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デジモンセイバーズ#32

「気づく前からもう遅いの巻」

マサルとイクトたちが倉田を倒しに向かった後,バイオロトスモンによって今回の作戦の要である滝が破壊されてしまった.エルドラディモンを守っていた湖は一晩で干上がってしまい,ミラージュガオガモンも聖なる都に戻らない,主力を欠いた都にギズモンたちを率いるイワンたちが襲来,現場指揮官の動きを封じて侵攻を遅らせるためにヨシノとララモンが彼の相手を引き受けるのだが,イワンがヨシノに気があって,ララモンがヨシノを大好きなことで戦場の雰囲気がおかしなことになる.

聖なる都攻防戦の第2幕の前半はコメディ味たっぷりに展開する「セイバーズ」,今回の主役はヨシノとロゼモンとイワン,思ったことをそのまま言う上に色惚け甚しいイワンと,そんなイワンになぜか対抗心を燃やすのがおかしいロゼモンの戦いが一番の見物,普段は暴走するバカと冷静な天才に引っ張られている紅一点のヨシノですが,その2人がほとんど不在の今回くらいはきっちり話を…なんで引っ張っていかないのかな(苦笑),イワンとロゼモンの大好き祭りに巻き込まれてしまって完全に埋もれてしまうヨシノ,でも,幼い頃からララモンに好かれ,以前にはアイドルと浮名を流したくらいないんだから,理由はよくわからないけれど,種族を問わないほどにともかくモテるんだろうなぁ….そしてそんなコメディ味をしっかり打ち出しつつも,終盤ではシリアスやスペクタクルまでも併せて見事に描き出す演出の技量が素晴らしい.

聖なる都VS倉田軍団の大決戦は微妙な仲間割れから開始,トーマの懸念を聞き入れないマサルたちは倉田を倒すために暁の丘へと2組のみで特攻.残された連中で聖なる都を守るものの,ナナミのおかげで防御の要となる滝を決壊させられてしまい大ピンチ.このままではエルドラディモンを守ってくれていた水がなくなってしまい丸裸,いいように攻撃されてしまいそうな状況です,
水が引いていることは現在快進撃中のマサルたちも気づいていますが,.聖なる都の守りについてはトーマに任せたから大丈夫と信じてその足を止めない.…もしこの段階で戻ったとしても,すっかり敵地に入り込んでいる自分たちはそのまま挟み撃ちされる可能性が高い…なんてことは欠片も考えてないな(苦笑),ともかくトーマならなんとかするだろと,ごく単純に,けれど強く信頼しているだけでしょう.
朝になったらエルドラディモンの周囲の水はすっかりなくなって,かわりに大量のギズモンどもがイワンに率いられて押し寄せてくる.トーマがまだ戻ってこないので全体的な指揮を取るのは湯島とバロモン.聖なる都の精神的な支柱である救世主の息子こそ不在ですが,その彼に向けられる信頼は命を懸けるほどに重い.普通の奴ならそのプレッシャーだけで潰されそうなほどに.
間を置かず全軍突入してくるギズモン.元々並のデジモンより強い上に数が多すぎて,トーマが教えた連携攻撃をやっている余裕すらない大乱戦.湯島のカメモンがガワッパモンとして戦力となり,エルドラディモン自らも戦い,そしてララモンだけでなくヨシノ本人まで戦ってる…のはどうなのか(笑).二段オチとか上着とか,このあたり映像としては小気味良くて抜群なんだけど,お前らは早く進化してください(苦笑).
防御を突破しヨシノの前にやってきたイワン.好みのタイプのヨシノさんに愛しのハニーとか言い出して,もうウザいったらありません.場所や立場の違いすら彼の恋を燃え上がらせるだけで,「愛してるだなんて,口が裂けても言えん」と相変わらずのダダ漏れっぷり.しかもこいつ,恋によって完全に目も耳も曇っているらしく,ヨシノさんが相当嫌ってることすらわからないどころか心の中で求めていたとか曲解しやがる恋愛ストーカー気質が怖すぎる.
もちろんヨシノさんとしては,こんな恥ずかしいバカ男なんか嫌だし熱き思いも迷惑だし.「俺との交際を賭けて,勝負だハニー!」とか言われても,はぁ?ってなもんですよ.正直こんなの相手にしている余裕もないはずなんですが…「そのかわり私が勝ったら二度とヨシノには近づかないで!」となぜかララモンがこれに乗る.デジモンに変身する男とデジモンに取り合いされることになったヨシノ,大人気(笑).…ララモンが進化するロゼモンの大人の魅力な姿,本人的にもやっぱり相当自慢なんだなぁ.
勝手に商品扱いされてしまったヨシノは不本意.「万が一のことがあったらどうすんの!」と文句を言ったなら,ララモンにも一応まともな考えがありました.現場指揮官であるイワンを封じ引き付け叩きのめすことができれば,今回の進撃もかなり止められるのではないかと踏んでいるのです.…その考えはまあ納得できるものだったのでヨシノはオーバードライブ! ララモンはロゼモンへと究極進化,
対するイワンも倉田のくれた力でエクストラエボリューションし究極体のバイオスピノモンへと進化,究極体のロゼモンとやりあっても互角に渡り合える力を持つ難敵で,ステゴモンに比べスピード10倍パワー100倍,そして「ハニーへの愛は無限大だ」…この緊迫した状況にこんな敵嫌だ(笑).でも,デジモンと融合させられて進化して,体だけでなく頭の中身まで良くならなくてよかったなぁ….
ヨシノを手に入れたくてたまらないイワンのアタックは熱烈,「腕を組んで街を歩きたいアタックー!」「公園の池で一緒にボートを漕ぎたいクラッシュ」「1つのジュースを2つのストローで飲みたいボンバー」と,ゲームでは出てこないような大技てんこもり.この暴力的な攻撃に対して,ヨシノの嫌がる心が乗り移ったかのように軽量級のロゼモン大健闘! 「腕は組まない!ボートも乗らない! ジュースはひとりで飲みなさい!」
しかもこのロゼモンの猛攻には,多分にロゼモン本人の意志も含まれているらしい,とことん嫌がるヨシノに心配しないでと言う彼女,「ヨシノは絶対に渡さないからね!」とトゲムチ持ってにこやかに言われると,それはそれで大変に複雑(苦笑).バイオスピノモンとロゼモンの間で燃え盛る炎は…それ嫉妬? 「…あんたたち,何やってんの?」と賞品は呆れます,
さてその頃,聖なる都を既に守りそこねたトーマは,ナナミを連れて歩いておりました.聖なる都が攻撃されていち早く反撃しなきゃいけないってのに,なんだってこんなとこでもたもたしているのやら,ナナミ戦での傷が癒えないってのもあるだろうけれど,前回に受けた精神的ダメージの方が深刻か…彼らしくもない「大門マサルの力」で戦ってしまったトーマ,その結果湖は守り切れなかった.彼の言う「マサルは大丈夫」はマサルが言ったものとは違ってひどく弱い.ここでは悲しいくらい本領を発揮できない彼は一体,どこを目指すことになるのか,

ロゼモンとイワンのバトルは白熱中.しかしその途中に幼年期のデジモンが出てきてしまって,それをロゼモンはヨシノごと体でかばう.…実力は互角だとしても,味方陣地に踏み込まれた状態での乱戦は不利,特に味方のほとんどが戦力として期待できない状況では,守り切れずいいようにやられていく仲間を見るしかなく,戦力的にも精神的にも消耗するばかり,
命乞いも好きな人の言葉も聞かずにデジモンを殺すイワン,それはあまりにひどすぎて,「あなたそれでも人間なの」とヨシノに言われ…「ひどい? これはビジネスだ!」とイワンは即答.虐殺も金で雇われたイワンにとってはただの商売.金の代償に体を差し出し,倉田の命令に従うことこそ使命だと,「デジモン狩りは俺のビジネスなのだ!」と誇るイワンは本当に「最悪なんですけど!」
人間と同じ一個の生命をビジネスとして狩ることが許せないヨシノ.デジモンとは心を通わせて友達にだってなれる.それは彼女が世界で一番よく知っていることだから「心が痛まないの?」とイワンに問いかけても,ビジネスに心は不要と彼は言い切った.…これまでの行動を仕事の一言で片付けられてはたまらない.そんな契約を提案する倉田もおかしいけれど,それを受け入れるイワンだってどうかしている!
「…体だけじゃない.あなたは,倉田に心まで売ってしまったのね」と呆れて怒るロゼモン.デジモンを物扱いするような痴れ者は決して放置しておけません.ローゼスレイピア,アイビーハグと技を連打,そして必殺技のフォービドゥンテンプテーションは…効果とはいえいきなり裸になったみたいに見えてびっくりするなぁ(笑).極上の誘惑をバイオスピノモンへとぶつけ,「心をなくした者に,愛を語る資格はないわ」とかっこ良く.
けれどそれでもイワンはまだ,この使命をやり遂げる理由があると負けてくれない,「そのためなら,体であろうと心であろうといくらでも差し出してくれる!」と偉い気合の入りよう,…このあたりから急激にシリアスへと転調していくんだよなぁ,最悪だけど真剣なイワンのブループロミネンスはかすっただけでも相当痛く,こんなものが直撃したら姿も残らないかもしれない大出力.けれどヨシノはここで引けない,負けられない!
イワンの意地とヨシノとロゼモンの意地,青いブループロミネンスとピンクのフォービドゥンテンプテーションが真っすぐに激突! その力の差は一目瞭然.普通なら即座にロゼモンが押し負けるのだろうし,実際すぐに押されるのだけど…一緒に消滅する危険も顧みず,負けられないヨシノはその体でロゼモンを支える,「負けられないんだ…もう,もう絶対誰も殺させないんだ!」…そして,寄り添って同じ方を向く2人の力は真っ白な輝きとなり,圧倒的な力としてバイオスピノモンを消滅させたのでありました.究極体に人が寄り添って気力を振り絞ったことによる技の強化,これは気合で片つけていいのか,それとも新しい扉への鍵なのか…,
敗北したイワンと,その横に転がる卵.イワンのポケットからは兄弟の写真が覗く.これがイワンが非道な行いに手を染めた理由.家族のために身も心も金に代えて非道な行いに手を染めた.「イワンのバカ! お金のために,心も体もなくして,それで本当に家族が喜ぶと思ってるの!?」…ヨシノが嘆いてもイワンは笑っている.そしてきっと,彼の家族も彼の稼いだ金を喜ぶに違いない.貧富の差は厳然としてあり,そんな風にしなければ生きていけない人も多い,だからこそ…「人の弱みにつけこんで,こんなことさせるなんて,倉田の奴,絶対に許さない!」

イワンであったバイオスピノモンの敗北を伝えられた倉田,エルドラディモン周辺で何事かやっていた兵士たちが必要としていた5分は既に過ぎ,イワンもまた倉田にとっては捨て駒であったことが明らかに,重要なのはイワンやギズモンで稼いだ5分で成されたこと.5分が過ぎてからではもはや勝ち目などないことを,これからマサルたちは身をもって知ることになります,
全てのデジモンの敵でユキダルモンとメルクリモンの仇の倉田,彼を討つためにここまで来たけれど,倉田の元にはまだ3人組の最後の1人,コウキが残っている.…あんだけ狙われながらも未だに「誰だ!」とか言い出すマサルの頭がいつもながら心配ですが(笑)「またお前か!」と続くので顔くらいは覚えていたのか.コウキとマサルの生身の格闘は一瞬,マサルは殴らないと進化できないってのに,コウキはつっかかるマサルの頭を取って投げやがり殴らせてくれない!
コウキがマサルたちを引き寄せているうちに,ギズモンはエルドラディモンの元から撤退.ようやく到着したトーマとガオモンがエルドラディモンの足元に急降下した時には,既に装置が動いてる…カウントダウン中のボックスタイプの時空振動爆弾.残り時間は30秒を切っていてしかも複数台.イワンをオトリにして稼いだ時間を有効に使った倉田.いくら天才でももはや解除も間に合わない!
イクトはフルチャージしてファルコモンはヤタガラモンに.けれど強化されたコウキは完全体すら蹴り一発でふっ飛ばすほどに強くて倉田の野望は止まらない.ほくそえむ彼の「It's show time!」の声に合わせて爆発する時空振動爆弾は,連携してエルドラディモンの足元に大穴を開けた! …デジタルワールドでの倉田シナリオの最終章は,2つの世界の間に大穴を開けることによって,そこに住むデジモンたちごとエルドラディモンを人間界へと送り出すこと!
沈んでいくエルドラディモンと共に人間界に送られていくトーマやヨシノたち.「全ては私のシナリオ通り!」と倉田は勝ち誇り,マサルたち,というかマサルたちを足に掴んだヤタガラモンはエルドラディモンの元に戻らざるを得ません.急転する状況の中で必死にエルドラディモンへ近づこうとするも,ギズモンがいて接近できず,足に掴まれて振り回されるマサルとアグモンが大変気の毒なことに(笑)! 緊迫した状況を見事なスピード感で描き出すだけでなく,ちゃんと笑いも取る演出が素晴らしいなぁ.
エルドラディモンは沈み,ゲートはすぐに閉じていく.ギズモンに組み付かれたヤタガラモンは高速回転で地面に急降下することでそれを振り払い,ありったけの力でゲートを目指す! もちろんすっかり死にそうな主役たちを足に掴んだままで(笑).…そして,人間界へと降りていくしかない巨体.低いビルなら飲み込んでしまいそうな津波を横浜の海に起こしつつ降下するエルドラディモンの周囲は既に敵ばかりであり,この世界に送られてしまった時点で,事態は既に詰んでいたのでありました.…普通の奇跡くらいじゃ崩せないシナリオを粛々と歩む,次回に続きます.

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