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デジモンセイバーズ#41

「時空を跨ぐ家族の問題の巻」

10年前から行方不明だった大門博士は,デジタルワールドの神・イグドラシルとなっていた.人類を地球ごと消滅させると決断した父の姿に衝撃を受けたマサル.そんな彼らを救い人間界へと逃げたのは,クダモンが究極進化したスレイプモンだった.イグドラシルの使者として人間界に送られていた彼は,ロイヤルナイツでありながらも人類の側に立ってくれたのだ.
大門博士が人間界の敵となった事実にマサルと家族,そして仲間たちの心は揺れる.2つの世界は衝突目前.全てを救うためには足を止めることなどできない状況なのに,父を信じたくても信じられないマサルは動くことができない.苦悩する彼と家族を他所に,イグドラシルの命令でデュークモンたちが地球へと飛来.世界が壊されないように,大切な人を守るため,力が及ばないことを覚悟しながらも仲間たちは先に戦いはじめる.

2つの世界を巻き込んだ巨大な危機を止めるために力を尽くす「セイバーズ」.ここまででかい上にややこしい物語になろうとは,公園の片隅ではじまった頃にはまったく思いもしなかった…なんてことはなくて,タイトルに「救世主」って入ってる時点で凄いことになりそうな予感だけはしてたんだよな.まさかこれほど不在の父とその助手が世界に影響を与えるシリアスな話になるとは思っていなかったんだけど(苦笑).
小さなグループが圧倒的な数の敵と戦い続けてきた物語もついに佳境.2つの世界を救うまでの最後の1章は,豪華にも究極体を次々にしずめていく物語となりそう.話数にも限界のある最終局面でロイヤルナイツを出した根性がもう滅茶苦茶なんだけど,どう無理やり片付けていくかもある意味見もの.で,今回も早速….それにこの先人類が全てをマサルたち任せにするかどうかも気になります.倉田登場以来,日本政府とDATSは不仲のままですが,こんな時だからこそ小さい力でも再び手を取り合うべきじゃないかなぁ.

夕焼けの中旅立った憧れの父の姿は一体どこに消えたのか.幼い自分が見送ったあの背中は,今や人類を裏切るものに変わってしまったというのか…夢から目覚めたマサルがいるのは人間界.周囲には仲間たちも無事に逃げのびておりました.戦闘不能だった彼らを救ってくれたのは「スレイプモン.ロイヤルナイツの1人だ」…実は薩摩のパートナーのクダモンが進化した姿.逃げる途中で手痛い攻撃を食らったのでぱたっと倒れ,皆は治療と休養のために地下基地へ.…俺たちも行こうぜとアグモンは兄貴を誘うけど,ショックの大きいマサルはデジタルワールドを見上げてなかなか動かない….
デジタルゲートから脱出しマサルたちを救ってくれて,今はテーブルの上に寝かされるクダモンを前に語られる彼の物語.イグドラシルの使者として,人間界を監視し人間の善悪を見極めるために送られてきたクダモン.「イグドラシルのスパイだったってことですか!」と動揺する白さん,落ち着け,もしスパイならわざわざ身を削って助けたりはしないはずだ(苦笑).DATSで過ごすうちに人間に親しみを感じるようになったクダモンは,今のイグドラシルのやり方にはついていけない.…その冷たい命令を出したのは,大門博士の姿をしたイグドラシルなんだけど….
人間もろとも人間界を消去する命令を下したイグドラシル.なんで父がイグドラシルになっているのか.なんであんな冷たい命令を下したのか…「どうして俺たちの敵になっちまったんだよ!どうして!」…納得行かなくて悔しいマサルに,「大門博士は変わってしまった」と薩摩は言う.時空の狭間から抜け出した薩摩とクダモンは一足先にイグドラシルの元へと赴いていたわけですが,彼らが到着したときには既に大門博士はあんなことになっちゃっていたわけです.
非情な決断を「デジタルワールドの神である私が下した決定だ.何者も抗うことはできん」と押し通す大門博士には,あの頃の人間らしい暖かさはない.大事にしていた家族のことだって,「そんな者たちのことなど知らん」なんてきっぱり言い切った上に「去れ」と攻撃された.薩摩たちやマサルたち,そしてきっとメルクリモンやバロモンたちの知っていた大門博士はもういない.「大門スグル博士は変わってしまったんだ!」…そんな薩摩の激白を聞いて遅れて動揺するチカさんとサユリさん.けなげに待っていた2人にあまりにも現実は厳しい!
それでもサユリさんは皆の食事を用意してくれたみたいだけれど,大門家の危機っぷりを目の当たりにした仲間たちは気まずい雰囲気.世界の危機に家族ぐるみで巻き込まれている大門家を見ていると,仲間だってついつい自分の家族に想いを巡らせてしまうんでしょう.中でも微妙な位置にいるのが大門家の居候であるアグモン.大門博士と血は繋がってない彼にできるのは,マサルを信じ,マサルの分の卵焼き1皿をララモンなどのいやしい仲間の手から死守することくらいだ(苦笑).
マサルならすぐに元気になるわとなぐさめるララモンに「ふん,余計なお世話だ!」と兄貴とよく似て意地っ張りなアグモン.兄貴はこんなことでくじけないと言い切るけれど,心で繋がっているからこそ,今まさに家族と一緒に苦悩している兄貴の痛みや苦しみはありありと感じられるんだろうなぁ.そんなしんみり気味のDATSに,さらに薩摩が厳しいことを言い出します.…ここからの台詞,よくよく考えると相当滅茶苦茶なこと言ってるんですよ(苦笑)?
2つの世界は衝突寸前.バンチョーレオモンが力尽きれば2つの世界は滅亡する.「だからこそ,今何をすべきか,それぞれ考えて行動してほしい.私に言えるのは,それが全てだ」…って,前置きの現実の厳しさやシリアスな雰囲気に騙されてなんかいい言葉に一瞬聞こえるんだけど,冷静に考えるとこの危機的状況下で指揮官が部下に全権を丸投げするってことだよね薩摩隊長(苦笑)? クダモンが弱ってるので指揮に戻るのが無理っぽいなら,せめて代理指揮官くらいは任命してください! 敵も来たし!
…たぶん,薩摩が立派になった隊員たちに全権を委任していたその頃,サユリやチカとともに夕焼けの土手にやってきたマサルはすっかり頭を抱えておりました.頭上に広がる世界の神が父で,この人間界を滅ぼそうとしているだなんて.「お父さん,私たちのことなんて,家族なんて,どうでもいいのかな」と悲しむ妹.どれほど寂しくても信じて待っていた父が自分たちを滅ぼそうとしている事実が信じられない.理解できない….「何かの間違いにきまってる!」とマサルは思うしかない.「何か理由があるんだ!」と考えるしか,自分たちの心が救われる道がない.
誰よりもずっと待っていたサユリは,こんな今ですら揺るがない.「あなたの会ったスグルさんがどんな姿をしていたとしても,私はスグルさんを信じてる.だって,私たちは家族ですもの!」…こんなときですら明るく言うのだ.どんな辛いときも信じあえるのが家族の絆だと,これまでずっと待っていたサユリは信じるしかない.けれど今の父の姿を間近に見て裏切られたばかりのマサルには,そんな理想論はとても信じられない…だから「俺はどうすりゃいいんだよ! 畜生ー!」と苦悩する!
苦悩するマサルたちを置き去りに本日のバトルは既にスタート! しかもやってきたのはいきなりデュークモン! 上空から怪光線でビルを消していく彼を止めるため,DATSは敢然と戦いを挑みます.これ以上人間界に手出しはするなと必死のクダモン.けれどイグドラシルの決定は絶対で,任務を遂行するのみとデュークモンは実に頑な.この世界の多くの命を犠牲にすることはないというクダモンの説得も,最初にやったのは人間ではなかったのかと言うデュークモンにはちっとも届かない….
元凶は本当に倉田一人なんだから,人間側の事情を知っているイクトは「違う!」と断言できるんだけど,いくら悪いのが倉田1人だとしても,あれも一応人間であることには変わりない.そこをどけ.さもないと消し去ってくれるとイグドラシルの言葉を曲げないデュークモンに対し,そんな勝手を決して許せないトーマたち3人はオーバードライブ! 究極体3体で迎撃だ! 白さん黒さんもルークとビショップチェスモンを出して備えるけれど,正直相手があまりに強すぎて力の差は歴然.それでもDATSだって心は曲げない! 「我々は敗北など恐れはしない!」「ただ,大切な人を守りたいだけよ!」…そして,そんな戦いを後にして,アグモンは兄貴を探しに走ります!

黄昏を迎えた2つの世界.頭上にはデジタルワールドが広がり,地上には滅びつつある人間界がある.夕日の色は父を見送った10年前と変わらないけれど,空の様子も地上の様子も,あの頃とは随分と変わってしまった….悩み疲れたチカは眠り,マサルとサユリは父をデジタルワールドに送り出した日のことを思い出す.旅立つ前のキャッチボール.マサルは父に「もっと本気で投げてよ!」と,絶対取ってみせると意地を張り,ちょっと驚いた父は本気の球を投げてくれて,あのときのマサルは「父の力一杯」を取ってみせたんだ.
これまでマサルが胸に下げてきたペンダントは,やはり父から譲られたもの.本気の球を受け止めたご褒美に,「一人前の男の証だ!」と渡してもらった大切なもの.もし自分が帰ってこられなくても,きっとマサルが守ってくれると信じることができたからこそ,凄く喜んでいたという父.あの時父はマサルを一人前の男と信じて,家族を任せてくれた.だからマサルも,自分を信頼してくれた男を信じたい…信じる!
父に関して悩み倒した末,マサルの心がある程度決まったところで衝撃と爆発!…デュークモンにやられたビショップチェスモンがこっちに吹っ飛ばされてきたのだ.さらにアグモンが兄貴をお迎えに.「ロイヤルナイツが攻めてきたぞー!」と叫ぶ上空にはデュークモン! 今は悩んでる余裕もないし,悩むこと自体がどうしようもなく似合わないし(笑),兄貴は仲間の危機を救うため再び走り出す!
もちろん声が豪華すぎるデュークモンは洒落にならないくらいに強い.ミラージュガオガモンもロゼモンもレイヴモンも全然敵わなくて,同じ究極体だってのにこんなに大きな差がまだあるのか….クレニアムモンが手を焼いた割には弱すぎる.この程度でロイヤルナイツに歯向かうなど片腹痛いわ!ととどめを刺そうとしたデュークモンに,「俺たちが相手だ!」と主役たちが主役らしく遅れて登場,精神的な壁も気合で越えて,いつものノリに復調だ!
ビルを走って殴りに行ってそのままオーバードライブ! シャイングレイモンにはジオグレイソードを持たせ,同じく武器持つデュークモンとの激戦スタート! 気合と力はシャイングレイモンならデュークモンともいい勝負.しかしデュークモンが困るのは防御が堅くテクニックも段違いに凄いってこと.武器を手放しながら接近し,抱きついて超至近距離のグロリアスバーストを放っても,ゼロ距離砲撃に吹っ飛んだのはシャイングレイモンの方.なんて堅い!
相手か自分のどっちかか両方の吹っ飛ぶ捨て身の攻撃でも倒せないデュークモン.「その程度の威力で,我が装甲砕けると思っているのか!」って,あれで無傷は反則だ! しかしマサルはこれでもまったくくじけない.我が守りの前には何者も無力だ!と誇るデュークモンに対し「うるせえ! 手前は絶対にぶっとばす! 人間界は消させやしねえ! そして父さんの本当の気持ちを確かめる! 父さんは罪なき人々を苦しめるような男じゃないはずだ!」…いやあ,あの声に「うるせえ!」って言っちゃうなんて凄いや,色んな意味で(苦笑)!
わがままで強いマサルの宣言をイグドラシルへの侮辱と受け取ったデュークモンは,怒りに任せて大技,ファイナルエリシオンを放とうとする! さすがにこれは洒落にならんと,クダモンは薩摩に強く命じて究極進化.スレイプモンが仲間に代わって技を受ける盾になる! とても戦えるような状態でないのに体を張るのは…イグドラシルが言う通り,人間は愚かで傲慢な生き物なのかもしれないけれど.「人間は己の過ちを正すことができる.我々と同じく,進化することができるのだ! 私は人間の可能性を信じる」
…ロイヤルナイツ同士のバトルはあっさりとカタがつきました.既に限界にあったスレイプモンが選べたのは相打ちだけ.オーディンズブレスで自分もろともデュークモンを凍らせて,そのまま一緒に退場させるしかない! デュークモンも相当頑張るんだけど,いくら完璧でも全身を氷に包まれては為す術もない.黄昏の中での神々の戦いはスレイプモンの言葉で終わっていきます.「私はお前たち人間に,2つの世界の未来を託す!」…飛び散る氷,そして衝撃.渦は急激に巻いて…細くなり,消えていく.

迷いながらも,その迷いをふっ切る方法だけは決めたマサルはデジタルワールドに行く覚悟を固めます.どんな苦境も拳で切り開き,そして語り合ってきた彼らしく,父の気持ちを確かめる為に殴り合うことにしたのです.「男と男だ! 拳と拳を交えれば,心で語り合うことができる!」…父が自分の認める男であることを信じ,今まで不可能を可能にしてきた父譲りの拳に全てを託して,討伐ではなく対話のための旅に出るのです.
父の考えてることも全部拳で聞き出してやると,覚悟を決めたマサルは明るい.心配すんな!と置いていくチカさんの頭をぐしゃぐしゃ撫でて,「絶対にお父さんを連れて帰るって!」と約束を求めるチカに「ああ,約束だ!」と迷いなく請け負う!失敗した時には父どころか世界すら消滅するってわかっていても,ここで約束できないような奴は,男じゃない!
覚悟したマサルはトーマたちの同行を断ります.この先はロイヤルナイツ相手の戦いが待っている,2つの世界を救うには絶対に成功させねばならないミッションだってのに,これは俺と父さんの問題だとか言い切るマサルはやっぱしどうかしてますが(苦笑)「頼む,ひとりで行かせてくれ!」なんて強く言い張る彼に強く反論できるだけの確固たるものを,残る3人はまだ持っていなかったのです.
さらに!この世界に来るロイヤルナイツはどうすんだ,誰がこの世界を守るんだ…なんて押されたら,マサルほど強い信念のない3人は折れるしかない.「わかった,行け!マサル」とイクトが最初に先行を許可.マサルたちの協力もあって最後には育ての父のメルクリモンと心が通じ合った彼としては,マサルが行きたいという気持ちを積極的に邪魔することはできないわけで…「だから,マサルも父親と話してこい!」
残る2人のうち,これまでずっとマサルどものわがままに付き合わされてきたヨシノは諦めます.どうせ言い出したら聞きやしない.大人のつもりの彼女は無駄な努力をしないのです.いつものように呆れて笑って,「ちゃんと帰ってくるのよ!」と握手.…そしてトーマも「行って来いマサル」と手を載せる.裏切りで迷惑をかけた負い目で一番マサルに反論できないのが彼のはず.「君が目的を果たすまで,僕たちは必ず守り抜いてみせる! 君たちが帰ってくる場所を」ってな感じにいさぎよくかっこ良く見送るのがもう精一杯なんだよな.
強く我を通すことができるマサルは,まだ通せない仲間たちを置き去りに,弟分のシャイングレイモンだけを連れにして「頼んだぜ,皆!」と旅に出る! …颯爽と旅立つ彼らを見送る全員が,どこまでも真っ直ぐに変わらないマサルの心を信じてる.拳という強力な言語を携えた人類のメッセンジャーは,波乱の待つ空へと飛んでいく! …そして,残された者たちがすぐさま考え直しはじめる(笑)次回に続きます.

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