« 機動警察パトレイバー#30 | トップページ | ライオン丸G#5 »

デジモンセイバーズ#29

「問われて気づく己の心の巻」

自分たちの中にあった力によってコウキたちを退けることには成功したものの,デジヴァイスを壊してしまったマサルたち.大門博士ならば修復できると考えた彼らは行方を掴むために流れ者の岬を再び訪れるが,そこにあったのはあの洋館ではなく,バンチョーレオモンのデジソウル道場だった.デジモンを進化させる人間のデジソウル.それが一体何なのかすら未だ知らないマサルたちに,バンチョーレオモンはデジソウルを自在に使いこなすための特訓を課す.結界の中で再生し続ける木人を完全に破壊することで,単なる力ではないデジソウルの真髄を悟らなければならないのだ.

2つの世界と現在と過去,そしてコメディとシリアスを目まぐるしく行き来する「セイバーズ」! 次々に登場するより強い悪を倒し,最終的に平和をもたらす,基本となる筋立てはごくシンプルなのが少年向け作品の基本構造となりますが,作り手によってそこに加えられた骨太なアレンジ具合が本当に素晴らしい.これ,見ないで切った奴は絶対に損をしているはずだ.今回はお約束のパワーアップ回なんですが,脚本大和屋暁は伊達じゃない.想定される最高のランクに到達する回だってのに,なんだって岬の上があんな面白いことになっているんだ…(苦笑).でも今ここに到達するってことは,本当の天井はさらにさらに高かったりするんだろうか?

コウキたちに襲われたもののぎりぎりのところで謎の力が発動し,その代償にデジヴァイスを壊してしまったマサルたち.進化できないということは今ここで倉田の配下に見つかったらその場で一方的にやられるってのと等しく,一刻も早くなんとかしなきゃならない.中でも特に重視されるのはスピードなので,「父さんを探せば直してもらえるって!」というマサルの言葉は採用しにくい.だってお前の父さん今どこにいるかわかんねえ(苦笑).だからといって何もしないわけにもいかないので,仕方なく大門博士の手がかりを追うことになる3組はまず流れ者の岬を調べなおすことに.
しかしその途中にはさっき謎のパワーでやられてさっそくリベンジを狙うコウキと,それに付き合う仲間二人がデジモンと化した姿が.今の倉田はマサルたちよりもデジモン狩りを優先して欲しいようですが,偉くプライドの高いコウキはあっさり上官の命令に反するような奴で,この闘争本能の強さはマサルと同レベル.そんなコウキを見たマサルも同レベルなので即座に喧嘩を売ろうとするも,トーマに口を塞がれ止められる.デジヴァイスを修復しなきゃなんともならないってことをよく知っているトーマは必死.まともに喧嘩するには,大至急デジヴァイスを修復せねばならないのです.
その後は案外順調に辿りついたらしい流れ者の岬.以前ファルコモンに案内してもらったはずのその岬からはなぜか館が消え,代わりに急造っぽい道場がありました! 看板は読めねえわ「ようこそ,デジソウル道場へ」とバンチョーレオモンが屋根の上から挨拶するわと,そんなに大門博士の行方を捜してもらっては困るんでしょうかこの作品(笑).だから一刻を争う事態だってのに空気読んでないバンチョーレオモンはこう問うのです.「デジソウルとは何ぞや」.
デジタルワールドの危機を救うために奔走する主役グループの前にそびえるボロ道場&道場主の番長.凄まじくシュールな状態になっていて,そりゃマサルでなくても怒るとは思うんですが(笑)聞いてることは案外重要.今更ですが,答えようとするとまったく知らないってことに気づくのです.それにデジモンを進化させる力があることはわかっていても,具体的に何かを答えようとすれば…結局「あ,なんだっけ」とヨシノみたいに悩むしかない(苦笑).
バンチョーレオモン曰く,デジヴァイスを壊してしまった原因はこの理解不足.彼はデジソウルの正体についても知っていて,それさえ会得すれば「お前達の未来も開かれよう」とか誘います.…崖下の館が消えちゃったから父を探す手がかりもないし,どうやらバンチョーは敵ではないようだし,そしてマサルはなんでもいいからバンチョーを殴りたいし(笑)3人は仕方なく道場へと入門することに.アグモンたちを道場の外に残し,厳しい修行がはじまります.
道場でバンチョーが言うことには,「デジソウルを自在に使いこなせない限り,お前達に未来はない!」…いきなり崖っぷちを宣言する師匠に対し,なんでもいいからともかく今バンチョーを殴りたがっているマサルが実にダメですが,今日の相手は彼じゃない.出された相手は自ら動く木人たちで,これを完全に破壊することができれば新たなる世界が開けるらしい! …ツッコミ属性のヨシノは壊れたデジヴァイスそっちのけのこの展開を危惧するものの,修復がしたいという彼女の言葉に「順序の違いに気づけ」とバンチョーレオモン.「この試練を乗り越えなければ,何をしようと同じことだ」という彼の言葉は正しい.直したって今のままじゃまた壊してしまうんだろうから….
同じくツッコミ属性であるトーマもこんなくだらなさそうなことに付き合うつもりはなく,さっさと出て行こうと思ったら,道場に結界が張られて閉じ込められておりました! しかもクリアしないと出られない…って,どんなバラエティのコーナー企画だ(苦笑).こうなったら諦めて木人群を素手で壊さねばならないわけですが,「拳ばかりが力ではない.力とは,強き心と,不屈の勇気に宿るもの!」 ということで普通に殴ったくらいじゃ木人は元気.…欲しいのは物理的な衝撃ではなく心の領域での強さで,精神的な鍛錬が必要だからこそわざわざ「道場」を準備したんだろうか?
てなわけではじまった木人壊しの修行.もちろん木人との3対3の戦い…なのかと思ったら,早速ヨシノが横に座って「がんばれー」とやる気なく応援してやがる.確かに殴り合いは女性の修行としてはハード過ぎかもしれませんが,狙いは精神鍛錬なんだからつきあってやれよ(苦笑)! 「デジソウルとは,単なる腕力にあらず.心の叫びを意志の力で操るべし! それが,究極のデジソウルへの近道である!」という師匠の教えに対し,「何言ってんのかさっぱりわかんねえ!」と正直過ぎるマサル(笑).何はともあれ,目の前のこいつらをせっせと殴るしかないのです.

その頃,これから共に戦い続けるために,もっと強くなるために必要なことだとバンチョーに言われ,外でパートナーを信じて待っているアグモンたち3匹.外は青空,お日柄も良くて,中でパートナーたちが必死で殴ったり応援したりしているとは思えないほどに静穏.バンチョーレオモンについては,ガオモンは態度保留,ララモンはなんとなく信頼,アグモンはおなかが空いている(笑).…時間つぶしをする3匹がケンパで遊んでいるのが面白い.トーマと一緒なら絶対ガオモンはこういうことはしなさそうな気がしますが,案外付き合いのいい奴なんだなぁ….
しかし平穏は長くは続かない.パートナーが出てきてないってのにコウキたち3人が道場を発見し,平穏を破って早速襲い掛かります.ろくに進化もしていない非力な3匹は正直何の力にもならないけれど,それでもパートナーを庇おうとするのがけなげ.バンチョーレオモンの言葉とパートナーの力を信じて,進化できなくてもここで踏みとどまる所存! …コウキはアグモンたちにそこをどけと命令してますが,お前羽根あるんだから飛び越してしまえばいいのに(苦笑).
信頼されたパートナーたちは未だ殴り中.この手のことにはとても筋のいいマサルが一撃で壊すところまで来てるんですが,壊しても壊してもすぐ元に戻ってしまう.「デジソウルを垂れ流すだけではダメだ! 精錬し,凝縮して,1箇所に集中させるのだ!」とかアドバイスを受けているときに伝わる振動! コウキたちがアグモンたちを攻撃している衝撃が伝わることにより,一同は外での異変に気づいたんですが….
「知ったところでどうにもならん!」とバンチョーレオモン.…確かに現状では外に出たって進化させることもできないんだから「さっさと修行を終わらせろ!」ってのは間違いないんだけれど…それでも,道場の壊れたところから傷つくアグモンたちを見ているしかないのは辛い!
しかし,そういう風に生まれついているのか,デジモンたちは人間よりも真っ直ぐで信頼深い.「きっと兄貴たちはうんと強くなって戻ってくる!」と傷つきながらも頑張る弟分のけなげな姿に,兄貴は心を動かされます.3人を命がけで信じる小さな仲間たち.敵に捕まり殺されかける大切な存在を目前にして,弱い自分を痛感し,なんとかしたいと今まで以上に強く求めるその心に…マサルの中にあったデジソウルが全身から強く噴出! それは謎の力を得たあの時と同じ輝き!
しかし強くなるために必要なのはここから先! バンチョーは噴出するデジソウルを感情ではなく意志の力で制御することを求めるものの,マサルにはそんな細かいことはわからない(苦笑).ゆえに彼にもわかりやすく,「お前の望みはなんだ! お前の望みはなんだ!」と質問.そして問われてはじめて明らかになる,今の彼の気持ちは…「俺は! アグモンたちを,助けたい!」…暴走するデジソウルは一つの言葉で収斂されて,マサルの体でほのかな光となって輝く!
マサルが会得したことにより,「デジソウルとは人の思いの力.そしてデジモンは,人の思いに応える!」と回答を宣言するバンチョーレオモン.その言葉でトーマもやっと気づきます.デジモンたちが人の欲望に反応し時に暴走していたのはおなじみですが,デジモンに影響を及ぼす欲望は退廃的で悪っぽい7つきりではない.「誰かを守りたいという純粋なる思いもまた,欲望の1つ.それを己の意志で制することができたとき,究極のデジソウルは誕生するのだ!」…無理やり体で学習するマサルと,理詰めで理解するトーマ,そして2人を追いかけていくヨシノ.3人の体は今までにないデジソウルの光を放ちます.
バンチョーレオモンは,「そのデジソウルを,お前達のデジヴァイスに叩き込め!」といきなり指示! 相変わらず前置き抜きで不思議なことを言い出すのでついていく方も大変ですが(笑)考えるより動くマサルがさっさとやったら,壊れていたデジヴァイスがなぜか修復されちゃった! これぞデジヴァイスバースト.より強くなった思いを受け止めるために,デジヴァイスそのものが進化した姿.「究極の力,存分に叩き込むがいい!」
戦わねばならない理由を目の前に,戦うための手段を取り戻したマサル.彼から噴出されるデジソウルは木人たちどころか道場や結界まで全部を粉砕! 信頼に応えるためにその眩しい光の中からさらに飛び出していく,いつも以上に気合の入ったマサルの拳! …デジソウルの強烈な噴出による周囲への衝撃波の発生,これがもし自在に再現可能なら,マサル単体での攻撃力もさらに上がってしまったような気が(笑).あ,これまでマサルが見せてきたあの凄いジャンプ力も,小規模なこの現象が足裏から発生していたのかも….
やられちゃってぼろぼろの弟分に駆け寄る兄貴.「信じてたぜ」とアグモンに言われて,その信頼に応えることができるのはなんてうれしいことだろう! …だから,これまでの借りは全部返す! 「デジソウルチャージ! オーバードライブ!」と一気に究極体のシャイングレイモンへと進化! 残る二組もそれぞれミラージュガオガモン,ロゼモンへと進化して…うわ,さすが究極体,シャインとミラージュがでかい! 敵がおもちゃにしか見えない(笑)!
カラーリングだけは一応ヒーローカラーのコウキたち3体.しかしいくら完全体離れした力を持っているとしても,究極体3体の相手になるわけがない.つうかむしろここまで圧倒的に強いと,パートナーすらその威力にちょっとヒくくらいなんだから(苦笑).ついに敵を追い越した元DATS組は,大技をド派手に連打してまたも連中を追い払うことに成功!

夕方.壊れてしまった岬の上での師匠と弟子の別れ.短期間で究極のデジソウルを身につけたことを誉めるバンチョーレオモン.「その純粋なる意志の力,忘れるな」とか「きっかけは何であれ,全てお前達自身の力だ」とか.言ってることはなんかいい師匠に聞こえますがマサルは納得できない(笑).あれだけ世話になっておいてなんですが,バンチョーはやっぱり滅茶苦茶.「一歩間違ってりゃアグモンたちがどうなってたか,わからなかったんだぜ!」と叫ぶマサルの方がとても正しい(苦笑).
てなわけで,「手前との決着も,必ずつけてやるからな!」とスパルタすぎる師匠にもちゃんと喧嘩を売るのを忘れないマサルと,そんなマサルを笑うバンチョーレオモン.「その時が来れば相手をしてやる」と請け負ってくれたけれど…いつかやっぱりその時が来るのかな.その時,バンチョーレオモンはどんな立場でマサルの前に立つことになるんだろうか?
さて,デジヴァイスが修復され新たな力も手に入れて,この先どうするかを考えねばならないわけですが,ここでバンチョーが推薦してくれたのが聖なる都.そこに力を必要としている者たちがいるとだけ教え,「さらばだ」と言い残して背を向ける.…デジモンにとっては禁忌の地である流れ者の岬に道場を建て,デジソウルを知り,デジヴァイスの自動修復機能を知り,マサルたちを救ってくれた大変に厳しくて優しい目の彼は一体何者なのか…ってなあたりはとりあえず置いておいて,現在絶賛放置中の父探しの方がなぜか進展した上に,思わず耳を疑うことになる(笑)伝説の次回に続きます.

|

« 機動警察パトレイバー#30 | トップページ | ライオン丸G#5 »

レビュー◆デジモンセイバーズ」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/5112/12833831

この記事へのトラックバック一覧です: デジモンセイバーズ#29:

« 機動警察パトレイバー#30 | トップページ | ライオン丸G#5 »