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デジモンセイバーズ#33

「努力は準備を覆せないの巻」

イワンをオトリにすることによって.エルドラディモンを巨大なデジタルゲートで人間界へと送り込んだ倉田,横浜に程近い海中に落下したエルドラディモンはギズモンたちに包囲される,そこから離れたビルの上に降りたマサルたちは早速戻ろうとするのだが.それをコウキが妨害する,倉田たちがエルドラディモンを仕留める支度を続ける遥か向こうで.横浜の街を舞台に闘うシャイングレイモンとバイオダークドラモン.マサルたちが都市を傷つけないようにしているのに対し.コウキは街を盾にして闘う.技が強力すぎるシャイングレイモンは,力では負けていないのに攻める手を失ってしまう,

シリーズ中盤の七転八倒の中,強いはずのマサルたちが追い込まれていく「セイバーズ」.聖なる都を守る闘いは局所的には勝っているものの全体的には敗北続き.倉田側が主力の3体を潰すためにはどんな犠牲も厭わないのに対し,マサルたちは全てを守ろうとしてなけなしの戦力を分散させてしまって効果的に使えない状況.事前に十分に準備して,人員も物量も大量投入する倉田側の優位はまったく揺るぎそうもないのが悲しい….
そんな圧倒的劣勢の中でもどんどん強くなっていくマサルとアグモンのコンビ.仲間を守ろうとする心は彼らの力を増していくけれど,その力が成果を出す前にあんなことになってしまう.このままじゃ強くなるために仲間を犠牲にしたようなもんで,そんな現状がどうしようもなく切ない.

イワンという手持ちの大駒を犠牲にすることによりエルドラディモンを人間界に送り込むことに成功した倉田.あのでかいデジタルゲートを開くための時空振動爆弾に,それを設置する多数の兵士たちに,マサルたちの動きを封じるための大量のギズモンどもと,倉田側がこの闘いに投入してきているものはとんでもない量.…一体彼はこれだけのものをどうやって準備したんだろう.国家機密省が財布だとしても,出せる額には限界がありそうなのに.
横浜近くの洋上に送り込まれた,小島の如きエルドラディモン.その落下によって発生した波は横浜の湾岸を壊滅させます.見慣れた公園どころかビルまでも水に飲み込まれ,ただでもひどい目に遭わされているこの街はさらに悲惨なことに.…どれだけの横浜の住人や観光客が巻き込まれて亡くなっていることやら.この段階ですら,これがきっかけでデジモンを憎む人間が大量に出てもおかしくないくらいの被害が出ているってのに.
エルドラディモンとともに人間界に戻ってきたトーマたちが呆然とするのは当然で,デジモンたちが大混乱するのもまた当然.けれどこの聖なる都の長であるバロモンは動揺する仲間たちを鎮めます.「希望を持ち続ければ,道は必ず拓ける!」と励ます湯島と,救世主の息子を心の支えにして,踏みとどまろうとするバロモン.…マサルがこの街に来ていなかったら,きっとこの段階でバロモンたちは諦めてしまったんだろうな.ちなみにその精神的支柱は最後の最後でイクトたちとともに人間界に到着.さすがに爪に掴まれてはいません(笑).
マサルたちが降りたのはエルドラディモンからは結構離れたビルの屋上.先に送り込まれた仲間たちがギズモンに囲まれているのを見つけ,こうしちゃいられないと駆けつけようとしたところを邪魔するのがコウキ.倉田配下の大駒の最後の1枚は,やっぱり使い捨てにされるようです.
実に性質の悪い負けず嫌いで,マサルには何としても勝ちたいコウキと,喧嘩を売られるとついつい買ってしまう単細胞のマサル.勢いでタイマン勝負を受けてしまったマサルはイクトたちを先に行かせて,ビル群の真っ只中で戦いを開始! 倉田によって究極体の力を得たコウキは,エクストラエボリューションでバイオダークドラモンへと変身.アグモンもオーバードライブして究極体のシャイングレイモンへと進化し,竜型デジモン同士の空中戦がはじまります.
マサルたちが闘いはじめたその頃には,エルドラディモンでの篭城戦は急激に限界に近づいていました.ミラージュガオガモンとロゼモンは確かに強いんですが,ギズモンの数があまりに多すぎる.勇気を出したパンプモン2体がトリックオアトリートで同士討ちさせたりして頑張ってるんですが,正直焼け石に水.デジタルワールドでこのコンビネーションができていたなら,かなり状況が違ってきたかもしれないんだけど….
残った最後の力全てで抵抗する聖なる都を,橋の上から監視している倉田.DATS職員たちを使って分析した結果はあまりにも無情で,ギズモンの損失は4%,敵制圧率は40%.トーマたちもかなり頑張って潰しているはずなのに,あれですら4%の損失にしかならないくらい準備されているギズモンの数は多いのか.数を頼みにエルドラディモンの周囲を完全に取り囲み四方八方から包むように攻撃し,主力であるシャイングレイモンはコウキによって分断し足止め.倉田側には順調に進む作戦は第2段階へ…エルドラディモンに軍艦が接近していきます.
東京間近の大都市で起きた大事件.当然報道ではデジモンが悪で倉田は正義の味方.実態を知ってると腹立たしいばかりだけれど,人間界側の被害を防ぐには,とりあえず周辺の避難を大々的に報じてくれるだけでもありがたい…のかな.ちなみに黒崎さんも白川さんも指名手配されつつも健在で,大門家ではサユリさんやチカさんも無事.彼女たちが人質にされると本当に厄介なことになるので無事でよかった.
シャイングレイモンとコウキのバトルは上空で展開中.バイオダークドラモンはデジモンだけでなくパートナーまで狙ってくる外道なので,マサルとシャイングレイモンは一緒に行動.中華街の上空からランドマークタワーの付近へとひとっ飛びして,ビルを利用しうまくコウキの背後を取ったのはいいんだけれど…本当に勝つことしか頭にないコウキは,自分の背後のビルを人質にする!
勝つことに対するこだわりは人並み以上だけれど,正々堂々を好むマサルにとってはコウキの卑怯っぷりは許せない.コウキは「喧嘩にきれいも汚いもあるかよ」と自信たっぷりに言い返し,同じ喧嘩馬鹿でも違いが際立ちます.ともかく勝てばいいコウキに比べるとマサルの方がまだちゃんと考えているんだな….自分のために他人の命を犠牲にすることに何の戸惑いもない敵に対し,どうしても周囲を守りたいマサルたちの動きは大きく制限されてしまうのです.

必死に防戦する聖なる都ではあるけれど,彼らにも限界が訪れます.エルドラディモンの周囲にやってきた軍艦たちは赤い光を放つ巨大な砲台を搭載.その赤光はエルドラディモンの4本の足を捉えて固定し,苦しめる…この狼藉にこれ以上エルドラディモンを傷つけるなと叫び,思わず縁に立ってしまったのがバロモンの失敗.動揺した彼はギズモンに襲われ消去されてしまう….己の身が消える間際にもスグルの息子に言葉を残すバロモンの信頼は,人ではありえないくらいに深い.「エルドラディモンを,た,頼んだと…」と言い残して消えた大きな柱.
このままエルドラディモンの動きを封じられていてはろくなことにならないのは目に見えている.トーマはまず船を破壊しようと考えるものの,上空ではさらに大きな動きが….ヘリが運んだ巨大なミサイルを中心に,橋の上のトレーラーに積まれた山盛りのギズモンたちが寄せ集まり,空裂くような超巨大な槍・ギズモジャベリンに! …確かにあんだけギズモンが残ってれば4%にしかならねえや(苦笑).仕方なくトーマはなけなしの戦力をさらに分散.ロゼモンは船に,ミラージュガオガモンを上空に向かわせます.
聖なる都が滅亡の際に追い詰められていたその頃,マサルたちもコウキに追い込まれておりました.なんせマサルたちの周囲は守るべき人間ばかり.本気でコウキをぶっ飛ばしたいのに,決して安い挑発に乗ってくれない卑怯な彼は,真正面から向かってくるどころかビルを倒してマサルを押しつぶそうってんだから最悪です.倒れていたシャイングレイモンが頑張って庇ってくれて無事だったものの,究極体のデジモン相手では,いくらマサルでも一つ間違えば確実に死んでしまいます.
しかもコウキはそんなマサルの心までも追い詰める.エルドラディモンの上空に作り出されている巨大なギズモンの杭,対エルドラディモン用決戦兵器の存在を示した上に,あれが完成すれば全てが終わると宣言する.…実は一番威力のあるグロリアスバーストを未だに放っていないシャイングレイモン.なんせあまりにも威力が強力すぎて,バイオダークドラモンが仕留められても,一緒に都市まで焼き尽くしてしまいそう.…だったらコウキなんか無視して空中の槍目がけてぶっ放せば良さそうなもんですが,ここにはマサルにそう助言してくれる人がいないんだよなぁ.
己の絶対優位を確信しぺらぺらと囀るコウキ.黙って見ていろ後でゆっくり片づけてやると饒舌なコウキに,「黙って見ているつもりはねえ!」と地上のマサルは猛る! 目の前で仲間が大変なことになっているのに,コウキが邪魔して助けていけない.しかもコウキときたら正々堂々じゃないし男気もなく,この状況に我慢できないマサルのテンションは急上昇! 「何度倒されようが,俺は何度だって立ち上がってやる! 何度でもな! …可能性がある限り,俺は絶対諦めねえぞ! 必ず,手前を,ぶっ倒す!」 と燃える心に呼応して光るデジヴァイス!
マサルの心に呼応して輝きだしたデジヴァイスに,マサルが掌を差し出すと,さらなる発光とともにオレンジの光に包まれるシャイングレイモン.絶対にこの場を何とかするという強い思いは新たな力となり地から生まれる.シャイングレイモンが大地を穿って取り出す新たなる力,ジオグレイソード! この状況を切り裂くために生まれた,圧倒的…というよりは使い勝手のいい力.普通の武器入手イベントではこれまで以上の力を手に入れるのが普通だけど,力よりも周囲への影響の小ささに喜ぶというひねり具合が面白い.
必殺技を放つと周囲を焦土と化しかねないシャイングレイモンにとって,そこまでの破壊力を持たない手持ち武器は本当に便利.これまでの借りを熨斗つきで返してやれと叫ぶマサルに,「おう,兄貴!」と決戦へ! このジオグレイソード,剣だけでなく槍の役目もできるのでなかなか使い勝手が良い.しかも半端な攻撃じゃ傷もつけられないコウキにダメージを入れられるだけでなく,敵のダークロアを跳ね返すことができるくらいにしなやかで強い! …名前が「ジオグレイ」ってことは,やっぱし「ライズグレイ」とか「シャイングレイ」とかもありそうだ.
周囲に迷惑をかけない攻撃手段を手にしたシャイングレイモンと,それでも戦いをやめないバイオダークドラモンの最後の交差はもちろんシャイングレイモンの勝利.コウキは他の2人と同じく人間へと戻り,その横にはデジタマも転がっています.…一度合体した人間とデジモンの関係ってのは,一体どうなるんだろう? 卵が上手く孵化すれば,コウキたちはそのデジモンのパートナーになれたりするんだろうか?
謎の新たな力によってまたも強くなったマサルたち.しかし,時は既に遅い! コウキの時間稼ぎ中にギズモジャベリンは見事に完成.密集しはちきれそうなギズモンの結集によって作られた紫の槍はエルドラディモンの真上.シャイングレイモンはそれを止めるために全力で飛んでいくけれど…倉田の合図で降下していく紫の槍は,エルドラディモンの背に深々と突き刺さり,動けない彼を貫き殺してしまう. …結局間に合わなかった! その無力感に,悲しみに,マサルは絶叫する!

あれだけ頼られておきながら,結局守れなかった聖なる都.元DATSの面々は必死で頑張ったものの,最後まで倉田のいいようにされてしまって立つ瀬もない.成果を出せなかった無力感で胸も一杯で.…けれど,マサルだけは未だに猛る.「まだ戦いは終わっちゃいねえ!」と.生き残った聖なる都の仲間を一人でも多く助けることが,これからの戦いだと即時に切り替えてみせるのです.
今回は倉田の物量と入念な計画に押し潰されてしまったマサルたち.臆病な上に手段を選ばない倉田を倒すには,できる限り彼に接近した上で裏を掻き,容赦なく全力で叩きのめすしかなさそうです.勝つためのポイントは2つ.どうやって倉田の懐に入るか,そしてどう再起不能に持ち込むか….
悔しいけれど新たな任務のために動き出すマサルたち.けれどトーマにだけは特別なお迎えがやってきました.黒服の2人は,なぜかトーマたちを易々とヘリで運んでいってしまいます.様子からすると己の意志でヘリに乗ったようですが,彼は一体何を考えているのか? これまでマサルが握ってきた物語の主導権は,ここから先,勝手に行動しはじめるトーマに奪われることになります.…本当の闇も,そして夜明けももう少し先.次回に続きます.

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