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機動警察パトレイバー#21

「慢心は亡霊を殺すの巻」

クリスマスの夜,東京テレポートに出没した謎のレイバーが再び出現したとの知らせを受けて,第2小隊は真夜中の大島へと向かう.演習中の自衛隊と地元警察によって厳戒態勢の大島には例の髑髏のようなレイバーが上陸.上陸した第2小隊は居合わせた警備会社から警備を引継ぐことになるのだが,後藤の指示は可能な限り目標とやりあうなという実に消極的なものだった.一方,ただ一人八王子の工場に向かった遊馬は,切り札になるかもしれない3号機を受領して皆を追いかける.

2話連続のシリアスによってこの先のための伏線をさらに張っていく「パトレイバー」.なんでもできる本作の中でも,黒崎の後ろにいる組織と第2小隊の戦いというのは非常に重要な縦糸の1つ.当時の視聴者の印象に一番残ったのも,彼らとの激戦に関するエピソードでしょう.
クリスマスの戦いでは2機がかりでなんとか退けた亡霊は再び蘇り,やがて大島の朝日に晒されることに.船による出動や夜明けの戦いは劇場版1を思い起こさせます.脚本は伊藤和典,絵コンテは吉永尚之.強めの布陣で珍しく,ヒーローものを描きます.

前半.野明の気のきかないおせっかいによってはじまった喧嘩は未だ終わらず,深刻な亀裂を生じたままで,片方は大島,片方は八王子へと分かれることに.2人の先に待ち受けるのはクリスマス以来2度目の邂逅となる謎のレイバー.通信をジャミングしたりレーザー撃ってきたりする反則マシンです.
仲直りできずに夜の海を行くことになった野明.同室の奴がひどい歯軋りをするわけでもないのに(笑)眠れません.枕元の明かりをつけたり消したりする様は,いつものからっとした彼女には考えられない.
化け物の登場によって大島は厳戒態勢.仲は悪いので自衛隊と警察は境界で睨み合っていたりはしますが,双方とも大島の平和を守るという目的は一応一致してるはず.この両組織の一番良いレイバー,最高の将棋の相手を引っ張り出したい黒幕である黒崎は,演習地区外から自社機で中へと誘導する約束をしてみたり,習志野の空挺レイバーを引っ張り出すため,こっそり部下に命令してみたり.深夜だってのに実に勤勉です.
習志野の部隊は敵の位置が確定しなければ来れないということで,夜釣りの船の前にわざと姿を見せる髑髏のレイバーことファントム.そのまま上陸することでまんまとヘルダイバーを引っ張り出します.ここまでは思った通りにことが運んで,悪役は実にうれしそう.
さらに自衛隊レイバー以上に欲しいかもしれない第2小隊のイングラムも到着.星のきれいな真夜中に上陸する帝都の破壊神に,引き継ぎという名目で近づいてみるあたり,黒崎は明らかに調子に乗ってます(苦笑).絶好調の黒崎と,その昼行灯ぶりには定評のある後藤の一騎打ち!
SRX-70を導入した警備会社の相談役みたいな男に対し,後藤は警戒の様子を見せないようにちゃらんぽらん.そんな様子が自分の上司にどことなく似ていると笑う黒崎に対する,「私みたいな上司をお持ちでいらっしゃる,そりゃ災難でしたねえ!」というコメントはきっと本心だろうけど.
退場しようとする黒崎を呼び止めて,例の化け物について「個人的にどこのメーカーのものなのか,非常に興味を持っとるんですが…」とふってみる後藤.黒崎は見ていないとの返答なのでそれ以上は追求しないわけですが,これは純粋な質問というよりは警告に近い.自分はちゃんとレイバーメーカーに目をつけているんだからバカなことすんじゃないぞと言っているはずです.
黒崎が去った後で後藤が隊員たちに出した指示は「可能な限り目標とはやりあうな」.ひたすら逃げて自衛隊の皆さんに始末をおまかせしろ…と丸投げを命令します.やりあう気満々の太田はもちろん承服できないけれど,後藤には敵の目的が見えているので「みんなで幸せになろうよ!」とぼやく.出たな後藤の名台詞(笑)! ちなみに1号機の指揮は後藤隊長が務めることとなり,野明は不服を言えなくなりましたとさ.
さてその頃.八王子では徹夜の上で急ピッチで進められていた3号機のバージョンアップがようやく終了.遊馬と3号機を運んでくれるコンテナ船は彼の父のコネあればゆえのものではありますが,そんなことに難癖つけてる余裕なんかない…けど,彼は厚顔無恥に使えるものは使えるほどの大人ではないわけです.
バージョンアップの末に再起動した3号機にはろくなデータが入っておらず,このままでは役に立たないのかと思ったら,シゲさんがわざわざ1号機のデータを持ってきてくれました.その質は野明よりも遊馬の方がよく知っているでしょう.愛情込めて素直に教育されたデータの完成度は折り紙つき.たとえ喧嘩の相手でもそれを否定することはできません.ちなみに大島は今夜が勝負.「間に合うかなぁ?」と尋ねる遊馬に「まあなんとかなるっしょ!」とシゲはいつだって気楽.
はじまりの迫る大島には,3号機よりも先に空挺レイバーが到着.空中で輸送機から降りてパラシュートで降下できてしまうあたり,さすがは定評ある篠原の製品ですね.…しかし降下の最中にモニタにノイズが走り,地上からはビームが! パラシュートを焼かれた一機が落下.あるはずの地上部隊からの支援はなく…ついにスタート.

後半.謎の亡霊レイバー対自衛隊&警視庁,あるいはシャフト対篠原重工のバトルがついにスタート! 隊長の指示なんかそっちのけの2号機,香貫花と太田のコンビはもはや止めようもなく,逆に1号機側は指揮の後藤のために「こっちに来ないように祈ってようか」とまったく出る気なし.
乗員と指揮の資質によって暴走する2号機は,レイバーキャリアと指揮車とレイバーの3点セットで警察と自衛隊がにらみ合う境界に突入(笑).「道路のどこかに線でも引いてあるの? 私には見えないわよ」「俺にも見えんな!」ともうノリノリで,演習地区に押して通っちゃう.どうせこの先演習地区に誘導で入らなきゃならないなら今入っても一緒,目標を民間地に出さなければ結果は同じと超理論を炸裂させる香貫花が気持ちいいほど過激です.
重大な検問を細かいことと押し切って,鬼神の1機と2台は自衛隊の支配領域へ.その直後には既に奴の仕業であるジャミングが発生.「来る!」と香貫花が察知した直後に,強烈なビームが!
反則みたいな飛び道具を装備する遠距離戦には理がないと踏んだ香貫花は接近戦を指示.太田がジャミングされたモニターを諦めて肉眼視に切り替えた隙にもビームが来る! 前回よりは確実にタメの小さくなっている亡霊.さらに防御力も上がっているようで,機械が開いた弱そうな部分にがんがん撃ちこんでちっとも効いてくれない.
とはいえ太田もまったく学習していないわけでもないので,短くなったタメの時間を突いて接近し後ろから羽交い絞めに.この成果は香貫花もうれしそうですね.…ただし学習の程度は明らかに相手が上.操縦者なしで1号機と同じ動きをさせるあたりがとんでもない.当然のようにやられた2号機は頭をやられて行動不能.このままでとどめを刺されてしまう!…しかしこの機にこだわることなく退く亡霊.先に降りていた2機っきりの空挺レイバー部隊が間近にいたのです.
第3者の存在によって運よく命を繋ぐことができた2号機チーム.追跡を実行する自衛隊機を見送ってから現状をよく調べてみるわけですが…中の太田が気絶しているのはどうでもいいとして(笑)2号機の頭を吹っ飛ばした敵の攻撃は….
その頃,主役の野明はコックピットの中.2号機がやられた報告を受けても指揮の後藤は落ち着き払ったもの.やっちゃったものはしょうがないと実に寛容…なのかとっくの昔に諦めているのか(苦笑).当然ながらそこまで人間のできていない野明はいつまでここに居ればいいのか不安になるわけですが,後藤は「待とうよ」と動く気なし.
本当に魅力的ならば自分が動かなくても周囲が放っておかないもの.大変に魅力的な1号機の動きが欲しくなり,黒幕である黒崎はリスク承知でファントムを1号機にぶつける算段.民間地で夜も明けるってのに計画を進めてしまうほどに1号機のデータは貴重で…その上ものすごく調子に乗ってたんだなぁ,黒崎(苦笑).
かくして魅力的な1号機の元へと急ぐファントムと,それを追いかけるヘルダイバー2機.…クリスマスのことを考えると,演習地区外とはいえ隣接地域なんだから気にしなくていいと思う(笑).そして追跡者を連れた亡霊は,後藤が前日から読んでいた通りに1号機の側に出現!
早速ビームで挑発してくる亡霊.早くなってるなぁと後藤は冷静に観察.当然ながらイングラムや指揮車が蓄積した動画情報は見てきているはず.大島に来る前から犯人の目的が名人相手の将棋だと看破していた彼の指示は「一歩も動くな!」
ヘルダイバー2機が追いつき頭部のレンズを集中銃撃.後藤も知らないことですが野明は自衛隊機に借りがあるので,お任せにしろといくら言われても目の前で必死で戦う2機を前にしては我慢などできず,「加勢します!」とあっさり命令違反.若いがゆえに,こらえ性なし.
背景では迫る夜明け.亡霊にとってのタイムリミット.陸自は2対1で亡霊を攻め,数に任せて確実に仕留める…はずが!伏兵がいきなり頭部を狙撃! さっき太田が敗北したのも亡霊の他に未知の伏兵あってのこと.折角の優勢が即座に引っ繰り返って不破機がまさにレーザーを撃たれようとしたその時,1号機が危機を救います!
電磁警棒を食らわせた上に,重要な頭部レンズを破壊する1号機.リモートシステムで動いているファントムにとって,ワゴン車との通信を行う部分が破損したのは痛い! この事態にはさっきまで思いっきり調子に乗っていた黒崎も顔色を変えてます! 自衛隊機はさっきの攻撃で動けなくなってますが,この先追って行く野明に「もう1機いる」と情報を流してくれるのが…結果的にはあんまり役には立たなかったんだよな(苦笑).
長かった夜は終わって大島の夜明け.白む空の中でクライマックスがはじまるのが劇場版1っぽい.1号機は追い亡霊は逃げ,朝焼けの中で力比べに.いくら相手が学習してきているとしても野明の腕の方が上.フラッシュのような小手先の目くらましなんか効きはしないんですが…ただし純粋なパワーの差はあまりに大きく,抱えられるとほとんど身動きできない.…動けない1号機は格好の標的.
未ださっきの現場に残っていた香貫花たちが発見したのは,サターンのオートカノンと同経口の42ミリの薬莢.うさん臭かった警備会社はついに真っ黒となり,現場でも動けない1号機を前に警備会社のレイバーが1号機を狙ってくる!銃声,伏兵に撃たれた…と思ったら,銃口は別の方向へ.第2小隊側の伏兵であった3号機がサターンを殴る!
夜通しここまで追ってきた篠原の切り札はサターンとも当たり負けることなし.発売時期からするとサターンの基本スペックはイングラムといい勝負であったはずですが,篠原重工のアップデートによってハードウェアレベルで機能強化されたことと,野明が時間をかけて学習させてきたソフトウェアが優秀であったからこそ,パイロットではない者が乗ってもここまでの成果を出せたわけで.「待たせたな野明!」と遊馬は大変かっこいいですが,その成果の大半は嫌いな親父と喧嘩している野明の成果なのを忘れてはいけません.
面倒な伏兵を潰してやっと数で圧倒した篠原側.3号機が投げ渡した電磁警棒を,1号機は頭部に突き刺します. レイバー戦はこれにて勝利.敵メカとしてはやはり最後には大爆発することが必要なので,大きく手を開いて爆発するファントムから,1号機を体で庇う3号機.無人機な上に決して証拠を残せないことから,実に景気よく木っ端微塵.…そして,肝心なところで危なっかしい野明と遊馬は「ありがとう」「…ばか」と仲直り.ここまで徹底してやればくっつきそうな気もするんだけど(笑).

さて! 今回の篠原重工対シャフトの戦いは篠原の勝利.舞台に名人を引っ張り上げたまでは黒崎の思い通りに運んでいたけれど,結果的には送信機を途中で破壊されたことと,実験機を丸ごと失った両方がかなり痛かった.時間と金を注ぎ込んだ実験機を失ったのは当然厳しかったけど,敗北した際の実データを入手できなかったのも痛かったはず.それもこれも黒崎があのとき調子に乗らなければ防げたこと.逃げるヘリを見上げる第2小隊と,ヘリから見下ろす敗北者.後藤は「あのヘリを落とせるか?」と野明に聞きます.…冗談でなくここであの機を落としておけば,この先のグリフォン編はなかったに違いない.
完全に亡霊は潰せたものの,黒崎を捕えられなかった以上この先また第2小隊にちょっかいをかけてくる可能性は高い.実際にほとんどのことにカタはついていなくて,更なる災厄が次クールの目玉となっていきます.その中で中心に立つことになったのは,今回でカタがついてすっかり仲直りしたあの二人.未熟ゆえに危なっかしい二人は,まさに体を張って驚異に対抗することになるわけですが,それはもうしばらく先の話.…予告の香貫花が偉いノっててびっくりした(笑)次回に続きます.

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