« 1月-2月開始新番組チェック | トップページ | デジモンセイバーズ#39 »

機動警察パトレイバー#40

「端からモロバレ真夏のペテンの巻」

綺麗で静かな海くらいしか自慢できるもののない寒村,四倉村に第2小隊がやってきた.沖のご神体の側にプレシオサウルスのプレッシーが出るから沿岸を警備してくれなんて,突拍子もない理由で埋立地から引っ張り出されてきたのだ.そこにテレビ局の中継がついて来てイングラム対古代生物などと派手に煽ったものだから,人気のなかった海はあっという間に野次馬で賑わう一大観光地と化してしまった.
観光客が遊ぶ後ろで,海岸を見張る羽目になった第2小隊.村人は妙に歓待してくれるけど隊員のストレスは溜まるばかり.隊長は県警に掛け合って今夜で引き継いで帰京する許可を得る.それを村人たちのリーダーに話すと,案の定彼らは不審な行動をとりはじめた.村側の事前の手回しがあまりにも良すぎるこの事件,後藤はその裏にあるものを燻り出すために彼らに揺さぶりをかけたのだ.

1年シリーズもとうとう終盤へと向かうってのに,こんな閑話休題みたいな話を平気でやっちゃう「パトレイバー」.本当は半年で終わる予定だったのを無理やり引き伸ばしてしまったおかげで,1話完結がベースとはいえシリーズ全体の構成が凄く収まりの悪いことになっているのもまあご愛嬌.グリフォン編をやることによって稼いだ時間で作られた最終クールのエピソードは,前回のような次世代に関する話を一応の縦糸として,今回みたいなちょっとした小品や実験作が次々に展開されることになります.
4話の毛有毛現や19話のジオフロントの怪物など,作品自体は現実寄りでも実際には怪物が普通に出てきちゃう本作としては,今回のオチはやっぱしバレバレで陳腐.でも,本当はこういう凄く下らない話こそが彼らの日常の大部分で,シャフトがらみのそうでない事件は明らかに異常な非日常なのに違いない.見所は…やっぱし後藤の人の悪さだよな(笑).

前半.満月輝く夜の海に集合するのは,いかついオヤジとその手下である若者ども.彼らが今回の犯人です! もう後戻りできないと覚悟の彼らは「よす,いけ!」とご神体の側で煙を上げる.自分たちでつけといて「プレッシー様じゃぁ…」もないもんですが,既にすっかり追い詰められている彼らは本当に必死.…この不審火と謎の目撃証言によってわざわざ東京湾から呼び出されたのが第2小隊.さすがは本庁のお荷物.あんだけ活躍していてもこういうどうでもいい事件には相変わらず呼ばれちゃうようで…気の毒(苦笑).
やってきた第2小隊に「おら見ただ!」と訴えるのは,もちろん昨晩,親父の後ろにいた若い衆の1人.禁断のご神体の側に伊勢海老を取りに行って溺れかけた彼が見たのは…プレッシー? このあたりの説明を実際に懇切丁寧にやってるのは全部あのオヤジさん.古くからいるらしいのにプレシオサウルスからプレッシーなんて名をつけるだなんて,随分ハイカラというか適当というか不条理というか….こういうのが好きな遊馬がすぐに食いつくのに対し,現実主義の熊耳は鮫の見間違いではないかといぶかしげ.
目撃者はプレッシーを信じてもらうために必死! 第2小隊にここに留まってもらうため,漁師は見間違えないとか巣は村ぐるみで隠していました!とか,まるで事前に準備していたかのような苦しい回答が次から次に.漁場を荒らされたくないから隠していたのなら,今回だってわざわざ通報して第2小隊が出張るような大事にしちゃいけないはずなのに,オヤジは「お前のせいでこれまでの苦労が水の泡でねか!」と目撃者をごつんとやるのだ.
一応県から沿岸警備命令を出されていた第2小隊は,後藤のまあいいか!という判断でここに留まることに.海岸へと続く細い道を通り,イングラムをここまで持ってこなければなりません.レイバーキャリアにはこの道は細すぎるので,太田の判断でイングラムの徒歩で現地入りしようとしたところ…「出ました! 太田巡査得意の臨機応変ですね?」とあの見知った笑顔とヘルメットが突然登場! おなじみのリポーター,桜山桃子さんがヘリと一緒に登場だ!
泣く子も引きつる,亡くなった御仏も棺桶を蹴飛ばして跳ね起きるという凄い形容っていうか悪口を立て板に水でまくし立てる桃子さん(苦笑).首都の鬼瓦扱いする桃子さんを太田は怖い顔で睨み…にらめっこは結局太田の勝ち.でも「無敵の特車二課」とか「今日の犠牲者は?」とか桃子さんの舌が大人しくなる気配は一切ないので,勝ったって何もいいことはないな(笑).
第2小隊に加えて報道陣まで加わった浜はいきなり賑やかに.快適な警備のために若い衆に命令し場を整えるのはあのオヤジで,後藤に手渡すうちわにも「四倉村青年団 プレッシー保護連絡協議推進委員会中央本部」とか長ったらしい組織名が既に印刷されている.「ずいぶんと用意がいいですねぇ」とカマかける後藤に,「そういうこってす」としか答えない食えないオヤジ.浜を歩くイングラムの足跡すらも保存しようとする異常ぶりに「記念ねぇ」とやや呆れる後藤にも「そういうこってす」と返事.そりゃ後藤でなくても「なんだかなぁ」なわけですよ.
村にとって第2小隊は余程大切なお客さんらしく,夜だって海の家を使った臨時宿泊所で酒盛りまでしてくれる.警察官なんだからどれだけ勧められても断らなきゃいけないはずなのに,「…ください」と既に進士の眼鏡が光ってる.今日はそんなストレス溜まるようなことはなかったんじゃないか(苦笑)? さらに外では,あのオヤジが持ってきてくれた花火で遊ぶ野明と遊馬.売れ残り花火とはいえ随分と歓待してくれて,なんだか申し訳ない気分にすらなってしまいます.
一応警備中なんだけど,花火で遊んだりとすっかりリゾートモードな第2小隊.テレビ局も側にいるんだから本来はもっと真面目にやるべきなんだろうけれど,何も出てこないんだから無理に仕事をしているふりもできないし,報道陣の興味はすっかりプレッシーに行ってるし….「イングラム対古代生物,かぁ」と突拍子もないマッチメイクに悩む野明に,プレッシーは殺さないでくれと頼み込むオヤジ.一億何千年も前から生き延びてきたのだからそっとしといてやりたいという彼の言葉に,「うん」「約束するよ,おじいちゃん」と心優しく答える2人は実に素直で単純で,どこかのあくどい隊長のように疑ったりはしてないのです.
報道の力は凄まじく,翌日にはもう観光客が渋滞! イングラム対古代怪獣の宣伝効果は下手なイベント以上に高い.誰もいない浜辺はいきなり観光名所と化して,どっちが勝つかまでネタにされちゃって,イングラムは子どものおもちゃになりかかり…皆よっぽど暇なんだなぁ(苦笑).「気持ちはわかるよなぁ…俺だって見にきちゃうもんなぁきっと」と軽い遊馬が状況に納得しているのに対し,堅物の太田は怒ってる.ご神体には巣があるから近づくなと監視員がスピーカーで警告してますが,まるで宣伝しているようにしか聞こえない….
すっかり人で混み合った海岸.こんだけ騒がしければきっとプレッシーだって海底に逃げ込みそうなのに,それでも沿岸警備命令は続く.人ごみの中を歩いて充電に戻らねばならないイングラム.もちろんこれは操縦技術の見せ所であり,わしわし歩くことで足元の人間を無理にどかせようとするのは禁止! 「交通事故の減らない原因は,それだってことわかってる?」と熊耳にきつく叱られてます(笑).
混み合う砂浜で,イングラムが席を外したところにシートを敷いて場所を確保しておくのはなぜか遊馬の役目に.いい天気の下でぼーっとシートの上で待っているのはどうにも間抜け(笑).警察官は楽しそうな周囲からはすっかり浮き上がってしまって,いくら可愛い女の子たちがうろうろしていても職場放棄もできないし…「はいはい」「いえいえ」と親切にしていい笑顔を向けるくらいしかやることもなくて蛇の生殺し.後藤が県警に交渉に行ったと聞けば,「俺も交渉したいよ」と,目の前にある手の届かない楽園を見つめて嘆くしかない….
さて,県警に行ってきた後藤は怪しいあのオヤジにいきなり最後通告.二課は今夜中に引き上げることになりました! これに対して,万が一この人ごみに怒ったプレッシーが上陸するようなことがあった場合には?と脅しをかけるオヤジ.さらに焼きとうもろこしを後藤に差し出しながら「おらぁ見ただす!」と真剣に主張する若い衆.余程二課に帰ってほしくないらしい2人に対し,後藤は少しも揺るがず騒がず,後の警備は県警がやってくれますから!とさらりと流す.「そういうこってすか」「そういうこってす」と飄々と.
ここに呼ばれた理由からして異常だし,準備の良さや歓待ぶりまで全てひっくるめてこの浜はおかしい.ずっと疑ってかかっていた後藤は遊馬の「撤収ですか?」の言葉に,「手回しが良すぎるんだよねぇ.何が出てくるかな?」と笑顔で答える.毒は入っていないと思うよともらったとうもろこしも遊馬に押し付け,随分と楽しそうに歩いていく彼.これほどわかりやすいペテンを暴くのも,後藤にはそれなりに楽しいことのようです.

後半.後藤にもう帰ると言われたオヤジとその手下たちは俄かに動揺.なんとしても「パトレイバーさ帰えしちゃなんねえだ!」ってな気合で事に当たります.パトレイバーより,それにくっついてきたテレビ局が目当てだったオヤジたち.ろくな地場産業がなく,売りである海もお盆を過ぎればクラゲだらけ,工場誘致も頓挫し国からも見離された絵に描いたような過疎の村だからこそ,こんな底の浅いペテンに全てを賭けるようなハメに陥ったわけですが…その転落の経緯があんまり同情できねえ(苦笑).
これまで失敗続きだったという村おこしの数々.温泉探しに,砂浜に砂金ばらまき,そしてじゃんがらでジャカルタってな国際交流….たぶんあの一時的な交付金でやったんだろうけど(笑)どれもこれも失敗して財政破綻目前だから,こんな博打に出たのかこいつら.確かにプレッシー騒動は今のところ最良の効果を示していますが,このままでは肝心のパトレイバーが東京に帰ってしまうから,リスクを覚悟の上で「浜の皆ば,あっと言わせるのは,今をおいて他にねえ!」
夜ともなれば昨晩も出現したというプレッシーへの期待で一杯の海.観光客たちが見守る海を第2小隊も一緒に監視中.物見高いは人の常…でも,昨日の今日でここまで観光地化するなんて,あまりにも浜側の段取りが良すぎると熊耳.鋭い彼女はすぐに後藤と同じところにたどり着いたわけですが…でも彼女,凄く怖がりなんだよな(笑).飄々とやってきた後藤は一同を見回して考えた末,熊耳の肩に両手を乗せて,「お出かけ,しない?」と白羽の矢を立て,さらにひろみもオプションとして連れていくのです.
後藤と一緒にお出かけする大変に怖がりな2人.後藤は先に懐中電灯持ってどんどん行ってしまうから怖くてたまらない…「何が目的なのかはわかりませんが,人選に問題があると思いませんか!」と熊耳は必死! でも人の悪い後藤は「怖い?」と余計に怖い顔で振り返り,しかもなんか遠くから聞こえてきたのであっさり気絶…うわ,早(笑)!
浜辺に隠れてこそこそなんかやってたのは,あのオヤジ率いる偽プラッシー組み立て隊.大型特殊免許はあるけどレイバー免許を持ってない,無免許もいいところな若い衆をオヤジは急がせ…そっただこと言ったって手元暗れえんだからよう!と文句を言う若いのに「はい,明かり」と後藤が懐中電灯で照らしてくれる.驚く兄ちゃんににいいっと笑う後藤は…本当に人が悪いよなぁ(苦笑).
怪物よりもおっかない人に見つかってしまったプレッシーの真実.気絶からようやく目覚めたはずの熊耳がまた張りぼてにビビって気絶したり,そして真実を知って起きたりしてますが(笑)「…そーの物体は,証拠物件として押収します!」といつもより頑張って叫ぶのは,二回も気絶させられた犯人たちへの怒りからか,それとも人の悪すぎる隊長のおかげで披露してしまった醜態をごまかすためなのか….
さて,プレッシーの大部分が後藤に見つかってしまったその頃,浜ではご神体に近づく不思議な物体が出現! 期待していた観客は動揺,テレビ局も大慌てで飛び出して中継するけど…尻尾だけ? 水面に突き出すのはプレッシーの尾とへらへらと揺れる尾ひれ.もちろん水中にはレイバーがいて,中には先に海中に出ていた「おら見ただ」がノリノリで入っているのです(笑)!
未確認生物の出現に迷わず発砲する無謀な太田.けれどいつものように弾は当たらず,そんなこととも知らないオラ見ただ!は伊勢海老なんか取りに行っちゃうし….ここでようやく「おお,やっとるなぁ?」と後藤とプレッシーの上半身ご一同様が到着.海中にいるアレが偽プレッシー(下半身のみ)であることも明らかに.…まあ,そんなこったろうとは思っていましたが,「なんだかがっかりだね」と気が抜けてしまう野明.
珍しく本物のUMAではなかったものの,後藤は人心掌握術をよく心得ています.県警と交渉してあれを片付けたら夏休みがもらえると交渉済で,ずっと目の前のリゾートがうらやましかった遊馬は急に気合を入れて「野明,行くぞ!」と元気になっちゃう.疑わないし現金だし,本当に後藤と違って単純にできているよなぁこいつ(笑).
砂浜からの投光によって明らかになる,偽プレッシーこと水中用レイバー.マスコミは偽プレッシーとイングラムの両方を応援してますが(笑)第2小隊はどんなふざけた敵相手でも真面目にお仕事しちゃいます! 切り札は一発きりの磁気ネット弾.これを太田は見事に打ち込み,いい感じに偽プレッシーを捕獲してイングラムで陸へと引っ張る…下半身だけだけど大漁だ(笑).けれどこの若い衆,あっさり網を自力で切断しちゃってイングラムがひっくり返る! …下敷きになってぶっ壊れる海の家.帝都の破壊神の異名は伊達じゃない(苦笑)!
頭に尻尾,両手に尾ひれを装着した水中レイバー.ついに海上に姿を現した犯人機のシルエットはどこか怪物じみているけれど,結局はハリボテ,張子の虎の中身は鉄とFRPの塊で…ブチ切れた太田は犯人機に突進! 制止も聞かずに電磁警棒を突き立てて当然両方とも感電(苦笑)! イングラムもまた鉄とCFRPの塊であり,中の人まで往生しそうになるのも当然.…これぞ悪名轟く第2小隊の十八番,無謀な大技! ペテンは暴かれるわ海の家は壊されるわ高価な水中用レイバーは壊されるわ海中に高圧電流流されて漁場が大変なことになるわ.あーあ.レイバー隊なんか呼ぶからこんな悲惨なことに….

翌日の海.まさに潮が引くように観光客の消えてしまった浜辺でのんびり遊んでいる第2小隊.県警と約束した通りの休日を満喫しているらしいけど,いくら犯人たちが捕まって不在となったとしても,自分たちがぶっ壊した海の家の前でよく呑気に遊んでいられるな(苦笑).「みんな,いなくなっちゃったね」と今更感傷的なことを言い出す野明.もちろん嘘をついた方が悪いのは間違いないけれど,この寒村に引導を渡したのは君たちだぞ(笑)?
そこにやってきたのが,第2小隊を見に来たという地元の夫婦と子ども.レイバーキャリアの大ファンなんて渋い子どもだなぁ….うれしげな家族と一緒にご満悦で写真に収まる笑顔の第2小隊.昨日の件で逮捕された地元の皆さんの家族に恨まれていつどこで襲われてもわからないってのに,自覚の有無は別として,こいつら本当に性悪だ(笑)! 次回に続きます.

|

« 1月-2月開始新番組チェック | トップページ | デジモンセイバーズ#39 »

レビュー◆機動警察パトレイバー」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/5112/13804955

この記事へのトラックバック一覧です: 機動警察パトレイバー#40:

« 1月-2月開始新番組チェック | トップページ | デジモンセイバーズ#39 »