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桜蘭高校ホスト部#14

「大人気ないほど好きなのですの巻」

桜蘭で3流ゴシップ誌を発行すれどもちっとも売れず,解散の危機に陥っている新聞部.そこに我が世の春を謳歌するホスト部部長のノーコンな球が激突したのは,飛んで火にいる夏の虫としか言いようがなかった.器物損壊と怪我を口実にホスト部の特集を組ませてくれと迫る新聞部だが,バカな環以外はそれを断固拒否.けれど,部の存続の危機と聞かされた環は一家離散させないために強硬に粘り,あまりの仔犬っぷりに影のボスである鏡夜もついに折れたのだった.
新聞部の取材に関し鏡夜の出した条件は,自由取材を一切許さない大変に厳しいもの.しかしそんな締め付けの中でも,新聞部は環の裏の顔を探るために暗躍しようとするものだが….

演出・絵コンテの監督経験者率がおかしい「ホスト部」.当代最強クラスのスタッフを集められたのは五十嵐監督神の経験と人柄と人望ゆえと信者は深く信じてやまないわけですが,まさかあの人まで来てしまうとは…(苦笑).物語はいつもと違い全員でバカをやるのではなく,表と裏に分離させた上にそれぞれの魅力を引き出して見せる後半がともかく印象的.光の届かない場所でもその光を愛してやまない闇たちが,そんなことはちっとも知らない光の強さを引き立てます.もちろんその光もそれなりの過去を越えた上で,バカみたいに輝いているわけですが….てなわけで人を食った笑いとか物事の表裏とかいろいろあった上での綺麗な笑顔が大得意な絵コンテの菱田監督お久しぶりです! 「陰陽」では大変お世話になりました(笑)!

前半.今回のゲストは桜蘭学院のダメ新聞部.部員を含めて週に2部しか売れないとなれば下手な学級新聞よりまずく,在庫の山を積んでるあたりも,彼らがろくに予測すらできていないことを如実に示すわけであります.次号が1学期最終号で,成果が出せなければ廃部もやむを得ないというぎりぎりっぷり.その上仮想敵であるホスト部ときたら絶好調で,写真集どころか同人誌までバカ売れしているのは…コンテンツそのものの強さ以上に,鏡夜やれんげさんの才覚に負うところが大きい気が.「萌え萌え桜蘭日記」眼鏡特集8号はやっぱり鏡夜中心?
絶好調のホスト部の今日の仮装は平安朝.原作では「遥か」掲載誌でこのコスプレをやるという捨て鉢の攻撃性が凄かったわけですが,今回は絵コンテがあの人だと思うと別の意味で複雑な気分になってしまってどうしたらいいんでしょうか(苦笑).紫陽花の陰,緋毛氈の上で殿の演じる禁断の逢瀬プレイ.お客は久しぶりのフナちゃんで,未だにちゃんと通ってくれているようで何よりですね.
そっくりな常陸院の双子が興じるのは由緒正しき神経衰弱,貝合わせ.もちろん勝負事の合間にも禁断の兄弟愛プレイを欠かすことはなし.二人っきりで罰ゲームしたらどうなっちゃう…と思わせぶりに顎なんか撫で上げちゃって,兄弟愛担当というよりはそのままエロ担当でもいい気がするぞ(苦笑).中庭のやり水では鏡夜が秋の限定お茶会にお嬢さん方を勧誘し,ハニー先輩とモリ先輩は2人でひとりな二人羽織.…割と無意味な芸ですが,きっとマニアにはたまらないに違いない.
そして,はっちゃけている仲間たちをぼんやり見つめつつ,ひたすらぼーっとしているハルヒ.これまでの激動の3ヶ月間が彼女に与えた影響はあまりに大きすぎ,普段のあまりの濃さに麻痺して悟ってしまったようです.しかしぼんやりしているところを襲う蹴鞠…からハルヒを庇うために爆走し巻き込んで停止する迷惑な環(笑).巻き込まないとろくに動かないヒロインではありますが,潰しちゃうのはさすがに酷いよ,殿.
貝合わせから蹴鞠へと遊びを変えていた双子たち.孤高のナンバーワンバカである殿はあっさり双子に挑発されて,サッカーマンガのように蹴鞠に興じてみるけれど…環のスターライト・キーック!はノーコンゆえに遥か彼方の星となり,冒頭の新聞部の窓へと見事飛び込んだのでありました.
達者でなーとバックレて,そのまま他人事に出来ればよかったんだけれど,そういうわけにもいかないので総出で新聞部に出かけるホスト部.ちゃんと頭を下げるのはもちろん殿だけなのですが(苦笑).けれどこの傷害事件は新聞部にとっては願ってもないこと.蹴鞠が当たった程度の損害はないものとしていいくらい,追い詰められた彼らにはありがたいものだったのです.
新聞部部長は3年の小松澤,その横には部員で2年の右京と左京が控えております.制作するのは過剰に煽る捏造ばかりのゴシップ誌,…そこに独特の面白さや変な情報があったりするとファンがつくはずなんですが,その手のものを好みそうな双子が読んでないってのはかなりまずそう.廃部寸前の部長はしおらしく,心を入れ替えると殊勝な様子で…あっさりバカは騙される(苦笑).ホスト部密着取材で皆様の魅力に迫りたいと向こうの部長に頭を下げられ,すぐさまお引き受けしようとする殿に先制して鏡夜がきっぱり「お断りします」.
ホスト部はお客様限定で情報公開していて,治療費は別途ご相談したい,と完全に提案を切り捨てる鏡夜.双子も他人に迷惑をかける奴はだめと,むしろ自分たちを見つめなおせと言いたい理由で拒否(笑).しかし新聞部は過剰に哀れさを演出.見てバレバレの過剰演技でやりすぎなんですが…でも,環はとんでもなくバカなんだ.
もう廃部にするしかと諦めるふりの新聞部に,「そんなことはない!」と熱血する環.人は必ずやり直せると純真に,ホスト部の総力を結集して新聞部の建て直しに協力する!と宣言するも…双子はさっさとハルヒをつれて退散.鏡夜も先輩たちも環を置き去りにして,結局環は一人きり….部員の皆さんはかなり強硬にやりたくないんですね.「部室で反省会をやる,主にお前の」という鏡夜の言葉も厳しいな.
それでもバカはさらに強硬(笑).「待てい!」と一同を止め,お前らには血も涙もないのか可哀想とは思わんのかと必死になるあたりまではわからないでもないけれど,泣きながら「一家離散なんだぞ!」…その思考の飛躍はさすがについていけないぞ(苦笑).しまいには部長命令として断ることは許さん!…と部長の権限まで振りかざしたのに,声を揃えて「お断りします!」.よほど嫌なんだろうな.そして殿の権限なんかどうでもいいんだな.
戻った第3音楽室.全然意見を聞いてくれない仲間たちの脇で,環は幼児のようにすねました.着替えもせずにしゃがんで蹴鞠を指でいじり,同じ部屋にいるのに目も合わせないという稚気満載ぶりが面白くてたまらない(苦笑).余程の寂しがり屋である環の呟きによれば,「部活とは家族なのに.だから廃部は一家離散なのに…」.新聞部のことだけでなく,ホスト部についてもきっとこう考えてるんだろうな.
いつもながらの環の哀れな様を眺めるハルヒさんは,これまでの経験から先の展開を正確に予測してみせます.あの情けない奴は,きっとちらちらと仔犬のようにこっちを見て,その哀れぶりに仲間は折れるに違いない,と.この予測は実に正確なんだけど,今回は双子も最上級生も普段より圧倒的に乗り気でないのです.「面倒」とか「ケーキ食べなきゃならない」という言葉の裏の意図を正確に読み取るには,ハルヒの経験値はまだ足りていないようです.
で,はじまる哀れな仔犬のチラ見.「んん!」とか言いながら純真な目でねだってくる部長ってどうよ(苦笑).あまりに激しい無言のおねだりっぷりについに鏡夜が折れて,厳しい条件つきで新聞部の取材を受けることになりました.企画はこちら主導でインタビュー禁止接客風景禁止…って,新聞というよりはまるで広告みたい.そして鏡夜がいいならいいと,反対していた残り部員全員が従ってしまうあたり,影の部長というよりはもう鏡夜が部長でいいや(笑).
新聞部は条件を飲み明日からは取材!というわけで,鏡夜は救急セットを新聞部に置いていきます.…彼の黒さを知ってれば,絶対何か仕掛けられていると警戒するべきなんだけど….その黒さを知らない新聞部部長が家柄や家族構成をネタにして鏡夜を揺さぶろうとするなんて百年早い.しかも兄貴が出来のいい弟に負けるなんて話は…本当に逆効果なんだ(苦笑).
後継レースに勝つためにも,なんとしても桜蘭で3年やり遂げたい新聞部部長.自分のために部を利用し,家柄で部員を脅す彼は呆れるくらいの小人物.鏡夜がまともに相手する価値すらありません.しかも小人物の視野はあまりにも狭く,現在のホスト部の隆盛を須王の権力誇示と曲解して,ありもしない裏の顔を暴き立てようとするのです.

後半.環は切れ者で裏の顔があるという大間違いによってホスト部に接近する新聞部.部の存続をかけた潜入取材なのでかなりの気合で望んでいるはずですが…ホスト部の提供するスペシャルプログラムの珍妙ぶりに呆然です(苦笑).高校生が揃って「だるまさんがころんだ!」…ハニー先輩は無駄な動きが多いなぁ(笑).
これは新手の宗教かと困惑する新聞部に向かい,環ことバカが自慢気に説明するところによれば,これは庶民に伝わるお金を使わぬ身一つの遊び.これを掲載すればマイナスイメージ先行の新聞部だって「親しみやすさ」が打ち出せるのだと断言します.…考えてることはいつものようにダメですが(苦笑)それでも彼なりに,自分のことだけでなく新聞部のことまで考えていることだけは認めてあげてもいいと思う.紙面を爽やかにした上に一部の庶民も童心に返れて大喜び!という二兎を狙うこの企画,当然ですがハルヒへの受けはよろしくない(笑).
高校2年としては破格の頭の悪さを発揮しまくる殿に対し呆然とする新聞部.実際彼はバカなんだから裏なんか探るのをやめときゃいいのに,それでも下衆な新聞部部長は未だに疑い.本来は禁止されている個別インタビューを強行します.ターゲットは新入りでだれている庶民の藤岡君.特待生をこの部に取り込んだのはホスト部部長である須王環の権力誇示であろうとキメ打つものの,ハルヒさんの返事は「はあ?」
裏の顔を教えろ救う手助けをさせろと新聞部はねちねち食い下がるわけですが,「あの人に裏の顔なんてないですよ」とばっさりお返事するハルヒさん.この3ヶ月間で,環のバカぶりとその他部員のノリの良さについてだけは完璧に理解したハルヒからすれば,新聞部に「ありえないだろ!」とかツッコまれても,今日のお遊びだって特に殿なんかは本気で楽しんでいるのは疑いない.
新聞部を遥か遠くに置き去りにして今度は缶蹴りをはじめるホスト部.環が全力のスターライトキックで缶を蹴ったら,木に当たりまくった末に新聞部部長を見事に倒します(苦笑).うれしそうにハルヒを連れて薔薇の迷路へと逃げ込む環の笑顔にはわずかの影もなく,むしろそれがちょっぴり不思議.なんだってここまでこの人はバカなのか,ハルヒは彼のバックグラウンドを自分が知らないことに気づきます.
そして…迷路に入った直後にいきなり迷子になる環(苦笑).ハルヒも巻き込まれて迷子となり,鬼という名の捜索隊が来てくれるまで薔薇の東屋で2人でひと休み.すっかり仔犬ぶりが板についている環が心底情けない(笑).いつもグループで遊んでいる彼らですが,2人きりになったときには雷から守ったり仏壇にお参りしたりと,環がかなりいいところをハルヒに見せてきてるんだよね.
今日の子どもじみた遊びも心底楽しんでいる環.ハルヒにとっては小学校で卒業したようなお遊びですが,同年代の友達があまりいなかった環にとってはきっと生まれてはじめての喜び.…病気がちの母を持つ彼は,幼い頃は母が心配で表に出て遊ぶこともできずいつもピアノを弾いていた.母を失ったハルヒほどではないけれど,相当暗い過去なのに,だから今は楽しいと言う彼には裏も嘘も影もない.「…凄く楽しい!」と微笑む顔は驚くほど純真で,まるで太陽のよう.
さて,ホスト部のバカの凄さをようやく認識した新聞部は,ついに裏を探るのを諦めて捏造記事に走ります.憎き須王を陥れるための捏造だってやってのけるはずなのに…戻ってきた新聞部部室の部屋の中には,ホスト部の総力が結集していました.
バカでもお人よしでも無知でもない部員連中は,当然のように新聞部の目的と悪意を察していて,殿に手を出す奴には黙っちゃいないと本気で脅してきます.バカで純真な殿が人を集めるために家の力を利用したことなど一度もありません.ホスト部の部員たちは環自身の魅力によって部に加わってきました.もちろん…「どうしようもないバカ,だけどね」
環が自分の手で作り上げたホスト部.途方もなく馬鹿馬鹿しい楽園に誘い込む手を差し出していたのは,いつだって彼でした.現在の隆盛はまさに環の努力ゆえのもの.部員たちだって本気で殿のことが好きなのです.…そして好きなものを守るためなら彼らは一切容赦しません.彼らには救急箱にまで裏があり(笑)これまでの顛末だって録音済み.…家柄だって新聞部より圧倒的に格上,しかもホスト部は目指すものが根本的に違うのだと宣言までされてしまっては,悪あがきの余地すら残されていないのです.

大人気ないほど畳みかけた末に新聞部を再起不能にしたホスト部部員一同.もちろんそんな裏の話は殿とハルヒさんには内緒.こんなくだらないことで折角の殿の能天気を曇らせるのは罪ですからね(笑).迷子になった2人を無事に救出し,新聞部については適当にごまかして,何事もなかったかのようにのどかに戻る一同.全ての渦の中心にいる綺麗な薔薇にはどうやらろくに棘なんかないようですが,その横で咲き誇る薔薇たちには,それぞれに鋭い棘があるわけです.
さて,今回狙われた環の家柄が実際どれほど凄いのかというと,金融を基盤として様々なハコものも運営しており,その中には学校経営も含まれていて具体例としては…例えば桜蘭学院とか.要するに環はこの学校の理事長の御子息,もっと言えばハルヒに奨学金を出してくれたのは環の家ということで….
裏表なしで能天気で圧倒的に頼りない環ですが,家は想像以上に格上.しかもこれまでハルヒに対して一切それを話さなかったあたり,家の力は使わないと心に誓っているのか,はたまた単純に忘れちゃってんのかすらわからない.だってこの人バカなんだもの…(苦笑).ハルヒは,つくづく自分がまったく知らないのだと痛感したに違いありません.最後の薔薇の出し方のたどたどしさなどしっかり愛でつつ(笑),夏休みの次回に続きます.

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