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機動警察パトレイバー#36

「自分に自信はありますか?の巻」

黒いレイバーとの激戦の傷を癒すように,奥多摩分校へ1週間の研修に赴いた第2小隊.メーカーから戻ってきたばかりのイングラムをいつものように早速模擬戦で酷使する第2小隊だが,野明だけはいつもと少し様子が違っていた.黒いレイバーを取り逃がした自分が本当に役に立っているのかを疑うくらい,内心自信を失っていたのだ.
太田のように射撃は上手くない.進士や遊馬のようにコンピュータを扱うこともできない.ひろみのように応急修理の筋がいいわけでもない.気合も空回りしがちな野明は一人で夜食の買い出しに出かけ,その帰り道に行方不明になってしまった.しかもこちらに向かい,強盗事件の犯人が逃げてきているというのだ.

激戦終わって気が抜けて,レイバーがあんまり派手に働かない通常営業に戻っていく「パトレイバー」.テレビシリーズ全体を通してもあれほどの激戦はこの先には残っていないので,ここでしっかりクールダウンして次回以降のための準備をするのは案外大切です.黒い奴との戦いで,善戦ではあったものの結局取り逃がしてしまった野明.周囲から見ればあれだけできれば十分過ぎるくらいの成果は上げているはずなんだけど,それに本人が満足しているかどうかはやっぱり別の話.特に自分に負い目があるときほど,認めて欲しい気持ちってのは無駄に強まってしまうものです.ちなみに原画に山根理宏(まさひろ山根)の名が.なんだかかなり得した気分になりますね(笑).

前半.激戦を終えてしばし後,なぜか奥多摩分校へと戻ってきた第2小隊.通常業務から離れての一休みというよりは,メーカー送りとなった後戻ってきたイングラムを使いこなすための訓練期間か,あるいはあの大事件に関する取材攻勢から小隊を守るための都離れなのか…ともかく場所が山奥になっても,彼らは変わらず元気です.今日はイングラムを使って「実戦的な」模擬戦.太田は直線的な動きしかできないと遊馬は舐めているけれど「直角体当たり」ってなんだそりゃ(苦笑).そんな無茶な負荷をかけたら関節駆動系が壊れてしまうと進士に怒られても,太田はまったくコリてないので…早く退院してください.熊耳さん!
この直角体当たりをきっかけに,模擬戦はさらに滅茶苦茶な状態に.…普段なら野明はこういうのにはまず文句を言うはずなので,やったなー!と短絡的に逆襲しているあたりからちょっと様子がおかしいんだよな.これから7日もあるのにいきなりイングラムを潰しそうな激しいバトル.クロスカウンターまで出ちゃう激しい模擬戦に,「これぁお前,ひどいよ!」と教官は呆れ,篠原から出張ってきていた実山もすっかり呆れます.
「これじゃサンプルも取れやしない」と嘆く八王子工場長である実山.篠原重工が高額なイングラムを警視庁に提供しているのは,特車二課の多彩な仕事の中で一流の操縦者のデータを取りたいから.中でも設定範囲内での効率的な動作のサンプルは次世代機開発には不可欠.エコノミーが晴海でやられ,フラッグシップのイングラムも勝てなかった今,篠原は強い新型機を一刻も早くリリースしたい! …社長が聞いたら泣きますよってな実山の言葉に「泣くか!」とそっけない遊馬.父との仲は相変わらず悪いのか.
夕方,ハンガーの野明はさっきの訓練で早速イングラムが傷ついてしまってしょんぼり.けれどそのしょんぼりも,なんだか妙にテンション高い….お前は受身の練習でもしとけと太田に言われ,さらにしょんぼりしてため息の野明.遊馬から見ても今日の野明の挙動はどこかがおかしいわけですが,「ただ太田さんの動きがよかっただけ!」と言い訳.…けれど一番彼女の近くにいる遊馬には,とてもそれだけとは思えないようです.
いつも元気な彼女が捕らわれていたのは,自分に対する疑念.ヒロインのお風呂はサービスシーンのはずなのに,肩にはコックピットでついた痣が青々で色っぽさはない.うら若き乙女がそうなるくらい,体を張って苦労はしているはずなのに,「ちゃんとお役に立ってんのかなぁ…」と不安に思ってしまう.あれだけ頑張っても勝てず,ゆえに達成感も得られず,「なんか手ごたえが欲しい…」と悩んでしまうのです.
翌日は打って変わって射撃訓練! 奥多摩の山々に銃声を鳴り響かせて全弾発射.1号機は一応全弾当たってて,ちょっと野明は喜ぶんだけれど….機体に傷がつくのを嫌がる癖に,飛び道具を使うのも周囲の被害を考えてためらう野明.矛盾した彼女の守りたいものはその実力からすればあまりに多すぎて,ゆえにどうしても肉弾戦で傷ついてしまうんじゃないかなぁ.
傷をつけるたびに嘆くのは面倒だけど,それでも太田みたいに撃ちたがるよりはマシというのが指揮担当の意見.高い弾を全部撃ってしかも格闘戦で機体まで壊す太田に比べれば!…けれどひょいと顔出して遊馬を驚かせる後藤は,ちょっと違った見解を持っているのです.
標的の状況を確認し「泉が銃を使わんのは,正解かもな.命中率が悪すぎるわ」と手厳しい評価の後藤.なら太田はどうなのかと思ったら,向こうは全弾が的の中心に当たってる.「相手のコックピットに当てちゃったこと,ないでしょ?」と後藤も信頼する太田の腕前.普段当たらないのは腕前ではなくて,動いている相手の関節や末端部に当てるのが難しいから…って,ど真ん中狙ってることも結構あるような気がするんだけどな(笑).つまらんと言いながら去る太田の見事な腕前に,半人前の野明は衝撃を受けます.
訓練終了後.太田の腕前に落ち込む野明の所にやってきたひろみ.強がって笑っている野明に,別カリキュラムで頑張っているひろみは自分が習っていることをうれしそうに説明.本当はレイバーに乗りたかったけれど,体が大きすぎて乗れない不遇のひろみ.けれど応急修理を覚えれば,多少壊してもその場でなんとかできるようになるかも! 「筋がいいって,誉められちゃいました」とうれしそうな彼に,自分の頭をぐしゃぐしゃにしながら「おめでとうー」としゃがみこむ野明.今の感情をどうすればいいのか,よくわからなくなっているようです.
自分だけうまくない.自分だけ役に立ってない.野明の劣等感は訓練終了後も強まるばかり.進士や遊馬にコンピュータを教えてもらっても,この手のことの飲み込みがいいわけではないから早々についていけなくなってしまう.部屋の端から小学校の時からやってる人とは違うとすねたって,そのことで巧くなったりはしないってのは承知しているのだろうけれど.
1日通しての訓練の終わった後は腹が減るもの.夜食が欲しくなりくじ引きで買い出し役を決めようかと思ったら,様子のおかしい野明がこれに立候補.暗い夜道を一人,離れた商店まで買出しへと出かけます.…皆の間にいても自分がダメなのが余計はっきりするばかり.情緒も気合もからからと空回りする彼女は,一人になることで頭を冷やそうとしているようです.
買い出した帰り道,夜の橋の上.頬杖突いて川を見ていた野明が見つけたのは,上流から何かが流れてくる見覚えのある紙…万札だ.しかもそれは次々に流れてきていて,きっとそのまま自分の財布に押し込むんじゃないかな.警察官でさえなければ(笑).しかし警察官である野明は懐中電灯片手に上流に向かってしまうのです.「事件のニオイがする」と,たった一人で.
そして…こっそり夜食を買いに行かせた野明が戻ってこない! 太田と後藤にそれがバレてしまって太田にくどくどと叱られる遊馬は辟易.とりあえず全員で行方を捜そうと外に出たところ,サイレン鳴らしつつパトカーがやってくる.これが板橋の金融強盗事件で使った車を追ってきたパトカーで…まさかこの山に凶悪犯? 上流に向かっていた野明もベンツが止められているのを発見し,運転手を探して川の方向に下りる.…誰もいないはずが,下から伸びてきた手に足首掴まれて引きずり下ろされる!

後半.野明が行方不明な上に強盗犯人がこっち向いて逃亡中ということで,夜を挺しての捜索に同行することになってしまった遊馬たち.川から流れてくる札も発見し,あの馬鹿はこれを拾いながら上流に行ったに違いないと呆れている後ろで,後藤が山狩りの必要がなくなったという報告をこっそり受けてますね.実は強盗犯は検問で逮捕されてるって情報は小さな声でごまかされているなぁ….
で,そんなことまでは知らない後藤の部下たちの中でも,太田は口に反してハチマキ締めて特に大張り切り.間違いなく一番やる気だなこの人(笑).「泉は馬鹿だが同僚に違いない!」と,なんだか妙に同僚思いなのがおかしい.悪い人じゃないんだ…迷惑だけど(苦笑).「泉に何かあったら犯人をぶん殴るからな! 止めるなよ!」なんて,警察官としては本当に困った奴だけど,いい人だよなぁ(笑).
確かに太田が言うように,今日の野明はどうかしている.見つけたら仲間に報告すればいいのに.自分勝手にひとりで探しにいくような奴じゃないはずなのに….てなわけで行方不明者捜索のため,現場では2班にチーム分け.太田,篠原,山崎は無線機を持って沢上り.進士は後藤と一緒に野明の自転車探し.…相変わらず遊馬は太田が気に食わないけれど,命令とあれば同行しないわけにはいかない.
さてその頃,川岸に引きずり降ろされた野明の懐中電灯が照らしたのは…闇に浮かぶおっさんの顔! 「助けてくれ…」とか言う彼は怪しい者以外の何者でもなかったわけですが,実質は足を怪我して重い荷物を抱えたただのおっさん.野明はそんな不審なおっさんを肩に担いで,とぼとぼと川岸を歩いていきます.
おっさんの抱えた口の開いた重そうな鞄.その中からは札束が顔を覗かせており,絶対に彼はそれを手放そうとしない.…どこかの草叢にでも隠してしまえばいいのに.しかも「この金のこと,警察には黙っててくれ」なんて必死に野明に嘆願するけれど,とてもそんな風には見えないけれど彼女は本当は…(苦笑),
いくらお願いされたって,既にもう完璧にダメになってることってのはあるもんで.粘るおっさんは札束差し出し,黙ってくれたらもう1束あげると口止め料を渡そうとするんだけれど,野明には真面目以前の問題がある.上流から流れてきた2万円までご返却する「今時堅苦しい子」.その堅さにおっさんは呆れてもなお,しぶとくまだ説得を続けやがるのです.…とうの昔に手遅れなのになぁ(笑).
野明が誰なのかを知らないおっさんの口止めはどこまでも続き,札が川に流れちゃったから手遅れだと諭しても知らん顔すればいいんだとあがき,野明のことを「頭の固い,おまわりさんみたいな子だなぁ」と評したら…「そのおまわりさんですよ」とぶっちゃけた(笑).ひぃっとおっさんは息を呑み,「誰が」「あたしが」「嘘」「本当」「…えらいことになってしもうた!」とがっくりうなだれる.まさかこんな普通の女の子が警官だとは思わないだろうから,仕方ないよなぁ(苦笑).
身分をぶっちゃけることで完全におっさんの優位に立った野明は,隠したがるのはよくないとお説教をはじめ…ここで太田がついに行方不明者と犯人こと野明とおっさんを発見! 「強盗犯人だ!」と遊馬に言われて野明はびっくり,おっさんは違うと断固抗議! もちろん一番心配していた(笑)太田は早速走り寄っておっさんの襟首を掴む.ところが後藤はあんまり手荒な真似はするなと妙に犯人に優しい.この期に及んで強盗じゃないとしらばっくれる犯人など庇う必要などなさげなんだけど…「そのとおりなのー」「…何ー!?」
後藤と注意深い視聴者は既にご存知のとおり,銀行強盗の犯人は既に検問で逮捕されており,おっさんは本当にただのおっさんで無事に救急車で運ばれて行きました.もちろんそんなことは遊馬も太田もまったく聞いてない! 悪い上司の秘密主義ぶりに「こういうやり方で人を使うのやめてもらいたいんですけどねえ!」と部下が本気で怒るのも無理はない(苦笑).
物凄く心配してしまったからこそ,なんでもなかったときの居心地の悪さったらない(苦笑).自分は強盗犯逮捕に勇んでいただけだと必死でごまかすけれど,「何かあったらぶん殴る」ってな言葉は口から出た後ではもはや戻らず…指摘されて顔を赤くし大汗をかいて言い訳をする様子は,まさに別にあんたのことを心配したわけじゃないんだからね!であり,「赤っかい顔して何言ってるんだお前」と呆れられるほどのツンデレなのです(笑).
で,この状況を一番よくわかっていないのが野明.札束拾って上流に行って,おっさんを見つけて一緒に歩いていたら急に強盗だと言われてしかし結局強盗じゃなかったらしい…ってな感じ.なんで皆がこんなに焦ったり怒ったりしてるのか掴めない(笑).あまりの物分りの悪さゆえに,助けがいのない同僚に太田は思わず拳を振り上げて…でも野明には降ろせなくて木を殴る(苦笑).
本日の事件は拍子抜けして終わり,野明は教官室で後藤から報告書書きするように命じられます.始末書でないってことはこの件については内々に留めるつもりだな.野明が「おとがめはなしですか?」と聞いても「目の届かないところで,勝手なマネをするな」という訓示のみ.あまりにの寛大さに拍子抜けした野明に向かってバスタオルを投げるのは相棒の遊馬.…彼は本当に心配しています.
野明と入れ替わりに教官室に入った彼に「篠原か?」と後藤が見ずにちょっと呆れて言うくらい,野明に対して遊馬は過保護.黙ってあんなことをやる奴じゃないと未だに心配している彼.いつもならあの状況ならすっ飛んで帰ってくるはずなのに,なんで一人で暴走したのかと言えば…遊馬には心当たりが「ないこともないですが」.
遊馬の心当たりに対し,それは気持ちの持ちようだなぁとさらりと答え,自分の出る幕はないとさっと身を引いてしまう後藤.「俺からじゃ何を言ったって,命令に聞こえちゃうもの.カウンセリングはお前がやれ」と,この件についてはパートナーである遊馬に任せてしまう.指揮官の仕事は指揮車から命令してればいいってもんじゃない.フォワードが職務に集中できるよう,あらゆる面で気を配ることも職務のうちなのです.
…てな感じに言いくるめられ(笑)仕事を丸投げされた遊馬は後藤に1つ質問.「隊長は第2小隊の編成が適材適所だと思われますか?」というちょいと重めの質問に,「答える義務はないな」と後藤.そして「オレがミスキャストする顔に見えるか?」…えーっと,雰囲気的には肯定すべき場面なんだけど,なんせ後藤の顔だから,正直何とも言いがたい…(苦笑).
カウンセラー役の遊馬はイングラムの前に風呂上りの野明を呼び出し,早速事情聴取を開始.万札が流れてきたとき知らせようとは思わなかったのかと尋ねたら,「あの時は出所を突き止めなくちゃって,そればっかり思って!」と野明.けれど遊馬は,「いいとこ見せようって気がなかったって言い切れるか?」と,その内心にさらに切り込んでいくのです.
ある学校のラグビー部に万年補欠の選手がいて,たまたま途中から出場の機会があった.パスが渡ってその先は無人.一人で行けると思って,パスを通そうなんて考えは吹っ飛んで,走って走ってもうちょっとでトライ!ってところで,潰された.…遊馬の語る状況判断ができなくなったある男の話.試合には勝っても万年補欠に戻ってしまったその男は,そのまま過去の彼なんだろうなぁ.恥ずかしい過去を聞かせることで,自分だって似たようなもんだと言外に語ってみせます.
結構捨て身なその発言に,野明も心を開きはじめます.皆に認めて欲しい気持ちはあったかも.だって自分には何の取り柄もないし…! けれど「第2小隊にミスキャストはない! 隊長は言ってたぜ」と,相棒は自虐の言葉を止めてくれます.自分で思っているほどダメな奴じゃない.黒い奴を撃退した勇者で十分なことをやっているじゃないかと,「自信持てよ.どっちみち,できることを精一杯やるしかないんだから」とまとめます.第2小隊の臨機応変な日々の中,野明はかなり良く頑張っているはずなのです.

ちょっとした事件はあったものの無事に乗り越えて,揃って埋立地へと戻った第2小隊一同.本日はやたらそわそわしながら花束贈呈係を選定し,結局太田がひろみに押しつけたところで時間切れ.…元気になった熊耳が戻ってきたのだ! 壊されたイングラムも戻り,傷ついた自信も癒え,一番重症だった仲間もようやく復帰.黒いレイバーの爪痕は次第に消えて,貴重な経験という形で彼らの中に蓄積されていくのです.
…かくしてテレビシリーズのグリフォン編はここに完結! その後グリフォンや企画7課がどうなったのかについては,新OVAシリーズを待つことになります.そしてコミックスのエピソードをアニメ化することで稼いだ時間で,テレビシリーズは再びオリジナルエピソードへと回帰し…次回に続きます.

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