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デジモンセイバーズ#36

「真の理性は非道ではないの巻」

ガオモンとともに寝返ったトーマは,倉田に依頼されたデジモン制御装置を完成させた.ベルフェモンを意のままに操ることが可能な装置の完成を倉田は喜び,早速ベルフェモンの強大な力を世界に対して披露.人間界に対して宣戦布告する.ベルフェモンの件はイクトを通じてマサルたちにも伝わっていたが,アグモンがデジタマに戻ってしまったマサルには何もできない.
その頃,倉田の研究所に侵入していた湯島たちは手術直前のリリーナを連れ出そうとしたが,トーマにそれを阻止されていた.手術室に準備されていたのは人間とデジモンを融合させる装置.自分の妹がデジモン人間に変えられるとトーマは知っていながら,手術を止めようとはしなかった.

トーマの裏切りとアグモンのデジタマ化によって最悪の状態へと落ちた「セイバーズ」.番長よりも強いという救世主を目指さねばならない正義の味方は本当に無力で,逆に全ての元凶である悪は最大限まで増長! どれほどの凡人でも10年かけて弛まず準備を続ければ,伸び盛りの天才たちが全力で反抗したとしてもその差を覆すのは相当に難しい.まさに「継続は力」なのです.
倉田の場合は国家機密省にがっちり食い込んでいたのがポイント.巨大な組織の中に潜り込むことによって、ただの弱虫は手がつけられないほどの巨悪へと化けました.…薩摩も湯島も,とりあえず長官は無視していいとして(笑)もうちょっと国家機密省そのものと仲良くなることはできなかったんだろうか.倉田の接近をもっと早くに察することができれば,こんなひどい状況に陥らずに済んだはずなんだけどなぁ….

倉田側に寝返ったトーマが作成したのはデジモン制御装置.これで拘束すればベルフェモンだって思いのままに操れる優れものということで,倉田は大人気なく大喜び! トーマは妹の命のためにこんなものまで作ったようですが,「あの」倉田がやらかす治療なんかどうせろくなもんではないと自覚していないはずがないんだよなぁ.てなわけで,寝返った直後の奴に作らせた拘束具を信頼してベルフェモンに装着し,「目覚めよベルフェモン!」 と早速起こしてしまう倉田.世界よ私の前に跪くがいいとか寝言をほざく巨悪の傍で,トーマは自分の手の時計に手をやっている…裏切った奴はまた裏切る可能性が著しく高いもんだぞ?
どう見てもトーマより子どもな倉田の研究所では,リリーナさんのところにカメモンと湯島が侵入して手術直前の彼女を連れ出そうとします.逃げる途中で目にした手術室にはデジモンの入った水槽が並んでる….倉田がリリーナを使ってやらかそうとしているのは,罪のないデジモンと妹の融合.あの馬鹿がリリーナをコウキたちを同じような存在にするつもりであるのは間違いないのに,「そこまでですよ,湯島さん」と止めるのはトーマ本人.デジタルワールドでデジモン人間と戦ってきたトーマが,その行為の邪悪さを知らないわけがないというのに….
順風満帆なはずの倉田側で不可思議な動きが続いていたその頃,仲間の裏切りとアグモンの無力化によってどん底状態の元DATSたちには,わずかに光明が見えはじめていました.昨晩ミラージュガオガモンに海まで吹っ飛ばされたイクトとファルコモンを探していたら,なぜか海ではなくて倉庫の方からイクトたちが登場.もちろんぼろぼろのふらふらではありますが,生きていてくれただけでも本当にうれしい上に,大変に気がかりなことを口にするのです.
早速介抱されたイクトの証言は「…直撃じゃなかった」.あのときミラージュガオガモンの攻撃は間一髪で当たらなかったため,海上に吹っ飛ばされず港に落ちてしまったわけです.あのトーマとミラージュガオガモンが至近距離で攻撃を外すわけがないことを,仲間は全員知っている…もちろんマサルも.寝返って敵対し殺したいくらい憎い奴が,なんでイクトたちをぎりぎりで生かしておいたりしやがったのか? 物事を見えたとおりにしか理解することのできないマサルは,矛盾した事実に戸惑います.
もちろんイクトが持ってきた情報はそれだけじゃない.目玉は彼が覗き見して知った倉田の野望の全貌! 伝説の七大魔王の一,はるか昔にデジタルワールドを破滅寸前に追いやった存在が今倉田の手の中にあって,しかもそれを使って2つの世界を牛耳ることを考えていやがる! …2つの世界の対立の発端となり,決定的に2つの種族を隔てることになった大量虐殺を行った上,ついには禁忌の力に手を出して2つの世界に迷惑をかけようとしている倉田は最悪に最悪! 「とことんブチ切れてやがる!」とマサルも呆れるくらいだけれど…今の彼には,その悪を止める力がないのだ.
倉田の最低最悪ぶりは伝聞ですら明らかで.増してやそれを目の前で得意げに聞かせられたらイクトでなくても殴りたくなるはずですが,それを実際にやられたトーマは,妹を救いに来てくれた湯島とカメモンを逆に捕まえてしまいます.「お前さんの裏切りは,妹を人質に取られたせいだと思ったんじゃがのう」とカマかける湯島に対し,「とんでもない.これは僕にとって,願ってもないチャンスだったからですよ」と悪びれるところのないトーマ.ここにいれば妹の病気が治り自分の天才的な頭脳も発揮できると,これまでのストレスを元上司にぶちまけるかのように言うのです.
倉田の手術でリリーナがデジモン人間にされることはわかっている.しかしそれでも彼女が治るなら,特に父はその手段を手放すことができない….どれほど非道な行いであろうと,「どんな手段であろうと,生きる道があるならそれにすがるのが家族だ!」と言い切って恥じることもない.何をしてもリリーナの命だけは救いたい父のエゴが哀れだよなぁ….そしてそんな父にトーマは迷いなく同調…ただし,気にしていたのはリリーナの首にかかった赤い光を放つチョーカー.いくら倉田がバカな子どもでも,裏切り者の再度の裏切りを防ぐ手段を準備していないわけがない.
さて,そんな最低最悪な上に小ずるい倉田は,制御装置で自在に動かせるようになったベルフェモンを持ち出して試運転開始.わざわざみなとみらい上空に陣取って,これまでのいろいろで廃墟の多い横浜の街をさらに破壊する! …これまで散々酷い目に遭わされてきた街だから,避難はあらかた済んでいるはずだと信じたいけれど…にしてもあんだけぶっ壊されたら絶対人が死んでるな.そんな倉田の大暴走に泡食うことになったのが羽柴長官.人を見る目がなかった羽柴が今更焦ったってもう遅い! 国家機密省のモニターに一方的に大写しになる得意げな倉田の顔.この男,人類に向かってもベルフェモンの破壊力を見せつけようとしやがるのです.
凡庸な見た目に反して,決して信頼してはならない悪であった倉田の本性を目にした羽柴は愕然.こんなことをやらかした理由について「ずばり答えましょう…世界征服です」…お前一体何歳だ(苦笑)! 世界を救った救世主と自ら名乗った上に,「私こそが世界の王に相応しい」とか誇大妄想も甚だしい.明らかに病気だから鎮静剤でも撃ち込んでカウンセラーのところに引きずって行きてえなぁ….自称救世主は各国政府への通達を命令.「すみやかに主権を放棄し,この新世界王である私の前に無条件降伏せよと.要求に応じない国家はベルフェモンが裁きの炎によって全てを焼き尽くします.国土,文化,生きとし生けるもの全てを!」…鎮静剤じゃなくて実弾が必要だ!倉田自身は小心者でずるい誇大妄想の,ただの人間.しかし彼の操るベルフェモンはこれまでのデジモンの中でも最強! デジモン相手では通常兵器があんまり効かないのが既にわかっているので,まともに相手ができるのはきっと元DATSの面子のみ.あんなのを放っておいたら誰のためにもならないから,一刻も早く止めねばならないのだけれど! …戦う力を失ってしまったマサルだけは待機.いくら規格外でも人間一人の力で究極体なんか相手にできるわけがないし,アグモンが眠っているデジタマはいつ孵るかもわからない…このままじゃ主役失格です.

マサルとトーマ,2人のエースを失った元DATSの一同.しかしそれでも彼女たちは諦めない! 廃墟の街を走る白さんと黒さんのバイクにヨシノとイクトも同乗.いつもは後衛やバックアップに回っている4組の戦いでは,唯一究極体まで進化可能なヨシノがリーダーを務めます.オーバードライブでロゼモンへと究極進化.残る3人はフルチャージで…ヤタガラモンはいいとして,白さんと黒さんのポーンチェスモンまで完全体進化できるんだ(笑).黒がルークチェスモン,白がビショップチェスモン.確実に戦力になるはずだけどなんで温存されてたんだろう…もしかして,逃亡中に会得したのか?
倉田の操るベルフェモンの攻撃は痛い.4組の心はかなり強いけれど,どれほど果敢に攻撃をしかけても通用しないのだ.完全体ではそもそも力が足りないし,ロゼモンのローゼスレイピアでも効果がない…未だ眠っていてしかも制御装置で縛られているってのに,ベルフェモンはあまりに強すぎる.自分の操るベルフェモンの強さに,大門スグルが作ったデジヴァイスなど何の役にも立たないと笑う倉田.トーマの力で完成した制御装置がなければ扱えないようなものを自分の力だと自慢する彼の,大門博士への恨みは一体どれほど深いのか.
「低俗科学者のデジソウル理論に頼ったあなたたちに,勝ち目はない!」と勝ち誇る倉田.デジモンと人間が心を通じ合わせることで強くなる大門博士のやり方と,デジモンたちの命をただ1体のデジモンに注ぎ込むことによって力を手に入れた倉田のやり方.倫理的にはもちろん大門博士が正解だけど,強さでは今のところ倉田の圧勝…「デジモンは力で支配する! 私はそれを証明した.私の勝ちです」と哄笑するマッドサイエンティストは天井の影も禍々しくて…なんでいい大人がこんなにおかしくなってしまったんだろう.それほどまでに大門博士の影響は大きいってことなのか….
ベルフェモンと元DATSの残りが外で激戦を繰り広げている頃,すっかり無力化された我らの主人公はデジタマの目覚めをいらいらしながら待っておりました.「あのとき,アグモンの気持ちなんか考えもしなかった.トーマをぶちのめすことしか…それは謝る!」と物言わぬ卵に頭を下げる様はとても滑稽だけれど,他にできそうなことがないんだから仕方がない.その上でさらに「憎しみのデジソウルなんかより,もっと苦しいことがあるだろ?」と耳のない卵に己の苦しさをぶつけるマサル.裏切った仲間への憎しみよりも,皆が必死で戦っているときになにもできないことの方がずっと辛い….
仲間を思ってこんなに心は熱いのに,その熱ばかりが高まって現実に結びつかずに不完全燃焼.それは自分だけでなくアグモンも一緒なのだとマサルは信じて,「だから,俺と一緒に戦おうぜ! 早く復活してくれ,アグモン!」…テーブルの上に置かれた卵に必死で語りかける兄貴を見守る母と妹は一体どんな気分なのやら.あまりの必死ぶりは哀れなような,その必死っぷりが相当間抜けなような….
今回はあちこちで皆必死.特にトーマに見つかって捕まった湯島は,下手すれば人命に関わるようなことになるからと柄にもなく扉への体当たりを敢行! 老骨には厳しいけれど兄の手で妹がデジモン人間にされてしまいそうなんだから全力で! …兄を信頼する妹は,自分に何をされるのかも知らないまま,元気になったらかけっこしたいなぁなどと無邪気に語っているのが哀れ….ここでトーマは手術の準備を進めつつ,ちらちらと自分の腕時計を気にしています.
世界に対し宣戦布告し,2つの世界の敵となった倉田.伝説の魔王の力は主力を欠いた元DATSですら抑えられないんだから,もちろん国家機密省になんとかできるレベルではない.羽柴がはっきり敵に回ったことには倉田もびっくりしてますが…ちょっと驚く程度で終わり.そもそもミサイル程度がベルフェモンに効いてればもっと話は簡単だった! とはいえ日本政府が自分に牙を向いたことは間違いないので,「要求拒絶ということですね」と倉田は笑顔.2つの世界に喧嘩を売って最高に調子に乗った倉田.…しかし!
手術室ではリリーナの手術がスタート.融合前の準備としてリリーナの首のチョーカーが外れたところで…「今だ,ガオモン!」とトーマが命令! 水槽に入れられたチョーカーは爆発,水槽四散! …やっぱし爆弾だったのか! これが倉田がトーマを縛り付けていた鎖で,それが解けたトーマは堰切ったように手術室で大暴れ! 「手術は中止だ!」と時計に手をやって押せば,ベルフェモンの制御装置がいきなり無力に! …妹を人質にしているからと,裏切ったばかりの奴に作らせたものをきちんと調べもせずに使った倉田が悪い!
枷の外れたトーマは「間に合ったようですね」とすっかりいつもの調子.寝返ったことなんかいきなり忘れたかのような切り替えの早すぎる(笑)彼曰く,制御装置の壊れた理由は単純明快で「僕が爆破装置を仕掛けておいたんですよ」.やむをえない事情で倉田の元に下らねばならなかったトーマにしかできなかった罠は,近づいていた分だけ見事倉田の首にかかりました.「もうベルフェモンは動きません! あなたの野望もここまでです!」と全力で裏切った! …倉田は思い切り取り乱してますが(笑)裏切られてもいいように警戒をしていなかったのが悪いよなぁ….
ガオモンをずっと連れてたあたりから,倉田を裏切るつもり満々だったトーマ.彼の行動を縛っていたリリーナの首の爆弾は手術の時しか外されないと知っていたから,このぎりぎりの機会を待って一発逆転を狙うしかなかった.…妹を見殺しにするほど非情ではなく,かといって世界を見捨てるほど責任感のない奴でもなかったトーマ.ガオモンも張り裂けそうな心の叫びを聞いていたからこそ従って,イクトたちを倒すふりまでやってのけたのだ!
決して外道ではなかった息子.しかしこの手術の他にリリーナを救う方法はないと信じ込んでいる父は息子に怒りをぶつけ…けれどもう自由なトーマは「僕が治します」と断言する.何百人の専門家に見せてもわからなかったリリーナの病.それを治すためならばどんな手段でも選ぶ父と違って,トーマには別の選択肢がずっと前から見えていた.恵まれた才能にさらに磨きをかけていたのは妹を救うため…「ずっと学んできたんだ!」 いくら天才でも医師免許なんか簡単に取れるようなもんじゃない.ずっと前から考えてひたむきに努力を続けてきたに違いないから…きっとトーマは見つける.新しい手段を!
そして,案の定な展開に唯一ついていけてないのが倉田! 役立たずになった制御装置を踏みつけて…「甘いですよトーマ君」とか言いだしたよこいつ! さすがに最終手段くらいは準備していたようで,「私自らがベルフェモンの心となりましょう!」と己をデジソウルの形に分解し,ベルフェモンに照射する! …制御装置から目覚めのベルが鳴り響く.可愛らしい赤子から凶悪な獣へと変貌し,暴風と衝撃を撒き散らす,赤い瞳のベルフェモンレイジモード! これが七大魔王の一の本性.しかもその中身は最低最悪の倉田…! こんな厄介な相手をどうやって料理すればいいのか.
けれど元DATSはまだまだ諦めない.なんたってツートップの片方が寝返りを終わらせて戻ってきた! …ここまでトーマが仲間たちにかけてくれた迷惑に関しては,本当にいろいろと言いたいことがあるわけですが(笑)本人たちは空中でオーバードライブなどやらかしてやる気満々! ミラージュガオガモンとトーマ,切り替えの早いこのコンビはついさっきまで従っていた相手に堂々と反旗を翻すのです!

地上での乱戦の影響で,外の状況が何も分からなくなった地下基地.その中でもう我慢できなくなったマサルは卵を抱えて走ることを決意! このまま待機して心の熱ばかり上げていても何も現実は変わらないから…「皆が必死で戦ってるのに,俺たちだけが何もしねえでじっとしてるなんて,我慢できねえんだよ! どうなるかわかんねえけど,皆のところへ行く! 行かなきゃならねえんだ!」…一本気な息子の決意に,「わかったわ」と母は笑って「行きなさい」と許す.これで命を落とすようなことになるかもしれないけれど,それでも笑って送り出す!
一度は壊れてしまった元DATSの団結.しかしトーマたちが帰還して,さらにマサルも戦場へと走り出す…これで戦場に残っていないのはアグモンだけ.卵のままの相棒を風呂敷に包んで背中に負って,廃墟の横浜を駆けていく主人公は…なんだか間抜けな絵はありますが(笑)本人たちは至極真面目にやっているので笑わないでおいてあげましょう.さて,今回の八島マサルは絵の崩れ方に時々コケそうでしたが,次回のマサル…お前は一体誰だ(笑).異様に濃くて熱い,復活の次回に続きます!

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