緒の双子で決まり? 生まれたときから今に至るまでいつも一緒で2人きりの双子の場合,ベッドだって1つあれば十分.ただし5話でハルヒに区別されて以来,光の目には馨ではない人が映ることが増えて…「ハルヒなら混ぜてもいいよ」ととんでもないところに誘ってます.さすがは双子の提案したゲーム.2人が勝つことが最初から確定してるようなもんだけど,それを横から見ていた鏡夜が,わざわざ混ぜっ返してみるのです.

後半.ハルヒさんとの朝を賭けた勝負はついにクライマックスへ.未だに必死すぎてちっとも加点できない殿と,部活で磨いた演技力をフル回転させて爽やかポイントを稼ぎまくる双子.…たぶん我らの殿は,1対2の人数差すら気づいていないに違いない(苦笑).ここで勝ってせめてハルヒさん公認のお友達カテゴリーに入れてもらいたいという,いっそ物悲しい殿の願いを叶えるために降臨した鏡夜曰く,「これはお前にしかできない技だ.ただし選曲をミスるなよ」
ヒントを理解した殿は己の能力を最大限に生かせるピアノの前に座り,優雅で美しく爽やかな音色を奏でます.なんせ彼の見た目はハーフの美青年.黙ってピアノ弾いてりゃそのままで絵になりますし,それ以上に黙ってピアノ弾いてりゃ間抜けで暑苦しいこと口走らなくて済むし(笑)! 一朝一夕では身につかない本当の芸を披露されては,馨も敗北宣言するしかないかな.…ところがここでアクシデント.馨と一緒にいたハルヒの上に,2階から花瓶が落ちてくる!
即座に馨が体でかばい,ハルヒさんは割れた花瓶を喰らわずに無事.しかし馨は破片で顔に傷を作ってしまい,これに泡食って駆け寄った光がえらく狼狽.もうハルヒなんかそっちのけにして馨のことを心配しています.その兄弟愛はひどく濃厚で,それこそ一朝一夕には出来ないようなレベルであったために美鈴さんの魂を撃ち抜きました(笑).屋根の上で美鈴っちは100点を与え,勝者は常陸院ブラザーズ!
最後のアクシデントで殿をぶち抜いた双子たちは,ハルヒに人の悪い笑顔を向けてビビらせるわけだけど,さっきの光の狼狽ぶりはもちろん本物.やっとせしめた部屋の中でも光の手は未だ恐怖に震えていて,それを気遣う怪我した馨の方がずっと普通で…大人っぽい.未だに兄弟への依存があまりにも深いのは,特に恋をするには不便だよなぁ.…ただし震えるほどに大切なのは意識がちゃんとあるときのみ.翌朝,光にベッドから落とされて床で寝てる馨は,これっぽっちも大切にされてない(苦笑).

軽い兄弟喧嘩からはじまるペンションの朝は騒がしく,朝食に無体な注文をする双子はすっかり普段どおりに復調.わざわざ早朝からこのペンションに押しかけている環もまたやかましくて,自分のことを棚に上げてみたり受け売りで今朝の朝食メニューを切々と説明してみせたり….ちなみに旅のしおりの「朝6時起床」というお約束については,若干2名が大変に魔王と怪獣であったために撤回予定のようです(苦笑).泣くほど怖いことはちゃんと学習しようよ….
そして,いつもどおりの騒がしい1日がハルヒを巻き込みながらはじまろうとしていたそのとき,思ってもいなかった嵐がホスト部の中に吹き込みます.偶然このペンションに配達に来たごく普通の自転車少年は,ハルヒさんの旧知の相手.中学のころの同級生.これもまた一朝一夕では身につかない,ハルヒとお揃いの「庶民」属性を装備した未知の相手の出現に遠雷を聞く,次回に続きます.

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