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機動警察パトレイバー#26

「それぞれがそれぞれに特別優秀の巻」

香貫花が抜けた大穴を埋めるために第2小隊に配属されることになった熊耳武緒.ごつい名前に反していかにも清楚で,人当たりのよさそうな大人の女性だ.正式配属前から積極的に第2小隊を学び溶け込もうとする彼女は,有能な上に料理も巧く運動神経もレイバー操縦者としての勘もいい.その上職務に対しても強い自信と誇りを持っている真摯な彼女は,常にフォワードでいたい野明にとっては実に手強い競争者となった.

これまでの半年を主にドタバタと小ネタで彩ってきた「パトレイバー」.3クール目は今まで時折描かれてきた謎のレイバー絡みのエピソードが加速するので,それに先立ちまず人員の強化が行われます.同時期に連載されていたコミック版からやってきた熊耳さんは,香貫花とは違った種類の凄い女性.穏やかで常識的で芯が強くて賢い彼女は,今回は野明の前に立ち塞がるわけですが…凄い女性の尻に敷かれなければまともに働けないあいつって,やっぱりある意味凄いなぁ(苦笑).

前半.ついに新たな人材が補給されることになり,第2小隊はせっせと職場をお掃除.殺風景なので花を飾ろうとしたりとか,茶碗用のふきんで窓を拭くのが顰蹙だったりとか(笑)現実の職場では割とありがちな光景だけど,アニメでは滅多に描写されない光景かも.いらっしゃるのは「熊耳武緒」さん.ごつくて強そうな名前なので皆とりあえず男性ではないかと思い込んでいるわけですが,実際に遠くから歩いてきたのは女性.「よお,やっと来たか!」と後藤隊長が心待ちにしていた逸材です.
一見楚々としながらも,タクシーが捕まらないという理由でここまで延々歩いてくる根性のある熊耳さん.隣の隊長のしのぶさんすら驚かせるほどの抜群の経歴で,そんなのを引っ張ってきてしまう後藤の人脈が恐ろしい(笑).あんな地の果てから,本庁に向かって一体どんなアンテナを張っているのやら….しかも彼女は相当の才媛.レイバーシステムの把握にかかる時間が短いことだけでなく,はじめての業務なのに正確な期間を答えているあたりが凄いんだ.
後藤は可愛い問題児集団に対し,美人で楚々とした熊耳さんを紹介.配属までの10日間,研修として一緒にやってもらうので「仲良くやってね!」と前歴や階級などはまったく言わずに放り込みます.「よろしくお願いいたします」とごく普通の挨拶をする彼女は驚くほどにまとも.ここにはいなかった種類の人間なので,第2小隊は手探り状態で接触を開始です.…早くここに慣れようと熱心な彼女は,進士のデータ打ち込みのお手伝い.口調は硬くていかにも探っている感じがしますが,手さばきは優秀.
しかも優秀なのは仕事だけじゃない.3話で滔々と語られた通りにここでは待機期間を無事に暮らすことも大切な仕事で,中でも重要なのは食生活! 熊耳さんの存在に違和感を感じる遊馬の大根の輪切り,後半は…なんだそりゃ(笑).にこやかでおしとやかなタイプは苦手とひろみにこぼしたら,「女の人は見かけだけじゃわかりませんからねぇ」と妙に含蓄のある回答が戻ってくるような調理中,話題の中心である熊耳がいきなり来ちゃって…大変に気まずい(苦笑).
いたたまれずにあわてて台所から出る遊馬とぶつかって熊耳の落とした本は,「AVシステム概論」に「警視庁昇進試験問題集」に「全予測2001年レイバー展望」.しかも最後のはあのシャフト社が出したやつ! いきなりの配属された割には読んでるものはハイレベルで,特に昇進試験の問題集なんか持ち歩いてる向上心は大変この部署らしくないかも.そんな彼女に比べると,苦手なPCも他人に頼りっぱなしな野明の頼りなさが心配になってしまうのです.
遊馬のかわりに熊耳が入って作った今日の夕食は夢のよう! 見た目もいいしおいしいし,今日1日一緒に過ごしただけでも熊耳さんの完璧ぶりはレベルが違い…そんな凄い人がなんでこんなところにいるのか,遊馬にはその理由がわからなくてもやもやしています.で,鈍い野明はそこんとこ全然わかってない(笑).「やっぱ彼女,うちのカラーじゃないなぁ」と違和感を表明する遊馬.けれど彼女が貴重な戦力であることは間違いないし…でも,あれだけしっかりした人がいくら濃くてもこのいい加減な小隊に染まってくれるかな?
才能溢れる上に頑張り屋の熊耳さんは翌日も早朝から努力! 3号機を借りてすっかり乗りこなし,しかもレイバーの細かな設定の差異にまで気づいてしまう.とことん勘が良くて有能な上に熱心な彼女の姿は,これまで適当にやってきた遊馬の目には違和感のあるものに映ってしまう.基本を押さえてポイントを掴めばあとは応用力の問題.理論と実戦で食い違う分は地道に経験を積むという彼女の言葉には非の付け所もない上に,「当然のことじゃないかしら」と言い切るあたりが凄い.楚々とした見た目の内側には,強いプロ意識が隠れていたのです.
あれほどの熱意を持つ人材ならば,あっという間に今の自分たちのレベルまで追いついてしまうに違いない.後藤ときたら今後は再編成の余地は十分にあると思っているみたいだし,これはフォワードにとっては間違いなく危機! スペース入ってないみたいなどうでもいいエラーで戸惑って進めなくなっている野明なんか,あっという間に追い抜かれるに違いないので…お節介な兄貴分は大事な後輩を連れ出して警告だ!
「人にばっか頼っててどうすんだよ!」とわかってない野明に向かっていきなりお説教をかます遊馬.なんせ「うかうかしてっと,フォワード降ろされるかもしれないんだからな!」 競争者は既にイングラムのシステムをマスターしつつあるんだから,決して追い抜かれないように「自分でできることは自分でやれ!」と厳命.…けれど,そこまで教えられてもまだ野明はなんだか不本意.いくらパートナーに命じられても,まだ自分の身に何が迫っているのかを理解できていないのです.
けれどそんな鈍い野明でも危機を感じる事態は,案外早くやってきました.着替えで二人きりになったところで,「熊耳さんみたいに優秀な人が,どうしてこんなところに回されてきたんですか?」と聞いてみたなら…彼女は険しい表情に.「あなたは自分の仕事を,こんな仕事だなんて思っているの?」と,これまでなあなあでやってきた未熟者に対して辛辣な言葉をぶつけます! この台詞,野明だけでなく大抵の社会人にとっては相当耳に痛いはずだ(苦笑).
目標に向かって努力することで人間は成長するわけだから,仕事を舐めている奴には上達も向上もありえないというのは結構真実.現状のぬるま湯に満足していた野明に向かって,「特車二課に来たのは自分の意思だし,配属になった以上,常にベストを目指すつもりです」と宣言する熊耳.その姿を見て,野明は自分がなまけていたことに今更ながら気づいてしまって…思わず一緒にトレーニングを頑張ってみる(苦笑).自分より凄い人を見習って素直に頑張ろうとするあたり,野明って純真だよな.

後半.競争者を認識したことで俄然頑張りはじめる野明ですが,実力ってのは一朝一夕で引き上げられるようなもんじゃない.やる気の有無に関わらず,難しいものはやっぱり難しいまま…なんだけど,それでも絶望するのは早過ぎる.普通の人よりはやや良い程度のセンスとたかが半年の経験ですが,それでも他人に勝るものは身につくもの.さっき思いっきり叩き落としてくれた遊馬が,あんまりにも自信を失う彼女を今度は引き上げてくれます.
料理も上手いし運動神経もいいしイングラムも操縦できる熊耳さんに勝るものがないと落ち込む野明に遊馬が見せてくれたいいもの.それは太田機と野明機の間にある差.…そもそも操縦者に常識と自制心があるかどうかってのが一番大きな差になっているはずなんだけどそれは横に置いて(笑)遊馬が見せてくれるのは,操縦者としての純粋な力量差です.
基本データとしては,2号機に比べ力がなく反応速度も遅い1号機.これはまあ生まれつきみたいなもので,改善しようと思っても難しい部分.「そんで本題」.実際に2機の動作パターンをシミュレートしてみると,無駄な動きの多い2号機よりも素早く効率のいい動きをするってのが,きっと野明の才能.「何事も1つの局面だけで全てを判断することはできない」と今更ながら教えてくれるのです.
基本スペックは明らかに熊耳さんが上.しかしスペックの比較では語り切れない力量が間違いなく存在するから,表面の比較で結論を出すのは無意味.珍しくいい話をしてくれた同僚に励まされ,野明は腐らず再びせっせと頑張りはじめます.…そもそも彼女の場合,個人ではどうしても補いきれないことがあるなんてことは学生の頃の部活でつくづく痛感してきているわけですが…それはまた別の話.
才能に溢れ努力も惜しまない熊耳さんと,才能に関しては諦めても努力は惜しまない野明.残るは経験の差で,これを見せる機会もすぐに訪れました.この前の自分の態度について熊耳に言いたいことがあった野明.けれどそれを伝える前に,いきなり仲間として現場に出動することになります.…しかも現場に向かうに先立って,後藤からいきなり伝達される人事異動.熊耳は2号指揮車の担当に入り,進士は2号キャリアへと戻る!
いろいろと悩みはあったものの結局異動のなかった1号機コンビはにこにこ.それとは逆にそんな人事をまったく考えていなかった太田とついでに進士が呆然.…結局またも女の尻に敷かれることが決定した太田.でも敷かないとちゃんと制御できないんだから仕方ないよなぁ(笑)! この人事は進士にとっては救いの人事…のはずなんだけど,優しい彼は酷い目に遭うに違いない熊耳を心配.無茶な命令には従わない権利もあるとまで言うんですが,熊耳さんは「ありがとう,でもご心配は無用です」ときっぱり.彼女のプロ意識には一分の揺るぎもありません.
さて現場,香貫花に続いてまたか!というわけで,太田は猛るものの後藤はすっかり馬耳東風.さっさと現場の状況に集中です.2台の作業用レイバーが工事現場で壊し放題の暴れ放題.その末に地下の作業坑に隠れた上に人質まで抱えられて大変に厄介! …とはいえ本当に厄介なのは犯人よりも暴走しがちな太田を御することじゃないかと思うんですが(笑)そんな大役を任されたはずなのに,熊耳さんは余裕の笑み.
縦横の作業坑が走る地下の現場.迷路のような構造図から早速細い試坑に目をつけた熊耳さんは,ここに犯人機を誘導するように指示.最初の指示では2号機が誘導役で1号機に撹乱役をやらせようとしたんですが,太田に誘導役はやっぱし無理.その上犯人機どもに足蹴にされて太田の悲鳴が上がるわけですが,ちっとも動揺してない熊耳は凄くドライというか冷たいというか…(苦笑).
地下での誘導作戦は臨機応変.今度は1号機が誘導役に回って2対1の数の差に押されつつも野明が奮戦.もちろん押さえ込むことや倒すことはできなかったものの,犯人機を導きたい方向に持っていけたので問題なし.細い作業坑にさえ入ってくれれば挟み撃ちが可能.機動力に優れたクラブマンだとしても,2機を挟み撃ちすれば足を封じることもできるし,的を絞ることだって楽になるのです.
2号機と1号機の連携によって細い作業坑に追い込んで,犯人を出口付近で挟み撃ちにするこの作戦.撃ちたがる太田には理詰めで発砲許可を拒否して撃たせず,手違いがあっても最後には最初に考えたとおりの構図へと持って行く熊耳の指揮能力は抜群! 出口では銃を構えた1号機が「人質を解放すればよし,さもなくば!」と犯人機に警告するも,ここでコックピットから出てきた犯人が人質に銃らしきものを突きつける.…本来は人命尊重のために膠着しそうな状況で,野明がいきなり見せた判断は意外なものでした.
犯人に脅され,しかし「ようしわかった!」と野明は直後に至近距離に発砲! 弾丸の生み出す風圧で犯人の態勢を思いっきり崩し,結局フェイクであった銃らしきものも吹っ飛ばす! 何の戸惑いもなく即断即決でこんな大胆な行動を取った野明にさすがの熊耳も「彼女やるわね!」と驚き,可愛がっている頑張り屋のパートナーを誉められた遊馬も「まあな」とご満悦.
さっきの華麗な判断は相当熊耳を驚かせたようで,仕事の後で「どうして銃がハッタリだと?」と聞かれた野明の返事は「勘…です」.もちろん根拠がないことではなくて,本当に銃があるなら地下坑には逃げ込まなかったはずだから!と根拠もしっかり.しかしその根拠であの行動を即座に取れた野明の判断能力は見事で,「これからいろいろ,教えてもらいたいわ」と熊耳さんはその手を差し出します.…優れた人に同格と認めてもらう喜びは,今後野明の能力を引き上げる原動力になっていきそうです.

さて別日.実は熊耳さんが「巡査部長!」であったことにビビる第2小隊の隊員達.しかもその経歴も,返還前の香港警察で研修し本庁の外事課に移り終いにはインターポールを蹴ってこんなところに来ちゃったという豪快ぶり.もちろんその経歴に似合う能力と適性のあるエリートで逸材.そして特に権力に弱い太田にとってはまさに天敵(笑).互いの能力をお互いに十分知り合った10日間も終了し,「じゃ,みんな仲良くやってねー」ってなわけで新たなレギュラーの加わった,新しくてさらにハードな日々がはじまります! …とはいえこの熊耳さん,凄いけど決して弱点がないわけではなくってなあたりが描かれる次回に続きます.

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