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デジモンセイバーズ#25

「ともかくあいつは許せない!の巻」

デジモンと人間の間に起きた諍い.その原因が過去の倉田の行動にあったと知ったマサルたちは怒る.デジモンを人間に害を成す凶暴な生物としか考えることのできない倉田は,人間の友人となれたかもしれないデジモンを捕獲して改造した.その非人道的な行為を絶対に許せないマサルたちは,国家機密省を敵に回してでも倉田と戦うことを選ぶ.
マサルたちが3体の完全体でギズモンを倒そうと奮戦するその横で,撃たれたメルクリモンは滅びようとしていた.去り行くメルクリモンはイクトに向かい,どちらか1つを選ぶのではなく,人間とデジモンがともに暮らせる世界を作るべきだったのだと,自身の惑いと過ちを詫びる.

2クール目のクライマックスを目指して沸騰する「セイバーズ」! 前回でここまで伏せられていた10年前の重要なカードがいくつも開き,とりあえず誰をぶん殴らなきゃならないのかははっきりしたものの,うさん臭い男の作り出したものは常識的な完全体の強さからすれば反則の強さ.倉田が一体そのベースにどれほどの独自のアレンジを加えたのかと思うと…腸が煮え繰り返る思いです.
まったく別種の存在とはいえ,互いの状況を推測し合えるだけの頭があって,考えを通じ合うことのできる言葉があって,さらに両者の思考の根底にある善悪の判断に大きな差がなければきっともっと理解し合えるはずなのに,倉田が短絡的にその可能性を拒否したのは彼一人の判断によるものなのか,それともさらに別種の意図が働いているのか.…まあどっちにしても凄く殴りたいことには変わりないんだけどな(笑)!

前回の展開の勢いをそのまま引きずって,開始後10分くらいまでオープニングが始まらない怒涛の今回.前回の回想話で判明したのは,マサルの父は本当に滅茶苦茶であり,その助手の倉田は凄く悪かったということ.…なんだってあんなのを助手にしちゃったのかなぁ大門博士も(苦笑).特にイクトにとっては倉田は育ての親を殺した張本人であった上に,その後に保護してくれた育ての父とも言えるメルクリモンをギズモン:ATに射撃されちゃったので洒落にならない!
対話に応じてくれていた組織の長を不意打ちし,しかも得意気な倉田のことをマサルたちは当然許せない.サーベルレオモンをも倒した例のビームを食らってしまっては,究極体でもそのかけがえのない命を失うのは時間の問題だってのに,倉田にとってはデジモンはただの害獣.対話と和解の可能性を自分の手でぶち壊したこの男の目的は「デジモンの完全抹殺!」
DATS設立の際に大門博士から伝えられた理念とは真逆の考えを持つこの男.10年前の探検隊でデジモンの凶暴性を身を持って知ったと主張する彼は,種族全体の抹殺を計画.…その憎しみは彼の中にあったものがデジモンに反映されただけなのに.しかも最大の障害であるメルクリモンを片付けるために,DATSの存在を利用したってのがまたひどい.まともな感性と判断力のある隊員たちは本気で怒ります.
なんせDATS隊員たちは,人間とデジモンの融和を体現しているような人材ばかり.幼い頃からずっと一緒にやってきたり,互いの才能に敬意を抱いて接したり,ともかく腕っ節の凄さに惚れ込んで義兄弟の契りを結んだり(笑)パターンは一様ではありませんが協力し合ってここまで来た仲間たち.この世界で育ったイクトとファルコモンだって,拳で語りあった大門博士とメルクリモンだって心は通じ合ったはずだからなおさら,それを無視して踏みにじる倉田が許せない!
当然マサルは倉田をぶん殴りに行くも,そこに立ちはだかるのがギズモン:AT.最近跳躍力に磨きのかかってきたマサルは凄いジャンプで殴ってフルチャージ! ギズモンもろとも倉田までぶっ飛ばす気合でライズグレイモンに反撃させるわけですが…防御力が高すぎてトライデントリボルバーが効かない! …敵の能力を事前に把握するなんて賢いことが,頭に血が上ったマサルにできるわけないんだから,トーマもいいかげんそういう高望みは諦めていただきたい(笑).
開かれた戦端に,トーマとヨシノもフルチャージしてマッハガオガモンとライラモンを投入.個別での物理攻撃はやはり効かず,状態変化系攻撃も心がないので無意味ってなわけで倉田大笑い.なんせあのメカメカしいギズモンは,捕獲したデジモンを改造して作ったもんだってんだから…人間と同格に扱うべき生命に,どこまで非道な行いを重ねれば気が済むのか!
しかもそんな狂気の「実験」の成果を自慢した上に,「デジモンも道具としてなら,使いようがあるってことです」ともう即刻死んで欲しいくらいに悪である倉田.国家機密省という立場を傘に着て,DATSの連中にも翻意を促すわけですが…DATSにはそんな揺さぶりで心を曲げる弱い奴なんかいないってのは,もちろん誘った倉田だってわかっているはず.人間並みの知性のある生物を実験して操って仲間殺しをさせる彼は人殺しに等しいから…「手前だけは絶対ぶっとばす!」
ギズモンとDATSのバトルが再開したその背後で,急激に弱っていくメルクリモン.賢い彼には自分の命が今まさに終わろうとしていることもよくわかっていたので,イクトに遺言を残します.実はイクトの扱いについてずっと迷っていたメルクリモン.人間でありながらデジモンとして育つという,2つの世界でもたった1人きりの彼を将来的にどちらの世界で暮らさせるのが幸せなのかを決めかねて,わざとマサルたちにぶつけていたことが明らかに.
イクトを人間に会わせることで,人間の心を蘇らせるのかそれとも人間を憎み続けるのかを試していた彼.もちろんそれはイクトの幸せを思えばこその行動なんですが…「だが,そんな迷いこそが間違いだったのだと,今になって気づいた」.結局のところ最良は,二つの道の一方を選び一方を捨てることではなく,たとえ無茶でも両方の道を選ぶこと…「あの男は,大門スグルはそれを知っていた!」
一度混ざってしまった2つの世界の間で生きていかねばならないイクトのためにも,大門博士はデジヴァイスを渡していました.恐らく,一度混ざってしまった2つの絵の具はもはや元に戻りようがない.今はまだ衝突を続ける人間とデジモンだけれど,やがてそのマーブル模様は消えて新しい色になるのだろうから…その色をより美しいものにしたいと考えた,あの日の拳にも誓いにも一片の嘘もない!
イクトが一番幸せに生きていけるのは,人間とデジモンがともに暮らせる世界.だからユキダルモンはイクトに人間を憎まないように願ったし,メルクリモンは約束を果せなかったことをイクトに詫びる.…けれど今のイクトにとって,約束なんかより彼の存在の方が重要で! 「メルクリモン,死ぬな! お前まで俺を置いていくな!」

背後では悲しい別れが進行し,前面では悲壮な戦いが続きます.ギズモンはあまりに強くて硬くて,完全体3体でも勝負にならない.さらに成長期デジモンレベルの戦力であるマサルまで攻撃に加わるわけですが,それでもやっぱりまだ足りない.…ただしDATSの戦意は決して消えることなく,むしろ怒りは増すばかり.そんなしつこさ頑固さにうんざりする倉田曰く,「まるで君の父親,大門スグルと同じです」.
10年前,デジモンの危険性を知った倉田は即座に大門博士に抹殺を進言.当然ながら博士はこれを拒否し,その結果デジモンによる凶悪事件が続発することになった…って,本当の原因は一体どこにあるのか,お前わかってないのか? 全ては大門博士の頑固さのせい,やっぱりデジモンは抹殺するしかないという倉田に向かって「ふざけんな!」と叫ぶマサル.「父さんが頑固者なら,お前はただの臆病者だ!」
「拳で語るってのはなあ,相手に痛みを与えるだけじゃねえ! 相手以上に,自分の心も痛えんだよ!」…恐らくマサルは衝動に導かれ,大門博士ははっきりとした思想の基で,相手を素手で殴って語るという解決手段を選択しています.武器のように致命傷にはならず殴った分だけ自分自身も傷つく剥き出しの行動が取れるのは,殴る側にそれなりの覚悟と自信がある証.そこから逃げる倉田のやり方は「痛みを怖がる臆病者のやり方だって言ってんだよ!」
過去に自分の師匠に言われ,今その師匠の息子に同じ事を言われた倉田.人の恐怖も考えず,正論を吐くバカが倉田は大嫌い.ゆえに事故に見せかけて嫌な息子もここで消す! ギスモンを人工デジソウルで禍々しい擬似進化をさせ,完全体のギズモン:XTへと変えたなら…さっきでもまともに勝負できなかったってのに,さらにパワーアップされたらもうやられるばかり.一斉攻撃を3体で放つものの相手は無傷…痛みすら感じないのか.
圧倒的劣勢で敗北目前のマサルたち.彼らのために,そしてイクトのために,メルクリモンは最後に一働きすることを決断.崩れつつある体を起こし,イクトとファルコモンに別れを告げます.倉田の悪さに心を揺るがされ,「やっぱり人間憎む!」と言い出すイクトに,マサルを見ろと言うメルクリモン.単純で言葉遣いもなっておらず行動も滅茶苦茶.「だが,悪い奴か,存在を消してしまいたいほど,憎いか?」…こんな時にぶっちゃけられる主人公の印象の面白さはともかく(苦笑)あいつはとてもいい奴です.
マサルはデジモンのこともイクトのことも親身に考えてくれた大恩人.しかも人間界で出会ったマサルの仲間は「みんな優しくしてくれた」.それらの人々のことを決してイクトは憎くないから,強く首を横に振る.…人間にはいい奴も悪い奴もいて,本当に憎むべきものは,悪でなければならない.最後に「イクトよ,生きろ…デジモンの心を持つ,人間として」と言い残し!メルクリモンはまだ動く体で捨て身の特攻に!
ギズモン:XTを一撃で殴り倒すメルクリモン.それは彼の死期を近づける一撃だけれど,マサルたちを守ることにはその価値がある.大門スグルの言っていた言葉,「デジモンと人間の共存できる時代が来ることを」信じてみたいから….けれど共存の夢をせせら笑う倉田はメルクリモンをさらに攻撃し,「イクトよ,強く…!」と言い残し,偉大な彼はこの世界から消えた.
またも大きなものを目前で失い,愕然とするイクト.その上倉田は今メルクリモンが残した遺言すらも蹂躙する.人間とデジモンの共存する時代という夢物語のために命を捨てるなど,下らなすぎて言葉もないと.ここで心底怒らなければ,彼の遺志を継承する資格などない,男じゃない! イクトとファルコモンは残された理想のために,倒さねばならない悪をぶっ飛ばすために走り出す!
2つの世界の間に亀裂を作り,育ての母を殺し父を殺した悪.これを倒すためにイクトはフルチャージ! ファルコモンはペックモンからヤタガラモンへと進化.4体目の完全体は無差別な人間の敵ではなく,「悪い心持つ人間だけ」を狙います.ヤタガラモンの攻撃でさすがに弱っていたギズモンをぶっ壊してデジタマに戻すものの!倉田はショックを受けることもなく,ゲートを開いてこの場を離脱してしまう….

無限氷壁に残されたのは,空の玉座と人間界への帰り道のみ.消えてしまったメルクリモンに向かって「俺,人間として生きる.デジモンの心を持つ人間として…」と報告するイクト.事実は明らかになったものの,事態の収拾はまだまだこれから先が本番.イクトと,そしてマサルたちの倉田を倒すための旅がここからはじまるわけですが,相手も悪らしく,なんか巨大な水槽の中に禍々しいものを準備していやがりますよ.
さて,2クールかけてようやく殴っていい奴の姿が明らかになったわけですが,彼がDATSを統括する組織に食い込んでいるため,マサルたちにとって人間界は完全なアウェーに変わってしまいました.…倉田の部下たちは,今日の戦いを見てどんな風に思ったんだろう.わずかでもいいから,正義に気づいてくれる人がいればいいんだけれど….そして!ピカっとやられるもののバカはやっぱり治らない(笑)次回に続きます!

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