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機動警察パトレイバー#31

「惨事の痛みは雨に染みの巻」

晴海で開催される国際レイバーショウの警備に当たる第2小隊.会期中はイングラムが出動するような事態は起こらず,交替で会場内を眺めたり,偶然知り合いに出会ったりと和やかに過ごしていた.どうしても気になるのは篠原が展示している新製品.この先配備されるかもしれないエコノミーの性能が知りたいのだが,実際に動かしてみなければ運用に耐えるものかどうかまではわからない.
導入されるかもしれない機体の真価を知りたい遊馬は,最終日に1号機の起動ディスクを借り出し,篠原の社員を説得し挑発して新型機へと乗り込んだ.駐車場を歩く新型機の姿にいろんな意味で周囲の目は釘付け.そしてその陰で,今日のメインイベンターが静かにトレーラーで入場する.

ついに企画7課と第2小隊の激突開始.その冒頭で今までにないシリアスな大惨事が訪れる「パトレイバー」.前々回の食中毒では大量の入院患者を出したけど,あれはギャグだったからまだよかった.今回はシリアスに複数の隊員が病院送りな傷を負い,2号機にも洒落にならない大ダメージが! お忍びで既にデビューしていたグリフォンはとうとう表舞台に躍り出て,篠原の廉価版を後継機候補から引きずり降ろす.…あのオレンジの安そうな奴の真価がわかって機種交換話が一旦立ち消えるなら,隊員の2人の身体とイングラム1機程度安い物…のわけがない(苦笑)!

前半.国際レイバーショウがついに開幕.人も車もぎっしりと集まり.警備も報道もたっぷりの大ビジネスイベント.そこで第2小隊が警備に当たるのはまあ当然のこと.会場内にはタイプ7=ブロッケンのような軍用レイバーも展示されていて,それが強奪されたらイングラムじゃないと止められやしないはず.…でも,一般も入るイベントで軍用機を展示って,なんか凄いなぁ(笑).
展示物はレイバーだけどやってることは普通のイベント.そこそこ賑々しい会場内のあちこちで,レイバーの脇に張り付いてポーズを取る水着姿の美人お姉さんたちが.太田はなんでそんなのが必要なのかと腹を立ててますが,会場が華やかになるし,車時代からの伝統だしいいじゃないですか(苦笑).しかも彼女たちはプロ意識だって高く,説明せねばならないことはきっちり頭に入れてます.それができるかどうかで給料が変わったりしますからね.
きれいな上に賢いお姉さんたちに圧倒された太田.不機嫌なまま第2小隊の待機場所に戻っていきなり野明にリニアアクチュエイターとは何かといきなり質問.そりゃ本業なのでそれがイングラムで使っている関節駆動システムだってことまでは野明にもわかるけれど,その利点までは出て来ない(笑).「今日日水着の姉ちゃんでもそれぐらい答えるぞ!」と不思議なハッパをかける太田.…きっと太田は言えないし,熊耳さんは言えるんだろうなぁ(苦笑).
休憩に入った遊馬と野明が見に行ったのはもちろん量産機.写真とはやや違う実機をしげしげと眺めるけれど,見ただけじゃ性能はわからない.「外面だけでわかるもんか」と厳しい態度の野明たちの側で,なんだか聞き覚えのある声が….やたら粘着にイングラムの性能について問い詰める質問者と野次馬.具体的にはタイプ7と対等に渡り合えるかどうかをひたすら聞く声と,「かっこ悪いでー」という正直な感想の主たち.確かに現場的には重量級レイバーと対等に戦えないと使えないわけですが,顔を合わせた2組は,その邂逅に驚きます.
質問者と野次馬は内海とバド.当然内海は遊馬や野明の素性については調べ済みですが,わかってとぼけております.しかし遊馬に「実力を拝見したいものだねぇ」とつい秘めたはずの牙をちらつかせてしまうのは,この先のイベントがもたらす高揚感ゆえか.大人すらこうなんだから子どものバドははすっかり浮かれて,ゲーム話の途中で真っ直ぐに,「ボク,ホンモノのレイバーで戦ってもお姉ちゃんに勝つ自信あるで!」とか言ってしまう.生意気ぶりに野明はひくついてますが,これがただの妄言じゃないから困るんだよなぁ.
そんな2組のところに熊耳さんが近づいてきて…内海はやばい相手を見つけた感じでこっそりと退場.レシーバーをつけなさいと叱る彼女は,この場では内海の顔を見ることはありませんでした.…ここでもし顔を合わせていたら,この先の全てが変わってしまったはずだろうけれど.
てなわけで,本当に洒落にならない相手に出会いそうになった内海はバドに会場に行くことをやんわりと禁止.バドにとっては今はこの先のバトルの下調べのつもり.…状況によっては会場内でバトルする可能性もあったんだな.今すぐ観客背負って戦いたいバド.しかし今回の目的はイングラムを潰すことではなくデータを奪うことで,グリフォンについても見せたい奴には見せるつもりの内海.武器としての最高の性能を華々しくお披露目するために,わざわざこの超危険な橋を渡ろうとしているのです.
そんなステージのはじまる翌日.曇天の最終日.松井刑事たちまで顔を出してるってことはそれなりの噂は立っていたようですが,ガセで終わりそうだと一安心.…けれど油断が警備の緩みを生み出してしまう.レイバーについては門外漢の松井から見ても,人型レイバーの隆盛は目覚ましい.技術力アピールのために人型にしているんだろうけれど,あまりに強くて自由すぎる巨人たちが将来どんな事態をこの社会にもたらすことになるのか.しかも最前線に立つ者からすれば…「将来ごとで済めばいいがな」
今日も警備に入っている野明たちの話題の中心はやっぱり新型機.レイバー犯罪が急増する現在,小隊の増設と新鋭機の導入は急務.しかし現場からすれば現行機以下の機種の導入は考えられないってのもまた正しい見解.あの新型機が現行機の上か下かが重要で,それを調べるにはあのオレンジの機体を動かすのが一番早いんだけど…「…そうだよな,動かしてみりゃいいんだ…」といきなり遊馬は言い出して,とんでもないことをはじめます.
展示ブースの篠原の社員に談判する遊馬.跳んだり跳ねたりはしないからと大嘘をついて,社長の子息という立場で展示機に乗せて欲しいと頼みはじめます(苦笑).そんなことしたら懲戒処分を喰らうと警告してくれているのも無視して「張子の虎か?」と生意気に挑発し,ついに話をつけちゃった駆け引き上手.早速1号機から起動ディスクを借り出して,量産機の性能テストを開始! …ここで遊馬がやらかさなければ惨事は免れたんだろうか? それともいきなり全滅だったんだろうか?
量産機に乗り込んで立ち上げる遊馬.基本的なレイアウトはイングラムと同一なんですが,胸の部分に大きく窓が開いていてモニターは補助.カメラを省略している分だけ価格は安くなっているんだろうけど,外とは窓1枚で隔てられるだけ.ついでにシートに体を固定するのがただの3点ベルトで,搭乗者をがっちり保護してくれるイングラムに比べるとかなりの不安感があります.
もちろん遊馬はこの機種を「無茶するために作ったんだろうが!」と手荒に扱う気満々(笑).まずはのしのし歩かせて乗り心地の検証.新型機がいきなり動いているということで人目も集まってきて,同僚の困ったやんちゃぶりを呆れて眺める野明の斜め後から後藤の顔がずーっとセリ上がり…「減俸3ヶ月!」と抱きついた(苦笑).…このサプライズは内海たちも喜ばせます.なんせ彼らはこの会場で,許可なしの狩りをするつもり.見慣れぬ獲物の登場は願ってもないところなのです.

後半.勝手に遊馬が新型機を動かしはじめて腹を立てた太田.そのやりたい放題ぶりに怒りまくるわけですが,別に隊長だって「許したわけじゃないよ」ってなもんですよ.望まずにこんなところに転がり込んだ遊馬がどうにも公務員としての自覚がなさそうなのは間違いなくて…しかしやっぱり上司も上司,減俸3ヶ月程度で収めようとする後藤ときたら「あいつの給料減らした上に,量産機の性能が少しでもわかるんだから,これはもう,警察の儲けと考えていいんじゃないだろうか!」とか言いやがる(笑).後藤の狡さは今にはじまったことじゃないですが,倫理観無視の効率重視ぶりは内海と似ているかもしれない.
課員自ら不祥事製造.こんなことを続けていたらますます評価が低くなるというひろみの懸念は真実なので,誰かがあのお調子者を止めねばならないわけですが…「第2小隊は自決主義でいく! 篠原の勝手な行動は,我々の手でどうにかせにゃならん!」と太田が盛り上がっちゃって大変なことに(苦笑).2号機は新型機を取り押さえるために勝手に起動.上司の命令なしにレイバーを動かすなんて,「…結局やってることは同じじゃないか」.太田の牽制のために熊耳は指揮車を出して,第2小隊の不祥事はさらに規模がデカくなっていきます(笑).
篠原の乗る新型機を止めようとする太田機.ここで内部の無線で話をしていれば大事にはならなかったはずですが,思いっきり太田が拡声スピーカーを使ってしまったために新型機で暴れる?犯人の素性がわかってしまう(苦笑).ついでに他部署の警官におたくの部下かと聞かれた後藤があっさりそれを認めた後で,「…黙ってりゃわかんなかったんだよなぁ」と呟いてんのがやっぱりおかしい.どいつもこいつも警官としては失格だ.
太田から警告を受けた遊馬.しかし「太田機にねじ伏せられるようじゃお話にならんわけだよな…」と己の興味に忠実すぎて,すっかり職務を忘れてる遊馬は「やれるもんならやってみろぅ!」とファイティングポーズを取ってみせる.新型機,オレンジ色で緩めの造形だからなんか女の子っぽいな(笑).べろべろと挑発する遊馬に乗せられて,こちらは男っぽいイングラムに乗る太田はすぐさま沸騰.吠え面かくなと篠原重工の製品同士で,無許可のエギジビジョンマッチなんかはじめちゃったから…「減俸6ヶ月!」
ところがこの戦いに謎のトレーラーが無理やり乱入! 停車している他の車を吹っ飛ばして止まるこのトレーラーの荷台からは,謎の白い煙がもうもうと…,手袋をつけ,さらにガスマスクまでつけた運転手曰く,これは次の出し物の搬入.今からはじまる催し物は…コンテナを突き破り2号機の頭を掴む黒い巨大な腕.そのままコンテナを紙のように破り生まれる,見たこともない異形の機体.漆黒に赤い目,背中に羽根,生物のような流線のフォルムを持った….
謎の機体の出力は圧倒的! 都市で活動する機体としては規格外に強いイングラムですら,首を掴む手を容易に振り切ることができない.明らかに怖い相手にさっきまで呑気だった後藤の口調が珍しく真面目に.第1小隊に応援を求め,野明には1号機を起動するように指示…するんだけれどシリアスが持続してくれない.なんせ「あたしの起動用ディスケット,遊馬が使ってる!」(苦笑).
2号機の動きをあっという間に止めてしまう謎の黒い機体.仲間の緊急事態を救うべく,減俸6ヶ月の遊馬が新型機のままで乱入! …しかしこれは明らかに無謀.確かに同じ訓練は受けてますが,その後の実戦の経験値はフォワードとバックアップでは段違い.素人が余計な手出しをするなという,太田の忠告は手厳しいが正しい! かくして,極上の川井憲次節が響き渡る中,新型機と黒い化け物との相当一方的な,無謀なバトルがはじまってしまいます.
走ってくる新型機に2号機の頭を千切って投げる黒い化け物.それを遊馬は盾ではじいて…パンチを食らわそうとするけれど相手が早い! その上よろめいたら足元がぐにゃぐにゃで腰が沈みすぎ,機敏に次の動作に移ることができない! イングラムから持ってきたOSの性能か,至近距離でのパンチだけはなんとか避けられたものの,黒い機体が一度崩れた態勢を元に戻し,反転してさらに迫るという動きの流れが尋常でなく早い! …ついにまともな攻撃を喰らってしまった新型.その中で搭乗員を守ってくれるのは安いシートベルト程度で,急激な衝撃は人間の体には耐え難い!
謎の機体に圧倒されて旗色最悪.まるで生き物のような鮮やかな動きは,レイバー戦の専門家からしても異様なもの.そんな巨人の戦う危険な戦場に近づいて,一刻も早く相棒と自分の起動ディスクを取り返しすなんてのは明らかに無謀! 今行っても踏み潰されるだけだと後藤は野明が動くことを許可しない.第一もし近づいたって,首から持ち上げられ地面に叩きつけられている新型機から,どうやって中身を回収するのか?
黒い謎の機体の中身にはもちろん無邪気なバドが.全然相手にならへんわ!と通信機の向こうへと報告しています.特に新型機はどうにもダメらしく…しかし今回欲しいのは篠原のディスクなので,いつまでも新型機では遊ばずに2号機へとターゲットを変更! ここで見逃してもらえなかったら,大事な1号機の起動ディスクが失われるところだったのでよかった…と思えたのはつかの間.太田のバカの発砲を避けるため,新型機が敵機の盾にされるだなんて聞いてないぞ(苦笑)!
2号機の銃撃は見事に新型機の背中にヒット.そ,そこの排熱装置で弾が止まったからいいけれど,その奥にはコックピットがあるんだぞ! 「太田さんのバカー!」と絶叫する野明,「ばっばっばっばっばっからう!」とあまりの怖さに口すら回ってない遊馬(笑).そして,新型機を2号機に向け投げつける敵.味方同士が衝突するその衝撃は,特に安くて弱い機体に乗っている遊馬にはあまりにも痛すぎる!
我慢できず走り出す野明.丈夫なイングラムが首無しでもまだ戦ってる横を走り抜けて新型機に近寄ったなら…遊馬が上半身だけ外に出してぐったりしている.その様子は全然大丈夫ではなく,それでもその手にしっかりと,大事なものだけは掴んでる.「よぉこれ返すわ」と起動ディスクを震える手で手渡し,「ご覧のとおりだけど,安心しろ.こいつがプログラムに対応しきれなかっただけだ…」と本当に痛そう.パートナーとして「お前の育てた1号機なら…」と希望を手渡しはするものの,降り出した雨によって時間切れが近づきます.
急な土砂降りの中,2号機を蹴る黒い機体は操縦者の幼さゆえに残忍,バドはやっと動きを止めたと無邪気なもんですが,雨のせいで煙幕が消え始めているので内海はディスクの回収を急がせます.グリフォンは器用に外から2号機のハッチを開き,コックピットごと引き剥がそうとするものの,さすが篠原の製品は頑丈.同シリーズの製品が自衛隊に納入されているだけのことはあり,この状態でもまだ動けるんだから素晴らしい.
そして,後藤から遊馬の容態は大したことはないと告げられながら,最高に信頼できる機体でついに動き出す野明! 雨の中登場した1号機は,「公務執行妨害,器物破損,ならびに傷害の現行犯で逮捕する! そこを動くな!」と見栄を切り…これが敵の撤退の決め手に.こんなタイミングで1号機が来るとは思っていなかった内海は,煙幕も限界ということで撤退を指示.欲しかった篠原OSは奪えなかったものの「今回はグリフォンの経験値を上げたことで,よしとしよう」とか電話しているその背後,絶対に顔を会わせたくない人の姿がまた.
内海の乗った車の窓を叩く熊耳.彼女は避難を指示しに来ただけなんですが,「リチャード・王…」と内海のもう1つの名を呼んで腰に手をやる! その行動に機敏に反応したのは内海ではなく運転席の男.抜いた拳銃で結局丸腰の彼女の脇腹を2発撃ち,そのまま逃走! …倒れた彼女を車窓から痛そうな顔で見ていた内海.何故撃ったと運転手を責めると,腰に手をやったのと,課長の香港時代を知っていたという2つの理由を挙げてくる.…デビュー戦とは無関係の相手に重傷を負わせ,しかも顔を見られるという大失態.これは,逃げねばなりません.

ようやく対峙する白と黒の2機.ざあざあと降る雨の中.野明はこっちからいくぞと組み付いて…敵の背中からは羽根が広がり,場違いなジェットエンジン音が高く響く.…レイバーは土木作業用の工機の延長線上にある汎用機械.基本的には穴掘りとかする機械なんだから翼なんか絶対必要ないはずなのに! 轟音とともに振り切って,暗雲の空へと飛び立つ黒い機体! 「やってりゃ勝てたけどなぁ」とパイロットはいい残し,そのまま雲の向こうへと消えていく….
登場から強さから翼まで,まさに反則の集合体みたいな黒い機体に蹂躙された第2小隊.結局第1小隊は間に合わず,篠原の新型機は潰れ2号機も相当のダメージ.さらに遊馬は病院送りで熊耳は銃で撃たれ,大惨敗の大損害.「悪夢だ」と呟く野明.あの悪夢よりもなお悪いこの事態.戦力半減どころではない第2小隊存亡の危機を救ってくれるのは…ついこの前行ったばかりの彼女ですか? 何もかも足りない第2小隊は立ち上がることができるのか.次回に続きます.

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