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桜蘭高校ホスト部#23

「世界はそれを愛と呼ぶんですがの巻」

偶然ハルヒの秘密を知ってしまった笠野田は,強烈な口止め以前にハルヒのことにすっかり惚れてしまい,その秘密を守りきる覚悟を決めた.恋した相手と話したい笠野田は今度は客としてホスト部を来訪.男が男を指名するその姿は部にたむろするお嬢さん方には格好のネタで,萌えの炎が笠野田を襲うのだった.
ハルヒの秘密がバレてしまった上に彼はハルヒに惚れている.その事実だけで真っ白に燃え尽きていた環.このままではハルヒが姐さんになってしまうと双子に焚き付けられてようやく意識を取り戻すのだが….

硬軟混ざった青春の魔法の世界を楽しく描く「ホスト部」.秀作で普通という恐ろしい状況でここまで走ってきてますが,今回は凄い! 内容的にここ数話分の総決算となる回であることを割り引いたとしても,間違いなく傑作回です! 原作に比べると大幅に表現が誇張され極端な描写になっているところが多いんですが,元々の物語のテンションがとんでもなく高いのでここまでやっても大丈夫.…本来,ハルヒさんと笠野田くんの普通の会話はさすがに必要なはずなのに(笑)極めきったテンションを維持するためにがっつり落として萌える婦女子の皆様方に入れ替えるという豪腕ぶりも眩しすぎ.この手のアクションには定評のある松尾慎氏のベタベタな描写も素晴らしく,見所は多々ありますが…やはり本当にアホであった殿とそれに完敗する馨かな(苦笑).

前半.前回ラストより第3音楽室の準備室の中には!女の子であるハルヒさんの着替えシーンが! ハルヒのことを可愛いけど男と思っていた笠野田君には濃すぎる刺激で「ま゛!」とか言いたくなる気持ちはよくわかる.これまでかろうじて守ってきた秘密が外部に漏洩したことにホスト部は動揺.完全に怒った双子なんかまだ可愛いものですよ.
ハルヒの秘密に比べたら笠野田君の怖さなんか正直どうってこともなく,双子には責められラブリーアイテムには「はっきりしない男って,僕,クズだと思う」と毒を吐かれ(笑)若の膝は笑いっぱなし.…今回はあちこちで膝が笑ってて,静止しそうな物語のスピード感を維持するいいアクセントになってるんだよな.
ハルヒが女性であることに最後まで気づかず,気づいてからはハルヒの秘密を誰よりも大事にしていた環に至っては,あまりのショックで真っ白に.バレた事実に恐竜が吼え,下着姿を見られて宇宙で火山が大噴火! 太陽フレアが激突で閃光に全てが包まれるほど,殿の心はかつてないほど壮大に揺さぶられているのであります.
なんとしてもこの事態を亡きものにしたい(笑)双子としては,ボサノバっちをぶん殴って記憶を飛ばすのもやむなし.しかし犯罪はもみ消すのが面倒と鏡夜が2人を止めました.…もちろん鏡夜は複雑なようで単純な双子なんかよりずっと恐ろしい.にこやかな言葉の針で笠野田の口を縫い付けていくのです.
ある事情こと借金のために女性であることを隠しているハルヒさんの秘密を口止めする権利はないけれど,その時には日本政財界の黒タマネギ部隊と呼ばれる鳳プライベートポリスが動き出してしまう.そんな事態は「もちろん避けたいよね?」…随分と楽しそうに脅迫してるなぁ(苦笑).
けれど単純あるいは暗に脅迫しまくる連中よりも,本人が意図しないままに穏やかにそっと濡れたタオルで口と鼻を塞ぐハルヒさんが一番厄介なのは間違いない.見られてしまった被害者なのに,全然平気だから!とけなげにかばってくれる「彼女」に笠野田君はすっかり惹かれてしまう.で,そんな胸キュンぶりになぜか反応している殿の脳裏には太陽に惑星が激突して大崩壊! …笠野田君の恋の軌跡は,殿のものと相当よく似ているからなぁ….
てなわけで! 缶蹴りは解決したものの新たな悩みを抱えることになった笠野田君と笠野田組.新たな悩みによって若はハンスト.折角缶蹴り用の空き缶をがぶ飲みで準備したってのに,若は人一人殺めてきたかのような雰囲気で.…缶が無駄によく描けているな(笑).テツは新たな悩みができただけだと舎弟どもに説明するわけですが,好きと大好きの2択しかない恋の相手が可愛らしい男子って…その一言に「ええええええええええええ…!」と配下は総崩れ! ハルヒさんの性別を知らないとそりゃそうなるな!
横から見れば禁断の,しかし実態はノーマルな恋に悶々とする笠野田君.思い出すたび記憶はコケティッシュな方向に補正され,その悩ましさに何もできなくなっているその様はまさにアホ.強いツッコミ属性を持っていても恋は人をボケに変えるわけです.あんなに健気なハルヒさんには余程の事情があるに違いない!と思い込んだ笠野田君はマジックで「我命有限藤岡秘密守」と腕に大書.…順序が激しく間違っている気がするけども,ヤンキー漢文ならOKなのか.
かくして缶蹴り相手ではなくハルヒさんが必要になった笠野田君は,ホスト部に客として訪問した上に「ふ,藤岡を指名したい」…とか直球で言い出すもんだから,それ見た女子どもが「ええええええええええええ…!」と黄色く沸き立つ! 本当はストレートなのにそう見えないカップリングの発生に強力モーター発動! 「ついに現れたの,本物が!」とれんげさんは目を光らせちゃって興味津々だ!
恐らくはれんげさんの布教と薫陶によってかなり腐っているはずのホスト部常連の皆様方.笠野田君の怖さなんかよりホンモノに対する興味の方が先に立ち,爛々と見つめる女子どもは異様.これまで笠野田君を囲んでいた凍てつくような状況はオーブンの中のようにホットに変わり,萌え萌えな生暖かい視線の熱が集中して発火してしまいそう.視線をここまで集める熱い体験,一生に一度あるかないかですよ(笑)!
けれどこの状況にハルヒはちっとも気づかない.そして気づかないから動じずに,ごくごく自然に接客しちゃう.女の子と気づけば彼女はなお可愛いくて,あまりの緊張に膝が笑ってしまう情けなさ(苦笑).「お客様,こういうお店ははじめてですか」なーんちゃってな台詞すら蟲惑.笠野田君的には恋の動悸で下手すれば死にそうな勢い.店の片隅は二人っきりのパラダイス!
そんなパラダイスを双子はもちろん気に食わなくて,ぜひとも今すぐ追い出したい.しかし鏡夜にとっては金さえ払えば客,さらに錯覚である薔薇の香りにお客さんが萌え燃えで客が客呼ぶお祭り状況となっているので静観を決め込むつもり.…普段だって環が惜しげもなくハルヒ愛をホスト部内で披露してそうな気がしますが,父設定がくっついているのとあまりに日常であるため(笑)ここまで祭りにできないんだろうなぁ….
借金返しそうな勢いの天然コマシ娘の間接的な大活躍.でも軽井沢での失敗がある光は特に,ハルヒさんを直接止めにいくことができない.こんなときくらいしか猪突猛進の殿は役に立たないはずなのに,今回はあまりの展開にすっかり抜け殻.「行ってこーい!」とパラダイスへとぶん投げられたら,なんとか歩きはするものの心ここにあらずで「ま゛」と鳴くメカに.
すっかり意識の飛んでるメカ環.それでも本能的にハルヒと笠野田の間に座ろうとするも!ハルヒさんの大雑把な席変更が行われて失敗.さらにおまけの知恵の輪を与えられ,妨害にすらなってない(苦笑).その様は父というよりは幼児そのもので,ハルヒさんと笠野田君のいい雰囲気は壊れるどころか揺るぎもしない….
苛立つ双子は殿に電話! 上級生の現実逃避を電話口で叱ります.彼がロボットになっているうちに事態がどんどん深刻化! このままボサノバっちにかっ攫われたらハルヒは姐さんになっちゃうと,極端な表現をすることによってついに環が覚醒! …そのまな板姐さんは大変かっこいいけども(笑)「だ…だめだ…」と環は膝を笑わせます!

後半! 「お父さんは反対だー!」と絶叫しながらついに覚醒した環! ボサノバ君に「君はこんなところで何をしているのかね!」と頭から威嚇して完全復調! 舎弟は?缶蹴りは?さあ行けすぐ行け青春しろと全力で退場を要求し,それでもハルヒとお近づきになりたいというならー!とぶんぶかヤクザな下級生を振り回す(笑).このあたり作画が遊んでるなぁ…そしてラストはびしいっと! 「父であるこの俺を,倒してからにしてもらおうか!」
この展開に呆然とした笠野田君.恋する彼はボケ補正を喰らっていますが,元々は才能溢れるツッコミなので「…父って…お父さんなんですか?」「藤岡のお父さん,その若さで?」と直球を返す! 折角の決め球をピッチャー返しされ,しかも喰らった球が急所に当たって動けない.笠野田君のツッコミはガチンコなので,むしろ自称お父さんの方が追い詰められていく….最終的にはハルヒとは「父親じゃないんじゃないすか?」と,現実を言われて顔面蒼白.二の句が告げられずそのまま破裂し飛んでいく.
20話も越えて本当に今更なんだけど,「厳密に言えば俺はハルヒのお父さんじゃないんだった」と呆然とする環.…厳密に言わなくても環がハルヒの父のわけがないってのに,今になってそんなことに宇宙レベルのショックに動転し,「整理が…必要だ」.それが必要なのはあなただけとは思いますが!
仮に環がお父さんでないと仮定するならっていうかお父さんじゃないんだけど!「ハルヒのことをこんなにも可愛くいとおしいと思うのはなんなのだろう!」…凄い直球,でも投げてる先が観客席(苦笑).お父さんでもない癖に,他の奴と一緒にいるのが心配でたまらないのはなぜ? …そりゃ好きだからに決まってんだろと内心で視聴者全員がツッコんでいるはず.
凄いところで迷子になっていたこの男に導かれていると思い込んでいた馨はショック(笑).いくらなんでももっと賢いはずだと思っていたら,判明した実情は衝撃です.お嫁さん妄想については「お父さんなら普通,他の奴の嫁にやるよりは!と思うんじゃないのか?」キスを阻止するのは「娘の可愛い唇を守ってはいかんのか」…あー,えーっと.
本作らしくもないリリカルぶりで馨が想定していたホスト部の夜を走るかぼちゃの馬車.ところがこの馬車,御者がいなくてむしろ一緒に乗っていて,そんじゃ今手綱さばいてんのは誰だよ(苦笑).家族設定は今の関係を続けるための意図された予防線なんて「…意味がわからん」(笑)!
環は伊達にバカ殿じゃない.そのレベルは馨の想像の遥かに下を行き,「アホだ!」と断定されて当然.ハルヒさんに対する気持ち,特に庇護欲や独占欲にいきなりラベルをつけ間違えて,今に至っても間違ってるとわかってない.まさに無自覚の大バカ者!
この超思考を「やはりな」と納得できるのは一番理解している鏡夜くらいのもの.これまでの妄想にリアリティがないのは奴が凄いバカであるため.自分のことにうといとかそんなレベルを遥かに越えたアホぶりに,尊敬まじりのリリカル仮説をぶっ崩されてしまう馨もまた,まるでバカみたいじゃないですか(苦笑).…そりゃ本人が恋を完全に自覚していないなら,れんげさんの萌えセンサーも反応しなくなるよなぁ.
さて,本当に今更ながらも壮絶な事実が判明して混乱するホスト部を他所に,ハルヒさんはマイペース接客を続行中.当然お父さんではないけれど,先輩ってなんかうちのお父さんみたいなとこあるんだよね!とノンキなコメント.これが命の水となり己を失っていた殿があっさり復活だ! …もちろんお父さんじゃないけれど,「みたい」という言葉に必死でしがみついて離さない.…こうなるといっそ好きだと認めてしまう方がむしろ楽な気がするんですが(苦笑).
環のおかげで焦点が逸れたのを取り戻すかのように,好きか大好きの2択である笠野田君は最後のアピールにかかります.たまには秘密を知る奴の方が気が楽とか必死で自分を売り込めば,「うれしいよ! カサノバ君と仲良くなれて」とハルヒさんの笑顔が美しい.萌え焼け死にそうな凄くいい雰囲気の中でお父さんみたいはどうすりゃいい? 自分と同じ経緯を辿って,自分より先に進んで行こうとするこの男を….
カサノバ君はついに気持ちが抑えられず!「俺!藤岡のことが! 藤岡のことが…」と素敵な均衡を壊す告白に挑もうとします.それは男の全てを賭けた本気であり,同じ男には決して邪魔なんかできない神聖なものだけれど….ハルヒさんの鈍さはそんな神聖さすら無視! 1年前,中学時代の惨事をなぞるかのように大事な言葉も聞かないで!「やっぱり,価値観の合う友達っていいよね!」
こういう話できる人いなかったからいいよね!と,笠野田君にはご満悦のハルヒさん.ただしその良さはあくまで友達としてのもの.本人からナチュラルに駄目押しまでされてかたまったところにれんげさんが!「ま,フラれちゃいましたわっ!」「…ええっ?」フラれ男のレッテルをでかでかと貼られた笠野田君には,観客の皆様方から失恋に対する同情の言葉が雨あられ(苦笑).下手に注目を集めていたため,悲惨ぶりも半端ではない!
ありがた迷惑な同情の渦の中,それでもハルヒさんのことが好きな笠野田君は彼女の立場を考えます.…男としての生活に男からの恋愛感情なんて迷惑…なんてことは実際はないという事実が切ないけれど(苦笑)天然のハルヒさんのためにしてやれることとして!「ずっと友達だ! 俺たちは! な!」と心で血の涙を流しつつ宣言し!ここにハルヒさんに撃墜マークがまた1つ刻まれたのでありました….
御者のいないカボチャの馬車は,ハルヒの天然コーティングによって何より硬くて壊れない.不安定に安定した夢の世界を支えるために笠野田君は押し潰されて…「感動をありがとう!」と関係者全員が笠野田君の献身ぶりに涙を流します(苦笑).横で見ていた事情を知らないお客たちにはこの光景がどんな風に見えていたのか,萌え萌え桜蘭日記11号の特集をぜひ読んでみたいなぁ….
一人の男がかぼちゃに挑んで見事に返り討ち.その様子をへたりこんで見ているしかなかった環は,彼の気持ちを考えて,ちょっと胸がいためておりました.本当の過保護な父親ならば同情なんかしないはず.なのに感じる胸の痛みは,彼が父親よりも笠野田君にずっと似ていることを静かに告げているのです.

大勝負が終わった後は皆で楽しく缶蹴り.笠野田君はかなり大きなものを失いましたが,それでも得たものはちゃんとあるので我慢してください(苦笑).逃げ出した環とハルヒがあのバラの東屋に隠れたら,そこには鏡夜や双子まで.お父さんみたいはお父さんではないのでハルヒと一緒でいなきゃいけないわけじゃない.お父さんみたいはお父さんじゃないから,ハルヒの隣に座る権利を賭けて,この馬車の中で候補たちと競う義務があるのです.
そんな椅子取りゲームを達観した上級生二人は上から見守っております.発展途上の光に,自分のことがわかってない超鈍感の環,そしてその他2名には環と同じ無自覚さんが隠れてる…? 御者なしに疾走する丈夫なかぼちゃの馬車の中,一体誰がハルヒを手に入れるのか? …本人が「誰のものでもありません!」と言い切っているからなぁ(苦笑).ところでハルヒ本人は,まったく恋愛感情がないのと恋愛感情は多少なりあるものの無自覚のどちらなんだろう? 恋の行方をちょいと横に置いて過去へと戻る,次回に続きます.

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