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機動警察パトレイバー#24

「これでさよなら大事件の巻」

ついに香貫花が日本を発つ日がやってきた.しかし見送りに来た仲間たちの目の前で,香貫花の乗った飛行機が飛び立つ前にハイジャックされてしまう.犯人は丸っこくて奇妙に腰が低い男,猫渡.機体に爆弾を仕掛けたと言い張る彼が求めるのは,テロリストの犬走一直を釈放しここに連れてくること.けれど猫渡はあまりにも運が悪すぎた.同じ飛行機にあの香貫花が乗っているということは,今一番命が危ないのは犯人なのだ.

ついに香貫花が旅立って,作品的にも大きな転機を迎える「パトレイバー」.数週かけて実施してきた香貫花退場の花道もついに今回でフィナーレということで,脚本に伊藤氏,絵コンテに吉永監督,そして演出に元永氏という強力な布陣で犯人の身が心配でならない(笑)ハイジャックものを描きます.原画に伊藤浩二氏の名前もありますが,これはあの伊藤氏かな?
後藤と香貫花の暗黙の会話に代表される緩くて屈託ない物語は色々見所に溢れていますが,ぜひ聞いていただきたいのは猫渡役の吉村よう.大変に柔らかくて申し訳なさそうな独特の声質と口調で,他の声優には真似のできない独自の世界を作り上げながらも早逝した彼の声を存分に楽しんでいただきたい! …今となっては香貫花との掛け合いにいろいろ切ないものも感じたりしますが,基本的に楽しい話なんだから見ている側が勝手に湿っぽくなっちゃダメだ(笑).

前半! 荷揚げしたり荷降ろししたり,装置のレイバー化が著しい幻想の近未来の成田空港.そこにはついに旅立つ香貫花と,それを見送りにきた野明の姿がありました.…つうか,二人っきりで他の連中がいないのが不自然.さすがにこういう時には万難排してでも来るものだと思うんですが,時間ぎりぎりまで待ったもののタイムオーバー.香貫花は野明に「じゃ」と手を差し出し,別れの握手をします.
相手は中途なれども唯一の同期の旅立ちに「言葉が出て来ないや」と野明.いろいろあったものの最終的には仲良くなった彼女を置いて,香貫花は颯爽と旅立った…のを見守っていて,背を向けたのを見計らうようにして出てきたのが遊馬たち.実は随分前からいたんですが,照れくささと前回のマンションの件で当人の前に顔を出すことができなかったというヘタレぶり…気持ちは分からなくはないけれど,やっぱり人としてどうだろう(苦笑).完全に顔を合わせなかった連中に比べて,敬礼で見送る太田の方が,珍しいけど結構偉いと思うのです.
そして最後に合流したのが「よ」なんて言いながら出てきた後藤隊長.どうしても湿っぽくなりがちな場で,これが今生の別れってわけでもあるまいしと実にいつも通りのマイペース.しかもくさやを土産に持たせようとするだなんて,しかも機内持ち込みだなんて,一体どんな嫌がらせだ(笑).…てなわけで,未だに敬礼しっぱなしの太田も含めて全員でレストランに食事しにいくことにしたのが,最終的には犯人の命を救うことに繋がったのであります.
第2小隊一同は元気にレストランの料理を堪能.後藤が誘ってくれたので,てっきりおごってくれるんだと思い込んでたんですね.もちろん特に問題もない一堂にタダメシを与えるだなんて,計算高い後藤にそんなつもりは微塵もなく(笑)いきなり梯子を外された部下一同は懐具合が深刻に.ここで太田が苦し紛れに,事件が起こればメシ代どころではなくなるとか剣呑なことを言いやがっておりますが,主役の仲間がこういう冗談を言うとそれが本当になってしまうので,他のお客たちがざわめくのももっともなことなのです.
相変わらず普通に銃を持ち歩いている香貫花ですが,さすがに搭乗前の荷物検査までは突破できずに取り上げられてしまいます.「領空を出たところであなたが届けてくださいますか?」と係員を脅してみたりと,銃に対する執着は太田といい勝負っぽいですが,さすがの係員もこればかりは譲れない.「機中で銃が必要となる事態が起こらないことを祈りなさい」とクールに捨て台詞を残す香貫花だけど…結果的には,頑張って彼女の銃を取り上げたのは大正解だな.
機中の香貫花の隣の席に座ったのは,恵比須様と猫を混ぜて2で割った奴が笑ったような顔の小男.いかにも挙動不審なこの男は我慢でけへん!と立ち上がり,スッチーのお姉さんの制止を振り切り,雑誌片手に操縦室前に御到着.そして脅迫状を見せて開けてちょうだいとお願いしちゃいます.現在ほど操縦室への立ち入りに関する規制が厳しくない当時の延長線上にある近未来,それでも出発直前は立ち入りはお断りであるわけですが,「キタイニバクダンヲセットシタ」と書かれた紙面を目にしては,これはもう止めざるを得ないわけです.
「いたずらやないでー」とナイフを見せる,ふざけた顔の小男はこの飛行機乗っ取らせていただきますと宣言し,「よろしゅうに」とご挨拶.それに「こちらこそ」とか答えるスチュワーデスはどうなのか(笑).さらに乗務員が乗務員なら機長も機長であり,飛行機が苦手な犯人が飛び立つ前にハイジャックしやがったことに対して,「私ゃ不満だせめて離陸してから…」って一体何を言ってんだ(苦笑).こんだけ無駄に余裕があれば破れかぶれの行動を取って事態を悪化させることはないかもしれないけれど….
爆弾は既にセットしたし,飛んではいないけど乗っ取ったってことでお願いできないかと低姿勢な犯人.その隙を突いて副操縦士が機体を横に振り,預かったばかりの香貫花の銃を犯人に向ける! …しかし意外と俊敏な犯人は結局銃を取り上げてしまい,さらには持ち込んだセラミックナイフまでちらつかせる.ただし女性には優しくて「すびません,怪我ありませんでした?」と気遣ってみせるその甘さに,綺麗な顔がしっかりつけこむわけです.
さてその頃,香貫花の乗った飛行機が出発しない,これは事件だ!というわけで,管制塔に第2小隊の一同が参上! 顔の広い後藤のおかげであっさり他の管轄の事件現場に潜り込み,あの飛行機に知り合いの「凄腕の警官」が乗っていると申告することで部下もろともハイジャック事件の仲間に入れてもらうことに成功.でも,映画みたいと大喜びするのはダメだろう(苦笑).…送別会では部屋が壊滅,そして出国ではハイジャック…さすがは香貫花と言うべきか.
そしてはじまる管制塔と機中の犯人との話し合い.犯人の名は猫渡銀二.目的は地球防衛軍下部組織・海の家シンパの犬走一直を釈放して連れてくること! 「おてかずですがおねがいしばす」と彼独特の鼻声で,低姿勢にお願いしてくるのです.…ちなみに犬走氏については,ハタハタを買いに行った回をご覧戴きたい.
後藤の見立てでは猫渡は素人.そして香貫花はこの便で行かないと大好きな祖母と会う事ができない.…彼女をよく知る者ならば,当然彼女の暴走が心配でならない(苦笑).この便を飛ばすためなら絶対になんでもやるに違いないから,「やっぱり,犯人の安全が心配だなぁ」とぼやく後藤.実際に彼女の凄腕ぶりは並のレベルではなく…既に機内では,災厄の女神が動きはじめているのです.

後半.ついに動きはじめた凄腕の香貫花は,まずはスチュワーデスに混じって事態の把握に務めた上に,彼女たちにお願いして制服を一着仕入れることに成功.美人スチュワーデスとなって堂々と操縦席へと侵入だ! …ちなみに本作放映当時の表記の通り,キャビンアテンダントではなくスチュワーデスを使っておりますよ.見慣れぬ彼女に機長は狼狽,当の香貫花は平然.…けれど香貫花の計算外であったのが,犯人の猫渡とついさっき客席で顔を会わせてしまっていたこと.しかしこれも妹に会ったのではないかと華麗にかわすあたり役者が違う.犯人の武装について確認した上,去り際に隙を突いて男を仕留めようかと思ったら!運良く?管制塔より連絡が.
管制塔側には犯人の身を案じる後藤とその他5名.凄腕の香貫花とは違い,その他5名は手旗信号とか垂れ幕とか「必勝香貫花」とか「至急連絡されたし」とか実にボンクラであるわけですが(笑)隊長はそうではないのでご安心下さい.香貫花の座る8Aのお客の状況にカモフラージュして機内に問い合わせたなら,そこに座っているはずの凄腕さんは,既にすぐ傍にいて.しかも通信機で直接連絡してくるのです.
機長に代わって管制塔に連絡を取る香貫花.心臓病で渡米予定の8Aのお客様の病状という即興劇に隠して,「8Aのお客様は先ほど小さな発作を起こしかけましたが,今は比較的安定しているようです」と恐ろしい報告.実際,あとちょっとでコックピットで大乱戦になるところでしたよ(笑)!
しかも「この状況が長引くとどうなるか責任は持ちかねます」と予断を許さない予告をしたら,主治医の後藤さんが「何分危険な状態でありますので,一つよろしく」とご連絡.孤立無援ではなく仲間がここにちゃんといるから,頼むから大暴走しないで欲しいのだ(苦笑).ところがこんな即興劇にあっさり騙されてしまったのが犯人の猫渡.しかも人が良すぎて8Aの客に謝りに行こうとするもんだから,慌てて香貫花はそれを止めた上で操縦室を退室.
第2小隊では破格でキレの良かった香貫花の見立てでも,猫渡の言う爆弾はハッタリ.手元にあって脅せてこそ武器だってのに,リモートスイッチすら持ってない…って,時限式の爆弾で解除は自分にしか出来ないとかだと持ってなくてもいいんだけれど(笑).さらに彼は代用の武器としてセラミックナイフを持ち込んでいて,その上飛行機を怖がってる.この飛行機で逃亡するなら,それに爆弾を乗せる根性まではない,というのが香貫花の推論.
管制塔に入ってくる情報は,機内の香貫花の推理を裏付けていきます.猫渡銀二は市井の運転手.犬走と同郷ではありますが完全な一般人.…恐らくは幼馴染を助けるためにこんな凶行に及んだんでしょうが,なんだってここまでやらかしてしまったのやら(苦笑).元々乗員や客に危害を及ぼす気がなさそうな上に.どこをどう見ても単独犯で組織のバックアップが考えられないからこそ,奴さえ押さえてしまえば事件は解決! …ただしここはあくまで管轄外.面倒だし他人事だし(笑)逮捕に関しては空港側にお任せしようかと思ったところで,またも香貫花から通信が.
香貫花が伝える8Aのお客様から後藤様への伝言は,「2階の開いた窓からタマが落ちるかもしれない.アルフォンスとそのお友達によろしく」.猫渡には8Aのお客様は猫と犬を飼っているとごまかしていても,猫が猫渡,そしてアルフォンスがイングラムを指すことは管制塔と視聴者には自明.ところがそれがわからない猫渡は,でっち上げのエピソードになぜか反応.8Aのお客様の犬と猫とは逆に,猫渡は仲良くしたいのに犬走は全然その気がない.「世の中,うまくいかんもんやなぁ」…って,こいつ組織どころか犬走とすら通じていない片思いなのか.
犯人の切ない思いは横に置いて,クールな香貫花はついに発作を起こすことに.機内食用の食器を手にとって,操縦室に戻ろうと思ったらなぜか猫がいる.管制塔から8Aのお客さん向けの伝言が入ってしまったので,それを親切心から伝えに行こうとしていたのです.もちろん猫渡が見た8Aは空席.そこには,傍にいるスチュワーデスと同じ顔の奴が座っていたはずで…いくら鈍い猫でもようやく気がついて愕然! 敵の香貫花にナイフを見せます!
相当追い詰められた猫を,「ナイフを捨てなさい」とさらに追い詰める香貫花.機中での戦闘は双方ともリーチの短い武器で戦います.猫渡がナイフで刺しにきたのを香貫花はさらっとかわし,逆に香貫花が長いフォークで刺そうとしたところを猫渡が華麗に飛んでかわす…ええっと,さすがに機内でそのアクションは無茶じゃないかな(笑).結局香貫花がナイフを取り上げることに成功するわけですが,ここで「THE END」となってしまっては外で頑張ってる連中の立場がないわけです.
猫渡の最後の武器は奇しくも香貫花の銃.しかも使い方を知っているという猫に向かって,「負けたわ」とあっさり降伏して歩いていく香貫花.唐突な行動に驚く猫渡に何を言うのかと思ったら…「降ります」と中から扉を開けちゃう.もちろん飛行機は2,3階立てくらいの高さがあるわけなので,狼狽する猫渡に向かって「あ,犬走!」と凄くわざとらしい演技で扉の向こうを見たりして(笑).疑うことを知らない猫渡はここに至ってもなお引っかかり,大喜びで扉に近づいて…「一直はーん!」と叫んだところで!「Sorry」と香貫花が背中を押して落としちゃう(苦笑).
足がかりなしで2階建て以上の高さから落とされたなら,ホンモノの猫であっても怪我くらいしそうなもんですが,香貫花が事前に管制室に伝えていた言葉の意図は正確に伝わっておりました.前半は猫渡が2階から落ちる,でOKなんですが,後半のイングラムとそのお友達によろしくということは…要するに野明の出番ということ.空港のレイバーとトレーラーを借り,1号機チームは慣れぬ機械を操って,落ちてきた猫渡を見事にキャッチ!
他の事ではボンクラですが,レイバーの扱いに関しては国内有数の能力を持つ特車2課の助力もあって無事に事件は解決.ちなみに銃はセーフティを解除しても薬室に弾を送らなければ使えないのであしからず(笑).「嫌やぁ! 一直はんとハワイに行くんや」と猫渡はだだこねてますが,ハイジャックってのは思った以上の重罪.同じ場所には行けるだろうけど,ハワイではなく塀の中だなぁ….

普通ありえないような凄い妨害が入ったものの,無事に解決したので香貫花もようやく出発…って,本来は絶対そのまま飛び立つことはありえないはずなんだけど,そこはまあフィクションです(笑).立派に連携した野明とも再び笑顔で別れ,飛行機は今度こそアメリカへ….ちなみに後藤のくさやは機中で腐ってる扱いされてます(苦笑).
後日,第2小隊には香貫花と祖母が一緒に写った絵葉書が到着.そこに添えられていたメッセージは「I'll be back!」 彼女は今はニューヨークの空の下.けれどすっかりなじんだ仲間たちとはきっと離れていられないだろうから,「いつかまた,戻るわよ.」…かくして2号機指揮者が空白となったおかげで大変なことになってしまう(苦笑)間隙の次回に続きます.

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