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デジモンセイバーズ#27

「心で繋がる家族の絆の巻」

ついに解体されてしまったDATS.記憶を取り戻したマサルたちと逃げ出したアグモンたちの目の前で,基地を爆破した倉田はデジタルワールドへと逃走した.このままでは向こうの世界のデジモンたちが倉田によって虐殺される.けれど転送装置を壊されてしまっては止めにいくこともできない.残された頼みの綱はデジタルゲートを研究していたイクトの両親,野口夫妻だけだ.
囚われていたイクトの両親を救い出して早速協力を求めるマサルたちだが,イクトの身を案じる両親はゲートを開くことを一度は拒否する.けれどデジモンを救いたいというイクトの決心の固さから,軽井沢の装置で彼らをデジタルワールドに送ることを承諾するのだった.

退路どころか行く道まで絶たれて,残されたたった1つの道へと追い込まれる様が面白い「セイバーズ」.この展開に持っていくための野口夫妻の設定なんだろうと思うと,場当たりではないあらかじめ計画されたシリーズの構造が素晴らしい.10年前の6人目である倉田が完全な悪として行動しはじめたことにより,ここからしばらくは物語の主な流れを10年前に関係する者たちが引っ張っていくことになります.…今となってもつくづく悔やまれるのは,倉田なんかが当時の探検隊に入っていたこと.弱虫の彼が一緒に来なければこんな事態にはならなかったはずなのに….今回の展開で,倉田以外の探検隊の面子は全員倉田に敵対し大門博士の理想を後押しする側につくことに.この期に及んでもおたおたしている中盤までの野口夫妻が大変じれったいですが,馬鹿でもヒーローでもなんでもない普通の人間としては,精一杯以上に頑張ったのではないかと思います(苦笑).

人間界に戻ってきた直後から倉田の妨害を受け,それでも断ち切れなかった絆とDATSとしての誇りを持って再び立ち上がったマサルたち…だったはずなのにやってきた本部がいきなり爆発! しかもそんな本部爆破を「Game is over!」と芝居じみた言い方をする倉田には本当に本当に腹が立つ! しかも彼は危険な時空振動爆弾でゲートを無理やり開き,追いかける術のないマサルたちの目の前でデジタルワールドに向かってしまう.「See you not again!」とおどける声だけが夜の闇に残り,「畜生…倉田ー!」とマサルは絶叫!
基地を失った一同はなぜか大門家に臨時の基地を置いた御様子.サユリさんたちも記憶は回復したようで,ここで反逆者を手伝う危うさを承知の上で匿ってくれているようです.…この先この世界に残される二人がちょっと心配.特にチカさんの才能が悪い奴に狙われなければいいけれど….倉田を倒しに行って結局逃げてきたイクトたちが倉田の傍に謎のデジモンがいることも確認していて,事は一刻を争うことが確認されます.このままでは再び向こうで最悪に最悪な大虐殺をやらかすことは間違いないから….
虐殺という悪を行う者は絶対に許しておけないから倉田を倒さなければならない.「俺たちの手で,デジタルワールドを守るんだ!」というアグモンの言葉は,この場の全員の意志が完全に一致するところ! …ただし一人複雑な表情でいるのがサユリさん.以前愛する夫をデジタルワールドで行方不明にしている彼女だけれど,ひたすら盛り上がってる息子を止めることもできなくて,我慢して…「気をつけてね」と痛々しく笑う.でも転送機どうしよう?という問題には「1つだけ可能性がある」と突然隊長が大門家に登場.「あの人が最後の望みだ」とかっこつけてますが,あの仰々しい格好で普通の民家にいると…浮くなぁ(苦笑).
実は国家機密省によって既に横浜の某名所に監禁されていた頼みの綱.最後の望みであるこの人たちを救うため,ボーイとメイドと清掃員…に仮装した3人組がそこに潜入いたします.閉じ込められている部屋の前にルームサービスをお持ちして,ライラモンのシングアソングで眠らせる.…普通の人間相手なら,進化しないデジモンでも十分脅威になるんだよなぁ.部屋の中には野口博士たちの姿が! 考えてないマサルだけが野口夫妻にびっくりしてんのがおかしい(苦笑).
デジタルゲートを開いてもらいたいDATSとイクトに会いたい両親の意図が一致したところではじまる脱出行.会わせてもらえるか心配する母に,「当たり前だろ,心配すんなって!」と応じるマサル.前の再会は羽柴に台無しにされたので,今度こそちゃんと会わせてやりたいと考えるのは当然のこと.野口教授の頭脳を独占したがる国家機密省の手から二人を奪還し,デジモンたちの手もしっかり借りて皆を乗せてワゴン車で逃走! …もちろん追っ手はすぐかかりますが,これを妨害したのが薩摩とクダモンのコンビ.わざわざ影からそっとフォローを入れてる様子がなんだかおかしくて…そんな逃走をビルの上から2つの影が見ている.
真夜中近く.営業終了後の遊園地で待機しているイクトのところに,マサルたちとともに両親が到着! …前の別れは全ての罪をイクトが背負って逃走という壮絶なものだったので,無事に再会できたことは何よりなんですが…母の愛はイクトやマサルたちの予測以上に深かった.息子のことが心配で,「危ないことはもうやめて,家族一緒に暮らしましょう」とかいきなり言い出す彼女.気持ちはわかるけど,事態はもうそれどころじゃないってのに.
たぶん2つの世界の狭間で,一番人生を狂わされているイクトが両親にするお願いは「俺,デジタルワールドへ行きたい.デジモンたち守りたい」.しかし彼のもう1つの故郷を守りたいが故の申し出を,もう二度と息子を失いたくない母は拒否.必死で息子を縛ろうとする気持ちはよくわかるんだけど…,ちなみに野口さん家地下の装置は無事なので,一刻も早くゲートを開いてもらいたいのに,「申し訳ありませんが,協力はできません」と野口父まで拒否.それも研究が未完成なので安全に開ける自信がないという情けない言い訳で.
イクトを行かせたくないからと頑張る困った野口夫妻.今まで何もしてやれなかったからとこんなところで頑張られても,イクト自身にとってすらありがた迷惑以外の何物でもない.「何がいけないの! 子どもを危険な目に遭わせたい親なんていないわ!」と叫ぶ母.…言われればその気持ちはマサルにもわかるし,さっきの母の複雑な表情の意味も今になって理解できるんだけど…それでも協力してもらわなきゃ困るんだ!
息子のことが大切すぎて,デジモンやデジタルワールドのことを完全に後回しにする野口夫妻.それは愛情ゆえの行動ではあるけれど,自分だけ助かるなんて誤りをイクトは決して受け入れることができない! 「俺,人間,だけどデジモンとして育った.そしてどっちの命も大切だと知った…」自分と同じ失われてはならない命だと知っているから,命を賭けてでもデジモンたちやデジタルワールドを守りに行きたいイクト.それは自分の母を泣かせても,曲げることのできない本心で….
息子との意見の相違に離れて泣く母のところにやってきた野口博士.彼女の心を傷つけないために一度は息子のことを見捨てようとまでした彼ですが,ここでようやく父親らしいことをしてくれました.デジタルワールドで育った10年の間に息子が手にしたものを真剣に思い遣った結果,今イクトが成長の証として背負うものを潰すわけにはいかないと悟ってくれたのです.
その道が正しい道であるならば,成長し自分の行くべき道を見つけた息子のために精一杯のことをしてやるのが親の務め.まだまだ幼い息子と離れることは身を切るように辛いけれど,「男の子には.行かなきゃならないときがあるんだ!」と父は言い切る.今イクトが必要としているのは,守って縛る手ではなく閉じた扉を開いてくれる手.それに再会し再び家族となった今ならば,離れていても怖くはない.だって四人の家族の胸に…「…絆は,ここにある」.だから息子のために「デジタルゲートを開こう!」

早速ワゴンで高速をぶっ飛ばし,野口邸に到着したマサルたち.野口博士は地下のデジタルゲート発生装置を操作して,ゲート解放の準備をはじめます.けれどこれだけ派手な動きを国家機密省が放っておくわけもなく,早速やってきた追っ手を退けるために黒崎さんと白川さんが地上で頑張ることになるんだけれど,正直今回は相手が悪すぎる.なんたって相手はついさっき高速を爆走していた薩摩を足止めした2つの影.文字通り人間離れした恐ろしい相手なのです.
黒さんと白さんの前に立つのは,銀髪の大男と金の髪の美少女.「またお会いしましたわね!」と初対面のはずなのに不思議なことを言い出すのは,あのとき,イクトを救いに来た二人を見ていたから….そして「黒髪の方がエキゾチックで好みだが,そんなことは口が裂けても言えん」とダダ漏れイワン伝説もここからスタート(笑).この先も順調にダダ漏れて,敵側のシリアスな雰囲気を無駄になごませてくれますんでお楽しみに!
野口教授は割とあっさりゲートのオープンに成功.…これは夫妻にとって息子を失った装置ですが,息子を救うために必要な装置でもあったので,使わなくてもずっとメンテナンスだけは続けていたんだろうなぁ….マサルたちは次々にデジタルワールドへと向かい,殿のイクトはデジタルワールドを救う道を開いてくれた両親に,デジモンに代わって感謝の言葉を捧げます.そして…「その考えができる俺,ここにいる.それ,イクトとして存在するから.…ありがとう.命を与えてくれて.父さん,母さん」…なんて彼らしい素晴らしい感謝! これ,子どもと一緒に見ている親の方が感動してしまいそうです.
成長した息子は「俺.行く!」と晴れやかに告げて,「行ってきます,だ」と父が訂正.家から出かけるときは家族にそう言う.「ただいまと,おかえりなさいを言うためにな」と,大事な息子に人間の常識をはじめてひとつ教えます.…ここで帰還の挨拶もできるように,「行って,きます」と家族に告げて,イクトも旅立っていきます.
さてその頃! 結局やっぱりポーンチェスモンたちはやられてしまい,あの謎の二人組は「失礼!」とまだ開いたままの野口博士のゲートに.…そして,不安定になったゲートに最後に飛び込むのはようやく追いついた薩摩とクダモン.「イクト君は私が守ります!」と野口夫妻に誓い,既に危険な道となった門の向こうへと旅立つのです.
デジタルゲートを通過中のマサルたちの前には,こんなところで菓子を喰う謎の男が登場.「俺の自伝に新たなページを書き加えるか.名づけて,デジタルゲート大虐殺」と殺る気満々であるこの男に加え,後からは追ってきた謎の二人も合流.マサルと似たような背格好で,やたらに自信家で好戦的なコウキ,ヨシノが好みであることが口からダダ漏れしている巨漢のイワン,そして本作に不足している萌えを供給してくれそうな黒ベースのゴスロリ美少女ナナミ.…これからライバルとなる,倉田配下の3人組です.
しゃらくせえ!とコウキを殴るマサルだけれど,なぜかその拳からデジソウルが放散.人間殴ってなんでこんなものが出てくるのかと思ったら,人間を越えた存在と自負する彼らはとハイパーバイオエボリューションで変身しやがる! …人間だったはずの3人は,バイオサンダーバーモン,バイオクアトルモン,バイオステゴモンというデジモンに変身.これが倉田の仲間だってんだから洒落になりません.…あいつ,デジモンだけでなく人間まで実験動物扱いしてやがるのか!

人のデジソウルでデジモンを進化させる,本作のお約束を完全に破ってきた3人の敵.とはいえ相手がどんな無茶苦茶な相手でも,立ちはだかるものは倒すというのがマサルとアグモンのお約束.「兄貴,やっつけてやろうぜ!」「おう,当たり気しゃりきだ!」とやることはあんまり変わりません(笑).…でも,こんな不安定なところでいきなりフルチャージしてバトルを始めるのはどうかと思う(苦笑).
今回はファルコモンが負傷してるのでイクトは見学.3対3のバトルが展開されるんだけれど,敵にダメージがまったく入らない上に,相手の攻撃は完全体とは思えぬほどに痛い.一方的な攻撃によってあっさりアグモンたちの完全体が解けてしまい,すぐさまトドメを刺されそうになったその時,「待てー!」と乱入してきたのが最後に入った薩摩! しかも「ここは私が引き受ける!」と凄い助っ人だ!
マサルたちを先に行かせた薩摩は,1対3の不利過ぎる戦いを受けてたちます.もちろん「生きるためにしか戦わん!」と負ける気もなし.フルチャージしてクダモンは完全体のチィリンモンに進化.このチィリンモン,デジモンとしては破格に強い奴らしく,もしさらにこの上に進化したらどこまで強くなることやら….予想以上の戦いぶりを示すチィリンモンは3体をぶっ飛ばし,最後には双方の全力の激突で激しい発光…大爆発!
その光と爆発に追われたマサルたちは間一髪でゲートから脱出! …ただし隊長もあの3人も出て来ない….けれどここで待ったり嘆いたりする時間はない.「きっと無事さ,俺たちの隊長なんだぜ!」と強く信じて,隊長に任された使命を胸に進むしかない! 「絶対倉田の野望を阻止してやる! 必ずデジタルワールドを守ってみせるぜ!」ってなわけで! 悪の侵攻によって滅亡の危機に瀕する種を救うための厳しい戦いがはじまる…はずなのになんでここで番長?な次回に続きます.

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