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2006年冬映画感想

メリークリスマス! 皆アニメ見てる? 自分はかなり頑張って見てる! 田舎に帰るためにスケジュールが切迫する上に,この時期独特の時間変更とか特番が重なってきてもう大変.「最終回だけ10時に時間変更ってそりゃ見逃せってことか?」とか「ドラマの10分延長は性質悪いなぁ」とか「そこで1時間SPなんかやられたら裏の最終回にかぶるじゃねえか!」とか「ああ失敗した!」とか日々調整に苦悩中.…まあこれも楽しみの一部ではありますが,あんまり苦労はしたくないや.
そんな年末に結構無理やり時間を作ってまとめて見てきた映画3本と,何の因果か会社で見に行くハメになった短い映画についてご紹介.こちとらバリバリのアニオタですが,基本的には日常消費されるサンライズや東映のアニメが大好きで,何よりも根っから押井守リスペクトな自分にどうやってジブリの本拠を楽しめと…(苦笑).


そんな本拠地.

てなわけで今日は映画感想まとめて4本分をお届け.たった30分のために映画館に足を運んだ上に,ついでに見た「鉄コン」よりも文が長くなってしまった自分の「セイバーズ」好きぶりに呆れてください(笑).

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[映画感想] ※私見:一般:電波で各5点ずつ

2:3:1 星をかった日
ジブリ美術館内映画館でのみ公開されている小品.井上直久の「イバラード」を原作とした掌編で,内容そのものよりは映像的な気持ちよさや雰囲気を楽しむための作品.自分はジブリにまったく思い入れがないため点が低くなっていますが,ジブリ作品が好きでわざわざ美術館にまで行った大人には向いてるんじゃないかと.動きは緻密だし抑えた描写だけれど綺麗なファンタジーです.
ただしこの美術館にやってきた幼い子どもたちにとっては,一般を2マイナスしてもよさそうです.渋い作品ゆえに子どもの観客が欠片も食いついていなくって,大人ばかりが楽しんでいるのはなんだかすげえ可哀想な気がします.それと,ジブリ作品だから仕方ないんだけれど,聞いただけで声を出している奴の顔が浮かんでくるようなキャスティングはきついなぁ….とりあえず,ジブリマニアや映像マニアにお勧め.

4:2:2 映画デジモンセイバーズ 究極パワーバーストモード発動!!
「プリキュア」の前座を務めた小品.テレビの本編は味方側の登場人物が結構多い上に大変に込み入った展開でおなじみであるわけですが,映画版は20分程度の小品なので大変に豪快な人員整理がされております.てなわけで,映画なのに僕たちは寝てただけか?とか,俺たちなんか姿もないぞ!みたいな面子がほとんどなので思い入れのあるキャラがいる奴は気をつけろ.作画は全体的に「ビィト」っぽく,見所はララモンの大暴れと(笑)外から見た進化シーンかも.…そうか,ああいう風に見えているのか.
主役はアグモンたち成長期の3体.謎の少女を助けつつ,茨に支配された横浜で大活躍! テレビでも散々横浜をぶっ壊している本作ですが,映画でもその点は一切手を抜いておりません(笑).中でもテレビではあまり舞台にならなかった中華街でのバトルが面白く,小さなデジモンたちの軽快なバトルだけでなく,背景の正しさにもついつい目が釘付けに.…あの正確さは,子どもを連れて劇場にやってきた親へのサービスなんだろうなぁ.
いきなり深刻なノリで物語がスタートした時には,果たしてこの劇場に「プリキュア」目当てにやってきた小さなお嬢さん方に受け入れてもらえるかどうかが相当心配でしたが,そんな彼女たちの目を釘付けにして笑いを誘っていたのはララモン! この映画,ララモンファンは大満足の可能性があるくらいララモンが素晴らしい.その状況で一体何をやってんだと笑っていたら,実はこれがエンディングに繋がっていくとは….
残念だったのがはなわ演じる悪役のアルゴモン.まったく時間がないので悪を掘り下げる余裕もないのはわかるけど,その動機はいくらなんでもあまりにもありがちで(苦笑)終盤の説教シーンが内容と声優の拙さの相乗効果で相当薄っぺらいことに.クライマックスでの復活はお約束でも燃えたので,あのあたりは残念だったなぁ.そして真のエンディングはスタッフロールの流れる横で展開.あんなものがついてるってことは,この映画もDATSの広報宣伝活動の一環だったりするのかな? てなわけで自分はちゃんと楽しんでしまいましたが,これを目当てに映画館に足を運ぶのは絶対にどうかしてると思うので(苦笑),それほど期待せず何かのついでにぜひどうぞ.

3:2:1 映画プリキュアSS チクタク危機一髪!
てなわけで「セイバーズ」のついでに見た本作.新シリーズに入ってからは全然見ていなかったので今回が初見でしたが,キャラはお約束通りなのでいきなり見てもそんなに戸惑うことはなし.ただし今回は仲のいい2人が喧嘩するというのが一番の見所になっているため,感情を押し込めたままでクライマックスまで話が進んでいくことになります.喧嘩したままの抑圧された展開は終盤の感動のためには不可欠とはいえ,可愛いヒロインたちの楽しい大暴れを見に来た子どもたちにはちょっと辛いかも….
そんな辛目の展開をいい感じになごませてくれるのが,映画だけのゲストキャラであるアワーズとミニッツ.せっかちとのんびりの可愛いコンビに,ただの説明マスコット以上の役目が与えられているのがうれしい.そんな重要なアワーズには菊池正美,ミニッツにはTARAKO,そして敵のサーロインには速水奨と実力のある声優を豪華に配し,厄介なゲストには本人役を任せて黙らせてしまうことによって(笑)声がいい感じになっているところは好ポイント.終盤まで子どもが耐えてくれるかどうかがやや不安ですが,ファンならば子どもと一緒に足を運んでみてもいいんじゃないかと思います.

4:3:1 鉄コン筋クリート
原作既読.松本大洋の大変に尖った原作を見事劇場アニメーション化.STUDIO4℃の描き出す猥雑で美しく激しい映像は大スクリーンに映え,背景の細かさやカメラワークの妙を見ているだけで目が眩むほど! 原作の持つ癖の強さはそのままに,ただし線はさらに洗練させて動かした点だけでも誉めたい芸術的な作品! まるで万華鏡のようなこの作品の視覚的な魅力は映画館並の大画面でないと味わいきれないはずなので,特に映像面で興味のある奴はぜひとも劇場に足を運んでいただきたい.そして全部見終わって出てきたときには,なんとなく人ごみが今までとはちょっと違った風に見えるという追加効果もついてきます(笑).
物語としては,序盤はかなり集約してますがほぼ原作に忠実.結構長い内容をこの長さにきちんとまとめきった脚本家の力量は素晴らしいですが,原作に忠実すぎることで一般向け映画としては問題を抱えることに.原作を愛し尊重し忠実に再現し過ぎてしまい,終盤の難解な部分もまったくそのままアニメにしてしまったってのは大問題.アニメ側で理解と感動を導くための原作の再解釈がほとんど為されていないので,一般の観客には難しすぎる可能性が高い.コアファンやアニメやサブカルに詳しい人には勧められても,普段アニメを見ない大多数の人には凄く勧めにくいなぁ….
とはいえここまで贅沢な映像を腹一杯見られる機会はそうはないはず.緻密で錆びた宝町の姿や,猛スピードのクロの暴力,ネズミたちの見せるあの短時間にぎゅっと煮詰まっていく生身の情念,無垢なシロと対極なのになぜか通じ合うクロと似ていても通じ合わない沢田の対比.雪のシーンは特に美しく,覚悟の上で劇場中に響き渡り鼓膜を揺らす銃声も素晴らしい! 娯楽として楽しませてもらうのではなく真正面から組み合って闘うことが楽しい作品なので,敷居の高さを覚悟の上で本気で闘うことをお勧めします.あの曖昧なラストを定義づける者は,もはや観客しかいないのです.

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とりあえず冬映画はこんなもんで.

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