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桜蘭高校ホスト部#20

「結局ふたりで寂しいだけでの巻」

中等部時代の光と馨は現在よりもずっと性質が悪くて,2人きりの世界に閉じこもったまま,人の心をおもちゃにして遊ぶような悪魔たちだった.彼らが幼い頃からこだわってきたのは「どっちが光くんでしょうかゲーム」.もちろんあまりに似すぎた双子を見分けることが出来る者は,今まで一人もいなかった.
そんな2人きりの世界に踏み込んできたのが,中等部時代の環.能天気な笑顔で双子をホスト部へと勧誘する彼に,双子はいつものゲームを仕掛ける.なんとか見分けようとつきまとう環は二人にとっては目新しいおかしなおもちゃ.けれどそれにも,飽きがくる.

一応少女マンガ原作なのに明後日の方向へはっちゃけることが圧倒的に多い「ホスト部」だけど,今回はきちんとシリアス! 双子のうちでもまともな馨を語り手として,これまでに彼らが越えて来た高いハードルについて描きます.ハニー先輩の勧誘話で一応描かれていた通り,環は現状を認めることに大変に肯定的.無理や背伸びをしない自然体をそのまま受け入れるべきという信条が,双子たちが堂々巡りの矛盾の中から救われることへと繋がっていきます.
時折面白を挟みながらも回想交じりに描かれる世界は実に叙情的で美しく…さすが絵コンテに京田監督が入っているだけのことはあるなぁ(笑)! 作画監督の本橋氏の美麗な仕事や演出の中村氏の女性らしい繊細な雰囲気と相まって,素材である原作が緊密に再構成され,凄まじい昇華を遂げてます.原作にあった笑いはほとんど削り取られていますが,削って磨いた末に完成したのがこんな美しいものでは文句も言えない(苦笑)情感描写に関してはこれまで放映されてきた中でも屈指の回です!

前半.常陸院の双子は幼い頃からまるでそっくり.誰も彼らを見分けることができないまま中等部の2年まで来てしまいました.その世界は自分たちとそれ以外の全てに分かれていて,しかも一緒にいる相手は自身の影のようにそっくりで…2人ではあるけれど実質ひとりぼっちみたいな閉じた世界です.
この双子,顔もいいし頭もいいし普通なら絶対人気者になったに違いないんですが,生来の性格としてわがままで移り気で底意地が悪い.どれくらい悪いかというと自分にラブレターをくれた女の子を罠にかけて泣かせるほどの悪魔ぶり.光なのに「馨の方」と嘘をつき,馨として彼女を誘惑した上,彼女が乗り換えた瞬間に真相を暴露して切り捨てる.他人の恋心なんか区別されない自分たちの苦しみに比べれば軽いものだと自分たち勝手にも程がある.…しかも一緒にされた瞬間に一瞬失望を見せるだなんて,彼ら自身も自分たちが一体何をしたいのかよくわかってないんじゃあるまいか.
女の子の心を踏みにじり,髪型も似合わないセンスを磨けと難癖つけて追い討ちをかけ,「次はもっと面白い告白してね!」とラブレターを破り捨てる性悪の双子.そしてあまりにもひどい仕打ちに泣き崩れる女の子に優しくハンカチを差し出すのが,まだ中等部であった頃の環.もちろんまだホスト部は誕生していませんが,この頃からすっかり王子キャラは板についていたようです.
自習の教室の黒板には白チョークで「自分の未来の役割を考えよ」とか書いてありますが,つまらないことはさっさと消去という方針のみでやりたいこともやるべきことも見つかっていない双子はダレてます.刺々しくて怖い彼らの周囲には陰口と打算しかなく,好きで欲しいものなんか影も形もないのです.
そんな二人にも,自分たち以外のものを欲しくなった経験はありました.でも唯一好きになったのが金庫目当てで潜入して来たお姉さんってのが,これまた歪んでいるよなぁ…(苦笑).10年前からそっくりで毒舌でいたずら好きで残酷だった2人を無理に可愛がることも愛想笑いすることもなく,恐らくはごく普通に接してくれたお姉さんが2人はすっかりお気に入り.…愛想笑いが日常となる環境は,恵まれているゆえの不幸って奴か.
双子に気に入られることではなく,家の金庫を狙ってたお姉さん.犯行現場を見つけた双子は暗証番号と引き換えに彼女にゲームを仕掛けます.「どっちが光くんでしょうかゲーム!」…見分けられるまでは彼女を自分たちに縛り付けることができるはずのこのゲームだけれど…2人はまだ幼くて浅墓で.大人であり犯罪者であったお姉さんは,ゲームから逃げて貯金箱を割りました.
双子にとってお姉さんは特別.けれどお姉さんにとっては双子なんかどうでもよかった.双子がどうでもいい相手を傷つけてきたように,お姉さんもゲームを放棄しあっさり白旗振るだけでなく,去り際に呪いをかけていきます.「もしかしたらあんたらを本当に見分ける奴なんて,一生現れないかもね」…はじめて好きになった人に未来を絶望させる言葉を植えつけられた上で,双子はねじれて成長していきました.…この部分は原作ではもっと軽いエピソードだけれど,よりシリアス目に描かれてますね.
2人きりで伸び伸びとひねて育った10年後.呪いのようなトラウマのおかげで他人不信バリアを張りまくって荒れる双子に鈍い奴…というか無謀なバカが近づいてきました.暇そうだねとやってきた,後のホスト部部長で愛すべきバカの須王環.「一緒に部を立ち上げよう!」と爽やかに本題を切り出します.話題になる自分にうっとりし,白昼堂々もだえて夢想するナルバカは当時から相当うざく,しかも「俺には及ばんが見所があるぞ!」と話を聞かずに話を進めるという芸風も2年前には完成してたのか….4月から楽しい部活動をやろうと全力で勧誘する環に対し,双子は「うるさいな,どっか行ってよ!」
仲間面して自分たちに近づく奴は大嫌いな双子.そもそもつまらない他人には興味もないし,環のナルっぷりときたらもう迷惑以外の何者でもなく,彼が自分たちを誘う理由も家柄強化の打算にしか思えず.そこで双子が提案するのがおなじみの「どっちが光くんでしょうかゲーム!」1ヶ月以内に理由つきで2人を見分ければ勝ち,できなければ負け.超高難度かつ無敗のゲームなら負けるか諦めるかの選択肢しかないだろうと双子はせせら笑うけど,この程度の障害でくじけるような奴のことをバカとは呼びません(笑).バカはゲームに乗った上でなおかつ「だが俺は予言するぞ! 4月にお前たちは,高等部第3音楽室の扉を…きっと開く!」
ひねくれた双子と純真バカな環のゲーム.環にとっては期間内に見分けるゲームなんだけど,それは同時に双子にとっては,バカなナルにつきまとわれる我慢勝負となりました.下級生のクラスにずけずけと踏み込んで思いっきり間違えた上に,「俺は発見したぞ!」と本当にどうでもいいことをうれしそうに発見する上級生はうざい.…低音パートを担当しているのは光だよな(笑).さらには勝手に双子の予定まで決めやがるもんだから,ついには環を置き去りにしてしまう双子.
…ここで双子抜きの環と鏡夜だけのシーンが挟み込まれます.馨のモノローグが外れて話中の統一感が一瞬失われますが,描かれるものが今回だけでなく面白楽しい本作全体からしても外れていて,しかも大変重要なシーンなので大正解.これがあるからこそラストとか次回以降に効いてくる面もあるので,大変に上手いです….
置き去りにされた環は3年の教室へと帰還.普通の奴なら当然なんだけど,環が地味にへこんでるのがとても珍しい.いつもはもっと思いっきりべっこりいってるもんな.鏡夜は別に双子にこだわりはないけれど,環は「あの2人に興味があるんだ!」とひどく御執心.常陸院の双子は環が言うところの「俺たちの仲間」らしくて…どうやら環は彼なりの考え方があった上でホスト部員を選んでいたようです.彼は同時期に無理をしていたハニー先輩を勧誘しているはずですが,見分けて欲しくない癖に見分けるゲームを仕掛けてくる双子についてもやっぱり無理を感じているのか.…傍らで,環の言葉を完全に受け流す人間失格の鏡夜がいいなぁ(笑).
環は絶対くじけない.勝手に帰られる前に自ら常陸院家に押しかけ,やっぱり間違った上に間違ったアドバイスをぶつけ失礼な提案をするこの上級生は,朝から地獄のようにうざい.「兄弟愛を売りにしたらどうだろう!」とか「ちょっと危ないシンメトリー兄弟愛,常陸院ブラザーズ!」とか「これでどうだ!」とか言われても(苦笑)! …そして,イカれた提案を嬉々として押し付ける当時の環もおかしいですが,それを結局は受け入れちゃった後の双子もどうかと思うのです(笑).
やることなすことバカ満開,置き去りにすれば「待てい!」とか言い出す環はこれまで双子の傍にいた人間と質が違いすぎ.面白いものが好きだから,そのダメ方向の魅力には心惹かれる.王子顔の癖に殿様喋りでそのうちござるとか言い出しそうな「バカ殿だ!」.…空想の中のバカ殿環が異様に似合っていて素晴らしいなぁ(苦笑).…けれど双子は矛盾していて,近寄られるほど惹かれるほど離れたくなって…「でもさ,そろそろ,飽きたよね」

後半.双子はいきなり環を切り捨てにかかります.向こうが諦める前にこちらから一方的に終わりを通知して,「理事長の本妻の子じゃないんだってね!」とさらに痛そうな追い討ちをかける.近寄るなという意志を弱みを突いた脅迫へと変化させる2人は悪魔.…母が行方不明という似合わない重い背景を背負っていた環を「結局ひとりで寂しいだけなんだろう?」といたぶって,一人よりも二人のほうがマシと止めを刺す.…無神経すぎる双子の言葉に何も言い返さない環.でもその表情は,打ちひしがれた風ではありません.
これだけやれば終わりだと思っている双子.環の面白さには未練もあるようですが,がっかりさせられるのはゴメンなのでこれでいい.…一緒にいれば自分たちが環に期待してしまうこと,そしてそれが失望に終わることも知っているから,臆病者たちは自分たちで切ることを決めてしまったわけです.お姉さんが残した未来予測は絶対なので,どれほど見分けて欲しくても無理ならば,もういっそ見分けさせたくない.
ふたりなのにひとりの矛盾を抱える光と馨が本当に必要としているのは,2人をそれぞれ別の人間として自然に受け入れてくれる存在のはず.けれど意地っ張りでひねた光にもつい引きずられる馨にもそれを見つける術がなく…だから仕方なくどこまでも2人きり.「傷つかないですむように,とてもとても頑丈な鍵をかけている」.
見分けて欲しくて見分けて欲しくない双子は,今日も好意に罠をかけます.自分たちの苦しみを女の子の心を踏みにじることで軽くしようとしているんだろうけれど,罵倒する言葉に自分たちの苦しみが増幅されるばかり.どっちでもいいのはどっちもいらないってことだとか,言えば言うほど苦しいばかりで….どうすればいいかわからない双子の自家中毒.本当にひどいのは誰でもなくきっと彼ら自身.そして! 「今手紙を破こうとしているのが光!」
自分たちを守るために切り捨てたはずの環がなぜか傍にいて,間違いなく光の方をかっこよく指さす! ただし理由は「勘だ!」なのでダメなんだけど(笑).「今んとこ俺には無理だ!」と負けた環はちっとも悪びれることはなく白旗を挙げますが,そっくりすぎるのはもはや才能なんだから二人で一人な常陸院ブラザーズを極めていけと道を示し,けれど別個の存在だから俺も頑張って二人を見分けられるように努力するからと自分の道も宣言します.…2人を置き去りにはしないのです.
2人で1人でありかつそれぞれ別個の存在.環の言葉が矛盾してるのは間違いないけれど,それでも環は悪びれない.それは普通とは明らかに違うし矛盾しているけれど,それが光と馨なんだから仕方がない.生まれながらに普通でないのが普通になるためにあがくのは空しい努力.だからそのまま全てを飲み込む.「個性って言うんだよ,そういうのは!」
あまりにもそっくりで見分けてもらえないのは不幸ではなく個性.そう考えると双子は「不幸」ではなくなるけれど…生まれてこのかた甘い不幸に慣れてきた二人には,それを失うことは恐ろしい.そっくりな兄弟がいるせいで誰も見分けることができない.自分たちと同じ目でこの世界を見てくれる人などいない.そんなの最初からわかってると諦めを叫ぶ馨に.そして光に.
「…だったら外したとき,なんでいっつも,さみしそうな顔をする?」
思い出すのは幼い頃.例のゲームを仕掛けて勝ったはずなのに,彼女は「泣かないでね」と言いました.泣きそうな2人は勝てば勝つほど悲しくなるばかりの矛盾した不幸の内側にいたから,環は二人の腕を引きます.不幸な勝利を覚悟の上で二人だけの世界を飛び出せば,幸せな敗北を手に入れる万に一つの可能性があるかもしれない.けれど勝負から逃げていては永遠に出会えないから…「一緒にホスト部の扉を開こうじゃないか!」
意外と不幸な王子様は晴れ晴れと「一緒に世界を広げてみよう!」と誘います.勝ち続けるほどに悲しく,2人なのに1人より寂しく,自分たちを守るために自分たちを傷つける矛盾した2人だからこそ,今の自分には無理だけれど一緒に探してみようという環の誤りは大正解.個性としての矛盾を上手に汲み取った,青空みたいに気持ちがよくて感動的な,そんな敗北宣言だったのです.

1ヵ月後の始業式の放課後.勝った双子は罰ゲームへと赴いていました.例のゲームではこの先も勝利を収めまくるに決まってるけれど,そんな不幸な個性を越えてくる奇跡があるかもしれない.…不幸を個性とすりかえる詭弁の世界に,呪いを打ち砕く可能性が眠る扉の向こうに,自ら足を踏み入れます.
そして彼らに1年後何が起きたのかについては皆様もご承知のとおり.バカ殿と怖い眼鏡と甘いもの魔人と極度の無口という,個性的で滅茶苦茶な仲間たちと一緒に夢あるいは悪夢みたいな日々を繰り広げた末,ついには奇跡に出会うことになるわけですが…わがままで移り気で底意地が悪くて矛盾している二人だからこそ,救ってくれた大恩人は全力で虐げてしまうんだろうなぁ(笑).さらに双子を掘り下げる次回に続きます.

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デジモンセイバーズ#18

「解決するには全く足りないの巻」

3人と3匹で厳しい旅路を越え,ついに無限氷壁へと到達したマサルたち.そこにはなぜかデジヴァイスのおっちゃんが釣りなどしながら待っていて,メルクリモンのいる氷の城へとマサルたちを導いてくれる.壮麗なる目的地を目前に,人間を憎むイクトがファルコモンとともに一同を襲撃.おっちゃんはイクトの素性に心当たりがあるようだが,それが明らかになる前にゴツモンまでもが襲い来る.天井の崩落に巻き込まれ,崖から落ちそうになったイクトをその手で救うマサル.マサルには彼を見殺しになどできないのだ.

突入直後にほぼ全装備を失ったのにはびっくりしたけれど,意外と順調に目的地に到達してしまった「セイバース」.10年前の悲劇を思うとマサルたちの旅路の順調ぶりが不思議ですが,それほどまでにデジモンたちが一緒にいるってのは大きいのか? …ただしデジモンと人間の間にある溝については,道を進む程に溝の深さが明らかになるばかり.DATSの知る10年前とデジモンたちの10年前には少なくとも大事件1つ分の差があって,その中では明らかにデジモン側が被害者.心身ともに傷ついたデジモンたちが未だに救われず不信の中にいるとすれば,誰かがそれを救わねばならないはずだけど…「セイバーズ」ってタイトルは,彼らがデジモン側にとっても救い手とならねばならないことを示しているのかな.

前回ララモンとヨシノは2人で盛り上がり,心の傷を乗り越えて完全体が3体揃い踏みに.けれど人間の癖にデジモンだと言い張るイクトとの交渉は泥沼.彼の母のユキダルモンが人間に殺されたってのは一体どういうことなのか.そして…人間界とかけ離れたこの世界では,どんな滅茶苦茶だって「デジタルワールドだから」の一言で受け入れていくべきなんだけど,さすがにデジヴァイスのおっちゃんをそれで説明するのには無理があるなぁ(苦笑).
いきなり目的地に待っていたデジヴァイスのおっちゃん.いくら事前に面識があってもこんなところでいきなり出て来たらいろいろと疑うべきなんだけど,マサルはバカなので疑いません(笑).そもそも彼がデジヴァイスをくれなかったらマサルはここにいなかったはずで,おっちゃんがメルクリモンのところに案内するという言葉だって即座に完全に信頼.自分たちだけでは行く先すら決めることができないならば,信頼度が低くても身をゆだねるのはアリなのです.
実際におっちゃんの指示は大当たり.迷わずに無限氷壁の入り口へとご案内するだけでなく,中の通路まで誘導してくれます.クラモンが偵察に来ているのすら釣り針で引っ掛けて遠くにリリースしてみせるあたり,マサルたち以上にデジモンの扱いに慣れているなぁ….つうか,ここでようやく見張られていることに気がつくのはさすがに遅すぎると思うよトーマ(苦笑).通路には小さいツメモンが大量にうろうろしておりますが,アグモンたちが進化せずに潰していきます.
さてその頃,メルクリモンの前にはゴツモンとイクトとファルコモンが.憎み戦いながらもなんとなく人間と話が通じてきている2人はすっかり心を揺らしております.マサルが言う通りイクトはどう見ても「俺と同じ人間じゃねえか!」であり,本人としても自分がデジモンだという確証が持てなくなり…メルクリモンに必死で「デジモンだよな?」確認しているのが哀れ.
そしてそんなイクトを受け入れるデジモン側も決して一枚板ではない,ファルコモンやメルクリモンはイクトを許容してますが,その他のデジモンたちはむしろゴツモンに近い認識なのでしょう.イクトはやっぱりどう見ても憎むべき人間.いくら王であるメルクリモンが認めても納得しないのは…それはそれでなんか悲しい理由があるのだろうか.メルクリモンの言う,人間との戦いがイクトを真のデジモン戦士へと目覚めさせる…という言葉も気掛かり.更なる進化のことなのか,あるいは一度でも手を染めれば人間側には戻れなくなるという,もっと残酷な話なのか.
状況と意図と悪意の中,純真なイクトはマサルたちを倒すために今日も出陣.舞台はメルクリモンの城の側.人間どもを「倒す!」と力む彼はすっかりおなじみなんですが,さっき加わったばかりでおなじんでなかったためにびっくりするのがデジヴァイスのおっちゃん.「イクト」には思いっきり心当たりが! 「野口」という名字まで出てるってことは,彼が見た目だけでなく中身まで,少なくとも生物学上は人間であると裏付けられたことになります.
本来はここで野口くんを落ち着かせていろいろ話したいところだけれど,彼には聞く耳なんかなさそうだし,さらにはゴツモンまで介入.口では「手を貸しますよ!」と言いながらも人間を憎むゴツモンは,マサルたちともどもイクトも潰す気満々.アングリーロックで天井を崩し,その場の全てに攻撃を仕掛けます.
大崩壊は戦場から音を奪い…しかしあれだけの災害の中でも,やっぱり全員生きてます(笑).宙に岩が浮き雪崩すらも致命傷にならないこの世界は,やっぱり重力が人間界とは違うんだきっと.ただしさすがにあまりにも高いところから落ちれば死ぬはずで,マサルは間一髪,そうなりそうだったイクトをその身で助けています.
他の面子ももちろん元気.ただしおっちゃんはゴツモンに人質に取られ,ヨシノたちはデジヴァイスを手放すはめに.「最悪なんですけど」といつものが出るヨシノだけど…おっちゃんは妙に余裕.ゴツモンを三下扱いの上に,腹を割っては話さんか,とボスのメルクリモンに呼びかけて,さらにこの無礼者にメルクリモンが応えてしまうんだから,ゴツモンはやりきれないな…(笑).
おっちゃんたちはメルクリモンのところへ連れていかれ,取り残されたのは崖に落ちそうなマサルとイクトとその他の2匹,当然ながらイクトは「離せ!」.マサルの返事は「ふざけんな!」(笑).喧嘩に関してだけは本当にバカだけれど,その他の倫理観が実に健全なマサルは,その膂力でイクトの命を救ってしまいます.
仲間のはずのゴツモンに攻撃され,敵のはずのマサルには助けられ,心はさらに乱れるイクト.しかもマサルの理由ときたら「お前との勝負がまだついてねえ」だったりするのでなお難解(苦笑).マサルは人間とデジモンを区別しているんですが,助けた理由には無関係.もしイクトがデジモンだったとしても,恐らくは全く同じ理由でマサルは彼を見殺しにはしなかったはず.違うものは違うけれど,同時にどっちだって構わないってのがマサルの考え方なのでしょう.

置き去りになっているデジヴァイスを見つけたマサルたちは,イクトたちを置いてメルクリモンのところへ.残されたイクトとファルコモンは,改めて人間について考えるわけですが…ファルコモンの結論は「奴らはユキダルモンを殺した人間たちとは,どこか違う気がする」.中にはいい奴もいるんじゃないかと,人間の差異にまで目が行きはじめてます.しかしファルコモンよりもずっと人間に縛られたイクトの場合,「そんなことあるわけない!」と頑張るしか,彼の立ち位置と心を守る手段がない.
さてその頃,城の中に運ばれたおっちゃんたちはメルクリモンとご対面.あの言いっぷりから推測できた通り,旧知の間柄であったおっちゃんと敵のボス.しかも10年ぶりってことは,やっぱり彼はあの探検隊のメンバーだったわけで…マサルにデジヴァイスをくれたのも,彼の父を知った上での行動だったのかな.
メルクリモンがイクトを育てているのは,人間が親子の絆を教えたから.どうやら完全な人間文化の否定派ではないメルクリモンだけれど…現状認識は人間たちと大幅に食い違っている.人間とデジモンの諍いの直接の原因となったのは,マサル父やおっちゃんの行った10年前の探検そのものではなさそうなんですが….
「よくもそんな嘘を!」とメルクリモン.彼が言うところによれば,「あの男」はデジタルワールドと人間界の平和のため,お互いどちらの世界にも手出しはしないと約束したはずなのに,その約束を破り人間は大勢のデジモンを殺した.「あの男」はなんとなく大門父っぽいですが,デジモンの大虐殺についてはおっちゃんにすら心当たりがない! これがデジモンとマサルたちを大きく隔てる知識の壁で,話が通じない最大の原因です.
きっと約束した探検隊の去った後で.突然大勢の武装した人間たちと背後に付き従う巨大な影の群れがデジタルワールドに侵攻し,デジモンをデジタマに戻すことなく消し去った.メルクリモンは約束を破られたと人間を憎み,今世界の壁を越えて2つの世界を混乱に陥れていることすら人間の仕業と考えて…けれどおっちゃんにはやっぱりまったく心当たりがない.
デジタルワールドがそう簡単に行けるような場所ではないことから,詳細な知識を持つ探検隊の面子がまったくの無関係とは考えにくいけれど,おっちゃんの態度を見る限り全員が侵攻に加担していたわけではない.知らぬところで中の誰かがやらかして,それがデジモンワールドで人間が深く憎まれる原因となった…ってことか?
過ちを認めない人間に怒るメルクリモンは,我慢の限界を超えて攻撃を開始.おっちゃんはもちろん,デジヴァイスのないトーマたちも役立たずなので万事休す!かと思ったら,えらい上の方からいきなり出てきたのがマサル.ひたすら登って登りすぎ(笑)もう天井みたいなところから飛び降りざまにメルクリモンをぶん殴る!
デジモン大虐殺事件の一部について,マサルはメルクリモンを殴るより前,またも仕掛けてきたイクトに聞かされていました.デジモンは通常ならば倒せばデジタマに戻るはずなのに,イクトによれば攻撃を受けたユキダルモンは消えて何も残らなかった….例えばイクトの攻撃で弁当が消えたように,この世界では無生物はある程度の衝撃を食らうと消えてしまうんだけど,デジモンの生命だけは別扱いで維持されるはずだったのにそうならなかった.これを「殺された」とこの世界の住人は解釈しているわけです.ではユキダルモンの生命は一体どうなってしまったのか…なんてことはマサルはもちろん考えてません.彼の頭の中は,目の前の喧嘩のことで一杯です!
メルクリモンと戦うためにここまで来たマサルと,なぜかマサルの拳のデジソウルに覚えがあるメルクリモン.「大門スグルの息子か!」なんて言ってるってことは,大門父に殴られた経験でもあるのか(笑)? しかしメルクリモンは口を噤み,その口を割らせるためにもマサルたちは三人揃ってフルチャージ.ライズグレイモン,マッハガオガモン,ライラモンの揃い踏みで総攻撃を仕掛けることに! …ライラモンちっちゃいなぁ(笑).
完全体って相当でっかいはずなのに,それよりもなおメルクリモンはでかく重く強く.ライラモンやマッハガオガモン程度の攻撃では軽すぎて,ライズグレイモンですら力が足りない.傷一つつかないとくじけてしまいそうなときに…「3体で同時攻撃するんだ!」と言い出すマサル.そういやジオグレイモンとガオガモンの同時攻撃は,以前トーマが提案したものだっけ.いきなりやると言われても難しそうだけれど,「どんなときでも,力づくで可能性を作り出す,それが男だ!」と尽きぬ闘志に,仲間たちも皆技とか命を賭ける.3体揃ってのフル攻撃は,メルクリモンですら耐えがたい!
メルクリモンの背後には人間界への帰還の道であるデジタルゲートが.けれどメルクリモンは3体に対し本気の攻撃でお返し.あっさり完全体進化が解けてしまって,この3体で互角以上の戦いをするには,少なくとも1体はもう1段階進化しないとダメか….デジタマに戻らなかっただけまだマシではあるけれど,皆に止めを刺して終わらせようとするメルクリモンの前に立ち塞がるのが,緑のデジヴァイスを持ったおっちゃん!

案の定カメモンのパートナーであったおっちゃんは,リアライズさせた上にガワッパモンへと進化までさせちゃう.才能さえあれば大人だろうとなんだろうとパートナーになれてしまうのがこの世界.ファンキーなガワッパモンはゴツモンよりも効率よく,氷の城の柱を壊して徹底的に崩してしまう.小型のデジモンなら避けようもあるんですが,この手の範囲攻撃はでかいメルクリモンには大変不利.ボスが己の城にやられて身動きが取れなくなっている間に,マサルたちは逃げねばなりません!
喧嘩番長は当然ながら敵前逃亡は大嫌い.けれど今や仲間たちは戦える状態ではなく,このままでは全滅してしまう! 「今は仲間を守れ.それが男じゃ!」と男語録を勢いでおっちゃんが追加.…マサルはあの人の息子だから仕方ないからはじまって,息子の拳のデジソウルに覚えがあったり男語録を元仲間が口にしたり,大門博士ってのは一体どんな博士だったんだ…(苦笑).おっちゃんは逃走のどさくさにまぎれてイクトまで強奪.マサルたちと一緒に人間界に送り出すのと引き換えに,自身はデジタルワールドへと居残ってしまいます.
舞台は再び人間界へ.メルクリモンは倒せないわ父を連れ戻すどころか未帰還者が増えるわと散々だったデジタルワールドツアー.数少ない土産は新情報とイクトとファルコモンですが,DATSはこれらを上手く生かして解決への道を探ることができるのか? 野口くんの帰還によって人間界側での過去がさらに明らかになる,次回に続きます.

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[雑記]プリンタを買って本をつくる / 短評

かなり前に壊れたプリンタの代替に,CanonのPIXUS iP90をようやく買いました.やや型落ちぎみだけど小さくてもA4が出せるのが一番の売りで,1.8キロなので畳んで持ち歩くのも便利というのが長所.小さい分割高で,同価格でもっと大きいプリンタに比較すると色の再現性が劣ることと,インクタンクが小さく沢山の枚数を印刷するには向いてないのが短所.ただしこの機種ではサードパーティのリサイクルインクがそのまま使えます.さすがにカラーインクは純正の方が良さそうだけど,ブラックなら問題も小さそうな気がする….
てなわけで,特に持ち歩く予定がなくても,滅多に印刷しない,大きいものも印刷しない,カラーなどほとんど印刷しない上に家が狭いのでできるだけ片づけたいタイプには案外向いているプリンタではないかと思います.

せっかく買ったので,印刷テストがわりに
 
小さい本を作ってみましたよ!後にあるのは名刺入れ.

先日から読み終わり次第Web本棚に本を登録しているんですが,絵も短文もあってちょうど良かったので,名刺半分サイズのソフトカバー本を作ってみました.材料は本文用のA4紙1枚,表紙用の葉書1枚,カッターとカッターマットと定規,速乾の木工用ボンドと金ブラシと大きい目玉クリップと,不織布の眼鏡拭き(笑).
A4用紙表裏に32ページを印刷,バラして背になるところにちょっとだけ水をつけて金ブラシでこすってしっかり毛羽立たせ,そこに木工用ボンドをたっぷりつけ,細く切った不織布をボンドの上に乗せて乾かして,余った布を切って表紙をまたボンドで本文の背に貼りつけて目玉クリップで挟んで一晩置いて,すっかり乾いたところでカッターで三方を落として完成.
ポイントは,版下を必死で作ることと,焦らずにちゃんと一晩置くことかな.このサイズなら,相当豪華なフルカラー本でも頑張れば作れそうな気がする.

  • サイドバーのアンケート回答者もうちょっと募集中.25件になりました! みんなそんなに「ハルヒ」が好きか….
  • 会社の方でいろいろありまして,来月からは相当忙しくなりそうな予感です.今でもかなり遅れ気味なんだけど,今後はさらに遅れてしまいそう….ただしどれだけ遅れても今扱ってる奴は必ず最後まで書ききりたいと思っているので,相当遅れてもどうってことない奴はぜひ今後もご愛顧をよろしく.


[開始短評]

○→○ シュヴァリエ
コミック・小説既読.映像の密度も凄いんだけど,物語の密度がそれにも増して濃い.事前に他のメディアミックス作品に触れていれば初見でもかなりわかるんですが,そうでないとついて行くだけでもキツいはず.…ただ,他の媒体とは別の展開をさせるようなので,回を重ねれば未読でも既読でも変わらなくなるはず.主要のキャストが揃ってデオンの立ち位置が確定するまでは思いっきり振り回してくれそうですが,安心して見られるようになる日は遠くないはず.アクション面も思っていた以上に気合の入ったいいものを見せてくれそうなので,しばらくは楽しみにしてみたいと思います.


[放映中短評]

△それゆけ!徹之進(~#32)
心の赴くままに爆走する犬どもと世界観が大変に恐ろしい作品.犬が牛になってモテモテとか,何をどうすればそんなとんでもない発想が出てくるのか…教えてくれなくていいです(笑).シロガネとの全面対決がヒートアップする一方でいい話とか泣ける話とかやっちゃうし,でもそっちに夢中になりすぎて最近は金儲けのこと忘れてパパさんが可哀想だし.その振り切りっぷりは軽く「マイメロ2」を凌駕してますが…やっぱし敷居は高いよなぁ(苦笑).

○.hack://Roots(~#19)
ゲーム1本目をクリアしてしまっているためにまったく未見の人とは間違いなく感想の質が違ってしまいますが,あの後にどうなるのかをわかっていて見ると,一見無関係に見えるエピソードでも後々ハセヲに繋がっていくのが分かっているのでどうしても面白い.また,逆にゲーム中では意味不明だった言葉の意味もわかってくるし,これは放映中に無理にでもクリアしたのが大正解だったようです.
ゲームをクリアした状態だと,現状の暴走の末に何がどうなるのかを相当遠くまで把握している,言うなればとんでもないネタバレ状態なんですが,逆にそんな状態でないと気付かないような謎がちゃんと含まれているのが素晴らしい.彼女は一体どうなるんだろう….終盤ではとんでもないペテンが明かされるらしいので,そこで一体何が起きるのかを,ゲーム第2弾とともに楽しみに待ちたい!

△スパイダーライダーズ(~#20)
冒頭こそ強引だったものの,最近はちゃんと健全にファンタジーしてます.マイペースではありますがキッズ向けとして,そして異世界冒険モノとしてやらねばならないことはきちんとこなしているのが好ましい.あまりにゆるくて目を惹く華やかさが見えにくいのは気になるけれど,その分をちゃんと立ってきたキャラと妙に豪華な声の魅力で補っている感じかな.特にグラスホッパーとルメン王子は,そのゆるさが他作には見られない感じでいいなぁ.

○銀魂(~#20)
絶好調! キャラも出揃い作り手も慣れてきてまさにやりたい放題に.ゴールデンタイムを恐れない高松監督の攻めっぷりと,そこに楽しそうについていっちゃうサンライズがおかしくてたまらない.でも気をつけろ,あんまり楽しそうについていくといつか絶対偉い人に怒られるぞ(苦笑)! 軽快な台詞回しでシリアスもコメディもきっちりこなしてくれるので,良いギャグに目のない奴はぜひ見てください.回によっては30分笑いっぱなし.確かに絵柄は癖が強いですが,そんなもん2話見れば慣れちまいますから! 気になるのは原作.最近あっちがときどきアニメで放映できないレベルにはっちゃけちゃってるんですが….

△BLEACH(~#93)
オリジナルのバウント編が迷走しながら終盤へ.元々キャラが多かったところに新キャラを大量に投入しやがるもんだからもう何が何やら(苦笑).人形3人組は賑やかしとして結構好きなんだけど,次シリーズまで生き残れるのかどうかが怪しい.死神さんたちの行動が相当バカなのは前からなのでほとんど気にならないんですが,バトルの中で必殺の大技がちっとも生かされてないのはかなり問題あり.折角の見せ場なんだから,せめて技だけはもうちょっと大事に扱ってやってはくれないか….


[終了短評]

3:3:1 リリとカエルと(弟)
アニマックスの36時間特番中で放映された,脚本大賞受賞作品を東映アニメがアニメ化したもの.小学生以下の子どもとその親をターゲットとした大変女性的な作品で,同社の他作に比べると段違いに商売っ気が薄くて良心的で…あれ? ラストのあの雑誌はなんだ(笑)? 序盤は特に暗喩がきつくてかなり教条的な話になるのかと思ったら,中盤からは(弟)がいい感じに話を騒がしくしてくれます.仏頂面の主役の彼女を必死で追う(弟)のけなげさが,特に終盤で大爆発していい感じなんだよなぁ….冒頭の構図から予想できても,クライマックスの怒涛展開の末のオチには意外性が感じられて楽しい.ぜひとも母と子に見ていただきたい,30分の良作です.

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機動警察パトレイバー#19

「深淵より這い寄る混沌の巻」

東京の地下にいくつかの拠点を作り,それを結び地下ネットワーク都市を作るという東京ジオシティ計画.その中心となる大縦穴にテロリストが侵入し,強力な爆発物を仕掛けたという.要請を受けて出動した第2小隊では1号機に野明,2号機に爆発物のスペシャリストである香貫花が搭乗し,2機きりで巨大な大穴へと降りることになった.ジオフロントの最深部で,工区丸ごとを吹き飛ばすほどの時限爆弾を香貫花は無事解体.続いて最近発見された巨大鍾乳洞へと踏み込むのだが,そこにはテロリストでもレイバーでもない,古い驚異が潜んでいた.

趣味の世界を趣味人が描く「パトレイバー」.伊藤和典と押井守の2枚の大看板を抱え,放映当時から他作にはない充実ぶりが目立っていた本作の脚本に挑むのは…いづぶちゆたか! ひらがなですがもちろんデザインのあの人です.
やりたいことがそのまんま出る素直な彼が描きたいのは,封印された大怪獣と香貫花.あとちょっとだけ後藤隊長.それだけやれればもう満足と言わんばかりの愛情が…濃いなぁ(笑).演出の元永氏と絵コンテの滝沢氏の仕事のおかげでアクション面もまた趣味の世界で面白いんですが,地下を行ったりきたり流されたりする位置関係がやや追いにくいのが難点.地下構造はもうちょっとシンプルでもよかったかも.

前半.東京の地底に向けて穿たれた巨大な大穴が,今回の舞台となるジオフロント.この世界では既に第2の関東大震災は終わっているので,現実以上に地下の開発に熱心みたいですね.もちろん地下は未知の世界.レイバーを大量投入して作られた縦穴の底では,巨大な鍾乳洞なども発見されたりしております.
工事関係者にとっては予期しないものの発掘は災難.珍しい遺跡が出てしまい,工事がストップし学者先生の独壇場になるってのは現実でも時折見られる光景ですが,工事全体の中心について予定通りの作業ができないと,全体スケジュールに大幅な遅れが発生してしまいます.…でも発注側でも鍾乳洞をレジャーエリアにしたいとか目論んでるってことは,工期にも多少の猶予が与えられているのかな.
そんなけだるい穴を一気に壊すのがテロリスト!作業員の中に混じっていたなんとなく目つきのヤバ気な男.彼は一人で勝手に最下層へと降りて,持ち込んだ爆発物を弾けさせて現場を壊す! しかもこれはテロリストが地上からの侵入を阻むためにちょいと起こしたもので本命は別.この世紀末の日本では,現実の日本よりもずっとテロ…というか爆発物の脅威と隣り合わせなのです.
そんな緊急事態に当然のように送り込まれるのが我らが第2小隊.もちろん彼らはひどくのんきで,行き先がSFみたいだと喜んでみたりしております.深度100~200メートルで直径40キロの巨大な放射状地下都市ネットワークを建設するってのは確かにSF.レイバーをはじめとした異様に発達した土木建設技術の賜物って奴ですね.未知の地下探検はどうしても心躍り,タイムカプセルの話など楽しげにしているところへ「何も出てきやしないわよ」とクールに口を挟む香貫花はリアリスト.
今回爆発物を持ち込んだ犯人が所属するのは過激な環境保護団体である地球防衛軍.その声明文に「地下は地神の領域」だなんて新興宗教テイストが含まれているのが変にリアルで嫌だなぁ(笑).崩落を起こしたテロリストは未だ地底のはず.ここが単なる災害現場ではなく現在進行形の事件現場であるからこそ,警視庁の彼らが引っ張り出されわけですね.
現場の最下層部にかなり強力な爆発物を持ち込んでいる犯人.そのまま爆発させたら工区もろともどっかーんで,ジオシティの計画も根本から揺らぐに違いない.けれど今回は大丈夫.どう考えても自爆の元にしかならない太田ではなく,NYでテロ用の特殊訓練を受けていた香貫花が2号機に搭乗するので! 指揮官なしにレイバー2機のみで地中に潜るとなれば,少なくとも全然沈着冷静でない太田の参加だけは絶対に避けるべき.いくら本人が行きたがっても,お留守番にしておくのが全員が生き残るための秘訣です(笑).
野明と香貫花の搭乗した2機は巨大な縦穴へと侵入.1号機と2号機が手際よく連携する様子が新鮮だなぁ….ただし道の途中では野明がなにかの唸り声を耳にしています.現実主義者の香貫花は「ここはジュール・ベルヌの地底世界でも,将門の首塚でもない」と全否定でばっさり.期待しているようなことは起きないし,宝物も出て来ない…と言うけれど,冒頭で神主がおびえていたように,そして地下のテロリストの足元で何かが蠢いていたように,枯尾花で済むわけがないのが本作なのです.
野明たちは爆発物を発見.ワイヤートラップも施されていますが,注意深い香貫花のおかげであっさりひっかかるようなこともなし.2号機に太田が乗っていないと本当に安定感があるなぁ…(苦笑).あの癖の強い2号機で香貫花は爆弾の解除も開始.地下とは通信だけで繋がっている仲間たちにとっても,順調なのは喜ばしいことに違いない.
しばし後,爆破の設定時刻までに香貫花は時限装置をしっかり止めて,神経をすり減らしたまま,まだ地底にいるはずの犯人逮捕に向かいます.さらに地上でも後藤がひろみを連れて他の隊員を残してお散歩を開始.事情聴取の際に見せてもらった模式図にはジオフロントの真横にある鍾乳洞の構造が大まかに示されていたため,そっち経由で上がってくるだろと山をかけたからなんだけど…後藤のあの軽さは一般人が見たら不思議だろうし,不安だろうなぁ(笑).
犯人逮捕のために地底を伝い,地底の鍾乳洞へと踏み込むイングラム2機.さっきの声もあるし爆弾もあったしで野明はもう戻りたいけれど,今の彼女の指揮官で,職務に忠実で割と猪突猛進気味の香貫花は先に進む気満々….けれど鍾乳洞に足を踏み入れた2号機の足元から,謎の触手が這い上がる!

後半.香貫花たちが後を追いかける少し前,道の途中に嫌な置き土産を残して鍾乳洞を上がっていった犯人.不敵にも口笛など吹きつつ鍾乳洞を登り,出口でレイバーを捨てて逃げようとしたところ…「あ!」後藤隊長のおっかない顔が闇のなかからこんにちは! 「あ!」そして背後にはもっとおっかないひろみちゃんがこんにちは(笑)! そそして頭をごんとやられてさっくり逮捕.前半のやり口はなかなか陰湿でいかにもテロリストっぽかったんですが,よりによってお散歩中の後藤に逮捕されるなんて,情けないなぁ(苦笑).
さて,この鍾乳洞には後藤やひろみの顔以外にも怖いものがいろいろ.時代物の白骨死体なんかも転がっちゃってますからね.さらに地上へと通じる長い梯子を登ったならば,そこは神社の封印の祠の中.…中から変な音がする上に怖い顔が出てきたら,神主だってびっくりするな(笑).
由緒正しそうなこの神社の祠には,竜神が封印されているという伝説が.昔は竜神退治に侍たちが中へと降りて,2度と戻ってこなかった.…さっきの人骨が竜退治の成れの果てとするならば,この洞窟にいたのは….鍾乳洞の底では謎の触手によってレイバーごと水中に引き込まれそうになる香貫花.1号機はあわてて銃撃するけれど,ろくに効かずに2号機は水没! この香貫花絶体絶命の危機を救ったのは…さっき逮捕されたテロリストの置き土産!
犯人が逃げる途中に置いていった時限爆弾が運良く爆発したことで,幸運にも謎の触手から逃れることができた野明と香貫花.しかし2号機は右足のバランサーをやられ自走できなくなった上,何者かは未だ2機を追いかけてくる….香貫花は自分が残って時間稼ぎをすると宣言するものの,野明はきっぱり拒否.いくら命令でも仲間をオトリに逃げるなんて,地味だけど主役にできるわけがない.「泉巡査,只今の命令を無視します!」と,砂利運搬用のコンテナを運ぶワイヤーに2号機をつかまらせてしまいます.
テロリストと野明に救われた香貫花の2号機は,野明の1号機とともにワイヤーに掴まり上へと逃れます.その途中でなぜか小さな部屋に入るとなぜか都合よく液体窒素のボンベが発見されるのは…それがお約束だからだな(笑).本来は人間がクリーチャー相手に演じる部類のホラーテイストのアクション逃走ゲームを,大穴とレイバーでやっているわけです.
弾はあわせてあと7発.クリーチャー未だダメージなし.コンティニューなしのこのゲームを突破し生き残るには,手持ちの全てを投入せねばなりません.迫る巨大な化け物の吠える姿は竜に似ている.眼前のそれに香貫花は容赦なく撃ち込むものの…効かない! そんな大ピンチを救うのは地味だけど主役の野明.さっき発見したボンベの中身をぶっかけて,竜に似た巨大な何かを凍らせて動きを止める!
地下で女性陣が命懸けの逃走をしていたその頃,地上では連絡が取れなくなったと大わらわ.さらに犯人が語るところによればでかい爆弾には2つ目がある.「山彦」はダメでも「海彦」は生きているとまで囀ってしまうと,後藤くらい頭が働けば「海彦」の場所は自明(笑).陸側の工区で爆発が阻止されたってことは,もう1つは土砂の搬出口である海中の東京港中部作業タワーを爆破するために仕掛けられているに違いない.…ただしこの爆弾,地下の2人にとってはさっきの置き土産と同じく幸運そのものとなります.
土砂搬出用のコンテナを運ぶケーブルを伝ってひたすらに上へと逃げる野明たち.目の前には垂直に近い壁,後には一度は凍らせたはずなのにやっぱり生きてた化け物.地味でも主役の野明は,香貫花機をワイヤーで牽引しながら壁登り.今回は香貫花が役立たずな分野明が驚くほど有能.もちろん書き手が本気で描きたがっているのは翻弄されまくる香貫花の方なので,…歪んだ愛情だなぁ(笑).
化け物に追われて海上へと逃げる野明は途中で2つ目の爆弾「海彦」を発見.既に解除する時間はないのでそのまま持って上がるしかない.…地の底から2機がようやく脱出した頃には既に夕暮れ.独特の乳白色の夕焼けの中,洋上に立つタワーの上が最終決戦の舞台となります.命令無視を咎めながらも礼を言う香貫花と,それに「やだなぁ,仲間じゃない」と応える野明.運命共同体である2人が挑むのは巨大な竜! 野明は竜を残った弾と電磁警棒で牽制.海上で対峙するレイバー2機と巨大怪獣のシルエットが実に美しい!
未だ手持ちの時限爆弾が爆発するまであと30秒.1号機は爆弾を怪獣に食わせるものの手が抜けない! それを2号機の銃撃が救い,さらに2号機を放棄した香貫花が背景の巨大クレーンへと走る! ここが香貫花の最高の見せ場.クレーンを起動させ回し,怪獣を間一髪で水中に叩き落して大爆発! …1分にも満たない最後の決戦は,あの香貫花すらぼうっとさせるほどに濃密で,現実離れしていて….

後日,結局香貫花は報告書に竜の件については書きませんでした.死体は上がらなかったし誰も信じてくれないだろうから,記録には残さず心に納めることにしたようです.…死体が上がってないってのはかなり嫌だ.閉鎖された鍾乳洞ではなく,東京湾であれが生き延びていたら本当に洒落にならないぞ(苦笑).
あの怪物は首竜類が汚染された環境に適応したものじゃないかと語る現実主義者の香貫花と,怪獣でいいじゃないと実にあっさりな夢想家の野明.「あなたはねえそうやって夢ばっかり追ってるからダメなの!」と香貫花は言うけれど,恐竜が現代に生き延びているとか言い出す時点で相当夢を追ってるし,鍾乳洞では絶対に野明の方が有能だったしなぁ…(笑).竜の正体について不毛な口喧嘩を続ける2人の現実離れ具合はいい勝負.怪獣だろうが恐竜だろうが竜神様だろうが,立ちはだかるものは倒してしまうに違いない第2小隊が一番のファンタジーだと思いつつ,次回に続きます.

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桜蘭高校ホスト部#19

「やたらに主役は足の下の巻」

休日に藤岡家に押しかけたホスト部一同.しかしハルヒはすでにヅカ部にさらわれていて,環たちとハルヒ父こと蘭花さんは大事な娘を救うために出発.例の3人によってロベリアへと運ばれたハルヒはヅカ部の発表会で代役を務めてくれないかと頼まれ,「母」という言葉に負けたハルヒはヒロインを引き受けてしまう.
ロベリア女学院までやってきた環たちだが,男子禁制の女学院には女性でなければ入れない.もちろん本職以外の女装など却下して,主役の環を足蹴にしつつ,蘭花さんは潜入のための秘策を披露するのだった.

後半戦も半分を回り,そろそろラストスパートをかけはじめてもいいはず…なのにまだ遊んでる「ホスト部」.今回は久々にハルヒ父とロベリアの3変態を引っ張り出して,2話の回想など交えつつ遊びます.ともかく楽しければいい今回は演出・絵コンテの金子信吾氏の遊び心が炸裂! いい話にする努力を完全放棄して,爆走したままエンディングまでなだれ込む勢いはとても少女マンガとは思えません.キャラがかぶった環が非力な道化となり,子安氏の足の下で右往左往しているのが可哀想.そして凄い大根の中の人が大変に楽しそう(笑).

前半.休日の藤岡家をいきなり「ハールヒちゃん,あっそびましょ!」と襲撃する環たちは相変わらず稚気溢れておりますが,中から出てきたのは寝起きのオカマ(笑).あまりに怖いので逃げ出そうとしても,鏡夜やモリ先輩を含めて全員ごろごろと戻されてるのがおかしい.鏡夜は何考えながら転がされてるんだろうなぁ.
前の時蘭花さんに目をつけられてしまった環.今回は蘭花さんに手土産持参で穏便に行きたいはずなのに,むしろウェルカムアッパーを食らってしまって可哀想(笑),今回,蘭花さんとキャラの被る環は完全な踏み台と化していくのです….
今日はハルヒは友達と出かけたのでお留守.確かにハルヒにもホスト部以外の交遊関係はあるかと納得しそうになるけれど,それがロベリア女学院の生徒となれば放っておけない! 以前ホスト部からハルヒさんを奪おうと暴れたあの3変態をそのままにしておくわけにはいきません!って言うか蘭花さんノンキすぎ(苦笑)!
ハルヒを狙うあのクレイジーロベリア,ヅカ部に咲き誇るのは紅薔薇と鈴蘭と雛菊の変態トリオ.くるくる回って無駄に歌い…こうでないと「ウテナ」じゃねえなあとしみじみ感じます(笑).紫の薔薇を散らす女子高には倒錯の愛がてんこもり.女の子が女の子をどうやって喰うのかは知りませんが,食われたいタコさんが大量発生して大変なことに.…ホスト部も相当病んでるけど,ヅカ部はその斜め上を行くなぁ.
で,そんなスターの3人がさらってきたのが,可憐な乙女であるハルヒさん.今回はロベリアの制服などを召しており,3人がかりでひたすらに可憐だと可愛がられるのは…ホスト部とあまり変わらねえ(苦笑).その似合いっぷりは「まだくちづけの味も知らない無垢な君にこそ相応しい」…ロベリアさんたちは知らないだろうけど,ハルヒさんは無垢じゃなくね?
さてその頃,藤岡家では父が苦悩中.可愛い娘をヅカ部にさらわれ,どんないかがわしいことをされているかわからない! 例えば無理やりチューとかされちゃってたらどうしよう! …そんな様子を妄想すれば,「父」ならば狼狽して当然です(笑).でもハルヒは確かダンスパーティで…と口を滑らせる双子を即座に縛るホスト部部長.実は部活動の最中にハルヒはファーストキスを失っていたりするのですが(笑)そんな不祥事を蘭花さんに知られたら,部長が父にどんな目に遇わされるかわかったもんじゃない(苦笑).
「うちの娘にいかがわしいことなど!」と疑う蘭花さんを必死の気合でごまかし,さあハルヒを助けに行こうと無理やりかわす環.今回ずーっと蘭花さんにやられまくる環が唯一勝ったのがこの瞬間.…さすがの鏡夜も,絶対に怒られる2話のあの件については報告してなかったんですね.
ロベリアのハルヒさんはここにいることを嫌がっております.普段着でスーパーに行こうとしたところを無理やり連行されたわけだから,いくらホスト部で慣れているとはいえ気分を悪くしないわけがない.自分たちの都合で人をさらったり,休日を目茶苦茶にしたり,普段着を寝間着扱いしたり(笑),やってることが同レベルだから,あいつらと一緒にされても仕方ないですよ紅薔薇様.…ハルヒの体型,本当に男の子だなぁ….
ここに連れてきたヅカ部のお願いは,大事な特別公演に事故入院したヒロインの代役を!「ぜひとも乙女にヒロイン役を演じてもらいたい!」「無理です!」ハルヒさん即決(笑).お断りしますすみませんとともかくお断り.いくら立ってるだけでいいし台詞も少ないと言われても帰る気満々.花瓶を壊して借金があるならともかく,他人のバカ騒ぎに付き合う気なんかないのです.
しかしハルヒさんを引っ張り出したい紅薔薇は,「僕はあなたのようにはなれない.許してくださいお母様!」とかいきなり妙なことを言い出します.ロベリア卒業生の伝説の母に近づくという夢を叶えるには,母も大成功させたという特別公演を行いたいのに…という見なくてもわかるほどに臭い小芝居.けれどハルヒは,「母」という言葉に弱かった….
さてその頃,大事な娘を仲間をもって行かれた蘭花さん&ホスト部は男子禁制のロベリアへ.ヅカ部は魔性の花の蜜と父は異様に警戒しております.なんせ亡きハルヒ母の琴子さんすらハマったのがヅカ部.メザシが普通に食卓に並ぶ庶民的な貧乏ライフの中ですら,ヅカ部コレクションはちゃんと蓄積されていた…って,普通はあのくらいで大量のコレクション? 大量ってのは収納には収まらないレベルじゃないのか(笑)?
メザシって何?なんて疑問はどうでもよく,ハルヒによく似ていらっしゃった母上様がヅカ部にハマっていたという事実に狼狽する環たち.もし同じようにハルヒがハマってしまったら…可愛いという財産しか持ち合わせていない貧乏な彼女が,そのなけなしの財産をヅカ部に注いでしまったらどうしよう! …ここの「まな板ですが,こんな自分でよろしければ…」の妄想がおかしい.皆やっぱりまな板だと思ってるんだ….
下手に財産あるよりまずいので,一刻も早くハルヒを助けにいきたい環はロベリアの制服を取り寄せるように鏡夜に命令するものの,その直後に蘭花さんが蹴りで却下(笑).以前お姉様になるべく思いっきしやらかして面白かったように,その道を追求していない男の女装は気持ち悪いだけ.…素材はいいんだから本職が化粧してくれれば相当のレベルには達するだろうけど,女装が見た目だけの問題ではないからこそ「本職をバカにしてんのか? ええ?」なんて凄まれるんだろうな.
ハルヒさんを救うには男子禁制の禁断の園に踏み込まねばならない.しかし女装は却下され,となると他に打てる手は…ここで自信たっぷりに「秘策があるわ!」と提案するのが蘭花さん.まるで主役のような目立ちっぷりで,なんだかハルヒよりも環の立場が大ピンチ(苦笑).

後半は大根.「母」という言葉に負けたハルヒは,代役として舞台「追憶のセニョリータ」のヒロイン・マリアンヌ役を担当.早速稽古がはじまっているわけですが…ハルヒの大根が凄すぎる(笑).たった1つの台詞な「ふれでりっくさまー」の棒読みレベルは御柱並み.しかもそれを連呼するもんだから目も当てられない.さらに心のツッコミセンサーも生きたままで劇の内容に冷静にツッコんでいる(苦笑).そもそも怪我であんだけ喋る余裕があれば,結局死なない可能性が高そうだもんなぁ.
で,そんなハルヒの大根ぶりを見て愕然とするホスト部&父.…モリ先輩が寝ているのに目が行きがちですが,この時点でもう足りないな.ハルヒの大根は父にも仲間にもフォローのしようがないほどに悲劇的なのが喜劇的.ポンコツロボット並みにダメってことは,普段のホスト部の接客は本当に素でやっているのか….
お願いだから誰かツッコんでやれと思わせるほどの大惨事にさらに加わるのが歌.ヅカと来ればお芝居と歌は切り離せないものですが,ハルヒさんはこちらも大の苦手.音楽の成績だけは昔から滅茶苦茶ひどくて!と父は恐れるものの,その歌声は…ちゃんとまとも.中の人のことを考えると歌が下手なわけがないわけですが(笑)実際はただの口パクで,コンセントが抜けると無音になるのでありました.…映像としては歌にタイミング合わせて口を動かすのは普通の歌のシーンと変わらないわけだから,無駄に手間かかってんなぁ(苦笑).
このようにハルヒさんの大根ぶりが拝めるのも,蘭花さんの機転があればこそ.前半ラストの秘策こそヅカ部ファンクラブ「紅薔薇の会」への入会.体育会系の厳しい規律やお揃いのTシャツも恥ずかしいですが,ここに潜り込むのがハルヒさんに近づく一番の近道.「薔薇様,今日も1日頑張って!」ってなご挨拶の練習も気合を込めて.女の園に近づくならば,その周囲にいるファンを味方につけねば命すら危ういのです.
さらにファンは同じファンには寛容.山ほどのファンの中にうまく潜り込めれば最高の隠れ場所ができるので,ぜひとも仲間になるべく,他の乙女たちと対等にヅカ部の魅力を語りまくる本職の蘭花さん.見た目以上に内面も女性だからこそのノー違和感ですな(笑).…ただしファンの目は外部に対してはやっぱり厳しいので,代役が舞台を台無しにしようものなら,たとえ役者だろうと武闘派の開催する体育館裏乙女集会にご招待する所存.その気合にホスト部はすっかり追い込まれてしまいます(苦笑).
あの凄い大根は絶対に台無しにしてぼこぼこにされる.そうなる前に「なんとしても…ハルヒをここから救い出さねば」となぜか劇画調の変な顔で気合を入れる殿ですが,実際は思っているだけで開演目前に(苦笑).すっかり主役の地位を追われてしまった今日の殿.でもあんな気持ち悪い顔で目立つくらいなら大人しくしてろ(笑).ちなみにヅカ部は当然ホスト部の侵入を察知.またさっきから姿を消していた鏡夜は家の力で舞台の放送室に潜り込んでおります.この設備がかなり良いものであったため,終盤の大暴露が可能となったのです.
正気を失っているファンのお嬢さん方が見守る中で,紅天女のオーディションレベルの気合の篭めた舞台がついにスタート.ホスト部は幕が開き次第ハルヒを連れ出そうと思っていたんだけれど…スポットライトの中のハルヒがあんまりにも凄いことになっていたために狼狽.舞台メイクはあまりに塗りすぎで痛すぎ.メイク濃いよハルヒ(笑)!
けれどスポットライトの中のハルヒは,なんだか生き生きしているように見える.もしハルヒさんが自身の意思で頑張っているなら,父にも仲間にもそれを止める権利はないのではないか,ということで静観してしまったのがまずかった.もちろん生き生きは考えすぎで明らかにメイクと照明の熱のせいなんだから,問答無用で奪いにいけばよかったのに….
なぜかハルヒさんの大根は劇からもファンからも許容され,ついに物語はクライマックスへ.「追憶のセニョリータ」はフレデリックの復讐劇で,貴族の父に復讐するため,フレデリックが空砲と偽りその目前で父の愛人のマリアンヌを撃つ.クライマックスにはキスシーンもあるらしく…フレデリックは紅薔薇.マリアンヌはハルヒ.そして父がホスト部ならば…空砲のはずの銃弾はキス? 「君への思いとあの男への復讐だけは,どうしても消し去ることができない」と明らかに観客席に向かって言う紅薔薇.これは,ヅカ部のホスト部に対する復讐だ!
ホスト部の目前でハルヒを奪うことこそヅカ部の狙い.舞台の上でハルヒさんを抱き寄せ,ファーストキスを奪うことこそ復讐だ! …環は真っ先に舞台に突っ走るものの,なぜかバナナの皮が落ちている(笑)! すっ転んだ環の目前で紅薔薇とハルヒは遥か上へとせり上がり…ハルヒさんの唇は,絶体絶命逃げ場なし!
けれどそもそも奪いたいものにそれだけの価値があるのかどうか,ヅカ部は勝手に思い込まずにもうちょっとよく調べるべきだったわけで.放映室では鏡夜が見事な手さばきで必要な映像を転送し,高いところでハルヒさんにキスを迫る変態の背後に巨大スクリーンを落とし…上映するのはもちろん,2話のハルヒさんのキスシーン!

バナナのいたずらで随分と前にファーストキスをお客様に捧げていたハルヒさん.ホスト部の連中と視聴者には周知の事実であるわけですが,ヅカ部と蘭花さんには初耳.しかも「女の子同士でなんてふしだらな!」…迫る蘭花さんの横にくっついてツッコミ入れてる双子が面白い(笑).でもって舞台に上がった3人は,またもバナナの登場で殿の上へと転びます.
高いところから逃げたいハルヒに下から叫ぶ環.両手を広げて…「来い!」と構えたのでハルヒは華麗に宙に舞い…見事なフットスタンプをお見舞い(笑).もちろん痛くて青い顔でひとりで倒れる殿,その目前で蘭花やらヅカ部やらがハルヒを追いかけ,当のハルヒさんは環のことなんか既に忘れて「ああ,家で静かに勉強したい!」と思った途端,なぜか全員の足の下にバナナの皮が(苦笑)!
感動も感心も共感もなくてただひたすらに愉快なだけ.ナンセンスギャグとしてのレベルも相当高いんですが,本作は一応少女マンガなので,そろそろ真面目にやる練習をしておかないと,クライマックスで困りやしませんか(笑)? …てなわけで,今度はかなり真面目な次回に続きます.

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デジモンセイバーズ#17

「仲間は比べるものじゃないの巻」

メルクリモンの居城まであと少し.無限氷壁に向かって歩き続けるマサルたちの前に,またもイクトとファルコモンが襲いかかる.さらにゴツモンの連れてきた完全体のマンモンが雪崩を起こしたため,巻き込まれたトーマとヨシノ,ララモンが崖下へと落ちてしまう.
ゴツモンはクラモンを使って崖下を捜索.トーマはガオモンと引き離された上に怪我を負っていて,今ここでまともに戦えるのはヨシノとララモンだけ.しかし常識外れの仲間たちの間で一人だけついていけない負い目を感じていたヨシノの心は挫けて,戦うために立つことができなくなる.

人間界とは大幅に異なるデジタルワールドをまだ歩いている「セイバーズ」.前回はヨシノが熱に倒れて1話お休みになってましたが,今回こそはヨシノの見せ場.完全体進化を果す晴れ舞台!…のはずなんだけど,うーん,なんかいろいろ物足りないぞ(苦笑).
主役を含め過去のまだ見えないDATSの一堂の中でもヨシノの背景はこれまでほとんど描かれてこなくて,前回悪夢の中でわずかに見えてきたのが今回どーんと色々出てくるものの…本人たちは納得し感動してるんだけど,視聴者的には見えてないものが多すぎて感情移入しにくい.ヨシノがばっきりと折れ,そしてララモンの歌で蘇ったあの物語の背景には,今はまだ見えないさらに別の事実があるように見えてなりません.…そういやあの過去はいつなんだろう? やっぱり10年前に近いのか?

前回はウイルスにやられてまる1話寝ていたヨシノは,ワクチンのおかげでようやく復調.まだ悪夢を見たりはしてますが,無事に動くことができるようになりました.このまま行けば明日の夜にはメルクリモンのところに到着.どう考えてもそこは戦場となるはず.ヨシノもララモンとともにあの巨大な敵と戦うことになる予定です.
今日の旅路は復活したヨシノが仲間を引っ張っていきます.足元は雪で白く,病み上がりなのに足が寒そうだ(苦笑).アグモンが疲れても休憩提案をあっさり却下するのは,こんな隠れるところもない場所で襲われたら洒落にならないから.確かにマサルから「意外に考えてるな!」と感心されるだけのことはありますが,これって実際は戦いを回避するための行動だったりもするんだよな.居丈高に「リーダーである私の指示に従ってもらうわ!」と宣言するお姉さんにには誰も逆らうことなどできません.…リーダーではないマサルならばなおのこと(笑).
さてその頃人間界では,DATS本部では必死に彼らの行方を捜索してるんですが未だ見つからず.心配する白川さんは「マサルたち,デジモンに食べられちゃったのかも!」なんて心配.リーダーではないけれどひとまとめにするとやっぱり「マサルたち」になってしまうところが面白い.これは自分が行くしかないかと薩摩隊長が思い始めたところで…「困っておるようじゃな!」とやってきたのは!ラストに続く.
そしてマサルたちが目指す無限氷壁では,メルクリモンがマサルたちが近づいているのを感じ,こちらも復調したイクトが征伐に飛び出していきます.…ファルコモンは前回協力し合ってしまったこともあってあんまり本調子ではないのかな.さらにゴツモンは陰でイクトへの恨みを募らせてます.仲間のファルコモンが道を誤ったのも全て人間のせいだと,感情とわずかな知識と偏見だけで全部の責任を人間に被せようとしている姿は…とても残酷だ.
イクトはすぐにマサル達を発見して襲撃.ここから先は一歩も通さないと頑張るイクトと,止められるものなら止めてみろとそれを迎え撃つマサルは,年齢はかなり違うはずなのにとっても同類(苦笑).イクトはさっさとペックモンへと進化させて更なる機動性を手に入れてアグモンの進化を封じ,クナイバネによって雪原を次々に爆破.着弾してからやや遅れて爆破する羽根の特性は,時限装置的にも使えそうだなぁ….ここまでは圧倒的にイクト側が有利だったんですが,あのゴツモンが登場したことによって状勢が大きく崩れます.彼はマサルたちだけでなく,イクトの敵でもあるのです.
大きな完全体のマンモンを連れてきたゴツモンは雪崩を起こさせて,マサルたちだけでなくイクトたちまで巻き込んで谷底へと一同を流します! …普通だとあの勢いで雪崩に飲まれたら絶対死にそうなんですが,デジタルワールドの雪は人間界とは恐らく重みが違うようで全員がほぼ無事.崖の上にはアグモンとマサルとガオモン,そしてイクトたちが残って,残った連中はどうやら崖下.…ここでガオモンがトーマのデジヴァイスを発見してるんですが,これは見なかったことに(苦笑).ガオモンは崖下に降り,マサルたちとイクトたちは崖上でバトルを続けます.
さて,マサルたちが戦う遥か下では,落ちて気絶したヨシノが夢をみております.前回の悪夢,そして今回冒頭の悪夢に繋がる,幼い自分とピアノの出てくる悪夢.彼女が姉も母も大嫌いなのは,ピアノのコンクールでの体験が原因.大ホールでのピアノ発表会では姉の2人は見事に連弾し,しかしヨシノには自分が弾ける自信がない.いくら母に才能があるといわれても,どれだけ練習してきても,自信のなさは埋めることができなくて.舞台に立っても足が震えて動けない….冷静で強気ないつものヨシノの中には,随分と弱いものが眠っていたようです.
ララモンに呼ばれて悪夢から目覚めれば谷底.ヨシノを庇って傷を負ったトーマもすぐ傍に転がってます.…ここでトーマの腰にちゃんとデジヴァイスがぶら下がっている気がするけれど見なかったことに(笑)! 狭く逃げ場が無い上に,隠れる場所も少ないこの場所は長く留まるには不向き.追ってゴツモンがクラモンたちとともに探しにきたので,さっさと隠れねばなりません.
間一髪で岩陰に隠れたヨシノたち.しかしガオモンやマサルたちと合流するには,次第に近づいてくるあいつらを倒さねばならないわけですが…ヨシノは「無理よ」とすっかり弱気.これまでの展開とさっきの夢で,勇敢なDATS隊員の中に隠していた弱気の虫にすっかり支配されてしまった彼女,「皆の足を引っ張るだけのダメ隊員だもの」とひどい自己卑下.マサルならともかく,ヨシノは決して足なんか引っ張っていないのに….
若く未熟なバカと天才の間に挟まれて,ヨシノはこれまで実によくやってきました.戦闘力こそ劣りますが,戦闘以外の場面では気が利いて常識があって実務能力の高い彼女がいなきゃ回らないことも多かった.…ただ,デジタルワールドでは彼女らしい能力の活かしようもなかったので,色々と思いつめてしまったのかも.バトルのインフレは進むばかり.バカと完璧超人は平気でもごく普通の女の子には「とてもついて行けない!」
実際ヨシノの言うとおり,この現状に完璧に順応しているあの2人は絶対おかしいので,そのおかしい片割れによくやっていると言われても複雑.ララモンはヨシノのことを深く信頼してくれるけれど,今のヨシノにはそれすらも辛い.「才能があるもの!」という言葉すら痛くて涙ぐむばかり.幼い頃から,ヨシノの前には優秀な姉たちがいて,今はマサルたちがヨシノの前にいるのです.

卑下する必要なんかないくらいの才能があるのに,周囲が凄すぎて「私には才能なんかない」とすっかり落ち込んでいるヨシノとその他2名をクラモンが発見.一刻も早く戦わねばこのまま倒されてしまう大ピンチ…なのに,ナーバスで戦意喪失のヨシノは立ち上がることができない.ゆえに唯一動けるララモンが単独で敵の前に!…けれど敵はクラモンでもゴツモンでもなくマンモンだったのでぶっちゃけ勝負にならない!
DATSの3体のデジモンの中でも特に線が少ないデザインのララモン.巨大なマンモスからすればピンポン玉みたいなもの.一撃で吹っ飛ばされそうなところに飛び込んで救ってくれたのが,崖上から降りてきてくれたガオモン!
ただし進化なしでは勝負にならないから,ガオモンをトーマと合流させるため,ララモンがマンモンの足止めを引き受ける.「これでもDATSの一員ですもの!」と頑張るけれど…いくら一員でも無理がありすぎるんだよなぁ(苦笑).
崖下が大変なことになっていたその頃,マサル組とイクト組はまだケンカを続けております.異様に身体能力に優れる二人が真面目にガチンコやってるその背後で,ごろごろ転げていくアグモンとファルコモンが変な笑いを誘います(笑).イクトが人間を目の敵にするのがマサルにはよくわからない.「お前だって俺と同じ人間じゃないか!」なのにイクトは「俺はデジモンだ」と言い張るもんだからなおわからない.…生まれた場所とか暮らし方とか価値観とか信じるものとか,目に見えないものによる分類の話に繋がるんだろうなぁ.
人間が母親のユキダルモンを殺したというイクト.親を失うことについては多少の理解があるマサルだけれど,その親がデジモンっていうのはやっぱりよくわからず,「頭を冷やせ!」と向かってくる腕を取って雪中にぶん投げる.「人間同士がどうして憎しみあうんだ!」と至極シンプルな主張をするマサルと,母を殺された恨みで向かってくるイクトの主張は平行線.戦闘的には人間とデジモンをバラして戦うとイクト側が明らかに不利なので,ファルコモンの判断で撤退.相互理解には程遠いですが,会話がなんとなく通じるようにはなってきてますね.
そして崖下.「たとえ進化できなくても,逃げるもんですか!」と意地で頑張るララモン.もちろん意地で体格差がなんとかなるわけもないので,そこそこ有効なのはナッツシュートの連打による目くらましくらいだろうか.そもそも攻撃が軽すぎるからなぁ.
その間にガオモンはヨシノたちと合流.すぐにもララモンの援護が必要なんだけど,折れてしまったヨシノは戦うことを拒否.ララモンがたったひとりで,ヨシノのために実力差のありすぎる相手と戦っているってのに.…このララモン対マンモン戦,相当悲壮なシーンのはずなんだけど,あまりにララモンのデザインがシンプルなので悲壮感が感じられないのが辛いなぁ(笑).たとえ進化ができなくても,自分にできることを精一杯,ヨシノの分まで頑張るしか!
今ララモンにできる精一杯こそがシングアソング.ララモンとヨシノの思い出の曲によっ今て,マンモンの眠りを誘います.今回は敵をこの場で倒さなくても,逃げるための時間稼ぎができればいいのでなかなか効果的.…そしてララモンがヨシノに捧げた思い出の曲は,ヨシノとララモンの出会いへと繋がっていきます.
幼い頃,ちょうど今と同じように折れていたヨシノは,謎の声によって導かれてピアノを弾きました.あなたならできると促され,たった一人で何のプレッシャーもなく弾いたあの曲は,今や彼女の一番の理解者の眠る卵を世界を越えて呼んだのです.その歌に世界の壁すら越える力があったのは本当.他の二人とは違う力だけれど,決して劣るようなものではないのです.
自分のための歌を聴いて,ヨシノの心はようやく復活! 今のヨシノはひとりきりではなく,自分のために歌ってくれるララモンがいるし…「あなたには大勢の仲間がいる!」.前を走るうらやましい2人だって競争相手じゃない.一緒に走ってくれる仲間と比較したって仕方がない.自分らしく全力を尽くせば,前の2人のようにやろうと思わなければ,ヨシノはマンモンになんかに負けるはずがない.「ひとりで悩んでるなんて,バカみたいよね!」
完全に吹っ切ったヨシノはいきなりフルチャージ! …うわ本当に心の問題だけだったのか(笑).ヨシノがフルチャージに必要だったのはパートナーを信じる心…でいいのかな? マサルやトーマがいなければ,もしかしたらもっと早く完全体になっていたのかもしれない.
完全体のライラモンは美しい上に速い! 飛行こそできたけれどスピードが足りなかった前の姿に比べると,敵の攻撃に先制して睡眠等の特殊攻撃を仕掛けることが可能になったのはかなり大きい.強い単体相手では真価が出せないかもしれないけれど,3体きりで大量の敵と戦うときにはかなり効果的なはずです.攻撃力も上がったので,相手の動きが十分に遅ければ弾を当てまくって倒すこともできるし…ってなわけで見事マンモンも撃破.これで完全体3体揃い踏み! …あれ? トーマお前割と元気(笑)?

マサルたちが厳しい旅路の果てにたどり着いたのは,恐らく今よりもさらに厳しい戦場である無限氷壁.ただしあまりにでかすぎて,メルクリモンの居城がどこにあるのかすらわからない….と困ったマサルたちに,思わぬところから救いの手が差し出されます.一生懸命歩いてついにやってきた目的地の脇,凍った池で釣りしてるのは…デジヴァイスのおっちゃんだ! どうやら隊長の代わりに彼らを助けにきてくれたらしいおっちゃんですが,彼の秘密の中には相当激しいネタが詰まっていそうです.かくして決戦の舞台に到着したのはいいんだけど…さらにややこしい怒涛の展開が待つ!次回に続きます!

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[雑記] コミケに行きました / 短評

先週ははじめて夏コミに行ってみました! 金曜と日曜,両日とも午後から出かけてみましたよ(2日目は嫌な予感がして行かなかった).ビッグサイトは見たことないくらいに人で一杯で,交通機関も帰りは乗るまでが大変で….帰り道は,ゆりかもめで豊洲まで行って有楽町線で都心に戻るコースが割と空いていて楽でしたね.
並んでた種類をあるだけ全部買い込んだのは「深夜の馬鹿力ライブラリー」.伊集院の深夜ラジオへの投稿を書き起こしてまとめたもので,思い出のネタがしっかり文字起こしされているのがうれしい.録音を聞いてもいいんだけど,一覧性からすると紙面ってやっぱりいいなぁ.巻き戻しも早送りも最高に楽だ.
買ったのは全部で22冊.で,その中で一番エロだったのが「GUN道」のコピー誌ってのは我ながらどういうことなのか(笑).いや,単に自分の好きなのがデータ本とほのぼのだからなんだけど….そんな奴でもあれだけ種類があれば好みの本を見つけることができる場所でしたよ.ロングテール!

  • タイトルの紹介文いじりました.1日1本→2日1本へ.
  • サイドバーのアンケート回答者まだ募集中.23人になりました!
  • 貯まっていた「アニ横」と「徹之進」を交互に見ていたら,あの2作品は同じ世界のなかにあるんじゃないかと思えてきました.桜の木のある丘を挟んで,八本木とあみの家があるんだ.きっと.

写真.

あまりに暑いのでちょっと涼しいものを貼っておきます.


[開始短評]

○→○ ギャグマンガ日和2
前作視聴済.前作では原作の素晴らしさがアニメで余すところなく発揮されていたわけですが,本作でも同じことをやるみたいですね(笑).ただこの間にあの怪作「フロッグマンショー」があったので,下手絵・手抜きのインパクトはさすがに薄まって見えます.原作の絶妙な下手絵を生かすには現在の作画がベストなのはわかってますんで,今回のシリーズではそこから踏み出す無謀な勇気が見たい! ピンポイントで構わないので,前作とは別ベクトルの「アニメでないとできないこと」をぜひ見せていただきたい.楽しみにしてますよ!

△→△ NIGHT HEAD GENESIS
原作視聴済.主に「兄さん兄さん頭が痛いよ」の元ネタとして知られている本作は,1話を見た限りではかなり手堅い映像で…一昔前の少女漫画みたいな雰囲気.原作放映当時のあの人気は,マニア向けの深夜に美形青年たちが白泉社系のSF少女マンガみたいなドラマを熱演したことからはじまっていたはずなので,何を置いてもあの2人の顔だけは崩しちゃダメだ.あとはターゲットとなる20代以上の女性たちにうまくこの作品が届くといいんだけど….


[放映中短評]

○無敵看板娘(~#6)
初回は今ひとつだったんですが,急激に調子を上げつつあります! 題材と制作会社との相性が微妙なのでやや斜めから見守っていたものの,西山君がにゃーにゃー言い始めてから俄然バランスが良くなってきました(笑).主役は最強ゆえに直接動かすのがなかなか難しいようなんですが,彼女を中心にして脇をごちゃごちゃ動かすといい感じに愉快.脱出不能になる話とか面白かったもんなぁ….話の回転が良くなってきたのに合わせて画の動きの面白さも増してきてるのも好感触.お勧めです.

△スクールランブル2(~#19)
前シリーズよりも恋愛味が濃く,空回りの度合いもほぼ原作と同程度.ここぞというときにはパロディも超絶作画もかなり頑張ってるんですが,それでもよく出来た深夜アニメの域から出ることができないのが辛い.…普通の作品ならここまで出来てれば文句なしのはずなのに,その枠を壊しまくった偉大な前作と直接比較されるのが気の毒ったらない.ただし女の子たちと播磨の魅力は,前作よりもこっちの方がより深まっているかも.

◎うたわれるもの(~#19)
今期中では群を抜いた戦闘描写に目を奪われ,時折挟み込まれる日常シーンの愉快ぶりに笑い,ともかくバランスが良くて隙がない! アニメでここまでしっかり描かれていて,さらにゲームやCDではよりキャラが深まっていると聞いてしまうと,つい他の関連商品に手を伸ばしたくなってしまいます.この作品単体の完成度も高いんですが,販促としても完璧な仕事をしてますね.
かなりキャラは多いもののハクオロとエルルゥが常に中心にいるために混乱はしにくく,主役の仲間たちはどいつも大変に魅力的で…特にハクオロが萌えるなぁ(苦笑).この手のハーレムモノで主役に好感以上のものを抱かせるのは相当難しいはずなのに,親近感だけでなく敬意すら感じさせてしまうのは,声優の熱演あればこそでしょう.ウェブラジオもひっくるめて(笑)素晴らしい出来なので,この先に待つという急展開でもきれいに舵取りしていただきたい.

○アニマル横町(~#45)
どれだけ幼児向けのふりをしても,あまりにもネタが大人向けすぎ.それでも最初はもうちょっといろいろ取り繕って子ども向けに見せていたはずなんですが,回が進むにつれて本当に完全にタガが外れました….だから子どもにはメタネタは難しすぎるとあれほど(苦笑)! 作画も安定し毎回きっちり笑わせてくれるので,ギャグシリーズとしては大変に優秀.難を言えばネタ抜きではキャラが薄すぎてグッズ展開が難しいことくらいで,その他は本当に良く出来てます.アニメに詳しくない一般人に見せても大丈夫な作品の1つです.


[終了短評]

3:2:1 神様家族
キッズの老舗である東映の新たなる挑戦.オープニングが秀逸で,あの映像だけでとりあえず物語も最後まで見てしまったくらいによかったわけですが,本編の方は…うーん,やっぱしノウハウがないのは辛い.いろんなものが足りないぞ.原作未読なんですが,恐らく原作は展開よりもそこから醸しだされる雰囲気の方が重要な作品だったのではなかろうか.しかしアニメでは,雰囲気を表現するための演出のいろいろがどうしようもなく足りない.題材の健全さは制作会社とマッチしていたし,アクションは割に健闘していたと思うのですが,心情を表現する部分で大きく点を下げてしまったなぁ.

3:2:1 エルゴプラクシー
うーん,こっちは雰囲気は抜群なんだけど(苦笑).陰鬱で暗い世界の中で,ダメ青年とツンツン美女と空気読んでないメカ少女の繰り広げる旅の物語.いかにも村瀬監督趣味らしいダークで端正なデザインも魅力だったわけですが…物語全体の構成にやや難が.特殊な言葉が飛び交って何が起きているのか掴みにくい上に,理論展開も難解…ってのは雰囲気を重視するこの作品があえて選択したことだからまあいいとして.問題は物語が普通に動き出すまでに時間がかかりすぎたこと.長期シリーズならばともかく,半年シリーズで半分以上見ないと楽しくなってこないというのはさすがに遅すぎる.この作品を楽しむならば,中盤まで耐える根性が絶対に必要です.

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機動警察パトレイバー#18

「人命第一と大好きは違うよな?の巻」

警視庁のパレードのためのレイバー研修を受けるため,アイドルの松本加奈が特車二課にやってきた.大ファンである太田をはじめ,整備班も含めて男性比率の高い二課は祝賀ムードに包まれる.けれど大切な愛機を練習機として貸し出さねばならなくなった研修担当の野明は複雑.アルフォンスは傷物にされるし,加奈ちゃんには異様に好かれるし….その上アイドル誘拐を企む者まで現われて,野明はそれに巻き込まれてしまう.

舞台設定を生かしてやれることは全部やっていく「パトレイバー」.今回はアイドルが誘拐という,割とよくある系統の話なんですが,なんたって松本加奈ちゃんが本物です! 高田明美デザインでボクっ娘で声がかないみかなんだから本物に間違いありません(笑).…放映当時ではこういう愛らしいアイドルは時代錯誤に見えたはずなんですが,当時から二回り以上した現在ではなんだか普通に見えちゃって,時代の巡りってのは本当に恐ろしいなぁ.

前半.何をどう間違ったのか,人気絶頂の国民的アイドルが特車二課にやってきてしかも宿泊することになっちゃって,第2小隊と整備班は浮かれた緊張状態に.特に薔薇の花束なんて抱えている太田のとち狂いぶりはいっそ不気味.あの性格でアイドルに熱を上げられても…(苦笑).皆がそれなりに浮わついてる中で,唯一平静なのが野明.アルフォンス以外のものにはとんと興味のない娘です.
交通安全週間のパレードでイングラムに搭乗するため,1週間の訓練にやってきたピンクで可愛い加奈ちゃん.アイドル本人に興味がなくても,査定の点数稼ぎの機会としては貴重なのでぜひ頑張らねばなりません.にしても…ああ,本当に高田明美だ(笑).松本名誉巡査のために整備班は鉄塔から歓迎の大垂幕を広げ,窓からは総出で大歓迎.そしてきっと一番浮かれている太田は,遊馬を引き剥がして薔薇を渡す.…そういやこいつって24歳だったっけ.
今回の任務は加奈ちゃんがイングラムを操縦できるよう指導すること.その教育係には野明が任命されております.パイロット技能を持つ連中の中でも,同じ女性で年齢も近いし,何よりも彼女の機体を練習機とするわけだから,至極当然の選抜です.
新パイロットの誕生には儀式がつきもの.特車二課の場合はマニュアルでレイバーキャリアに乗せるのがそれなんですが,もちろん今回は野明の時のようなガチンコではなく,あくまで歓迎の儀式.自動操縦で絶対成功するようにしておいて,加奈ちゃんに自信をつけさせるのが狙い.ゆえに遊馬があんまり監督することなく加奈ちゃんを1号機に乗せちゃったのがまずかった.齧った程度の知識で彼女が中のパネルを触ってしまったもんだから,折角の自動操縦装置が止まってしまいます.
若く明るい歌声のためのイカサマの種を切った状態で,「加奈ちゃん行きまーす!」と歩かせはじめる加奈ちゃん.自動操縦なしでちゃんと歩かせちゃってるあたり,彼女は相当筋がいい.ただし反転の上にバックというのはやはり難易度が高すぎたようで,バランスを崩して倒してしまうのもいたしかたなし.…で,可愛いアルフォンスが他人に倒されてしまうのを見て正気を失ったのが野明!いきなり1号機の足元に走ろうとするもんだから,あわてた遊馬が急いで庇いに行ってます.
イングラムに潰されるのを遊馬の間一髪のタックルで救われた野明.しかし庇ってくれた者への感謝などかけらもなく(笑)アルフォンスが傷ついたことでもう頭が一杯で,加奈ちゃんが泣いて謝るのも無視.初心者においてもあんまりなさそうな今回の自損事故の原因の大部分は,加奈ちゃんにはなさそうなんだけど….
借りた車で自損事故,泣きたいのは車を貸した方.「あんたの怪我なんかほっといたって治るけど,アルフォンスはね! どんなに小さな傷でもあたしたちが面倒見てあげなきゃならないんだから!」…本当に凄いマニアであった野明の本気の剣幕に,さすがの加奈ちゃんも泣くのをやめました.
大事なものを傷つけられて,夜になっても野明の機嫌は治ることなし.元々アイドルなんかどうでもよかった上にあの事件なので,これからの1週間に既に辟易してしまうのも仕方がない…なんてのはどうでもよく,野明と香貫花が一緒に風呂に入っていることの方が重要! 倒れるときに手で庇った加奈ちゃんにレイバー乗りの才能があるかもしれないことなんか,加奈ちゃんが遅れて風呂に入ってくるのに比べたら小さいことです!
「僕,深く深く反省しています」と殊勝な態度の加奈ちゃん.ビデオのタイマー予約すらできないほどの機械音痴でも,うまく乗りたいから見捨てないでと切々と,しかも裸で言われたら男なら全力で許すでしょうが(笑)野明にはそういう趣味はないので「訓練は厳しいぞ,しっかりついてくるように」と棒読み.ところがこれに加奈ちゃんが大喜びでしまいには「先輩,好きっ!」って…あれ? こっちはそういう趣味なのか(笑)?
研修2日目のメニューは銃講習.絶対にパレードには不要な講習ですが,講師役をやっていいとこみせたい太田が無理やりねじこんだんだろうなぁ….射撃のコツは先手必勝一撃必中.普段太田は後半ができてない上に両方ともコツではないわけですが,それでもちゃんと当てて頑張ってますね!
今度は加奈ちゃんが実際に洋上の的を撃つ番.でも「泉先輩に愛を込めて!」撃つもんだから太田と野明と遊馬がひっくり返る(笑).なんだって女の子が女の子に愛を込めるのか.女子高生なんかによくある奴ってところでいちご舎とか思い浮かべるような奴はダメ人間だ(苦笑).…この射撃もなかなか面白く,2号機に支えてもらいながら撃った弾は海面を水切りして遠くまで.意図的にこれができたら確かにマンガ.けれどイングラムという扱いの難しい機種で1日かからずここまでやれるのは,やはり天性の才能があるんでしょうね.
さて,隊長室では今回の件について後藤と南雲がまったりトーク.今回のパレードは警察の広報的には最重要のはずなので,第2小隊は普段の任務を全て忘れてタレントの相手に勤しむべき.現在の評判の悪さを考えるとマスコミ対策のためにも加奈ちゃんにはちゃんとパレードしてもらわなきゃいけないし,同時にあまりにも評判が悪すぎるから小事件も大事件も回されないだろうというのが後藤の読み.…ただし第2小隊には,何もないところからでも大惨事を製造できる,そんな特殊能力があることを忘れてはなりません.
実際にトラブルの芽は,二課の訓練の様子を遠くから監視しておりました.中国系である今回の犯人その1は,電話で彼のボスである犯人その2にご連絡.緒方建一に納谷六朗で声優が豪華だ(笑).ミサイルの密輸とアイドルの誘拐は結び付きにくいですが,実際はちゃんと結びつきがあって…よかったかも.犯人の目的が完全な誘拐であった場合,もっと悪い展開になったかもしれません.
芽がしっかり事件に育ってしまったのは夜.暗くなるまで街灯の下でジョギングやるあたりは熱心ですが,そのあたりは野犬が出て危ないから程々にするべき(苦笑).疲れてやめたい加奈ちゃんをなおも鍛える体育会系の野明先輩.大事なアルフォンスを貸すからには初日のようなことは起こさせたくないと熱心で…熱心が過ぎて走る加奈ちゃんとの距離がどんどん開き,気づいて振り向いた彼女の目をくらませる,見知らぬ車のヘッドライト!

後半はなぜか遊馬が主役.同日夜,電話を取った遊馬が聞いたのは,加奈ちゃんを誘拐したからイングラムと交換したいという犯人その2の提案! 遊馬本人は加奈ちゃんに対して太田ほど熱狂的ではないわけですが,国民的なアイドルを人質に取られたとなっては顔も険しくなろうというもの,…ところが,ここで加奈ちゃんが普通に二課に帰ってきちゃいました(笑).性質の悪い冗談だと遊馬は怒り,犯人その2の方は話が違っておろおろ.日本の古い諺の「慌てる…物貰い良くない」は途中が消されてるなぁ(苦笑).
実際これは冗談でもナメてるわけでもなく,単に間違えたのです.加奈ちゃんはジョギング中に野明とはぐれて,野明はまだ戻ってこなくて.ついでに野明と加奈ちゃんは背格好が似ていて…案の定さらわれてしまったのは野明の方だったから遊馬も呆然.犯人的にはアイドルをさらってイングラムと引き換えにして警察の面子を丸潰れにする計画だったわけですが,婦警をさらってイングラムと引き換えにしても,やっぱし警察の面子は丸潰れだなぁ.
数奇にもイングラム大好きな奴の命とイングラムを引き換えねばならなくなった第2小隊.公衆電話を室内に引き込んで全員で取り囲んで相談中.人命尊重な遊馬は野明とイングラムの引き換えを即決.太田は敵の捕虜になるくらいなら自決せよと言い切るわけですが(笑)仲間を見捨てるわけにはいかないので遊馬は取引を承諾.もっとモメると思っていた犯人は拍子抜けで大喜び!
ドジばかりの婦人警官と最新鋭のイングラム.警視庁がどちらを大切と判断するかは目に見えているので,本庁の応援なんか期待できない.ゆえに隊長にも内緒で,内々に解決するしかない!と決意する一堂.決戦は今夜12時の埋立地のバーガーショップ.人命第一,野明もイングラムも渡さない!…と盛り上がりまくる輪の中で,さすがに加奈ちゃんは置き去り.…しかしはぐれたことを気に病み,ついでに野明のことが大好きな彼女が静観できるわけもない.そして野明を案じる彼女はさすがアイドル.なぜか思いっきりカメラ目線です(笑).
待ち合わせのバーガーショップ,深夜12時にレイバーキャリアが店の前に到着.運んでいるのは約束どおりに遊馬のみ….そしてショップの店員こそが犯人その1こと張.口では接客しつつ手元で紙を差し出して指示を出します.その指示の中でも「日本を出てから女を帰す」ってのは大変にまずい.けれど抵抗できる状況ではないので指示通りにお会計のふりで起動ディスクを渡したら「ありがとう…ございます!」と遊馬を殴り倒してそのまま逃走する犯人その1! …そんな派手なことしたら,目立たぬための店員のふりなんか無意味じゃないか(苦笑)?
その1に殴り倒されても,今日の遊馬は「倍返ししてやるぜ!」と気合十分でかっこいい.運び去られるキャリアを追ってきた香貫花のオープンカーに同乗させてもらって追跡.そのまま浦安方面へ….派手なスポーツカーと人気のない道ではあっさり追跡が見つかりそうな気もしますが,巨大なレイバーキャリアの後方には,素人では確認しにくい大きな死角が存在するのかもしれません.
イングラムが運ばれたのは18番倉庫.確認したら香貫花車はすぐに倉庫内に乗り込んで,その1を捕まえ野明はどこだと脅します.殴られた遊馬はもちろんのこと,香貫花も野明に何かあったら「Kill you!」と本気.けれど2人の攻撃もここまで.野明が犯人その2こと劉に銃をつきつけられつつ再登場….
今回は冒頭から酷い目に遭っている野明ですが,なんでこんなのと間違えた?とか言われたくらいはまだ良くて,大事なアルフォンスと自分が交換された上にイングラムはバラされて外国の軍隊に売られることや,パイロットにも商品価値があると,犯人が自分を無事に帰すつもりもないことを暗喩されてしまってもう散々.…しかし,この死の商人たちはわかっていません.彼らが喧嘩を売ったのは,日本中に悪名轟く集団なのです(苦笑).
かくしてはじまる第2小隊の超絶レイバーショウ.まずは「泉! お前の死は無駄にせんぞぉ!」と天井破って2号機が登場! 最初から人質は死んだものとして行動しちゃう太田には,折角の人質もまったく効果なし! 同士討ちをまったく恐れない彼こそが,第2小隊の不祥事のほとんどを生産しております(笑).…ただし太田は後先をあんまり考えないので割と捕まりやすく,敵レイバーに羽交い絞めにされて動けなくなり.ここでその1が手に入れたばかりのイングラムで反撃しようとしたもんだから野明動揺!
「あたしのアルフォンスに手を出さないで!」と必死の野明.自分よりもアルフォンスが大切で,前半でイングラムの前に飛び出したときだって,自分の身のことなんかまったく考えていなかったくらい.かっこいい正義のロボットであるはずのアルフォンスは,決して兵器でも悪人の手先でもないから…起動するイングラムに「あたしのアルフォンスは,そんな子じゃないよぉ!」と叫ぶ野明.そして,本当にアルフォンスは悪を撃つのです!
なんとコックピットには今回ゲストの加奈ちゃんが.急展開についていけなくなったその2が呆然とした機を逃さず,野明は悪の手からついに脱出.「悪人ども控えい控えい,この紋所が目に入らんかーい」と妙に時代劇がかった加奈ちゃんは初心者とは思えぬ大活躍.やっぱしこの子,筋いいんだなぁ….ついでにキャリアの荷台に隠れていたらしいひろみちゃんもその1を怪力で持ち上げて大活躍(笑).
逃げる黒幕をコケながらも捕まえたり,敵レイバーを転ばせて仕留めようとして大事になったり,イングラム2機による極秘ミッションは実に騒がしいどたばたヒーローショウへと変貌(笑).このあたりは画がともかく派手で,音楽に合わせてメカがバカっぽく動いてるのがいい.で,この騒動の直接の原因となった野明は自分の失態に「…ゴメン」.そんな野明の頭をなでて,「でも,無事でよかったな!」と笑い,「大丈夫だよ,きっと」とウインクする遊馬.怒られる方が,無事でないよりもずっとずっとマシなのです.

最後にはいつもの大暴れになってしまったわけですが,一応こっそり野明を助けに行った一同は出来る限り静かに特車二課へと帰還.皆で部屋に戻るその途中,いきなり加奈ちゃんが野明に「僕先輩のこと諦めます!」とか言い出しました.「だって遊馬さんの方がずっと先輩のこと愛してるんだもん!」(笑).…いや,確かに遊馬は一生懸命だったけど,それはたぶん愛情よりは友情とか兄妹の情に限りなく近かったので違う違うと揉めてたら…「なにやってんの君たち」と香貫花に聞く小声の主は!
そもそもあれだけやらかしておいてごまかせるはずもなかったわけですが,案の定ちゃんと感づいていた後藤隊長.「早かったんだね.あったかいコーヒー入ってるよ!」なんて,少なくとも彼らがここを出て行く段階ではもう感づいていたみたいですが…「揚げたてのポテトも買ってきたんだけど,一緒にどう?」と差し出されたのはあのバーガーショップの袋! うわ,本当に全然隠せてないよ(苦笑)! さらわれたことは不問とするにしても,勝手にレイバーを動かした件で,全員で夜通し始末書書くことになるんだろうなぁとか思いつつ(笑),次回に続きます.

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桜蘭高校ホスト部#18

「最終兵器ロリショタの巻」

ホスト部では比類なきロリショタぶりを発揮するハニー先輩.彼には中等部在籍中の弟がいて,顔を合わせれば弟が仕掛けてくるそんな殺伐とした兄弟仲.以前は家の跡取りとして無理に男らしくふるまっていたハニー先輩だが,ホスト部に入りケーキと可愛いものの誘惑に屈した今となっては禁欲も自制も見る影もない.ただしこのロリショタはべらぼうに強く,そのことが格闘家としての兄を尊敬する弟には我慢できない.

2クール目を快調に,部員たちの内面をさらに掘り下げていく「ホスト部」.普通はどんな明るい顔でも内面を掘り下げると底暗いものがどろりと出て来たりするわけですが,ごく稀にそういうのとは全然違うものが出て来るという,今回はそういう話(笑).最上級生にはとても見えないハニー先輩の過去と現在は壮絶にシュールで,どこをどう頑張ってもまったく共感できない展開が映像のキレも相俟って面白い! 今回は脇に徹する双子のシンメトリーぶりも大変に楽しい.すっ飛んだ展開なので当然感情に来るものはないわけですが(苦笑)そのトビっぷりににやにやしちゃいましょう.ちなみに原作からは大幅な改変がなされてるんですが,1話でまとめるには削るのもやむを得ないですね.

前半.庶民の世界から見れば異世界である桜蘭のさらに異世界である第3音楽室にやってきたのは,中等部の眼鏡の少年.しかめっ面な彼とそのハニー先輩が顔を合わせたならば…「光邦,覚悟!」といきなりバトルの開始.大抵の超展開には慣れたはずのハルヒさんでも,いきなりのバトルは追従しにくく,しかし他の連中は特に動揺することもなく,むしろ実況とかはじまって異様にノリノリ.
手広くやってるれんげさんは突然の戦いすらも見事に実況.今様牛若丸であるハニー先輩に挑むのはチカ君.2人の縦横無尽なバトルっぷりは達人の域なんですが,ハニー先輩のあの力みもなく平静な表情は…ちっとも本気じゃないんだろうなぁ(苦笑).対してチカ君はあっという間に息が上がっております.
ハイレベルな2人の喧嘩.この学校的にはいつものことのようでギャラリーの皆さんも実にのん気.はらはらしてるのは慣れてないハルヒだけ.チカ君はどこからか取り出した金属の棍を構え,ハニー先輩を吹っ飛ばした…と思ったら,この勝負はハニー先輩の勝ち! チカの足元にはハニー先輩のクナイがっつり刺さって「影縫いだ」.どうやら格闘スタイルだけでなく,武器も暗器もOKなルール無用のバトルなんですね.銃火器とかミサイルは…流派的にはOKでも日本国内じゃ法に触れるからダメか(笑).
無傷のハニー先輩はやはり最強であることが実証されたので実況のれんげさんは退場.かなり痛んだモノクロフィルムを使ってたあたりも絶好調でマニアだなぁ….で,あまりに敷居の高い今回はハルヒさんはすっかり置き去り.そもそもチカ君がわからないんだけど…よくよく見ればあっさりわかる,「ハニー先輩の弟さんだよ」
古来より武芸で名を成し,しかしそれに留まることなくあらゆる武術を取り入れてきたという埴之塚流.これを極めんとする者は,顔を合わせたら即座に切り結ばねばならないために冒頭のようなことに.ホスト部の皆にもそれぞれ家庭の事情があるのだと今のハルヒは知っていますが…ハニー先輩の事情は珍妙すぎてやっぱり敷居が高すぎです.
埴之塚流の基本は自身を戒め無我を目指す.…それは中学生がテニスで出すアレのことかい(笑)? 自律自戒が重要で,快楽に流されることは禁止なのでケーキもだめ.けれど次期当主の呼び声高きハニー先輩はケーキ好きで甘えたロリショタ.まさに砂糖菓子の煩悩の塊のような彼は流派的にはもちろん例外で,ゆえにチカ君は兄のことを呼び捨てにする程度に大嫌い.今の堕落したハニー先輩には,当主の資格はないとまで言うのです.
ホスト部へと移籍して以来,武道の道よりショタの道を極めてしまったハニー先輩.そんな兄貴を弟が尊敬するのはさすがに相当難しいようで,負けたくせに「学校では俺に近づくなよ」とか捨て台詞まで残していく始末.…刺々しい言葉を実の弟から一方的にぶつけられるばかりの先輩はさすがにうさちゃんを抱えてちょっぴりヘコみ気味.でも「余ったケーキ,どうします?」と環がケーキを差し出したなら,満面の笑みで食いました(苦笑).家庭の悩みは人並み以上に抱えているものの,ケーキやうさちゃんには絶対勝てないあたりが実に彼らしい.
なぜにハニー先輩はまともな空手部からうさん臭いホスト部「なんか」に移籍したのか? ハルヒは不思議がり殿はプライドを砕かれてます(笑).知らないハルヒに双子が教えてくれるのは,ホスト部ができる前,今より2年前のハニー先輩空手部時代の物語.
ハニー先輩の空手部鬼主将伝説! 2年前のあのころの先輩は,当主として相応しくなろうと一生懸命.1年生で空手部の主将を務める実力は本物なんですが,あまりにロリショタな外見にはさすがに周囲の目も厳しかった.それをなんとかするためには,己を律し弱さと甘さを切り捨てて真の強さを掴むしかなく,傍で見てると切なくなるほどの努力を「そりゃもう頑張られた!」 …ただし武道の修行ではなく,見た目を鬼主将にする方向の努力なんですが(苦笑).
実力的には十分なハニー先輩は,それ以外を次期当主らしくするために努力.可愛いものを封印し,勇ましい仕草や勇ましいメニューを選ぶハニー先輩.…それはどうにも似合ってないし,必死の努力や我慢がむしろいじらしくて萌え(笑).この頃のハニー先輩にとっては,何をやってもファンクラブが結成されてしまうほどの自身の愛らしさこそが最大の敵であったわけです.
ちなみに「鬼主将伝説」なのは,当時あまりの不憫さに同情した部員たちが「鬼主将」と社交辞令を連発し,それにハニー先輩がほんわり喜んでいたため.どう見ても鬼じゃない相手を必死で鬼と呼ばねばならない!そんな周囲の必死の努力が泣けます(笑)!
世の中にはどれだけ頑張っても無理なことがあるわけですが,それを必死にやっていたハニー先輩の目を奪った,ピンクうさぎの手踊り人形.ハンドパペットのかわいらしさに見事に誘い出された鬼主将が見たのは…薔薇を撒き散らすまだ若い金髪の王子様とうさぎ.彼は「僕と一緒に部を立ち上げてみませんか?」とハニー先輩を誘惑します.
スカウトっていうか部長の一本釣りに挑戦してきた中学時代の環.これからホスト部を作ろうと考えている彼は,思いつく限りのメリットを餌にして大魚釣り.格闘家としてはネガティブな意味しか持たない容姿を生かすことが可能.さらに可愛い小物や甘いケーキも存分に! 「僕らと楽しく過ごしてはみませんか?」
可愛いものと甘い物の誘惑から必死で逃れようとしていたハニー先輩にとって,その中心から来た環の言葉はまさに悪魔の誘い.必死で関心のないふりしても,うさちゃんからは目が離れない(笑).見事に獲物は針にかかっているので,後は魚に諦めさせればいいだけです!
環が抵抗する魚に問うのは「真の強さとは一体何なのですか?」本当の自分を隠して見栄を張ることは逃げであり,本当に好きなものを知って認めることではないのかと.「楽しもうとする前向きな力,それこそが本当の強さではないんですか?」…凄まじい揺さぶりの上にうさぎを残して,環は一旦退場.引くだけ引っ張っていきなりふっと緩めたわけですね.
ただでも無理していたところに,環の言葉に揺るがされたハニー先輩.己の中に無理と迷いがあることを自覚した彼は,ここまでの彼をデザインしてきた父に向かって,真の強さとは何かを尋ねます.…ここで適当論理で口頭で説明していたら,きっとハニー先輩はホスト部には入らなかったんだろうけど…おもいっきし実戦でもって語ろうとしたのが運の尽き.天才武道家の父は病院送りにされました!
恐ろしいまでに完成していたハニー先輩の格闘能力.その発露は審判を完璧にビビらせ,内々に大量破壊兵器認定までされてしまうほどの無茶苦茶ぶり(笑).なんだこの最終兵器ロリショタ.寝起きの悪さで特殊部隊をやっちゃったのもやっぱり本当なのかなぁ.
こうしてハニー先輩は釣り上げられてホスト部へと移籍し,大変に共感しにくいキャラの大変に共感しにくい過去話はようやく終了.ハニー先輩は型破りすぎて埴之塚にも収まらないというか人類の範疇に収まっておらず(笑)それに比べるとチカ君は家風でがちがちっていうかまともゆえに反りが合わない.…でも,弟と喧嘩するのは辛そうなので,「埴之塚ブラザーズ仲直り大作戦を開始する!」と環は宣言するのでありました.

後半.チカ君は空手部主将として掛値なしの鬼主将ぶりを発揮しておりますが,あまりにも兄が凄すぎるのでその頑張りが薄れてしまうのがやるせない.でも,即座に正拳突きを鼻先にくれたり休憩をやめさせたりするのは鬼主将だけど大変に情けないぞ.チカ君の歪みっぷりはお約束どおりのものであったため…双子は揃って別の遊びを探しに行こうとする薄情ぶり(笑).面白いことだけを求める双子にとっては,ハニー先輩の気持ちなんかどうでもいいんだな.
今日も他人のことに一生懸命な環に向かって,ハニー先輩は「僕いいんだ」と遠い目.ロリショタだけど兄だから,弟が元気にすくすく育つのを祈るばかり…と考えてることは妙に老けてるんだけど,見た目はアレで弟の方がでかいし,ついにはあまりに皆がうるさいので,あっさりチカ君に発見される始末.
出会ったらそのバトルというのが埴之塚流.その相手がたとえ兄でも宇宙人でもルールは絶対…って,宇宙人? チカ君はハニー先輩を宇宙人呼ばわり.確かに人類離れはしてますが,強すぎて甘いのと可愛いのが大好きなロリショタに対する呼称としてはいささか不適当にも思えるわけですが…「あの人毎晩夕食を食べた後にホールケーキ3個とか,平気で食べるんです!」…わあ.
チカ君が兄が嫌いなのは強いからとか甘いのと可愛いのが好きだからではなく,兄が人間離れしているから(笑).食後にホールケーキ3個を瞬時に消し,夜中にはうさちゃんと一緒にケーキ祭り.小粋なウエディングケーキレベルのブツに取り囲まれた週に1度のスペシャルケーキナイトは,チカ君のトラウマになるくらいに怖かった….ケーキバイキングで大活躍する人を見たときの数万倍の衝撃を喰らったわけだから,そりゃ嫌になるさ.
「はっきりいって怖くないすか?怖くないすか?」と必死で己の味わった恐怖を伝えようとするチカ君(笑).常識の枠内で考えれば,うさちゃん電波で一晩中ケーキ食べてるような奴は宇宙人扱いされても仕方がない.…それでも昔はまだちょっと過剰なくらいだったから仲良くできたけれど,ホスト部に移籍するときにタガが外れてしまった(苦笑).好きなものを認めるのが真の強さとか吹き込まれたのを真に受けて,強い兄は宇宙人へと変貌! あの説得がなければ今の不仲もなかったのか….
仲直り大作戦の企画者が不仲の原因であったことが判明しては,さすがに仲直り仲介は難しい.しかし兄はしっかり誤解しながらも,甘いものが嫌いな弟と向き合うことを決めました.すっかりホスト部に染まった彼は今の自分に恥じるものなし.ゆえに!「男らしく,埴之塚流でケリをつけよう,靖睦」と言い切る様が実に凛々しい.
本日締めの大一番.どこだかわからん草原ではじまった勝負には,「夜中にケーキを食べるのはやめる」という懸賞がついております.…この程度の条件ですらチカ君があっさり飲むくらい,ハニー先輩の病は重いのか….前回とは逆に今回はハニー先輩が攻撃側.どこからともなく棍を出して攻め,チカ君が影縫いを狙ってきたところを綺麗に棍で跳ねてしまう.
いつもいつでもハニー先輩を見守り続ける,モリ先輩が珍しく長台詞するところによれば,チカ君はハニー先輩の動きを常に取り入れ,ハニー先輩は常にその技を出すきっかけをつくってやっている.武道家としてはチカ君はハニー先輩を未だに尊敬し,近づきたいと思っている.…そこにはちゃんと絆があるから,モリ先輩的にはこのままでいい.兄弟の繋がりは完全に切れているわけではないのです.
それにこの勝負に関しては,ハニー先輩はわざと負けて勝ちを譲るつもりだとモリ先輩は真剣に見立てます.どんなときでもずっと一緒だったから…「あいつのことなら,なんでもわかるさ」なはずなのに! その目前で兄は弟を手加減抜きで吹っ飛ばし,最悪のダメージを食らったモリ先輩(笑)!「…あ」

宇宙人の考えていることは人類にはわからない.その人類が弟でも筋金入りの臣下でも,全然別の生物の頭の中なんかわかるわけがない(笑).本気で甘いものが好きなハニー先輩はスペシャルケーキナイトを止めることなどできず,むしろ勝利したからと週3回にグレードアップ! …そんな食生活は絶対体を壊すと思うけど,宇宙人だったら壊れないのかもしれないなぁ…(苦笑).
あっさりやられちゃったチカ君と,自分のこれまでをぶっ壊されて真っ白になったモリ先輩はご愁傷様.そしてケーキのためなら武道だろうと弟だろうと犠牲にできるハニー先輩はケーキの鬼だ! 自制自律もあくまで人間の枠内で推奨されることであり,人間離れしたハニー先輩には似合わないし,らしくないし,楽しくないから…ここは素直に,正直に!「うさちゃん,だーい好き!」…これほど悲壮感とかしっとり感のない過去話は珍しいよなぁと笑いつつ,次回に続きます.

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デジモンセイバーズ#16

「病も過去も謎ばかりの巻」

メルクリモンの座す無限氷壁に向けて旅をするマサルたちだが,ヨシノが謎の高熱を出して倒れてしまった.医者であるトーマの指示によって一同は休息を取るが,病に伏せるヨシノをイクトが襲い,なぜか一瞬の接触によってイクトにヨシノの病が移ってしまう.
デジタルワールドの未知のウイルスに感染したヨシノを救うには治療のためのワクチンが必要で.それは同じ病に倒れたイクトも同じ.ファルコモンはイクトを救うために流れ者の岬の情報をマサルたちに提供し,ワクチンのために敵同士が一時的に手を組むことになった.

デジタルワールド脱出のために異世界を歩む「セイバーズ」.この旅は次の段階で大仕掛けを動かすための仕込みのようで,1話完結の爽快さは前クールより薄くなっているわけですが,謎解きのポイントとなるこの回はなかなかの見ごたえ.ちりばめられた伏線どもだけでなく,一時的に手を組むファルコモンのヘタレっぷりがいい(笑).
いきなりほぼ全装備ロストして,それでもくじけていないマサルたちの精神は並でなく太く,そんな精神面での超人ぶりが,イクトのいないファルコモンの脅えっぷりとの比較ではっきりします.また,台詞のあちこちにいかにも彼ららしいやりとりが散見させるのも楽しくて,さすが横手脚本,いい仕事してますね.

到着直後からいろいろあって,もはや無限氷壁へと向かうしか道がなくなったマサルたち.前回は大きな谷を越えるどさくさにまぎれてトーマが完全体進化を習得.未だ未習得なのはヨシノのみなわけですが,前回ラストでばったり倒れたその続き.いきなり39度近い高熱を出し,意識も飛んだ彼女をなんとかするため,一同は進撃を休止して手近な洞窟に入ります.
一体どこの医学部がとち狂ったのか,医師免許なんか持ってやがったトーマがヨシノを診察し,残る連中は外で心配中.…さすがに命に関わることだし,「特例」って言っとけばどんな免許持たせてもいいってもんじゃねえよ(苦笑).「むかつく完璧超人め!」というマサルの苦々しい言いっぷりがおかしい.
でもって完璧超人は,ヨシノの病状を疲労が原因と診断し,休息を取ることに決めました.この状態でも任務を諦めないヨシノは見上げた根性ですが,ヨシノだけでなく自分や「体力馬鹿」にも休息は必要.…ここでトーマが見逃したヨシノの体の光こそがウイルス発症の証.あんだけ表面に症状が出ているんなら診察すれば容易に見つけられたと思うんだけど…(苦笑).
ちなみに「体力バカ」はアグモンたちとともに水汲みに行ったものの,ついつい流れで水遊び.あのマイペースの塊みたいなマサルでも,トーマに比べて役立ってないこととかは気にしているんですね.でもそれ以上に遊ぶのが好きだからダメなんだよなぁ(苦笑).で,すっかり興じていたところをトーマに見つかり「この2人に休息は必要ないみたいだな」と嫌味を言われて,情けない.
マサルとトーマたちが水辺に行ってしまい,ヨシノのみが洞窟に残され,この隙を見逃さなかったファルコモンとイクトが病のヨシノを強襲.病の相手に襲いかかるのはとてつもなく卑怯なわけですが,イクトの場合は卑怯という概念を持っているかどうかも怪しいか….ふらふらの彼女の胸倉を掴み,イクトは「デジタルワールドから出て行け!」と脅します.
そこに遅れて駆けつけたマサルたち,特に男気溢れるマサルは弱い彼女を狙ってきたイクトに大変怒る.しかしヨシノがイクトの手を掴んで制止し,なぜかその手から何かがイクトへと伝わって…イクトまで発光して倒れてしまいます.これに対してウイルスをうつしたな!とファルコモンが怒ってくれたおかげで,ようやくヨシノの病状が説明可能となりました.
今ヨシノの体を侵しているのは,居留守ではなくウイルス.デジタルワールドの未知の病原体に侵されて,39度突破の洒落にならない高熱を出しているわけです.もちろんそれがうつってしまったイクトも,撤退先ですっかり高熱にやられております.どうやら彼の場合,ウイルス感染で熱を出したのははじめてではないけれど,治療するにはあるアイテムが必要です.
ただ焚火の傍に寝かせておくだけでは,ウイルスに感染したヨシノの症状は悪化するばかり.いくら反則臭い医師免許を持っているトーマでもこのままでは治療できなくて…文鎮ではなくワクチンが必要.本来ワクチンってのはウイルスにかかりにくくするためのものではないかと思うんですが…まあいいや(笑).ワクチンがなければ誰が何と言おうと助からない.それほどに症状は重く,進行ははやくて….
どうやらデジモンには病なんかないらしく,ゆえにアグモンは病がわからない.ガオモンにしても知っているのはあくまで定義のみで経験があるわけじゃなさそう.アグモンが病について卵焼きがらみで理解するあたり,芸が細かいなぁ(笑).…そして,このままでは病を治すことなどできないと言いながらやってきたのがファルコモン.ヨシノもイクトも,ウイルスに侵された者を治すためには流れ者の岬に行くしかない!
焚き火の脇で並んで高熱にうなされることになった病人たち.昨日はマサルたちを襲いにきたファルコモンは,今回は協力を求めに押しかけてます.それは見事な掌返しで虫が良すぎて…けれどそうしなきゃいけないくらいにファルコモンは追い込まれているのです.幼い頃からイクトとともに育ってきたファルコモンは,人間の病気を治すには岬に行くしかないことを知っていました.同時にそこがデジモンには穢れた場所だということも,保護者のユキダルモンから聞いていたのです.
以前人間が住み着いていたという流れ者の岬.…人間って大門博士のこと? それとも別の誰か? ともかく医療に心得のある人がいたってこと? 現状ではここにいる人間は大門博士とマサルたちだけのはずだけど…重要なのは,病人を救う鍵がそこにあるに違いないということです.
ヘタレであるファルコモンは一人では穢れた地に入ることができず,最も手近で同じ立場の連中に助力を求めにきました.ここでメルクリモンやゴツモンに助けを求めないのが不思議ですが,メルクリモン自ら例外なく侵入を禁じたとすればわからなくもない.もはやここにしか道のないファルコモンの本気を一同は認めて,ヨシノとイクト,ララモンを残し,流れ者の岬へと向かうことに.

翌日.この日のうちにウイルスを手に入れなければ,病人たちの命が危ういという勝負の1日がスタート.目的地は海岸に英数字の残骸が打ち寄せている流れ者の岬.…人間界に縁の深いものが転がってるってことは,デジタルワールドの中でも人間界と繋がりやすい地点だったりするんだろうか.
メルクリモンを倒すのに加えて父を探すと約束してきているマサルは岬の住人が気になって仕方がない.しかし人間については伝聞でしか知らないファルコモン.育ててくれたユキダルモンなら知っているかもしれないけれど…死んだから聞くことができない.
ここでデリカシーのないトーマがデジモンには死は存在しないはずだとツッコんでしまって大失敗.他のことならともかく,生死に関わることに安易にツッコんじゃダメだ(苦笑).マサルには睨まれ「だから人間は嫌いなんだ」とファルコモンにも言われて謝るしかないトーマ.いつもに比べると今回のトーマはかなりダメな感じだ.
到着した流れ者の岬では,崖下に大きな屋敷が釣り下がっています.物理法則を無視しているあたりが前回の谷のビル群に似てますね.中はどうやら数年前から無人の様子.今は一刻を争うので,周囲の探索はそこそこにしてさくさくと全員で踏み込みます.…ここまでひたすら強がっていたファルコモンが,ついに完全にビビってマサルにしがみついちゃってるのがおかしい.
無人の屋敷には確かに人のいた形跡がありました.中でも古い型のパソコンは専門分野ということでトーマが夢中.どこから電源取ってるのかはよくわかりませんが,立ち上がった画面の「DGOS」マークはDATSマークとよく似てる.これもDigitalからはじまる組織名を省略した,DATSの前身団体あたりだろうか?
パソコンにログインするにはパスワードが必要.恐らくは大門博士に繋がる重要な手がかりなのでトーマとガオモンが残っていじり続けるんだけど…だからトーマは天才の癖に何やってんだ(笑).一番正しい対応は,即刻PCを分解してハードディスクを持ち出すこと.もしハードディスク全体が暗号化されていたとしても,より環境が整った場所に持ち帰ることができれば,中を見られる確率は確実に上がるはずなので覚えておきましょう(苦笑).
マサルとアグモン,ファルコモンはワクチン探しを続行し,ついに研究室のような部屋の冷蔵庫の中に1つだけ残っていたワクチンを発見.…ここでもやっぱり電源は生きてるんだなぁ.目的の物を一刻も早く持ち帰りたいわけですが,ゴツモンの手引きで送り込まれた巨大お花オカマことブロッサモンが大事なワクチンを奪いやがります!
完全体のブロッサモンはマサルたちだけでなくファルコモンまで裏切り者扱い.早速襲いかかるところを,マサルが体で庇います.単純で真っ直ぐなマサルにとっては今のファルコモンは仲間.仲間のために体を張るのは当然なので,ファルコモンが薬を取り返した直後もしっかり体でフォロー! イクトのために頑張っていて,マサルほど単純にできていないファルコモンには,いきなりここまで信頼してくれるマサルが大変に不思議.
この状況で敵に立ち向かえる勇気を認め,ゆえに「鳥,お前は先に行け!」とワクチンを託してしまうマサル.もちろんいきなり仇敵に大切なアイテムを託されて狼狽しない奴もいないわけで(笑)ファルコモンはマサルの真意を質すわけですが,マサルは「男は絶対,仲間を裏切らねえもんだ!」と豪快に返事.これまで死ぬ気で頑張っていたのをしっかり見ていたからこそ,男の中の男だから信じる価値があると判断しちゃってるわけです.…敵のはずのマサルの度量は思った以上にでかくて,そこまで言われちゃ飛ぶしかないのに!
2人きりでバトルに挑もうとするマサルとアグモンはすぐさまブロッサモンの蔓に掴まれて…しかもファルコモンまでまだ居たりしてかっこつかねえなぁ(苦笑).すっかりピンチな癖にマサルたちは先に行けとファルコモンを促し,さらに折角の手がかりをさっきの攻撃で失ってしまったトーマたちも参戦…ああ,ハードディスク抜いておけばなぁ….ここでようやくファルコモンがこの場から離脱して,完全体同士のバトルがはじまります.
いきなりフルチャージでガオモンをマッハガオガモンへと進化させ,敵の顔をぶん殴らせるトーマ.蔓に捕まったままのマサルたちももちろん巻き込まれてますが(笑)ちゃんとガオガモンが拾ってくれます.手足の自由になったマサルは早速ブロッサモンを殴りにいって,こっちもいきなりフルチャージ! ライズグレイモンとマッハガオガモンに睨まれちゃ,ブロッサモンには勝ち目なし…っていうか,アグモン進化しなくてもマッハガオガモンだけで十分勝てた気がするのは気のせいか(苦笑)?

邪魔者をしっかり倒して戻ってきたマサルたちが見たのは,回復しつつあるヨシノ.マサルの信頼に応えてくれたファルコモンは,ヨシノに薬をくれた上でイクトとともに姿を消していました.「言っただろ,あいつは男だって!」とマサルは得意気.あまりにもモノを考えない上に無知という大欠点はありますが,他者を見極める目や動かす熱さは,その欠点を補って余りあるほどの長所なわけですね.
かくして死の危機から免れはしたものの,双方が新しい課題を背負うことになりました.あれほど嫌っていた人間に信頼されて信頼に応えてしまったファルコモンと,迷惑をかけないためにも強くなりたいと呟く人間の独り言を聞いてしまったイクト.2人にとっての人間は育ての親のユキダルモンの敵だったはずなのに,マサルたちは命の危機を救ってくれた恩人で…この二律背反はそのまま放っておけるものではありません.
そしてヨシノには,なぜ3人の中で彼女だけがウイルスに感染したのかという謎が残りました.ヨシノとイクトの間には何らかの共通点があるはず.となれば人間界にデジタマのままで来た最初のデジモンがララモンのはずだから,デジモンとの接触時間の長さが発症のトリガー? これまでの犯人たちの様子からすると,デジモンと人間が長時間一緒にいることが双方に何らかの作用を及ぼしてもおかしくないよなとか思いつつ,次回に続きます.

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型をつくることとそれを逸脱すること/期中短評

ここ最近ずっと試行錯誤していた期中短評のセット記事,いろいろと型を考えてみたのですが,とりあえずこのスタイルでいくことにしました.どんな文でも型があるかどうかで書きやすさが全然変わってくるもんなので,そこそこ真面目に作ってみたんですが…まあ,大事なのは型そのものよりもそこに入れる内容の方だし!
感想サイトがとても増えたのは,毎週ネタが供給されるってだけでなく,型もつくりやすいからなんだろうか? 基本的にはタイトル書いて感想書けばいいからな.ただし型が同じってことはどう頑張っても似通いやすいってことなので,そこを乗り越えるのにもう一工夫が必要となったりします.で,その工夫には記事を書く前に施されるものと,記事の中で施されるものの大きく2つに分けられて…てなあたりを気にしながら他サイトさんを見ていると,いろいろ見つかって面白いものです.

  • サイドバーのアンケート回答者募集中.現在15人くらいですが第3位のカオスっぷりが楽しい(笑).まだ回答していない人はぜひ.
  • 本棚はじめました.脈絡のないダメ本棚….
  • 鈴置さんがご逝去されたのが辛いです.香貫花についてはもう心の整理がついてるんだけど,内海課長はどうしたらいいんだ….

最近の写真.

8/8の夕焼け.赤かったなぁ.

[期中短評]

○ いぬかみっ(~#18)
作画的には未だに不安定なところも見られるんですが,キャラがいい感じにこなれてかなりの無茶も可能になってきました.特にマッチョが出てくるとやたらめったら話が面白くなるという仕様は,美少女萌えものとしてどうなんだろう…(苦笑).回を重ねるごとに啓太がかっこいい奴になり,ようこが微妙に穏やかになっていくのも好ましい.これまでも時折伏線らしきものがはさみこまれているわけですが,それが本格的に生きるのはこれから先かな? …予告後の提供バックが毎度楽しい.つうかなんだよあのエンディングはよ(笑).

△ NHKへようこそ(~#5)
ダメ人間が猛スピードでもっとダメ方向へと転落していく様が痛々しくてもう….生きているだけで相当追い詰められているからこそ,ついつい楽でダメな選択をしてしまうのだなと嫌なことに納得できるのが切ない.作画が結構自由に遊んでいて,時折見られる挑戦的な映像が面白い.どうやら出てくる奴は全員ダメみたいなので,そのダメたちがこの先どうなるのかはひどく気になるなぁ.

◎ capeta(~#44)
なんて真っ直ぐ.なんて熱い! まだまだ道の途中ですが既に傑作.特にレースを題材にしたアニメとしては頂点に限りなく近い出来です.元々凄かった原作をさらに凄いアニメに変えたのは,作り手のこの作品に対する愛情の深さゆえでしょう.3DCGの真髄とも思えるレースシーンの迫力も凄まじい.子どもも大人も皆で楽しいアニメは相当希少なので,ぜひともご家族揃って見ろ! どんな艱難辛苦にも負けない,出てくる連中全員と視聴者全てを引き寄せるほどの天才の輝きは最高です!

○ ゼーガペイン(~#18)
面白い! 謎が謎呼ぶ先の見えない展開と,健全で強くはっきりとしたメッセージ性は今期放映中の作品の中でも群を抜いてます.それにメカも,最初に比べたらずっとかっこよく動くようになった! ただしテレ東の夕方にやるにはやっぱりちょっと難しすぎるかな.虚実とともに時間と青春も主題に据えて,アニメでなければできないことに果敢に挑戦している様が素晴らしい.で,どれくらい素晴らしいのかというと…この作品が頭にあったせいで,あのときは「時かけ」を手放しで大絶賛できなかったんだ(笑).

○ シムーン(~#18)
あまりの敷居の高さでスタートから大量の視聴者を振り落とした本作も,戦いが激しさを増すにつれて本領を発揮.少年にもなり得る少女たちの恋愛は,ノーマルなのかアブノーマルなのかすらも曖昧.この設定でなければ絶対にできない物語を少年のような少女たちが演じる様がとてもいとおしい.…いやぁ,最初は本当に辛かったけど頑張ってここまでついてきてよかった(苦笑)!

△ コヨーテラグタイムショー(~#5)
やりたいことは分かるし,声優も熱演しているし,特に作画面では地方局放映としては格別の品質なんだけど…キャラの弱さと物語の弱さがどうにも勿体無いぞ(苦笑).作り手たちがかっこいいと思うものを満載して現在の状態になってるんだろうと思うんですが,折角集めたものを消化しきれていない上に,この作品ならではの特徴的な味つけもされてないから既視感が強すぎる.素敵でかっこよくてゆえに陳腐なお約束をことごとく越えていくのだと覚悟できたら,大バケできるかもしれないけれど….

○ xxxHOLiC(~#18)
時々作画が不安定だけども全体的にはしっかり安定.ここまで話が進んだ上で改めて見ると,実はオープニングがすごくよく出来てるんだよなぁ….声優陣も総じて上手く,特にワイルドさも身につけつつある福山潤の使い方が正しいので(笑)毎回安心して見られます.1話あるいは2話完結という体裁も深夜に見るには適してますが,そろそろ大きな話を動かしてフィニッシュに持っていくのかな? これまでの出来がいいので佳作として評価できそう.

△ ああっ女神さまっ(~#18)
これも安定.作画も精一杯頑張っているなぁ.無限ループの頂点とされるだけのことはあり,多少トラブルがあっても必ずハッピーエンドに持っていかれることは既に約束されてるわけですが…でもそれがいい(笑).週末直前の深夜に難しいもの見させられても辛いから,このままほのぼの恋愛ヒーリング系を突っ走ればいいと思います.前シリーズに比べると脇の連中がよく活躍していて,主役コンビが空気になっていくほど面白く感じてしまうな.

△ パワーパフガールズZ(~#6)
絵の面でも物語の面でも最初はかなり不安なスタートだったんですが,回が進むにつれて段々おかしくなってきていて前途有望(笑).作画と脚本の両方で定評のあるスタッフの名前を見かけるようになってきたので,この調子ならどこかのタイミングでタガが外れてくれるんじゃないかなぁ….とはいえ浦沢御大作品はスタッフが本当に慣れるまでには1クール程度必要だから,皆で焦らずに待とう! 視聴者置き去りに全員でボケ倒す驚異の劇場が見られるといいなぁ.

○ ARIA(~#19)
元々作画そのものではなく演出面で魅せてきた作品に,最近は画の力が加わりつつあります.特にここぞという場面では作り手の愛情が画面に溢れ出していて惚れそうだ(笑).秀作との評価の高い前シリーズの後半並みの品質となってきたけれど,クライマックスにはどれほど感動的な話を持ってくることができるんだろうか….全体的な構成がきちんと尻上がりになっているなら,前作ファンは納得するはず.

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機動警察パトレイバー#17

「有能すぎる昼行灯の巻」

剃刀満載の手紙が届いたり,昼食に唐辛子を仕込まれたり,最近後藤隊長の周囲には謎の悪意の陰が見え隠れしている.それを知らない第2小隊の隊員たちは,微妙にぴりぴりしている後藤の本性を探ることに熱中.けれど後藤は隊員たちの調査をのらりくらりとかわしてしまい,結局本性はわからない.
その間にも後藤への嫌がらせは続き,ついには出動中のレイバーキャリアのジャッキの油まで抜かれてしまった.一連の事件の中心にいるのが後藤なのは間違いないが,当の本人は動かないまま,じっと剃刀入りの手紙を眺めている.

当時も今も画期的なキャラクターを何人も擁する「パトレイバー」.中でも,レイバー好き以外はあまりにもナチュラルな主役の野明と,まだ登場してないけれど途方もなく軽くて悪い内海,そして今回の主役である昼行灯で剃刀の後藤の3人はずば抜けてます.後藤の人を食った行動のなかにかいま見える有能さは大人なら誰でも憧れる部類のものであり,本作が好きな奴で後藤が嫌いな奴っていないんじゃないかな(笑)? 
今回はそんな後藤のとらえどころのない魅力を,伊藤氏・横手氏が連名脚本で描きます.西村氏の作画も特に美しくて,後藤ファンなら必見でしょう.ちゃらんぽらんに漂う彼の生きざまは理想の大人像の1つですが…相当な実力が伴わないとただの無能になってしまうので,普通の人には絶対にお勧めできない(笑).

前半.昼行灯をわざわざ狙う物好きな魔手は,後藤宛の可愛らしい封筒からはじまります.職場に届くには不似合いなチューリップの手紙をしばしつついて,彼らしくもなく丁寧にハサミで開いたならば,その縁にはカミソリがびっしり.しかも同封のメモ紙には一言「死ね」.…姪からこんなお手紙がついちゃったら本気で落ち込むよな(苦笑).
しかも魔手は熱烈な手紙に留まらない.上海亭から届けられた昼食の山のうち,後藤隊長の天津丼にだけ唐辛子が仕込まれておりました! しかも卵の下に「バカ」と仕込んであって芸が細かいなぁ….もちろんそんな辛いモンは食えないので昼食抜きとなり空腹.その上靴の中には猫のうんこが仕込まれていて(苦笑)細かいことを気にする課長の前にサンダル履きで出ざるを得なくて,隊長からしてこんなんじゃ,第2小隊の勤務評定は一体どうなってしまうのやら.
まあ評価はどうせ悪いんだから横に置いておくとして,気がかりなのは魔手がやたらと近いこと.隊長室の靴にうんこ仕込むだなんて,相当近くまで来ていることは間違いない.しかも脛に傷持つ後藤自身は怨恨の心当たりが悲しいくらい大量にあって(笑)絞りきれもしないから夕暮れの屋上で煙草を吸って黄昏てみる.…これ,わざと隙をつくって誘い出そうとしてるんですね.しかし餌に引っ掛かったのは犯人ではなく香貫花だったことから,第2小隊はいつもの迷走をはじめます.
ミーティングに呼びにきたところでえらい俊敏な後藤の行動を見てしまった香貫花.振り返りざま煙草の火を顔面に向けるダーティな攻撃は素人が即座にできるようなものではなく,武道の嗜みは人並み以上にあると自負するからこそ,すっかり後藤の実力を買いかぶってしまいます.そりゃ過大評価か勘違いだと周囲に言われても,自身を信じる香貫花はその意見を曲げたりはしない.…実際,後藤はごまかしているけれど,奇襲・武器ありなら特車二課の誰よりも強そうだ.
後藤隊長の過去については何も知らない隊員たち.ただし今隊長がなんだかおかしいことくらいは知っている.最近居眠りを見ないし,出前の天津丼も残してたし…いつもと違う行動の裏にはきっと何か理由があるに違いないってなわけで,「後藤貴一,食欲不振の謎を探る.その秘められた過去とは何か!」とか勝手にタイトルつけちゃう野明.女性週刊誌っぽくて面白いと実に不真面目なんですが,彼らは不真面目なことには大変真面目.「やりましょう」と香貫花や太田まで巻き込んで意見が一致(笑).
かくしてはじまる後藤の身辺調査.先頭の太田の提案は,社屋20周マラソンで後藤の体力やら気力やらを見極めるというものなので,ゴール番なんかやられては困ります(笑).確かに運動能力の確認には悪くない選択肢だし,親睦を深めるためと必死で粘って後藤をスタート地点に連れて来たあたりまではよかったんだけど,なんせ相手は後藤隊長なわけなので….
早速第2小隊総出ではじまった20周マラソン.いきなり後藤が突っ走り,建物の陰に隠れたところで格納庫の車の中に隠れてしまってもう終わり.「若い者につきあってたらね,体が持ちませんよ」とずるいおっさんはサボってしまい,それに気づかない隊員たちは真面目に20周してバテバテ.隊員同士はこの間の飲み会などもあってかなりなじんできているようですが,まだまだ後藤の狡さに対する認識が甘いんだよな.
隊長は逃げ道を作ったら絶対逃げる.ならば…「逃げられないようにすればいいのよ!」と香貫花が企画するのは,逃げようのない1対1の剣道.確かにこの手の対戦は逃げようもないんだけれど,相手はそもそもやる気がない.緊迫感溢れる立ち会わせの末に…後藤,一切避けることなく一本を取られる(笑)! 別に勝たなくてもいい彼らしい適当かつ豪快な行動によって,見事に逃げられてしまうのでありました.
ここまでで後藤本人にアタックをかけてもなんともならんと察した一同は,今度はひろみちゃんにお茶を押しつけ,南雲隊長から後藤情報を引き出そうとするも,彼女も後藤の芳しくない情報しか知らない.あまりにもネガティブ情報が激しくて,それ以外のポジティブな情報が見えなくなるのはよくあること.…手を変え品を変え頑張った隊員たちですが,これまででわかったことときたら,あの人やっぱしズルイとすげえ評判悪いの2つだけで,しかもそれはもうよくわかってるんだよなぁ(苦笑).
とまあ第2小隊の捜査活動が見事暗礁に乗り上げている頃,後藤に迫る魔手はその激しさを増してきておりました.ミニパトに高速の上から鉢植えが落とされ,ガセ情報で出動させられた上に2号機キャリアの油圧ジャックの油が人為的に抜かれる.単純ないたずらから下手すれば人命に関わりそうな深刻な妨害にエスカレートしつつある嫌がらせの影には…冒頭に出てきた,眼鏡の青年の姿が.
榊からも新情報を仕入れることはできず,結局聞き込みでは後藤の正体はわからないと悟った第2小隊隊員一同.しかし一連の事件は間違いなく後藤を中心に起こっていて,何らかの関連がないと説明がつかない…ってな感じで真面目に探偵ごっこに興じる第2小隊は,南雲からすれば勤務評定が近いのに無駄なことばっかりやっている.しかし後藤が考えるところ,今更頑張っても所詮泥縄.さらに…「それに能率が落ちたのは,あいつらのせいじゃないもの」.とぼけた顔でもしっかり部下の仕事を見ていた彼は,同じ目で冒頭の封筒をじっと眺めています.

後半.直接仕掛けてもはぐらかされる,周囲に聞いても情報なし.となればあとはひたすら後藤の行動を観察するしかないというわけで,野明と香貫花が非番の日の後藤を追跡することになりました(笑).下町情緒と通行人溢れる入谷の商店街をふらふらしている後藤を追いかける2人…の後ろを追いかけているもう1人.野明の尾行っぷりは実に稚拙なんですが,その後ろからついてくる追跡者はもっと無様.あれじゃ見つけてくれと言っているようなもので….
割にノリの軽い野明と相当気負っている香貫花.追いかけるのが既に面倒になってみたり「読唇術はできないの?」とか尋ねてみたりしている野明と,どこまでも真面目に追いかける香貫花は対照的.…当時の若者の雰囲気を体現しているのは野明の方だな.ただし隊長がただのおっさんであるという見解だけはしっかり一致していたら,気付かれちゃった(笑).当然のように尾行に気づいていた後藤は必死でごまかそうとする2人に向かって「ぜんざいでも喰いに行くか!」と誘っちゃってもう大失敗!
しかし2人は実はまだマシ.特に香貫花はすっかりバレてバカみたいだと落胆しているわけですが,もっと間抜けな尾行者がいると後藤が後を示します.ぜんざい食いに入った店の入り口ですごくわかりやすく覗いてるのは…これまでの嫌がらせの犯人である例の青年.これまでいろいろと酷い目に遭わされてきた後藤ですが,その犯人を見つけても実に落ち着いたもので,「切り札に使えるかもしれんから」を青年を野放しにしてしまいます.もちろんここで無理に捕まえないのは,慈悲なんかではありません.
手を尽くしても結局後藤の正体はわからず,逆にこっちが調査していることがばれてしまっては万事休す.…でも太田に無能呼ばわりされるのはすごく腹が立つなぁ(苦笑).しかし遊馬はまだ諦めない.尾行していたあの男こそが唯一残された真実への鍵.ぜひとも捕まえて全部吐かせたいところだけれど,今更どうやって探せばいいのやら.…でも太田には責められたくない(笑).普段から散々足を引っ張ってくれて,今回だって最初に失敗したような奴には発言権なんかないぞ!
八方塞がりの一同は本庁お偉いさん対策としての職場の掃除まで命じられ,しかしそれを実行する前に事件が発生して出動.現場ではレイバー2機が鉄パイプ使ってちゃんばら中.…こんだけ忙しいと後藤の正体なんかどうでもよくなってくるわけですが,さっき探したかったあの青年が,ちゃんとここにも姿を見せていたのです.
レイバーを使った危ない喧嘩.第2小隊はこれを一気に沈めにかかるわけですが,人ごみの中に見つけた例の男が困った介入をしてきやがります.崩れそうになりながらも一旦ちゃんと持ちこたえた1号機.しかし足元にいきなりベビーカーを走らされたらそりゃ動揺するってもんで…結局転倒,民家を壊す! いつもなら太田がやりそうな不祥事ですが,これを起こさせることこそ青年の狙い.彼は父親のためにそんなことをやらかしたわけです.
かくして第二小隊に対するなけなしの評価はしっかり地に落ち,部長および課長から怒られまくる後藤隊長.主に太田のために普段から評価が悪かった上に,これほどの不祥事を起こしてしまったらもはや限界でジ・エンド.小隊長の進退問題どころではなく,警備部長が組織に引導を渡し潰そうとしたその時!後藤はここまで温存してきた,とびきりの切り札を切りました.
慙愧の念に耐えない後藤が示すのは,冒頭で送られてきた例の手紙.悪意満載のその手紙を書いたのが祖父江元二課長であることは,筆跡鑑定で確定済み.さらにこれまで姿を見せていた犯人の青年が元課長の子息であることも確認済みで…これはまさに警備部の恥.しかもその証拠を後藤ががっちり握り締めているもんだから,上司たちにはたまらない!
免職…じゃなくて辞職したという祖父江元二課長.警察内でそれなりの地位を得たはずなのに民間の整備工場の社長に収まらざるを得なかったということは,余程壮絶なことの責任を取らされたに違いなく,で,それをやらかしたのはもちろん後藤なんだよな(苦笑).
結局第二小隊は今回の査定では減俸降格なし.ただしこれまでの一連の不祥事については他言無用というわけで,処遇を代償に口封じされます.今回のトラブルだけでなく主に太田のために毎回蓄積されてきたマイナス評価を,切り札を盾にゼロにしちゃった後藤の狡さはさすがとしか言いようがない.下手に捕まえてしまうと内々でもみ消すのが難しくなるから放し飼いにしたあたりも含め,素晴らしい!
もちろんこの素晴らしい仕事に当然犯人は怒ります.潰してやろうと思ったらそれを逆手に取られてしまったわけで…「またしても俺に責任を取らせる気か!」と叫ぶ真犯人の祖父江前課長.ああ,やっぱし後藤に利用されていたのかぁ…(苦笑)….彼はついに耐え切れず息子とともに特車2課に殴りこみをかけるわけですが,まあそう来るだろうと後藤隊長は余裕の笑み.元上司とは役者が何枚も違うのです.
トラックから立ち上がる,ハンドメイドでかっこいいけどまともに動かないレイバー! ただ立ち上がるだけで崩壊していくそれに乗り込んでいるのはもちろん前課長.「出たな怨霊!」と前に出た後藤に銃を突きつけ,積年の恨みをここで晴らそうとするわけですが…狙われた後藤は不敵な笑みを浮かべたままで動かない.だって素人の手作りがまともに動くわけないし.そもそも歩くだけの骨格の強さすらないだろうし(笑).
復讐のために誕生したレイバーは結局ひたすら壊れていって,かっこいいフォルムは見る間に寸詰まりとなり最後にはちっちゃくなってこける(苦笑).このシーン,最初のまともな迫力からどんどん壊れてコミカルになっていく過程の描きっぷりが素晴らしい.音もまたいい仕事してんなぁ.「またしても,お前が,お前が,お前が,お前が…」と涙声の祖父江.彼にここまでさせた後藤の過去は…なんか知らないほうがいい気がしてきた.現二課長もいつこうなるかわかんないんだなぁ….

どんな証拠も見逃さず,しっかりと裏付けて犯人を特定.手に入れたカードは決して無駄遣いせず,ここぞというところで的確に使う.第2小隊で最も有能なのが後藤であることは間違いないっていうか,現状だと後藤ひとりの才覚でこの組織は維持されていると言い切っても間違いじゃない.手作りレイバーの前に立ち塞がることだって,榊の助言を絶対に正しいと信頼できなければできないわけだから,「…ずっけー」とか言って扉の外で全員で渋面しちゃダメだ(笑).本当に有能な後藤に近づくには隊員たちはまだまだ修行が足りないのだなと思いつつ,次回に続きます.

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桜蘭高校ホスト部#17

「違うと言い張ることほど本当の巻」

将来を嘱望される鳳家3兄弟の末弟である鳳鏡夜.夏休みの最終日,彼は庶民デパートの中で目覚めた.環たちが寝ている鏡夜をここに運んで置き去りにしやがったのだ.携帯電話も財布も持たない状態で,このままでは家にも帰れない.…そんな彼を救ったのは,ホスト部唯一の庶民であるハルヒの財布だった.
財布なハルヒを従えて,ファーストフードを無造作に食らい物産展を眺める鏡夜.ハルヒや庶民の前では利益がないから愛想もなく,計算以外でも動く環とは1ミリも同じところはないはず.けれどハルヒは彼の行動の中に,打算では説明できないものを見つけるのだった.

高い完成度で見るもの全てを幸せにしてくれる素敵な「ホスト部」.タイトルと設定の敷居だけはそれなりに高いですが,そこさえ越えてしまえば大抵の人間が楽しめてしまう,かなり普遍的に愉快な出来が素晴らしい.全体的なバランスが絶妙で,根底から世界観も健全.割とどこでも褒められるわけですが(笑)鏡夜が主役ゆえにいつもより動きが小さな今回の場合は,印象的な音を誉めてみたい.時には心象,時には状況を示す愉快な音効が静かな物語に見事な色をつけてくれます.マンガであれば書き文字で示されるものだけでなく,端書きや空白すらも音によって描いているのが興味深い.原作と見比べるとアニメなりの解釈の面白さがはっきり見えて,福田道生氏の演出も冴え渡っています.

前半.今回の主役は鳳鏡夜.由緒ある公爵家の末裔で現在はヘルスビジネス界の雄である鳳家の3男である彼は,普段から出来のいい兄2人と後継者レースを競っております.主席キープは当然でそれ以上を常に求められる3男へのプレッシャーはでかく,本人は断固として否定するでしょうが夢にまで見てしまう程度には辛いはず.
で,そんな嫌な夢の最後には「凄いこと考えついたぞ!」と能天気なバカの笑顔.ふと気づいたときにはなぜか鏡夜は庶民の雑踏の中.普段着で長椅子の上でひとりきり座り,なんとなく寝乱れた頭.少なくとも自宅のベッドの中ではない「…ここは…どこだ?」
沢山の庶民の店と買い物に興じる庶民たち.フロアガイドが示唆するようにここはデパート.どうやら寝起きデパートをお見舞いされたらしい鏡夜の頭はなかなか動かないけれど,次第に「環がなんか叫んでいたような…」と思い出してきます.本人も完璧うろ覚えなんですが,1時間前,既に鏡夜は寝起きホスト部を食らっていたのです.
今朝.ホスト部一同は鏡夜の寝室にいきなり訪問し,デパートのふるさと地方物産展を見に行こうと誘いに来やがりました.庶民文化を学びまくってハルヒをより理解するのだ!と無駄な向上心を発揮する環は「さあ行こう!すぐ行こう!」とハイテンション.しかし寝起きが凄まじく悪い鏡夜は,ベッドの中,舌打ちしながら凄い目で睨む(苦笑).
とんでもなくおっかない鏡夜の寝起き.これまでも殿はときどきその怖さに負けてきましたが,今回はテンション高いのと味方が多いのであんまりおびえていませんね.…鏡夜が今朝寝たのは明け方5時.一体そんな遅くまで何をしていたのかも気になりますが,できれば昼過ぎまでゆっくり寝かせてあげたいんだけど….
低血圧魔王はホスト部を仲間扱いも客扱いもせずに静かに荒れ狂い,そこに「すごく寝起きがわるいんだねぇ」と寝起きの怖さは兵器並のハニー先輩に言われ,鏡夜のかわりに「お前が言うな」と突っ込むモリ先輩.今回の彼の仕事はここくらいですか(笑)?
「何が庶民文化だ,庶民ネタはいいかげん飽きがきてるんだよ」と眠い魔王は暴言というか本音を吐いて(笑)マンネリ人間に「行きたきゃ勝手にしろ」と捨て台詞を残し再び就寝.しかしこのマンネリ人間はテンションが異常に上がっていて,本当に勝手にしやがりました.拒絶の台詞をお許しと解釈し,再び寝た魔王様を勝手に着替えさせて勝手に同行させちゃう.冷静沈着でやや距離を置きがちな彼をおもちゃにできるなんて希少な機会だ(笑)!
てなわけで寝ている鏡夜まで引き連れて庶民スーパーへと乗り込んだホスト部のぼんぼんたち.金持ちだけど建物を借り切ったりしないところがいいよなぁ.そこに広がるのはハルヒがいなければきっと一生目にすることもなかったはずの光景で…大量生産にエキサイトしてみたりペットショップに気もそぞろになったりアイス食べたかったり屋上のイベント見たかったりともう夢中.デパートの魔力によって鏡夜はひとり置き去りにされて…気付けばひとりぼっちでした(笑).
「なるほど…そういうわけか」と自身がバカどもに置き去りにされたことを認識した鏡夜.現在位置を確認し歩いては帰れないから電話して車を呼ぼうとしたら,ポケットの中には携帯どころか財布すらない.さらに寝起きのために腹も減っていて….
ツッコミ属性を持つ者にとって,ボケにコケにされることほど耐え難いことはありません.鏡夜にぶつかった不注意な少年が見たのは,なまはげよりも怖い顔の魔王様(笑).「環の奴め,絶対に殺す」と本気で怒った顔は凄まじく険しくて,描いてる奴絶対楽しんでる.…そんな怒れる無力な魔王様を救ったのは偶然.「なんでこんなところに!」と運悪く登場してしまったハルヒに向かい,「ハルヒ,所持金はいくらだ」「は?」
普段なら金を貸すことはあっても借りることはありえない鏡夜ですが,今日ばかりは特別.手持ちが少ないハルヒにファーストフードをおごってもらって腹ごしらえ.ちなみに経費に関してはあとで環に十倍返しさせると本気です(笑).…鏡夜にとっては救いの女神ですが,せっかくの庶民ライフを満喫していたハルヒにとってはいい迷惑.しかもこの機嫌の悪い迷惑ときたら,いつもとかなり違うのです.
ファーストフード店内,ホスト部ゆえに当然目を引く美形である鏡夜に向かって店員はご一緒にいろいろお勧めしようとするも,「いらないと言っている」と不機嫌魔王は恐ろしく(苦笑)「もうちょっと言い方があるでしょう」とハルヒに嗜められる始末.店で品物すら頼めないような未開の地にほうり出されたことが,相当頭に来ているんだろうなぁ.
過剰なサービスは断固拒否,ハンバーガーも手づかみでがぶり,そしておごってもらった癖に口に合わないとはっきり証言(笑).彼がおごってもらって文句を言いそうな奴であることは間違いないですが,いつもの上品な彼とは思えないほどのこのワイルドぶりをれんげさんが見たら,やっぱり裏人格萌えとか言い出すんだろうか….
庶民たちとハルヒさんしかいないここでは,人の目など気にしない鏡夜.「こんなところで上品ぶっても,何のメリットもないって意味だぞ」とわざわざかぶせて否定するところが微妙におかしい.別に金持ちってマナーとかいろいろ大変なんだとハルヒさんに思われていたって構わないだろうに,それを無理に否定して何のメリットがあるって言うんだ(苦笑).
利益がないと本人が判断した場所では鏡夜はどこまでもぶっきらぼう.利益があるときの優しい笑顔は見る影もなく,どんなときでもたぶん天然ホストな環とは大違い.…「なぜ環なんかと仲がいいかと聞かれれば」とハルヒの心を勝手に読んで回答する魔王様が挑むような目で言うところによれば,「利益があるからだよ.俺はそれ以外の理由じゃ動かない.エゴイストだからな」
さらりと冷たいことを言う鏡夜.しかもそれは環だけでなく,ホスト部の全員が最初から利益があることを知っていて手を組んだのだと衝撃の告白.それは未だハルヒの知らない,各自の家の事情も絡んだ話.ただしその利益が具体的に何を指すのかについてはきちんと説明していません.それと環の馬鹿に関しては,利益がなくても行動しているのは否定しようもなく,彼と自分には「1ミリも同じところがないな」…とわざわざ否定するのが逆に怪しい.
腹も落ち着いたし財布も見つかったので,帰らずに物産展をひやかしていくことにした鏡夜と,財布のハルヒ.良家の子弟である鏡夜は真珠の良し悪しまで見分けてみせて,庶民の中だからこそ能力が際立ってます.ハルヒと他のホスト部の連中の間にはドでかい壁があるのだとハルヒは最近自覚しつつあり,特に鏡夜に関しては,自分の事情が筒抜けであるがゆえに情報格差を不公平と感じています.一方的に知っていてずるいという意見に対しては「それなりに興味深い感想だ」と答えるに留まる鏡夜.…情報は力.今のように不公平な方が鏡夜には有利なのです.
例えば兄弟については,パーティで3人並んだなら末席にいるのが鏡夜.跡継ぎ候補としては最後尾を歩み,折角の優秀さも2人の兄ゆえに霞んでしまう…なんてことは自身の弱みなんだからハルヒになんか言うべきじゃないはずなのに,緩やかにはぐらかしながらも語っているのが面白い.3男には父の期待を無難にこなす以上のものが期待されていて,しかしそれすらも「これ以上面白いゲームはないと思っているが?」なんて言葉は本音? それとも強がり? …どっちにしても庶民デパートの物産展で語るのはあまりにも不似合いな話なんだけど(苦笑).
鏡夜の言葉をまとめると,彼は利益最優先で環には欠片も似ていず後継者レースすらゲームとして楽しむようなエゴイスト…であるはずですが,ハルヒはこれから起こる出来事を目にして,それが真実かどうか疑問を感じることになります.物産展の片隅に,なぜか正義の味方が降臨してしまうのです….

後半.鏡夜が見つけたのは物産展の片隅で焼きものを買おうとする奥様.店主は有名作家の作だと和装の奥さんに茶碗を売りつけようとセールストーク中.ただし本当の門外不出クラスなら,10万台では絶対に出ないよな(苦笑).そこに「偽者ですよ,奥様」と華麗な音楽をひきつれて颯爽と登場する鏡夜.…いや,きっとあからさまに偽物なんだろうけれど,それでもお茶碗はもうちょっと丁寧に扱ってやってくれ…(苦笑). 本物の色合いや刻印すらも熟知して,しかも作家本人と交流まである鏡夜は業者に鬼の笑顔を浮かべ,見事老婦人を救います.
自称エゴイストの癖になせか他人を助けてしまった鏡夜.明らかに利益のない行動をなぜ取ったのかと思ったら,実はあのご夫人は大手電機メーカーの会長夫人.はじめて逢うけど指輪でわかった,と,凄いところで個人を特定しやがった鏡夜の眼力が恐ろしい(笑).和洋を問わずこういうのには滅法強いタイプみたいですね.ただしハルヒはさっきの光景を正確に覚えていたため,ラストでは鏡夜よりもさらに鋭い眼力を示すことになります.
さらに自称エゴイストである鏡夜が会場で感じた疑問ときたら,メロンはそんなにお菓子メーカーに人気なのか?という大変に彼らしくないもの.意訳するならコーンなのにメロン味とか意味わかんねみたいな素朴な感想に,「それなりに興味深い感想です」とハルヒは笑います.それじゃまるで環みたいだ! …そんな指摘に驚いて,笑う鏡夜.確かにこういうのは環や双子の領域で,一ミリも似ていないと言った癖にしっかり似ている.
さてその頃! 屋上では今回唯一のアクションシーンが展開されておりました.環は犬を満喫,ハニー先輩もアイスを満喫,そしてなぜか双子はメリーゴーランドを満喫.さらにイベントステージではちょっとしたヒーローショーまで見られるんだけど…そこに聞きなれた高笑いが(苦笑)! 強力モーターで出てきたお姉さんことれんげさん.このあたりのれんげさんのメリハリの素敵な動きっぷりが映像として大変に面白いぞ!
れんげお姉さんに襲いかかるナマハゲさん.宿題をしない悪い子を襲う悪から「助けてー!オウラン戦隊ホストレンジャー!」…いろんな意味でれんげさん,本当にやりたい放題だ(苦笑)! 無駄に金持ちの娘なもんだから,同人誌の出版に留まらず,その溢れる資金力で自分の妄想世界を一般に広げようとしているのか.で,ここで出てきた影のリーダーの黒いホストレンジャーを見て,ホスト部全員,大変なものを忘れていたことに気付きます.
物産展を見終わった後,目覚めた地点に戻ってきた鏡夜とハルヒ.いくら環が筋金入りのバカだとしても,いい加減気付いて迎えに来るだろうと考えたのかな.…例えば環ならさっきのご婦人もきっと彼なりの利益を得るために助けたはず.そんな環は自分と違うと語る鏡夜と,そこからやや離れて座って鏡夜を見ているハルヒ.ハルヒには鏡夜の言う「利益」がわからない.
利益とは一般的には金や名声や実益.それは好んで人助けをする環の感じる「利益」とは明らかに別物.まあ彼らの場合,金や名声や実益なんかむしろ余ってる状況なのですが.環はいつだって他人のためにバカみたいに動き,特に困った人を救うために素晴らしい行動力を示してきたのは皆様もご存知のとおり.…だからこそハルヒは,鏡夜は環に似ていると思うのです.
ここで衝撃的な迷子のお呼び出し.「東京都よりお越しの鳳鏡夜君.保護者の須王様がお待ちです」….具体的な特徴までアナウンスされて,しかも衆目を惹きやすい特徴的で優れたルックスではもはや隠しようもなく(笑)いきなり晒しものにされた鏡夜は「あの馬鹿…殺す!」と本気で憤る.環,後でどうなっちまうんだろうなぁ….

例のアナウンスで鏡夜とハルヒがホスト部ご一行様に合流.環たちは鏡夜だけでなくハルヒまでついてきたので大喜び! さっき途切れた話の続きで,鏡夜は馬鹿と自分のどこが似ているのかとハルヒに聞くわけですが,ハルヒの人間に対する眼力は並のものではありません.さっき鏡夜が利益のためにご夫人を救ったというのは…「あれ,嘘ですよねぇ?」.あの時指輪は見えなかったから,鏡夜は救う相手が誰かもわからない状況で正義の味方をやったはずなのです.
エゴイストと言い張る癖に,やってることは利益度外視の正義の味方な環と大差なし.「先輩がわざとエゴイストとして振舞うのは,実際エゴイストでない以上,違和感を感じます」と鏡夜のような口ぶりで偽者を見破られてしまったら,「それなりに興味深い感想だ」と応えるしかない(笑).…そもそも本当のエゴイストなら,こんなぬるい部活とバカ部長を護るために新聞部を追い詰めたりはしないもんなと思いつつ,次回に続きます.

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7月分アンケート結果まとめ

とんでもない太陽が頭上から照りつける8月上旬,皆様いかがお過ごしですか? 自分は休日出勤など適当にこなしつつ,すっかりぐったり夏バテしております(苦笑).いや,やっぱし本州の太陽の真上っぷりはヤバいって.今日もちょっとだけ外出したら眩暈しそうになったからなぁ….
てなわけで感想ペースもどうしても落ち気味な最近ですが,うまく更新頻度を上げる方法がないか試行錯誤をはじめております.深くレビューする本数は現状ではもう増やせないけれど,週1回くらいのペースでその他作品のまとめ感想出したいかも.フォーマットさえ固められれば,今週から上げていきたいんだけど….

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さて,昨日夕方に締めました,サイドバーのアンケート結果についてまとめておきます.
長らくご愛顧戴いた旧アンケートにも飽きたので,先月から1回答で複数項目が取れる&ある程度一人1回に制御をかけられるスクリプトを導入しています.まあ,制御についてはある程度の効果しかないので(笑)実際には投票結果の精査が必要だけどね.

今回聞いてたのは,基本の性別×年齢と,アニメファン暦と住所と見ている本数.見ている本数は年齢よかアニメファン暦に影響されるんじゃないかと思ったんだけど…実際はあんまりそうじゃなかった感じだ.
調査期間は7/5~8/6.データを精査させてもらって,69を有効回答としましたよ.
内訳は…

 男性女性
14歳以下12416
15~19歳9514
20~29歳16925
30歳以上8614
452469

男性多し.我ながらバカみたいに書いてるなぁと思うので,来てくれる人に20代以上が多いのはありがたい.

ファン暦と性別.

しりとりみたいなアニメ以外の記事も扱っているので,その手の人たちが「ファンじゃない」を選択しているんじゃないかと予測しています.…でもそれが全員男性とは思わなかったな.女性は男性よりも今更しりとり探しているような奴は少ないのか,あるいはアンケートには答えにくいのか,はたまた女性は皆真面目に回答してくれたからこそこうなったのか(苦笑).

見ている本数と性別.

合計はきれいになだらか.恐らくは週10本越えるあたりからマニアの度が深くなっているに違いない.ただしなんとなく女性の方が見ている本数が少ない感じがしますね.男性の場合は10本以上に壁がありますが,女性の場合5本以上で壁があるのかな.

見ている本数と年齢.

週5本までと週10本までの年齢のばらつき具合が特徴的.14歳まではキッズアニメのターゲット年齢でアニメに近しいはずなので,週10本も多い.しかし15~19歳のほとんどが週5本までに留まっていて,彼らがアニメには時間を注ぎ込んではくれてないってのがわかる.忙しいし,オタも卒業しどきだしなぁ….で,結局あんまり卒業できなかった20代で週15本にも小さな山ができてるのが面白い(笑).30代までこじらせると週10本は普通であり,下手するとそれ以上の本数まで見てしまったりして….

見ている本数とファン暦.

あんまり傾向が読めない….ファン暦の方が年齢よりも見ている本数に影響するかと思ってたんだけど,やっぱりその人間のライフステージの影響の方が大きいみたいだ.あとは元々沢山見ているかどうかで分かれてしまうんだろうなぁ.

見ている本数と地方.

やっぱり関東は恵まれてるなぁと実感できるのがこの図.週30本以上は関東でないとなかなか難しいみたいですね.あとは情報格差のためなのか,関東以外では週5本以上で既に壁が存在するようです.ただし見る奴はどこにいてもちゃんと見るもので,週30本までは関東でなくてもいけるんだなぁ.ちなみに地域は両方とも近畿だったり.

いろいろわかったような,わからないような結果となりました(笑).
今月分として横のアンケートを更新してみました.6月終了分について聞いていますんで,ぜひ暇なときにでも選んでみてください.

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デジモンセイバーズ#15

「再びあの日の16時の巻」

全ての装備を失って,仲間とともに身ひとつでメルクリモンのいる無限氷癖へと旅することになったマサルたち.大地に這う巨大な亀裂を越えようとする最中に,大量のクモ型デジモンに囲まれ捕らえられ,深い谷底へと運ばれてしまう.
この谷を支配するボスの前に吊り下げられた人間たち.生き物の魂を主食とするメタルファントモンは,マサルたち3人に悪夢を見せて心の精気を吸い取ろうとする.心の奥にある恐れていることや忘れたいことを引き出して見せる悪夢の中でトーマが見たのは,幼い自分が母を失ったあの日の夕方だった.

未知のデジタルワールドを3人と3匹きりで進み出した「セイバーズ」.1話どころか10分持たずに遭難したため,全てカタがつくはずの無限氷壁へと進みつつ,デジモンワールドと自分たちに対する理解をより深めていくシリーズ…ってことでいいのかな?
キャラの紹介を中心とした前クールに比べると,過去に人間とデジモンの間に何が起き,そして現在何が起きつつあるのかという謎解きが中心のこのクールでは気掛かりで魅力的な伏線が満載.それらしきものを拾って組み合わせて眺めるのが大好物な自分にはひたすら楽しいわけですが…自分が楽しいってことは子どもは完全に置き去りになってる可能性があるなぁ(苦笑)!

大門博士探索兼メルクリモン討伐隊としてデジタルワールドに乗り込んだはずが,主に謎の少年のおかげでいきなり未帰還者候補にされてしまったマサルたち.彼らが目指すべき場所はジュレイモンの示した無限氷壁のみ…というわけでデジモンワールドを徒歩移動中.前回ラストでは簡単な話と言い切った癖に,もう愚痴ってるマサルってダメだなぁ(苦笑).移動を続けるにはエネルギーが必要なはずですが,食料は現地で確保してるのかな.デジモンが人の食い物を食えるなら,デジタルワールドにも人の食えるものがあるってことなのか.
移動の先で彼らを待ち受けていたのは,人間界の都市の街並みが側面に生えている巨大な谷.で,それ見てデジタルワールドだから何があってもおかしくはないと言い切るトーマ.…きっと真実なんだろうけれど,状況を全てその一言でぶん投げるのは特に研究者としては間違ってる(苦笑).このでかい障害を越えねば目的地には辿りつけないとわかった段階で,バカが勝手に降りはじめます.愚痴ってた割に先頭切って降りてるのは,疲れよりも淡々と歩くことに退屈してたのかもしれないな.
今となっては貴重な装備のロープを使って谷の下へと降りていく一同.ロープに十分な長さがあるなら,無理に深く下りなくてもララモンに持たせて向こうの崖にやって渡れそうなもんだけど…ビルを伝い渡れそうな地点を捜す一同を,宙から観察しているのが偵察用のクラモン.その目に映ったものは遥か遠くの水鏡の中にそのまま映るので,イクトたちがじっくり観察中.あれは入ったら出られない場所とゴツモンが言ったために,普通は見ていられずにしゃしゃり出て巻き込まれるのが王道なはずのやんちゃ系が,結局まる1話傍観しちゃうのは珍しいかも.
イクトたちに完全傍観されながら,あっさりと罠に踏み込むマサルたち.早速大量のクモ型デジモン,ドクグモンに1人と2匹を持っていかれて,残るのはマサルとトーマ・ガオモンのコンビのみ.移動速度の差が如実に出た感じだ.ただし残った3人も,結局はクモに捕まって谷底へと運ばれてしまって今回も全滅の大ピンチ!
谷底ではドクグモンたちによって人間だけが宙づりにされ,下の方にデジモンたちが捕らえられ.人とデジモンが密接に結び付いているDATSのチームを倒すなら,分断してから力のない人間を集中攻撃するのは理に叶ってますね.ただし本気でやるならば,本当に遠くに引き離さなきゃだめでしょう.例えば世界の壁を隔てるくらいに徹底すれば,現段階ならばちゃんと倒せた気がする.そして今後は倒せなくなる気もする(苦笑).
最後に谷底から出てくるのが今回の真打,完全体のメタルファントモン.「呪うべき人間め」と登場した谷の支配者には,悪夢を見せて心を喰らう力がありました.…人がいないときにはやっぱし他のデジモンの心を喰らっているのだろうか.歌のような技のために人間たちはろくに抵抗もできずさくっと眠ってしまい,メタルファントモンの餌食の道をまっしぐら.心の力を全て吸い尽くされてしまえば,もはや死んだも同然なのです.
親玉が人間に見せる悪夢は人それぞれ.マサルの悪夢はチカさんを必死で助けようとするもまったくうまくいかないというオーソドックスなもの.殴っても殴っても敵は増えて最後にはそれに押しつぶされてしまうマサルの夢は,ともかく妹が大切で敵デジモンを倒したい,精神的に健全なこいつらしい,実に微笑ましい悪夢です(笑).
続くのがヨシノの悪夢なんですが,これがなかなか興味深い.現在のところマサルやトーマほどこの世界との関係の深さを見せていない彼女の悪夢は,灰色の過去.ピアノのある民家の一室で泣いている幼いヨシノは,父さんも母さんも大嫌い.…そういやヨシノはララモンと二人暮らしなんだよな.未だミステリアスな彼女の家庭には,やはりこの世界と彼女を繋ぐ大きな何かがあるんだろうか.
人の心の奥にある,恐れているものや見たくないもの,忘れたいこと,逃げたいこと,思い出したくないことを見せるというメタルファントモンの悪夢.最後に広げられるのが今回の主役であるトーマの悪夢.ごく普通の日本のある街で起きた過去を追体験させられることによって,トーマの心は限界まで追い詰められることになるわけですが…キッズアニメの王道では,主役格を追い詰めすぎると真の力に目覚めるんだよなぁ(苦笑).
トーマが幼い頃に暮らしていた日本のごく普通の街.実は彼は生まれついての金持ちではなく,庶民の生活をちゃんと経験していたという事実がここで判明します.…でも当時はあまりにも幼すぎて,そして思い出すのが辛すぎて,折角の貴重な経験はかなり死蔵されちゃってるに違いない.
母とともに過ごした街の思い出の最後は悪夢.いきなり切り替わった場面の中は,さっきまで笑っていたはずの母がまさに亡くなるところ.楽しい思い出の果てには悲劇しかないことを示した上ではじまるのは,そこへと落ちていくあの夏の日…幼いトーマの全てが暗転した夏祭りの日に,現在の彼は幽霊のように無力な状態で送り込まれます.…現実のデジタルワールドでは,囚われたデジモンたちがパートナーたちの復帰をひたすらに待っています.

トーマの見る長い悪夢は,もはや変えようもない過去の現実.それでも悲劇を止めたくて必死で走る彼は,いかにも夢の中らしく彼らしい冷静さをすっかり失っています.懐かしい在りし日の母を止めるためにどれだけトーマが頑張っても,母にも幼い自分にもその頑張りは決して届かない….過去の自分や母には,今のトーマの姿は見えないし触ることすらできないのです.
現在のクールな売りの天才トーマと違って,幼い彼は実に快活で楽しげな普通の子ども.そんな彼の母は長い黒髪が印象的な優しそうな女性で,7話で大門家の女性陣と触れ合って思い出したシルエット通りの姿です.今はもういないこの人の生涯最後の笑顔を再び見ることとなったトーマは叩き叫びあがいて2人を止めようとするも,幽霊の言葉は誰にも届かず,母の運命は悲しい重力に引かれて落ちていく.
傍から見れば絵に描いたような陳腐な悲劇.しかし体験した当人にとっては洒落にならないほど辛い記憶.浴衣姿で花火会場に向かう2人の歩みは決して止まらず,ゆえにトーマは車道に走り,向かって来る暴走トラックをその体で止めようとするけれど…幽霊は悪夢に何の影響を及ぼすこともできなくて.あの夏の日,幸せな親子はトラックに襲われて,母の瞬時の行動の結果その息子だけが生き残りました.惨劇を前にしたトーマは,何も出来ない今の自分と,自分の命と引き換えに母を失ったあの頃の自分に慟哭します.
悪趣味なメタルファントモンは悲しみを媒介にして人の気力を食らい,集中攻撃を喰らったトーマは悪夢の中で泣きました.大切なものが崩壊した痛みを再び体験させられて,あっという間に悲しみの限界を越えてしまった彼は…青白い光に包まれます.彼がメタルファントモンの精神操作すら壊す心の力を発揮したのは,デジソウルに天性の才能があるから? それとも彼もまた苦しみを知った上で越えていける人間だから?
光の中でトーマの涙を拭う白い手は,今はもう失ってしまった母の手.それが優しかったこともちゃんと覚えているから…「大丈夫だよ母さん」.悲しいことを覚えていて,楽しいことも覚えている,思い出の中に生きている母はただの悲しみではなくて,失えないかけがえのないもの.夢の中で暴走する悲しみと喜びと愛と怒りはデジモンの許容量を遥かに越えて,蜘蛛の糸など吹き飛ばす!
追い詰めたおかげで案の定覚醒したトーマは見事にぶち切れ.まあそりゃキレるよな,あれほどやられちゃ(苦笑).大切なものを道具にされた怒りに荒れ狂う心は,クールで平静ないつもの彼にはない新たな力を導きます.マサルの時は護りたい一心で湧き上がったけれど,今回は激しい怒りによってトーマの全身から湧き出すデジソウル.「人の心を弄ぶものはその報いを受けるがいい!」
大切なものを汚す相手に対する強い怒りが導いた新しい力は,いきなりまだつかまっていたガオモンを2段階進化させます.ガオガモン,そしてマッハガオガモンにまでフルチャージさせるその能力は,一体人の心のどこから生まれているのだろう….完全体のマッハガオハモンは攻撃装備が充実.ライズグレイモンと同じく飛行可能になったのも大きいですが,これまでは決定力に欠けていたところにウイニングナックルやハウリングキャノンという,タメが小さい割に威力のでかい技が手に入ったのが大きい.
未だ宙釣りのマサルとヨシノたちをハウリングキャノンで救い,ここからはDATSの3人と3匹が全員で反撃! 「3度同じ手をくらうかよ!」というわけで,ようやくマサルもドクグモンを殴ってデジソウルをチャージ.ジオグレイモンとサンフラウモンの2頭によって,大量のドクグモンが一斉駆除されていきます!
そして今回の主役はその役目を貫きます.一度はメタルファントモンに押し負けるマッハガオガモン.けれど怒りは収まらず,野蛮にも生えていたビルをぶん投げて反撃! その攻撃ぶりはスマートで美しいとは到底言い難く,無差別に技を放つメタルファントモンの攻撃を冷静に避けた上で,えらい怒りながらフィニッシュを指示するトーマのようにおっかない(笑).ラストは真正面から突入してのウイニングナックルを見事に決めて,無礼な敵を粉砕!

結局トーマの怒り覚醒によって全滅せずに済んだ3人と3匹.大変ではあったけれど新しい力を手にいれて巨大な谷を越えることもできたから,結果オーライと評価してあげたい(笑).夢の中でも殴り続けていたマサルはさすがに疲れ,不思議な悪夢を見ていたヨシノもがっくりと膝を着き.そしてトーマは…なんだか寂しそう.確かに心の中には生きていますが,彼女が現実にはいないのも確かで,それが今更ながら彼を感傷的にさせてるんでしょうね.
ただしトーマは感情にひたすら溺れることもなく,すっかり遅れた行程を取り戻すために先を急ごうと思ったら…今度はヨシノが倒れてしまった! これはトーマの本心なんかどうでもよくなるくらいの大事件.バカと天才の間で苦労しているはずなのに,やることにソツがなさすぎて逆に目立たないヨシノ.その素顔が明らかになるときが来た…のかと思ったら,明らかになるのはファルコモンの素顔の方なのか(笑).拾いて磨く価値のある謎の断片が大量に転がっていそうな次回に続きます.

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機動警察パトレイバー#16

「努力は時には報われるの巻」

2月.札幌の雪祭り会場警備のために第2小隊は海を渡った.テロリストの襲撃予告を受けて配備されたはずなのに,悪ガキにビニールシートを足元に投げ込まれて2号機が滑り,早速雪像をぶっ壊すという破壊神ぶりを見せる.
イングラムを転ばせた少年は東京からの転校生で,レイバー好きだったけれど第2小隊に家を壊されてから大嫌いになっていた.迫るテロリストの脅威より,野明はそんな少年のことが気にかかる.

日常ロボットでないとできないあらゆる状況に果敢に挑戦する「パトレイバー」.戦争のような非日常で稼働するロボットには無理な状況だって,イングラムをはじめとしたレイバーたちなら容易く入り込めるところは本作の利点.雪祭りだって手伝えてしまうわけですね.…結局手伝ってるより壊してる方が多かったけれど(苦笑).
現実的なロボットに乗る搭乗員たちもやはり現実的で,ちゃんと悩みを抱えているのが今回の見所.高橋哲子氏の女性らしく繊細な脚本の中では,能天気なヒーローではない職業人たちが仕事の上でいろいろと考えております.中でも一番印象的なのは…本当に太田って迷惑ってことだな(笑).作画監督は高木弘樹氏で,原作に近い端正な作画を時折見ることができます.

前半.現実より随分と空の広いところに建つ時計台の鐘の音が響く.ここは札幌,2月の雪祭り会場.大通公園には雪像と雪像を作るレイバーたちとともにイングラムの姿も.イングラムも含め,レイバーたちはよくあんな寒いところで普通に動いているよなぁ.当然寒冷地仕様もちゃんとあるに違いない.
関東の破壊神として恐れられている第2小隊がわざわざこんなところによこされたのにはそれなりの理由があります.置いとくだけでトラブル起こす第2小隊には宣伝もサービスもボランティアも無理なんだから,レイバーで手伝ってイメージアップ大作戦だなんて遊馬の読みは甘すぎ(苦笑).もはやその程度の点数稼ぎではなんともならないほどに,第2小隊はダメなのだということをしっかり自覚していただきたい.
実際,特に2号機なんてのは動かした瞬間から始末署のを生み出すような呪われた乗務員であり,調子に乗って雪像作りの手伝いをしたら足元のビニールシートですっ転んで雪像大破! 雪を積み上げて固めるところからじっくりと時間をかけて作られる像を一瞬にして相当壊すだなんてさすがは太田と言うべきか.ただし今回の事故の場合は,完全な自爆ではなく見知らぬ少年の犯行によるものなのが根が深い.
手間のかかる部下たちを引率してきた後藤と東京の南雲との電話によって語られる,第2小隊が送られた理由.そこにはおなじみ,バビロンプロジェクトに反対する過激な環境保護団体・地球防衛軍の影がありました.環境保護団体の一部が警察の敵になるあたりも,さすが近未来シミュレーションって感じ.ただし現実には…環境保護団体よりもカルトの方が洒落にならなかったんだよな.
今回の第2小隊の敵は地球防衛軍の「山の小屋」.関係各所に「Lに気をつけろ」と声明文まで送りつけ,雪祭りをレイバーで襲うらしい.ただし陽動だったときのことを考えて第1小隊を首都圏に居残りさせてるってことは…それは警視庁的には札幌なんか最悪どうなってもいいってことかい(苦笑)?
そんな事情をまったく聞いてない第2小隊隊員たちは,ひろみの恐縮ぶりで雪像を壊したことを許してもらったあとはひたすら待機.太田は自分を転ばせたシートの少年をいたく恨んでおりますが,捕まえて補導しようにもレイバー2機が倒れた騒ぎでそれどころではない.ちなみに香貫花が「日本人て変なものが好きなのね」と地の果てで沢山の人々が雪や氷と戯れる会場に対してあんまりなことを言ってますけど,実際は外国人観光客もかなり多いですよ(笑).
今回の展示の目玉は新東京開発公団が出品協力しているバビロンの城.上から見るとBABYLONと読めるあたりがしっかり伏線.…よくこんな絶対壊される題材を選んだもんだ(苦笑).そんな雪像も皆人間とレイバーの手で作られているわけですが,レイバーを見る子どもたちの中にさっきの悪ガキの姿が.イングラムのスペックに関しては異様に詳しい癖に,雪玉ぶつけているのがなんだかアンバランス.で,そんな彼を引率していたのが偶然野明の高校時代の先輩であったことから,さっきの少年が背負っていた切ない事情が明らかになります.
氷点下の雪祭り会場で焼きとうきびを売る露天が本当にいるかどうかは定かではありませんが(笑)焼ききび食べながら話すところによれば,先輩が教育実習で引率してきたあの少年は東京から引っ越してきたサトル君.彼は既に全国レベルで名が通っている第2小隊の猛威の被害者.出動の際に家を壊されて引っ越さざるを得なかったから,レイバー好きが反転して憎さ100倍に.もちろん家を壊したのは恐らく太田機だろうし,犯罪を止めるためには不可避の行動であったことは間違いないけれど…自分たちの活動が他人の人生を曲げているとなれば,複雑な気分になるのは当然のことです.
そんな会話の最中に響く爆発音と上がる噴煙! 爆発したのは盗まれていた菱井のレイバー.時限爆弾をつけられていたそれは警察に対する宣戦布告.ついでに犯行声明文もいつもの体裁で届けられ,「きっとマニュアルがあるんだぜ!」と遊馬が混ぜっ返しております.確かにこんな緩い会話している部署に後輩が配属されたなら,「恐ろしいことって身近にあんのね!」と先輩も言いたくなるよな(笑).この調子なら間違いなくテロリストは仕掛けてくるでしょう.
その一方で,さっきブルーシートを少年が投げ込んでいたのを見ていた野明は,少年の監督者である先輩と,野明と一心同体の遊馬に話すことになります.レイバー好きがレイバー嫌いになるのはよくある話と遊馬は言うけれど….先輩はサトルから直接話を聞くまではこの件はオフレコで行くように頼み,「誰にも言わないよ」と野明も了承.自身も病の深いマニアである野明.同類のマニアが自分の仕事でレイバー嫌いになるなんてのは…辛すぎる.

後半.例えば電車が大好きな運転手が自分たちの運転で幼いマニアを傷つけたとしたら,それが不可抗力であったとしてもひどく悔いるはず.それと同じことが今野明の上に起きてしまって,彼女には…何もできない.深夜,旅館から一人抜け出して格納庫内のイングラムを見上げる善良な運転手の目には,悲しみがあります.
市街地で大捕物をやるという仕事柄,物損人損はどうしても避けては通れないことがある.太田が2号機に乗っているとなればなおさら.つまりはその運用方に課題があるわけで…「アルフォンスが悪いんじゃない.そんなこと誰にも言わせたくないよ」.
レイバーは絶対に悪くない.悪いのはレイバーを市街地で使う人間で,使わざるを得ない状況をつくる犯罪者.自分たちは精一杯やっていると自負しているからなお憂いは深くて…「一生懸命やってんのになぁ」とうずくまる.野明が仕事ゆえの苦悩を表に出すこのシーンは,彼女の内面を一気に掘り下げるとても良いシーンです.
そしてそんな苦悩を格納庫の外で案じているのがバックアップの遊馬.真冬の北海道の深夜にどてら一丁で出るのは絶対無茶だと思うんですが(苦笑)とりあえず缶コーヒーを1本,こっそりと置いていったつもりが影が映ってバレてるシーンがとても優しい.若くて単純で不器用で傍観者気取りゆえに,かけてあげるべき言葉が見つからないけれど,それでも心配していることを示すこの場面は,2人の間に生まれつつある信頼の絆をわかりやすく示すシーンです.
実際遊馬は本気で心配しています,どれくらい心配しているのかというと眠りこける元凶を踏ん付けたいくらいに(笑).何も考えず馬鹿みたいに眠りこける太田の顔を本気で踏みつけようとしている遊馬が実におかしいしできればそのまま踏んでほしいところですが(苦笑)不審なレイバーの挙動音を聞き付けてしまったために犯行には及ばず.雪祭り会場で不審な行動を取る菱井のレイバーはもちろんテロリストのもの.遊馬はあわてて格納庫に駆け込み,野明のイングラムを雪祭り会場へ送り出します.
あからさまに挙動不審なレイバーに野明は警告.しかし相手と来たら折角の雪像を投げながら向かってくる! 自分たちが壊してしまっていることに落ち込んでいた野明はその行動に大変怒るものの,今度は自分が反撃すると雪像が壊れると自重自縛.基本的に壊さないとやってらんない仕事なんだよなぁ.
なぜ野明がそんな行動を取るのかを理解しているがゆえに遊馬も強いこともいいことも言えず,追い詰められた1号機を救ったのは…顔を踏みたかった元凶の2号機(苦笑).ただし銃撃によって雪像の被害も甚大で,野明はあわてて助けてくれた2号機をはがいじめ.味方同士で足の引っ張りあいをするしかないこの状況が切ないなぁ.
破壊神が出てきたために結局はレイバーを捨てて逃げ出すテロリストたち.逃走する2人は早速ワゴン車に乗り込むんだけど…車の周囲がすっかり包囲されている上に,運転席には「Hello」と香貫花,後ろからは「はいいらっしゃい」と後藤(笑).1号機と2号機の必死の足止めによってついにテロリストが逮捕された…ってことでいいですか?
しかしまだまだ脅威は去っていません.翌日犯人が吐いたところによると,もう雪像の中に爆弾は埋めちゃって,しかも正午に自爆するように設定しちゃって.こんな時にはどんなことをしてでも犯人に口を割らせるべきだと思うんですが,そっちは芳しくないようで結局第2小隊が爆弾探しをすることになってしまいました.…正午まで爆発しないとわかっているなら,道警の皆さん方にも一緒に探してもらいたい.切実に(苦笑).
レイバー2機を中心にして捜さねばならない大通会場は無闇に広く,しかも昨日の大捕物のおかげでどのあたりにあるのかという具体的な手掛かりも失われ,その上見つからないときには,雪像どころか人命まで巻き込んで爆発するに違いなく,駄目押しとして残り時間は2時間以下.日頃の行いの悪さが如実に出たこの悪状況下で,彼らも必死に考えます.
闇雲に探すことに限界を感じた野明に向かって,お前だったらどう埋めるかと尋ねる遊馬.繊細な指先を持つ機種ならばともかく,ノーマルな汎用レイバーでは普通の雪像には埋めることはできない.となれば雪のブロックを外した中に入れるのではないかというのが本職レイバー乗りの推測.この推測が正しいならば,爆弾を仕掛けたブロックにはレイバーの爪痕が残ってるはず! もちろん探すのは難しいことだけれど…「弱音を吐いてる暇はない!」
雪像は雪を積んで造形し,最後に表面を丁寧に加工して作るのが普通.雪を積んでいるときにはレイバーの爪痕が大量についたはずですが,展示直前の仕上げ段階ではそれも綺麗に消されていたはず.本当は仕上げの時に水氷でコーティングされてブロックが外れなくなるはずですがまあともかく(笑)本当に大切なものを壊さないためにも,一刻も早くブロックの奥から時限爆弾を探し出さねばなりません.「もう絶対壊しちゃダメ.探すんだよ,なんとしても!」
…ただし雪をブロック積みした雪像の数は多く,積まれたブロックの数はさらに多く…ここで決め手となったのが犯人たちが出してきた声明文.上空から雪祭りのシンボルである新東京開発公団のバビロンの城を眺めたならば,そこにはLの文字がくっきりと.「Lに気をつけろ」という警告が真実で,敵がバビロンプロジェクトを潰すための組織であるならば,この雪像に仕掛けるに違いないと後藤が気づきます!

爆発するのはバビロンの城のLの文字を作るブロックの中.あとはテロリストの爪痕を探すだけですが,ここにいきなり走り出していったのが例のサトル君で,物凄く危険な現場に駆け込んだ上に爪痕つきのブロックを発見! …家を壊されイングラムが嫌いになったけど,乗っている人たちが必死で壊さないために頑張っているのを見てわだかまりが解けたみたいですね.本音としては,未だにレイバーが大好きだったんだろうなぁ.
発見されたブロックを再度外して爆発物を取り出すのは,もちろん手先の器用な1号機.…ブロックを外したところを覗き込むそのカメラは一体どこについてるんでしょうか(苦笑).残り時間はあと3分.太い指先でそっと取り出して思いっきり上に投げたところを2号機が射撃!爆破! …かくして大惨事を免れて,第2小隊としては珍しくいい仕事ができてよかった!
途中で雪像をかなり壊したものの,特に太田が出ていて最終的にうまくいった事件は珍しく,無事に終わったと報告する後藤もなんだかうれしそう.しかし,南雲隊長に言われるまでは爆弾が2つも3つもある可能性についてはまったく失念しちゃってたのか…(笑).何はともあれ雪祭りは無事に行われ,その映像は第2小隊の姿とともに全国に配信されていきます.仕事がうまくいったときの喜びは思った以上に格別だよなと思いつつ,次回に続きます.

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