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機動警察パトレイバー#35

「煙は掴めず朝は来るの巻」

バビロンの城門ではじまった1号機とグリフォンの戦い.SSSによる爆弾の誤爆に巻き込まれた2機はなおも戦いを続ける.モニターの効かない1号機はグリフォンを掴んで離さず,太田たちの活躍によって同じくメインモニターを失ったグリフォンとの殴り合いがはじまった.最新鋭レイバー同士の壮絶な殴り合いの中でも,野明は仲間たちとともに戦い続ける.
第1小隊が応援に到着しもはやここまでと判断した内海は,バドに撤退を指示.最後には腕を切り離して離脱したグリフォンを,目を失っていた1号機は止めることができなかった.ここまで頑張りながらも捕らえることができなかった野明は悔しい気持ちで一杯だ.大事なアルフォンスをぼろぼろにしても戦い抜いた野明のことが,遊馬の目には今までとは違って見えるのだった.

グリフォン編クライマックス,ついに完結! 大人気ないけど至極真面目な死闘の果てに朝日の昇る「パトレイバー」.満身創痍でも持てる限りの全力を出し切る野明と,遊びだったはずが洒落にならない状況に追い込まれてパニックになるバドには,とても大きな差が表れます.力も反射神経も太田以下で,バドとは勝負にならないくらいの野明.けれど自分の操る機械に対する強い信頼と,彼女のことを常に支えてくれる仲間たちの存在は,極限状態の彼女に本当に大きな力を与えます.…前半ラストの切ない夜明けは,まるで最終回のようです.
で,そんな盛り上がりすぎたテンションをいつもの高さに戻してくれる後半のエピローグは軽妙.…だから行ったって痛くなるだけだって言ったのに(苦笑).ちなみに今回からアバンとOP変更.放映時はこれから夏なので,それを意識した爽やかでかっこいい映像になってます.

前半.謎の黒いレイバーの上陸後,報道陣のおかげでライアットガン撃てないわ,SSSの爆弾の誤爆に巻き込まれるわと散々な目に遭う1号機と野明.ついには気絶しちまうわけですが,気絶中に見た過去のおかげで完全にふっ切れて復活.これまではどうしても及び腰だった彼女だけれど,グリフォンの腕取って奇麗に一本背負いをかます! 怪我人の癖に勝手に指揮に復帰してる遊馬とともに,いきなりの反撃に驚くバドと良い戦いをはじめます.
度重なる衝撃によってグリフォンからは異音が上がりはじめるものの,イングラムは健在.素手で組み合う2体からかなり離れた場所に,指揮車と太田とひろみと…リボルバーカノンの姿が.2号機なしでも闘いに参加しようとする太田の必死の抵抗は,普段よりもずっといい仕事へと昇華! 馬力の差で殴られてメインモニターの死ぬ1号機.しかし黒いレイバーのモニターを,太田たちが撃ったリボルバーカノンの弾丸が吹っ飛ばした! 衝撃で転がされるひろみが痛そうだなぁ…でも「イングラムで撃っても,当たらなかったのに!」とか正直に言ってるあたり,命に別状はなさそうでなにより.
今日の主役たちは両者とも目を損傷し,今掴んだ手を離したら相手の居場所がわからなくなる.見えない野明に離したら勝ち目がないと告げる遊馬は…そろそろ肋骨が痛んで参りました(笑).だから大人しく寝てりゃいいのに.香貫花にまだ続けられるかと聞かれて「逃げ出したいよ」と弱音を吐く野明.けれど今は逃げ出せないと本人が一番よくわかっている.…それにモニタがなくたって,野明には外から見守ってくれる目がある!
かくしてはじまる最新鋭機同士のガチンコの殴り合い! 両者掴み合いながらの殴り合いでは,互いに譲らず崩そうとする巨大な拳が行き交う! 人間に限りなく近い動きを実現する当代最高の機能をフルに活用した原始的な殴り合いは,まるでスケールを間違った子どもの喧嘩のよう….そんな中でも野明とバドは違っていて,香貫花の指示に従いイングラムの電源を長持ちさせるための捜査もきっちりこなす野明に対して,バドは混乱し思考が堂々巡りするばかり.粘る野明は戦いを諦めない.「もう一踏ん張りだ,頼むよ,アルフォンス!」
最後の最後で底の粗さが露呈するグリフォンのチーム.内海たちは無事に迎えと合流できたものの,SSSのダメージでグリフォンは研究者が責任持ってくれないような不具合を起こしはじめてる.その上第1小隊もついに現地に到着しちゃって,現状で1号機とぎりぎり互角のグリフォン側の旗色は最悪に.…クロスカウンターを互いに決めて,まだまだ戦意を失っていないバドだけれど,このままじゃ互角以下の戦いになるから,離脱しちゃえと内海は指示.
「嫌や,…嫌やー!」と泣くバドもまだ粘る! 上空のヘリには「これはひどい! あいやいや,これは凄い!」とか言われてしまう,凄くハイレベルな低次元のド突き合いは倉庫の脇でのもみ合いに.そこに第1小隊の助力も微力ながら入りはじめて…撤退するならここが潮時.内海はバドに引き上げるように強く命令.しかも黒崎なんかはバドを切り捨てる気満々です.「課長が健在なら,我々企画7課は再起できます」と言い切るくらい,彼にとっては戦闘機数機分の秘密の新鋭機や卓越したパイロットよりも,あの笑った顔が貼りついたような男の方が大切なのです.
このままでは確実に負けることを思い知り,そして指示に従わなければ切り捨てられると知っているバドはついに撤退を決断.1号機に掴まれていたグリフォンの腕を切り離して離れます.モニターが死んでいる上に外にも出られない野明は,いきなり手ごたえがなくなった状況が分からなくて混乱.…彼女のよく知る普通のレイバーには,自分から腕を切り離せる機構なんてついてないですからね(笑).それでも香貫花が目の代わりに方向を指示し,野明はそれに正確に応えて再び腕を取るんだけれど…片手にだけ切り離し機構を仕込んでるわけがないんだよなぁ(苦笑).
1号機を置き去りにしてグリフォンは飛翔して離脱.「わいは負けたわけやないからなー!」と今回は完全敗北した少年は負け惜しみを叫んで飛んでいく…んだけど高度が取れなくて結局落下! 思ったほど飛べずに海に落ちたグリフォンの回収を内海が極東マネージャーに依頼してくれたので,なんとかバドもグリフォンも使い捨てにはされずに済みそうです.
…そして.黒い手は2つ手に入れたものの,本体には逃げられてしまったぼろぼろの1号機.黒い奴が飛んで逃げたことで全てが終わってしまったことに総員は呆然.さらに1号機まで気が抜けたように電源が尽きて,膝を突き胸の部分が吹き飛んで,コックピット部が剥き出しとなる.心配で泡食って走り寄りよじ登る遊馬が見たのは,野明がコックピットにうずくまっている姿….体が痛いわけではなく,逃がしてしまった心が痛い.「…逃がしちゃったよ.ここまでやっときながら」と涙声で応える同僚に,遊馬は言葉を捜します.
訪れる夜明けの中の2人.性分で,真っ直ぐ優しい言葉をかけることができない遊馬は「イングラムは頑丈だよなぁ.晴海で乗ったエコノミーなんてさ,ひとたまりもなかったけどなぁ」と微妙に彼女の愛機を誉めてみる.それに野明は「あたしはさ…こいつと,一緒に逃げ出したいの我慢して,戦い抜いたのに…」と涙が止まらない.アルフォンスとその根性があれば,何度やったって,いい勝負ができると慰めたなら,「…いい勝負じゃだめだ!」と目を伏せる野明.…悔しすぎて,今は言葉で慰められるような状況ではないから,「そうだな.いい勝負じゃ,だめなんだ…」と,それでも傍にいる遊馬.
野明が今悔し泣きできるのは,太田たちの狙撃あってのこと.あれがなければ黒い奴にコックピットごと1号機を持って行かれてたかもしれないからなぁ.あれほど頑張ったのに逃げられたことは相当歯痒く悔しいようですが,野明は精一杯やったんだから許してやってください(笑).後藤は彼にしてはかなり珍しく,2人のおかげで泉が潰されずに済んだと礼を言った上,「人はそれぞれだよ.まあそう力むな」と太田をなだめる.
すっかりぼろぼろの1号機などは第1小隊の助けを借りて撤収.「手数料高いわよ?」とか言ってるしのぶが可愛らしい.その頃には,野明はコックピットから降りて水平線の向こうの朝陽をじっと見ておりました.闘いや悔しさの興奮状態から離脱して,落ち着いてきた野明の傍にもやはり遊馬がいてくれています.「お前さあ,性格変わったんじゃないか?」と聞く遊馬.「正直言って,あんなんなるまでやると思ってなかった」という感想に,「あたしも,思ってなかった」と呟く野明.…本当に無我夢中で頑張った相棒にふうん,と答えて優しい目で見守る彼と,見守られている彼女を照らす,美しい朝陽.

後半.結果的には両者痛み分けとなった城門の戦い.…あ,SSSだけは間違いなく負けたか(笑).現場では警察の検証がはじまる前に証拠を隠滅しようと,現場では朝一番からシャフトの連中が右左.シャフトの極東マネージャー配下のヘリが洋上に漂うバドを発見し,こちらは無事に回収されそうなんですが,困ってしまったのはまだ現場から出られなかった内海たち.困った彼は共に徹夜明けのシャフトジャパンの専務の下に,電話をかけます.
凄い昨晩の徹夜の疲労ですっかりぼろぼろの専務のところに,「内海でございまぁす!」と昨日後ろ足で砂かけやがった部下から電話.そりゃこれからどうするつもりだ!と内海を怒るのは当然のことだと思います(苦笑).バドは回収されグリフォンは東京湾の底.さんぐりあ号も当然撤退しているはずなので,現場に残る昨晩の事件とシャフトを繋ぐ証拠は内海たちだけ.ゆえに専務としてもすぐさま彼らを保護したいわけですが…「とりあえず今日は出社したいんですがねー? SSSをなんとかして,ちょうだいっ!」なんて言われると…凄く救いたくないだろうなぁ絶対(笑).
けれど会社を守るためには,どんだけ嫌な奴であろうとも救わねばならないときがあります.今回それに巻き込まれてしまってさらに負けることになるのがSSS.グリフォンのおかげでただでも被害甚大な上に,あれだけのドンパチをやらかして,爆発物まで誤爆させてしまっては当然警察にもマークされるはず.自分たちを守るだけでも精一杯だってのに,さらに社長直々に現場に連絡が入り,裏切者で敵であるはずの内海を見逃せと指示が来る.…あれだけやらかしても使えるからと庇ってもらえる内海は,一体これまでどんな仕事をやってきたのやら.
シャフト側が後始末のために慌しいのに対し,これ以上現場では何もできない第2小隊は現場を別の部署に任せ,揃って帰還.昨晩のヒロインであった野明は車中から既に夢うつつ.そしてそんな彼女を心配して駆けつけた遊馬は,痛み止めを忘れたので榊と同乗して寮へと強制送還されることに.…だから結局笑うほど痛い目に遭うだけなのになぁ(苦笑).「大丈夫かねぇ」と野明も心配.心配する方とされる方が元に戻ったのが,彼らに日常が戻ってきた証です.
二課のハンガーでは整備班による1号機のチェック開始.野明は頑丈なイングラムのおかげでかすり傷もなく,イングラム自身も太田機に比べれば遥かに軽症で,メーカー送りにはなるもののすぐ戻って来られるだろうというのがシゲの見立て.篠原の最新鋭機が実に丈夫な上,野明のパイロットとしての腕前も優れていたからこその成果です.
これだけ野明が立派にやり遂げたんだから,先に自分の機体を潰してしまった太田はぶつぶつ言ってはいかんと思います(笑),「我々は帰ってきてよかったんですか!」と憤る太田.黒いレイバーには結局逃げられたこの戦い,けれど第2小隊は既に全ての力を失ってしまい,現場は機動隊が仕切りその後は捜査部が仕事をしてくれるから,今日の第2小隊の仕事は十分に休養を取ることだけなのです.
「わずか3日間で俺たちはぼろぼろだ! 今後の建て直しを考えただけでも,頭が痛いの!」と後藤を嘆かせるくらいに酷い目に遭わされた割になんだか明るい一同.徹夜明けの野明は強い睡魔に襲われて,二課の宿直室で制服のまま,押入れの中の布団がずり下がったところに掴まって眠り込むくらいにぐったり.…そんなくたくたの一同の中で,この後面倒なことになりそうなのが進士.多美子さんときたら昨晩の中継で夫が出ていたところをしっかり録画の上,奥さん仲間に雄姿を早朝から報告中.こんな状態のところに戻ったら,振り回されて眠れなさそうな気がするなぁ….

それから時はしばし過ぎ,ある雨の日からはじまるエピローグ.成田空港に香貫花の見送りに来たのは後藤だけ.残る連中は修理の終わったイングラムが帰ってくるので待機中です.警視庁の方では,これまでに黒いレイバーの機体の一部が上がったものを調べたものの,相当妙な代物のために出所が特定できないまま.大抵はどんなレイバーにもメーカーなりの特徴があるわけですが,黒い奴はどんな機械とも似ていないために出所がわからない.
さらに香貫花の捜査も思ったほどの成果はなし.SSSはレイバーを4台壊されたとあくまで被害者顔を貫き通し,黒いレイバーに関しては何も吐かなかった.…晴海の件にシャフトの内海が絡んでいたこと,シャフトの土浦研究所からシャフト保有のさんぐりあ号に何かが積み込まれて東京湾へと向かったこと,SSSが黒いレイバーの動きを察知して事前に待ち受けていたこと,そしてシャフト社は,最も高い技術力を持つレイバー会社2社の内の1社であること.状況証拠はシャフト社こそが震源であると告げているわけですが,日本ではそれだけでは逮捕できなくて,香貫花はアメリカへと戻っていきます.
見送った帰り道,後藤はインド人風の2人連れとすれ違いました.煙草を咥えた後藤はいきなり「…あのー,火,貸してもらえませんか?」と,小柄な少女を連れ,ターバンでヒゲを蓄えた,笑った目の男にいきなり尋ねます.「臭いがしたんですけどねぇ…」「タバコの?」「火です」…当然ながら熊耳や遊馬から,ゲームセンターで出会ったあの2人について聞いていた後藤.変装した2人組が自分たちの探している相手だと,しっかり感づいているのです.
思わせぶりな後藤の言葉に冷や汗の内海.付け髭は汗で取れかけるし,バドはびくびくしているし….けれどあくまで状況証拠.「ニオイだけでは,シカタありませんネエ」とトボけるインド人に「臭いだけではねぇ」とにやりとする後藤.…食わせ物2人の直接対決は,そのまますれ違って終了.しかしどうやら精神的には,後藤が圧倒的な勝利を収めたようです.
そして第2小隊には待ちに待ったイングラムが帰還! 愛機の帰還に大喜びの野明は早速試運転…かと思ったら,いつものようにやっぱり磨き始めて「変わってない!」.けれどそれはあくまで表面的なもので,内面は既に相当違っている,はず,なんだよね(笑)? 大きな壁を乗り越えた彼らは確実に成長しているわけですが,その成長ゆえにあちこちが痛むこともあり…次回に続きます.

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