« 機動警察パトレイバー#31 | トップページ | ライオン丸G#6 »

デジモンセイバーズ#30

「希望に満ちた幻の晩餐の巻」

バンチョーレオモンの助言に従い聖なる都を訪れたマサルたち.巨大なエルドラディモンの背中に作られた聖なる都に歓迎する素振りで招き入れられるが,これはもちろん人間を憎むデジモンたちの罠だった.デジモンを救うためにやってきたマサルたちにとってあまりにも不本意なこの扱い.バロモンたちはマサルたちを広場へと引き出して,同じく捕まっていた湯島とともにまとめてケルベロモンの餌食にするつもりだ.もちろんそれを黙って見ているアグモンたちではない.カメモンの手で自由になった彼らはパートナーを救い出し,アグモンを進化させるためにマサルはケルベロモンを殴る.しかし,怒涛の反撃をはじめようとしたその矢先に叫んで戦いを止めたのは,さっき一同を罠に嵌めたバロモンだった.

そこらの大人・マニア向けアニメなどまったく比較にならないほどに激しく熱く物語を躍らせはじめる「セイバーズ」! これまでも散々暴れ馬の如く跳ねてきた本作ですが,この先には今までの個人的な事情などとは比べ物にならないほどの激動が待っています.大きな使命を背負った今回の珍道中はここが終着点となりますが,同時にこの回が大門博士の偉大…というよりは異常な足跡による「救世主」という呼称の登場やチーム内での亀裂のはじまりなど,この先の七転八倒へとつながる起点ともなります.「救世主」が番長の上の位ってのは知りませんでしたが(笑)本作タイトルでは複数形なので最終的には複数の力で世界は救われることになるはず.だからいくら凄くてもひとりでは世界なんか救えないに違いない.
ちなみにこの回からオープニング変更.バトルシーン大増量のハードな仕上がりですが,ここぞというところでマサルがぱっと笑ってくれるのでひどく暗くはならないのが救い.中でも目玉はやはりマサルとタグと父とバンチョー.その業績があまりに凄すぎて人間離れした父と,父の不在中は力を持て余し喧嘩に明け暮れていたという息子.そこになぜバンチョーが交じるのか…やっぱりそういうことなのか?

何度か思い立っては毎度中断されているマサルの父探し.前回もやろうとした矢先にバンチョーレオモンに会ってしまってまたも横に置いておかれることになってしまいましたが,その代償としてデジソウルの真髄を悟り,究極体へとパートナーを導くことにとうとう成功! どうしても欲しかった敵と対等以上に戦える力を折角入手したんだから,ここからは怒涛の反撃を!…とはいかないのが本作(苦笑).間抜けな音楽に心も緩む,最後の息抜きがはじまります.
霧の中を歩き倒してへとへと.なんだかバンチョーレオモンの助言すら信じられなくなってる元DATSご一行様.番長を自称するマサルは「番長は嘘はつかねえよ!」とはっきり言い切るわけですが,トーマはその言葉になぜかカチンと来て喧嘩腰.君はボクが間違っているとでもなんだーやんのかー喧嘩腰なのは君の方じゃないかってな感じで二人して苛ついてぶつかり,ガチガチと噛み合っている.無駄に血の気の多い少年たちをヨシノが止めていたところに…響き近づく,巨大な足音.
やってきたのは超巨大なデジモン.街が丸ごと1つ乗った巨大な亀,究極体・エルドラディモンの雄姿! しかも街はただの飾りではなくデジモンたちの住居になっていて,「聖なる都にようこそ!」とバロモンがマサルたちを偉く歓迎してくれているのが…大変に怪しい.10年前からこの世界では人間は疎まれていて,しかも現在倉田の奴が大虐殺を続行中.この環境で人間を歓迎するデジモンなんかいるわけがない.当然トーマは二の足を踏むものの…仲間たちは頭を使うのがひどく苦手な奴ばかり(苦笑).警告も聞かず「きっとご馳走だぜ!」と誘いに乗ってしまったバカたちを待っていたのは,もちろん罠でありました(笑).
わかりやすい罠にまんまとハマって,「ちくしょー!」と叫ぶアホ主人公.いくら本人たちが救うためにここに来たんだと主張したって,デジモンから見れば人間は人間.大ざっぱな一くくりで倉田と同類扱いされても仕方がない.悪いのは倉田一人きりなんだからと「人間とデジモン,力を合わせて戦おうぜ!」とさわやかに主張するマサル.けれどバロモンが悪い人間を信じるはずがなく,やかましいマサルを含めて人間3匹を別の場所へと連れ去ってしまいます.
縛られて残ったアグモンたちがバロモンに連れて来られたのは,エルドラディモン内部に広がった巨大なコロシアム.土俗的なお祭り騒ぎの雰囲気満載の広間の中央には,棒に縛られたマサルたちが登場! …異種の文明の中で行われる残酷な処刑の光景は,異文化の激突という本作のテーマを打ち出すに至った社会的な背景まで考えると相当ストレートな映像で,笑うより前にびっくりするぞ.
「これより,人間どもの処刑をはじめる!」ってなわけで祭りの熱狂の中で人間どもを殺してしまおうとするデジモンたち.マサルたちには弁護士どころか弁明の機会すら与えられることはなく,さらに4人目の生け贄として湯島元所長まで混ざってるってのはどういうことだ(苦笑).「なんじゃ,お前たちも捕まっとったんか…情けないのう」とか,同じ立場の奴には言われなくない(笑).
開いた門から広場に出てくるケルベロモン.「聖なる都の存在を知った人間を生かしておくわけにはいかん」ってなわけでかみ殺させようとするわけですが,アグモンたちがパートナーの危機をそのままにできるわけがない.「忘れてしまえ,人間のことなど」なんて言われたって,忘れちゃったパートナーの記憶を無理やり思い出させてここまで来た彼らにその選択肢はありえない.
「人間は我々を虫けらのように殺す.人間とデジモンは所詮相容れぬ存在なのだ」と人間不信のデジモンたちには,人間とは友達にだってなれるという甘い言葉なんか届かない….傷ついた者の心は安易に解きほぐすことはできず,かといって友を切り捨てることは決してできず,アグモンたちが処刑されようとも助けようと覚悟したところで静かにカメモンが登場し,彼らを自由にしてくれるのです.
広場ではケルベロモンが早速ヨシノのところに走り!それをララモンがナッツシュートで救う! 人間の友である3匹がパートナーを見捨てるようなことはなく,満員の観客つきのデジモンバトルがここに開幕! すっかり見世物になっているこのバトル,なぜかヨシノが闘牛の真似事をはじめている意味がよくわからない(笑).ケルベロモンの顔に上着を被せて視界を封じ,さっき空振っていたマサルががつんと殴り,マサルの拳にデジソウルが溜まって進化への準備が完了!
ところがここから思ってもいなかった展開に.人間を殺そうとしていたバロモンにはマサルのデジソウルに覚えがあって,エルドラディモンもそのデジソウルに鳴動する.こっからが本番とチャージしようとするマサルたち,そしてケルベロモンに向かって「待てーー!」と叫ぶバロモン.…ここからが本番だってのに即刻中止となったのは,昔この聖なる都を訪れた一人の男の行いのため.

昔,大干ばつの中でエルドラディモンは動けなくなり,このままでは背中の聖なる都ごと死に行くのを待つしかないような状態に陥ったことがありました.そんな存亡の危機をただの一撃で救ったという救世主.拳で地面を殴り水を噴出させ都市を救った「その男の名は,大門スグル!」…メルクリモンを殴ってたあたりからマサルの父とはいえ異常だった大門博士.ここであっさり人間の限界を越えました(笑).
大門スグルのデジソウルと息子のマサルのデジソウルはそっくりで,虐殺を行う敵の仲間は英雄の息子さんご一行へと早変わり.デジモンたちは今度は本当に歓待してくれます! 父の偉業による英雄扱いをあっさり受け入れているマサルを,なんだか複雑な表情で見ているトーマ.DATSは3組で1チームだったのに,ここからいきなり,マサルの存在だけがやたら特別になっていくのです.
公開処刑は夜の晩餐会へと変わり,ようやくまともに話し合うことができるようになった一同.湯島元所長も交えてまずは情報交換.無限氷壁で吹っ飛ばされて以来デジタルワールドを彷徨い生き残り,風の噂でDATSの現状までちゃんと知っていた湯島.敵視するモノたちのど真ん中で大門博士の足跡を辿っていたってんだから凄い.「その旅の途中で,この聖なる都に辿りついた,というわけです」とつい喋ってしまったカメモンに「喋った!」とヨシノ.…これだけシャイなカメモンでは情報収集は難しそうだから,主に湯島の話術だけでここまで乗り切ったってことになるなぁ.
大門博士は聖なる都にとってはまさに救世主.ようやくタイトルにも入ってる「セイバー」が出てくるわけですが,頭の使い方がなってないマサルには「救世主」の意味がよくわからない(笑),ヨシノが「番長よりも強いってことよ」と豪快な一言でまとめ,マサルはそんな父の偉業と威光を案外あっさりと受け入れて…横で見ているトーマはなお複雑な表情に.
歓待の席から離れて夜を見るトーマ.正しい考えの暴力バカは救世主の息子として祭り上げられ,彼より優れているはずの自分は完全におまけ扱い.やるせない気持ちの理由を「うらやましかっただけさ,無条件に尊敬できる,父親の存在が」と呟いてみたら,ガオモンは嫉妬を口にするなんて珍しいと鋭く指摘し,「そうか,僕は嫉妬してるのか」と今更気づく.…尊敬できない父のことすらも,自分より恵まれているように見えるマサルに対する嫉妬をごまかす言い訳に過ぎないのかも.父不在のマサルの10年も知らないで….
そんな複雑な夜を襲うギズモン! 来襲を外にいたトーマが見つけたのに直後のシーンでトーマがなぜか中にいるのはあんまり気にするな(笑)! 究極体への進化は倉田とその手下を倒すために手に入れたもので,ギズモンはその力を生かすのに格好の相手.デジモンを殺してその生体エネルギーを吸収する狼藉モノを倒すためにオーバードライブ! 前回覚えた力を早速生かします.
まずはロゼモンとミラージュガオガモン出撃.なんせ主力はここまで来ても相手を殴らないと戦いに参加ができないため,まずロゼモンがソーンウィップで捕まえたギズモンをマサルに殴らせる! …軽快に鞭の上を走っていくマサル,思い切りいいなぁ! 拳から噴き出す父と同じデジソウルでオーバードライブ.アグモンはシャイングレイモンへと一気に進化.究極体3体を前にしては,ギズモン程度は相手にならない!
驚異の敵から雑魚へと変わりつつあるギズモン.しかしこいつらにはマサルたちにはない数がある.シャイングレイモンたちが相手にしているギズモンたちは陽動で,背後から別の1体が聖なる都を襲う! …離れた場所で戦うシャイングレイモンたちが戻ろうとするも間に合わない.それを見たマサルが即座に危険な現場へと走るもののやっぱり間に合わない.このままでは都が陥落する…かと思われたときに響く聞きなれた声! 自分勝手に離脱していたイクトとファルコモンがここで合流! しかも来たのはふたりだけじゃない.「仲間,沢山いる!」ってなわけで,イガモン軍団がギズモンから都を守る!
…この世界を救おうとする力が集まってはじまる夜明け.力を求め,メルクリモンが彼に遺してくれた言葉に従いイガモン一族を仲間にして連れてきたイクト.デジタルワールドで育ちデジモンの心を持つ彼らしい,種族の差を越えて共同戦線を敷くには最高の「新しい力」の参入です.…抵抗するデジモンの力とそれを救おうとする人間の力.2つを束ねる象徴役は本来2つの狭間にいるイクトが似合いなんだろうけれど,今回は双方から人望の厚いマサルがその役を務めます.「皆で戦おうぜ,デジタルワールドを守るために!」

聖なる都に抵抗する力が集結しつつあったその頃,倉田側でも大幅な強化が為されていました.前回究極体にすっかりやられたコウキたちは,倉田の手でより強いデジモンのデータにDNAを書き換え.勝利のためなら命の危機も覚悟の上で外道な処置を受ける3人.…デジモンだけでなく人すら人間扱いしない倉田によって作り出され調整される3人は,もはや人間とは呼べないような存在になっちまっているなぁ….
そんな人間改造にも使用されているらしい,ギズモンが収集しているデジモンの生体エネルギー.それを一番食わされているのは未だ水槽の中で育成されている巨大な影.「もっとデジモンたちの命をむさぼって大きくなるのです.私の夢を叶えるために…」と倉田に愛されるこの存在はいつになったら動き出すのだろう.水槽の中にいるのはデジモン? 人間? それともそのどちらでもないもの? …そして,誰の味方で誰の敵?
上書きによってさらに強化されたコウキたちを使い,今やデジモン最後の砦となった聖なる都の陥落に挑む倉田.総力でこの世界に残ったデジモンの命全てを搾り取ろうとする彼は「恐らく,これが最後の戦いになるはずです」とひどく悪い顔.…倉田はどのようにしてここまで外道な研究を進めたのか,その理論や資金は一体どこから来ているのか.未だ謎だらけで底の見えない彼を倒すのは相当に骨が折れそうだ….DATSに入ったヒビが次第に大きくなっていく,次回に続きます.

|

« 機動警察パトレイバー#31 | トップページ | ライオン丸G#6 »

レビュー◆デジモンセイバーズ」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/5112/12969737

この記事へのトラックバック一覧です: デジモンセイバーズ#30:

« 機動警察パトレイバー#31 | トップページ | ライオン丸G#6 »